JP6207989B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
所望の熱交換性能を確保するためには、熱交換チューブとインナーフィンとが確実に接合されることが重要であり、このためには、接合前の熱交換チューブとインナーフィンとの接触状態(ろう付けされる部位の隙間)を厳しく管理する必要がある。
しかしながら、熱交換チューブへのインナーフィンの挿入後に、熱交換チューブの内部を覗くことはできないので、接触状態の検査には限界があった。
ここにおいて、前記インナーフィンは、前記熱交換チューブの内面と接合される凸条部に小突起を有する。そして、前記熱交換チューブの外面に、前記インナーフィンと前記熱交換チューブとの圧接により、前記小突起に起因する突起痕が形成される。
図1は本発明の一実施形態として示す熱交換器の概略斜視図、図2は正面図、図3は側面図(図2のA−A矢視図)、図4は図2のB−B断面図、図5は平面図(図2のC−C矢視図)、図6は図2のD−D断面図、図7は図2のE−E断面図である。
アウターフィン104は、波板形状で、隣合う扁平チューブ103、103の扁平面間に挿入配置され、空気の通流方向に空気流路を形成する。
アウターフィン204は、アウターフィン104と同様、波板形状で、隣合う扁平チューブ203、203の扁平面間に挿入配置され、空気の通流方向に空気流路を形成する。
また、熱交換ユニット100、200の上側のヘッダタンク101、201の両端部は、前後一体のキャップ106、107により閉止されている。熱交換ユニット100、200の下側のヘッダタンク102、202の一方(右側)の端部は、前後一体のキャップ108により閉止されている。熱交換ユニット100、200の下側のヘッダタンク102、202の他方(左側)の端部は、前後一体のキャップ109を介して、パイプ110、210が接続されている。
また、熱交換ユニット100、200の両側部は補強板111、112により補強されている(図2参照)。
接続部材300は、ヘッダタンク102の円筒面とヘッダタンク202の円筒面との間に挿入配置されて一体にろう付けされるもので、第2のタンク内空間102bと202bを連通する連通孔を有している。
冷媒は、後側の熱交換ユニット200の冷媒入口パイプ210から下側のヘッダタンク202内の仕切板205により仕切られた第1のタンク内空間202aに流入し、第1のタンク内空間202aに連通している扁平チューブ203の一群(第1パスP1)を上向きに流れ、上側のヘッダタンク201内に流入する。
上側のヘッダタンク201内に流入した冷媒は、扁平チューブ203の他群(第2パスP2)を下向きに流れ、下側のヘッダタンク202内の仕切板205により仕切られた第2のタンク内空間202bに流入する。
前側の熱交換ユニット100の下側のヘッダタンク102の第2のタンク内空間102bに流入した冷媒は、第2のタンク内空間102bに連通している扁平チューブ103の一群(第3パスP3)を上向きに流れ、上側のヘッダタンク101内に流入する。
上側のヘッダタンク101内に流入した冷媒は、扁平チューブ103の他群(第4パスP4)を下向きに流れ、下側のヘッダタンク102内の仕切板105により仕切られた第1のタンク内空間102aに流入し、冷媒出口パイプ110より流出する。
扁平チューブ103と203は同一構造であるので、扁平チューブ103について代表して説明する。
また、扁平チューブ103の接合側(折り返し部400の反対側)には、端縁部同士が互いに接近してろう付けされる接合部401と、該接合部401より外側で互いに離間する拡開部402とが形成される。拡開部402は「ハ」字状に拡開する。
拡開部402を設けることにより、この拡開部402を介して、接合部401の合わせ面の状態を見ることができ、ろう付け状態のチェックが容易となる。
インナーフィン500は、板厚0.1mm程度のアルミの板材を波板形状に成形したものである、従って、インナーフィン500は、両面にそれぞれ複数の凸条部501A、501Bを有し、凸条部501A、501Bにて扁平チューブ103の内面に接合される。
このため、空気の通流方向で上流側の冷媒通路と下流側の冷媒通路とを連通させて、冷媒を混合することにより、各冷媒通路を流れる冷媒の熱交換量を均一化することが可能となる。
また、上記の連通により、乱流を生じさせることができ、これによって熱交換を促進することができる。
小突起504A、504Bは、各凸条部501A、501Bにおいて、くぼみ部503A、503B間に、1つずつ形成される。小突起504A、504Bは、また、円錐状に形成され、突出高さは0.05mm程度である。但し、円錐状に限らず、半球状などであってもよい。
尚、小突起付きのインナーフィン500は、2工程で成形可能である。すなわち、第1プレス工程で波板形状に成形し、第2プレス工程でくぼみ部503A、503Bと小突起504A、504Bとを同時成形する。
熱交換器10のヘッダタンク101、102、201、202、扁平チューブ103、203、アウターフィン104、204及び接続部材300を含む構成部品は、予め接合面側にろう材をコーティングしたり、接合面側にろう材を積層してあるクラッド材により形成したりし、組み立て後、加熱炉内で加熱して、ろう材を溶融させることにより接合する。
尚、ヘッダタンク101、102、201、202には、外周面側にろう材が積層されている。扁平チューブ103、203には、内面側にろう材が積層されている。アウターフィン104、204には、両面にろう材が積層されている。インナーフィン500については、ろう材は積層せず、扁平チューブ103、203側のろう材で接合する。
また、扁平チューブ103(及び203)内のインナーフィン500についても、このときに扁平チューブ103の内面とインナーフィン500の凸条部501A、501Bとの間で扁平チューブ103側のろう材が溶融して、接合される。
また、インナーフィン500の凸条部501A、501Bに形成される小突起504A、504Bは、ろう付けの際のろう流れの起点となり、ここから凸条部501A、501Bに沿って、ろう流れを誘発できるので、より確実な接合を行うことができるという副次的効果を奏する。
また、インナーフィン500をくぼみ部503A、504Bのような複雑な形状とすると、接合部が分散されるため、接合不良を生じやすくなるが、小突起504A、504Bを設けてることで、接合不良の発生を抑制することができる。
但し、インナーフィン500の波板形状は図示の実施形態に限定されるものではなく、くぼみ部503A、503Bを有しないものであってもよい。また、くぼみ部503A、503Bに代えて、連通孔を有するものであってもよい。また、波板形状は空気通路が直線状に形成されるものに限らず、蛇行したりするものであってもよい。
100 熱交換ユニット
101 上側のヘッダタンク
102 下側のヘッダタンク
102a、102b 第1及び第2タンク内空間
102c 孔
103 扁平チューブ(熱交換チューブ)
104 アウターフィン
105 仕切壁
106〜109 キャップ
110 冷媒出口パイプ
111、112 補強板
200 熱交換ユニット
201 上側のヘッダタンク
202 下側のヘッダタンク
202a、202b 第1及び第2タンク内空間
202c 孔
203 扁平チューブ
204 アウターフィン
205 仕切壁
210 冷媒入口パイプ
300 接続部材
400 折り返し部
401 接合部
402 拡開部
500 インナーフィン
501A、501B 凸条部
502A、502B 凹溝部
503A、503B くぼみ部
504A、504B 小突起
505 突起痕
Claims (3)
- 中空扁平状の熱交換チューブを備え、熱交換チューブ内を流通する第1流体と熱交換チューブ外を流通する第2流体との間で熱交換を行わせる、熱交換器であって、
前記熱交換チューブ内に波板形状のインナーフィンを備え、
前記インナーフィンは、前記熱交換チューブの内面と接合される凸条部に小突起を有し、
前記熱交換チューブの外面に、前記インナーフィンと前記熱交換チューブとの圧接により、前記小突起に起因する突起痕が形成されることを特徴とする、熱交換器。 - 前記インナーフィンの凸条部には、その延在方向に所定の間隔で、当該凸条部の左右の凹溝部を連通させるくぼみ部が形成され、
前記小突起は、くぼみ部間に1つずつ形成されることを特徴とする、請求項1記載の熱交換器。 - 前記小突起は、円錐状に形成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の熱交換器。
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