JP4304453B2 - 窒素除去システムの運転制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は窒素除去システムの運転制御装置に係り、特に、活性汚泥中に存在する硝化菌や脱窒菌により生物学的に廃水中の窒素を除去する窒素除去システムにおける運転制御装置に関する。
廃水の生物学的処理法の中で、廃水中のBODと窒素を同時に除去する方法として、活性汚泥を使用して硝化・脱窒反応を行う窒素除去方法が広く実用化されている。この方法は、好気性条件下で活性汚泥中に存在する硝化菌の働きでアンモニア性窒素を亜硝酸又は硝酸等の硝酸性窒素に酸化する硝化工程と、嫌気性条件下で活性汚泥中に存在する脱窒菌の働きで亜硝酸又は硝酸を窒素ガスに還元し廃水中から除去する脱窒工程とで構成されている。しかし、硝化反応を担う硝化菌の増殖速度が遅く、また水温の影響を受け易いことから、安定した窒素除去性能を得るためには、硝化工程で十分に硝化反応を進める運転条件の適性な管理が必要である。その為には、硝化菌を窒素除去システム内に保持できるように汚泥滞留時間(SRT)を適正値にするべく余剰汚泥の引き抜き量の制御が不可欠であると共に、硝化速度への影響因子である硝化槽の溶存酸素濃度(DO濃度)を適正値にするべくエア曝気量の制御が必要である。
そして、廃水からの窒素除去を行うためには、硝化反応で生じた硝酸性窒素を脱窒槽で確実に脱窒する必要がある。脱窒反応には、化学量論的に脱窒されるべき硝酸性窒素量に対して水素供与体としての有機物量がBODとして2.86倍必要とされており、脱窒槽におけるBOD/N比を把握することは脱窒反応の適正な制御に不可欠である。例えば、脱窒槽における廃水のBOD/N比が適正値よりも低い場合には、硝化槽から脱窒槽へ循環させる硝化液量を適正に制御しないと、脱窒槽で脱窒可能な硝酸性窒素負荷以上の負荷が脱窒槽に与えられることになり、不要な動力を消費するだけでなく、硝化槽から脱窒槽への溶存酸素の持ち込みによって脱窒環境が悪化する。逆に、脱窒槽における廃水のBOD/N比が適正値よりも高い場合には、脱窒槽での脱窒反応で消費しきれなかった有機物が硝化槽へ流入してしまい、硝化槽でのエア曝気量の増大をもたらすだけでなく、硝化槽に配設する硝化活性度検出装置の検出精度を低下させる要因になる。
活性汚泥の脱窒速度は、単位汚泥量当たりの原水BOD容積負荷(BOD- SS負荷)に比例すると言われており、原水BOD容積負荷が高い方が単位汚泥量当たりの脱窒速度は増加する。この効果は活性汚泥に吸着されたり、菌体内に貯め込まれた有機物量の増加に伴って発生すると言われており、日単位の時間での平均的な全BOD負荷が影響する。また、活性汚泥の内生呼吸の速度を示す内生酸素消費速度と脱窒速度にも相関性がある。
一方では、主に溶解性のBOD(S - BOD負荷)として測定される易分解性有機物は、分単位で活性汚泥の脱窒速度を増加させる効果があり、脱窒槽における廃水の易分解性有機物濃度をモニタリングすることによって適正な脱窒制御が可能になる。
このような背景から、特許文献1では、窒素除去システムの硝化反応と脱窒反応の状態監視方法が提案されている。これは、廃水の水質分析値又は測定値をもとに硝化反応モデルから硝化速度を推定し、これと硝化槽における酸素消費速度から換算した硝化速度を比較することにより、適正なSRTや硝化槽のDOを求め、運転操作量を決定するものである。また、特許文献2では、活性汚泥の内生呼吸速度(内生酸素消費速度)をもとに、脱窒反応における有機炭素源の不足量を求め、メタノール注入量に変換して注入ポンプを制御する装置が提案されている。
ところで、窒素除去システムの運転制御に使用するデータを得るための検出装置、例えば硝化活性度検出装置は、短時間で検出して運転制御にフィードバックできることや、メンテナスが容易であることが重要となる。
特開平8−117793号公報 特開平3−221199号公報 特開平10−290997号公報
しかしながら、特許文献1では、硝化槽でのアンモニア性窒素濃度を直接検出するものではないため、運転操作量が適正であったかどうかの判断に正確さを欠く欠点があると共に、分析や計測が煩わしいとされる廃水の窒素濃度を求める必要がある等、制御装置が煩雑になるという欠点がある。また、特許文献2では、内生呼吸速度が原水の有機物負荷量に比例するとし、その適正値になるように有機物(メタノール)添加量を決定しているものの、脱窒すべき硝酸性窒素との関係が論じられておらず、脱窒反応の制御には不十分といえる。
また、従来の硝化活性度検出装置、例えば特許文献3はアンモニア性窒素濃度しか検出できない欠点があり、満足できるものではなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、窒素除去システムの運転制御を自動化できると共にBOD/N比を適正に制御できるので、原水負荷が大きく変動する場合でも安定した処理水を得ることができる。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、硝化槽と脱窒槽とから成る少なくとも1基の硝化・脱窒装置と、該硝化・脱窒装置の後段に設けられた固液分離槽とにより、アンモニア性窒素と有機物を含有する廃水から窒素を生物学的に除去する窒素除去システムにおいて、前記硝化槽における酸素消費速度の経時変化を自動測定して該測定結果に基づいてアンモニア性窒素濃度と硝化速度を検出する硝化活性度検出装置と、前記検出されたアンモニア性窒素濃度と硝化速度から前記脱窒槽における窒素負荷推定量を下記式により演算する窒素負荷量演算手段と、前記廃水の有機物濃度の経時変化を自動測定する有機物濃度測定装置と、前記測定した有機物濃度から前記脱窒槽における有機物負荷推定量を演算する有機物負荷量演算手段と、前記窒素負荷推定量と前記有機物負荷推定量との比から、脱窒反応の水素供与体としての有機物量の過不足を判定する判定手段とを備え、前記判定手段の判定結果に基づいて前記窒素除去システムを運転制御することを特徴とする窒素除去システムの運転制御装置。ここで、前記窒素負荷推定量LTN(mg- N/L)は、前記硝化速度をKN (mg- N/L・h)、前記アンモニア性窒素濃度をNe (mg/L)、原水量をQ(L/h)、硝化槽容積をVn (L)、脱窒槽内の廃水のトータル窒素のうち硝化・脱窒反応に係わる窒素濃度の割合をfとしたときに、式LTN=(Ne +KN ×Vn ×1/Q)×(1/f)によって演算される。
ここで、硝化槽と脱窒槽とから成る少なくとも1基の硝化・脱窒装置とは、硝化・脱窒装置を直列に複数基設けて、各硝化・脱窒装置に廃水を分配して処理する、所謂ステップ多段法も含むことを意味する。また、廃水を分配する比率をステップ流入比という。
請求項1は窒素除去システムの運転制御を自動化でき且つ有機物/窒素の比、例えばBOD/N比を適正に制御できる構成を具体的に示したもので、硝化槽における酸素消費速度の経時変化からアンモニア性窒素濃度と硝化速度の両方を硝化活性度検出装置で検出し、検出したアンモニア性窒素濃度と硝化速度から脱窒槽内における窒素負荷推定量を演算するようにした。一方、脱窒槽における有機物負荷推定量は、脱窒槽に流入する廃水の有機物濃度測定値から演算するようにした。そして、推定した窒素負荷推定量と有機物負荷推定量との比であるBOD/N比から、脱窒反応の水素供与体としての有機物量の過不足を判定手段で判定し、判定結果に基づいて前記窒素除去システムを運転制御するようにした。これにより、窒素除去システムの運転制御を自動化できると共に廃水のBOD/N比を精度良く把握することができるので、原水負荷が大きく変動する場合でも安定した処理水を得ることができる。
請求項2は請求項1において、前記硝化・脱窒装置の前段に嫌気槽を設け、前記固液分離槽で沈降分離した汚泥を前記嫌気槽に返送することを特徴とする。これは、硝化・脱窒装置の前段に嫌気槽を設け、嫌気槽では固液分離槽からの返送汚泥によって持ち込まれる硝酸を脱窒すると同時にリンを放出させる、所謂A2O法にも本発明を適用する場合である。
請求項3は請求項1又は2において、前記硝化活性度検出装置は、前記硝化槽内に浸漬され、硝化菌が固定化された担体を内部に保持すると共に前記硝化槽と相互に流通可能な小型容器と、前記小型容器から前記担体と前記活性汚泥とが混ざった混合試料液をサンプリングする混合試料液サンプリング手段と、前記小型容器外の硝化槽内から前記活性汚泥を含む汚泥試料液をサンプリングする汚泥試料液サンプリング手段と、前記混合試料液及び前記汚泥試料液のそれぞれについて酸素消費速度の経時変化を測定する検出器リアクタと、前記混合試料液の測定結果に基づいて前記硝化槽に流入する廃水のアンモニア性窒素濃度を演算すると共に、前記混合試料液及び前記汚泥液試料の測定結果に基づいて前記硝化槽の硝化速度を演算する際に、前記混合試料液の内生酸素消費速度と前記汚泥試料液の内生酸素消費速度との関係比を使って前記汚泥試料液の内生酸素消費速度を換算する演算器と、を備えたことを特徴とする。
ここで、内生酸素消費速度とは、活性汚泥等の微生物の内生呼吸による酸素消費速度であり、この酸素消費速度は概ね一定で推移する。従って、検出器リアクタで試料液に酸素を曝気して回分反応を行った場合には、硝化反応に伴う酸素消費速度のみが変化して次第に減少し、内生酸素消費速度に達すると一定になる。このように、硝化反応に伴う酸素消費速度のみの経時変化が回分反応における全体の酸素消費速度の変化となって現れるので、試料液中のアンモニア性窒素が完全に硝化され、酸素消費速度が定常値、即ち内生酸素消費速度を示すまでの酸素消費速度の変化から試料液の初期のアンモニア性窒素や活性汚泥の硝化速度を求めることができる。
請求項によれば、アンモニア性窒素含有液を活性汚泥で好気的に処理する硝化槽内に、硝化菌が固定化された担体を内部に保持すると共に硝化槽と相互に流通可能な小型容器を浸漬させるようにした。これにより、小型容器内の担体は硝化槽内のアンモニア性窒素含有液や硝化槽内の好気的条件下で硝化活性が常に維持されている。従って、硝化活性度検出装置を長時間使用しない場合でも、従来のように検出器リアクタ内にアンモニア性窒素を含む廃水を供給したり、空気を曝気したりする必要がないので、装置のメンテナスが必要ない。
更に、請求項では、アンモニア性窒素含有液のアンモニア性窒素濃度を短時間で測定できるだけでなく、本発明者の下記の知見に基づいた演算手段の演算方法によって活性汚泥の硝化速度も短時間で測定することができる。即ち、活性汚泥の硝化速度を演算するには、汚泥試料液を検出器リアクタで回分反応させる反応初期の酸素消費速度と、酸素消費速度が一定値になる反応終期の酸素消費速度である内生酸素消費速度を測定することが必要になるが、活性汚泥は硝化速度が遅いので検出器リアクタでの硝化反応が終了するまでに(内生酸素消費速度に達するまで)1時間程度又はそれ以上を要する場合も多く、運転条件の迅速な管理には使えない。
そこで、本発明者は、鋭意研究した結果、上記した混合試料液を検出器リアクタで回分反応させたときの内生酸素消費速度と、上記した汚泥試料液を検出器リアクタで回分反応させたときの内生酸素消費速度とには一定の関係比があることを見つけ出すと共に、この関係比は小型容器の容積に対する担体容積が一定であれば、アンモニア性窒素含有液のアンモニア性窒素濃度が変わっても同じであるとの知見を得た。従って、活性汚泥の硝化速度を測定する場合、検出器リアクタでの硝化反応が終了するまで(内生酸素消費速度に達するまで)の時間が汚泥試料液の1/3程度と短い混合試料液で測定した内生酸素消費速度に前記した関係比を掛ければ汚泥試料液での内生酸素消費速度に換算することができ、しかも混合試料液の内生酸素消費速度はアンモニア性窒素濃度を測定する際に得ることができる。これにより、汚泥試料液は検出器リアクタにおいて酸素消費速度のみが測定できればよく、検出器リアクタでの回分反応の初期の数分間のみ酸素消費速度を測定すればよいことになり、活性汚泥の硝化速度の測定時間を大幅に短縮することができる。尚、小型容器の容積に対する担体容積が変わる場合には、予め試験をすることで、その担体容積での上記関係比を求めることができるので、求めた関係比を演算手段に入力し直せばよい。
上記知見に基づいて、請求項の硝化活性度検出装置の演算手段では、混合試料液及び汚泥液試料の測定結果に基づいて活性汚泥の硝化速度を演算する際に、混合試料液の内生酸素消費速度と汚泥試料液の内生酸素消費速度との関係比を使って汚泥試料液の内生酸素消費速度を換算するようにしたので、硝化速度を得るまでの時間を大幅に短縮することができる。従って、請求項の硝化活性度検出装置と窒素負荷量推定手段とを組み合わせれば、短時間で脱窒槽内における窒素負荷推定量を把握することができ、それだけ脱窒制御の精度を向上させることができる。
請求項4は請求項3において、前記小型容器は、前記小型容器本体の下部に形成され、担体流出防止用のスクリーンが設けられた流通入口と、前記小型容器本体の上部に形成され、担体流出防止用のスクリーンが設けられた流通出口と、前記小型容器本体内の低部に設けられたエア曝気手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより、小型容器本体の下部に形成された流通入口から小型容器本体内に流入した活性汚泥を含むアンモニア性窒素含有液は、曝気手段からのエアによるエアリフト作用で上向流となって小型容器本体内を上昇し、小型容器本体の上部に形成された流通出口から硝化槽に戻る循環流が形成される。従って、小型容器と硝化槽との間で、アンモニア性窒素含有液や活性汚泥が十分に流通し合うことができるので、アンモニア性窒素濃度や硝化速度の測定精度を向上させることができる。また、流通入口や流通出口には、スクリーンを設けたので、循環流を形成しても担体が小型容器から流出することはない。
請求項5は請求項1〜4の何れか1において、前記有機物量の過不足がなくなるように、廃水のステップ流入比、脱窒槽に流入する廃水から固形分を除去する目的で設置する前処理装置での有機物除去量、前記硝化槽から前記脱窒槽への硝化液の循環液量、前記固液分離槽から前記脱窒槽へ返送する汚泥返送量、前記脱窒槽へ添加する水素供与体の添加量の少なくとも1つを運転制御することを特徴とする。
これは、脱窒槽内におけるBOD/N比に影響を及ぼす制御因子を具体的に挙げたもので、これらの制御因子のうちの少なくとも1つを制御することで、脱窒反応に適正なBOD/N比にすることができる。
請求項6は請求項1〜5の何れか1において、前記硝化活性度検出装置で検出したアンモニア性窒素濃度が一定になるように、前記硝化槽のエア曝気量を増減させることを特徴とする。これは硝化槽の硝化制御に硝化活性度検出装置を用いたもので、アンモニア性窒素濃度を短時間で検出することができるので、硝化槽内のアンモニア性窒素濃度を殆どタイムラグのないかたちで把握することができる。従って、硝化活性度検出装置で検出したアンモニア性窒素濃度が一定になるように、硝化槽のエア曝気量を増減させれば、硝化反応の制御精度も向上できる。更には、脱窒槽内のBOD/N比を制御する上で、硝化槽から脱窒槽に循環する硝化液量を制御する場合、硝化槽内のアンモニア性窒素濃度が一定であれば、それだけ制御し易くなる。
以上説明したように本発明に係る窒素除去システムの制御装置によれば、窒素除去システムの運転制御を自動化できると共にBOD/N比を適正に制御できるので、原水負荷が大きく変動する場合でも安定した処理水を得ることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る窒素除去システムの運転制御装置における好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の運転制御装置を組み込んだ窒素除去システムの全体構成であり、活性汚泥循環変法の例で以下に説明する断面図である。但し、本発明の窒素除去システムの運低制御装置は、活性汚泥循環変法に限定されるものではなく、所謂、ステップ多段法やA2O法にも適用できる。
図1に示すように、窒素除去システム10は、主として、脱窒槽12と硝化槽14で成る硝化・脱窒装置と固液分離槽16とで活性汚泥循環変法の廃水処理装置として構成される。
アンモニア性窒素含有液は原水配管22から脱窒槽12を通って硝化槽14に流入し、硝化槽14で硝化処理される。硝化槽14内の底部には好気性条件を形成するためのエア曝気管26が配設され、エア曝気管26がエア配管24を介してブロア28に接続される。これにより、アンモニア性窒素含有液のアンモニア性窒素は好気的条件下で硝化槽14内に浮遊する活性汚泥中の硝化菌によって硝化処理されて亜硝酸や硝酸に酸化される。亜硝酸や硝酸を含む硝化液は循環配管30を通って循環ポンプ32によって脱窒槽12に循環され、嫌気性条件下で活性汚泥中の脱窒菌によって脱窒処理される。これにより、亜硝酸又は硝酸を窒素ガスに還元し廃水中から除去される。また、脱窒槽12と硝化槽14との間で循環される液の一部は処理水として固液分離槽16に流出して固液分離される。固液分離された上澄水は処理水として放流されると共に、沈降した活性汚泥は、一部が余剰汚泥として余剰汚泥配管34から引き抜かれ、残りは汚泥返送配管36を通って返送汚泥ポンプ37により脱窒槽12に戻される。
次に、窒素除去システム10の運転制御装置46について説明する。
原水配管22には廃水原水の流入量を計測する原水流量計11と廃水原水の有機物濃度を自動測定するBOD計13が設けられ、測定データは演算機15に入力される。BOD計としては、濁度計や、紫外線吸光度によるTOC計(以下、UV−TOC計という)を好適に使用することができる。演算機15では、測定した有機物濃度から脱窒槽12における有機物負荷推定量を演算する。有機物負荷推定量はBOD容積負荷量として次式(1)から演算することもできる。
BOD =k×KDO…(式1)
ここで、LBOD :原水BOD容積負荷量(mg- BOD/L・h)
DO:硝化槽14からサンプリングした汚泥試料液の内生酸素消費速度((mg- O2 /L・h)であり、硝化活性度検出装置18でのアンモニア性窒素濃度や硝化速度を検出する際に一緒に求められる。
k:比例定数(mg- BOD/mg- O2
また、硝化液の循環配管30には循環される硝化液量を測定する硝化液流量計17が設けられ、測定データは演算機15と循環ポンプ32を制御するためのコントローラ19との両方に入力される。コントローラ19は硝化液流量計17からの測定データに基づいて循環ポンプ32の回転数をインバータ25で制御し、循環する硝化液量を制御する。汚泥返送配管36には返送される汚泥量を計測する汚泥流量計21が設けられ、測定データは演算機15に入力される。また、硝化槽14内には、硝化槽14内の廃水の溶存酸素(DO)を測定するDO計27が設けられ、測定データは演算機15とブロア28を制御するコントローラ23との両方に入力される。演算機15には、硝化槽14におけるアンモニア性窒素濃度の目標値が予め設定されており、コントローラ23は、DO計27の測定データに基づいてブロア28の回転数をインバータ29で制御し、硝化槽14内に曝気するエア曝気量を調整する。また、脱窒槽12の上方には、有機物、例えばメタノールを貯留する有機物タンク31が設けられ、有機物タンク31から添加配管33が脱窒槽12の上方まで延設される。添加配管33には添加ポンプ35が設けられ、添加ポンプ35は添加のON−OFF及び添加量を制御するコントローラ39によって制御される。
また、硝化槽14には、該硝化槽14における酸素消費速度の経時変化を自動測定して該測定結果に基づいてアンモニア性窒素濃度と硝化速度を検出する硝化活性度検出装置18が設けられ、検出されたアンモニア性窒素濃度と硝化速度の各データは演算機15に入力される。演算機15では、検出したアンモニア性窒素濃度と硝化速度から脱窒槽12における窒素負荷推定量を演算する。
この演算において、特に活性汚泥循環変法に限定しない一般的な窒素除去システムとして窒素負荷推定量を演算する場合には、窒素負荷推定量LTNを脱窒槽12への総窒素負荷(原水全窒素負荷)として式2から演算される。総窒素負荷には、硝化・脱窒されずに菌体の一部となる部分や脱窒槽12に循環されずに処理水側へ素通りする硝酸性窒素分も含まれる。
LTN=(Ne +KN ×Vn ×1/Q)×(1/f)…(式2)
ここで、LTN:窒素負荷推定量(mg- N/L)
KN :硝化速度(mg- N/L・h)
Ne :アンモニア性窒素濃度(mg/L)
Q :原水量(L/h)
Vn :硝化槽容積(L)
f :脱窒槽における廃水のトータル窒素のうち硝化・脱窒反応に係わる窒素濃度の割合であり、予め試験等により得ることができる。
しかし、本発明の実施の形態における活性汚泥循環変法の場合には、硝化槽14から脱窒槽12に循環される部分しか脱窒されないので、窒素負荷推定量LTNを実際に脱窒槽12に関する式3及び式4で表される負荷LNOX として演算する方が好ましい。これは、化学量論的に必要なBOD/N比(2.86)は、この負荷LNOX と脱窒槽12に流入する有機物負荷との比について当てはまるためである。
NOX =(KN ×Vn /Q)×R/(1+R)…(式3)
R=(QR +Qr )/Q …(式4)
ここで、KN :硝化速度(mg- N/L・h)
n :硝化槽容積(L)
R :循環比
Q :原水量(L/h)
R :硝化液の循環液量(L/h)
r :返送汚泥量(L/h)
n :硝化槽容積(L)
そして、演算機15は、演算された窒素負荷推定量と有機物負荷推定量とから得られる有機物/窒素の比、例えばBOD/N比から、脱窒反応の水素供与体としての有機物量の過不足を判定し、過不足がなくなるように、廃水のステップ流入比、脱窒槽12に流入する廃水原水から除去する有機物除去量、硝化槽14から脱窒槽12への硝化液の循環液量、固液分離槽16から脱窒槽12へ返送する汚泥返送量、脱窒槽12へ添加する水素供与体(例えばメタノール)の添加量の何れか1つを運転制御する。ここで、脱窒槽12に流入する廃水原水から除去する有機物除去量の制御は、例えば脱窒槽12の前段に最初沈殿槽(図示せず)或いは濾過装置(図示せず)とバイパスラインを設け、最初沈殿槽や濾過装置とバイパスラインを使い分けることにより脱窒槽12に流入する廃水中の有機物量を調整するようにすればよい。
かかる窒素除去システム10の運転制御装置46を構成する上で、従来ネックとなっていた主な要因は、脱窒槽12における窒素負荷推定量を演算する元になるアンモニア性窒素濃度と硝化速度の経時的な測定データを短時間で精度良く採取できる硝化活性度検出装置18として満足できる装置がなかったためであり、本発明では次に説明する硝化活性度検出装置18を使用した。
図2は硝化活性度検出装置18を説明するための概略図であり、一部の部材や装置は図1から省略して示してある。
図2に示すように、硝化活性度検出装置18は、主として、硝化槽14内に浸漬され、硝化菌が固定化された多数の担体38を内部に保持すると共に硝化槽14と相互に流通可能な小型容器20と、小型容器20から担体38と活性汚泥とが混ざった混合試料液をサンプリングする混合試料液サンプリング配管40と、小型容器20外の硝化槽14内から活性汚泥を含む汚泥試料液をサンプリングする汚泥試料液サンプリング配管42と、混合試料液及び前記汚泥試料液のそれぞれについて酸素消費速度の経時変化を測定する検出器リアクタ44と、混合試料液の測定結果に基づいてアンモニア性窒素含有液のアンモニア性窒素濃度を演算すると共に、混合試料液及び汚泥液試料の測定結果に基づいて活性汚泥の硝化速度を演算する演算機15とで構成される。
図3は、小型容器20の一部を切り欠いて示したものであり、縦長な略四角箱状に形成された小型容器本体48内には、硝化菌を包括固定化した担体38が充填される。また、小型容器本体48の下部側面には担体流出防止用のスクリーン50を有する流通入口52が形成され、小型容器本体48の上部側面には担体流出防止用のスクリーン54が設けられた流通出口56が形成される。小型容器本体48の下端部は三角屋根を逆にした形状に形成され、この下端部にエアを曝気する曝気管58が噴出口を上にして配設される。曝気管58はエア配管60を介してブロア62に接続され、これによりエア曝気手段63が構成される。ブロア62は、小型容器20用に別途設けてもよく、硝化槽14内をエア曝気するためのブロア28を共用してもよい。このように構成された小型容器20によれば、流通入口52から小型容器本体48内に流入した活性汚泥を含むアンモニア性窒素含有液は、エア曝気手段63からのエアによるエアリフト作用で上向流となって小型容器本体48内を上昇して流通出口56から硝化槽14に戻る循環流が形成される。従って、小型容器20と硝化槽14との間で、アンモニア性窒素含有液や活性汚泥が十分に流通し合うことができるので、アンモニア性窒素濃度や硝化速度の測定精度を向上させることができる。更には、エア曝気手段63からのエアで小型容器20内を攪拌することができる。また、流通入口52や流通出口56には、スクリーン50、54を設けたので、循環流を形成しても担体38が小型容器20から流出することはない。
図2に示すように、混合試料液サンプリング配管40と汚泥試料液サンプリング配管42とは切替弁64で合流し、合流管66が検出器リアクタ44の下端部に接続される。この切替弁64は、混合試料液サンプリング配管40と合流管66を連通させる場合、汚泥試料液サンプリング配管42と合流管66を連通する場合、混合試料液サンプリング配管40及び汚泥試料液サンプリング配管42の何れにも合流管66を連通させない遮断状態の3通りの切り替えを行うことができる。また、検出器リアクタ44の上部から延設された減圧用配管68は減圧タンク70を介して減圧ポンプ72に接続されると共に、減圧タンク70の下端から試料排出管74が硝化槽14まで延設される。これにより、混合液試料を検出器リアクタ44にサンプリングする場合には、切替弁64を混合試料液サンプリング配管40側に切り替えてから減圧ポンプ72を駆動することにより、小型容器20内の混合試料液が減圧タンク70と検出器リアクタ44まで吸引される。この場合、減圧タンク70まで吸引される混合試料液量が小型容器20の容量より十分小さく設定され、また小型容器20内はエア曝気手段63からのエアで攪拌されているので、小型容器20から担体38と活性汚泥が均一に混ざった混合液試料をサンプリングすることができる。サンプリング終了後、直ちに切替弁64を遮断状態にし、検出器リアクタ44で混合液試料を回分反応で硝化し、回分反応が終了したら減圧タンク70に回収された試料液は重力により試料排出管74を介して硝化槽14に戻される。続いて、汚泥液試料を検出器リアクタ44にサンプリングする場合には、切替弁を汚泥試料液サンプリング配管42側に切り替えてから減圧ポンプ72を駆動することにより、小型容器20外の硝化槽14内の汚泥試料液が検出器リアクタ44に吸引され、前回の混合試料液と入れ替わる。
図4は検出器リアクタ44と酸素消費速度の算出方法を示したものである。
図4に示すように、小型容器20又は硝化槽14から一定量サンプリングされて検出器リアクタ44に供給された混合試料液又は汚泥試料液の試料液に、検出器リアクタ44の気相部76(ヘッドスペース部)の空気をエアポンプ77で循環させ、試料液の硝化を回分反応により行う。その回分反応の間、酸素計78により気相部76の酸素濃度(O2 )を測定すると共にDO計80で液相部82である試料液中の溶存酸素(DO)を測定する。測定された酸素濃度(O2 )及び溶存酸素(DO)の測定値は演算機15に逐次送信される。この回分反応により、試料液中のアンモニア性窒素が硝化され、酸素消費速度が徐々に低下し、最終的に試料液に含まれる微生物(担体中の微生物や活性汚泥中の微生物)の内生呼吸による内生酸素消費速度を示すベースラインで安定する。そして、内生酸素消費速度を示すまでの酸素濃度(O2 )と溶存酸素(DO)の経時変化と、気相部76及び液相部82の各相の容積から、試料液の酸素消費速度Kr (mg- O2 /L・h)の経時変化を求める。この場合、アンモニア性窒素を含有する試料液においては、酸素消費速度Kr の測定における測定初期と測定終期では次の式5と式6が成り立つ。
測定初期の酸素消費速度(Kr )=Kr N +Kr E …(式5)
ここで、Kr N :硝化に係る酸素消費速度
Kr E :内生酸素消費速度
また、試料液中のアンモニア性窒素が全て硝化された後は試料液の内生呼吸による酸素消費速度のみとなり酸素消費速度は一定値で安定するので、
測定終期の酸素消費速度(Kr )≒内生酸素消費速度(Kr E )…(式6)
そして、演算機15は、酸素消費速度(Kr )や内生酸素消費速度(Kr E )等を使用して、硝化槽14内に残存するアンモニア性窒素濃度(mg/L)、及び活性汚泥の硝化速度(mg・N/L・h)を次のようにして演算する。
(残存するアンモニア性窒素濃度の演算方法)
アンモニア性窒素濃度(Ne)は、硝化に使われた容積当たりの酸素消費量(W)に定数(k)を掛けたものであり、次の式7から演算することができる。
アンモニア性窒素濃度(Ne)=k×Σi(Kr i −Kr E )×t…(式7)
ここで、k :定数( mg-N/ mg-O2 )
Kr i :i時間後の酸素消費速度kr
Kr E :内生酸素消費速度
t :単位時間(h)
アンモニア性窒素濃度(Ne)は、硝化菌を包括固定した担体で試料液を硝化しようが、活性汚泥で試料液を硝化しようが、アンモニア性窒素濃度(Ne)は同じ値が得られるので、小型容器20から担体38と活性汚泥とが混ざった混合試料液を使うことで、アンモニア性窒素濃度(Ne)の測定時間を短縮することができる。
(活性汚泥の硝化速度の演算方法)
硝化速度(KN )は、初期酸素消費速度(kr S )から内生酸素消費速度(Kr E )を引いて定数k( mg-N/ mg-O2 ) を掛けたものであり、次の式8から算出することができる。
硝化速度(KN )=k×(kr S −Kr E )…(式8)
硝化速度(KN )の場合、活性汚泥の硝化速度(KN )を測定するためには、活性汚泥を含む汚泥試料液の初期酸素消費速度(kr S )と内生酸素消費速度(Kr E )を求めなくてはならないため、内生酸素消費速度(Kr E )の測定に長時間、例えば1時間程度を要し、これでは硝化槽14の運転条件を迅速に管理できない。そこで、本発明者は、上記した混合試料液を検出器リアクタ44で回分反応させたときの内生酸素消費速度(Kr E 1)と、上記した汚泥試料液を検出器リアクタ44で回分反応させたときの内生酸素消費速度(Kr E 2)とには一定の関係比があることを見いだし、測定の短縮化を図るようにした。即ち、硝化速度の速い混合試料液で測定した内生酸素消費速度(Kr E 1)に関係比を掛けることにより、計算で汚泥試料液の内生酸素消費速度(Kr E 2)を求め、求めた内生酸素消費速度(Kr E 2)を活性汚泥の硝化速度の演算に使用することで、汚泥試料液の内生酸素消費速度を検出器リアクタ44で測定しなくても活性汚泥の硝化速度を演算できるようにしたものである。
例えば、硝化菌を包括固定化した担体38を小型容器20の容積に対して10%容積になるように保持した場合の混合試料液の内生酸素消費速度(Kr E 1)と、汚泥試料液の内生酸素消費速度(Kr E 2)との関係比は、2:1になる。従って、検出器リアクタ44で測定した混合試料液の内生酸素消費速度(Kr E 1)を2で割れば汚泥試料液の内生酸素消費速度(Kr E 2)を求めることができる。
そして、小型容器20の容積に対する担体容積が同じであれば、硝化槽14のアンモニア性窒素濃度が変わっても関係比は変わらない。これにより、関係比を演算機15に予め入力しておけば、汚泥試料液の初期酸素消費速度(kr S )だけを数分間測定すれば硝化速度を演算することが可能であり、活性汚泥の硝化速度の測定時間を大幅に短縮することができる。尚、小型容器20の容積に対する担体容積が変わる場合には、予め試験をして関係比を求め、求めた関係比を演算機15に入力し直せばよい。
このように、硝化活性度検出装置18によれば、硝化槽14における硝化に関する活性度、即ち硝化槽14に残存するアンモニア性窒素濃度及び硝化槽14内に浮遊する活性汚泥の硝化速度の両方を短時間で測定できる。
また、アンモニア性窒素含有液を活性汚泥で好気的に処理する硝化槽14内に、硝化菌が固定化された担体38を内部に保持すると共に硝化槽14と相互に流通可能な小型容器20を浸漬させるようにしたので、小型容器20内の担体38は硝化槽14内のアンモニア性窒素含有液や硝化槽14内の好気的条件下で硝化活性が常に維持されている。従って、従来のように検出器リアクタ44内にアンモニア性窒素を含む廃水を供給したり、空気を曝気したりする必要がないので、検出器リアクタ44のメンテナスが必要ない。
上記の如く構成された窒素除去システム10の運転制御装置46によれば、煩雑な廃水の水質分析を行うことなく、硝化活性度検出装置18で酸素消費速度の経時変化からアンモニア性窒素濃度と硝化速度を自動で且つ短時間で検出することができる。これにより、硝化槽の硝化状態の良し悪しを的確に把握することができるので、硝化反応の性能に係わる硝化槽14の滞留時間(SRT)や硝化槽14内の溶存酸素(DO)濃度等の制御量を無駄なく定量的に決定できると共に、その制御効果を検出したアンモニア性窒素濃度から逐次確認することができる。例えば、活性汚泥モデル(ASMモデル)に基づく硝化・脱窒反応モデルにより硝化槽14内における硝化反応の状態を監視し、硝化活性度検出装置18で検出したアンモニア性窒素濃度が演算機15に設定されている目標値になるように、硝化槽14内のエア曝気量を増減させるとよい。
また、硝化活性度検出装置18で検出したアンモニア性窒素濃度と硝化速度から、脱窒槽12における窒素負荷推定量を演算することができるので、時々刻々変化する脱窒槽における窒素負荷推定量を的確に把握することができる。一方、脱窒反応を制御する上で重要な水素供与体としての有機物量は、BOD計13で脱窒槽に流入する廃水の有機物濃度が自動測定され、測定結果から脱窒槽12における有機物負荷推定量が演算されるので、時々刻々変化する脱窒槽における有機物負荷推定量を的確に把握することができる。そして、窒素負荷推定量と有機物負荷推定量との比であるBOD/N比から、脱窒反応における有機物量の過不足を判定することにより、上記したようにBOD/N比に係わる各因子の制御量を無駄なく定量的に決定することができる。即ち、BOD容積負荷量としての有機物負荷推定量から脱窒可能量が求められ、アンモニア性窒素濃度や硝化速度から推定される窒素負荷推定量から脱窒必要量が求められるので、脱窒必要量が脱窒可能量より小さい場合には、脱窒槽12には十分な有機物量が存在するので、BOD/N比に係わる各因子のうち例えば硝化液の循環液量を多くして脱窒効率を上げる。逆に、脱窒必要量が脱窒可能量より大きい場合には、脱窒槽12の有機物量が不足しているので、BOD/N比に係わる各因子のうち例えば脱窒槽12の前段に設けた最初沈殿池や濾過装置を操作せずにバイパスラインから直接廃水を脱窒槽12に流入させたり、有機物タンク31からメタノールを添加したりして、BOD容積負荷を高め、脱窒可能量を増加させることで適正な脱窒反応を行うことができる。
また、硝化反応や脱窒反応を適正に制御することで、硝化槽14内にエアを供給するブロア28、硝化液を硝化槽14から脱窒槽12に循環させるポンプ32、汚泥を固液分離槽16から脱窒槽12に返送する返送汚泥ポンプ37等の動力源を適正に制御することができるので、低動力での運転制御を行うことができる。
このように、本発明の窒素除去システムの運転制御装置は、窒素除去システムにおける制御の自動化を図れるだけでなく、硝化反応及び脱窒反応を適正に制御することができるので、原水負荷が大きく変動する場合にも安定した処理水質を低動力で得ることができる。尚、窒素負荷推定量の蓄積データ及び有機物負荷推定量の蓄積データを経時的にパターン化し、該パターンに基づいて運転制御するようにすれば、検出から制御までのタイムラグを全く無くすことができる。
尚、本発明の実施の形態を活性汚泥循環変法の窒素除去システムの例で説明したが、実施の形態の冒頭でも述べたように、ステップ多段法やA2O法の窒素除去システムにも適用可能である。
図6は、脱窒槽12と硝化槽14で成る硝化・脱窒装置を2段直列に繋げたステップ多段法での概略図である。また、図7は硝化・脱窒装置の前段に嫌気槽100を設けたA2O法の概略図である。尚、符号は活性汚泥循環変法で使用した符号と同じである。
本発明の運転制御装置を組み込んだ活性汚泥循環変法の窒素除去システムの全体構成図 硝化活性度検出装置を説明する概略図 小型容器の構造を説明する一部を切り欠いた斜視図 検出器リアクタと、それによって測定される酸素濃度、溶存酸素及び酸素消費速度を説明する説明図 混合試料液の酸素消費速度と汚泥試料液の酸素消費速度を比較した比較図 多段ステップ法による窒素除去システムの概略図 A2O法による窒素除去システムの概略図
符号の説明
10…窒素除去システム、11…原水流量計、12…脱窒槽、13…BOD計、14…硝化槽、15…演算機、16…固液分離槽、17…硝化液流量計、18…硝化活性度検出装置、19…コントローラ、20…小型容器、21…汚泥流量計、22…原水配管、23…コントローラ、24…エア配管、25…インバータ、26…エア曝気管、27…DO計、28…ブロア、29…インバータ、30…循環配管、31…有機物タンク、32…循環ポンプ、33…添加配管、34…余剰汚泥配管、35…添加ポンプ、36…汚泥返送配管、37…返送汚泥ポンプ、38…担体、39…コントローラ、40…混合試料液サンプリング配管、42…汚泥試料液サンプリング配管、44…検出器リアクタ、46…運転制御装置、48…小型容器本体、50…スクリーン、52…流通入口、54…スクリーン、56…流通出口、58…曝気管、60…エア配管、62…ブロア、63…エア曝気手段、64…切替弁、66…合流管、68…減圧用配管、70…減圧タンク、72…減圧ポンプ、74…試料排出管、76…気相部、77…エアポンプ、78…酸素計、80…DO計、82…液相部,100…嫌気槽

Claims (6)

  1. 硝化槽と脱窒槽とから成る少なくとも1基の硝化・脱窒装置と、該硝化・脱窒装置の後段に設けられた固液分離槽とにより、アンモニア性窒素と有機物を含有する廃水から窒素を生物学的に除去する窒素除去システムにおいて、
    前記硝化槽における酸素消費速度の経時変化を自動測定して該測定結果に基づいてアンモニア性窒素濃度と硝化速度を検出する硝化活性度検出装置と、
    前記検出されたアンモニア性窒素濃度と硝化速度から前記脱窒槽における窒素負荷推定量を下記式により演算する窒素負荷量演算手段と、
    前記廃水の有機物濃度の経時変化を自動測定する有機物濃度測定装置と、
    前記測定した有機物濃度から前記脱窒槽における有機物負荷推定量を演算する有機物負荷量演算手段と、
    前記窒素負荷推定量と前記有機物負荷推定量との比から、脱窒反応の水素供与体としての有機物量の過不足を判定する判定手段とを備え、
    前記判定手段の判定結果に基づいて前記窒素除去システムを運転制御することを特徴とする窒素除去システムの運転制御装置。
    ここで、前記窒素負荷推定量LTN(mg- N/L)は、前記硝化速度をKN (mg- N/L・h)、前記アンモニア性窒素濃度をNe (mg/L)、原水量をQ(L/h)、硝化槽容積をVn (L)、脱窒槽内の廃水のトータル窒素のうち硝化・脱窒反応に係わる窒素濃度の割合をfとしたときに、式LTN=(Ne +KN ×Vn ×1/Q)×(1/f)によって演算される。]
  2. 前記硝化・脱窒装置の前段に嫌気槽を設け、前記固液分離槽で沈降分離した汚泥を前記嫌気槽に返送することを特徴とする請求項1の窒素除去システムの運転制御装置。
  3. 前記硝化活性度検出装置は、
    前記硝化槽内に浸漬され、硝化菌が固定化された担体を内部に保持すると共に前記硝化槽と相互に流通可能な小型容器と、
    前記小型容器から前記担体と前記活性汚泥とが混ざった混合試料液をサンプリングする混合試料液サンプリング手段と、
    前記小型容器外の硝化槽内から前記活性汚泥を含む汚泥試料液をサンプリングする汚泥試料液サンプリング手段と、
    前記混合試料液及び前記汚泥試料液のそれぞれについて酸素消費速度の経時変化を測定する検出器リアクタと、
    前記混合試料液の測定結果に基づいて前記硝化槽に流入する廃水のアンモニア性窒素濃度を演算すると共に、前記混合試料液及び前記汚泥液試料の測定結果に基づいて前記硝化槽の硝化速度を演算する際に、前記混合試料液の内生酸素消費速度と前記汚泥試料液の内生酸素消費速度との関係比を使って前記汚泥試料液の内生酸素消費速度を換算する演算器と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2の窒素除去システムの運転制御装置。
  4. 前記小型容器は、
    前記小型容器本体の下部に形成され、担体流出防止用のスクリーンが設けられた流通入口と、
    前記小型容器本体の上部に形成され、担体流出防止用のスクリーンが設けられた流通出口と、
    前記小型容器本体内の低部に設けられたエア曝気手段と、を備えたことを特徴とする請求項3の窒素除去システムの運転制御装置。
  5. 前記有機物量の過不足がなくなるように、廃水のステップ流入比、脱窒槽に流入する廃水から固形分を除去する目的で設置する前処理装置での有機物除去量、前記硝化槽から前記脱窒槽への硝化液の循環液量、前記固液分離槽から前記脱窒槽へ返送する汚泥返送量、前記脱窒槽へ添加する水素供与体の添加量の少なくとも1つを運転制御することを特徴とする請求項1〜4の何れか1の窒素除去システムの運転制御装置。
  6. 前記硝化活性度検出装置で検出したアンモニア性窒素濃度が一定になるように、前記硝化槽のエア曝気量を増減させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1の窒素除去システムの運転制御装置。
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