JP6205784B2 - 照明装置及びプロジェクター - Google Patents

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Description

本発明は、照明装置及びプロジェクターに関する。
従来より、照明装置から射出された照明光により光変調装置を照明し、その光変調装置により変調されて射出された画像光を投射光学系によりスクリーンに拡大投射するプロジェクターが広く知られている。
プロジェクターの光源には、超高圧水銀ランプなどの放電ランプが従来より用いられる。一方、この種の放電ランプは、寿命が比較的短い、瞬時点灯が難しい、ランプから放射される紫外線が液晶パネルを劣化させるなどの課題がある。
そこで、放電ランプに代わるプロジェクター用の光源として、高輝度・高出力な光が得られる半導体レーザー(LD)などのレーザー光源が注目されている。レーザー光源は、従来の放電ランプ等に比べて、小型化が図れることや、色再現性に優れること、瞬時点灯が可能であること、長寿命であることなどの利点を有している。
レーザー光源が発するレーザー光は、コヒーレント(可干渉)光であるため、プロジェクター用の光源として用いた場合、スクリーン上に干渉によって生じたスペックルと呼ばれる斑点模様が表示され、表示品質を低下させる原因となる。
そこで、スペックルの発生を低減するため、複数のレーザー光源と、該レーザー光源から射出された光の偏光面を時間的に変化させる液晶素子(偏光回転素子)と、該偏光回転素子から射出された光の光路を分離する偏光分離素子と、該偏光分離素子により分離されたそれぞれの光を光変調装置に入射させる導光手段とを備えた照明装置が提案されている(特許文献1を参照。)。
また、レーザー光源を用いた光源と、励起光の照射によって蛍光を発する蛍光体を用いた光源と、を用いたプロジェクターが知られている(特許文献2を参照。)。レーザー光源から発せられる光は直線偏光であるが、蛍光体から発せられる光は非偏光である。
特開2007−121842号公報 特開2012−83695号公報
ところで、特許文献1のプロジェクターでは、複数の光源はいずれも直線偏光を射出するレーザー光源であるため、特許文献2のようにコヒーレントな直線偏光光と非コヒーレントな非偏光光とを画像光として利用するプロジェクターにおいて、簡易な構成で効果的にスペックルの発生を低減する手段は、これまで知られていなかった。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、スペックルの発生を効果的に低減できる照明装置、並びにそのような照明装置を備えることによって、画像品質に優れた明るい表示を行うことができるプロジェクターを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置は、コヒーレントな直線偏光の第1の光を射出する第1の光源部と、前記第1の光とは波長帯が異なる非偏光の第2の光を射出する第2の光源部と、前記第1の光のうち少なくとも一部及び前記第2の光が入射する偏光制御素子と、前記偏光制御素子から射出された光が入射する偏光変換素子と、を備え、前記偏光制御素子は、前記第1の光のうち少なくとも一部の偏光状態を時間的に変化させ、前記偏光変換素子は、第1の光射出領域と第2の光射出領域とを備え、前記偏光変換素子に入射した光の偏光状態に応じて、前記偏光変換素子から射出する光の射出領域が該第1の光射出領域と該第2の光射出領域との間で切り替わることによって、前記偏光変換素子に入射した光の偏光方向を所定の方向に揃えるように構成されていることを特徴とする。
第1の光はスペックルを発生させる光である。上記照明装置の構成によれば、コヒーレントな直線偏光の第1の光は、偏光制御素子により偏光状態を時間的に変化させられながら偏光変換素子に入射する。一方、非偏光の第2の光は、偏光制御素子の影響を受けることなく、非偏光の状態のまま偏光変換素子に入射する。この場合、偏光変換素子に入射した第1の光は、その偏光状態の時間的な変化に応じて偏光変換素子からの射出位置が変化する。したがって、第1の光の照明対象への入射角度が時間的に変化する。スペックルパターンは光の入射角度によって変化するため、異なるスペックルパターンが時間的に重畳される。これにより、スペックルを低減することができる。また、この構成によれば、光変調装置に対する第1の光の入射角度を時間的に大きく変化させることができる。
また、前記偏光制御素子は、入射した光に位相差を与える第1の領域と、入射した光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える若しくは位相差を与えない第2の領域と、を含む光学素子と、前記第1の領域と前記第2の領域との間で光の入射位置を切り替える切替機構と、を有する構成であってもよい。
この構成によれば、第1の光の偏光状態を容易に変化させることができる。
また、前記切替機構は、前記光学素子を往復駆動させるように構成され、前記光学素子には、前記切替機構が前記光学素子を往復駆動させる方向に、前記第1の領域と前記第2の領域とが並んで配置されている構成であってもよい。
この構成によれば、第1の光の偏光状態を容易に時間的に変化させることができる。
また、前記切替機構は、前記光学素子を回転させるように構成され、前記光学素子には、前記切替機構が前記光学素子を回転させる方向に、前記第1の領域と前記第2の領域とが並んで配置されている構成であってもよい。
この構成によれば、第1の光の偏光状態を容易に変化させることができる。
また、前記第1の光源部は、前記第1の光を射出する光源を有し、前記第2の光源部は、第1の波長帯の光により励起されることによって、前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を生成する蛍光体層と、該蛍光体層を支持する基材と、を含む蛍光発光素子を有する構成であってもよい。
この構成によれば、直線偏光の第1の光を射出する第1の光源部と、第1の光とは波長帯が異なる非偏光の第2の光を射出する第2の光源部とを構成することができる。
また、前記光源と前記蛍光体層との間の光路中に設けられ、前記第1の光に対して偏光分離機能を有すると共に、前記第2の光を透過又は反射する偏光分離素子と、前記偏光分離素子と前記蛍光体層との間の光路中に配置された位相差板と、前記位相差板と前記蛍光体層との間の光路中に配置され、前記第1の光の一部を前記偏光分離素子に向けて反射し、前記第1の光の他の一部を前記蛍光体層に向けて透過する第1の反射部と、前記蛍光体層の前記第1の反射部とは反対側に配置され、前記蛍光体層で生成された光を反射する第2の反射部と、を備える構成であってもよい。
この構成によれば、位相差板と蛍光体層との間の光路中に配置された第1の反射部によって、第1の光の一部が偏光分離素子に向けて反射され、第1の光の他の一部が蛍光体層に向けて透過される。また、蛍光体層の第1の反射部とは反対側に配置された第2の反射部によって、蛍光体層で生成された光が反射される。これにより、直線偏光の第1の光を射出する第1の光源部と、第1の光とは波長帯が異なる非偏光の第2の光を射出する第2の光源部とを構成することができる。
また、前記位相差板として、1/4波長板を用いることが好ましい。
この構成によれば、第1の反射部で反射された第1の光の偏光方向を、第1の光が偏光分離素子から位相差板へと入射したときの偏光方向から略90°回転した方向に変換することができる。
また、前記光源と前記偏光分離素子との間にコリメータ光学系が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、光源から射出された第1の光を平行光に変換して偏光分離素子に入射させることができる。
また、前記偏光分離素子と前記偏光制御素子との間にレンズアレイを含むインテグレータ光学系が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、偏光分離素子から射出された第1の光及び第2の光を複数の光束に分割しながら、より均一な照度分布を有する照明光を得ることができる。
また、本発明に係るプロジェクターは、照明光を照射する照明装置と、前記照明光を画像情報に応じて変調した画像光を形成する液晶パネルを含む光変調装置と、前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、前記照明装置として、上記何れかの照明装置を用いることを特徴とする。
上記プロジェクターの構成によれば、画像品質に優れた明るい表示を行うことができる。
プロジェクターの概略構成を示す平面図である。 第1の実施形態である照明装置の概略構成を示す平面図である。 蛍光発光素子が備える発光体層の各構成例を示す平面図である。 偏光制御素子の一例を示す正面図である。 偏光制御素子の他例を示す正面図である。 偏光変換素子の一例を示す平面図である。 偏光変換素子を通過する照明光の光路を示す要部平面図である。 第2の実施形態である照明装置の概略構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
[プロジェクター]
先ず、図1に示すプロジェクター1の一例について説明する。
なお、図1は、このプロジェクター1の概略構成を示す平面図である。
このプロジェクター1は、スクリーン(被投射面)SCR上にカラー映像(画像)を表示する投射型画像表示装置である。また、このプロジェクター1は、赤色光LR、緑色光LG、青色光LBの各色光に対応した3つの光変調装置を用いている。さらに、このプロジェクター1は、照明装置の光源として、高輝度・高出力な光が得られる半導体レーザー(レーザー光源)を用いている。
具体的に、このプロジェクター1は、図1に示すように、照明光WLを照射する照明系2と、照明系2からの照明光WLを赤色光LR、緑色光LG、青色光LBに分離する色分離光学系3と、各色光LR,LG,LBを画像情報に応じて変調し、各色光LR,LG,LBに対応した画像光を形成する光変調装置4R,光変調装置4G,光変調装置4Bと、各光変調装置4R,4G,4Bからの画像光を合成する合成光学系5と、合成光学系5からの画像光をスクリーンSCRに向かって投射する投射光学系6とを概略備えている。
照明系2は、半導体レーザーから射出された励起光(青色光)と、この励起光により蛍光体を励起することによって生成された蛍光光(黄色光)とを混ぜることによって白色の照明光WLを得るものであり、後述する本発明を適用した照明装置を用いている。そして、この照明系2は、均一な照度分布を有するように調整された照明光WLを色分離光学系3に向かって照射する。
色分離光学系3は、第1のダイクロイックミラー7a及び第2のダイクロイックミラー7bと、第1の全反射ミラー8a、第2の全反射ミラー8b及び第3の全反射ミラー8cと、第1のリレーレンズ9a及び第2のリレーレンズ9bとを概略備えている。
このうち、第1のダイクロイックミラー7aは、照明系2からの照明光WLを赤色光LRとその他の色光LG,LBとに分離する機能を有し、分離された赤色光LRを透過すると共に、その他の色光LG,LBを反射する。一方、第2のダイクロイックミラー7bは、その他の色光LG,LBを緑色光LGと青色光LBとに分離する機能を有し、分離された緑色光LGを反射すると共に、青色光LBを透過する。
光変調装置4R,4G,4B各々は、液晶パネルからなり、各色光LR,LG,LBを画像情報に応じて変調した画像光を形成する。
また、各光変調装置4R,4G,4Bの入射面側には、各光変調装置4R,4G,4Bに入射する各色光LR,LG,LBを平行化するフィールドレンズ10R,フィールドレンズ10G,フィールドレンズ10Bが配置されている。
合成光学系5は、クロスダイクロイックプリズムからなり、各光変調装置4R,4G,4Bから射出された画像光を合成し、この合成された画像光を投射光学系6に向かって射出する。
投射光学系6は、投射レンズ群からなり、合成光学系5により合成された画像光をスクリーンSCRに向かって拡大投射する。これにより、スクリーンSCR上には、拡大されたカラー映像(画像)が表示される。
[照明装置]
次に、照明系2に用いられる本発明を適用した照明装置の具体的な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態として図2に示す照明装置20Aについて説明する。
なお、図2は、この照明装置20Aの概略構成を示す平面図である。
この照明装置20Aは、図2に示すように、第1の光源部であるアレイ光源21と、コリメータ光学系22と、アフォーカル光学系23と、ホモジナイザ光学系24と、偏光分離素子50Aと、位相差板26と、ピックアップ光学系27と、蛍光発光素子28と、インテグレータ光学系29と、偏光制御素子40と、偏光変換素子30と、重畳光学系31とを概略備えている。
アレイ光源21は、複数の光源(半導体レーザー)21aがアレイ状に配列されたものからなる。アレイ光源21から射出される光束の光軸を光軸ax1とする。また、後述する第2の光源部21bから射出される光束の光軸を光軸ax2とする。光軸ax1と光軸ax2とは同一平面内にあり、かつ互いに直交している。
光軸ax1上においては、アレイ光源21と、コリメータ光学系22と、アフォーカル光学系23と、ホモジナイザ光学系24と、偏光分離素子50Aとが、この順に並んで配置されている。一方、光軸ax2上においては、蛍光発光素子28と、ピックアップ光学系27と、位相差板26と、偏光分離素子50Aと、インテグレータ光学系29と、偏光制御素子40と、偏光変換素子30と、重畳光学系31とが、この順に並んで配置されている。
半導体レーザー21aは、第1の波長帯の光として、例えば440〜480nmの波長域にピーク波長を有する励起光(青色光)BLを射出する。また、各半導体レーザー2aから射出される励起光BLは、コヒーレントな直線偏光光であり、偏光分離素子50Aに向かって光軸ax1と平行に射出される。励起光BLは、本発明における第1の光である。
アレイ光源21では、各半導体レーザー21aが射出する励起光BLの偏光方向を、偏光分離素子50Aで反射される偏光成分(例えばS偏光成分)の偏光方向と一致させている。そして、このアレイ光源21から射出された励起光BLは、コリメータ光学系22に入射する。
コリメータ光学系22は、アレイ光源21から射出された励起光BLを平行光に変換するものであり、例えば各半導体レーザー21aに対応してアレイ状に並んで配置された複数のコリメータレンズ22aからなる。そして、このコリメータ光学系22を通過することにより平行光に変換された励起光BLは、アフォーカル光学系23に入射する。
アフォーカル光学系23は、励起光BLのサイズ(光束径)を調整するものであり、例えば2枚のアフォーカルレンズ23a,アフォーカルレンズ23bから構成されている。そして、このアフォーカル光学系23を通過することによりサイズが調整された励起光BLは、ホモジナイザ光学系24に入射する。
ホモジナイザ光学系24は、励起光BLの光強度分布を均一な状態(いわゆるトップハット分布)に変換するものであり、例えば一対のマルチレンズアレイ24a,マルチレンズアレイ24bからなる。そして、このホモジナイザ光学系24により光強度分布が均一な状態に変換された励起光BLは、偏光分離素子50Aを介して蛍光発光素子28に入射する。
偏光分離素子50Aは、この偏光分離素子50Aに入射した第1の波長帯の励起光BLを、この偏光分離素子50Aに対するS偏光成分(一方の偏光成分)とP偏光成分(他方の偏光成分)とに分離する偏光分離機能を有している。そして、この偏光分離素子50Aは、励起光BLのS偏光成分を反射させ、励起光BLのP偏光成分を透過させる。また、偏光分離素子50Aは、この偏光分離素子50Aに入射した光のうち、第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を、その偏光状態にかかわらず透過させる色分離機能を有している。
そして、この偏光分離素子50Aに入射した励起光BLは、その偏光方向がS偏光成分と一致していることから、S偏光の励起光BLsとして、蛍光発光素子28に向かって反射される。
位相差板26は、偏光分離素子50Aと蛍光発光素子28の蛍光層32との間の光路中に配置された1/4波長板(λ/4板)からなる。この位相差板26に入射するS偏光(直線偏光)の励起光BLsは、円偏光の励起光BLcに変換された後、ピックアップ光学系27に入射する。
ピックアップ光学系27は、励起光BLcを蛍光体層32に向かって集光させるものであり、例えばピックアップレンズ27a,ピックアップレンズ27bから構成されている。また、図2には図示していないが、位相差板26と蛍光体層32との間の光路中には、第1の反射部32aが設けられている。なお、第1の反射部32aの構成の詳細については、後述する図3を用いて説明する。
第1の反射部32aは、ピックアップ光学系27から入射した励起光BLcのうち一部の光BLc1を偏光分離素子50Aに向けて反射し、ピックアップ光学系27から入射した励起光BLcのうち他の一部の光BLc2を蛍光体層32に向けて透過させる。また、第1の反射部32aは、第2の波長帯の光を透過させる。
蛍光発光素子28は、蛍光体層32と、この蛍光体層32を支持する基板(基材)33とを有している。蛍光発光素子28では、蛍光体層32の光BLc2が入射する側とは反対側の面を基板33に接触させた状態で、この蛍光体層32が基板33に固定支持されている。
蛍光体層32は、第1の波長帯の光である励起光BLc2を吸収して励起される蛍光体を含み、この励起光BLc2により励起された蛍光体は、第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光として、例えば500〜700nmの波長域にピーク波長を有する蛍光光(黄色光)を生成する。蛍光発光素子28と半導体レーザー21aとが、第2の光源部21bを構成する。
蛍光体層32には、耐熱性及び表面加工性に優れたものを用いることが好ましい。本実施形態のように、蛍光体層32を回転させない場合、蛍光体層32の回転による冷却効果は期待できないため、耐熱性が高く、冷却し易い蛍光体層32を用いる必要がある。例えば、蛍光体層32としては、アルミナ等の無機バインダ中に蛍光体粒子を分散させた蛍光体層や、バインダを用いずに蛍光体粒子を焼結した蛍光体層などを好適に用いることができる。
一方、これらの蛍光体層32は内部での屈折率差が小さいため、励起光BLcの後方散乱は望めない。したがって、蛍光体層32と位相差板26との間の光路上に、励起光BLcの一部を反射する第1の反射部32aを設ける。
また、蛍光体層32を透過した後、第2の反射部で反射して戻ってくる励起光(青色光)を照明光WLに利用する方法も考えられるが、この場合、蛍光体層32によって直線偏光の偏光状態が乱れてしまう。蛍光体層32によって偏光状態が乱された励起光は、偏光分離素子50Aを透過できない成分を含むため、励起光の照明光WLとしての利用効率が低下する。
本実施形態においては、図3(a),図3(b),図3(c)に示すように、第1の反射部32aが、位相差板26と蛍光体層32との間の光路中に設けられている。
第1の反射部32aは、蛍光体層32の励起光BLc2が入射する側の面に設けられた拡散反射面からなる。この拡散反射面は、励起光BLcのうち一部の光BLc1を偏光分離素子50Aに向かって拡散反射する機能を有している。
具体的に、この拡散反射面は、例えば図3(a)に示すように、蛍光体層32の励起光BLc2が入射する側の面に、テクスチャ加工を施すことによって形成することができる。この場合、第1の反射部32aは、粗面化された表面による後方散乱を利用して、励起光BLcのうち一部の光BLc1を偏光分離素子50Aに向かって拡散反射することができる。
また、拡散反射面は、例えば図3(b)に示すように、蛍光体層32の励起光BLc2が入射する側の面に、ディンプル加工を施すことによって形成することができる。この場合、第1の反射部32aは、凸面が多数形成された表面によるフレネル反射を利用して、励起光BLcのうち一部の光BLc1を偏光分離素子50Aに向かって拡散反射することができる。
また、拡散反射面は、ディンプル加工により凸面が多数形成されたものに限らず、例えば図3(c)に示すように、ディンプル加工により凹面が多数形成されたものや、ディンプル加工により凸面及び凹面(図示せず。)が多数形成されたもの(凹凸面)であってもよい。
さらに、第1の反射部32aの励起光BLcが入射する側の面には、図示を省略する増反射膜を設けてもよい。この場合、第1の反射部32aで反射される光BLc1の割合を高めることができる。
本実施形態においては、図3(a),図3(b),図3(c)に示すように、蛍光体層32の励起光BLc2が入射する側とは反対側に、第2の反射部32bが設けられている。第2の反射部32bは、鏡面反射面からなる。この鏡面反射面は、蛍光体層32で生成された蛍光光のうち、一部の蛍光光YL1を反射する機能を有している。
具体的に、この鏡面反射面は、蛍光体層32の励起光BLc2が入射する側とは反対側の面に、反射膜32cを設けることによって形成することができる。
また、鏡面反射面は、基板33が光反射特性を有する場合、反射膜32cを省略して、この基板33の蛍光体層32と対向する面を鏡面化することによって形成することができる。
また、蛍光発光素子28では、図2に示すように、蛍光体層32の側面に設けられた光反射特性を有する無機接着剤Sによって、蛍光体層32が基板33に固定されている。この場合、光反射特性を有する無機接着剤Sによって蛍光体層32の側面から漏れ出す光を蛍光体層32内へと反射させることができる。これにより、蛍光体層32で生成された蛍光光の光取り出し効率を高めることができる。
また、基板33の蛍光体層32を支持する面とは反対側の面には、ヒートシンク34が配置されている。蛍光発光素子28は、このヒートシンク34を介して放熱できるため、蛍光体層32の熱劣化を防ぐことができる。
蛍光体層32で生成された蛍光光のうち、一部の蛍光光YL1は、第2の反射部32bによって反射され、蛍光体層32の外部へと射出される。また、蛍光体層32で生成された蛍光光のうち、他の一部の蛍光光YL2は、第2の反射部32bを介さずに蛍光体層32の外部へと射出される。このようにして、第2の光である蛍光光(黄色光)YLが蛍光体層32から偏光分離素子50Aに向かって射出される。
第1の反射部32aで反射された光(青色光)BLc1は、再びピックアップ光学系27及び位相差板26を通過する。また、この光BLc1は、位相差板26を通過することによって、円偏光からP偏光(直線偏光)の光BLpに変換される。そして、この光BLpは、偏光分離素子50Aを透過する。
蛍光体層32から偏光分離素子50Aに向かって射出された蛍光光(黄色光)YLは、ピックアップ光学系27及び位相差板26を通過する。このとき、蛍光光YLは、偏光方向が揃っていない非偏光光のため、位相差板26を通過した後も、非偏光の状態のまま偏光分離素子50Aに入射する。そして、この蛍光光YLは、偏光分離素子50Aを透過する。
そして、偏光分離素子50Aを透過する青色光BLp及び黄色光YLが混ざることによって、合成光Wが得られる。合成光Wは、偏光分離素子50Aを透過した後に、インテグレータ光学系29に入射する。なお、合成光Wを色温度の高い白色光とするためには、光BLc1に対する第1の反射部32aの反射率を10〜25%とすることが好ましく、15〜20%とすることがより好ましい。
インテグレータ光学系29は、一対のレンズアレイ29a,レンズアレイ29bからなる。レンズアレイ29a,29b各々は、複数のレンズがアレイ状に配列されたものからなる。そして、青色光BLp及び黄色光YLを含む合成光Wは、インテグレータ光学系29によって複数の光束Wxに分割される。複数の光束Wx各々は、図示していないが、P偏光の青色光BLxp及び非偏光の黄色光YLxを含む。複数の光束Wxは偏光制御素子40に入射する。ただし、インテグレータ光学系29は必須ではない。
偏光制御素子40は、励起光BL(第1の光)の一部である青色光BLpの偏光状態を時間的に変化させるものであり、例えば図4(a),(b)に示すような光学素子41A及び切替機構42Aを有して構成されている。
光学素子41Aは、例えば、光透過性を有する基材43の面上に複数のストライプ状の位相差板44を配置することによって構成されている。このうち、基材43の位相差板44が配置された部分は、入射した光に位相差を与える第1の領域41A1を構成している。一方、基材43の位相差板44が配置されていない部分は、入射した光に位相差を与えない第2の領域41A2を構成している。また、複数の位相差板44は、光学素子41Aの面内に、この光学素子41Aを往復駆動させる方向に並んで設けられている。そして、この位相差板44には、1/2波長板が用いられている。
切替機構42Aは、第1の領域41A1と第2の領域41A2との間で光束Wxの入射位置を周期的に切り替えるものである。具体的に、この切替機構42Aは、光学素子41Aの面上に配置された位相差板44を往復駆動させる振動子(往復駆動部)45を有している。そして、この切替機構42Aは、第1の領域41A1と第2の領域41A2との間で、上記レンズアレイ29bの各レンズから射出される光束Wxの入射位置が周期的に切り替わるように、振動子45により複数の位相差板44を高速で往復駆動(振動)させる。
したがって、光束Wxが第1の領域41A1に入射したときには、この光束Wxに含まれるP偏光の青色光BLxpが位相差板44によってS偏光の青色光BLxsに変換された後、このS偏光の青色光BLxsが偏光変換素子30に向かって射出される。一方、光束Wxが第2の領域41A2に入射したときには、この光束Wxに含まれる青色光BLxpがP偏光の青色光BLxpとして偏光変換素子30に向かって射出される。
これに対して、光束Wxに含まれる黄色光YLxは、偏光方向が揃っていない非偏光光のため、光束Wxが第1の領域41A1に入射したときと、第2の領域41A2に入射したときとに関わらず、非偏光のまま偏光変換素子30に向かって射出される。
これにより、偏光制御素子40は、青色光BLpの偏光状態を時間的に変化させることができ、P偏光の青色光BLxpとS偏光の青色光BLxsとを交互に射出することが可能となっている。
また、偏光制御素子40は、図4(a),(b)に示すような光学素子41A及び切替機構42Aを有した構成に限らず、例えば図5(a),(b)に示すような光学素子41B及び切替機構42Bを有した構成としてもよい。
光学素子41Bは、例えば、光透過性を有する円板46の面上に複数の位相差板47を配置することによって構成されている。このうち、円板46の位相差板47が配置された部分は、入射した光に位相差を与える第1の領域41A1を構成している。一方、円板46の位相差板47が配置されていない部分は、入射した光に位相差を与えない第2の領域41A2を構成している。また、第1の領域41A1と第2の領域41A2とは、光学素子41Bの周方向(回転方向)に交互に並んで設けられている。そして、位相差板47には、1/2波長板が用いられている。
切替機構42Bは、光軸ax2と直交する面内で光学素子41Bを回転駆動するものである。具体的に、この切替機構42Bは、光学素子41Bを回転軸48aの周りに回転駆動する駆動モータ(回転駆動部)48を有し、この駆動モータ48の回転軸48aに光学素子41Bの中心部が取り付けられている。そして、この切替機構42Bは、第1の領域41A1と第2の領域41A2との間で、上記レンズアレイ29bの各レンズから射出される光束Wxの入射位置が周期的に切り替わるように、光学素子41Bを高速で回転駆動させる。
これにより、偏光制御素子40は、青色光BLpの偏光状態を時間的に変化させることができ、P偏光の青色光BLxpとS偏光の青色光BLxsとを交互に射出することが可能となっている。
なお、偏光制御素子40は、上記図4(a),(b)に示す光学素子41Aを往復駆動する切替機構42Aや、上記図5(b),(b)に示す光学素子41Bを回転駆動する切替機構42Bを有した構成に必ずしも限定されるものではなく、それ以外にも、例えば光学素子を旋回駆動する切替機構を有して、この光学素子を旋回駆動させながら、青色光BLpの偏光状態を時間的に変化させる構成としてもよい。
また、上記偏光制御素子40において、第1の領域41A1と第2の領域41A2との間で光束Wxの入射位置が切り替わる速さについては、スクリーンSCRに投射された画像光から、その切り替わりのタイミングが認識されない程度の速さとすることが好ましい。具体的には、切り替わりのタイミングを60Hz以上で制御することが好ましく、180Hz以上とすることが更に好ましい。これにより、後述するスペックルの発生を抑制することができる。
また、上記第2の領域41A2については、上記位相差板44,47が配置されていない構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば上記第1の領域41A1とは異なる位相差を与える位相差板を配置した構成としてもよい。
偏光変換素子30は、上記偏光制御素子40から射出された複数の光束Wxの偏光方向を特定の方向に揃えるものである。具体的に、この偏光変換素子30は、図6に示すように、第1の光学ブロック301Aと第2の光学ブロック301Bとから構成された導光体301を備えている。
具体的に、この導光体301は、第1の光学ブロック301Aと第2の光学ブロック301Bとを接合することによって、全体が平行平板状に一体化されたものからなる。第1光学ブロック301Aと第2光学ブロック301Bとは、光軸ax2を含む面に対して対称となるように配置されている。
偏光変換素子30は、この導光体301の中心を光軸ax2と一致させた状態で、この導光体301の一面に上記偏光制御素子40から射出された光束Wxが垂直入射するように配置されている。
ここで、第1光学ブロック301Aと第2光学ブロック301Bとは、光軸ax2を含む面に対して対称となっている以外は、同じ構成を有している。したがって、以下の説明では、第1の光学ブロック301Aについて説明し、第2の光学ブロック301Bに関する説明は省略する。また、図6に示すように、導光体301の幅方向をX軸方向とし、導光体301の長さ方向をY軸方向とし、光軸ax2と平行な方向である導光体301の厚み方向をZ軸方向とする。
第1光学ブロック301Aは、第1の透光性基材302aと、複数の第2の透光性基材302bと、第3の透光性基材302cとがX軸方向に1列に並べて配置された構成を有している。
第1乃至第3の透光性基材302a〜302cは、光透過性を有する光学樹脂やガラスなどからなる。第1乃至第3の透光性基材302a〜302cは、互いに同じ長さを有すると共に、互いに同じ厚さを有している。また、導光体301のY軸と垂直な断面において、第1及び第3の透光性基材302a,302cの断面形状が直角三角形となり、複数の第2の透光性基材302bの断面形状が各々平行四辺形となっている。
また、第1の透光性基材302aと第2の透光性基材302bとの間には、第1の傾斜面303aが設けられ、互いに隣り合う2つの第2の透光性基材302bの間には、それぞれ第2の傾斜面303bが設けられ、第2の透光性基材302bと第3の透光性基材302cとの間には、第3の傾斜面303cが設けられている。第1の傾斜面303aと複数の第2の傾斜面303bと第3の傾斜面303cとは、光軸ax2から同じ方向に傾いている。
第1の傾斜面303aと複数の第2の傾斜面303bと第3の傾斜面303cとの間には、偏光分離膜304と反射膜305とが交互に並んで配置されている。具体的には、第1の傾斜面303aには偏光分離膜304が配置され、第3の傾斜面303cには反射膜305が配置され、複数の第2の傾斜面303bには、偏光分離膜304と反射膜305とが交互に並んで配置されている。
なお、第1光学ブロック301Aに配置された偏光分離膜及304及び反射膜305の光軸ax2に対して傾ける方向と、第2光学ブロック301Bに配置された偏光分離膜及304び反射膜305の光軸ax2に対して傾ける方向とは、互いに反対方向である。
導光体301の偏光制御素子40と対向する面は、偏光制御素子40から射出された複数の光束Wxが入射する光入射面306となっている。一方、導光体301の光入射面306とは反対側の面は、偏光分離膜304を透過した光が射出される第1の光射出面307aと、反射膜305で反射された光が射出される第2の光射出面307bとが交互に並んだ構成となっている。
偏光分離膜304は、光入射面306から入射した光束WxをS偏光成分(一方の偏光成分)の光と、P偏光成分(他方の偏光成分)の光とに分離する機能を有している。そして、この偏光分離膜304は、光束Wxに含まれるP偏光成分の光を第1の光射出面307aに向けて透過し、S偏光成分の光を反射膜305に向けて反射させる。一方、反射膜305は、偏光分離膜304で反射された光を第2の光射出面307bに向けて反射させる。
第1の光射出面307aには、位相差板308が配置されている。この位相差板308は、1/2波長板からなり、第1の光射出面307aから射出されるP偏光成分の光をS偏光成分の光に変換する機能を有する。
図7(a),(b)は、本発明にかかる偏光制御素子40の機能を説明するための図である。レンズアレイ29bから射出された光束Wxは、P偏光の青色光BLxp及び非偏光の黄色光YLxを含んでいるが、図7(a),(b)では便宜上、光入射面306Aに入射する光束Wxを用いて青色光BLxpの光路を示し、光入射面306Bに入射する光束Wxを用いて黄色光YLxの光路を示してある。
初めに、黄色光YLxの光路を説明する。図7(a)は、レンズアレイ29bから射出された光束Wxが偏光制御素子40の第2の領域41A2に入射している状態を示す図である。偏光制御素子40を透過した光束Wxは、その偏光状態を保ったまま偏光変換素子30へ入射する。光束Wxに含まれる黄色光YLxのうちP偏光成分の黄色光YLx1pは偏光分離膜304を透過し、さらに第1の光射出面307aを通過して位相差板308に入射する。黄色光YLx1pは位相差板308によってS偏光の黄色光YLx1sに変換された後、外部へ射出する。
黄色光YLxのうちS偏光成分の黄色光YLx2sは偏光分離膜304によって反射膜305に向かって反射される。黄色光YLx2sはさらに反射膜305によって反射された後、第2の光射出面307bから外部へ射出する。このように、偏光変換素子30は、S偏光の黄色光を第1の光射出面307aと第2の光射出面307bとから重畳光学系31に向けて射出する。
図7(b)は、レンズアレイ29bから射出された光束Wxが偏光制御素子40の第1の領域41A1に入射している状態を示す図である。この場合も、光束Wxに含まれる黄色光YLxは非偏光であるため、偏光変換素子30は、S偏光の黄色光を第1の光射出面307aと第2の光射出面307bとから重畳光学系31に向けて射出する。
何れの場合も、第1の光射出面307aから射出される黄色光YLx1sの強度と第2の光射出面307bから射出される黄色光YLx2sの強度とは互いに等しい。
次に、青色光の光路を説明する。図7(a)に示したように、レンズアレイ29bから射出された光束Wxが偏光制御素子40の第2の領域41A2に入射した場合、光束Wxに含まれるP偏光の青色光BLxpはP偏光として偏光変換素子30へ入射する。青色光BLxpは偏光分離膜304を透過し、さらに第1の光射出面307aを通過して位相差板308に入射する。青色光BLxpは位相差板308によってS偏光の青色光BLxsに変換された後、青色光Bsとして外部へ射出する。レンズアレイ29bから射出された光束WxはS偏光成分を含まないため、光束Wxが偏光制御素子40の第2の領域41A2に入射しているとき、第2の光射出面307bから青色光は射出されない。
図7(b)に示したように、レンズアレイ29bから射出された光束Wxが偏光制御素子40の第1の領域41A1に入射した場合、光束Wxに含まれるP偏光の青色光BLxpは偏光制御素子40によってS偏光の青色光BLxsに変換される。偏光変換素子30へ入射した青色光BLxsは偏光分離膜304によって反射膜305に向かって反射される。青色光BLxsはさらに反射膜305によって反射された後、第2の光射出面307bから青色光Bsとして外部へ射出する。レンズアレイ29bから射出された光束WxはS偏光成分を含まないため、光束Wxが偏光制御素子40の第1の領域41A1に入射しているとき、第1の光射出面307aから青色光は射出されない。
このように、偏光変換素子30は、第1の光射出面307aと第2の光射出面307bとの間でS偏光の青色光Bsの射出位置を切り替えながら、S偏光の青色光Bsを重畳光学系31に向けて射出することができる。
なお、偏光変換素子30では、位相差板308を第1の光射出面307aに配置した構成に限らず、この位相差板308を第1の光射出面307aの代わりに第2の光射出面307bに配置した構成とすることもできる。この場合、P偏光の青色光及びP偏光の黄色光を重畳光学系31に向けて射出することができる。
この照明装置20Aでは、偏光変換素子30の第1の光射出面307aと第2の光射出面307bとの間で青色光Bsの射出位置が切り替わる。そのため、青色光Bsは、青色光LBとして光変調装置4Bに入射する際に、この光変調装置4Bに対する入射角度が時間的に変化する。結果として、光変調装置4Bから射出される画像光のスクリーンへの入射角度が時間的に変化する。スペックルパターンは画像光のスクリーンへの入射角度によって変化するため、異なるスペックルパターンが時間的に重畳されることとなる。これにより、スペックルを低減することができる。
本発明に係るプロジェクター1は、半導体レーザー21aから射出されるコヒーレントな直線偏光と、第2の光源部21bから射出される非偏光とを画像光として用いている。また、直線偏光と非偏光とを合成することによって得た合成光Wは、偏光制御素子40へ入射し、さらに偏光変換素子30に入射する。非偏光の偏光状態は、偏光制御素子40によってなんら影響を受けない。これによれば、1つの偏光変換素子を、非偏光を直線偏光に変換するための素子と、コヒーレント光によるスペックルノイズを低減するための素子として使用することができる。したがって、直線偏光と非偏光とを画像光として用いるプロジェクターにおいて、コンパクトな構成で、観察者にスペックルノイズが認識されにくく、かつ明るい画像を表示することが可能となる。
偏光変換素子30により偏光方向が揃えられた複数の光束Wxは、重畳光学系31に入射する。重畳光学系31は、重畳レンズ31aからなる。そして、複数の光束Wxは、この重畳レンズ31aによって被照明領域、例えば光変調装置4R上で互いに重畳される。これにより、被照明領域上の照度分布が均一化されると共に光軸周りの軸対称性が高められる。
しかし、既に説明したように、青色光Bsは偏光変換素子30の複数の第1の光射出面307aと複数の第2の光射出面307bとのうち一方からしか射出されないため、偏光変換素子30の射出側における青色光Bsの強度分布は不連続である。そのため、重畳光学系31を用いたとしても、被照明領域上での青色光の照度にむらが生じる。しかし、照明装置20Aでは、偏光変換素子30の第1の光射出面307aと第2の光射出面307bとの間で青色光Bsの射出位置が切り替わるため、被照明領域上での青色光の照度むらの出方が青色光Bsの射出位置の切り替わりに応じて変化する。そのため、青色光の照度むらが観察者に認識されにくい。このようにして、本発明によれば、スペックルを低減するだけでなく、被照明領域上での照度むらも低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態として図8に示す照明装置20Bについて説明する。
なお、以下の説明では、図2に示す照明装置20Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。照明装置20Bが照明装置20Aと異なる点は、第2の光源部として蛍光発光素子28の代わりに発光ダイオード128を用いる点と、偏光分離素子50Aの代わりにダイクロイックミラー50Bを用いる点である。
半導体レーザー21aは第1の光源部を構成する。発光ダイオード128は第2の光源部を構成する。半導体レーザー21aは、第1の光として青色光BLを射出する。発光ダイオード128は、第2の光として、赤色光と緑色光を含む黄色光YLを発する。黄色光YLは非偏光である。
ダイクロイックミラー50Bは、半導体レーザー21aから射出された青色光BLを反射する。また、ダイクロイックミラー50Bは、発光ダイオード128から射出された黄色光YLを透過させる。このように、ダイクロイックミラー50Bは、青色光BLと黄色光YLとを合成して、合成光Wとして射出する。ダイクロイックミラー50Bから射出された合成光Wは、インテグレータ光学系29に入射し、さらに偏光制御素子40へ入射する。
本実施形態に係る照明装置20Bによっても、スペックルを低減するだけでなく、被照明領域上での照度むらも低減することができる。また、照明装置20Bを備えるプロジェクターは、コンパクトな構成で、観察者にスペックルノイズが認識されにくく、かつ明るい画像を表示することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、複数の半導体レーザー21aを配列したアレイ光源21を例示したが、照明装置20A,照明装置20Bが備える光源については、このような構成に限らず、1つの光源からなるものであってもよい。
また、上記実施形態では、3つの光変調装置4R,4G,4Bを備えるプロジェクター1を例示したが、1つの光変調装置でカラー映像(画像)を表示するプロジェクターに適用することも可能である。
また、照明装置20A,20Bは、蛍光体層32に第1の反射部32aと第2の反射部32bとが設けられた構成となっているが、蛍光体層32に向かって進行する励起光BLcの一部の光BLc1を反射する第1の反射部と、蛍光体層32で生成された蛍光光の一部の光YL1を反射する第2の反射部については、蛍光体層32とは別体に設けることも可能である。この場合、第1の反射部については、蛍光体層32と位相差板26との間の光路中に設ければよい。一方、第2の反射部については、蛍光体層32の励起光BLc2が入射する側とは反対側に設ければよい。
1…プロジェクター 2…照明装置 3…色分離光学系 4R,4G,4B…光変調装置 5…合成光学系 6…投射光学系 7a…第1のダイクロイックミラー 7b…第2のダイクロイックミラー 8a…第1の全反射ミラー 8b…第2の全反射ミラー 8c…第3の全反射ミラー 9a…第1のリレーレンズ 9b…第2のリレーレンズ 10R,10G,10B…フィールドレンズ 20A,20B…照明装置 21…アレイ光源 21a…半導体レーザー 22…コリメータ光学系 23…アフォーカル光学系 24…ホモジナイザ光学系 25A,25B…光学素子 26…位相差板 27…ピックアップ光学系 28…蛍光発光素子 29…インテグレータ光学系 30…偏光変換素子 31…重畳光学系 32…蛍光体層 32a…第1の反射部 32b…第2の反射部 33…基板(基材) 34…ヒートシンク 40…偏光制御素子 41A,41B…光学素子 42A,42B…切替機構 43…基材 44…位相差板 45…振動子 46…円板 47…位相差板 48…駆動モータ 50A,50B…偏光分離素子 301…導光体 301A…第1の光学ブロック 301B…第2の光学ブロック 302a…第1の透光性基材 302b…第2の透光性基材 302c…第3の透光性基材 303a…第1の傾斜面 303b…第2の傾斜面 303c…第3の傾斜面 304…偏光分離膜 305…反射膜 306…光入射面 307a…第1の光射出面 307b…第2の光射出面 308…位相差板 SCR…スクリーン WL…照明光 LR…赤色光 LG…緑色光 LB…青色光 BL…励起光(青色光) BLs…S偏光の励起光 BLp…P偏光の励起光 BLc…円偏光の励起光 BLc1…励起光の一部の光 BLc2…励起光の他の一部の光 YL…蛍光光(黄色光) YL1…蛍光光の一部の光 YL2…蛍光光の他の一部の光 YLs…S偏光の蛍光光 YLp…P偏光の蛍光光

Claims (10)

  1. コヒーレントな直線偏光の第1の光を射出する第1の光源部と、
    前記第1の光とは波長帯が異なる非偏光の第2の光を射出する第2の光源部と、
    前記第1の光のうち少なくとも一部及び前記第2の光が入射する偏光制御素子と、
    前記偏光制御素子から射出された光が入射する偏光変換素子と、を備え、
    前記偏光制御素子は、前記第1の光のうち少なくとも一部の偏光状態を時間的に変化させ、
    前記偏光変換素子は、第1の光射出領域と第2の光射出領域とを備え、前記偏光変換素子に入射した光の偏光状態に応じて、前記偏光変換素子から射出する光の射出領域が該第1の光射出領域と該第2の光射出領域との間で切り替わることによって、前記偏光変換素子に入射した光の偏光方向を所定の方向に揃えるように構成されていることを特徴とする照明装置。
  2. 前記偏光制御素子は、入射した光に位相差を与える第1の領域と、入射した光に前記第1の領域とは異なる位相差を与える若しくは位相差を与えない第2の領域と、を含む光学素子と、
    前記第1の領域と前記第2の領域との間で光の入射位置を切り替える切替機構と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記切替機構は、前記光学素子を往復駆動させるように構成され、
    前記光学素子には、前記切替機構が前記光学素子を往復駆動させる方向に、前記第1の領域と前記第2の領域とが並んで配置されていることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  4. 前記切替機構は、前記光学素子を回転させるように構成され、
    前記光学素子には、前記切替機構が前記光学素子を回転させる方向に、前記第1の領域と前記第2の領域とが並んで配置されていることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  5. 前記第1の光源部は、前記第1の光を射出する光源を有し、
    前記第2の光源部は、第1の波長帯の光により励起されることによって、前記第1の波長帯とは異なる第2の波長帯の光を生成する蛍光体層と、該蛍光体層を支持する基材と、を含む蛍光発光素子を有することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の照明装置。
  6. 前記光源と前記蛍光体層との間の光路中に設けられ、前記第1の光に対して偏光分離機能を有すると共に、前記第2の光を透過又は反射する偏光分離素子と、
    前記偏光分離素子と前記蛍光体層との間の光路中に配置された位相差板と、
    前記位相差板と前記蛍光体層との間の光路中に配置され、前記第1の光の一部を前記偏光分離素子に向けて反射し、前記第1の光の他の一部を前記蛍光体層に向けて透過する第1の反射部と、
    前記蛍光体層の前記第1の反射部とは反対側に配置され、前記蛍光体層で生成された光を反射する第2の反射部と、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  7. 前記位相差板として、1/4波長板を用いることを特徴とする請求項に記載の照明装置。
  8. 前記光源と前記偏光分離素子との間にコリメータ光学系が配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の照明装置。
  9. 前記偏光分離素子と前記偏光制御素子との間にレンズアレイを含むインテグレータ光学系が配置されていることを特徴とする請求項の何れか一項に記載の照明装置。
  10. 照明光を照射する照明装置と、
    前記照明光を画像情報に応じて変調した画像光を形成する液晶パネルを含む光変調装置と、
    前記画像光を投射する投射光学系と、を備え、
    前記照明装置として、請求項1〜の何れか一項に記載の照明装置を用いることを特徴とするプロジェクター。
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