JP2009092714A - 偏光方向変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易的な構成で、配置している入射光の進行方向に対して垂直方向の回転角によらずに入射する偏光の偏光方向を特定の方向に変換できる偏光方向変換素子を提供することを目的とする。
【解決手段】入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を提供する。
【選択図】図1B

Description

本発明は、偏光の偏光方向を変換する偏光方向変換素子に係り、特に、入射光の進行方向に対して垂直方向の回転角によらずに入射する偏光の偏光方向を特定の方向に変換できる偏光方向変換素子に関する。
今日、カメラ、顕微鏡、投影装置や光信号処理など多くの分野において、偏光の偏光方向を変換する素子や技術が用いられている。例えば、偏光の偏光方向を変換する素子としては、波長板が挙げられる。波長板の中でも1/2波長板(λ/2板とも言う)は、光の直交している偏光成分間の位相差を半波長(λ/2)分与えることができ、光学分野において頻繁に用いられている。
図8は、入射光の直線偏光の偏光方向を変換する一般的な1/2波長板を用いている構成を模式的に示している。
図8では、1/2波長板80の光軸(双方向の矢印)が入射する偏光の偏向方向(双方向の矢印)に対してπ/4になるように1/2波長板80を配置している。そして、入射する偏光が1/2波長板80を通過することで入射する偏光の直交している偏光成分間の位相差が半波長(λ/2)分与えられ偏光方向が変換され、その結果、偏光方向が変換された射出光の偏光方向(双方向の矢印)は、入射光の偏光方向に対してπ/2回転される。ここで、特定の時間だけ1/2波長板80を用いて偏光の偏光方向を変換する場合には、その偏光を変換したい時間に応じて光路中に1/2波長板80を出し入れする必要があるだけでなく、1/2波長板80の光軸が入射光の進行方向に対して必ずπ/4となるように1/2波長板80を制御する必要がある。
また、特定の時間だけ1/2波長板を用いて偏光の偏光方向を変換するために透明フィルムと1/2波長板を含む光学部材を回転させるという方法を採用する場合、その1/2波長板を透過した射出光の偏光方向が、回転させた角度の2倍分の偏光方向になってしまうという問題がある。したがって、特定の時間だけ1/2波長板を用いて入射光の偏光方向を変換をする場合には、1/2波長板を回転させるような回転機構を用いることができず、特定の時間に応じて直線的な動作による1/2波長板の出し入れをしなければならない。しかしながら、偏光の偏光方向の素早い変換が必要な用途に対して、この直線的な動作による1/2波長板の出し入れを行い偏光方向を変換させる場合には、1/2波長板の出し入れにともなって大きなノイズや振動を発生させてしまうと言う問題がある。
なお、特許文献1では、非常に大きなリターデーションを有する2枚の波長板を特定の角度で貼り合わせることで、所定の波長に対して1/4波長板として機能する偏光方向変換素子を開示している。このような偏光方向変換素子を用いることで直線偏光を円偏光に変化させることができる。この特許文献1の記載する偏光方向変換素子は、所定の波長に対して1/4波長板の効果を得るための素子における製造上の問題を解決しようとするものである。
特開2007−86105公報
簡易的な構成で、配置している入射光の進行方向に対して垂直方向の回転角によらずに入射する偏光の偏光方向を特定の方向に変換できる偏光方向変換素子を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点としては、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成されていることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第2の観点としては、第1の観点に記載の偏光方向変換素子において、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっていることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第3の観点としては、第2の観点に記載の偏光方向変換素子において、任意の角度が光の偏光方向を変換する角度の半分であることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第4の観点としては、第2の観点に記載の偏光方向変換素子において、任意の角度がπ/4であることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第5の観点としては、第2の観点に記載の偏光方向変換素子において、回転されることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第6の観点としては、第2の観点に記載の偏光方向変換素子において、偶数枚の1/2波長板のうち偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板が個別に設けられており、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板とを共に回転させ、双方の1/2波長板の回転速度を一定にすることで任意の角度異なっていることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第7の観点としては、第1の観点に記載の偏光方向変換素子において、1/2波長板が波長選択性を有することを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第8の観点としては、第1の観点に記載の偏光方向変換素子において、1/2波長板が構造性複屈折する性質を有することを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第9の観点としては、第1の観点に記載の偏光方向変換素子において、1/2波長板が光学結晶もしくは高分子膜によって構成されていることを特徴とする偏光方向変換素子を提供する。
本発明の第10の観点としては、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成されている偏光方向変換素子を一部に含むことを特徴とする光学部材を提供する。
本発明の第11の観点としては、第10の観点に記載の光学部材において、回転されることを特徴とする光学部材を提供する。
本発明の第12の観点としては、第10の観点に記載の光学部材において、透明フィルタを含むことを特徴とする光学部材を提供する。
本発明の第13の観点としては、光を発する光源と、光源から発した光の偏光方向を変換するために入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成されている偏光方向変換素子と、偏光方向変換素子を透過した光を投影するための投影レンズと、を含むことを特徴とする投影装置を提供する。
本発明の第14の観点としては、第13の観点に記載の投影装置において、偏光方向変換素子において、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっていることを特徴とする投影装置を提供する。
本発明の第15の観点としては、第13の観点に記載の投影装置において、偏光方向変換素子が回転可能であることを特徴とする投影装置を提供する。
本発明の第16の観点としては、第13の観点に記載の投影装置において、光学部材の一部に偏光方向変換素子を含むことを特徴とする投影装置を提供する。
本発明の第17の観点としては、第14の観点に記載の投影装置において、偶数枚の1/2波長板のうち偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板が個別に設けられており、偏光方向変換素子において、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板とを共に回転させ、双方の1/2波長板の回転速度を一定にすることで任意の角度異なっていることを特徴とする投影装置を提供する。
本発明の第18の観点としては、光の直交している偏光成分間の位相差を与える波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光の方向を変換することを特徴とする偏光方向変換手段を提供する。
本発明の第19の観点としては、光の直交している偏光成分間の位相差を与える波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光を円偏光に変換する、もしくは、円偏光を直線偏光、逆回りの円偏光、楕円偏光に変換することを特徴とする偏光方向変換手段を提供する。
本発明の第20の観点としては、第18または第19の観点に記載の偏光方向変換手段において、波長板が1/4波長板であることを特徴とする偏光方向変換手段を提供する。
本発明の第21の観点としては、光の直交している偏光成分間の位相差を与える波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光を楕円偏光に変換するあるいは円偏光を楕円偏光に変換する、もしくは、楕円偏光を直線偏光、円偏光、逆回りの楕円偏光に変換する、ことを特徴とする偏光方向変換手段を提供する。
本発明の第22の観点としては、光の偏光方向に基づいて光を透過/反射する偏光方向透過/反射部材と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材併用することで光の進行する経路を変えることを特徴とする光経路変更手段を提供する。
本発明の第23の観点としては、第22の観点に記載の光経路変更手段において、偏光方向透過/反射部材がPBS(Polarizing Beam Splitter)もしくはワイヤーグリッド偏光子であることを特徴とする光経路変更手段を提供する。
本発明の第24の観点としては、第22の観点に記載の光経路変更手段において、偏光方向変換素子における偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっていることを特徴とする光経路変更手段を提供する。
本発明の第25の観点としては、特定の偏光方向の光のみを透過し、それ以外の偏光方向の光を遮光する偏光板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで光の透過および遮光を制御することを特徴とする光透過/遮光制御手段を提供する。
本発明の第26の観点としては、第25の観点に記載の光透過/遮光制御手段において、偏光方向変換素子における偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっていることを特徴とする光透過/遮光制御手段を提供する。
本発明によれば、簡易的な構成で、配置している入射光の進行方向に対して垂直方向の回転角によらずに入射する偏光の偏光方向を特定の方向に変換することができる。そして、この偏光方向変換素子を用いることで、偏光の偏光方向の素早い変換が必要な用途に対して従来よりも素早く偏光の偏光方向を変換することができる。
また、偏光方向変換素子と波長板やPBS(Polarizing Beam Splitter)や偏光板を組み合わせることで、偏光の種類の変換、偏光の光路の切り替え、偏光の透過/遮断の制御をすることなどができる。
本発明の偏光方向変換素子は、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される。以下に、本発明の偏光方向変換素子の実施の形態を説明をする。
本発明の偏光方向変換素子の実施の形態では、例として、1/2波長板を2枚組み合わせた偏光方向変換素子について述べる。
図1Aは、1/2波長板を2枚組み合わせてなる偏光方向変換素子の構成を示している。
偏光方向変換素子10は、第1の1/2波長板11と第2の1/2波長板12を組み合わせて構成されている。ここでの第1の1/2波長板11と第2の1/2波長板12は、それぞれ1/2波長板の光軸(双方向の矢印)が互いにπ/4をなすように組み合わせられている。この偏光方向変換素子10は、接合されていても、接合されていなくともよい。
図1Bは、図1Aで示した偏光方向変換素子を用いることで入射する直線偏光の偏光方向をπ/2変換することを示している。
図1Bでは、図1Aで示した偏光方向変換素子10の第1の1/2波長板11を、入射光の進行方向に対して垂直方向の任意の回転角(図1Bにおけるxy平面方向の回転角)で配置している。このようにすることで、偏光方向変換素子10の第1の1/2波長板11と第2の1/2波長板12を透過した射出光は、入射する偏光の直交している偏光成分間の位相差が半波長(λ/2)分与えられ偏光方向がπ/2変換される。すなわち、図1Bでは、水平方向の偏光方向を有している直線偏光が、偏光方向変換素子10を透過することで鉛直方向の偏光方向を有する直線偏光に変換される。
以下に図1Aで示した偏光方向変換素子10を用いることで入射光の偏光方向がπ/2変換する原理を説明する。
一般に、いくつかの波長板を透過した光の偏光の方向がどのように変化するかを表現する場合には、以下のようなジョーンズ行列が用いられる。
ここで、θは波長板の方位角(すなわち、入射光の進行方向に対して垂直方向の回転角)であり、δcは波長板の位相角(すなわち、入射する偏光の直交している偏光成分間に位相差を与える量)である。
本実施形態では、1/2波長板を用いているので、位相角δc=πとなる。したがって、第1の1/2波長板11のジョーンズ行列は、
となる。これが、第1の1/2波長板11のジョーンズ行列である。
ここで、入射光の偏光のジョーンズベクトルを
すると、第1の1/2波長板11による作用を、
と表すことができる。
ここで、従来では、1つの1/2波長板を入射光の偏光方向に対してその光軸がπ/4になるように設けているので方位角θはπ/4となる。また、入射光の偏光方向が、図1Bで示しているようにx軸方向に一致しているとすると、入射光の偏光方向のジョーンズベクトルを
として表すことができる。したがって、[数3]は、
となり、入射光の偏光方向がx軸方向からy軸方向へ変換される。つまり、1つの1/2波長板の光軸を入射光の偏光方向に対してπ/4となるように配置すると、入射光の偏光方向がπ/2変換される。
次に、第2の1/2波長板12のジョーンズ行列を求める。
第2の1/2波長板12は、第1の1/2波長板11に対して光軸方向が互いにπ/4異なるように配置されている。したがって、第1の1/2波長板11の方位角をθとしたので、第2の1/2波長板12の方位角は、[数1]の方位角θをθ+π/4として表すことができ、位相角δc=πとして第2の1/2波長板12のジョーンズ行列を求めると、
となる。これが、第2の1/2波長板12のジョーンズ行列である。
ここで図1Aの偏光方向変換素子10では、第1の1/2波長板11と第2の1/2波長板12を組み合わせているので、第1のジョーンズ行列と第2のジョーンズ行列を積算する。このようにすることで、図1Aの偏光方向変換素子10のジョーンズ行列が求められる。
したがって、図1Aの偏光方向変換素子10のジョーンズ行列は、
となる。この図1Aの偏光方向変換素子10のジョーンズ行列は、方位角θに依存せず一定となる。したがって、図1Aの偏光方向変換素子10を入射光の偏光方向に対してどの方位角になるように配置しても同じ作用を得ることができる。
また、入射光の偏光のジョーンズベクトルを
すると、図1Aの偏光方向変換素子10による作用を、
と表すことができる。そして、入射光の偏光方向が図1Bで示しているようにx軸方向に一致しているとすると、入射光の偏光方向のジョーンズベクトルを
として表すことができる。したがって、[数7]は、
となり、入射光の偏光方向がx軸方向からy軸方向へ変換される。つまり、図1Aの偏光方向変換素子を入射光の偏光方向に対してどの方位角θに配置しても、入射光の偏光方向をπ/2変換することができる。
このような結果より、図1Aの偏光方向変換素子10を入射光の進行方向と略垂直になる方向に回転させても、常に、入射光の偏光方向をπ/2変換させることができる。
次に、図2Aを参照して、ポアンカレ球表示で、再度、本実施形態の図1Aの偏光方向変換素子10の作用を説明する。
図2Aは、図1Aの偏光方向変換素子のポアンカレ球表示における赤道面での平面図を模式的に示している。
図2Aでは、点Pにおいて、入射光の偏光方向を水平方向(すなわち、図1Bにおけるx軸方向)の直線偏光として示している。
また、点Qにおいて、実空間では、偏光方向変換素子の第1の1/2波長板11の光軸が入射光の偏光方向に対して方位角θ傾くように第1の1/2波長板を配置している。なお、ポアンカレ球表示では、第1の1/2波長板11の光軸は、入射光(点P)の軸に対して2θの角度を有する点として示される。
そして、点Sにおいて、実空間では、偏光方向変換素子の第2の1/2波長板12の光軸が第1の1/2波長板11の光軸と方位角π/4なすように第2の1/2波長板12を配置している。なお、ポアンカレ球表示では、第2の1/2波長板12の光軸は第1の1/2波長板11の光軸に対してπ/2の角度を有する点として示される。すなわち、ポアンカレ球表示では、偏光方向変換素子10の第2の1/2波長板12の光軸が、入射光(点P)の軸に対してπ/2+2θの角度を有するように示される。
ここで、点Pにおいて偏光方向が水平な入射光が、点Qにおける、実空間で方位角θ傾いている偏光方向変換素子の第1の1/2波長板の光軸を通過すると、ポアンカレ球上では第1の1/2波長板の作用により、∠POQ=∠QOR=2θとなるように、入射光の偏光方向が点Rでの偏光方向に変換される。
次に、点Rにおける偏光方向に変換された入射光は、実空間で第1の1/2波長板の光軸に対してπ/4なすように配置されている第2の1/2波長板の光軸を通過することで、ポアンカレ球上では、第2の1/2波長板の作用により、∠ROS=∠SOT=π/2−2θとなるように入射光の偏光方向が点Tにおける偏光方向に変換される。
ポアンカレ球表示における点Tは、入射光の偏光方向と直交する方向(すなわち、図1Bにおけるy軸方向)の直線偏光なので、入射光の直線偏光の偏光方向は、図1Aの偏光方向変換素子10によってπ/2回転されることになる。
図1Aの偏光方向変換素子10の構成によれば、ポアンカレ球表示において∠POQ+∠QOR+∠ROS+∠SOT=πとなる。結果、図1Aの偏光方向変換素子10によって、偏光方向変換素子10の方位角θによらず入射光の直線偏光の偏光方向がπ/2変換される。
したがって、このような偏光方向変換素子の構成をすることで、偏光方向変換素子の方位角に関係なく、入射光の偏光方向と直交する直線偏光を得ることができる。その結果、従来の1枚の1/2波長板では必要であった方位角をπ/4としなければならない調整が不要となり、偏光方向変換素子を入射光の進行方向に対して垂直方向に回転させて、常に入射光の偏向方向をπ/2変換する作用を得ることができる。
上記の結果から、同様に1/2波長板を偶数枚含み、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なり、偶数枚の1/2波長板の光軸の違いの総和がπ/4なるように構成されることで本実施形態の入射光の偏向方向をπ/2変換する偏光方向変換素子の作用を達成することができる。
次に、図2Aの一般化した例として、図2Bを参照して、図1Aの偏光方向変換素子10の第2の1/2波長板12の光軸が、実空間において、第1の1/2波長板11の光軸と方位角αなすように2つの1/2波長板を配置している例を説明する。
図2Bは、偏光方向変換素子10の第2の1/2波長板12の光軸が、実空間において、第1の1/2波長板11の光軸とαなすように第2の1/2波長板12を配置している偏光方向変換素子10のポアンカレ球表示における赤道面での平面図を模式的に示している。
図2Bでも、点Pにおいて、入射光の偏光方向を水平方向(すなわち、図1Bにおけるx軸方向)の直線偏光として示している。
点Qも図2Aと同様に、実空間で、偏光方向変換素子10の第1の1/2波長板11の光軸が入射光の偏光方向に対して方位角θ傾くように第1の1/2波長板11を配置している。なお、ポアンカレ球表示では、第1の1/2波長板11の光軸は、入射光(点P)の軸に対して2θの角度を有する点として示される。
そして、点S’において、偏光方向変換素子10の第2の1/2波長板12の光軸が、実空間において、第1の1/2波長板11の光軸と方位角αなすように第2の1/2波長板12を配置している。なお、ポアンカレ球表示では、第2の1/2波長板12の光軸は第1の1/2波長板11の光軸に対して2αの角度を有する点として示される。すなわち、ポアンカレ球表示では、偏光方向変換素子10の第2の1/2波長板12の光軸が、入射光(点P)の軸に対して2α+2θ傾くように配置しているように示される。
点Pにおいて偏光方向の水平な入射光が、点Qにおける、実空間で方位角θ傾いている偏光方向変換素子10の第1の1/2波長板11の光軸を通過すると、ポアンカレ球上では、図2Aと同様に第1の1/2波長板11の作用により、∠POQ=∠QOR=2θとなるように入射光の偏光方向が点Rでの偏光方向に変換される。
次に、点Rにおける偏光方向に変換された入射光は、実空間で第1の1/2波長板11の光軸に対して方位角αなすように配置されている第2の1/2波長板12の光軸を通過することで、ポアンカレ球上で第2の1/2波長板12の作用により、∠ROS=∠SOT=2α−2θとなるように、入射光の偏光方向が点T’における偏光方向に変換される。
ポアンカレ球表示における点T’では、実空間の入射光の直線偏光の偏光方向が、図1Aの偏光方向変換素子10によって2α回転されることに等しい。
図2Bの偏光方向変換素子10の構成によれば、∠POQ+∠QOR+∠ROS+∠SOT=4αとなる。結果、この偏光方向変換素子10によって、方位角θによらず入射光の直線偏光の偏光方向が2α変換される。
したがって、このような偏光方向変換素子10の構成をすることで、偏光方向変換素子10の方位角θに関係なく、偏光方向変換素子10を入射光の進行方向に対して垂直方向に回転させて、常に入射光の偏向方向を2α変換する作用を得ることができる。例えば、入射光の偏向方向をπ/4変換したければ、偏光方向変換素子の第2の1/2波長板12の光軸が第1の1/2波長板11の光軸とπ/8なすように偏光方向変換素子10の第2の1/2波長板12を配置すればよい。
上記の説明から、同様に1/2波長板を偶数枚含み、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なり、偶数枚の1/2波長板の光軸の違いの総和が、所望の角度の半分異なるように構成されることで、本実施形態の入射光の偏向方向を所望の角度変換する偏光方向変換素子の作用を達成することができる。
また、上記のような原理より、偶数枚の1/2波長板のうち偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板が個別に設けられており、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板とを共に回転させ、双方の1/2波長板の回転速度を一定にすることで任意の角度異なるようにして、入射光の偏光方向を所望の角度だけ変換することもできる。
次に、図3を参照して上述の偏光方向変換素子を回転可能な回転光学部材の一部として用いた例を挙げる。なお、上述したように本実施形態の偏光方向変換素子を回転させてもその作用は常に保たれる。
図3は、回転光学部材の一部に上述の偏光方向変換素子を用いた例を示している。
図3における回転光学部材30は、円盤状であり、その円盤状の一部として偏光方向変換素子10を備えている。図3では、左半分を複屈折性のない光学部材として、例えば透明フィルタ31で構成しており、一方で右半分を本実施形態の偏光方向変換素子10で構成している。光束が複屈折性のない透明フィルタ31に入射するときは、射出光の偏光方向は入射光の偏光方向を維持する。一方で、この円盤状の回転光学部材30を回転させることで、光束を上述したような偶数枚含む1/2波長板を所定の角度で組み合わせている偏光方向変換素子10に入射するときは、射出光の偏光方向が入射光の偏光方向から変換される。このように、回転光学部材30を回転させることで射出光の偏光方向を自由に切り替えることができる。これによって、従来技術で問題になっている偏光の振動面の問題を克服することができる。
なお、図3に示している回転方向は、特にこの方向に限定するものではなく、回転光学部材30が透明フィルタ31や偏光方向変換素子10の平面方向に回転することを例示するために描いている。また、光学部材のフィルタなどの区分けする数などもこれに限定するものではない。
図4A、図4B、図4C、図5では、本実施形態の偏光方向変換素子を含む図3の回転光学部材30を用いた入射光の偏光方向の変換を模式的に示している。
図4Aは、図3の回転光学部材を用いて、入射する直線偏光を円偏光に変換する例を示している。
図4Aでは、図3の回転光学部材30において、入射光の偏光方向をπ/4だけ変換する構成をした偏光方向変換素子10aを用いている。すなわち、偏光方向変換素子10aの第2の1/2波長板の光軸が第1の1/2波長板の光軸とπ/8なすように偏光方向変換素子の第2の1/2波長板を配置した構成の偏光方向変換素子10aを用いている。
また、回転光学部材30を透過した後段の光路上にλ/4板41を配置している。
以下に、図4Aで示している入射光の偏光方向を変換する過程を説明する。
図4Aでは、入射光の偏光方向が水平方向の直線偏光である場合を想定する。
入射光が回転光学部材30の透明フィルタ31を透過する場合は、入射光の偏光方向が保たれる。そして、回転光学部材30の後段のλ/4板41の光軸を水平方向として入射光の偏光方向と一致させておくことでλ/4板を透過した光は、入射光の偏光方向を保ったまま(すなわち、水平方向)のまま射出される。
一方で、入射光が偏光方向変換素子10aを透過する場合は、入射光の水平方向の直線偏光が上述の原理よりπ/4変換される。そして、回転光学部材30の後段のλ/4板41の光軸を水平方向として入射光の偏光方向と一致させておくことでλ/4板41を透過した光は、右回りの円偏光に変換されて射出される。したがって、偏光方向変換素子10aを透過させることで、入射光を直線偏光から円偏光に変換することができる。
このように回転光学部材30を回転させることで透明フィルタ31もしくは偏光方向変換素子10aのどちらを光路上に配置するかを切り替えることができ、λ/4板41と組み合わせることで、直線偏光の入射光を従来よりも素早く簡易的に円偏光に切り替えることができる。これは、本実施形態の偏光方向変換素子10aが、入射光の偏光方向に対して配置されている方位角θに依存せずに常に同様の偏光方向を変換する作用を得ることが可能となることによって実現される。また、λ/4板41の光軸の方向を変えることにより、左回りの円偏光を得ることもできる。
図4Bは、図3の回転光学部材を用いて、入射する円偏光を反対回りの円偏光や直線偏光に変換する例を示している。
図4Bでは、図4Aと同様に、図3の回転光学部材30において、入射光の偏光方向をπ/4だけ変換する構成をした偏光方向変換素子10aを用いている。すなわち、偏光方向変換素子10aの第2の1/2波長板の光軸が第1の1/2波長板の光軸とπ/8なすように偏光方向変換素子の第2の1/2波長板を配置した構成の偏光方向変換素子10aを用いている。
また、回転光学部材30を透過する前段の光路上に第1のλ/4板42を、回転光学部材30を透過した後段の光路上にλ/4板43を配置している。
以下に、図4Bで示している入射光の偏光方向を変換する過程を説明する。
図4Bでは、入射光の偏光方向が右回りの円偏光である場合を想定する。
入射光は、水平方向に対して3π/4傾いた光軸を有するように配置された第1のλ/4板42を透過することで、右回りの円偏光から光の進行方向と鉛直をなす直線偏光に変換される。
そして、入射光が回転光学部材30の透明フィルタ31を透過する場合は、入射光の偏光方向が保たれ、直線偏光の偏光方向が維持される。そして、回転光学部材30の後段の第2のλ/4板43の光軸と、回転光学部材30の前段の第1のλ/4板42の光軸を一致させておくことで第2のλ/4板43を透過した光は、光の進行方向と鉛直をなす直線偏光から左回りの円偏光に変換されて射出される。
一方で、入射光が偏光方向変換素子10aを透過する場合は、入射光の鉛直方向の直線偏光が上述の原理よりπ/4変換される。そして、第2のλ/4板43の光軸を第1のλ/4板42の光軸と一致させておくことで第2のλ/4板43を透過した光は、偏光方向変換素子10aを透過した時の光の偏光方向が保たれ、その直線偏光の偏光方向が維持される。
したがって、偏光方向変換素子10aを透過させることで、入射光を円偏光から直線偏光に変換することができる。
このように回転光学部材30を回転させることで透明フィルタ31もしくは偏光方向変換素子10aのどちらを光路上に配置するかを切り替えることができ、いくつかのλ/4波長板と組み合わせることで、円偏光の入射光を従来よりも素早く簡易的に直線偏光に切り替えることができる。
図4Cは、図3の回転光学部材を用いて、入射する円偏光を反対回りの円偏光に変換する例を示している。
図4Cでは、図4Aとは異なり、図3の回転光学部材30において、入射光の偏光方向をπ/2だけ変換する構成をした偏光方向変換素子10bを用いている。すなわち、偏光方向変換素子10bの第2の1/2波長板の光軸が第1の1/2波長板の光軸とπ/4なすように第2の1/2波長板を配置した構成の偏光方向変換素子10bを用いている。
また、回転光学部材30を透過する前段の光路上に第1のλ/4板44を、回転光学部材30を透過した後段の光路上にλ/4板45を配置している。
以下に、図4Cで示している入射光の偏光方向を変換する過程を説明する。
図4Cでは、入射光の偏光方向が右回りの円偏光である場合を想定する。
入射光は、水平方向に対して3π/4傾いた光軸を有するように配置された第1のλ/4板44を透過することで、右回りの円偏光から光の進行方向と鉛直をなす直線偏光に変換される。
そして、入射光が回転光学部材30の透明フィルタ31を透過する場合は、入射光の偏光方向が保たれ、直線偏光の偏光方向が維持される。そして、回転光学部材30の後段の第2のλ/4板45の光軸と、回転光学部材30の前段の第1のλ/4板44の光軸を直交するような関係にさせておくことで第2のλ/4板45を透過した光は、光の進行方向と鉛直をなす直線偏光から右回りの円偏光に変換されて射出される。このようにすることで、最初の入射光の右回りの円偏光の偏光方向が維持されて射出される。
一方で、入射光が偏光方向変換素子10bを透過する場合は、入射光の鉛直方向の直線偏光が上述の原理よりπ/2変換され、水平方向の直線偏光となる。そして、第2のλ/4板45の光軸を第1のλ/4板44の光軸と直交させておくことで第2のλ/4板45を透過した光は、偏光方向変換素子10bを透過した時の入射光の鉛直方向の直線偏光から左回りの円偏光となる。
したがって、偏光方向変換素子10bを透過させることで、入射光を異なる方向の円偏光の方向に変換することができる。
このように回転光学部材30を回転させることで透明フィルタ31もしくは偏光方向変換素子10bのどちらを光路上に配置するかを切り替えることができ、いくつかのλ/4波長板と組み合わせることで、入射光の円偏光の方向を従来よりも素早く簡易的に切り替えることができる。
なお、適切な波長板を用いることで直線偏光を楕円偏光に変換したり、楕円偏光を直線偏光にしたりすることもできる。
以上より、波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を上述の偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光の方向を変換すること、直線偏光を円偏光に変換すること、もしくは、円偏光を直線偏光、逆回りの円偏光、楕円偏光に変換すること、直線偏光を楕円偏光に変換するあるいは円偏光を楕円偏光に変換すること、もしくは、楕円偏光を直線偏光、円偏光、逆回りの楕円偏光に変換することができる。
次に、図5を参照して本実施の形態の偏光方向変換素子を光路中に複数配置することで適宜所望の角度分だけ直線偏光の偏光方向を変換することができることを説明する。
図5は、複数の偏光方向変換素子を用いて入射光の偏光方向を所望の角度に変換する構成を示している。
図5における入射光の偏光方向を鉛直方向とすると、第1の偏光方向変換素子10cで直線偏光の偏光方向をφ1だけ傾ける。そして、φ1だけ傾いた直線偏光が第2の偏光方向変換素子10dを透過することで、さらに直線偏光の偏光方向がφ2傾き、全体として入射光の直線偏光は、初期の鉛直方向からφ1+φ2だけ偏光方向が傾くことになる。このように、複数の偏光方向変換素子を用いることで入射光の偏光方向を所望の角度に変換することができる。
以上をふまえて、この偏光方向変換素子を複数用いて適宜所望の角度分だけ直線偏光の偏光方向を変換することができる。言い換えれば、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される。
また、上述の回転光学部材を構成するフィルタや偏光方向変換素子の数、フィルタや偏光方向変換素子の形状、各フィルタや偏光方向変換素子の特性、回転光学部材におけるフィルタや偏光方向変換素子の配置、フィルタや偏光方向変換素子の切り替え方式(回転方式やスライド方式)、回転光学部材自体の形態などは、それぞれ適宜選択すること、あるいは、変更することが可能である。例えば、透明フィルタの他に、青色フィルタ、緑色フィルタ、赤色フィルタ、偏光板フィルタ、および偏光方向変換素子の6つで回転光学部材を構成してもよい。そして、回転光学部材は、円盤状の形態をとらずとも偏光方向変換素子が配置されている方位角に依存せず入射光に対して所望の角度に変換した偏光方向の偏光を得ることができる。これらの結果より、投影装置などの光学部材の配置調整が大幅に簡易化される。
なお、本実施形態の偏光方向変換素子を用いる1/2波長板は、単純な構成のものに限らず、広帯域の1/2波長板、特定の波長帯域にのみに作用する1/2波長板であってもよい。そして、1/2波長板を光学結晶、高分子膜で構成してもよい。また、構造性複屈折の性質を有する1/2波長板を用いてもよい。
このような本実施形態で記載した偏光方向変換素子は、投影装置、光通信機器、光スイッチング手段として、多義の分野にわたって用いることができる。
例えば、図6を参照して本実施形態の偏光方向変換素子を用いた2板式投影装置の構成と投影原理について説明する。
図6は、本実施形態の偏光方向変換素子を用いた2板式投影装置の簡易的な構成を示している。
この2板式投影装置100は、光源101と、偏光変換部材116と、ロッドインテグレータ105と、波長選択性の本実施形態の偏光方向変換素子を含むカラーセレクトホイール106と、コリメータレンズ107と、TIR(Total Internal Reflection)プリズム117と、ダイクロイックプリズム118と、2つの空間光変調器119と、不図示の空間光変調器を制御する制御回路と、偏光板113と、投影レンズ114とを含んで構成される。なお、図6では、空間光変調器119の例として、ミラーデバイス111,112を使用している。
光源101は、光を発する役割を果たす。本実施の形態では、水銀ランプ光源のような複数の波長および複数の偏光方向を含んでいる光を発する光源を用いるものとする。この光源101としては、単一波長で指向性が強く偏光特性を有しているようなレーザー光源、発光ダイオードなどを適宜用いてもよい。なお、光源101が複数のサブ光源から構成されていてもよい。
偏光変換部材116は、光源101から発した光を特定の偏光方向に変換する役割を果たす。本実施の形態では、偏光変換部材116を、P偏光とS偏光を分離するPBS面(Polarization Beam Splitter)を有するプリズム102と、プリズムに設けられた反射部103と、1/2波長板104で構成している。例えば、光源101から発した光は、P偏光とS偏光を分離するPBS面を有するプリズム102に入射する。PBS面でP偏光の光はそのまま透過し、S偏光は反射する。透過したP偏光はプリズム射出部に設けられた1/2波長板104で偏光方向がπ/2回転されS偏光へと変換される。一方で、反射したS偏光の光は、プリズム102に設けられた反射部103、例えばミラー、により、P偏光の光と同一の方向へと射出される。
ロッドインテグレータ105は、光の照度の均一化を行う役割を果たす。ロッドインテグレータ105に入射した光は、内部で全反射を繰り返す。このことで、光の照度は均一になる。そして、照度が均一になった光は、ロッドインテグレータ105の射出面から射出される。
また、偏光変換部材116とロッドインテグレータ105の配置は、逆でもかまわない。
カラーセレクトホイール106は、図3で示されるような回転可能な回転光学部材30eで構成され、波長選択的に光の偏光方向を変換する役割を果たす。好ましくは、回転光学部材30eを、赤色の波長の光、緑色の波長の光、および青色の波長の光のいずれかの偏光方向のみを変換できる波長選択性の上述の偏光方向変換素子を少なくとも1つ含んで構成するとよい。本実施形態では、回転光学部材30eを、青色に相当する各波長の光の偏光方向を変換することができる偏光方向変換素子10eと、緑色に相当する各波長の光の偏光方向を変換することができる偏光方向変換素子10fの2種類の偏光方向変換素子で構成している。
コリメータレンズ107は、入射する光を平行光とする役割を果たす。
TIR(Total Internal Reflection)プリズム117は、第1プリズム108と第2プリズム109の2つの三角プリズムによって構成される。そして、第1プリズム108は、臨界角以上で入射する光を全反射する役割を果たす。そして、第2プリズム109は、臨界角以下で入射する光を透過する役割を果たす。このとき、第2プリズム109を透過する光がP偏光の場合は、第2プリズム109を透過する光がS偏向の場合よりも光の透過率が高くなる。このことは、小檜山光信著「光学薄膜の基礎理論」の図2.7臨界角に記載されている内容により裏付けられる。よって、投影される光の光量の損失を最小にするために、TIRプリズムの第2プリズム109を透過するP偏向の光をスクリーン115に投影するような光学構成とするとより良い。本明細書におけるTIRプリズム117の代わりに一般的なミラーを用いてもよい。
ダイクロイックプリズム118は、ダイクロイックプリズム内における光の透過/反射面(例えば、ダイクロイック膜)110で、特定の波長の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透過する光を分離および合成する役割を果たす。図6では、TIRプリズムの第1プリズム108で全反射された光の光路上に光の透過/反射面110を設けている。本明細書中では、このような光の波長に基づいて透過/反射する部材を波長透過/反射部材とよぶ。また、波長透過/反射部材として、2つのプリズムを接合して、各プリズムの接合面である光の透過/反射面にダイクロイックコーティングを施した部材を用いてもよい。さらに、ダイクロイックプリズム118の代わりにダイクロイックミラーを用いてもよい。なお、波長透過/選択部材、例えばダイクロイックプリズム118、を、逆に、特定の波長の光のみを反射し、それ以外の波長の光を透過するように構成することも可能である。
空間光変調器119は、入射した光を制御回路から受信した画像信号から生成された制御信号に基づいて変調する役割を果たす。空間光変調器119には、例えば、透過型のLCD(Liquid Crystal Device)、反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)やミラーデバイスなどがあるが、これらに限定されない。図6の投影装置100では、空間光変調器119としてミラーデバイス111,112を用いている。ミラーデバイス111,112は、反射型光学デバイスとして一般に知られているので、本明細書では説明を省略する。なお、この空間光変調器119を複数備えている投影装置は多板式投影装置と言うことができ、空間光変調器119を1つ備えている投影装置は単板式投影装置と言うことができる。図6の投影装置100は、ミラーデバイスを2つ備えた多板式投影装置である。
不図示の空間光変調器119を制御する制御回路は、空間光変調器119の画像信号に基づいて生成した制御信号を送信し、空間光変調器119を構成しているそれぞれの光変調素子、例えばミラーデバイスを構成しているそれぞれのミラーや、液晶デバイスを構成している液晶の動作などを制御する役割を果たす。また、空間光変調器119と回転光学部材30eの回転や回転光学部材に相当する部材をスライドさせることなどによって、偏光方向変換素子や透明フィルタや波長選択性の色フィルタなどを切り替える駆動タイミングを同期制御することもできる。なお、この空間光変調器119と回転光学部材30eの駆動タイミングの同期制御は別の回路を備えて行うこともできる。
偏光板113は、特定の偏光方向を有する光のみを透過し、それ以外の偏光方向を有する光を反射、もしくは、除去する役割を果たす。
投影レンズ114は、スクリーン115にむけて偏光を拡大して投影する役割を果たす。
なお、スクリーン115は、偏光方向の揃った光を投影することで鮮明な画像が表示される偏光スクリーンを用いてもよい。
以上によって、図6の2板式投影装置100は構成されている。
次に、図6の2板式投影装置100を用いたカラー画像の投影原理を説明する。
光源101は、複数の波長および複数の偏光方向を含む光61を発する。光源101からの光は、光を特定の偏光方向に変換する偏光変換部材116のP偏光とS偏光を分離するPBS(Polarization Beam Splitter)面を有するプリズム102に入射する。光61は、プリズム102のPBS面でP偏光とS偏光が分離される。ここで、P偏光の光はPBS面を透過し、S偏光の光はPBS面で反射する。PBS面を透過したP偏光は、プリズム102の射出部に設けられた1/2波長板104で偏光方向がπ/2回転され、S偏光62へと変換される。一方、反射したS偏光の光63は、プリズム102に設けられた反射部103、例えばミラー、により、P偏光の光と同一の方向へと射出される。このように偏光変換部材116を用いることで、光を特定の偏光方向にそろえることができる。本実施の形態では、偏光変換部材116で光源101からの光61をS偏光の光62,63に変換している。
偏光変換部材116から射出されたS偏光の光62,63は、次にロッドインテグレータ105に入射する。そして、ロッドインテグレータ105に入射したS偏光の光62,63は、内部で全反射を繰り返す。これによって、S偏光の光62,63の照度は均一になる。そして、照度が均一になったS偏光の光62,63は、ロッドインテグレータ105の射出面から射出される。
ロッドインテグレータ105から射出されたS偏光の光62,63は、カラーセレクトホイール106に入射する。図6のカラーセレクトホイール106は、光の進行方向と垂直な面で回転可能な円形状の回転光学部材30eを有する。そして、回転光学部材30eは、赤色の波長の光、緑色の波長の光、および青色の波長の光のいずれか1つの光の偏光方向のみを変換できる波長選択性の図2で示される各偏光方向変換素子によって構成されている。図6では、青色の波長の光の偏光方向のみをS偏光からP偏光に変える偏光方向変換素子10eと、緑色の波長の光の偏光方向のみをS偏光からP偏光に変える偏光方向変換素子10fによって構成されている回転光学部材30eを示している。さらに、図6では、この各波長選択性の偏光方向変換部材10e,10fの回転、すなわち各波長選択性の偏光方向変換部材10e,10fの切り替え、を上述の不図示の制御回路によってミラーデバイス111と同期制御している。
図6では、青色の波長の光の偏光方向のみをS偏光からP偏光に変える場合を示している。
カラーセレクトホイール106では、入射したS偏光のみの光62,63が、波長選択性の偏光方向変換素子10eによって青色の波長の光の偏光方向のみがS偏光からP偏光に変えられる。すなわち、光の原色に基づくと、青色の波長の光はP偏光65になり、赤色の波長の光64および緑色の波長の光66はS偏光を維持する。
青色の波長の光のみがP偏光となった光64,65,66は、コリメータレンズ107を通過して平行光にされた後、TIRプリズムの第1プリズム108に臨界角以上で入射する。そして、第1プリズム108によってP偏光を含む光64,65,66は、ダイクロイックプリズム118にむけて全反射される。なお、図6では、ダイクロイックプリズム118内の透過/反射面110を、赤色の波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過するような構成としている。
P偏光を含む光64,65,66が入射したダイクロイックプリズム118では、その透過/反射面110でP偏光を含む光のうちの赤色の波長の光64を反射し、それ以外の波長の光(すなわち青色の波長の光と緑色の波長の光)65,66を透過する。そして、S偏光の赤色の光64がダイクロイックプリズム118の側面に設けられたミラーデバイス112に入射し、一方でP偏光の青色の波長の光65とS偏光の緑色の波長の光66もダイクロイックプリズム118の側面に設けられたもう片方のミラーデバイス111に入射する。
そして、各ミラーデバイス111,112は、不図示の制御回路から受信した各色の波長の光に対応する画像信号に基づいて生成された制御信号に基づいて入射された光を変調する。
ここで、赤色の波長の光64が入射したミラーデバイス112では、常時、赤色の波長の光64に対応する画像信号に基づいて生成された制御信号に基づいて赤色の波長の光を変調する。
一方で、異なる偏光方向(P偏光とS偏光)が混在している青色の波長の光65と緑色の波長の光66が入射したミラーデバイス111は、不図示の制御回路によってカラーセレクトホイール106の各波長選択性の偏光方向変換素子10e,10fの回転タイミングと同期制御される。すなわち、図6では、ミラーデバイス111によって光を変調する制御が、青色の波長の光の偏光方向のみをS偏光からP偏光に変える偏光方向変換素子10eに同期して行われる。そして、図6では、カラーセレクトホイール106で青色の波長の光65をP偏光にしたので、不図示の制御回路は、その逆のS偏光の緑色の波長の光66に基づいた画像信号に基づいて生成された制御信号をミラーデバイス111に送信する。ここで緑色の波長の光66を変調の対象とするのは、後にP偏光に変換された青色の波長の光65を除去するためである。そして、青色の波長の光65と緑色の波長の光66が入射したミラーデバイス111は、受信した緑の波長の光66に基づく制御信号にしたがって入射した青色の波長の光65と緑色の波長の光66を変調する。
各ミラーデバイス111,112によって変調された各光64,65,66は、各ミラーデバイス111,112を構成しているミラーによって再びダイクロイックプリズム118にむけて反射され、ダイクロイックプリズム118に入射する。その後、各光64,65,66は、ダイクロイックプリズム内の透過/反射面110に達し、前回同様に赤色の波長の光64は透過/反射面110で反射され、青色の波長の光65と緑色の波長の光66は透過/反射面110を透過する。
ここで、赤色の波長の光64の反射する光軸および青色の波長の光65と緑色の波長の光66の透過する光軸が同一の光軸になるように構成をしておくことで各色の波長の光64,65,66が合成される。合成された光は、TIRプリズムの第2プリズム109にむけて進む。
そして、合成された光は、TIRプリズムの第2プリズム109に臨界角以下で入射することで第2プリズム109を透過し、偏光板113に入射する。ここで、偏光板113は特定の偏光方向の光のみを透過するように構成されている。例えば、図6では、P偏光の光を透過せず、S偏光を透過するように構成されている。その結果、P偏光の青色の波長の光65は偏光板113を透過できず、一方で、S偏光の赤色の波長の光64および緑色の波長の光66は偏光板113を透過する。
偏光板113を透過したS偏光の赤色の波長の光64および緑色の波長の光66は、投影レンズ114を含む投影光学系を介してスクリーン115に投影され、S偏光に揃っている画像が表示される。
そして、カラーセレクトホイール106の回転光学部材30eをミラーデバイス111の制御と同期して回転させ、光路上に緑色の波長の光66の偏光方向のみをS偏光からP偏光に変える偏光方向変換素子10fを配置することによって、同様の行程を経て赤色の波長の光64および青色の波長の光65をスクリーンに投影することができる。このように、カラーセレクトホイール106の回転光学部材30eを回転させることで、変調された青色の波長の光65と変調された緑色の波長の光66を交互に投影することができる。
以上のように、赤色の波長の光64が常に投影され、青色の波長の光と緑色の波長の光に対応するサブフレームの時間にしたがって青色の波長の光65と緑色の波長の光66が交互に順次投影されることで、S偏光に揃ったカラー画像を投影することができる。
なお、光源101として水銀ランプ光源を用いている場合、水銀ランプから出力される光は赤色の波長の光が不足しているので、常に赤色の波長の光を変調するような上記の構成を行うことが特に望ましい。
以上が、図6の2板式投影装置100を用いてカラー画像を投影する投影原理である。
また、特定の偏光方向に変換する偏光変換部材116によっては、光源の光61を図6で示しているS偏光に変換する代わりにP偏光に変換することができる。そして、カラーセレクトホイール106の回転光学部材30eに赤色の波長の光、緑色の波長の光、青色の波長の光のいずれかの偏光をP偏光からS偏光に変換する少なくとも一つの偏光方向変換素子を備えることで、赤色の波長の光、緑色の波長の光、青色の波長の光のいずれかのP偏光の光をS偏光の光にすることができる。それから、P偏光の光のみを透過するように構成された偏光板113を用いることで、S偏光に変換された赤色の波長の光、緑色の波長の光、青色の波長の光のいずれかの光を透過しないようにすることができる。このような構成をして上述と同様の行程を経ることで、S偏光の赤色の波長の光、緑色の波長の光、青色の波長の光のうち、いずれかの一色の波長の光を一方の空間光変調器(図6におけるミラーデバイス112)で変調して常に投影し、S偏光とP偏光が混在している残りの2色の波長の光をもう一方の空間光変調器(図6におけるミラーデバイス111)で交互に変調して、赤色の波長の光、緑色の波長の光、青色の波長の光のうちのP偏光に揃った2色の光を順次スクリーン115に投影することができる。このようにして、P偏光に揃ったカラー画像を得ることもできる。
以上より、従来のカラーセレクトホイールでは、回転光学部材の回転により偏光方向の変換の効果が変化してしまうという問題があったが、回転光学部材に本実施形態の偏光方向変換素子を含むことで、回転光学部材を回転させても偏光方向の変換の効果を保つことができる効果が得られる。
このように、光源と、光源から発した光の偏光方向を変換する入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される波長選択性の特性を有する偏光方向変換素子と、投影レンズを含んで投影装置を構成することで、カラー画像を投影することが可能である。なお、図示していないが、上述の偏光方向変換素子において、波長選択性の特性を有さずとも、偏光方向変換素子と様々なフィルタ(例えば、透明フィルタや波長選択性フィルタ)を組み合わせたような回転光学部材を用いることで画像を投影することができる。したがって、投影装置の構成において用いることのできる偏光方向変換素子は、波長選択性の特性を有するものに限るものではない。
さらに、本実施の形態の偏光方向変換素子を他の多板式投影装置や単板式投影装置に応用することも可能である。
また、本実施の形態の偏光方向変換素子の他の用途の例としては、上述の入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材と、PBS(Polarizing Beam Splitter)プリズムなどを併用することで光の進行する経路を変えることができる。
図7Aは、偏光方向変換素子を含む部材とPBSプリズムを併用して光の進行する経路を変える光経路変更手段を模式的に示している。
図7Aでは、上述の図3で説明した偏光方向変換素子10と透明フィルタ31を含む回転光学部材30とPBSプリズム71を併用する場合を示している。
PBSプリズム71は、PBSプリズム内における光の透過/反射面(例えば、PBS膜)72で、特定の偏光方向の光のみを反射し、それ以外の偏光方向の光を透過する役割を果たす。逆に、特定の偏光方向の光のみを透過し、それ以外の偏光方向の光を反射する役割を果たすこともある。図7Aでは、PBSプリズム71内に一つの光の透過/反射面72を設けており、S偏光を有する光を反射し、それ以外の偏光方向を有する光を反射するような構成にしている。本明細書中では、このような光の偏光方向に基づいて光を透過/反射する部材を偏光方向透過/反射部材とよぶ。また、偏光方向透過/選択部材として、いくつかのプリズムを接合して、各プリズムの接合面である光の透過/反射面72にPBSコーティングを施した部材を用いてもよい。さらに、PBSミラーを用いることもできる。そして、PBSプリズム71の代用としてワイヤーグリッド偏光子を用いてもよい。
図7Aにおいて、例えばP偏光となっている入射光が回転光学部材30の透明フィルタ31を通過する場合は、P偏光が保持された状態でPBSプリズム71に入射する。そして、光がPBSプリズム71の透過/反射面72に達し、P偏光の入射光が透過する。
一方で、P偏光となっている入射光が回転光学部材30の偏光方向変換素子10を通過する場合は、P偏光がS偏光に変換されてPBSプリズム71に入射する。そして、光がPBSプリズム71の光の透過/反射面72に達し、S偏光の入射光が反射される。
このように回転光学部材30を回転させて、光路上の透明フィルタ31と偏光方向変換素子10を切り替えることで、光の偏向方向を変え、後段に備えているPBSプリズム71などで光の進行経路を素早く変更することができる。
さらなる、他の用途としては、上述の入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材と偏光板を併用することで光の透過および遮光を制御することができる。
図7Bは、偏光方向変換素子を含む部材と偏光板を併用して光の透過および遮光を制御する光透過/遮光制御手段を模式的に示している。
図7Bでは、上述の図3で説明した偏光方向変換素子と透明フィルタを含む回転光学部材と偏光板を併用する場合を示している。
偏光板73は、特定の偏光方向の光のみを透過し、それ以外の偏光方向の光を遮光する役割を果たす。図7Bでは、偏光板73をP偏光の光を透過し、それ以外の偏光方向の光を遮光するような構成にしている。
図7Bにおいて、例えばP偏光となっている入射光が回転光学部材30の透明フィルタ31を通過する場合は、P偏光が保持された状態で偏光板73に入射する。そして、偏光板73においてP偏光の入射光が透過する。
一方で、P偏光となっている入射光が回転光学部材30の偏光方向変換素子10を通過する場合は、P偏光がS偏光に変換されて偏光板73に入射する。そして、偏光板73において、S偏光の入射光は遮光される。
このように回転光学部材30を回転させて、光路上の透明フィルタ31と偏光方向変換素子10を切り替えることで、光の偏向方向を変え、後段に備えている偏光板73で光の透過/遮光を素早く制御することができる。
本明細書において、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を記載した。このような構成をすることで、簡易的な構成で、配置している入射光の進行方向に対して垂直方向の回転角によらずに入射する偏光の偏光方向を特定の方向に変換することができる。そして、この偏光方向変換素子を用いることで従来よりも素早く偏光の偏光方向を変換することができる。また、偏光方向変換素子と波長板やPBS(Polarizing Beam Splitter)や偏光板を組み合わせることで、偏光の種類の変換、偏光の光路を切り替え、遮断することなどができる。
以上のように、本明細書では、偏光方向変換素子を含む部材を用いているいくつかの例を示したが、ここで記載されている用途に限らず、本発明の偏光方向変換素子を偏光に関する技術の多くの用途に応用することが可能である。
1/2波長板を2枚組み合わせて構成される偏光方向変換素子の構成を示している。 図1Aで示した偏光方向変換素子を用いることで入射する直線偏光の偏光方向をπ/2変換することを示している。 図1Aの偏光方向変換素子のポアンカレ球表示における赤道面での平面図を模式的に示している。 偏光方向変換素子の第2の1/2波長板の光軸が、実空間において、第1の1/2波長板の光軸とαなすように2つの1/2波長板を配置している偏光方向変換素子のポアンカレ球表示における赤道面での平面図を模式的に示している。 回転光学部材の一部に偏光方向変換素子を用いた例を示している。 図3の回転光学部材を用いて、入射する直線偏光を円偏光に変換する例を示している。 図3の回転光学部材を用いて、入射する円偏光を反対回りの円偏光や直線偏光に変換する例を示している。 図3の回転光学部材を用いて、入射する円偏光を反対回りの円偏光に変換する例を示している。 複数の偏光方向変換素子を用いて、入射光の偏光方向を所望の角度に変換する構成を示している。 本実施形態の偏光方向変換素子を用いた2板式投影装置の簡易的な構成を示している。 偏光方向変換素子を含む部材とPBS(Polarizing Beam Splitter)プリズムを併用して光の進行する経路を変える光経路変更手段を模式的に示している。 偏光方向変換素子を含む部材と偏光板を併用して光の透過および遮光を制御する光透過/遮光制御手段を模式的に示している。 入射光の直線偏光の偏光方向を変換する一般的な1/2波長板を用いている構成を模式的に示している。
符号の説明
10,10a,10b,10c,10d,10e,10f 偏光方向変換素子
11 第1の1/2波長板
12 第2の1/2波長板
30,30e 回転光学部材
31 透明フィルタ
41、42、43、44、45 λ/4板 61 光源からの光
62,63 偏光変換部材から射出された光
64 赤色の波長の光
65 青色の波長の光
66 緑色の波長の光
71 PBS(Polarizing Beam Splitter)プリズム
72 PBS(Polarizing Beam Splitter)プリズムの透過/反射面
73 偏光板
80 1/2波長板
100 2板式投影装置
101 光源
102 PBS(Polarization Beam Splitter)面を有するプリズム
103 反射部
104 1/2波長板
105 ロッドインテグレータ
106 カラーセレクトホイール
107 コリメータレンズ
108 TIR(Total Internal Reflection)プリズムの第1プリズム
109 TIR(Total Internal Reflection)プリズムの第2プリズム
110 ダイクロイックプリズムの透過/反射面
111,112 ミラーデバイス
113 偏光板
114 投影レンズ
115 スクリーン
116 偏光変換部材
117 TIR(Total Internal Reflection)プリズム
118 ダイクロイックプリズム
119 空間光変調器

Claims (26)

  1. 入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成されている、
    ことを特徴とする偏光方向変換素子。
  2. 前記偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっている、
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光方向変換素子。
  3. 前記任意の角度が、光の偏光方向を変換する角度の半分である、
    ことを特徴とする請求項2記載の偏光方向変換素子。
  4. 前記任意の角度がπ/4である、
    ことを特徴とする請求項2記載の偏光方向変換素子。
  5. 回転されることを特徴とする請求項2記載の偏光方向変換素子。
  6. 前記偶数枚の1/2波長板のうち前記偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板が個別に設けられており、前記偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板とを共に回転させ、前記双方の1/2波長板の回転速度を一定にすることで前記任意の角度異なっている、
    ことを特徴とする請求項2記載の偏光方向変換素子。
  7. 前記1/2波長板が波長選択性を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光方向変換素子。
  8. 前記1/2波長板が構造性複屈折する性質を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光方向変換素子。
  9. 前記1/2波長板が光学結晶もしくは高分子膜によって構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の偏光方向変換素子。
  10. 入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成されている偏光方向変換素子を一部に含む、
    ことを特徴とする光学部材。
  11. 回転されることを特徴とする請求項10記載の光学部材。
  12. 透明フィルタを含む、
    ことを特徴とする請求項10記載の光学部材。
  13. 光を発する光源と、
    前記光源から発した光の偏光方向を変換するために入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成されている偏光方向変換素子と、
    前記偏光方向変換素子を透過した光を投影するための投影レンズと、
    を含むことを特徴とする投影装置。
  14. 前記偏光方向変換素子において、偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっている、
    ことを特徴とする請求項13記載の投影装置。
  15. 前記偏光方向変換素子が回転可能である、
    ことを特徴とする請求項13記載の投影装置。
  16. 光学部材の一部に前記偏光方向変換素子を含む、
    ことを特徴とする請求項13記載の投影装置。
  17. 前記偶数枚の1/2波長板のうち前記偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板が個別に設けられており、前記偏光方向変換素子において、前記偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板とを共に回転させ、前記双方の1/2波長板の回転速度を一定にすることで前記任意の角度異なっている、
    ことを特徴とする請求項14記載の投影装置。
  18. 光の直交している偏光成分間の位相差を与える波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光の方向を変換する、
    ことを特徴とする偏光方向変換手段。
  19. 光の直交している偏光成分間の位相差を与える波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光を円偏光に変換する、もしくは、円偏光を直線偏光、逆回りの円偏光、楕円偏光に変換する、
    ことを特徴とする偏光方向変換手段。
  20. 前記波長板が1/4波長板である、
    ことを特徴とする請求項18または請求項19記載の偏光方向変換手段。
  21. 光の直交している偏光成分間の位相差を与える波長板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで直線偏光を楕円偏光に変換するあるいは円偏光を楕円偏光に変換する、もしくは、楕円偏光を直線偏光、円偏光、逆回りの楕円偏光に変換する、
    ことを特徴とする偏光方向変換手段。
  22. 光の偏光方向に基づいて光を透過/反射する偏光方向透過/反射部材と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材併用することで光の進行する経路を変える、
    ことを特徴とする光経路変更手段。
  23. 前記偏光方向透過/反射部材が、PBS(Polarizing Beam Splitter)もしくはワイヤーグリッド偏光子である、
    ことを特徴とする請求項22記載の光経路変更手段。
  24. 前記偏光方向変換素子における偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっている、
    ことを特徴とする請求項22記載の光経路変更手段。
  25. 特定の偏光方向の光のみを透過し、それ以外の偏光方向の光を遮光する偏光板と、入射光の進行方向に対して直列に1/2波長板を偶数枚含んで構成される偏光方向変換素子を含む部材を併用することで光の透過および遮光を制御する、
    ことを特徴とする光透過/遮光制御手段。
  26. 前記偏光方向変換素子における偶数枚の1/2波長板の2番目以降に配置されている1/2波長板とその直前の1/2波長板の光軸とが互いに任意の角度異なっている、
    ことを特徴とする請求項25記載の光透過/遮光制御手段。
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KR20180000107A (ko) * 2016-06-22 2018-01-02 경희대학교 산학협력단 입사 빛의 편광 방향에 무관한 공간 광 위상 변조기

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KR101980941B1 (ko) * 2016-06-22 2019-05-21 경희대학교 산학협력단 입사 빛의 편광 방향에 무관한 공간 광 위상 변조기

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