JP6208616B2 - セルおよびモジュールならびにモジュール収容装置 - Google Patents

セルおよびモジュールならびにモジュール収容装置 Download PDF

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Description

本発明は、セルおよびモジュールならびにモジュール収容装置に関する。
従来、固体電解質層を燃料極層と酸素極層とで挟んで構成された発電素子部を有する固体酸化物形燃料電池セル(以下、セルということがある)が知られている。
セルとして、例えば、上記のような発電素子部を、内部にガス流路を備えた導電性支持体上に設けた、中空平板型のセルが知られている。このような中空平板型のセルでは、導電性支持体内部のガス流路に燃料ガス(例えば、水素含有ガス)を流すことにより、導電性支持体を介して燃料極層に水素を供給すると同時に、酸素極層の外面に空気等の酸素含有ガスを流すことにより、酸素極層に酸素を供給し、これにより、各電極で電極反応を生じせしめ、発電した電流を、導電性支持体(多孔質基板)に設けられているインターコネクタにより取り出すようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−146334号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたセルでは、セルの一端部において、固体電解質層とこの固体電解質層に隣接する多孔質基板との間で剥離が発生するおそれがあった。
本発明は、固体電解質層とこの固体電解質層に隣接する多孔質基板との間の剥離を抑制できるセルおよびモジュールならびにモジュール収容装置を提供することを目的とする。
さらに本発明のセルは、対向する一対の第1、第2主面と、該第1、第2主面同士を接続する対向する一対の第1、第2側面とを有し、前記第1、第2主面に沿って長手方向にガス流路を有する長尺状の多孔質基板と、該多孔質基板の第1主面に設けられた、第1電極層、セラミックスからなる固体電解質層および第2電極層を有する素子部とを有するとともに、前記多孔質基板の前記第1、第2主面および前記第1、第2側面の長手方向における端部が、少なくとも一部が前記固体電解質層で構成された緻密質層で被覆されている中空平板型のセルであって、前記多孔質基板の前記長手方向における前記セルの一端面の前記緻密質層および前記多孔質基板の表面に、前記緻密質層および前記多孔質基板の構成材料が溶融し固化した混合物層を有していることを特徴とする。
また、本発明のセルは、対向する一対の第1、第2主面と、該第1、第2主面同士を接続する対向する一対の第1、第2側面とを有し、前記第1、第2主面に沿って長手方向にガス流路を有する長尺状の第1電極層である多孔質基板と、該多孔質基板の第1主面に設けられたセラミックスからなる固体電解質層および第2電極層とを有するとともに、前記多孔質基板の前記第1、第2主面および前記第1、第2側面の長手方向における端部が、少なくとも一部が前記固体電解質層で構成された緻密質層で被覆されている中空平板型のセルであって、前記多孔質基板の前記長手方向における前記セルの一端面の前記緻密質層および前記多孔質基板の表面に、前記緻密質層および前記多孔質基板の構成材料が溶融し固化した混合物層を有していることを特徴とする。
本発明のモジュールは、上記のセルを、収納容器内に複数個収納してなることを特徴とする。
本発明のモジュール収納装置は、上記のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
本発明のセルでは、セルの一端面に設けられた混合物層は、セルの構成材料が混ざり合った混合物からなるため、固体電解質層および多孔質基板と混合物層との熱膨張差を小さくでき、固体電解質層と、この固体電解質層に隣接する多孔質基板とを混合物層で強固に接合でき、これにより、セルの一端面において、固体電解質層とこの固体電解質層に隣接する多孔質基板との間の剥離を抑制できる。このようなセをモジュールおよびモジュール収納装置に用いることにより、長期信頼性を向上できる。
平板型のセルにおける一端部を示すもので、(a)は横断面図、(b)は(a)の被覆層を拡大して示す横断面図、(c)(d)はレーザにより切断する工程を示す横断面図である。 中空平板型のセルの一例を示すもので、(a)は横断面図、(b)は(a)の一部断面斜視図である。 図2に示すセルの一端部における一部断面斜視図である。 図2に示すセルの一端部を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は混合物層およびその近傍の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 (a)はレーザ照射方向を示す縦断面図、(b)は混合物層の各部位における厚みを示す横断面図である。 燃料電池モジュールを示す外観斜視図である。 燃料電池装置を概略的に示す概略図である。
図1(a)は、セルの一種である平板型の固体酸化物形燃料電池セル(以下、セルということがある)1aにおける燃料ガス排出側の一端部を示す横断面図である。なお、以降の説明において、同一の部材については同一の符号を用いて説明するものとする。
平板型のセル1aにおいては、固体電解質層4の対向する一方の主面(図1においては上側)に燃料極層(第1電極層)3、他方の主面(図1においては下側)に酸素極層(第2電極層)5が設けられている。燃料極層3が多孔質基板とされている。ここで、セル1aは、燃料極層3、固体電解質層4および酸素極層5が重畳している部分が発電部として機能する。すなわち、酸素極層5の外側(セル1aの下側)に空気等の酸素含有ガスを流し、かつ燃料極層3側に燃料ガス(水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより発電する。そして、かかる発電によって生じた電流は、集電部材(図示せず)を介して集電される。以下、図1(a)に示すセル1aを構成する各部材について説明する。
燃料極層3は、電極反応を生じさせるものであり、それ自体公知の多孔質の導電性セラミックスにより形成されるのが好ましい。例えば、希土類元素酸化物が固溶したZrOまたは希土類元素酸化物が固溶したCeOと、Niおよび/またはNiOとから形成することができる。
燃料極層3中の希土類元素酸化物が固溶したZrOまたは希土類元素酸化物が固溶したCeOの含量は、35〜65体積%の範囲にあるのが好ましく、またNiあるいはNiOの含量は、65〜35体積%であるのが好ましい。さらに、この燃料極層3の開気孔率は、15%以上、特に20〜40%の範囲にあるのが好ましく、その厚みは、1〜30μmであるのが好ましい。
固体電解質層4は、3〜15モル%のY(イットリウム)、Sc(スカンジウム)、Yb(イッテルビウム)等の希土類元素を含有した部分安定化あるいは安定化ZrOからなる緻密質なセラミックスを用いるのが好ましい。また、希土類元素としては、安価であるという点からYが好ましい。また、La(ランタン)、Sr(ストロンチウム)、Ga
(ガリウム),Mg(マグネシウム)を含んでなるLSGM系の固体電解質層4とすることもできる。さらに、固体電解質層4は、ガス透過を防止するという点から、相対密度(アルキメデス法による)が93%以上、特に95%以上の緻密質であることが望ましく、かつその厚みが1〜50μmであることが好ましい。
酸素極層5は、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスにより形成されるのが好ましい。かかるペロブスカイト型酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物の少なくとも1種が好ましく、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaCoO系酸化物が特に好ましい。なお、上記ペロブスカイト型酸化物においては、AサイトにLaとともにSrやCa(カルシウム)が存在してもよく、またLaに代わって、Sm(サマリウム)やSrが存在しても良い。さらに、Bサイトに、Co(コバルト)とともにFe(鉄)やMn(マンガン)が存在しても良い。
また、酸素極層5は、ガス透過性を有する必要があり、従って、酸素極層5を形成する導電性セラミックス(ペロブスカイト型酸化物)は、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。さらに、酸素極層5の厚みは、集電性という点から30〜100μmであることが好ましい。
そして、本形態では、セル1aの一端面における固体電解質層4および燃料極層3の表面に、固体電解質層4を構成する元素および燃料極層3を構成する元素を含有する混合物からなる混合物層55が設けられており、この混合物層55を被覆するように、セル1aの一端面に被覆層10が設けられている。
すなわち、セル1aは、主面が矩形状の平板型であり、4つの辺(端面)における固体電解質層4および燃料極層3の表面に混合物層55が設けられている。図1(a)には、4辺のうち1辺のみを示している。
混合物層55は、例えば、燃料極層3がNiとYを含有するZrOとで構成され、固体電解質層4がYを含有するZrOで構成されていた場合には、Y、Zr、Niを含有する混合物からなるものであり、レーザ照射により溶融した材料が固化したもので、例えば、固体電解質層4および燃料極層3の構成材料が溶融し固化したものである。混合物層55は、溶融温度、溶融した後の冷却方法等によって、アモルファス、または結晶質となるが、燃料極層3よりも緻密質とされている。緻密質か否かはSEM写真を比較すれば確認できる。混合物層55は、気孔率が10%以下、特に5%以下の緻密質とされている。気孔率は、SEM写真を画像解析装置で処理することで確認できる。
混合物層55は、セル1aの固体電解質層4および燃料極層3の構成材料が溶融し固化した混合物からなるため、固体電解質層4および燃料極層3に対する混合物層55の付着強度が高く、また固体電解質層4および燃料極層3と混合物層55との間の熱膨張差を小さくでき、これらの層を混合物層55で強固に接合でき、これにより、セル1aの一端部における固体電解質層4と、固体電解質層4に隣接する燃料極層3との剥離を抑制できる。さらに、混合物層55を被覆する被覆層10のセル1aからの剥離を抑制できる。
混合物層55の厚みは、セル1aの上面側(レーザ照射側)が厚いため、外部からの衝撃が作用しやすいセル1aの主面側(燃料極層3)の部分を補強できる。
ところで、セル1aの一端部側(図1において右側)において、セル1aの酸素極層5を流れる酸素含有ガス(空気等)が燃料極層3側に流れ、燃料極層3の一端部側が酸化し
て、セル1aが破損するおそれがある。
本形態では、図1(a)に示すように、セル1aの一端部の表面を覆うように被覆層10が設けられている。すなわち、セル1aの一端部における、燃料極層3の上面および側面、固体電解質層4の下面および側面が被覆層10で被覆されている。
被覆層10は、図1(b)に示すように、燃料極層3側に位置する内側層10aと、内側層10aの外側に位置する外側層10bとを具備して構成されており、内側層10aと外側層10bとの間には中間層10cが形成されている。内側層10aは、外側層10bよりも多孔質とされている。図1(b)は、(a)のb−b線に沿った断面である。
被覆層10の内側層10a、外側層10b、中間層10cは、同じ組成でありながら、内側層10aは例えば5μmの厚みを有しており、この内側層10aの気孔率は、画像解析装置による分析によれば、8%以上、特には10%以上とされ、外側層10bの気孔率は、7%以下、特には5%以下とされている。中間層10cでは、内側層10aから外側層10bに向けて次第に気孔率が減少する領域となっている。内側層10aの気孔率は、30%以下、特には20%以下であることが望ましい。
本形態では、セル1aの一端部の表面を覆うように被覆層10が設けられているため、酸素極層5側に供給される酸素含有ガスが燃料極層3側に流れた場合であっても、燃料極層3が酸化することを抑制でき、信頼性の向上した平板型のセル1aとすることができる。
また、被覆層10は、周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含むケイ酸塩を主成分として含有することが望ましい。
ここで、被覆層10の主成分である周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含んでなるケイ酸塩(以下、単にケイ酸塩と略す場合がある。)としては、例えば、周期律表第2族元素としてMgを含有するフォルステライト(MgSiO)、ステアタイト(MgSiO)、アケルマナイト(CaMgSiO)、ディオプサイト(CaMgSiO)や、周期律表第2族元素としてCaを含有するワラストナイト(CaSiO)、アノーサイト(CaAlSi)、ゲーレナイト(CaAlSiO)、周期律表第2族元素としてBaを含有するセルシアン(BaAlSi)等を例示することができ、セル1aを構成する各構成との熱膨張係数等を考慮して適宜選択して用いることが好ましい。特には、燃料極層3や固体電解質層4の熱膨張係数を考慮して、フォルステライト(MgSiO)、ステアタイト(MgSiO)およびワラストナイト(CaSiO)のいずれか一種を用いることが好ましく、特にはフォルステライト(MgSiO)を用いることが好ましい。
このような平板型のセル1aは、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダーおよび溶媒を混合して燃料極層3用スラリーを調製する。
次に、希土類元素が固溶したZrO粉末に、水、バインダー、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものを、スプレードライ法等にて水を飛散させた後、プレス成形する。得られた固体電解質層4成形体の一方の主面上に燃料極層3用スラリーを塗布して燃料極層3成形体を形成する。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400〜16
00℃にて2〜6時間、同時焼結(同時焼成)する。
この後、図1(c)に示すように、例えば、炭酸ガス、YAG等を用いたレーザを燃料極層3表面に照射し上記焼結体の外周部を所定寸法に切断することにより、図1(d)に示すように、上面から下側に、燃料極層3、固体電解質層4の構成元素の混合物層55が形成される。混合物層55の厚さ等については、レーザ出力、出力時間等によって変化する。
特に、レーザ出力を焼結体を切断しない程度の出力とし、固体電解質層4の一部が残るように、例えば、図1(d)に示すように、途中までレーザで切断し、残った部分を折損する。これは、レーザ出力が高い場合には焼結体を完全に切断できるが、この場合には、レーザ照射部分が急速昇温した後、急速冷却されることになり、異なる材料から構成された層を切断する場合には、熱膨張率差により、レーザ照射部分の一部の層が他の層から剥離するおそれがあるが、上記のように、レーザ出力を焼結体を切断しない程度の低出力とし、残った部分を折損することにより、レーザ照射部分の急速昇温急速冷却の程度が緩和され、層剥離を起こすことなく、切断することができる。そして、折損した部分は、表面に凹凸が存在するため、その表面に形成される被覆層10の接合強度を向上できる。
続いて、例えば、平均粒径0.8〜3μmの粗粉の周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含んでなるケイ酸塩(例えば、フォルステライト等)95質量%以上と、ガラス成分と、溶媒等とを含有する溶液に、被覆層10を設ける部位を浸漬して、内側層10a成形体を作製し、この後、平均粒径0.3〜0.5μmの微粉の周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含んでなるケイ酸塩(例えば、フォルステライト等)95質量%以上と、ガラス成分と、溶媒等とを含有する溶液に浸漬して、内側層10a成形体の外面に外側層10b成形体を作製し、1200℃〜1400℃で焼成する。
多孔質な燃料極層3表面の内側層10a成形体の焼成時には、燃料極層3の表面形状を反映し、また、粗粉を用いるためケイ酸塩粉末が焼結し難く、多孔質な内側層10aを形成でき、微粉を用いた外側層10b成形体を焼成することにより、内側層10aよりも緻密な外側層10bを形成し、内側層10aと外側層10bとの間に中間層10cを形成することができる。なお、浸漬時間により、内側層10a、外側層10bの厚みを適宜設定することができる。内側層10a、外側層10bの気孔率、厚みは、原料粉末の粒径、焼成温度、焼成時間等により制御できる。
続いて、酸素極層5用材料(例えば、LaCoO系酸化物粉末)、溶媒及び増孔剤を含有するスラリーをディッピング等により固体電解質4の他方の主面上に塗布して、1000〜1300℃で、2〜6時間焼き付けることにより、図1(a)に示す構造の平板型のセル1aを製造できる。
上述の方法により、燃料ガス排出側の一端部に被覆層10が形成された平板型のセル1aを容易に作製することができる。
なお、固体電解質層4の両主面に燃料極層3、酸素極層5を形成した後、レーザで切断しても良いことは勿論である。また、上記形態では、4辺全ての端面に混合物層55を形成したが、4辺のうち一部の辺に混合層を形成しても良い。さらに、図1では、燃料極層3が多孔質基板を兼ねる場合について説明したが、燃料極層とは別個の導電性の多孔質基板に、燃料極層、固体電解質層を順次設けても良い。
図2(a)は中空平板型のセル1bの横断面を示し、(b)はセル1bの一部を破断して示す斜視図である。なお、(a)は後述する発電部(素子部)での横断面を示しており
、(b)は発電部で破断したセル1bの斜視図である。また、両図面において、セル1bの各構成を一部拡大等して示している。
図2に示すセル1bは、一対の平坦部(図2(a)においてnで示す)を有し、内部に長手方向Lに貫通する燃料ガスを流通させるための複数の燃料ガス流路7を有する柱状の導電性の多孔質基板2を備え、この多孔質基板2の一方側の平坦部n上に、燃料極層3と固体電解質層4と酸素極層5とがこの順に積層され、他方側の平坦部n上にインターコネクタ6が積層されて構成されている。
より詳細には、多孔質基板2は一対の平坦部nと両端の弧状部mとから構成され、一方の平坦部nと両端の弧状部mを覆うように燃料極層3が積層され、この燃料極層3を覆うように、緻密質な固体電解質層4が積層されている。また、固体電解質層4の上には、中間層8を介して、燃料極層3と対面するように酸素極層5が積層されている。また、燃料極層3および固体電解質層4が積層されていない他方の平坦部nの表面には、密着層9を介してインターコネクタ6が積層されている。なお燃料極層3および固体電解質層4は、両端の弧状部mを経由してインターコネクタ6の両サイドにまで延びており、多孔質基板2の表面が外部に露出しないように構成されている。
ここで、図2に示すセル1bは、燃料極層3、固体電解質層4および酸素極層5が重畳している部分が発電部として機能する。すなわち、酸素極層5の外側(セル1bの外側)に空気等の酸素含有ガスを流し、かつ多孔質基板2の燃料ガス流路7に燃料ガス(水素含有ガス)を流し、所定の作動温度まで加熱することにより発電する。そして、かかる発電によって生じた電流は、多孔質基板2上に積層されたインターコネクタ6を介して集電される。以下、図2に示すセル1bを構成する各部材について説明する。なお、燃料極層3、固体電解質層4および酸素極層5については、上述の平板型のセル1aで示したものを例示できる。
多孔質基板2は、燃料ガスを燃料極層3まで透過させるためにガス透過性であること、インターコネクタ6を介して集電を行なうために導電性であることが要求されることから、例えば、鉄族金属成分とセラミック成分、例えば特定の希土類酸化物とにより形成されることが好ましい。具体的には、鉄族金属成分としては、安価であることおよび燃料ガス中で安定であることから、Niおよび/またはNiOを含有することが好ましく、セラミック成分、例えば希土類酸化物は、多孔質基板2の熱膨張係数を固体電解質層4の熱膨張係数に近づけるために用いられ、Niおよび/またはNiOとの固溶、反応が殆どなく、また、熱膨張係数が固体電解質層4と殆ど同程度であり、かつ安価であるという点から、Yが好ましい。
また、多孔質基板2の良好な導電率を維持し、かつ熱膨張係数を固体電解質層4と近似させるという点で、Ni:Y=35:65〜65:35の体積比で存在することが好ましい。なお、多孔質基板2中には、要求される特性が損なわれない限りの範囲で、他の金属成分や酸化物成分を含有していてもよい。
また、多孔質基板2は、燃料ガス透過性を有していることが必要であるため、通常、開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあることが好ましい。また、多孔質基板2の導電率は、300S/cm以上、特に440S/cm以上であることが好ましい。
なお、多孔質基板2の平坦部nの長さ(多孔質基板2の幅方向の長さ)は、通常、15〜35mm、弧状部mの長さ(弧の長さ)は、2〜8mmであり、多孔質基板2の厚み(平坦部nの両面間の厚み)は1.5〜5mmであることが好ましい。
なお、図2(a)および(b)の例では、燃料極層3は、インターコネクタ6の両サイドにまで延びているが、酸素極層5に対面する位置に存在して燃料極層3が形成されていればよいため、例えば酸素極層5が設けられている側の平坦部nにのみ燃料極層3が形成されていてもよい。
図2に示すセル1bにおいては、固体電解質層4と酸素極層5との間に、長時間の発電におけるセル1bの発電性能の劣化を抑制することを目的として、(CeO1−x(REO1.5(REはSm、Y、Yb、Gdの少なくとも1種であり、xは0<x≦0.3を満足する数)で表される中間層8が設けられている。
一方、多孔質基板2の他方の平坦部nには、インターコネクタ6と多孔質基板2との間の熱膨張係数差を軽減するために燃料極層3と類似する組成の密着層9が設けられている。
そして、上記の酸素極層5と向かい合う位置において、密着層9を介して多孔質基板2上に設けられているインターコネクタ6は、導電性セラミックスにより形成されるのが好ましいが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガスと接触するため、耐還元性、耐酸化性を有していることが必要である。このため、耐還元性、耐酸化性を有する導電性セラミックスとしては、一般に、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が使用される。また、多孔質基板2の内部を通る燃料ガスおよび固体電解質層4の外部を通る酸素含有ガスのリークを防止するため、かかる導電性セラミックスは緻密質でなければならず、例えば93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好適である。なお、インターコネクタ6はセルの形状にあわせて、金属製とすることもできる。また、インターコネクタ6の厚みは、ガスのリーク防止と電気抵抗という点から、10〜500μmであることが好ましい。インターコネクタ6および固体電解質層4は緻密質層であり、この緻密質層で多孔質基板2の外側を覆い、内外のガスリークを防止している。
なお、図には示していないが、インターコネクタ6の外面(上面)には、P型半導体層を設けることもできる。集電部材を、P型半導体層を介してインターコネクタ6に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくでき、集電性能の低下を有効に回避することが可能となる。なお、同様に酸素極層5の上面にもP型半導体層を設けることが好ましい。このようなP型半導体層としては、LaSrCoFeO系酸化物等の遷移金属のペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。
ところで、図2に示したセル1bにおいては、セル1bの長手方向Lの一端部(上端部)が、多孔質基板2上に燃料極層3と固体電解質層4とがこの順で積層されており、酸素極層5が形成されていない非発電部として構成されている。
このようなセル1bでは、セル1bの外側を流れる酸素含有ガス(空気等)が逆流し、多孔質基板2の一部(一端部側)や燃料極層3の一端部側が酸化して、セル1bが破損するおそれがある。このため、図2〜4に示すセル1bにおいては、図3、4に示すように、非発電部の一端部における少なくとも多孔質基板2上および燃料極層3上に、被覆層10が設けられている。この被覆層10の内側のセル1bの一端面には混合物層57が設けられている。
図3は、図2で示したセル1bの一端部における斜視図であり、図4(a)は、セル1bの一端部における縦断面図である。
図3に示したセル1bにおいては、多孔質基板2上に燃料極層3と固体電解質層4とが
この順に積層されており、酸素極層5が形成されていない非発電部において、固体電解質層4とインターコネクタ6とを覆うように被覆層10が設けられており、また図4(a)に示すように、多孔質基板2の端部においては、多孔質基板2の燃料ガス流路7の内面に被覆層10が設けられ、さらには、セル1bの一端部の端面に位置する、多孔質基板2の端面、燃料極層3の端面、固体電解質層4の端面、インターコネクタ6の端面、密着層9の端面に被覆層10が設けられている。
多孔質基板2の燃料ガス流路7側の内面に形成された被覆層10は、上記図1(b)に示すように、内側層10a、中間層10cおよび外側層10bを具備して構成されている。
なお、内側層10aと外側層10bとの間には中間層10cを有しており、中間層10cは、内側層10aから外側層10bに向けて次第に気孔が減少する領域を有している。
内側層10aの厚みを5μmの厚みと設定したが、逆に、気孔率が8%以上の部分を内側層10aとすることができる。一方、外側層10bは、気孔率が7%以下の部分を外側層10bとすることができる。気孔率が8%以上の部分を内側層10aとする場合には、内側層10aの厚みは、後述するように、浸漬時間、原料粒径の大きさ、焼成温度等により制御することができる。気孔率が8%以上の部分を内側層10aとする場合には、内側層10aの厚みは3μm以上、特に5μm以上、さらには、10μm以上有することが望ましい。多孔質な内側層10aの厚みが厚い程、クラック進展抑制効果が大きくなる。
一方、外側層10bの厚みは、10〜50μmであることが望ましい。これにより、封止信頼性を向上できる。
なお、被覆層10は、上述したように、周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含んでなるケイ酸塩を主成分とする。特に、NiとYとを含んでなる多孔質基板2を有するセル1bにおいては、多孔質基板2の熱膨張係数を考慮して、フォルステライト(MgSiO)、ステアタイト(MgSiO)およびワラストナイト(CaSiO)のいずれか一種を用いることが好ましく、特にはフォルステライト(MgSiO)を用いることが好ましい。
そして、この形態では、図4(a)に示すように、セル1bの長手方向Lの両端面における固体電解質層4、燃料極層3および多孔質基板2の表面に、固体電解質層4を構成する元素、燃料極層3を構成する元素および多孔質基板2を構成する元素の混合物からなる第1混合物層57aを有し、セル1bの長手方向Lの両端面におけるインターコネクタ6、密着層9、多孔質基板2の表面に、インターコネクタ6を構成する元素、密着層9を構成する元素、多孔質基板2を構成する元素の混合物からなる第2混合物層57bを有しており、第1混合物層57aと第2混合物層57bとから混合物層57が構成されている。第1混合物層57aと第2混合物層57bとは、多孔質基板2の弧状部mに位置する部分で接続している。この混合物層57を被覆するように、セル1bの一端部に被覆層10が設けられている。混合物層57a、57bは、燃料極層3および多孔質基板2よりも緻密質とされている。
すなわち、セル1bの上端面には、混合物層57および被覆層10が設けられ、セル1bの下端面には、混合物層57が設けられている。
混合物層57は、レーザ照射により溶融したものが固化したもので、例えば、燃料極層3がNiと、Yを含有するZrO、固体電解質層4がYを含有するZrO、多孔質基板2がNiとYで構成されていた場合には、第1混合物層57aはY、Zr、Ni
を含有する溶融物からなり、インターコネクタ4がランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO)、密着層9がNiと、Yを含有するZrO2、多孔質基板2がNiとYで構成されていた場合には、第2混合物層57bはY、Ni、Zr、La、Crを含有する溶融物からなる。混合物層57は、溶融温度、溶融した後の冷却方法等によって、アモルファス、または結晶質となるが、燃料極層3、多孔質基板2よりも緻密質とされている。緻密質か否かは、SEM写真で比較することにより確認できる。混合物層55は、気孔率が10%以下、特に5%以下の緻密質とされている。気孔率については、SEM写真を用いた画像解析装置で測定できる。
混合物層57aは、セル1bの固体電解質層4、燃料極層3および多孔質基板2の構成材料が溶融し固化した混合物からなるため、固体電解質層4、燃料極層3および多孔質基板2に対する混合物層57aの付着強度が大きく、また、固体電解質層4、燃料極層3および多孔質基板2と混合物層57aとの間の熱膨張差を小さくでき、これらの層を混合物層57aで強固に接合し、これにより、固体電解質層4と、この固体電解質層4に隣接する燃料極層3および多孔質基板2との間の剥離を抑制できる。
さらに、混合物層57bは、セル1bのインターコネクタ4、密着層9および多孔質基板2の構成材料が溶融し固化した混合物からなるため、インターコネクタ4、密着層9および多孔質基板2に対する混合物層57bの付着強度が大きく、また、インターコネクタ4、密着層9および多孔質基板2と混合物層57bとの間の熱膨張差を小さくでき、これらの層を混合物層57bで強固に接合し、これにより、インターコネクタ4、密着層9、多孔質基板2の相互間における剥離を抑制できる。また、混合物層57を被覆する被覆層10のセル1bからの剥離を抑制できる。
多孔質基板2には、図5に示すように、長手方向Lに延びる燃料ガス流路7が、多孔質基板2の厚み方向中央部に形成され、混合物層57は、セル1bの両主面側が、厚み方向中央部よりも厚く構成されている。多孔質基板2の厚み方向中央部には、図5(b)に示すように、混合物層57は存在していない。
混合物層57の厚みは、セル1bの主面側の方が中央部側よりも厚く形成されているため、外部からの衝撃が作用しやすいセル1bの主面側の部分を補強できる。
このような混合物層57は、図5(a)に示すように、固体電解質層4側のセル1bの主面側から主面nおよび弧状面mに位置する部分にレーザを照射することにより第1混合物層57aが形成され、インターコネクタ6側のセル1bの主面側から主面nおよび弧状面mに位置する部分にレーザを照射することにより第2混合物層57bが形成される。なお、レーザ出力、切断速度等を調整することにより、図5(b)に示すように、多孔質基板2の厚み方向中央部に混合物層57を有しない領域を作製する。また、セルの両主面側と厚み方向中央部との厚み差についても、レーザ出力、切断速度等を調整することにより調整できる。
特に、レーザ出力をセル1bの両側の主面から燃料ガス流路7に達しないようなレーザ出力で切断し、多孔質基板2の中央部が残るように、例えば、図5(a)に示すように、途中までレーザで切断し、残った部分を折損する。図5(b)の多孔質基板2内にzで示す斜線部分が、レーザで切断せずに残った部分である。レーザ出力が高い場合には焼結体を完全に切断でき、混合物層57a、57bも残らないが、この場合には、レーザ照射部分が急速昇温した後、急速冷却されることになり、異なる材料から構成された層を切断するため、熱膨張率差により、レーザ照射部分の一部の固体電解質層、インターコネクタ層等が多孔質基板から剥離するおそれがあるが、上記のように、レーザ出力を焼結体を切断しない程度の低出力とし、残った部分を折損することにより、レーザ照射部分の急速昇温
急速冷却の程度が緩和され、層剥離を起こすことなく、切り込みを入れられ、容易に折損して切断することができる。そして、折損した部分は、表面に凹凸が存在するため、その表面に形成される被覆層10の接合強度を向上できる。また、低出力のレーザで対応できるため、安価なレーザを用いることができる。
以上説明した中空平板型のセル1bの製法について説明する。先ず、NiまたはNiOの粉末と、Yの粉末と、有機バインダーと、溶媒とを混合して坏土を調製し、この坏土を用いて押出成形により、一対の平坦部と両端の弧状部を有する多孔質基板2成形体を作製し、これを乾燥する。なお、多孔質基板2成形体として、多孔質基板2成形体を900〜1000℃にて2〜6時間仮焼した仮焼体を用いてもよい。
次に、例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉末に、有機バインダーおよび溶媒を混合して燃料極層3用スラリーを調製する。
さらに、希土類元素が固溶したZrO粉末に、トルエン、バインダー、市販の分散剤等を加えてスラリー化したものをドクターブレード等の方法により、3〜75μmの厚さに成形してシート状の固体電解質層4成形体を作製する。得られたシート状の固体電解質層4成形体上に燃料極層3用スラリーを塗布して燃料極層3成形体を形成し、この燃料極層3成形体側の面を多孔質基板2成形体の一方側の平坦部から両方の弧状部にかけて積層する。なお、他方側の平坦部の一部にまで積層してもよい。
続いて、例えば、GdO1.5が固溶したCeO粉末を800〜900℃にて2〜6時間、熱処理を行い、その後、湿式解砕して凝集度を5〜35に調整した中間層8成形体用の原料粉末を用いて中間層8用スラリーを作製し、このスラリーを固体電解質層4成形体上の所定の位置に塗布して中間層8の塗布膜を形成する。
次に、例えば所定の調合組成に従いNiO、Yが固溶したZrO(YSZ)の素原料を秤量、混合する。この後、混合した粉体に、有機バインダーおよび溶媒を混合して密着層9用スラリーを調製する。
続いて、インターコネクタ6用材料(例えば、LaCrO系酸化物粉末)、有機バインダーおよび溶媒を混合してスラリー化したものをドクターブレード等の方法により成形してシート状のインターコネクタ6成形体を作製する。
インターコネクタ6成形体の一方側表面に、密着層9用スラリーを塗布し、その密着層9用スラリーを塗布した面を、燃料極層3成形体および固体電解質層4成形体が形成されていない多孔質基板2成形体の他方側の平坦部に積層する。
次いで、上記の積層成形体を脱バインダー処理し、酸素含有雰囲気中、1400〜1600℃にて2〜6時間、同時焼結(同時焼成)する。
次に、上記焼結体をレーザを用いて所定長さに切断する。切断は、図5(a)に示すように、固体電解質層4側の主面と、インターコネクタ6側の主面から、レーザで切断する。図5(b)の多孔質基板2内にzで示す斜線部分が、レーザで切断されずに残るように切断し、残った部分は曲げて折損する。
続いて、平均粒径0.8〜3μmの粗粉の周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含んでなるケイ酸塩(例えば、フォルステライト等)95質量%以上と、ガラス成分と、溶媒等とを含有する溶液に、被覆層10を設ける部位を浸漬して、内側層10a成形体を
作製し、この後、平均粒径0.3〜0.5μmの微粉の周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含んでなるケイ酸塩(例えば、フォルステライト等)95質量%以上と、ガラス成分と、溶媒等とを含有する溶液に浸漬して、内側層10a成形体の外面に外側層10b成形体を作製し、焼成することで、被覆層10を作製できる。
レーザで切断されずに残った部分(図5(b)の多孔質基板2内にzで示す斜線部分)は、表面粗さがその他の部分よりも大きいため、被覆層10を確実に接合することができ、剥離を抑制できる。
なお、被覆層10を焼成するにあたって、同時焼成温度より200℃以上低いことが好ましく、例えば1200℃〜1400℃で行うことが好ましい。なお、多孔質基板2の端部にのみ被覆層10を設ける場合には、被覆層10の原料(スラリー)を多孔質基板2の端部にのみ塗布することにより設けることができる。
続いて、酸素極層5用材料(例えば、LaCoO系酸化物粉末)、溶媒及び造孔材を含有するスラリーをディッピング等により中間層8上に塗布する。また、インターコネクタ6の所定の位置に、必要によりP型半導体層材料(例えば、LaCoO系酸化物粉末)と溶媒を含むスラリーを、ディッピング等により塗布し、1000〜1300℃で、2〜6時間焼き付けることにより、図2に示す構造のセル1bを製造できる。なお、セル1bは、その後、内部に水素含有ガスを流し、多孔質基板2および燃料極層3の還元処理を行なうのが好ましい。その際、たとえば750〜1000℃にて5〜20時間還元処理を行なうのが好ましい。
なお、図2の形態では、多孔質基板2上に燃料極層を形成したセルについて説明したが、多孔質基板2を別個に形成することなく、燃料極層自体を支持体としたセルについても、本発明を適用できる、また、上記中空平板型のセルでは、固体電解質層4の内側に燃料極層3を外側に酸素極層5を形成したセルについて説明したが、固体電解質層の内側に酸素極層を外側に燃料極層を形成したセルについても、本発明を適用できる。
さらに、上記形態では、インターコネクタ6を有するセルについて説明したが、インターコネクタ6を有しない、いわゆるICレスタイプのセルであっても良い。
図6は、燃料電池モジュール(モジュール:以下、モジュールと略す場合がある)の一例を示す外観斜視図であり、同一の構成については同一の符号を用いるものとする。なお、セルとしては、上述した中空平板型のセル1bを用いて説明する。
モジュール11は、直方体状の収納容器12の内部に、本発明の一例である中空平板型のセル1bを、被覆層10が上側となるように複数立設させた状態で所定間隔をおいて配列し、隣接する燃料電池セル1b間に集電部材(図示せず)を配置して電気的に直列に接続してセルスタック14を構成するとともに、被覆層10が形成されていないセル1bの下端部をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド13に固定してなる燃料電池セルスタック装置17を収納容器12に収納して構成されている。
セル1bの下端面には混合層57が形成されており、固体電解質層と、固体電解質層に隣接する層との剥離を抑制できるため、絶縁性接合材で接合されたセル1bの下端部を補強できる。また、混合物層57の厚みは、セル1bの主面側の方が中央部側よりも厚く形成されているため、セル1bの下端面を補強できる。
図6においては、セル1bの発電で使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器18をセルスタック14(セル1)の
上方に配置している。なお、図6に示した改質器18は、水を気化するための気化部16と改質触媒を備える改質部15とを具備しており、それにより効率の良い水蒸気改質を行うことができる。そして、改質器18で生成された燃料ガスは、ガス流通管19によりマニホールド13に供給され、マニホールド13を介してセル1bの内部に設けられた燃料ガス流路7に供給される。なお、燃料電池セルスタック装置17は改質器18を含むものとしてもよい。
なお、図6においては、収納容器12の一部(前後面)を取り外し、内部に収納される燃料電池セルスタック装置17を後方に取り出した状態を示している。ここで、図6に示したモジュール11においては、燃料電池セルスタック装置17を、収納容器12内にスライドして収納することが可能である。
なお、収納容器12の内部には、マニホールド13に並置されたセルスタック14の間に配置され、酸素含有ガスが集電部材の内部を介してセル1bの側方を下端部から上端部に向けて流れるように、酸素含有ガス導入部材20が配置されている。
このようなモジュール11においては、収納容器12内に、上述したようなセル1bを複数個収納してなることから、信頼性の向上したモジュール11とすることができる。
図7は、燃料電池装置(モジュール収容装置)21の一例を示す分解斜視図である。なお、図7においては一部構成を省略して示している。
図7に示す燃料電池装置21は、支柱22と外装板23から構成される外装ケース内を仕切板24により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール11を収納するモジュール収納室25とし、下方側をモジュール11を動作させるための補機類を収納する補機収納室26として構成されている。なお、補機収納室26に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板24は、補機収納室26の空気をモジュール収納室25側に流すための空気流通口27が設けられており、モジュール収納室25を構成する外装板23の一部に、モジュール収納室25内の空気を排気するための排気口28が設けられている。
このような燃料電池装置21においては、上述したように、信頼性の向上した燃料電池セル1bを収納容器12内に収納してなるモジュール11をモジュール収納室25内に収納して構成されることにより、信頼性の向上した燃料電池装置21とすることができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上記形態では、導電性の多孔質基板2に燃料極層3を設けたが、燃料極層(第1電極層)自体を多孔質基板としても良いことは勿論である。
また、上記形態では、燃料電池セルおよび燃料電池モジュールならびに燃料電池装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電解セルに水蒸気と電圧とを付与して水蒸気(水)を電気分解することにより、水素と酸素(O)を生成する電解セル(SOEC)およびこの電解セルを備える電解モジュールおよび電解装置にも適用することができる。
さらに、上記形態では、導電性の多孔質基板2に一つの発電素子部を設けた、いわゆる縦縞型について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁性の多孔質基
板に複数の発電素子部を設けた、いわゆる横縞型であっても良いことは勿論である。
また、上記形態では、被覆層10を形成した形態について説明したが、被覆層10を設けなくても良いことは勿論である。
上記形態では、セルの両端について、混合物層を有する場合について説明したが、一方の端面は混合物層を研磨し、除去しても良い。この場合、混合物層は、残余の燃料ガスが排出される側のセルの上端面に形成されることが望ましい。
1a、1b:セル
2:多孔質基板
3:燃料極層
4:固体電解質層
5:酸素極層
6:インターコネクタ
7:燃料ガス流路
8:中間層
10:被覆層
11:燃料電池モジュール
20:燃料電池装置
55:混合物層
57:混合物層
57a:第1混合物層
57b:第2混合物層

Claims (10)

  1. 対向する一対の第1、第2主面と、該第1、第2主面同士を接続する対向する一対の第1、第2側面とを有し、前記第1、第2主面に沿って長手方向にガス流路を有する長尺状の多孔質基板と、該多孔質基板の第1主面に設けられた、第1電極層、セラミックスからなる固体電解質層および第2電極層を有する素子部とを有するとともに、前記多孔質基板の前記第1、第2主面および前記第1、第2側面の長手方向における端部が、少なくとも一部が前記固体電解質層で構成された緻密質層で被覆されている中空平板型のセルであって、前記多孔質基板の前記長手方向における前記セルの一端面の前記緻密質層および前記多孔質基板の表面に、前記緻密質層および前記多孔質基板の構成材料が溶融し固化した混合物層を有していることを特徴とするセル。
  2. 対向する一対の第1、第2主面と、該第1、第2主面同士を接続する対向する一対の第1、第2側面とを有し、前記第1、第2主面に沿って長手方向にガス流路を有する長尺状の第1電極層である多孔質基板と、該多孔質基板の第1主面に設けられたセラミックスからなる固体電解質層および第2電極層とを有するとともに、前記多孔質基板の前記第1、第2主面および前記第1、第2側面の長手方向における端部が、少なくとも一部が前記固体電解質層で構成された緻密質層で被覆されている中空平板型のセルであって、前記多孔質基板の前記長手方向における前記セルの一端面の前記緻密質層および前記多孔質基板の表面に、前記緻密質層および前記多孔質基板の構成材料が溶融し固化した混合物層を有していることを特徴とするセル。
  3. 前記混合物層の緻密質層側における厚みが、前記多孔質基板側の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1または2に記載のセル。
  4. 前記多孔質基板の第2主面にインターコネクタ層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載のセル。
  5. 前記多孔質基板が導電性を有することを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載のセル。
  6. 前記セルに、前記混合物層を被覆するように被覆層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のうちいずれかに記載のセル。
  7. 前記被覆層は、周期律表第2族元素のうち少なくとも1種を含むケイ酸塩を主成分とし
    て含有することを特徴とする請求項に記載のセル。
  8. 前記セルの一端面における前記多孔質基板の厚み方向中央部に混合物層が形成されておらず、前記多孔質基板が露出し、該多孔質基板の露出部および前記混合物層に、前記被覆層が設けられていることを特徴とする請求項またはに記載のセル。
  9. 請求項1乃至のうちいずれかに記載のセルを、収納容器内に複数個収納してなることを特徴とするモジュール。
  10. 請求項に記載のモジュールと、該モジュールを作動させるための補機とを、外装ケース内に収納してなることを特徴とするモジュール収納装置。
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