JP6208644B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚外用剤に関する。
皮膚に光が当たると一重項酸素が発生し、シミ又はシワといった光老化の原因になることが知られている。
カロテノイドは、海藻、植物等から抽出して得られる天然物由来の成分であって、一重項酸素の消去能が高く、一重項酸素に起因した皮膚の光老化を抑制する効果がある。
しかしながら、カロテノイドは安定性が低く、例えば、皮膚外用剤にカロテノイドを配合する際には、カロテノイドの安定化剤と併用されることが多い。
カロテノイドの安定化剤としては、アスコルビン酸(ビタミンC)誘導体、トコフェロール(ビタミンE)誘導体等が知られている。
例えば、特許文献1、2には、カロテノイドの安定化に、アスコルビン酸リン酸エステル誘導体が有効であることが記載されている。
また、特許文献3には、カロテノイドの1つであるアスタキサンチンと、PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI コポリマーと、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウムと、を配合したジェリー様美容液が記載されている。
一方、特許文献4には、美白用皮膚外用剤中に、水溶性美白剤成分と共に会合性ポリマーとして、株式会社ADEKA製アデカノールGT−700等の疎水性変性ポリエーテルウレタンを用いることが記載されている。
特許5019885号公報 特許5046756号公報 特開2013−82705号公報 特開2002−284664号公報
カロテノイドは、天然物由来であることで、除去し難い不飽和脂肪酸等の不純物に起因する油臭さや魚臭さがある。カロテノイドの中でも、特に、アスタキサンチン、リコピン、フコキサンチン等は強い匂いを有する。具体的には、例えば、アスタキサンチンは、海藻、オキアミ由来の魚臭さ、又は植物由来の油臭さ等を有し、リコピンはトマト臭さを有する。
カロテノイドの安定化剤であるアスコルビン酸誘導体も、経時にて、酸化分解が生じ、これに起因する甘い匂いが発生する。カロテノイドの安定化に有効であるとされる、アスコルビン酸リン酸エステル誘導体は、経時にてゆっくり分解し、アスコルビン酸が発生することで、臭いが徐々に強くなる。
本発明者は、皮膚外用剤に、カロテノイドとアスコルビン酸誘導体とを組み合わせて配合すると、カロテノイド特有の臭気とアスコルビン酸誘導体の分解に由来する臭気と、が組み合わさり、強い臭気となるという問題点を見出した。
本発明の解決する課題は、臭気が低減され、且つ、カロテノイドの安定性に優れ、経時による析出物の発生も抑制された、経時安定性に優れる皮膚外用剤を提供することである。
上記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。即ち、
[1] 下記一般式(1)で表される化合物であるPEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート コポリマーと、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムから選ばれる少なくとも1つの化合物アスタキサンチン含有油及びトマト抽出オイルから選ばれる少なくとも1種に由来するカロテノイドと、を含有し、B型粘度計を用いて25℃、12rpm、30sの測定条件で測定したときの皮膚外用剤の粘度が1Pa・s以上である、皮膚外用剤。
一般式(1)中、Rは炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、R及びRは各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、Rは2価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。
[2] アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムから選ばれる1つの化合物の含有量が、皮膚外用剤の全質量に対して0.1質量%以上である[1]に記載の皮膚外用剤。
] 一般式(1)で表される化合物の含有量が、皮膚外用剤の全質量に対して0.4質量%以上である[1]又は[2]に記載の皮膚外用剤。
] カロテノイドを含む乳化粒子を有する乳化物である[1]〜[]のいずれか1つに皮膚外用剤。
本発明によれば、臭気が低減され、且つ、カロテノイドの安定性に優れ、経時による析出物の発生も抑制された、経時安定性に優れる皮膚外用剤が提供される。
本発明の皮膚外用剤は、一般式(1)で表される化合物、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムから選ばれる1つの化合物、及びカロテノイドを含有し、B型粘度計を用いて25℃、12rpm、30sの測定条件で測定したときの皮膚外用剤の粘度が1Pa・s以上の皮膚外用剤である。
以降、一般式(1)で表される化合物は「化合物(A)」と、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムは総じて「特定安定化剤(B)」と、適宜、略称して、説明する。
本発明の皮膚外用剤は、上記のような構成を有することで、臭気が低減され、経時安定性に優れる皮膚外用剤となる。
この効果が得られる機構の全ては明確ではないが、以下のように推測される。
上述したように、特定安定化剤(B)とカロテノイド(C)とを含有した系では、カロテノイド(C)の安定性が顕著に向上することが知られている。しかしながら、カロテノイド(C)特有の臭気と特定安定化剤(B)の分解に由来する臭気と、が組み合わさり、強い臭気となる。
臭気の低減については、一般に、特定安定化剤(B)とカロテノイド(C)とを含有した系に更に増粘剤を含有し、系の粘度を高くして、臭気の放出を抑制するという手法がとられることがある。この手法では、系の粘度を高くすることで、臭気の原因となる揮発性の低分子化合物が系中から揮発され難くなることを利用している。
増粘剤として化粧料にて広く使われる多糖類を用いる場合、増粘効率が高くなく、目的とする粘度を達成するには多量に増粘剤を含有する必要がある。また、多量の増粘剤を用いても、臭気の低減が不十分であり、別途、べたつきの問題が生じることもある。
増粘剤として化粧料で広く用いられるアクリル系の増粘剤(カルボマー等)では、耐塩性がなく、特定安定化剤(B)のような塩類を含有した系では、増粘ができず、それに伴い臭気の低減効果も得られない。
一方、本発明では、特定安定化剤(B)とカロテノイド(C)とに加え、化合物(A)を含有している。
ここで、化合物(A)は、疎水性に変性されたウレタン系ポリマーであって、非イオン性の化合物である。化合物(A)は、特定安定化剤(B)のような塩類と共に用いても増粘することができ、多糖類のようなべたつきも生じない。
また、化合物(A)は、一般式(1)に示される構造から明確なように、親水部と疎水部とを両方有しており、親水性の低分子化合物(例えば親水性の匂い成分)と疎水性の低分子化合物(例えば疎水性の匂い成分)とのどちらに対しても親和性を有している。つまり、化合物(A)を皮膚外用剤に含有させることで、皮膚外用剤中の親水性の臭い成分と疎水性の臭い成分との両方が化合物(A)に吸着して、揮発することなく、可溶化した状態を保持しうるものと考えられる。その結果、本発明の皮膚外用剤の臭気が抑制されると推測される。
特に、化合物(A)を皮膚外用剤に一定の濃度(皮膚外用剤の全質量に対して0.4質量%)以上で含有させると、皮膚外用剤の粘度を顕著に上げることができる。皮膚外用剤の粘度が上がると、臭い成分の揮発及び蒸散が抑制されて、更に皮膚外用剤の臭気が抑制される。
一方で、本発明で用いる特定安定化剤(B)は、カロテノイド(C)の安定化に有効である成分であると共に、経時による結晶析出が生じ難い成分である。そのため、本発明の皮膚外用剤は、カロテノイドの安定性に優れ、経時による析出物の発生も抑制された、経時安定性に優れるものとなる。
ここで、皮膚外用剤の粘度は、皮膚外用剤を、B型粘度計を用いて25℃、30s、12rpmの測定条件で測定したときの粘度である。
具体的には、皮膚外用剤から分取した測定試料100gを、B型粘度計である、製品名:TVB−10M、東機産業(株)製に供し、測定条件25℃、30s、12rpmにて測定して得られたものである。
本発明では、測定試料を3つ用意し、全ての測定試料の平均値を「皮膚外用剤の粘度」とした。
本発明の皮膚外用剤の粘度の上限値としては、皮膚外用剤の使用感の観点から、100Pa・sが好ましい。
以降、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
更に、本明細書において皮膚外用剤中の各成分の量は、皮膚外用剤中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、皮膚外用剤中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明において「経時安定性」とは、皮膚外用剤を製造した後、時間を経過させた場合、皮膚外用剤の系中での物性変化が抑制されることを意味する。例えば、本発明においては、物性変化として、皮膚外用剤の系中でのカロテノイド(C)の残存率と、結晶析出物の発生と、が挙げられる。
本発明において、乳化物及び乳化液を得る際に使用する「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
以下、本発明の皮膚外用剤に用いる各成分について、詳細に説明する。
本発明の皮膚外用剤は、化合物(A)、特定安定化剤(B)、及びカロテノイド(C)を含み、必要に応じて、水、及びその他の添加剤を含んでいてもよい。
〔化合物(A)〕
本発明の皮膚外用剤は、化合物(A)、即ち、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
一般式(1)中、Rは炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、R及びRは各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、Rは2価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない
化合物(A)は、一般式(1)から明らかなように、主鎖にウレタン構造及び親水性のアルキレンオキシ基を有し、末端に疎水性の炭化水素基を有する、疎水性に変性されたウレタン系コポリマーである。
一般式(1)中のRは、炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、好ましくは2価〜8価の炭化水素基である。Rで表される炭化水素基は、炭素原子−炭素原子間に酸素原子を含んでもよい。
一般式(1)中のR及びRは、各々独立に、炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素数2〜4のアルキレン基である。
一般式(1)中のRは、ウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、好ましくは2価〜4価の炭化水素基である。Rで表される炭化水素基の炭素数としては1〜10が好ましい。
一般式(1)中のRは、2価の炭化水素基を表し、炭素数は8〜36が好ましく、12〜24がより好ましい。Rで表される2価の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基から水素原子を1つ除いて得られる2価の基が挙げられ、アルキレン基であることが好ましい。
一般式(1)中のRは、水素原子又はヒドロキシ基を表す。
つまり、Rが水素原子である場合には、Rの2価の炭化水素基と共に末端基となる。
一般式(1)中のmは、Rで表される炭化水素基の価数と同じであり、2以上の整数である。
一般式(1)中のhは、Rで表される炭化水素基の価数−1であり、1以上の整数である。
一般式(1)中のkは、(O−R)構造の繰り返し数(重合度)であって、0〜1000の範囲の整数であればよい。
一般式(1)中のnは、(R−O)構造の繰り返し数(重合度)であって、0〜1000の範囲の整数であればよい。
なお、一般式(1)中、k及びnの両方が0になることはない。
[一般式(1−1)で表される化合物]
本発明では、一般式(1)で表される化合物として、下記一般式(1−1)で表される化合物(以降、化合物(A−1)と称する場合がある)が好ましい。
一般式(1−1)中、R11は炭素数2〜12でm1価の炭化水素基を表し、R12及びR14は各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、R13はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh1+1価の炭化水素基を表し、R15は1価の炭化水素基を表す。m1は2以上の整数であり、h1は1以上の整数であり、k1及びn1は括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k1及びn1の両方が0になることはない。
ここで、一般式(1−1)中のR12、R13、R14、m1、h1、k1、及びn1は、一般式(1)中のR、R、R、m、h、k、及びnに相当し、定義は同じである。
一般式(1−1)で表される化合物の好ましい態様は以下の通りである。
一般式(1−1)において、R11で表される炭化水素基の炭素数は、2〜4が好ましい。R11で表される炭化水素基は、鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、鎖状の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
13で表される炭化水素基は脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
m1は好ましくは2であり、h1は好ましくは1である。
k1としては、好ましくは1〜500の整数であり、より好ましくは100〜300の整数である。
n1としては、好ましくは1〜200の整数であり、より好ましくは10〜100の整数である。
一般式(1−1)中のR15は、一般式(1)中のRが水素原子である場合の「R−R」で表される基に相当する。R15が「R−R」で表される基である場合、Rが上記した好ましい例であり、かつ、Rが水素原子であることが好ましい。具体的には、一般式(1−1)では、R15はアルキル基(つまり、一般式(1)中のRで表される2価の炭化水素基が分岐状のアルキレン基で、Rが水素原子である構造)であることが好ましい。
化合物(A−1)は、例えば、「R11−[(O−R12k1−OH]m1(ここで、R11、R12、k1、及びm1は上記の定義と同じ)」で表されるポリエーテルポリオールと、「R13−(NCO)h1+1(ここで、R13及びh1は上記の定義と同じ)」で表されるポリイソシアネートと、「HO−(R14−O)n1−R15(ここで、R14、R15、及びn1は上記の定義と同じ)」で表されるポリエーテルモノアルコールと、を反応させる方法により得られることが好ましい。
ここで、反応に用いる原料である、ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート、及びポリエーテルモノアルコールは、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記の方法にて化合物(A−1)を得る場合、一般式(1−1)中のR11〜R15で表される炭化水素基は、用いる3つの原料「R11−[(O−R12k1−OH]m1」、「R13−(NCO)h1+1」、及び「HO−(R14−O)n1−R15」により、それぞれ決定される。
上記3つの原料の仕込み比は、特に限定されるものでなく、例えば、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と、ポリエーテルポリオール及びポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、の比がNCO:OH=0.8:1〜1.4:1の範囲となることが好ましい。
「R11−[(O−R12k1−OH]m1で表されるポリエーテルポリオールは、m1価のポリオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得られる。
従って、化合物(A−1)の合成に用いられるm1価のポリオールの構造により、R11で表される炭化水素基が決定される。m1価のポリオールに付加重合させる、アルキレンオキシド等により、R12で表される炭化水素基が決定される。
ここで、ポリオールとしては、2価〜8価のものが好ましく、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
本発明においては、2価のアルコール、特に、エチレングリコールが好ましい。
上記したm1価のポリオールに付加重合させる、アルキレンオキシド等としては、入手が容易であり、優れた効果を発揮させる点から、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキサイドが特に好ましい。
アルキレンオキシド等の付加重合の形態は、単独重合であってもよいし、2種以上を用いた共重合であってもよい。共重合の際には、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってよい。なお、この付加重合の方法は通常の方法でよい。
重合度を示すk1は0〜1000の範囲であればよく、1〜500の範囲が好ましく、100〜300の範囲がより好ましい。
全R12に占めるエチレン基の割合は、全R12中の50質量%〜100質量%の範囲であることが好ましい。
「R11−[(O−R12k1−OH]m1の分子量は、500〜10万のものが好ましく、1000〜5万のものが特に好ましい。
「R13−(NCO)h1+1」で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。
従って、化合物(A−1)の合成に用いられるポリイソシアネートにより、R13で表される炭化水素基が決定される。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられる。本発明では、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中では、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましく用いられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、更に、上記のポリイソシアネートのダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)が用いられてもよく、上記のポリイソシアネートをアミンと反応させたビウレットを用いてもよい。
更に、これらのポリイソシアネートとポリオールとを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いてもよい。ここで用いるポリオールとしては、2価〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。
なお、「R13−(NCO)h1+1」として、3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、上記のウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
「HO−(R14−O)n1−R15」で表されるポリエーテルモノアルコールは、1価のアルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。
このような化合物は、1価のアルコールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
従って、化合物(A−1)の合成に用いる1価のアルコールにより、R15で表される炭化水素基が決定される。1価のアルコールに付加重合させる、アルキレンオキシド等により、R14で表される炭化水素基が決定される。
ここでいう1価のアルコールは、下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるアルコールである。
よって、R15は、下記一般式(2)〜(4)において水酸基を除いた基に相当する。
一般式(2):R−OH
一般式(3):R−CH(R)−R−OH
一般式(4):R−CH(R)−OH
上記一般式(2)〜(4)中、R、R、R、R、及びRは、各々独立に炭化水素基を表し、具体的には例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の炭化水素基が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル基等が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
一般式(3)中、Rは2価の炭化水素基を表し、具体的には例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等が挙げられる。
これらの炭化水素基としては、前に挙げられた、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、及びシクロアルケニル基の好ましい例からそれぞれ水素原子を1つ除いてなる、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、及びシクロアルケニレン基が挙げられる。
上記した1価のアルコールに付加重合させる、アルキレンオキシド等としては、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるために、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキサイドが特に好ましい。
アルキレンオキシド等の付加重合の形態は、単独重合であってもよいし、2種以上を用いた共重合であってもよい。共重合の際には、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってよい。なお、この付加重合の方法は通常の方法でよい。
重合度を示すn1は0〜1000の範囲であればよく、1〜200の範囲が好ましく、10〜200の範囲がより好ましい。
全R14に占めるエチレン基の割合は、全R14の50質量%〜100質量%の範囲が好ましく、65質量%〜100質量%の範囲がより好ましい。
化合物(A−1):一般式(1−1)で表される化合物を製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
「R11−[(O−R12k1−OH]m1」で表されるポリエーテルポリオール(a)と、「R13−(NCO)h1+1」で表されるポリイソシアネート(b)と、「HO−(R14−O)n1−R15」で表されるポリエーテルモノアルコール(c)と、を反応させる場合には、一般式(1−1)で表される化合物(コポリマー)以外のものも副生することがある。
例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては、一般式(1−1)で表されるc−b−a−b−c型のコポリマーが生成するが、その他、c−b−c型、c−b−(a−b)−a−b−c型等のコポリマーが副生することがある。
この場合、一般式(1−1)で表されるc−b−a−b−c型のコポリマーを分離することなく、このコポリマーを含む混合物の状態で、本発明の皮膚外用剤に使用してもよい。
本発明に用いる化合物(A−1)としては、特開平9−71766号公報に挙げられた化合物が好適に用いられる。
本発明では、化合物(A−1)として、特に、PEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)コポリマーが好適である。
かかるコポリマーは、商品名「アデカノールGT−700」として株式会社ADEKAから市販されている。
[一般式(1−2)で表される化合物]
本発明では、一般式(1)で表される化合物として、下記一般式(1−2)で表される化合物(以降、化合物(A−2)と称する場合がある)が好ましい。
一般式(1−2)中、R21は炭素数6〜36でm2価の飽和炭化水素基を表し、R22は、メチルジフェニレン基、ヘキサメチレン基、メチルジシクロヘキシレン基、3−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシレン基、ジメチルフェニレン基、又はトリレン基を表し、R23は水素原子又はメチル基を表す。n2は90〜900の整数を表し、m2は1〜5の整数を表す。
ここで、R21としては、炭素数6〜36の飽和炭化水素基であり、中でも、炭素数6〜36の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましい。
化合物(A−2)は、「H−(O−CHR23CHn2−OH(ここで、R23及びn2は上記の定義と同じ)」で表されるポリアルキレンオキシド化合物と、「HO−R21(ここで、R21は上記の定義と同じ)」で表される1価の疎水性アルコールと、「R22<(NCO)(ここで、R22は上記の定義と同じ)」で表されるジイソシアネート化合物と、を原料として、これらを反応させることにより得られる。
「H−(O−CHR23CHn2−OH」で表されるポリアルキレンオキシド化合物としては、具体的には、ポリエチレレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド(好ましくは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体)等が挙げられる。
これらのポリアルキレンオキシド化合物の中でも、好ましくはエチレンオキシド基を70質量%以上含有するポリアルキレンオキシド化合物であり、より好ましくはエチレンオキシド基を95質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物である。
「HO−R21」で表される1価の疎水性アルコールとしては、水への溶解性が0.4質量%以下の範囲にあるアルコールが好ましく、具体的には、例えば、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキルアルコール、2−オクチルドデカノール及びベヘニルアルコール等が挙げられ、好ましくはセチルアルコール及びベヘニルアルコールが挙げられる。
これらの1価の疎水性アルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1価の疎水性アルコールは、ポリアルキレンオキシド化合物1モルに対して、0.2モル〜1.0モルの割合で使用することが好ましく、0.25モル〜0.70モルの割合で使用することがより好ましい。
「R22<(NCO)」で表されるジイソシアネート化合物として具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(HMDI)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート及び2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物の中でも、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(HMDI)及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好ましい。
これらのジイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネート化合物は、ポリアルキレンオキシド化合物と1価の疎水性アルコール化合物の末端水酸基の合計モル数([−OH]のモル数)1モルに対して、イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル数([−NCO]のモル数)で0.67モル〜0.91モルの割合で使用することが好ましく、0.70モル〜0.90モルの割合で使用することが好ましい。
上記した、ポリアルキレンオキシド化合物と1価の疎水性アルコールとジイソシアネート化合物とを反応させる方法としては、例えば、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解や分散させて反応させる方法;固体を粉末状に粉砕(粉末状)若しくは液状に溶融して両者を均一に混合した後、所定の温度に加熱して反応させる方法等が挙げられる。
化合物(A−2)の合成方法としては、特開2013−116941号公報の段落〔0049〕〜〔0051〕に記載された方法が好適に用いられる。
本発明では、化合物(A−2)として、ビスステアリルPEG/PPG−8/6(メチレンジフェニルジイソシアネート/PEG−400) コポリマー、即ち、商品名「アクペック HU タイプC」として住友精化株式会社より市販されている化合物が好適である。
本発明の皮膚外用剤における化合物(A)の含有量は、皮膚外用剤の全量に対して、0.4質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1.2質量%以上が更に好ましい。
0.4質量%以上で用いることで、十分な粘度が得られ、臭気が低減された皮膚外用剤が得られる。
なお、化合物(A)の含有量の上限は、使用性の点から、5.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以下がより好ましい
化合物(A)の含有量の好ましい範囲は、上記の上限値及び下限値に基づいて、決定することができる。
〔特定安定化剤(B)〕
本発明の皮膚外用剤は、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム(リン酸アスコルビルマグネシウム、「APM」と略記することがある)及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム(リン酸アスコルビルナトリウム、「APS」と略記することがある)から選ばれる少なくとも1つの化合物(特定安定化剤(B))を含む。
特定安定化剤(B)は、自身が経時による結晶析出が生じ難い化合物であって、併存するカロテノイド(C)の酸化分解を防止し、カロテノイド(C)の安定性を向上させうる化合物である。
特定安定化剤(B)を用いた本発明の皮膚外用剤は、カロテノイド(C)の安定性が向上し、且つ、経時による結晶析出も見られず、経時安定性に優れた皮膚外用剤となる。
特定安定剤(B)としては、カロテノイド安定性の点から、アスコルビン酸リン酸マグネシウムが好ましい。
特定安定剤(B)は、市販されているものを用いてもよい。
具体的には、例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウムとしては、商品名:アスコルビン酸PM(昭和電工社)、商品名:NIKKOL(登録商標) VC−PMG(日光ケミカルズ社)、商品名 シーメイト(武田薬品工業)等が挙げられる。
アスコルビン酸リン酸エステルナトリウムとしては、:アスコルビン酸PS(昭和電工社)等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤における特定安定化剤(B)の含有量は、カロテノイドの安定性及び臭気の低減の観点から決定される。
具体的には、特定安定化剤(B)の含有量は、皮膚外用剤の全質量に対して0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上が更に好ましい。特定安定化剤(B)の含有量の上限値としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、3質量%が更に好ましい。
特定安定化剤(B)の含有量の好ましい範囲は、上記の上限値及び下限値に基づいて、決定することができる。
(他のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体)
本発明においては、特定安定化剤(B)に加え、特定安定化剤(B)以外の、他のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体を併用してもよい。
他のアスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、硫酸アスコルビル、硫酸アスコルビル2ナトリウム塩、アスコルビル−2−グルコシド、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム等が挙げられる。
これらのうち、特定安定化剤(B)と併用することに適しているものは、結晶析出がし難い、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビル−2−グルコシド、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウムである。
これらのアスコルビン酸又はその誘導体は、一般に市販されているものを適宜用いることができる。例えば、L−アスコルビン酸(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、L−アスコルビン酸Na(武田薬品工業、扶桑化学、BASFジャパン、第一製薬ほか)、アスコルビル−2−グルコシド(商品名 AA−2G:林原生物化学研究所)等が挙げられる。
〔カロテノイド(C)〕
本発明の皮膚外用剤は、カロテノイド(C)を含有する。
カロテノイド(C)は、黄色から赤のテルペノイド類の色素であり、植物類、藻類、及びバクテリアに由来するものを、その例として挙げることができる。
本発明に用いられるカロテノイド(C)としては、天然物由来のもの及び常法に従って得られるものを含み、本発明の臭気の低減効果の発現の点から、天然物由来のものが好ましい。
カロテノイド(C)として、具体的には、リコピン、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、アクチニオエリスロール、ビキシン、カンタキサンチン、カプソルビン、β−8’−アポ−カロテナール(アポカロテナール)、β−12’−アポ−カロテナール、キサントフィル類(例えば、アスタキサンチン、フコキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、カプサンチン、β−クリプトキサンチン、ビオラキサンチン等)、及びこれらのヒドロキシル又はカルボキシル誘導体が挙げられる。
カロテノイド(C)としては、一重項酸素の消去能、所謂抗酸化効果の高さから、アスタキサンチン、リコピン、β−カロテン、フコキサンチン、及びルテインからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、アスタキサンチン、リコピン、及びβ−カロテンからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、アスタキサンチン、及びリコピンからなる群より選択される少なくとも1種が最も好ましい。
これらのカロテノイドは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明におけるカロテノイド(C)は、結晶性のカロテノイドである。ここで、「結晶性カロテノイド」は、特定のカロテノイドを示すものではなく、カロテノイドを含むオイル、若しくはペースト等の形態とした場合に、その製造方法、或いは処理、保存等の様々な要因により、−5℃〜35℃の温度領域のいずれかの温度において結晶体として存在し得るカロテノイドを意味する。特に、後述するリコピン、アスタキサンチンをはじめ、β−カロテン、δ−カロテン、ゼアキサンチン、ルテイン等は、結晶体が存在しやすいカロテノイドである。
(アスタキサンチン)
本発明において好ましいものとして挙げられるアスタキサンチンは、アスタキサンチン及びアスタキサンチンのエステル等の誘導体の少なくとも一方を包含する。本発明では特に断らない限り、これらを総称して「アスタキサンチン」とする。
本発明で用いられるアスタキサンチンは、植物類、藻類、甲殻類及びバクテリア等の天然物のものの他、常法に従って得られるものであれば、いずれのものも使用することができる。
天然物であるアスタキサンチンとしては、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌(パラコッカス)、オキアミ、アドニス等が挙げられる。また、その培養物からの抽出物等からの抽出物を挙げることができる。
アスタキサンチンは、アスタキサンチンを含有する天然物から分離又は抽出物として得られるアスタキサンチン含有オイルとして、本発明の皮膚外用剤に含まれていてもよい。 アスタキサンチンは、更に、この天然物からの分離又は抽出したものを必要に応じて適宜精製したものでもよく、また、合成品であってもよい。
アスタキサンチンとしては、ヘマトコッカス藻から抽出されるもの(ヘマトコッカス藻抽出物ともいう。)、及び、オキアミ由来の色素が、品質又は生産性の点から特に好ましい。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物に由来するアスタキサンチンとしては、具体的には、ヘマトコッカス・プルビアリス(Haematococcus pluvialis)、ヘマトコッカス・ラキュストリス(Haematococcus lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(Haematococcus capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバゲンシス(Haematococcus droebakensis)、ヘマトコッカス・ジンバビエンシス(Haematococcus zimbabwiensis)等からの抽出物に由来するアスタキサンチンが挙げられるが、本発明を限定するものではない。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物は、上記の原料を、必要に応じて、例えば特開平5−68585号公報等に開示された方法により細胞壁を破砕して、アセトン、エーテル、クロロホルム及びアルコール(エタノール、メタノール等)等の有機溶剤や、超臨界状態の二酸化炭素等の抽出溶剤を加えて抽出することによって得てもよい。
また、本発明において、アスタキサンチンとしては、広く市販されているヘマトコッカス藻抽出物を用いることができる。市販品としては、例えば、武田紙器(株)製のASTOTS−S、同−2.5 O、同−5 O、同−10 O等、富士化学工業(株)製のアスタリールオイル50F、同 5F等、東洋酵素化学(株)製のBioAstin SCE7等が挙げられる。
本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物中のアスタキサチンの色素純分としての含有量は、組成物製造時の取り扱いの観点から、好ましくは0.001質量%〜50質量%が好ましく、より好ましくは0.01質量%〜25質量%である。
なお、本発明に使用できるヘマトコッカス藻抽出物は、特開平2−49091号公報記載の色素同様に、色素純分としてアスタキサンチン若しくはそのエステル体を含んでもよく、その場合、エステル体を、一般的には50モル%以上、好ましくは75モル%以上、より好ましくは90モル%以上含むものを好ましく用いることができる。
(リコピン)
本発明において好ましいものとして挙げられるリコピン(lycopene)は、化学式C4056で表されるカロテノイドであり、カロテノイドの一種カロテン類に属し、474nm(アセトン)に吸収極大を示す赤色色素である。
リコピンには、分子中央の共役二重結合のcis−、trans−の異性体も存在し、例えば、全trans−、9−cis体と13−cis体などが挙げられるが、本発明においては、これらのいずれであってもよい。
リコピンはそれを含有する天然物から分離又は抽出されるリコピン含有オイルやリコピン含有ペーストとして、本発明の皮膚外用剤に含まれていてもよい。
リコピンは、天然においてはトマト、柿、スイカ、ピンクグレープフルーツに含まれており、上記のリコピン含有オイルはこれらの天然物から分離又は抽出されたものであってもよい。製品での形態は、オイルタイプ、乳化液タイプ、ペーストタイプ、粉末タイプの4種類が知られている。
また、本発明で用いられるリコピンは、抽出物、抽出物を必要に応じて適宜精製したもの、又は、合成品であってもよい。
本発明におけるリコピンの特に好ましい形態の一つとしては、トマトパルプから抽出される脂溶性抽出物が挙げられる。トマトパルプから抽出される脂溶性抽出物は、脂溶性抽出物を含む組成物中における安定性、品質又は生産性の点から特に好ましい。
ここで、トマトパルプから抽出される脂溶性抽出物とは、トマトを粉砕して得られる粉砕物を、更に遠心分離することで得られるパルプ状の固形物から、油性溶剤を用いて抽出される抽出物のことを意味する。
脂溶性抽出物であるリコピンとしては、リコピン含有オイル又はペーストとして広く市販されているトマト抽出物を用いることができる。市販品としては、例えば、サンブライト(株)より販売されているLyc−O−Mato 15%、Lyc−O−Mato 6%、協和発酵工業(株)より販売されているリコピン18等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤におけるカロテノイド(C)の含有量は、カロテノイドの種類、一重項酸素の消去能(抗酸化効果)の発現、及び皮膚外用剤の色の点から、決定することができる。
具体的には、カロテノイド(C)の含有量は、皮膚外用剤の全質量に対して0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.002質量%以上が更に好ましい。カロテノイド(C)の含有量の上限値としては、10質量%が好ましく、5質量%がより好ましく、2質量%が更に好ましい。
本発明の皮膚外用剤において、カロテノイド(C)は、カロテノイド(C)を含む乳化粒子として含有されることが好ましい。乳化粒子の形態とすることで、カロテノイド(C)を皮膚外用剤の系中で安定に含有させることができる。
本発明の皮膚外用剤は、乳化物であってもよい。この乳化物としては、水中油型乳化物(O/W型乳化物)であってもよく、油中水型乳化物(W/O型乳化物)であってもよく、皮膚外用剤の用途に応じて選択することができる。
本発明の皮膚外用剤は、カロテノイド(C)の系中での安定化の点から、カロテノイド(C)を油相成分の1つとして含む乳化粒子を有する水中油型乳化物であることがより好ましい。
〔水〕
本発明の皮膚外用剤は、更に水を含んでいてもよい。
特に、本発明の皮膚外用剤は、水を含み、カロテノイドを含む乳化粒子を有する乳化物であることが好ましい。
ここで用いられる水としては、皮膚外用剤に適用しうる水であれば特に制限されない。
本発明の皮膚外用剤を乳化物とする場合、水は水相を構成する成分の1つとなる。
〔その他の成分〕
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の成分以外に、必要に応じて、他の成分を含有することができる。
つまり、以下に示す他の成分は、本発明における化合物(A)、特定安定化剤(B)、カロテノイド(C)には該当しない成分である。
(リン脂質及びその誘導体)
本発明の皮膚外用剤は、リン脂質及びその誘導体を含有してもよい。
リン脂質及びその誘導体は、本発明の皮膚外用剤がカロテノイドを含む乳化粒子を有する乳化物である場合、その乳化安定性に寄与する。
本発明におけるリン脂質とは、複合脂質のうち、脂肪酸、アルコール、リン酸、窒素化合物からなるエステルで、リン酸エステル及び脂肪酸エステルを有する一群であり、グリセリンを含まないグリセロリン脂質、スフィンゴシンを含むスフィンゴリン脂質をいう。
本発明で使用するリン脂質としては、具体的には、ホスファチジン酸、ビスホスファチジン酸、レシチン(ホスファチジルコリン)、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン等を例示でき、これらの成分を含む大豆、トウモロコシ、落花生、ナタネ、麦等の植物由来のものや、卵黄、牛等の動物由来のもの及び大腸菌等の微生物等由来の各種レシチンも例として挙げることができる。これらの混合物であるレシチンや水素添加レシチンを用いることもできる。
これらリン脂質の由来は特に限定されず、例えば、ダイズ油等の植物油、卵黄等の動物由来のもの等が用いられ、特に精製したものが好適である。
本発明においては、グリセロリン脂質として、酵素分解した結果、1分子内に1つの脂肪酸残基を有するグリセロリン脂質、即ちリゾレシチンも含まれる。
このようなリゾレシチンは、酸、又はアルカリ触媒によるレシチンの加水分解により得られるが、ホスホリパーゼA又はAによるレシチンの加水分解により得ることもできる。
このようなリゾレシチンとしては、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルグリセリン、リゾホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルメチルエタノールアミン、リゾホスファチジルコリン(リゾレシチン)、リゾホスファチジルセリン等が挙げられる。
上記のレシチンに代表されるグリセロリン脂質としては、水素添加又はヒドロキシル化されたものも、本発明において用いることができ、具体的には例えば、水素添加レシチン、酵素分解レシチン、酵素分解水素添加レシチン、ヒドロキシレシチン等を使用することができる。
上記水素添加は、例えば、レシチンを触媒の存在下に水素と反応させることにより行われ、脂肪酸部分の不飽和結合が水素添加される。水素添加によってレシチンの安定性が向上する。
また、上記ヒドロキシル化は、レシチンを高濃度の過酸化水素と酢酸、酒石酸、酪酸などの有機酸と共に加熱することにより、脂肪酸部分の不飽和結合がヒドロキシル化される。ヒドロキシル化により、レシチンの親水性が改良される。
本発明においては、乳化安定性の観点から、レシチンが特に好ましい。
市販品のレシチンとしては、理研ビタミン(株)製レシオンシリーズや、レシマールELなどを挙げることができる。
レシチンの純度60質量%以上のものが産業的にはレシチンとして利用されているが、本発明に用いるレシチンは、一般に「高純度レシチン」と称されるレシチン純度80質量%以上のものが好ましく、より好ましくは90質量%以上のものである。
このレシチン純度(質量%)は、レシチンがトルエンに溶解しやすくアセトンに溶解しない性質を利用して、トルエン不溶物とアセトン可溶物の質量を差し引くことにより求められる。高純度レシチンは、リゾレシチンに比べて親油性が高く、そのためレシチンと油性成分との相溶性が高くなり、乳化安定性を向上させ得るため好ましい。
本発明で用いるリン脂質及びその誘導体は、単独で又は複数種の混合物の形態で用いることができる。
本発明の皮膚外用剤にリン脂質及びその誘導体を用いる場合、リン脂質及びその誘導体の含有量は、乳化安定性等の観点から、皮膚外用剤の全質量に対して0.001質量%〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.002質量%〜3質量%である。
(乳化剤)
本発明の皮膚外用剤は、乳化剤を含有してもよい。
乳化剤は、本発明の皮膚外用剤がカロテノイドを含む乳化粒子を有する乳化物である場合に好適に用いられる。
本発明に用いる乳化剤としては、水性媒体に溶解する乳化剤、即ち水溶性乳化剤であれば特に限定は無いが、例えば、HLBが10以上、好ましくはHLBが12以上のノニオン性乳化剤が好ましい。
HLBが10未満の場合には、乳化力が不十分となることがある。また、乳化安定性の観点からHLBは16以下であることが好ましい。
ここで、HLBは、通常界面活性剤の分野で使用される親水性−疎水性のバランスであり、通常用いる計算式、例えば川上式等が使用できる。本発明においては、川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
ここで、Mwは親水基の分子量、Moは疎水基の分子量である。
また、カタログ等に記載されているHLBの数値を使用してもよい。
また、上記の式からも分かるように、HLBの加成性を利用して、任意のHLB値の乳化剤を得ることができる。
本発明で使用される乳化剤は、特に制限は無いが、上記したノニオン性乳化剤が好ましい。
ノニオン性乳化剤の例としては、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。より好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルである。
上記の乳化剤は蒸留などで高度に精製されたものであることは必ずしも必要ではなく、反応混合物であってもよい。
本発明に用いられる、ポリグリセリン脂肪酸エステルの例としては、平均重合度が2以上、好ましくは6〜15、より好ましくは8〜10のポリグリセリンと、炭素数8〜18の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸とのエステルが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、ヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノパルミチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノミリスチン酸エステル、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル等が挙げられる。これらのポリグリセリン脂肪酸エステルを、単独で又は混合して用いることができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL DGMS,NIKKOL DGMO-CV,NIKKOL DGMO-90V,NIKKOL DGDO,NIKKOL DGMIS,NIKKOL DGTIS,NIKKOL Tetraglyn 1−SV,NIKKOL Tetraglyn 1−O,NIKKOL Tetraglyn 3−S,NIKKOL Tetraglyn 5−S,NIKKOL Tetraglyn 5−O,NIKKOL Hexaglyn 1−L,NIKKOL Hexaglyn 1−M,NIKKOL Hexaglyn 1−SV,NIKKOL Hexaglyn 1−O,NIKKOL Hexaglyn 3−S,NIKKOL Hexaglyn 4−B,NIKKOL Hexaglyn 5−S,NIKKOL Hexaglyn 5−O,NIKKOL Hexaglyn PR−15,NIKKOL Decaglyn 1−L,NIKKOL Decaglyn 1−M,NIKKOL Decaglyn 1−SV,NIKKOL Decaglyn 1−50SV,NIKKOL Decaglyn 1−ISV,NIKKOL Decaglyn 1−O,NIKKOL Decaglyn 1−OV,NIKKOL Decaglyn 1−LN,NIKKOL Decaglyn 2−SV,NIKKOL Decaglyn 2−ISV,NIKKOL Decaglyn 3−SV,NIKKOL Decaglyn 3−OV,NIKKOL Decaglyn 5−SV,NIKKOL Decaglyn 5−HS,NIKKOL Decaglyn 5−IS,NIKKOL Decaglyn 5−OV,NIKKOL Decaglyn 5−O−R,NIKKOL Decaglyn 7−S,NIKKOL Decaglyn 7−O,NIKKOL Decaglyn 10−SV,NIKKOL Decaglyn 10−IS,NIKKOL Decaglyn 10−OV,NIKKOL Decaglyn 10−MAC,NIKKOL Decaglyn PR−20等(「NIKKOL」は全て登録商標);三菱化学フーズ(株)社製リョートーポリグリエステル L−10D、L−7D、M−10D、M−7D、P−8D、S−28D、S−24D、SWA−20D、SWA−15D、SWA−10D、O−50D、O−15D、B−100D、B−70D、ER−60D、太陽化学(株)社製サンソフトQ−17UL、サンソフトQ−14S、サンソフトA−141C等(「サンソフト」は全て登録商標);理研ビタミン(株)社製ポエムDO−100、ポエムJ−0021等(「ポエム」は全て登録商標);などが挙げられる。
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が8以上のものが好ましく、12以上のものがより好ましい。ソルビタン脂肪酸エステルの好ましい例としては、モノカプリル酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。これらのソルビタン脂肪酸エステルを、単独で又は混合して用いることができる。
ソルビタン脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、日光ケミカルズ(株)社製、NIKKOL SL−10,SP−10V,SS−10V,SS−10MV,SS−15V,SS−30V,SI−10RV,SI−15RV,SO−10V,SO−15MV,SO−15V,SO−30V,SO−10R,SO−15R,SO−30R,SO−15EX,第一工業製薬(株)社製の、ソルゲン30V、40V、50V、90、110などが挙げられる。
本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルは、脂肪酸の炭素数が12以上のものが好ましく、12〜20のものがより好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルの好ましい例としては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。本発明においては、これらのショ糖脂肪酸エステルを、単独で又は混合して用いることができる。
ショ糖脂肪酸エステルの市販品としては、例えば、三菱化学フーズ(株)社製リョートーシュガーエステル S−070、S−170、S−270、S−370、S−370F、S−570、S−770、S−970、S−1170、S−1170F、S−1570、S−1670、P−070、P−170、P−1570、P−1670、M−1695、O−170、O−1570、OWA−1570、L−195、L−595、L−1695、LWA−1570、B−370、B−370F、ER−190、ER−290、POS−135、第一工業製薬(株)社製の、DKエステルSS、F160、F140、F110、F90、F70、F50、F−A50、F−20W、F−10、F−A10E、コスメライクB−30、S−10、S−50、S−70、S−110、S−160、S−190、SA−10、SA−50、P−10、P−160、M−160、L−10、L−50、L−160、L−150A、L−160A、R−10、R−20、O−10、O−150等が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤に乳化剤を用いる場合、乳化剤の含有量は、微細な乳化粒子を得る、乳化物の安定性を得る、及び、乳化物の泡立ちを抑制する等の観点から、皮膚外用剤の全質量に対して0.001質量%〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.002質量%〜5質量%である。
(トコフェロール)
本発明の皮膚外用剤は、カロテノイドの酸化防止の観点から、油性成分の1つとしてトコフェロールを含有してもよい。
使用可能なトコフェロールとしては、特に限定されず、トコフェロール又はその誘導体からなる化合物群から選ばれるものである。
トコフェロール又はその誘導体からなる化合物群としては、具体的には、dl−α−トコフェロール、dl−β−トコフェロール、dl−γ−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール等が挙げられる。
これらは、混合物の状態で使用する場合が多く、抽出トコフェロール、ミックストコフェロールなどと呼ばれる状態で使用できる。
本発明の皮膚外用剤にトコフェロールを用いる場合、トコフェロールの含有量は、カロテノイドの酸化防止に有効な点から、カロテノイドの全量に対して質量基準にて0.1倍量〜5倍量であることが好ましく、より好ましくは0.2倍量〜3倍量であり、更に好ましくは0.5倍量〜2倍量である。
(その他の油性成分)
本発明の皮膚外用剤は、皮膚外用剤に適用しうる各種油をその他の油性成分として含んでいてもよい。
各種油としては、具体的には、ラウロイルサルコシンイソプロピル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド(別名:トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル)、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等のエステル油;
スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油;
ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;
フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油;
オリーブ油、ホホバ油等の植物油;
液状ラノリン等の動物油などが挙げられる。
本発明の皮膚外用剤にその他の油性成分を用いる場合、その他の油性成分の含有量は、0.001質量%〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.002質量%〜15質量%である。
(多価アルコール)
本発明の皮膚外用剤は、微細な乳化粒子を得る、乳化物の安定性を得る、更には、使用感(保湿性)を良化の点から、多価アルコールを含むことができる。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、又は、多糖類、例えば、還元水あめ、ショ糖、エリスリトール、キシリトール、グルコース、ガラクトース、ソルビトール、マルトトリオース、トレハロース等を挙げることができる。多価アルコールは1種単独又は2種以上を組み合わせ使用することができる。
本発明の皮膚外用剤に多価アルコールを用いる場合、多価アルコールの含有量は、皮膚外用剤の全質量の0.01質量%〜20質量%とすることが好ましく、0.05質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが更に好ましい。
(水溶性高分子化合物)
本発明の皮膚外用剤は、乳化物の安定化のために、水溶性高分子化合物を含有してもよい。
水溶性高分子化合物としては、広く、合成高分子、天然高分子、半合成高分子のいずれも用いることができ、中でも、カロテノイド(C)などを良好に安定化させることができる観点から、特に、タンパク質が好ましい。
タンパク質としては、アミノ酸がペプチド結合で重合したポリマー又はオリゴマーであればいかなる種類のものも用いることができるが、より好ましくは天然物由来で且つ水溶性のものである。
タンパク質にはアミノ酸からなる単純タンパク質と、アミノ酸以外の構成成分を含む複合タンパク質とがあり、いずれも用いることができる。
単純タンパク質の例としては、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、フィブロイン、セリシン、ケラチン、プロタミン等が挙げられる。
複合タンパク質としては、炭水化物に結合したタンパク質である糖タンパク質、脂質に結合したタンパク質であるリポタンパク質、金属イオンに結合したタンパク質である金属タンパク質、リボ核酸に結合したタンパク質である核タンパク質、リン酸基に結合したタンパク質であるリンタンパク質等がある。
タンパク質は、一般にタンパク質原料から呼称される場合も多く、動物性筋肉タンパク質、乳タンパク質、卵タンパク質、米タンパク質、小麦タンパク質(小麦グルテン)、大豆タンパク質、酵母タンパク質、細菌タンパク質等が挙げられる。
タンパク質は、混合物としても使用してもよい。
これらのタンパク質の中では、乳化物の安定化の点から、特に、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン、及びこれらの混合物が好ましい。
本発明の皮膚外用剤に水溶性高分子化合物を用いる場合、水溶性高分子化合物は、油性成分全体に対して任意の割合で添加することができるが、乳化物の安定化のためには、油性成分に対して0.1倍以上100倍以下が好ましく、0.5倍以上50倍以下がより好ましい。
(他の添加成分)
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を損なわない範囲において、適用用途に基づいて、通常、化粧料、又は医薬品に用いられる添加成分を含有することができる。
添加成分としては、例えば、エタノール等の水溶性有機溶剤、キレート剤、美白剤、イソノナン酸トリイソデシル等のエモリエント剤、保湿剤、酸化防止剤、寒天、及びキサンタンガム等の親水性増粘剤、色剤、防腐剤、pH調整剤、緩衝剤、紫外線吸収剤、香料、着色剤などを挙げることができる。
〔皮膚外用剤の形態及び用途〕
本発明の皮膚外用剤の形態は、上述した、化合物(A)、特定安定化剤(B)、カロテノイド(C)を含んでいれば、特に限定されず、適用用途に応じて、適宜選択されればよい。
本発明の皮膚外用剤がとり得る形態としては、液体又は固体が挙げられる。
本発明の皮膚外用剤の形態は、乳化組成物(乳化物)、油性組成物、水溶性組成物等であってもよい。
本発明の皮膚外用剤は、特に、カロテノイド(C)を皮膚外用剤の系中で安定に含有させるためにも、カロテノイドを含む乳化粒子を有する乳化物の形態が好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、化粧料、又は医薬品などの用途に適用することができる。
本発明の皮膚外用剤としては、特に、スキンケア化粧料(化粧水、美容液、乳液、クリームなど)、口紅、日焼け止め化粧料等のUVケア化粧料、メークアップ化粧料などを挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
本発明の皮膚外用剤は、特に、カロテノイド(C)の有する一重項酸素の消去能(抗酸化効果)の点から、スキンケア化粧料として用いることが好ましい。
本発明の皮膚外用剤を化粧料、又は医薬品として用いる場合、通常、化粧料、医薬品として配合可能な各種の成分を目的に応じて使用することができる。
〔製造方法〕
本発明の皮膚外用剤は、目的とする形態に応じて製造方法が選択される。
例えば、本発明の皮膚外用剤がカロテノイド(C)を含む乳化粒子を有する乳化物である場合、以下の方法にて製造されることが好ましい。
本発明におけるカロテノイド(C)を含む乳化粒子を有する乳化物は、カロテノイド(C)を含む油相組成物と、水相組成物と、を混合し、常法により乳化することを含む製造方法により、製造される。
本発明においては、油相組成物中に、カロテノイド(C)と共に、リン脂質又はその誘導体、トコフェロール、及び他の油性成分が含まれることが好ましい。
一方、水相組成物中には、化合物(A)、特定安定化剤(B)、乳化剤、多価アルコール、及び水が含まれることが好ましい。
なお、化合物(A)及び特定安定化剤(B)を含有しない水性組成物と上記油性組成物とを用い、まず、カロテノイド(C)を含む乳化粒子を含む乳化液(化合物(A)及び特定安定化剤(B)は含有していない)を調製し、この乳化液に、化合物(A)及び特定安定化剤(B)を少なくとも含む水性混合溶液を混合する方法にて、上記乳化物を調製してもよい。
以下、化合物(A)及び特定安定化剤(B)を含有しない水性組成物と上記油性組成物とを用いて、本発明におけるカロテノイド(C)を含む乳化粒子を有する乳化物を製造する方法について、詳細に説明する。
例えば、a)水を含む水性媒体に、水溶性乳化剤を溶解させて、水相組成物を得る、b)リン脂質又はその誘導体、トコフェロール、及び他の油性成分を混合・溶解して、油相組成物を得る、そして、c)撹拌下で水相組成物と油相組成物を混合して、乳化分散を行うことによってカロテノイド(C)を含む乳化粒子を含む乳化液が得られる。
乳化分散の際、例えば、スターラーやインペラー撹拌、ホモミキサー、連続流通式剪断装置等の剪断作用を利用する通常の乳化装置を用いて乳化をした後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのが特に好ましい。高圧ホモジナイザーを使用することで、乳化粒子を更に均一に近い粒子径に揃えることができる。更なる粒子径の均一化を図る目的で、乳化分散を複数回行ってもよい。
高圧ホモジナイザーには、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するチャンバー型高圧ホモジナイザー、及び均質バルブを有する均質バルブ型高圧ホモジナイザーがある。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーは、処理液の流路の幅を容易に調節することができるので、操作時の圧力及び流量を任意に設定することができ、その操作範囲が広いため、本発明において好ましく用いることができる。
操作の自由度は低いが、圧力を高める機構が作りやすいため、超高圧を必要とする用途にはチャンバー型高圧ホモジナイザーも好適に用いることができる。
チャンバー型高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。
均質バルブ型高圧ホモジナイザーとしては、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等が挙げられる。
本発明において、高圧ホモジナイザーの圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは50〜250MPa、更に好ましくは100〜250MPaで処理することが好ましい。
乳化分散された組成物である乳化液は、チャンバー通過直後30秒以内、好ましくは3秒以内に何らかの冷却器を通して冷却することが、乳化粒子の粒子径保持の観点から好ましい。
上記のようにして得られたカロテノイド(C)を含む乳化粒子を含む乳化液中、カロテノイド(C)の含有量は、0.1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましく、5質量%〜15質量%が更に好ましい。
続いて、カロテノイド(C)を含む乳化粒子を含む乳化液と、化合物(A)及び特定安定化剤(B)を含む水性混合溶液と、を混合することで、カロテノイド(C)を含む乳化粒子を有する乳化物が製造される。
化合物(A)及び特定安定化剤(B)を含む水性混合溶液には、これらの他、多価アルコール、水溶性高分子化合物、添加成分等が含まれることが好ましい。
上記した乳化液と水性混合溶液との混合は、特に限定されず、乳化液が水性混合溶液の一部となるように多量の水性混合溶液に対して少量の乳化液を添加すればよい。
水性混合溶液に対する乳化液の添加量としては、製造される乳化物の用途に応じて適宜変更することができるが、乳化物全体の質量に対して、一般に0.01質量%〜10質量%となる量が好ましく、着色濃度の観点から、0.05質量%〜5質量%となる量がより好ましく、0.1質量%〜1質量%となる量であることが更に好ましい。
本発明の皮膚外用剤のpHは、5〜7.5が好ましく、6.5〜7.5であることがより好ましい。
このpH範囲とすることによって、本発明の皮膚外用剤が乳化物である場合、乳化物の保存安定性、特に室温での保存安定性を良好なものにすることができる。
ここで本発明における室温とは、25℃をいう。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明は、それらに何ら限定されるものではない。
〔乳化液の調製〕
下記表1〜表4に記載の水相組成物を構成する各成分を下記表1〜表4に記載の含有量(質量%)で用い、70℃で加熱しながら1時間溶解して、各水性組成物を得た。
下記表1〜表4に記載の油相組成物を構成する各成分を下記表1〜表4に記載の含有量(質量%)で用い、70℃で加熱しながら1時間混合・溶解して、各油相組成物を得た。
表1〜表4に記載の各成分の詳細については後述する。
上記表1〜表4の記載に従って、水相組成物及び油相組成物を組み合わせ、以下のようにしてカロテノイド(C)を含有する乳化液1〜乳化液4を得た。
即ち、水相組成物を70℃に保ったまま、ホモジナイザー(みづほ工業(株)製真空乳化装置PVQ−1D型)で撹拌し(10000rpm)、そこへ油相組成物を添加して乳化液を得た。
得られた乳化液を、40℃で、アルティマイザーHJP−25005(株式会社スギノマシン社製)を用いて、200MPaの圧力で高圧乳化を行った。
その後、平均孔径1μmのミクロフィルターでろ過して、乳化液1〜乳化液4を調製した。
〔水性混合溶液の調製〕
下記表5に記載の「乳化液」以外の全成分を80℃で混合、35℃以下になるまで冷却し、各実施例及び比較例で使用する水性混合溶液を得た。
[実施例1]
〔乳化物の調製〕
下記表5に記載の通り、乳化液1と水性混合溶液とを35℃以下で混合し、赤色透明の乳化物を得た。
なお、乳化物1と水性混合溶液との合計量は100質量%となる。
[実施例2〜実施例10、比較例1〜比較例7]
〔乳化物の調製〕
実施例1の乳化物の調製において、下記表5に記載の乳化液、及び、水性混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして赤色透明の乳化物を得た。
なお、乳化液1又は乳化液4と水性混合溶液との合計量は100質量%となる。
[評価]
上記で得られた実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例7の乳化物、及び係る乳化物から分取した各試験試料を用いて、以下の評価を行った。
評価結果を表5にあわせて示す。
(1)粘度の測定
実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例7の乳化物について、前述の方法で粘度を測定した。
(2)臭気の評価
試験試料を4℃と40℃とでそれぞれ1ヶ月保管した後、試験試料の臭気について官能評価を実施した。
評価者5名に、以下の4段階で臭気の評価をしてもらった。
評価者が、
「4℃及び40℃での保管後の皮膚外用剤において、どちらも全く臭気がしない、又は、両方の臭気がほぼ変わらない。」と感じた場合には、「4」と採点し、
「4℃及び40℃での保管後の皮膚外用剤において、40℃で保管した方にほぼ臭気がしない、又は、両方にてほぼ臭気がしない。」と感じた場合には、「3」と採点し、
「4℃及び40℃での保管後の皮膚外用剤は、その両方にて若干臭気がする。」と感じた場合は、「2」と採点し、
「4℃及び40℃での保管後の皮膚外用剤は、その両方にて強い臭気がする。」と感じた場合には、「1」と採点した。
この採点結果を平均し、小数点以下を四捨五入した数値を、臭気の評価結果とした。
この数値が大きいほど、皮膚外用剤の臭気が少ないことを示す。
(3)カロテノイドの安定性の評価
保管前の試験試料と、40℃で1ヶ月保管した後の試験試料と、におけるカロテノイド量を比較し、カロテノイドの残存率を求め、これをカロテノイドの安定性の評価とした。
カロテノイド量は、UV分光光度計(透過測定、1cmセル使用)を用いてカロテノイドの吸収を測定することで行った。400nm〜500nmの吸光度を測定し、それぞれのカロテノイドの保存前の試験試料のピークトップの波長を用いて、カロテノイド量とした。保管前の試験試料のカロテノイド量を100%としたときの、上記の保管後の試験試料のカロテノイド量をカロテノイドの残存率とし、以下の指標に基づき評価した。
−評価基準−
G1:カロテノイドの残存率が95%以上
G2:カロテノイドの残存率が90%以上95%未満
G3:カロテノイドの残存率が90%未満
(4)結晶析出の評価
試験試料を40℃で2ヶ月保管した後、試験試料中の結晶析出について目視にて観察した。
G1:カロテノイドの安定化剤由来の結晶析出が見られる
NG:カロテノイドの安定化剤由来の結晶析出が見られない
実施例1〜10の乳化物は、臭気が低減され、カロテノイドの安定性も高く、カロテノイドの安定化剤の結晶析出も見られなかった。
APMを用いていない比較例1は、カロテノイドの安定性が不十分であった。
GT−700を用いていない比較例2、GT−700の量が少ない比較例3は、粘度が低く、臭気を抑制することができなかった。
APMやAPSの代わりに、APPS:パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム(アスコルビン酸リン酸エステルのパルミトイルエステル)を用いた比較例4は、エステル分解したパルミチン酸が結晶として析出した。
一般的に増粘剤として用いられるカルボキシビニルポリマーを使用した比較例5は、耐塩性が不十分なため、粘度が低く、臭気の抑制もできなかった。
多糖類を用いて増粘した比較例6及び比較例7は、粘度が1Pa・sを超えるものの、臭気の抑制は不十分であった。
[実施例11、実施例12]
実施例1で用いた乳化液1を、オキアミ由来のアスタキサンチンを含む乳化液2、アドニスパレスチナ由来のアスタキサンチンを含む乳化液3にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして乳化物を得た。実施例11の乳化物は乳化液2を使用したものであり、実施例12の乳化物は乳化液4を使用したものである。
得られた実施例11及び実施例12の乳化物について、上記の評価を行ったところ、実施例1と同様の効果が得られた。
〔各成分について〕
[乳化液の成分]
(カロテノイド(C))
・アスタキサンチン含有油(ヘマトコッカス藻由来、アスタキサンチン20質量%含有):ASTOTS−S、武田紙器(株)
・アスタキサンチン含有油(オキアミ由来、アスタキサンチン5質量%含有):アスタックスST、マリン大王
・アスタキサンチン含有油(アドニスパレスチナ由来、アスタキサンチン5質量%含有):アスタローズ、武田紙器(株)
・トマト抽出オイル(リコピン6質量%含有):Lyc−O−Mato 6%、サンブライト(株)
(その他の成分)
・デカグリセリンオレイン酸エステル:NIKKOL(登録商標) Decaglyn 1−O(HLB=12)、日光ケミカルズ
・ショ糖ステアリン酸エステル:リョートーシュガーエステル S−1670、三菱化学フーズ(株)
・ミックストコフェロール:理研Eオイル800、理研ビタミン(株)
・レシチン:レシオンP(大豆由来)、理研ビタミン(株)
[水性混合溶液の成分]
(化合物(A)、及び比較用高分子化合物)
・PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) コポリマー:アデカノールGT−700、ADEKA社
・ヒドロキシエチルセルロース(比較用高分子化合物):HECダイセルSE900、(株)ダイセル
・キサンタンガム(比較用高分子化合物):サンエースC、三栄源
・カルボキシビニルポリマー(比較用高分子化合物):カーボポール980、ルーブリゾール社
(特定安定化剤(B)及びAPPS)
・APM:アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、日光ケミカルズ
・APS:アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、昭和電工
・APPS:パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、昭和電工
(その他の成分)
・グリセリン:花王
・BG(1,3−ブタンジオール):1.3ブタンジオール、(株)ダイセル
・水溶性コラーゲン:新田ゼラチン
・加水分解コラーゲン:新田ゼラチン
・メチルパラベン:メッキンスM、上野製薬

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物であるPEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート コポリマーと、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムから選ばれる少なくとも1つの化合物アスタキサンチン含有油及びトマト抽出オイルから選ばれる少なくとも1種に由来するカロテノイドと、を含有し、B型粘度計を用いて25℃、12rpm、30sの測定条件で測定したときの皮膚外用剤の粘度が1Pa・s以上である、皮膚外用剤。

    一般式(1)中、Rは炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、R及びRは各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、Rは2価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。
  2. アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム及びアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムから選ばれる1つの化合物の含有量が、皮膚外用剤の全質量に対して0.1質量%以上である請求項1に記載の皮膚外用剤。
  3. 一般式(1)で表される化合物の含有量が、皮膚外用剤の全質量に対して0.4質量%以上である請求項1又は請求項2に記載の皮膚外用剤。
  4. カロテノイドを含む乳化粒子を有する乳化物である請求項1〜請求項のいずれか1項に皮膚外用剤。
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