JP6205717B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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本発明は、車輪の回転を機械的係合によってロックするパーキングロック機構を備えた車両の制御装置に関する。
パーキングロック機構には、機械的係合により車輪の回転をロックするロック状態と当該ロックを解除するアンロック状態との切り替えを、ソレノイドなどを利用して電動で行うものがある。そしてこの種のパーキングロック機構を制御する制御装置では、例えばソレノイドの状態を検出するエンコーダなどのセンサの出力などに基づいてパーキングロック機構の動作状態を管理している。
そして上記の制御装置は、パーキングロック機構が制御通りに動作していない場合には、安全のために自動車の走行を禁止することが一般的である。
例えば特許文献1は、パーキングロック機構のロック状態への移行が指示されたにも拘わらずパーキングロック機構がアンロック状態である場合には内燃機関の始動を禁止する。
特開2010−112444号公報
さて、パーキングロック機構がアンロック状態にあるならば、自動車は走行することが可能な状態にある。この状態で、センサの故障によりパーキングロック機構の状態を制御装置が把握できなかった場合には、自走により修理工場などに移動することが可能である。
しかしながら、このような状況でも自動車の走行が禁止されるのであり、不便を来す。
本発明は、パーキングロック機構の状態を正確に把握することができない状況であっても、可能な限り車両を走行できるようにすることを目的とする。
請求項1に記載される発明の車両の制御装置は、車両の車輪を駆動する駆動力を発生する駆動源と、前記駆動源を制御する駆動源制御手段と、前記駆動源で発生する駆動力を前記車輪に伝達する伝達機構と、前記伝達機構の回転を規制するロック状態、又は、前記規制を解除してアンロック状態とするパーキングロック機構と、前記パーキングロック機構に前記ロック状態から前記アンロック状態への切換信号を発信するロック切換信号発信手段と、前記パーキングロック機構が前記ロック状態および前記アンロック状態のいずれにあるかを検出するパーキングロック検出手段と、前記ロック切換信号発信手段が前記切換信号を発信したにも拘わらず前記パーキングロック検出手段の検出状態が前記ロック状態のままとなる異常を検出する異常検出手段と、前記車両の走行速度を検出する速度検出手段と、前記パーキングロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える処理を行う緊急走行モードとを備え、前記駆動源制御手段は、前記異常検出手段が異常を検出された時に、前記緊急走行モードが設定され、前記パーキングロック機構が前記アンロック状態になり前記駆動源の駆動力発生した場合、該駆動力発生した時点から所定期間内に前記車両の走行速度が規定速度に至らない際は、前記駆動源で発生する駆動力を抑制し、前記車両の走行速度が前記規定速度に至った際は、ドライバの操作に基づいて前記車両を走行させる駆動力を制御する
請求項2に記載される発明の制御装置では、請求項1の記載において、前記駆動源制御手段は、前記駆動源が前記駆動力を発生した時点から前記所定期間内に前記車両の走行速度が前記規定速度に至らない場合は前記駆動源の作動を停止させる。
請求項3に記載される発明の制御装置では、請求項1又は2の記載において、前記車両は、路面の傾斜角を検出する傾斜角検出手段をさらに備え、前記所定期間は、前記傾斜角検出手段により検出された傾斜角が上り勾配で大きくなるほど長く設定される。
請求項4に記載される発明の制御装置では、請求項1〜3の記載において、前記車両が備える表示デバイスを制御する表示制御手段をさらに備え、前記表示制御手段は、前記ロック切換信号発生手段が前記パーキングロック機構にロック状態からアンロック状態へ指示したことに応じて、前記アンロック状態であることを表示する第1の表示を開始し、前記所定期間内に前記車両の走行速度が前記規定速度に至らない場合は、前記パーキングロック機構が前記ロック状態であることを表示する第2の表示を開始する。
本発明によれば、パーキングロック機構の状態を正確に把握することができない状況であっても、可能な限り車両を走行可能とすることができる。
本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載した自動車の構成を示す図。 図1中のPロックユニットの一例としての構造を模式的に示す図。 図1中のPロックユニットの一例としての構造を模式的に示す図。 図1中のPロック−ECUのブロック図。 図4中のCPUによる制御処理のフローチャート。 図4中のCPUによる制御処理のフローチャート。
本発明の一実施形態に係る制御装置を搭載した自動車(車両)を、図1〜6を用いて説明する。なお、本実施形態においてはプラグインハイブリッドタイプの自動車を例示するが、他の様々なタイプの自動車においても本発明を同様に実施が可能である。
図1は自動車100の構成を示す図である。なお、自動車100は既存の別のハイブリッド自動車が備えるのと同様な多数の要素を備えるが、図1においてはそれらの要素のうちの一部の要素のみを示している。
自動車100は、本体1、前輪2a,2b、後輪3a,3b、車軸4a,4b,5a,5b、伝達機構6,7、内燃機関(駆動源)8、電動モータ(駆動源)9,10、発電機11、バッテリ12、インバータ13,14,15、コンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17c、外部給電プラグ18、充電装置19、パーキングロックユニット(以下、パーキングロック機構、Pロックユニットと称する)20、パワースイッチ21、マルチインフォメーションディスプレイ(MID)22、車速センサ23、シフトユニット24、パーキングロックスイッチ(以下、Pロックスイッチと称する)25、アクセル開度センサ26、ピッチ角センサ27、パーキングロック−ECU(electric control unit)28、OSS(one-touch start system)−ECU29、ETACS(electric time and alarm control system)−ECU30、エンジン−ECU31およびPHEV(plug-in hybrid electric vehicle)−ECU(駆動源制御手段)32を含む。
本体1は、車台および車体などを含み、他の各要素を支持するとともに、乗員が搭乗するための空間(車室)を形成する。
前輪2a,2bは、車軸4a,4bの端部にそれぞれ固定されている。後輪3a,3bは、車軸5a,5bの端部にそれぞれ固定されている。前輪2a,2bおよび後輪3a,3bは、それぞれ接地して本体1を支持するとともに、回転して本体1を移動させる。
車軸4a,4bは、本体1と前輪2a,2bとの相対的な位置関係を所定の状態に維持するとともに、伝達機構6から伝達される回転力を前輪2a,2bへと伝達する。
車軸5a,5bは、本体1と後輪3a,3bとの相対的な位置関係を所定の状態に維持するとともに、伝達機構7から伝達される回転力を後輪3a,3bへと伝達する。
伝達機構6は、車軸4a,4bを個別に回転可能に支持する。伝達機構6には、内燃機関8、電動モータ9および発電機11のそれぞれの回転軸8a,9a,11aが個別に接続されている。伝達機構6は、ディファレンシャルギアを含む各種のギア、シャフトおよびクラッチなどを周知のように組み合わせて構成され、回転軸8aと車軸4a、4bとを接続する状態、回転軸8aと回転軸11aとを接続する状態、回転軸8aの回転力を車軸4a,4bおよび回転軸11aに分配して伝達する状態、回転軸9aと車軸4a,4bとを接続する状態、あるいは回転軸11aと車軸4a,4bとを接続する状態、車軸4a,4bを自由に回転させる状態を選択的に形成する。
伝達機構7は、車軸5a,5bを個別に回転可能に支持する。伝達機構7には、電動モータ10の回転軸10aが接続されている。伝達機構7は、ディファレンシャルギアを含む各種のギア、シャフトおよびクラッチなどを周知のように組み合わせて構成され、回転軸10aと車軸5a,5bとを接続する状態および車軸5a,5bを自由に回転させる状態を選択的に形成する。
内燃機関8は、燃料を利用して回転力を発生し、回転軸8aを回転する。内燃機関8は、典型的には燃料としてガソリンを使用するものであるが、軽油などの別の燃料油やLPG(liquefied petroleum gas)などのガスのようなガソリン以外の燃料を利用するものでも良い。伝達機構6が回転軸8aと車軸4a,4bとを接続するとき、内燃機関8は前輪2a,2bを回転させる。
電動モータ9,10は、電気エネルギを利用して回転力を発生し、回転軸9a,10aを回転する。伝達機構6が回転軸9aと車軸4a,4bとを接続するとき、電動モータ9は前輪2a,2bを回転させる。伝達機構7が回転軸10aと車軸5a,5bとを接続するとき、電動モータ10は後輪3a,3bを回転させる。電動モータ9,10には回転角センサ9b,10bが取り付けられている。回転角センサ9b,10bは、電動モータ9,10の回転数を検出する。
以上の車軸4a,4b,5a,5b、伝達機構6,7、内燃機関8および電動モータ9,10によって、車輪である前輪2a,2bおよび後輪3a,3bに駆動力を供給する駆動機構が構成される。
発電機11は、回転軸11aの回転を利用して電磁誘導により発電する。伝達機構6が回転軸8aと回転軸11aとを接続するとき、発電機11は内燃機関8が発生した回転力を利用して発電する。伝達機構6が車軸4a,4bと発電機11とを接続するとき、発電機11は車軸4a,4bの回転力を利用して発電する。
バッテリ(電池)12は、直流電流を発生する。
インバータ13,14は、バッテリ12が出力する直流電流を交流電流に変換する。インバータ13,14は、IGBTなどのスイッチング素子を有した周知の構成のものであって良い。インバータ13は、交流電流を電動モータ9に印加することにより、電動モータ9に電気エネルギを供給する。インバータ14は、交流電流を電動モータ10に供給することにより、電動モータ10を動作させる。インバータ13,14は、PHEV−ECU32の制御の下に、スイッチング素子のスイッチング周波数や、出力する電流の電流値(出力電流値)および周波数(出力周波数)を変更する。
インバータ15は、発電機11が発生する交流電流を直流電流に変換する。インバータ15が得た直流電流は、バッテリ12へと供給される。
コンタクタ16a,16b,16cは、バッテリ12の正極とインバータ13,14,15との間に介挿されている。コンタクタ16a,16b,16cは、PHEV−ECU32の制御の下にバッテリ12の正極とインバータ13,14,15との電気的接続をオン/オフする。
コンタクタ17a,17b,17cは、バッテリ12の負極とインバータ14,15,16との間に介挿されている。コンタクタ17a,17b,17cは、PHEV−ECU32の制御の下にバッテリ12の負極とインバータ14,15,16との電気的接続をオン/オフする。
外部給電プラグ18は、外部電源からの電力供給を受けるためのケーブルが必要に応じて接続できる。外部給電プラグ18は、ケーブルが接続されているときには、当該ケーブルと充電装置19とを電気的に接続する。
充電装置19は、外部給電プラグ18に接続されたケーブルを介して外部電源から供給される電力によりバッテリ12を充電する。
Pロックユニット20(パーキングロック機構)は、車軸4a,4bの回転を機械的係合によりロックするロック状態と当該ロックを解除するアンロック状態とを選択的に形成する。
パワースイッチ21は、自動車100の起動および停止を指示するためにユーザにより操作されるスイッチである。
マルチインフォメーションディスプレイ22は、例えば本体1に備えられたメーターパネルに装着され、シフトポジションを含む各種の情報を表示する。
車速センサ(速度検出手段)23は、自動車100の走行速度を、例えば車軸5bの回転速度に基づいて検出する。
シフトユニット24は、シフトレバーと、当該シフトレバーの位置を検出するセンサ群とを含み、運転者によるシフトレバーの操作に応じて、走行モード(シフトポジション)の変更に関する運転者の指示を入力する。
Pロックスイッチ25は、運転者による押圧動作に応じて、Pロックユニット20のロック状態とアンロック状態との切り替えに関する運転者の指示を入力する。
アクセル開度センサ26は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量としてアクセル開度を検出する。
ピッチ角センサ(傾斜角検出手段)27は、本体1のピッチ角を検出する。本体1のピッチ角は、自動車100の走行抵抗の大きさに関する情報の1つである。つまり、ピッチ角センサ27は、取得手段の一例である。
Pロック−ECU(ロック切換信号発生手段、異常検出手段を含む)28は、制御装置の一例でありPロックユニット(パーキングロック機構)20を制御する。
OSS−ECU29は、ユーザがパワースイッチ21を操作した際に、認証通信を行った後に、各部の電源制御などを実施する。
ETACS−ECU(表示制御手段)30は、自動車100に搭載されている各種の電装品を制御する。ETACS−ECU30の制御対象となる電装品は、例えばマルチインフォメーションディスプレイ22や、図1では図示を省略しているヘッドライト、ドアミラー、ワイパー、ドアロック機構、室内照明器具およびセキュリティアラームなどである。ETACS−ECU30は、OSS−ECU29、エンジン−ECU31およびPHEV−ECU32と適宜に通信して必要な情報を取得しながら、予め定められた動作を実現するべく各種の電装品を制御する。一例としてETACS−ECU30は、車速が規定値以上になった際にドアミラーが格納状態であるならば、ドアミラーを自動的に展開する。またETACS−ECU30は、自動車100の走行モードに応じたシフトポジションを表示するようにマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する。
エンジン−ECU31は、内燃機関8の動作を制御する。エンジン−ECU31は、ETACS−ECU30およびPHEV−ECU32と適宜に通信して各種の制御に必要な情報を取得する。
PHEV−ECU32は、駆動用制御ユニットの一例であり、自動車100の走行に係わる各種の制御処理を行う。例えばPHEV−ECU32は、自動車100の走行状況に応じて、伝達機構6,7の状態を制御する。またPHEV−ECU32は、インバータ13,14およびコンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17cの状態を制御する。一例としてPHEV−ECU32は、EV(electric vehicle)モードの力行状態においては、伝達機構6を電動モータ9の回転軸9aと車軸4a,4bとを接続する状態に、また伝達機構7を電動モータ10の回転軸10aと車軸5a,5bとを接続する状態にするとともに、コンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17cをいずれもオンとしておく。そして当該状態においてPHEV−ECU32は、アクセル開度センサ26が検出したアクセル開度に応じて、要求される走行出力を算出し、この走行出力を得るべく電動モータ9,10を動作させるようにインバータ13,14の出力を制御する。PHEV−ECU32はこのほか、既存の別のハイブリッド自動車で実現されているような各種の動作状態を必要に応じて形成するように伝達機構6,7、インバータ13,14およびコンタクタ16a,16b,16c,17a,17b,17cの状態を制御する。PHEV−ECU32は、Pロック−ECU28、ETACS−ECU30およびエンジン−ECU31と適宜に通信して各種の制御に必要な情報を取得する。
図2および図3はPロックユニット20の一例としての構造を模式的に示す図である。なお、図2はアンロック状態を、また図3はロック状態をそれぞれ示す。
Pロックユニット20は、パーキングロックアクチュエータ(以下、Pロックアクチュエータと称する)20a、コントロールロッド20b、スイングアーム20c、往復ロッド20d、錐体20e、係止部材20f、パーキングギア20g、ディテントピン20h、ドライバ20iおよびパーキングロックセンサ(以下、パーキングロック検出手段、Pロックセンサと称する)20jを含む。
Pロックアクチュエータ20aは、コントロールロッド20bを可逆的に回転させる。
コントロールロッド20bは、スイングアーム20cをその中間部において貫通した状態でスイングアーム20cに固定される。
スイングアーム20cは、コントロールロッド20bの可逆的な回転に伴って揺動する。
往復ロッド20dは、その一端がスイングアーム20cの一端に軸支されており、スイングアーム20cの揺動に伴って往復移動する。
錐体20eは、円錐の頂部側の一部を除去した形状をなし、円錐の底面の垂線方向を往復ロッド20dの長手方向とほぼ一致させた状態で、往復ロッド20dに沿って移動可能なように往復ロッド20dにより支持される。錐体20eは、図示しない戻りバネによってスイングアーム20cから遠ざかる方向に付勢されており、往復ロッド20dの往復移動に伴って同様に往復移動する。
係止部材20fは、一端が錐体20eの側面に当接する状態で、その中間部において回動可能に軸支される。係止部材20fの他端には、パーキングギア20gに向かって突出した爪が形成されている。この爪は、アンロック状態においては図2に示すようにパーキングギア20gの凹部から離れ、ロック状態においては図3に示すようにパーキングギア20gの凹部に係合する。
パーキングギア20gは、伝達機構6に設けられて車軸4a,4bに力を伝達するロッドに固定されるか、または当該ロッドの回転に伴って回転するギアに噛み合う。
ディテントピン20hは、図示しないディテントスプリングによってコントロールロッド20bの方向に付勢されている。ディテントピン20hは、スイングアーム20cの一端に形成された2つの凹部のいずれかに係合する。具体的にはディテントピン20hは、図2に示すアンロック状態にあるときと図3に示すロック状態とでそれぞれ異なる凹部に係合する。
以上のPロックアクチュエータ20a、コントロールロッド20b、スイングアーム20c、往復ロッド20d、錐体20e、係止部材20f、パーキングギア20gおよびディテントピン20hによってパーキングロック機構が形成される。
ドライバ20iは、Pロック−ECU28の制御の下にPロックアクチュエータ20aを駆動する。
Pロックセンサ20jは、例えばPロックアクチュエータ20aの回転量を検出するエンコーダを含み、Pロックユニット20がロック状態およびアンロック状態のいずれにあるかを検出する。Pロックセンサ20jは、検出結果を表した検出情報をPロック−ECU28へと出力する。
図4はPロック−ECU28のブロック図である。なお、図4において図1〜3に示されるのと同一の部分には同一の符号を付している。
Pロック−ECU28は、CPU(central processing unit)28a、ROM(read-only memory)28b、RAM(random-access memory)28c、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)28d、インタフェースユニット(I/Fユニット)28eおよび通信ユニット28fを含む。そしてこれらの各要素は、バス28gにそれぞれ接続されている。
CPU28aは、ROM28bおよびRAM28cに記憶されたオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムに基づいて、Pロックユニット20を制御するための情報処理を行う。
ROM28bは、上記のオペレーティングシステムを記憶する。ROM28bは、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
RAM28cは、CPU28aが各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアとして利用される。
EEPROM28dは、CPU28aが各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU28aでの処理によって生成されたデータを保存する。Pロック−ECU28はEEPROM28dを備えず、PHEV−ECU32などの他のユニットが備えるEEPROMをPロック−ECU28においても使用することとしても良い。
ROM28bまたはEEPROM28dに記憶されるアプリケーションプログラムには、後述する制御処理に関して記述した制御プログラムを含む。この制御プログラムがEEPROM28dに記憶される場合、Pロック−ECU28、Pロック−ECU28を含んだユニット、あるいは自動車100の譲渡は、一般的に上記の制御プログラムがEEPROM28dに記憶された状態にて行われる。しかし、Pロック−ECU28、Pロック−ECU28を含んだユニット、あるいは自動車100が上記の制御プログラムがEEPROM28dに記憶されない状態で譲渡されるとともに、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して上記の制御プログラムが譲渡され、この制御プログラムが上記の別途に譲渡されたPロック−ECU28、Pロック−ECU28を含んだユニット、あるいは自動車100のEEPROM28dに書き込まれても良い。
インタフェースユニット28eは、ドライバ20iおよびPロックセンサ20jを物理的に接続する。インタフェースユニット28eは、CPU28aの制御の下に、ドライバ20iへと指示コマンドを出力する。またインタフェースユニット28eは、Pロックセンサ20jが出力した検出情報を取り込んで、RAM28cに書き込む。
通信ユニット28fは、OSS−ECU29、ETACS−ECU30、エンジン−ECU31およびPHEV−ECU32と通信する。
次に以上のように構成された自動車100の動作について説明する。なお、自動車100は既存の別の自動車が備えるのと同様な様々な機能を備えるが、それらの機能に関する動作は既存の別の自動車と同様であるので、その詳細な説明は省略する。そして以下においては、Pロックユニット20の動作に関わる制御について詳細に説明する。
図5,6はCPU28aによる制御処理のフローチャートである。
OSS−ECU29が、パワースイッチ21の操作に応じて各部の電源制御などを実施することによってPロック−ECU28が起動されると、CPU28aが制御プログラムに従って図5,6に示す制御処理を開始する。なお、以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
ステップSa1においてCPU28aは、後述するエラーフラグがオンであるか否かを確認する。そして、エラーフラグがオフであるためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa2へ進む。
ステップSa2においてCPU28aは、Pロックセンサ20jが出力する検出情報に基づき、Pロックセンサ20jがロック状態を検出しているか否かを確認する。すなわち、パワーオフ状態ではPロックユニット20がロック状態であることを原則とし、この原則通りにロック状態であることをPロックセンサ20jが検出するか否かを確認する。そしてロック状態を検出しているためにYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa3へ進む。
ステップSa3においてCPU28aは、Pロックユニット20がロック状態であることをPHEV−ECU32に通知する。この通知に基づいてPHEV−ECU32は、自動車100の走行モードとしてパーキングモードを設定する。ETACS−ECU30は、PHEV−ECU32が設定している走行モードがどのモードであるのかを表示するようにマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する。具体的には例えば、上記のように走行モードとしてパーキングモードが設定されているならば、マルチインフォメーションディスプレイ22の走行モード表示領域に「P」と表示するようにPHEV−ECU32がマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する。
ステップSa4においてCPU28aは、Pロックスイッチ25がオンであるか否かを確認する。そしてPロックスイッチ25がオフであるためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa5へ進む。
ステップSa5においてCPU28aは、後述するオフ前処理の実行が指示されたか否かを確認する。そしてオフ前処理の実行が指示されていないためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa4に戻る。
かくしてステップSa4,5においてCPU28aは、Pロックスイッチ25がオンされるか、あるいはオフ前処理の実行が指示されるのを待ち受ける。
運転者は、走行モードをパーキングモード以外のモードに切り換えたい場合には、シフトレバーをドライブポジション、ニュートラルポジションおよびリバースポジションのいずれかに移動させる。図示しないシフトポジションセンサが上記の動作を検出すると、PHEV−ECU32はその旨をPロック−ECU28に通知する。そしてこの通知は、通信ユニット28fにて受信されて、CPU28aへと与えられる。このような通知を確認したならばCPU28aは、ステップSa4でYESと判定し、ステップSa6へと進む。
ステップSa6においてCPU28aは、Pロックアクチュエータ20aを予め定められたアンロック方向に予め定めた角度だけ回転させるべく駆動する。
さて、Pロックユニット20は、ロック状態では図3に示す状態にある。Pロックアクチュエータ20aをアンロック方向D2に回転させると、図2に示すアンロック状態に移行する。なお、係止部材20fは、爪が形成されているのとは反対側の端部を錐体20eに押しつけるようにバネなどによって付勢されている。
アンロック状態においては、係止部材20fがパーキングギア20gに係合しておらず、パーキングギア20gは回転可能である。かくして、伝達機構6は車軸4a,4bに駆動力を伝達することが可能である。
ステップSa7においてCPU28aは、Pロックセンサ20jがアンロック状態を検出したか否かを確認する。そしてPロックセンサ20jがアンロック状態を検出したためにYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa8へ進む。
ステップSa8においてCPU28aは、PHEV−ECU32に対してパーキングロックを解除した旨の通知(アンロック通知)を行う。
この状態においては、PHEV−ECU32の制御の下に、自動車100が走行することが可能である。なお、自動車100の走行のための動作は周知の別の自動車と同様であって良いので、ここでは説明を省略する
ステップSa9,10においてCPU28aは、ステップSa4,5の場合と同様に、Pロックスイッチ25がオンされるか、あるいはオフ前処理の実行が指示されるのを待ち受ける。
さて運転者は、走行モードをパーキングモードに切り換えたい場合には、Pロックボタンを押圧することによってPロックスイッチ25をオンする。そうするとCPU28aはステップSa9にてYESと判定し、ステップSa11へ進む。
ステップSa11においてCPU28aは、Pロックアクチュエータ20aを予め定められたロック方向に予め定めた角度だけ回転させるべく駆動する。
さて、Pロックユニット20は、アンロック状態では図2に示す状態にある。Pロックアクチュエータ20aをロック方向D1に回転させると、図3に示すロック状態に移行する。
ステップSa12においてCPU28aは、Pロックセンサ20jがロック状態を検出したか否かを確認する。そしてPロックセンサ20jがロック状態を検出したためにYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa3に戻り、それ以降の処理を前述と同様に繰り返す。
このようにしてCPU28aは、Pロックスイッチ25やシフトレバーの操作に応じてロック状態およびアンロック状態を切り換えるようにPロックユニット20を制御する。そしてロック状態およびアンロック状態を切り換える毎に、切り換えた後の状態と同じ状態がPロックセンサ20jによって検出されるか否かを確認する。
さて、自動車100がパワーオン状態にあるときに運転者によりパワースイッチ21が操作されたならば、その旨がOSS−ECU29からPHEV−ECU32に通知される。そしてPHEV−ECU32は、自動車100がパワーオフすることが可能な状態にある場合には、Pロック−ECU28に対してオフ前処理を指示する。
このオフ前処理の指示を、Pロックユニット20がロック状態にあるときに受けたならばCPU28aは、ステップSa5にてYESと判定し、ステップSa13へ進む。
ステップSa13においてCPU28aは、Pロックセンサ20jがロック状態を検出しているか否かを確認する。そしてPロックセンサ20jがアンロック状態を検出しているためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa14へ進む。
ステップSa14においてCPU28aは、エラーフラグをオンとする。なおエラーフラグは、EEPROM28dが記憶するデータとして実現できる。そしてこののちにCPU28aは、ステップSa17に進む。
これに対して、Pロックセンサ20jがロック状態を検出しているためにステップSa13にてYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa14をパスしてステップSa17へ進む。
一方、オフ前処理の指示を、Pロックユニット20がアンロック状態にあるときに受けたならばCPU28aは、ステップSa10にてYESと判定し、ステップSa15へ進む。
ステップSa15においてCPU28aは、Pロックアクチュエータ20aをロック方向に予め定めた角度だけ回転させるべく駆動する。
ステップSa16においてCPU28aは、Pロックセンサ20jがロック状態を検出したか否かを確認する。そしてPロックセンサ20jがロック状態を検出したためにYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa17へ進む。
さて、オフ前処理とは、パワーオフ状態での自動車100の転動を防止するためにPロックユニット20をロック状態とするための処理である。
CPU28aがステップSa4,5の待ち受け状態にあるとき、Pロックユニット20はロック状態にあるので、このときにオフ前処理が指示されても、CPU28aはPロックアクチュエータ20aを動作させない。ただし、Pロックユニット20がロック状態にあるにも拘わらずにPロックセンサ20jがアンロック状態を検出したのならば、Pロックセンサ20jに異常が生じていることが疑われるが、Pロックユニット20がロック状態にあり、しかも運転者が自動車100を走行させることを望んでいないので、この時点においてはエラーフラグをオンしておく。CPU28aがステップSa9,10の待ち受け状態にあるとき、Pロックユニット20はアンロック状態にあるので、CPU28aはPロックアクチュエータ20aを動作させてPロックユニット20をロック状態に切り換える。そしてCPU28aは、ロック状態に切り換わったことがPロックセンサ20jにより検出されたことを確認する。そしてこれらのいずれかを行った上で、CPU28aはステップSa17へ進む。
ステップSa17においてCPU28aは、オフ前処理が完了したことをPHEV−ECU32に対して通知する。そしてCPU28aは、図5,6に示す制御処理を終了する。
さて、パワーオン時にエラーフラグがオンであるのは、そのパワーオンの前のパワーオフ状態に移行する際のオフ前処理においてPロックセンサ20jの異常が認められた場合である。そこで、エラーフラグがオンであるためにステップSa1にてYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa2〜18の処理をいずれも行うことなしにステップSa19へ進む。
自動車100のパワーオン時にPロックセンサ20jがアンロック状態を検出している場合、Pロックユニット20に何らかの異常が生じていることになる。そこでPロックセンサ20jがアンロック状態を検出しているためにステップSa2にてNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa19へ進む。
Pロックアクチュエータ20aをロック方向に回転させた後にPロックセンサ20jがアンロック状態を検出している場合、Pロックユニット20に何らかの異常が生じていることになる。そこで、Pロックセンサ20jがアンロック状態を検出しているためにステップSa12にてNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa19へ進む。
Pロックアクチュエータ20aをアンロック方向に回転させた後にPロックセンサ20jがロック状態を検出している場合、Pロックユニット20に何らかの異常が生じていることになる。そこで、Pロックセンサ20jがロック状態を検出しているためにステップSa7にてNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa18へ進む。
ステップSa18においてCPU28aは、Pロックアクチュエータ20aをロック方向に予め定めた角度だけ回転させるべく駆動する。つまり、このときにはPロックユニット20がロック状態およびアンロック状態のいずれにあるのかが不明であるので、ロック状態とすることを試みる。そしてこののちにCPU28aは、ステップSa19へ進む。
以上のように、Pロックユニット20に何らかの異常が生じている状況においては、CPU28aはステップSa19へと進むのである。
ステップSa19においてCPU28aは、Pロックユニット20に異常が生じていることをPHEV−ECU32へと通知する。この通知を受けた際のPHEV−ECU32での対応は、PHEV−ECU32または自動車100の設計者により任意に定められて良い。ただし、PHEV−ECU32は、緊急走行モードの設定に関する運転者の要求を待ち受けて、当該要求がなされたならば緊急走行モードの設定をPロック−ECU28に対して指示することとする。一例としてPHEV−ECU32は、Pロックユニット20に異常がある旨の表示を行うようにETACS−ECU30に指示した上で、自動車100を走行させない状態で、緊急走行モードの設定を待ち受けることが想定される。ETACS−ECU30は上記の指示に応じて、Pロックユニット20に異常がある旨の表示を行うようにマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する。
異常通知を終えたならばCPU28aは、図6に示すステップSa20へ進む。
ステップSa20においてCPU28aは、緊急走行モードの設定がPHEV−ECU32から指示されたか否かを確認する。そして、該当指示がなされていないためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa20に戻る。かくしてステップSa20においてCPU28aは、緊急走行モードの設定が指示されるのを待ち受ける。
さて、Pロックユニット20に異常が生じていることを知った運転者が、自動車100を自走によって修理工場などに移動させようと考えたならば、緊急モードの設定を要求するための規定の操作を行ったのちに、シフトレバーをドライブポジション(Dポジション)に入れた上で、アクセルを開く。そしてこのような操作のなかの緊急モードの設定を要求するための操作がなされたならば、PHEV−ECU32からPロック−ECU28に対して緊急走行モードの設定が指示される。この指示がなされたためにステップSa20にてYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa21へ進む。なお、このとき、シフトレバーをリバースポジション(Rポジション)に入れることを許容しても良い。
ステップSa21においてCPU28aは、PHEV−ECU32を介してピッチ角センサ27が検出したピッチ角を取得する。
ステップSa22においてCPU28aは、上記の取得したピッチ角に基づいて試行時間を設定する。ここで設定する試行時間(所定時間)とピッチ角との関係は、Pロック−ECU28または自動車100の設計者によって任意に定められて良いが、自動車100が下り坂に位置している場合よりも上り坂に位置している場合の方が長い試行時間を設定することとする。つまり、走行抵抗が大きい状態にあるときほど長い試行時間を設定することとする。
ステップSa23においてCPU28aは、Pロックアクチュエータ20aをアンロック方向に予め定めた角度だけ回転させるべく駆動する。Pロックユニット20において異常が生じているのがPロックセンサ20jであり、かつPロックユニット20がロック状態にあるならば、上記の駆動によってPロックユニット20がアンロック状態に切り換わる。しかし、Pロックユニット20において異常が生じているのがPロックセンサ20j以外である場合には、Pロックユニット20がロック状態のままとなることがある。
ステップSa24においてCPU28aは、PHEV−ECU32に対してアンロック通知を行う。つまり、Pロックユニット20がロック状態およびアンロック状態のいずれであるのかが定かではないが、PHEV−ECU32に対して走行を許可する。かくしてCPU28aは、制御プログラムに従って制御処理を実行することによって駆動制御手段として機能している。
このアンロック通知を受けてPHEV−ECU32は、自動車100の走行モードとしてドライブモードを設定する。そしてこれに応じてETACS−ECU30は、走行モード表示領域に「D」と表示するようにマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する。
ステップSa25においてCPU28aは、アクセルオンとなったか否かを確認する。具体的には例えば、PHEV−ECU32に対し、アクセル開度センサ26が検出するアクセル開度が一定の開度以上となっているかを問合わせ、その回答を確認することにより行う。そしてアクセルオフであるためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa25に戻る。つまりステップSa25においてCPU28aは、アクセルオンとなるのを待ち受ける。そして、アクセルオンとなったためにステップSa25にてYESと判定したならばCPU28aは、ステップSa26へ進む。
PHEV−ECU32は、前述したようにPロックユニット20がアンロック状態であると認識しているので、アクセル操作に応じて自動車100を走行させるように周知の如く各部を制御する。そうすると、Pロックユニット20がアンロック状態であるならば自動車100は加速するが、Pロックユニット20がロック状態であるならば自動車100は加速しない。
ステップSa26においてCPU28aは、ステップSa25にてアクセルオンとなったと判定してからの経過時間がステップSa22で設定した試行時間に至ったか否かを確認する。そして経過時間が試行時間に至っていないためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa27へ進む。
ステップSa27においてCPU28aは、自動車100の車速が規定速度以上となったか否かを確認する。具体的には例えば、車速センサ23が検出した車速をPHEV−ECU32を介して取得し、当該車速が規定速度以上であるか否かを確認する。なお、規定速度はPロック−ECU28または自動車100の設計者によって任意に定められて良いが、Pロックユニット20がアンロック状態にあるときには試行時間内の加速により到達し得る速度であって、Pロックユニット20がロック状態にあるときには試行時間内の加速により到達し得ない速度として定めることが望ましい。そして、車速が規定速度以上になっていないためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa28へ進む。
ステップSa28においてCPU28aは、アクセルがオフとなったか否かを確認する。そしてアクセルがオンのままであるためにNOと判定したならばCPU28aは、ステップSa26に戻る。
かくしてステップSa26〜28においてCPU28aは、アクセルオンから試行時間が経過するまでの試行期間内に自動車100が規定速度以上まで加速するか、あるいはアクセルがオフされるかを確認する。なお、この試行期間において前輪2a,2bおよび後輪3a,3bへと供給する駆動力は、アクセル開度に応じて変更しても良いし、アクセル開度に拘わらずに一定としても良い。そして、アクセルがオンされた状態のままであるに拘わらずに自動車100が規定速度以上まで加速することなく試行時間が経過した場合、CPU28aはステップSa26にてYESと判定し、ステップSa29へ進む。
ステップSa29においてCPU28aは、駆動力を抑制するか、または走行を禁止する(駆動力をゼロとする)旨をPHEV−ECU32に対して通知する。そして、CPU28aは図4,5に示す制御処理を終了する。
走行を禁止する旨の通知を受けた場合にPHEV−ECU32は、走行モードとしてパーキングモードを設定し、アクセル開度に拘わらずに伝達機構6への駆動力の供給を停止する。そしてこれに応じてETACS−ECU30は、走行モード表示領域に「P」と表示するようにマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する。
このように、ETACS−ECU30は表示デバイスの一例としてのマルチインフォメーションディスプレイ22を制御する制御手段として機能する。そして、ETACS−ECU30は、ステップSa24におけるアンロック通知をトリガとして走行モード表示領域に「D」と表してアンロック状態であることを表示し、ステップSa29における禁止通知をトリガとして走行モード表示領域に「P」と表してロック状態であることを表示するようマルチインフォメーションディスプレイ22を制御するのであるから、CPU28aは、制御プログラムに従って制御処理を実行することによって指示手段として機能している。
一方、試行期間内に自動車100が規定速度以上まで加速した場合、CPU28aはステップSa27にてYESと判定し、ステップSa30へ進む。
ステップSa30においてCPU28aは、緊急走行を継続可能である旨をPHEV−ECU32に対して通知(許容通知)する。そして、CPU28aは図4,5に示す制御処理を終了する。
このように制御プログラムに従ったステップSa26〜30の処理によってCPU28aは、走行可否判定手段として機能している。
走行可能通知を受けた場合にPHEV−ECU32がどのような措置をとるかは、PHEV−ECU32または自動車100の設計者により任意に定められて良い。一例としては、アクセル操作に応じた走行を可能とするように制御することが考えられる。なお、自動車100の走行を可能とする場合には、Pロックユニット20に異常が生じたままで自動車100が使用され続けてしまうことを防止するために、PHEV−ECU32は予め定めた期間に限って自動車100を走行させてもよい。走行を許容する期間は、PHEV−ECU32または自動車100の設計者により任意に定められて良いが、例えばパワーオフするまでの期間とすることが考えられる。
なお、試行期間内にアクセルがオフされ多場合、CPU28aはステップSa28にてYESと判定し、ステップSa25の待ち受け状態に戻る。
以上のように本実施形態によれば、Pロック−ECU28が把握しているPロックユニット20の状態とPロックセンサ20jが検出したPロックユニット20の状態とが異なる場合には、Pロック−ECU28はPHEV−ECU32に対してアンロック通知を行わないので、そのままでは走行状態に遷移することがない。従って、Pロックユニット20がロック状態にあるにも拘わらずに大きな駆動力が伝達機構6に供給されてしまい、伝達機構6やPロックユニット20が破損してしまうことが防止できる。
さらに本実施形態によれば、緊急走行モードが設定されたならば、Pロックユニット20の状態に拘わらずに自動車100の走行を許容し、試行期間内に車速が規定速度に至ったことに応じて走行可能な状態にあると判定する。そして走行可能であるならば、その後の走行を許容する。従って、Pロックユニット20が異常であっても、可能な限りは自動車100を走行させることができ、これによって自走により修理工場などに移動するなどの処置が可能となる。
また本実施形態によれば、走行が不可能な状態であると判定したならば、駆動力の供給を即座に停止するので、緊急走行のために駆動力を供給したことによって伝達機構6やPロックユニット20が破損してしまうことが防止できる。
また本実施形態によれば、緊急走行モード時には、Pロックセンサ20jでの検出結果に拘わらずに、走行する状態ではアンロック状態であることを例えば「D」表示により、また走行を禁止した後にはロック状態であることを例えば「P」表示によりマルチインフォメーションディスプレイ22にて表示するので、走行が可能な状態であるのか否かを運転者が容易に把握することができる。
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
走行可能であるか否かは、例えば回転角センサ9b,10bが検出した回転数や加速度センサが検出した加速度などの車速以外の情報に基づいて判定しても良い。
本体1の傾斜状態は、ナビゲーションシステムから得た路面の傾斜の情報、あるいは本体1の前後にそれぞれ備えた加速度センサの検出情報などのピッチ角以外の情報に基づいて判定しても良い。また、自動車100の走行抵抗の大きさに関する情報は、例えば乗員や積載物の重量を含んだ自動車100の重量などのような傾斜角以外の情報を用いることもできるし、あるいはそれらの複数の情報を組み合わせて用いても良い。
前記実施形態では、本発明の制御装置としての機能の全てをPロック−ECU28に持たせているが、その一部または全てをPHEV−ECU32などの他のECUに持たせても良い。例えば、Pロックユニット20をロック状態およびアンロック状態のいずれとするかの判断はPHEV−ECU32で行い、PHEV−ECU32からの指示の下にPロック−ECU28がPロックユニット20を制御しても良い。
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(1)車両の車輪を駆動する駆動力を発生する駆動源と、前記駆動源を制御する駆動源制御手段と、前記駆動源で発生する駆動力を前記車輪に伝達する伝達機構と、前記伝達機構の回転を規制するロック状態、又は、前記規制を解除してアンロック状態とするパーキングロック機構と、前記パーキングロック機構に前記ロック状態から前記アンロック状態への切換信号を発信するロック切換信号発信手段と、前記パーキングロック機構が前記ロック状態および前記アンロック状態のいずれにあるかを検出するパーキングロック検出手段と、前記ロック切換信号発信手段が前記切換信号を発信したにも拘わらず前記パーキングロック検出手段の検出状態が前記ロック状態のままとなる異常を検出する異常検出手段と、前記車両の走行速度を検出する速度検出手段と、を備えた車両の制御装置であって、前記駆動源制御手段は、前記異常検出手段が異常を検出していても駆動力を発生し、該駆動力を発生した時点から所定期間内に前記車両の走行速度が規定速度に至らない際は、前記駆動源で発生する駆動力を抑制することを特徴とする車両の制御装置。
(2)前記駆動源制御手段は、前記駆動源が前記駆動力を発生した時点から前記所定期間内に前記車両の走行速度が前記規定速度に至らない場合は前記駆動源の作動を停止させることを特徴とする(1)に記載の車両の制御装置。
(3)前記車両は、路面の傾斜角を検出する傾斜角検出手段をさらに備え、前記所定期間は、前記傾斜角検出手段により検出された傾斜角が上り勾配で大きくなるほど長く設定されることを特徴とする(1)又は(2)に記載の車両の制御装置。
(4)前記車両が備える表示デバイスを制御する表示制御手段にをさらに備え、前記表示制御手段は、前記ロック切換信号発生手段が前記パーキングロック機構にロック状態からアンロック状態へ指示したことに応じて、前記アンロック状態であることを表示する第1の表示を開始し、前記所定期間内に前記車両の走行速度が前記規定速度に至らない場合は、前記パーキングロック機構が前記ロック状態であることを表示する第2の表示を開始することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
2a,2b…前輪、3a,3b…後輪、4a,4b,5a,5b…車軸、6,7…伝達機構、8…内燃機関(駆動源)、9,10…電動モータ(駆動源)、20…パーキングロックユニット、20a…パーキングロックアクチュエータ、20b…コントロールロッド、20c…スイングアーム、20d…往復ロッド、20e…錐体、20f…係止部材、20g…パーキングギア、20h…ディテントピン、20i…ドライバ、20j…パーキングロックセンサ、21…パワースイッチ、22…マルチインフォメーションディスプレイ、23…車速センサ、24…シフトユニット、25…PAキングロックスイッチ、26…アクセル開度センサ、27…ピッチ角センサ、28…パーキングロック−ECU、28a…CPU、28b…ROM、28c…RAM、28d…EEPROM、28e…インタフェースユニット、28f…通信ユニット、100…車両(自動車)。

Claims (4)

  1. 車両の車輪を駆動する駆動力を発生する駆動源と、
    前記駆動源を制御する駆動源制御手段と、
    前記駆動源で発生する駆動力を前記車輪に伝達する伝達機構と、
    前記伝達機構の回転を規制するロック状態、又は、前記規制を解除してアンロック状態とするパーキングロック機構と、
    前記パーキングロック機構に前記ロック状態から前記アンロック状態への切換信号を発信するロック切換信号発信手段と、
    前記パーキングロック機構が前記ロック状態および前記アンロック状態のいずれにあるかを検出するパーキングロック検出手段と、
    前記ロック切換信号発信手段が前記切換信号を発信したにも拘わらず前記パーキングロック検出手段の検出状態が前記ロック状態のままとなる異常を検出する異常検出手段と、
    前記車両の走行速度を検出する速度検出手段と、
    前記パーキングロック機構を前記ロック状態から前記アンロック状態に切り替える処理を行う緊急走行モードと、
    を備えた車両の制御装置であって、
    前記駆動源制御手段は、
    前記異常検出手段が異常を検出された時に、前記緊急走行モードが設定され、前記パーキングロック機構が前記アンロック状態になり前記駆動源の駆動力発生した場合、該駆動力発生した時点から所定期間内に前記車両の走行速度が規定速度に至らない際は、前記駆動源で発生する駆動力を抑制し、前記車両の走行速度が前記規定速度に至った際は、ドライバの操作に基づいて前記車両を走行させる駆動力を制御することを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記駆動源制御手段は、
    前記駆動源が前記駆動力を発生した時点から前記所定期間内に前記車両の走行速度が前記規定速度に至らない場合は前記駆動源の作動を停止させることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両は、路面の傾斜角を検出する傾斜角検出手段をさらに備え、
    前記所定期間は、前記傾斜角検出手段により検出された傾斜角が上り勾配で大きくなるほど長く設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両が備える表示デバイスを制御する表示制御手段をさらに備え、
    前記表示制御手段は、
    前記ロック切換信号発生手段が前記パーキングロック機構にロック状態からアンロック状態へ指示したことに応じて、前記アンロック状態であることを表示する第1の表示を開始し、前記所定期間内に前記車両の走行速度が前記規定速度に至らない場合は、前記パーキングロック機構が前記ロック状態であることを表示する第2の表示を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
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