以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照にしつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施の形態1)
実施の形態1として、タッチ検出装置が、表示装置と一体化されたインセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置に適用した例について説明する。ここで、インセルタイプのタッチ検出機能付き液晶表示装置とは、タッチ検出装置に含まれる駆動電極および検出電極の少なくとも一方が、表示装置の液晶を介して対向する一対の基板間に設けられたタッチ検出機能付き液晶表示装置を意味する。実施の形態1においては、タッチ検出装置に含まれる駆動電極が、液晶を駆動する駆動電極としても用いられている場合を説明する。
<全体構成>
先ず、タッチ検出機能付き液晶表示装置1の全体構成を、図1を用いて説明する。図1は、タッチ検出機能付き液晶表示装置1の構成を示すブロック図である。タッチ検出機能付き液晶表示装置1は、液晶パネル(表示パネル)2、表示制御装置5、信号線セレクタ6、タッチ制御装置7およびゲートドライバ8を具備している。図1では、図面を見易くするために、液晶パネル2は、模式的に描かれており、液晶パネル部(表示パネル部)3とタッチ検出パネル部4を具備している。液晶パネル2の構成については、後で図3、図4、図5および図6を用いて説明する。
液晶パネル2は、液晶パネル部3と、タッチ検出パネル部4とを備えている。後述するが、これら液晶パネル部3とタッチ検出パネル部4は、駆動電極等一部の構成を共用している。液晶パネル部3には、ゲートドライバ8から走査信号Vs0〜Vspが供給され、さらに信号線セレクタ6を介して表示制御装置5から画像信号SLd(0)〜SLd(p)が供給され、画像信号SLd(0)〜VLd(p)に従った画像を表示する。タッチ検出パネル部4は、表示制御装置5から駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が供給され、検出信号Rx(0)〜Rx(p)をタッチ制御装置7に出力する。
表示制御装置5は、制御部9および駆動回路10を有しており、駆動回路10は、画像信号を出力する信号線ドライバ(信号線駆動部)11と駆動信号Tx(0)〜Tx(p)を出力する駆動電極ドライバ(駆動電極駆動部)12とを有している。制御部9は、制御端子Ttに供給されるタイミング信号および制御信号と、画像端子Tdに供給される画像信号とを受け、画像端子Tdに供給された画像信号に応じた画像信号Snを信号線ドライバ11に供給する。信号線ドライバ11は、制御部9から供給された画像信号Snを、特に制限されないが、時間的に多重化して、信号線セレクタ6へ出力する。すなわち、信号線ドライバ11の1個の出力端子を見た場合、2つの画像信号を、時間的にずらしながら、1個の端子から出力する。
また、制御部9は、時間的に多重化された画像信号を、信号線セレクタ6において、互いに異なる信号線へ振り分けるための選択信号SEL1、SEL2を信号線セレクタ6に供給する。信号線セレクタ6は、多重化して供給された画像信号を、選択信号SEL1、SEL2によって互いに異なる信号線へ振り分け、画像信号SLd(0)〜SLd(p)として、液晶パネル部3に供給する。信号線セレクタ6は、液晶パネル部3の近傍に配置されている。このように、画像信号を時間的に多重化することにより、表示制御装置5と液晶パネル部3とを電気的に接続する配線の数を低減することが可能となる。言い換えるならば、表示制御装置5と液晶パネル部3との間を接続する配線の幅を広くし、画像信号の遅延を低減することが可能となる。
制御部9は、制御端子Ttに供給されるタイミング信号および制御信号に基づいて、ゲートドライバ8にタイミング信号を供給する。ゲートドライバ8は、供給されたタイミング信号に基づいて、走査信号Vs0〜Vspを発生し、液晶パネル部3に供給する。ゲートドライバ8によって発生される走査信号Vs0〜Vspは、例えば走査信号Vs0からVspに向かって順次ハイレベルとなるようなパルス信号である。
駆動回路10内の駆動電極ドライバ12は、タッチ制御装置7から供給される共通駆動信号ExVcomと駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)とを受け、液晶パネル2に含まれている複数の駆動電極TL(i、i=0〜p:図3等参照)から、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)によって指定されている駆動電極TL(i)を選択し、選択された駆動電極TL(i)に対して共通駆動信号ExVcomを駆動信号Tx(i)として供給する。
この実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1はインセルタイプであり、駆動電極TL(i)がタッチ検出の駆動と液晶の駆動とに兼用されている。すなわち、駆動電極TL(i)は、画像表示のときには、液晶を駆動するための電界を、後で述べる画素電極との間で形成するように機能し、タッチ検出のときには、タッチ検出用の駆動信号を伝達するように機能する。そのため、本明細書においては、以降、駆動電極TL(i)を共通電極TL(i)と称する。また、共通電極TL(i)が、タッチ検出用として機能する場合は、タッチ検出用であることを明示するために、共通電極TL(i)と称することもある。
図1には、共通電極TL(i)に供給される信号のうち、タッチ検出用の駆動に用いられる駆動信号Tx(i)のみが示されている。液晶パネル部3における液晶の画像表示とタッチ検出パネル部4におけるタッチ検出とは、時間的に重ならないように、時分割で行われる。ここでは、画像を表示する期間を表示期間と称し、タッチ検出を行う期間をタッチ検出期間と称する。
画像表示を行う表示期間においては、駆動電極ドライバ12は、液晶を駆動するための駆動信号を液晶パネル2内の共通電極TL(i)に供給し、タッチ検出を行う検出期間においては、タッチ検出のための駆動信号Tx(i)を、液晶パネル2内の共通電極TL(i)に供給する。表示期間においては、制御部9から、駆動電極ドライバ12に対して、液晶を駆動するための駆動信号が、供給されることになるが、図1では図面が複雑になるのを避けるために、省略されている。勿論、駆動回路10に、タッチ検出のための駆動電極ドライバと液晶を駆動するための駆動電極ドライバとを、別々に設けるようにしてもよい。また、制御部9は、表示期間とタッチ検出期間とを識別するタッチ−表示同期信号TSHDを出力する。
タッチ制御装置(タッチ制御部)7は、タッチ検出パネル部4からの検出信号Rx(0)〜Rx(p)を処理する検出信号処理部(判定部)TSと、共通電極TL(i)を制御する駆動処理部DSと、検出信号処理部TSおよび駆動処理部DSを制御する検出タイミング制御部19とを具備している。ここで、検出信号処理部TSは、タッチ検出パネル部4がタッチされたか否かを検出し、タッチされていた場合、タッチされた位置の座標を求める処理を行う。また、駆動処理部DSは、タッチ検出パネル部4において、タッチを検出する領域を指定する処理を行う。
まず、検出信号処理部TSについて述べると、この検出信号処理部TSは、タッチ検出パネル部4からの検出信号Rx(0)〜Rx(p)を受信し、受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)を増幅するタッチ検出信号増幅部13と、タッチ検出信号増幅部13によって増幅されたアナログの検出信号をデジタル信号へ変換するアナログ/デジタル変換部(以下、A/D変換部と称する)14とを含んでいる。ここで、タッチ検出信号増幅部13は、受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)から高い周波数の成分(ノイズ成分)を取り除き、増幅動作を行う。また、検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、後で図2を用いて説明するが、共通電極TL(i)に供給される駆動信号Tx(i)に応答して発生する。そのため、A/D変換部14は、駆動信号Tx(i)あるいは共通駆動信号ExVcomに同期して、タッチ検出信号増幅部13からの増幅信号をサンプリングし、デジタル信号へ変換する。
さらに、検出信号処理部TSは、A/D変換部14による変換動作によって得られたデジタル信号を受信し、当該デジタル信号に対して信号処理を行う信号処理部15と、信号処理部15の処理によって得られた信号から、タッチした位置の座標を抽出する座標抽出部16とを有している。信号処理部15で行われる信号処理としては、A/D変換部14で行ったサンプリングの周波数よりも高い周波数のノイズ成分を取り除き、タッチ検出パネル部4におけるタッチの有無を検出する処理が含まれる。座標抽出部16により抽出されたタッチされた位置の座標は、出力端子Toutから座標情報として出力される。
駆動処理部DSは、検出タイミング制御部19からの制御信号に応答して、共通電極TL(i)を駆動するための共通駆動信号ExVcomを発生する駆動信号発生部17と、制御端子Tcから供給される検出領域情報DIと、検出タイミング制御部19からの制御信号に基づいて、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)を発生する駆動領域指定部18とを有している。駆動領域指定部18は、制御端子Tcから供給される検出領域情報DIに基づいて、複数の共通電極TL(i)のうち、共通駆動信号ExVcomを供給する共通電極TL(i)を定め(特定し)、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)を発生する。
検出タイミング制御部19は、表示制御装置5の制御部9から出力されているタッチ−表示同期信号TSHDを受信し、このタッチ−表示同期信号TSHDがタッチ検出期間を表しているときに、駆動処理部DSが処理を行うように制御する。また、タッチ検出期間において、タッチ検出信号増幅部13が受信した検出信号Rx(0)〜Rx(p)を変換し、タッチした座標が抽出されるように、A/D変換部14、信号処理部15および座標抽出部16を制御する。
また、信号処理部15には、制御端子Tcから検出領域情報DIが供給されている。これは、液晶パネル2に含まれている複数の共通電極TL(i)のうち、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)により指定(特定)された共通電極TL(i)にのみ、共通駆動信号ExVcontが供給される場合には、指定された共通電極TL(i)に共通駆動信号ExVcontが供給されたときに発生する検出信号についてのみ、信号処理部15において、タッチの有無を検出するようにするためである。指定された共通電極TL(i)に対応する検出信号についてのみ、処理する構成としては、これに限定されない。例えば、A/D変換部14において、指定された共通電極TL(i)に対応する検出信号のみをサンプリングし、デジタル信号へ変換するようにしてもよい。
<静電容量型タッチ検出(相互容量方式)の基本原理>
図2(A)〜(C)は、実施の形態1において用いられている静電容量型タッチ検出の基本原理を示す模式図である。図2(A)において、TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、液晶パネル2に設けられた共通電極であり、RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、タッチ検出パネル部4に設けられた検出電極である。図2(A)において、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に平行して配置されている。また、検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、行方向に延在し、列方向に平行して配置されている。検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との間に隙間が生じるように、検出電極RL(0)〜R(p)は、共通電極TL(0)〜TL(p)の上方に形成されている。
図2(A)において、12−0〜12−pのそれぞれは、駆動電極ドライバ12内に設けられている単位駆動電極ドライバを示している。すなわち、単位駆動電極ドライバ12−0〜12−pから、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が出力される。また、13−0〜13−pのそれぞれは、タッチ検出信号増幅部13内の単位増幅部を示している。図2(A)において、実線の○で囲んだパルス信号は、共通駆動信号ExVcomの波形を示している。外部物体として、同図では、指がFGとして示されている。
駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)により指定された共通電極、この例では共通電極TL(2)に共通駆動信号ExVcomが駆動電極ドライバ12から駆動信号Tx(2)として供給される。共通電極TL(2)にパルス信号である共通駆動信号ExVcomを供給することにより、図2(B)に示すように、共通電極TL(2)と交差する検出電極RL(n)との間で電界が発生する。このとき、指FGが、液晶パネル2の共通電極TL(2)に近接している位置をタッチしていると、指FGと共通電極TL(2)との間でも電界が発生し、共通電極TL(2)と検出電極RL(n)との間で発生している電界が減少する。これにより、共通電極TL(2)と検出電極RL(n)との間の電荷量が減少する。その結果、図2(C)に示すように、共通駆動信号ExVcomの供給に応答して生じる電荷量は、指FGがタッチしているときは、タッチしていないときに比べてΔQだけ減少する。電荷量の差は、電圧の差として検出信号Rx(n)に表れ、タッチ検出信号増幅部13内の単位増幅部13−nに供給され、増幅される。
なお、図2(C)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電荷量を示している。共通駆動信号ExVcomの立ち上がり、すなわち駆動信号Tx(2)の電圧の立ち上がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、上側に増加)し、駆動信号Tx(2)の電圧の立ち下がりに応答して、電荷量は、増加(同図において、下側に増加)する。このとき、指FGのタッチの有無によって、増加する電荷量が変わる。また、この図面では、電荷量が、上側に増加した後、下側へ増加する前に、リセットが行われており、同様に、電荷量が下側へ増加した後、上側へ増加する前に、電荷量のリセットが行われている。このようにして、リセットされた電荷量を基準として、上下に電荷量が変化する。
駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)により指定した共通電極TL(0)〜TL(p)に、共通駆動信号ExComを供給することにより、指定した共通電極と交差する複数の検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれから、それぞれの交差部分に近接した位置に指FGがタッチしているか否かに応じた電圧値を有する検出信号Rx(0)〜Rx(p)が出力されることになる。A/D変換部14(図1)は、指FGがタッチしているか否かにより、電荷量に差ΔQが生じている時刻において、検出信号Rx(0)〜Rx(p)のそれぞれをサンプリングし、デジタル信号へ変換する。
<モジュール>
図3(A)は、実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュールの概略を示す平面図である。また、図3(B)は、図3(A)において、B−B’の断面図である。
液晶パネル2は、同図において縦方向に延在し、横方向に並列的に配置された信号線SL(0)〜SL(p)と、これらの信号線SL(0)〜SL(p)の延在方向と同じ方向に延在する複数の共通電極TL(0)〜TL(p)とを具備している。すなわち、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれも、同図において縦方向に延在し、横方向に並列的に配置されている。なお、選択信号Vs0〜Vspが供給される走査線および検出信号Rx(0)〜Rx(p)を伝達する検出電極RL(0)〜RL(p)は、同図において、横方向に延在し、縦方向に並列的に配置されているが、図3(A)では省略されている。
図1で説明した表示制御装置5および信号線セレクタ6は、液晶パネル2の短辺側に配置されている。すなわち、表示制御装置5および信号線セレクタ6は、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)と直交する方向に延在している。後で図6を用いて説明するが、信号線セレクタ6は、液晶パネル2と同じ基板に形成されており、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、信号線セレクタ6に接続されており、表示制御装置5から出力される画像信号および駆動信号は、信号線セレクタ6を介して液晶パネル2の信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)に供給されている。ここで、表示制御装置5から信号線セレクタ6へ供給される信号は、画像信号と、駆動信号と、選択信号である。液晶パネル2は、カラー表示を行うため、表示制御装置5から信号線セレクタ6へ供給される画像信号は、3原色に相当するR(赤)、G(緑)、B(青)の画像信号であり、同図ではR/G/Bとして示されている。また、同図では、駆動信号はTx(0)〜Tx(p)として示され、選択信号はSEL1、SEL2として示されている。
信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、ガラス基板であるTFT基板300の一主面に形成されている。図3に示したモジュールにおいては、1個の共通電極(例えば、共通電極TL(0))に対して、複数の信号線(例えば、信号線SL(0)0、SL(0)1)が対応しており、それぞれの信号線SL(0)0、SL(0)1は、画像信号R、G、Bに対応する3個の信号線を含んでいる。図3(B)には、信号線SL(0)0に含まれる画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)と、信号線SL(1)に含まれる画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)とが示されている。
ここで、本明細書で用いている、信号線の表記方法について説明をしておく。信号線SL(0)0(R)および信号線SL(1)0(R)を例にして説明すると、先ず()内の数字は、対応する共通電極の番号を示しており、次の数字は、対応する共通電極における画素の番号を示しており、()内の英字は、画素の三原色(R、G、B)を示している。すなわち、信号線SL(0)0(R)は、共通電極TL(0)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。同様に、信号線SL(1)0(R)は、共通電極TL(0)の隣に配置されたところの共通電極TL(1)に対応した信号線であり、0番目の画素で、三原色の赤に対応した画像信号を伝達する信号線を示している。そのため、図3(B)に示しているSL(1)1(R)およびSL(1)1(G)のそれぞれは、共通電極TL(1)に対応した信号線であり、1番目の画素の三原色の赤および緑に対応した画像信号を伝達する信号線を表していることになる。
図3(B)には、画像信号R、G、Bに対応する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)等の一主面と、TFT基板300の一主面には、さらに絶縁層301が形成され、絶縁層301上に共通電極TL(0)〜TL(p)が形成されている。これらの共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれには、補助電極SMが形成され、補助電極SMは、共通電極と電気的に接続され、共通電極の電気抵抗の低減を図っている。共通電極TL(0)〜TL(p)と補助電極SMの上面には、絶縁層302が形成され、絶縁層302の上面には画素電極LDPが形成されている。図3(B)において、CR、CB、CGのそれぞれは、カラーフィルタであり、カラーフィルタCR(赤)、CG(緑)、CB(青)と絶縁層302との間には液晶層303が挟まれている。ここで、画素電極LDPは、走査線と信号線との交点に設けられており、各画素電極LDPの上方に、それぞれの画素電極LDPに対応したカラーフィルタCR、CGあるいはCBが設けられている。各カラーフィルタCR、CG、CB間にはブラックマトリクスBMが設けられている。
図4は、検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との関係を示す模式図である。図4(A)に示すように、カラーフィルタCR、CG、CBの上方面には、ガラス基板であるCFガラス基板400が設けられ、CFガラス基板400の上方面に、検出電極RL(0)〜RL(p)が形成されている。さらに、検出電極RL(0)〜RL(p)の上方には偏光板401が形成されている。なお、ここでは、図4(A)に示すように、同図において上側から目視される場合を例にしているため、上方面として述べているが、目視の方向が変わることにより、上方面は、下方面あるいは側方面となることは言うまでもない。また、図4(A)においては、検出電極RL(0)〜RL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)との間に形成される容量素子の電極が破線で描かれている。
図3(A)および図4(C)に示すように、信号線SL(0)〜SL(p)および共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、縦方向、すなわち長辺方向に延在し、横方向、すなわち短辺方向に並列に配置されている。これに対して、検出電極RL(0)〜RL(p)は、図4(B)に示すように、CFガラス基板400に設けられ、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置されている。すなわち、図4(B)において、横方向(短辺)に延在し、縦方向(長辺)に並列的に配置されている。この検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれからの検出信号Rx(0)〜Rx(p)は、タッチ制御装置7へ供給される。
平面視で見た場合、図3(A)に示すように、信号線SL(0)〜SL(p)と共通電極TL(0)〜TL(p)は、平行して、延在していると見なすことができる。なお、ここで「平行して」とは、互いに一端から他端に亘るまで交わることなく延在することをいうのであって、一方の線の一部又は全部が他方の線に対して傾いた状態で設けられていたとしても、これらの線が一端から他端まで交わるものでなければ、この状態を「平行である」とする。
また、信号線セレクタ6および表示制御装置5を基点として、共通電極TL(0)〜TL(p)の配置を捉えた場合、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、基点である信号線セレクタ6および表示制御装置5から遠ざかる方向に延在していると見なすことができる。この場合、信号線SL(0)〜SL(p)も、基点である信号線セレクタ6および表示制御装置5から遠ざかる方向に延在していると見なすことができる。
なお、図4(A)では、図3(B)に示した信号線および画素電極LDPは省略されている。
(モジュールの全体構成)
図5は、タッチ検出機能付き液晶表示装置1を実装したモジュール500の全体構成を示す図である。モジュール500は、図3で説明したTFT基板300の領域501と、図4で説明したTFT基板300とCFガラス基板400とを有する領域502とを含んでいる。モジュール500において、TFT基板300は一体となっており、領域501と領域502とにおいて共通となっており、領域502には、図4に示したように、TFT基板300の上方面に、CFガラス基板400、検出電極RL(0)〜RL(p)および偏光板401等が、さらに形成されている。
この領域502には、モジュール500の長辺方向に沿って、図1に示したゲートドライバ8が実装されている。この実施の形態においては、複数の共通電極TL(0)〜TL(p)を挟む状態で、モジュール500の2つの長辺方向に沿ってゲートドライバ8が実装されている。この場合、図1において説明した走査線は、モジュールの短辺方向に沿って延在し、長辺方向に並列に配置されており、ゲートドライバ8に接続されている。また、領域502には、先に説明した信号線セレクタ6が実装されている。この実施の形態1においては、信号線セレクタ6は、モジュール500の短辺に沿って延在するように実装されている。一方、領域501には、表示制御装置5が実装されている。図5には、表示パネル2に含まれている共通電極TL(0)〜TL(p)が明示されており、それぞれの共通電極TL(0)〜TL(p)には、信号線セレクタ6を介して表示制御装置5から駆動信号Tx(0)〜Tx(p)が供給される。また、ゲートドライバ8には、走査信号Vs0〜Vspを形成するために、表示制御装置5からタイミング信号が供給される。図5では、CFガラス基板400の領域が、二点破線で囲むように描かれている。この実施の形態においては、CFガラス基板400の領域に、ゲートドライバ8および信号線セレクタ6が形成されているが、これに限定されるものではない。
図4において説明した検出電極RL(0)〜RL(p)は、モジュール500の長辺と表示パネル2の長辺との間に配置された配線を介して、フレキシブルケーブルFB1に接続されている。当該フレキシブルケーブルFB1には、図1で説明したタッチ制御装置7が実装されており、フレキシブルケーブルFB1内の配線を介して、タッチ制御装置7に検出電極RL(0)〜RL(p)における検出信号Rx(0)〜Rx(p)が供給される。また、領域501には、フレキシブルケーブルFB2が接続されており、表示制御装置5の端子はフレキシブルケーブルFB2内の配線に接続されている。
さらに、フレキシブルケーブルFB2には、コネクタCNが実装されている。このコネクタCNを介して、フレキシブルケーブルFB1とFB2とは電気的に接続されている。このコネクタCNを介して、表示制御装置5とタッチ制御装置7との間で複数の信号の送受信が行われる。図5には、この送受信される複数の信号のうち、領域指定信号TxCont、共通駆動信号ExVcomおよびタッチ−表示同期信号TSHDのみが示されている。すなわち、モジュール500は、領域502および領域501以外に、フレキシブルケーブルFB1、そのフレキシブルケーブルFB1に実装されたタッチ制御装置7、フレキシブルケーブルFB2およびコネクタCNを具備している。
この実施の形態1においては、特に制限されないが、表示制御装置5およびタッチ制御装置7のそれぞれは、1個の半導体集積回路装置によって構成されている。この場合、表示制御装置5を構成する半導体集積回路装置は、Chip On Glass(COG)として形成する。また、信号線セレクタ6およびゲートドライバ8のそれぞれも、半導体集積回路装置によって構成してもよい。この場合も、これらの半導体集積回路装置は、COGとして形成してもよい。
図5において、液晶パネル2の4辺に示したR、G、Bは、1つの画素を構成する副画素を示している。
<液晶素子配列>
図6は、液晶パネル2の回路構成を示す回路図である。同図において、一点鎖線で示した複数個のSPixのそれぞれは、1個の液晶表示素子を示している。液晶表示素子SPixは、液晶パネル2において、行列状に配置され、液晶素子配列LCDを構成している。液晶素子配列LCDは、各行に配置され、行方向に延在する複数の走査線GL0〜GLpと、各列に配置され、列方向に延在する信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)とを具備している。また、液晶素子配列LCDは、各列に配置され、列方向に延在する共通電極TL(0)〜TL(p)を有している。図6には、走査線GL0〜GL2と、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(1)0(R)、SL(1)0(G)、SL(1)0(B)と、共通電極TL(0)、TL(1)に関する液晶素子配列の部分が示されている。
図6においては、説明を容易にするために、共通電極TL(0)、TL(1)が、それぞれの列に配置されているように、示されているが、図3(A)および(B)において説明したように、複数の信号線に対して1個の共通電極が配置されているものと理解されたい。勿論、図6に示すように、液晶素子配列LCDのそれぞれの列に共通電極を配置してもよい。いずれにおいても、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、信号線と平行するように、液晶素子配列LCDの列に配置されている。
液晶素子配列LCDの行と列の交点に配置されたそれぞれの液晶表示素子SPixは、TFTガラス基板300に形成された薄膜トランジスタTrと、薄膜トランジスタTrのソースに一方の端子が接続された液晶素子LCとを具備している。液晶素子配列LCDにおいて、同じ行に配置された複数の液晶表示素子SPixの薄膜トランジスタTrのゲートは、同じ行に配置されている走査線に接続され、同じ列に配置された複数の液晶表示素子SPixの薄膜トランジスタTrのドレインは、同じ列に配置された信号線に接続されている。言い換えるならば、複数の液晶表示素子SPixが、行列状に配置され、各行には、走査線が配置され、走査線には、対応する行に配置された複数の液晶表示素子SPixが接続されている。また、各列には信号線が配置され、信号線には、対応する列に配置された液晶表示素子SPixが接続されている。また、同じ列に配置された複数の液晶表示素子SPixの液晶素子LCの他端は、列に配置された共通電極に接続されている。
図6に示した例で説明すれば、同図において、最上段の行に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのゲートは、最上段の行に配置された走査線GL0に接続されている。また、同図において、最も左側の列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの薄膜トランジスタTrのドレインは、最も左側の列に配置された信号線SL(0)0(R)に接続されている。また、最も左側の列に配置された複数の液晶表示素子SPixのそれぞれの液晶素子の他端は、図6においては、最も左側に配置された共通電極TL(0)に接続されている。先にも述べたように、1個の共通電極が、複数の信号線に対応している。そのため、図6に示した例では、共通電極TL(0)は、3列に対して共通の共通電極となっていると見なすことができる。
1個の液晶表示素子SPixが、先に述べた1個の副画素(サブ画素)に対応する。従って、3個の液晶表示素子SPixによって、R、G、Bの3原色の副画素が構成される。図6では、同じ行に、連続的に配置された3個の液晶表示素子SPixによって、1つの画素Pixが形成され、当該画素Pixにてカラーが表現されるものとなる。すなわち、図6において、600Rとして示されている液晶表示素子SPixが、R(赤)の副画素SPix(R)とされ、600Gとして示されている液晶表示素子SPixが、G(緑)の副画素SPix(G)とされ、600Bとして示されている液晶表示素子SPixが、B(青)の副画素SPix(B)とされる。そのために、600Rとして示されている副画素SPix(R)には、カラーフィルタとして赤色のカラーフィルタCRが設けられており、600Gの副画素SPix(G)には、カラーフィルタとして緑色のカラーフィルタCGが設けられており、600Bの副画素SPix(B)には、カラーフィルタとして青色のカラーフィルタCBが設けられている。
また、1つの画素を表す信号のうち、Rに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(R)に供給され、Gに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(G)に供給され、Bに対応する画像信号が、信号線セレクタ6から、信号線SL(0)0(B)に供給される。
各液晶表示素子SPixにおける薄膜トランジスタTrは、特に制限されないが、Nチャンネル型のトランジスタである。走査線GL0〜GLpには、例えばこの順番で順次ハイレベルとなるパルス状の走査信号Vs0〜Vsp(図1)が、ゲートドライバ8から供給される。すなわち、液晶素子配列LCDにおいて、上段の行に配置された走査線GL0から下段の行に配置された走査線GLpに向かって、走査線の電圧が、順次ハイレベルとなる。これにより、液晶素子配列LCDにおいて、上段の行に配置された液晶表示素子SPixから下段の行に配置された液晶表示素子SPixに向かって、液晶表示素子SPixにおける薄膜トランジスタTrが、順次オン状態となる。薄膜トランジスタTrがオン状態となることにより、そのとき信号線に供給されている画素信号が、オン状態の薄膜トランジスタを介して、液晶素子LCに供給される。液晶素子LCに供給された画素信号の値に従って、液晶素子LCにおける電界が変化し、その液晶素子LCを透過する光の変調が変わる。これにより、走査線GL0〜GLpに供給する走査信号Vs0〜Vspに同期して、信号線SL(0)0(R)、SL(0)0(G)、SL(0)0(B)〜SL(p)p(R)、SL(p)p(G)、SL(p)p(B)に供給した画像信号に応じたカラー画像が、液晶パネル2に表示されることになる。
ここで、図3および図5に示したモジュールの配置と、図6に示した回路図との対応を述べておくと、次のようになる。液晶素子配列LCDは行に沿った2つの辺と列に沿った2つの辺とを有している。行に沿った2つの辺のうちの一方の辺に、図3および図5において示した信号線セレクタ6および表示制御装置5は、配置される。すなわち、図6において、下側で、横方向に延在するように、信号線セレクタ6は、配置され、さらに信号線セレクタ6の下側に表示制御装置5が配置される。また、図5に示したゲートドライバ8は、液晶素子配列LCDの2つの列に沿った2辺にそれぞれ配置される。
1個の画素を構成する副画素の数が、3個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば上記RGBに加えて白(W)や黄色(Y)、又はRGBの補色(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))のいずれか1色又は複数色を加えた副画素で1つの画素としてもよい。
<信号線セレクタおよび駆動回路の構成>
図7は、図1に示した信号線セレクタ6および駆動回路10の回路構成を示す回路図である。図7には、液晶パネル2の一部も模式的に示されている。この図7において、液晶パネル2、信号線セレクタ6および駆動回路10の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。
この実施の形態1においては、タッチ−表示同期信号TSHDによってタッチ検出の動作が指示されたとき、タッチ制御装置7は、検出領域情報DI(図1)に基づいて、複数の共通電極TL(0)〜TL(p)から指定された共通電極を選択する駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)と、周期的に電圧値が変化する共通駆動信号ExVcomを出力する。すなわち、図1に示した駆動領域指定部18が、検出領域情報DIに基づいて、タッチを検出する領域に対応する駆動領域指定信号をハイレベルにし、タッチを検出しない領域に対応する駆動領域指定信号をロウレベルにする。また、図1に示した駆動信号発生部17が、検出タイミング制御部19からのタイミング信号に応答して、周期的に変化する共通駆動信号ExVcomを発生する。
駆動回路10に含まれている駆動電極ドライバ12(図1)は、複数の単位駆動電極ドライバ(単位駆動電極駆動部)TDU(0)〜TDU(p)を具備している。ここで、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)の数は、共通電極TL(0)〜TL(p)の数に対応しており、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のそれぞれの出力は、対応する共通電極TL(0)〜TL(p)に電圧配線CTL(0)〜CTL(p)を介して電気的に接続されている。図7には、これらの単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のうち、2つの単位駆動電極ドライバTDU(n)、TDU(n+1)が示されている。これに合わせて、共通電極および電圧配線も、単位駆動電極ドライバTDU(n)、TDU(n+1)に対応する共通電極TL(n)、TL(n+1)および電圧配線CTL(n)、CTL(n+1)が示されている。
実施の形態1においては、図7において横方向(液晶素子配列LCDにおいて、行方向)に配置された4個の画素に対して1個の共通電極が配置されている。図7に記載されている「R」、「G」、「B」のそれぞれは、副画素SPixを示している。従って、共通電極TL(n)は、図7において左側から4組の「R」、「G」、「B」に対して対応しており、同図において、縦方向(液晶素子配列において、列方向)に延在している。同様に、共通電極TL(n+1)は、図7において右側の4組の「R」、「G」、「B」に対応しており、縦方向(列方向)に延在している。これらの共通電極TL(n)、TL(n+1)は、電圧配線CTL(n)、CTL(n+1)を介して単位駆動電極ドライバTDU(n)、TDU(n+1)の出力に接続されている。
単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のそれぞれは、互いに同じ構成にされている。単位駆動電極ドライバTDU(n)を例にすると、単位駆動電極ドライバTDUは、電圧配線VCOMDCと電圧配線CTL(n)との間に並列接続されたスイッチ(第1スイッチ)S40〜S45と、電圧配線TSVCOMと電圧配線CTL(n)との間に並列接続されたスイッチ(第2スイッチ)S50〜S55と、ロジック回路(制御回路)LGとを有している。ロジック回路LGは、タッチ検出期間を示すタッチ制御信号VCOMSELとタッチ制御装置7から供給される駆動領域指定信号TxCont(n)とを受け、スイッチS40〜S45と、スイッチS50〜S55とを相補的にオン/オフするスイッチ制御信号を出力する。
ロジック回路LGに供給される駆動領域指定信号は、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)毎に異なっている。すなわち、単位駆動電極ドライバに含まれるロジック回路LGには、その単位駆動電極ドライバが対応する共通電極を選択する際にハイレベルとなる駆動領域指定信号が供給されるようにする。例えば、図7において、共通電極(n+1)を選択するとき、駆動領域指定信号TxCont(n+1)がハイレベルとなる。そのため、この駆動領域指定信号TxCont(n+1)は、単位駆動電極ドライバTDU(n+1)のロジック回路LGに入力される。
ロジック回路LGは、供給されているタッチ制御信号VCOMSELと駆動領域指定信号TxContが、ともにハイレベルのとき、スイッチS50〜S55のそれぞれをオン状態とし、スイッチS40〜S45をオフ状態とする。一方、タッチ制御信号VCOMSELおよび駆動領域指定信号TxContのいずれかがロウレベルの場合、ロジック回路LGは、スイッチS40〜S45をオン状態とし、スイッチS50〜S55をオフ状態とする。
駆動回路10内の信号線ドライバ11は、複数組の端子群SP11〜SP16を有している。それぞれの組の端子群SP11〜SP16は、1つの共通電極に対応する複数の画素の列、すなわち、行方向に配列された4個で、列方向に延在している複数の画素に対応している。例えば、図7において、左側に示されている組の端子群SP11〜SP16は、共通電極TL(n)に対応した複数の画素に対応している。これらの複数組の端子群SP11〜SP16には、制御部9から画像信号Snが、時分割で供給される。なお、図7では、図面が複雑になるのを避けるために、画像信号Snを1個の信号として示しているが、実質的に同時に複数の画像信号を供給することが可能となるように、複数の信号線であると理解されるべきものである。
また、端子群SP11〜SP16は、テストの際に、制御部9から出力されるテスト信号Tsによりオン/オフ制御されるスイッチS31、S32、S33を介してテスト信号線Ts1、Ts2、Ts3に接続されている。テストの際には、テスト信号Tsにより、スイッチS31、S32、S33がオン状態にされる。また、このときには、制御部9からテスト信号線Ts1、Ts2およびTs3に適時ロウレベルが供給される。これにより、テストの際に、液晶パネル2の信号線SL(0)〜SL(p)に適時ロウレベルを供給することが可能となり、テストを行うことが可能となる。
信号線セレクタ6は、制御部9からの選択信号SEL1、SEL2によってオン/オフ制御される複数組のスイッチS11、S12およびスイッチS21、S22を有している。スイッチS11、S12とスイッチS21、S22とは、表示パネル2に画像を表示する際、相補的にオン/オフするように制御される。すなわち、スイッチS11とスイッチS12とが、選択信号SEL1によってオン状態にされているとき、スイッチS21、S22は、制御信号SEL2によってオフ状態とされる。反対に、スイッチS21、S22がオン状態にされているとき、スイッチS11、S12はオフ状態とされる。
時分割で、端子SP11〜SP16へ供給された画像信号は、スイッチS11、S12およびスイッチS21、S22によって、適切な信号線へ供給される。例えば、同図において最も左側に示した端子SP11には、特定の1つの画素における副画素SPix(R)に供給されるべき画像信号と、当該1つの画素における副画素SPix(B)に供給されるべき画像信号とが、時分割で供給される。また、当該端子SP11の隣の端子SP12には、当該1つの画素における副画素SPix(G)に供給されるべき画像信号と、当該1つの画素の右隣の画素における副画素SPix(R)に供給されるべき画像信号とが時分割で供給される。選択信号SEL2によって、スイッチS21とS22とがオン状態にされると共に、選択信号SEL1によって、スイッチS11とS12とがオフ状態にされると、端子SP11に供給されている画像信号は、信号線SL(n)0(R)に供給されると共に、端子SP12に供給されている画像信号は、スイッチS22を介して信号線SL(n)0(G)に供給される。次に、選択信号SEL1によって、スイッチS11、S12がオン状態にされると共に、選択信号SEL2によって、スイッチS21とS22とがオフ状態にされると、端子SP11に供給されている画像信号は、信号線SL(n)0(B)に供給され、同時に、端子SP12に供給されている画像信号は、信号線SL(n)1(R)に供給される。
これにより、信号線SL(n)0(R)、SL(n)0(G)、SL(n)0(B)には、1画素に対応した3個の副画素の画像信号が供給されることになる。また、右隣の信号線SL(n)1(R)にも、画像信号が供給されることになる。図5に示したように信号線セレクタ6は、液晶パネル2に近接して配置されている。このように、時分割で画像信号を、駆動回路10から信号線セレクタ6に供給するようにしたことで、信号配線の数を低減させることが可能となる。言い換えるならば、当該信号配線の幅を大きくし、当該信号配線での画像信号の遅延を低減することが可能となる。
なお、図7において、8−oおよび8−pは、ゲートドライバ8を構成する複数の単位ゲートドライバの例を示している。単位ゲートドライバ8−oおよび8−pは、制御部9からのタイミング信号を受けて、走査信号Vso、Vspを発生し、走査線GLo、GLpへ供給する。また、図7では、図6において示した薄膜トランジスタTrと液晶素子LCが、左側の副画素SPix(R)に示されている。
<タッチ検出動作>
図8(A)〜(K)は、実施の形態1に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の動作を示すタイミング図である。以下、図1、図7および図8を主に用いて、このタッチ検出機能付き液晶表示装置1の動作を説明する。
タッチ検出機能付き液晶表示装置1は、2つの期間に分けて動作する。すなわち、液晶パネル2に画像を表示する表示期間とタッチの検出を行うタッチ検出期間とに分けて動作する。表示期間であるかタッチ検出期間であるかを示すタッチ−表示同期信号TSHDが、制御部9によって生成される。
タッチ検出機能付き液晶表示装置1は、図8(D)に示すように、タッチ−表示同期信号TSHDがロウレベルのとき、表示期間として動作し、ハイレベルのとき、タッチ検出期間として動作する。
時刻t1以前の表示期間において、制御部9は、交互にハイレベルとなる選択信号SEL1、SEL2を発生するとともに、画像信号Snを信号線ドライバ11へ供給する。また、このとき、制御部9は、ゲートドライバ8に対してタイミング信号を供給する。これにより、ゲートドライバ8を構成する複数の単位ゲートドライバのうちの所定の単位ゲートドライバ(例えば、8−p)からハイレベルへ変化する走査信号Vspが走査線GLpへ供給される。これにより、走査線GLpに接続された複数の副画素SPixにおける薄膜トランジスタTrがオン状態となる。このとき、信号線ドライバ11の端子SP11〜SP16のそれぞれからは、時分割的に画像信号が出力され、信号線セレクタ6が、選択信号SEL1、SEL2によって、時分割の画像信号を適切な信号線に供給している。そのため、信号線に供給されている画像信号は、走査線GLpに接続された複数の副画素SPixにおける薄膜トランジスタTrを介して、液晶素子LCに印加され、表示が行われる。このように、画像信号Snの供給、選択信号SEL1、SELによる選択、および走査線GL0〜GLpへハイレベルの走査信号を順次供給することにより、画像信号Snに応じた画像が液晶パネル2に表示される。
時刻t1において、制御部9が、タッチ−表示同期信号TSHDをロウレベルからハイレベルへ変化させる。これにより、タッチ検出動作が開始される。
タッチ制御装置7の検出タイミング制御部19は、タッチ−表示同期信号TSHDがハイレベルとなることにより、駆動領域指定部18および駆動信号発生部17を動作させる。駆動領域指定部18は、端子Tcに供給されている検出領域情報DIに基づいて、タッチを検出する共通電極を指定する駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)を発生する。図8に示した例では、検出領域情報が、共通電極TL(0)〜TL(p)の内、共通電極TL(n+1)を、タッチを検出する共通電極として指定している場合が示されている。そのため、駆動領域指定部18は、この共通電極TL(n+1)に対応する駆動領域指定信号TxCont(n+1)をハイレベルに変化させ、残りの駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(n)およびTxCont(n+2)〜TxCont(p)をロウレベルの状態で維持する(図8(G)〜(J))。一方、駆動信号発生部17は、動作を開始することにより、図8(E)に示すように、周期的にハイレベルとなる共通駆動信号ExVcomを発生する。
制御部9は、次に、時刻t2において、タッチ制御信号VCOMSELをロウレベルからハイレベルへ変化させる。タッチ制御信号VCOMSELがハイレベルとなることにより、駆動電極ドライバ12を構成する複数の単位駆動電極ドライバの内、ハイレベルの駆動領域指定信号TxCont(n+1)が供給されている単位駆動電極ドライバTDU(n+1)が動作を行う。すなわち、単位駆動電極ドライバTDU(n+1)におけるスイッチS50〜S55がオン状態となり、残りの単位駆動電極ドライバにおけるスイッチS50〜S55はオフ状態となる。なお、このとき、単位駆動電極ドライバTDU(n+1)におけるスイッチS40〜S45は、オフ状態となり、残りの単位駆動電極ドライバにおけるスイッチS40〜S45はオン状態となる。
この実施の形態1においては、駆動信号発生部17において発生した共通駆動信号ExVcomは、駆動回路10の電圧配線TSVCOMに供給されている。そのため、電圧配線TSVCOMの電圧は、共通駆動信号ExVcomと同期して、図8(F)に示すように変化する。また、駆動回路10の電圧配線VCOMDCには、接地電圧が供給されている。
そのため、駆動領域指定信号TxCont(n+1)によって動作状態とされた単位駆動電極ドライバTDU(n+1)からは、スイッチS50〜S55および電圧配線CTL(n+1)を介して、電圧配線TSVCOMにおいて周期的に変化している電圧が供給されることになる。すなわち、共通駆動信号ExVcomが、駆動信号Tx(n+1)として、単位駆動電極ドライバTDU(n+1)から出力される。一方、残りの単位駆動電極ドライバにおいては、スイッチS40〜S45がオン状態のため、電圧配線VCOMDCにおける接地電圧が、これらのスイッチおよび電圧配線CTLを介して、対応する共通電極TL(0)〜TL(n)、TL(n+2)〜TL(p)に供給される。
共通電極TL(n+1)には、電圧配線TSVCOMを介して周期的に電圧が変化する共通駆動信号ExVcomが、駆動信号Tx(n+1)として供給されることにより、この駆動電極TL(n+1)と交差した検出電極RL(0)〜RL(p)には、交差した位置がタッチされているか否かに応じた電荷量の差が発生し、検出信号Rx(0)〜Rx(p)として、タッチ制御装置7のタッチ検出信号増幅部13に供給される。タッチ検出信号増幅部13で増幅された検出信号は、図1において説明したように、タッチされた位置の座標情報として出力される。
なお、時刻t3において、制御部9は、タッチ−表示同期信号TSHDおよびタッチ制御信号VCOMSELをロウレベルへ変化させる。これにより、時刻t3以降は、表示動作となる。時刻t3で、制御部9は、画像信号Snを接地電圧GNDにし、時刻t4において、選択信号SEL1、SEL2のそれぞれをハイレベルへ変化させる。これにより、信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、接地電圧へリセットされ、以後は画像信号Snに応じた画像を表示するように動作する。
このようにして、指定(特定)した共通電極に対してのみ、共通駆動信号ExVcomを供給することで、任意の共通電極と交差する位置のみについて、タッチ検出を行うことが可能となる。また、共通電極TL(0)〜TL(p)は、画像信号を供給する信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)と同じ方向に延在している。すなわち、液晶素子配列LCDにおいて、信号線が配置される列に沿って、共通電極も延在している。そのため、共通電極TL(0)〜TL(p)を駆動する駆動電極ドライバ12は、信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)を駆動する信号線ドライバ11と同じ様に、液晶素子配列LCDの行に沿った一方の辺に配置することが可能となる。言い換えるならば、図5において、液晶パネル2の横側面とモジュールの横側面との間に、駆動電極TL(0)〜TL(p)を駆動する駆動電極ドライバ12を設けなくて済む。そのため、液晶パネル2の横側面とモジュールの横側面との間の距離を短くすることが可能となる。
モジュールは、例えば、図20に示すような携帯電話(所謂スマートフォーン)に搭載される。この場合、ディスプレイ2000の部分に、液晶パネル2が表れるように搭載される。液晶パネル2の横側面とモジュールの横側面との間の距離を短くすることにより、スマートフォーンの筐体2001のディスプレイ2000周囲の額縁領域を狭めることが可能となる。あるいは、筐体2001のサイズを同じにした場合には、ディスプレイ2000の拡大化を図ることが可能となる。なお、図20において、2002は、受話口を示し、2003は、送話口を示し、2004〜2006は、操作ボタンを示している。勿論、図20に示したスマートフォーンの構成は一例であって、これに限定されるものではない。
また、実施の形態1においては、タッチ制御装置7から出力される駆動領域指定信号TxVcom(0)〜TxVcom(p)は、電圧配線TSVCOMに供給されている共通駆動信号ExVcomを、駆動信号Tx(0)〜Tx(p)として、共通電極TL(0)〜TL(p)へ供給するか否かを決める信号であり、共通電極TL(0)〜TL(p)を充放電するための信号ではない。そのため、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の駆動能力は低くても、指定されている共通電極を充放電することが可能となる。これにより、駆動電極ドライバ12の小型化あるいは省電力化を図ることが可能となる。なお、実施の形態1においては、共通駆動信号ExVcomが供給される配線TSVOMを電圧配線と称しているが、信号が供給されると言う観点で見た場合、配線TSVCOMは信号配線であると見なすこともできる。
共通電極TL(0)〜TL(p)は、信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)と交差せず、同じ方向(列方向)に延在している。1つの共通電極と複数の信号線が交差すると、当該共通電極には、複数の信号線との間で寄生容量が発生することになり、共通電極の電圧を、駆動信号に従って変化させる際に、遅延が生じることが考えられる。実施の形態1によれば、共通電極は、信号線とは交差せずに、平行して配置される。この場合、例えば図3(A)に示すように、平面視でみたとき、平行配置されている信号線と共通電極との間に寄生容量が発生するが、複数の信号線と交差する場合に発生する寄生容量に比べてその値を小さくすることが可能である。その結果として、共通電極の電圧変化の遅延を低減することが可能である。
さらに、図8(A)および(B)に示したように、タッチ検出期間においては、選択信号SEL1、SEL2がロウレベルにされている。これにより、タッチ検出期間においては、信号線セレクタ6内のスイッチS11、S12、S21、S22がオフ状態とされているため、信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)のそれぞれは、フローティング状態となっている。これにより、共通電極の電圧変化の遅延を低減することが可能となる。
図1においては、端子Tcを介して検出領域情報DIを駆動領域指定部18へ供給するようにしていたが、これに限定されない。例えば、端子Tcを設けず、予め定めた共通電極が、駆動領域指定部18によって指定される様にしてもよい。
また、図8では、1つの共通電極に対して、共通駆動信号ExVcomが、駆動信号として供給される例を示したが、これに限定されない。例えば互いに近接した複数の共通電極が、駆動領域指定部18によって指定されるようにしてもよい。このようにした場合、図7に示した単位駆動電極ドライバTDU(n)とTDU(n+1)のそれぞれから、共通電極TL(n)とTL(n+1)に、共通駆動信号ExVcomが供給されることになる。所謂、束ね駆動となる。この場合には、実質的に同時に駆動される共通電極が複数となるため、共通電極によって発生する電界量を大きくすることが可能となり、タッチ検出の精度を高くすることが可能となる。
さらに、駆動領域指定部18は、共通電極を指定する駆動領域指定信号を出力した後、その共通電極に隣接した共通電極を指定する駆動領域指定信号を出力するようにしてもよい。このためには、例えば、駆動領域指定部18にカウンタを設け、検出領域情報DIに基づいた駆動領域指定信号を、カウンタにセットし、順次カウンタをカウントアップあるいはカウントダウンすることにより、順次、駆動領域指定信号を発生するようにすればよい。このようにすることにより、特定の位置に配置された共通電極に対して、共通駆動信号ExVcomを供給した後、隣接する共通電極に、共通駆動信号ExVcomを供給することが可能となる。すなわち、任意の共通電極から任意の共通電極まで、部分的に共通駆動信号ExVcomを供給することが可能となり、任意の領域におけるタッチをスキャンし、検出することが可能となる。
(実施の形態2)
<モジュールの全体構成>
図9は、実施の形態2に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1を適用したモジュールの構成を示す図である。図9は、図5に示したモジュールの構成と類似しているので、ここでは相違点のみを主に説明する。
図5に示したモジュールにおいては、タッチ制御装置7から共通駆動信号ExVcomが、表示制御装置5へ供給されていた。これに対して、実施の形態2に係わるモジュールにおいては、共通駆動信号ExVcomのハイレベルに相当する電圧を発生する電圧発生回路が、モジュールに設けられる。この電圧発生回路は、表示制御装置5に内蔵してもよいし、表示制御装置5およびタッチ制御装置7とは別に用意し、モジュールに実装するようにしてもよい。実施の形態2においては、指定された共通電極に供給される駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)は、周期的にその電圧が変化し、指定された共通電極には、この周期的な電圧変化に同期して、電圧発生回路により発生された電圧が、供給される。すなわち、指定された共通電極に供給される駆動信号の周期が、駆動領域指定信号によって定められる。モジュールに実装されるタッチ制御装置および表示制御装置の構成も、実施の形態1とは異なる。実施の形態2で用いられるタッチ制御装置1000および表示制御装置1100の構成については、後で説明する。
<タッチ制御装置の構成>
図10は、実施の形態2において用いられるタッチ制御装置1000の構成を示すブロック図である。図10には、図1で説明したタッチ制御装置7と異なる部分のみが主に示されている。タッチ制御装置1000は、図1において説明した検出信号処理部TSと同様な検出信号処理部を有しているが、その構成は図1において説明した検出信号処理部TSと同じであるため、図10においては省略されている。
タッチ制御装置1000は、図1において説明した駆動信号発生部17および駆動領域指定部18を有しておらず、代わりに駆動領域指定部1001、クロック発生部1002およびコード発生部1003を具備している。図10では、説明の都合上、タッチ−表示同期信号TSHDに基づいて制御信号を発生する検出タイミング制御部19も示されている。
クロック発生部1002は、検出タイミング制御部19からの制御信号に基づいて、実施の形態1において述べた共通駆動信号ExVcomに相当するクロック信号φ、/φを発生する。このクロック信号φ、/φは、共通駆動信号ExVcomと同様に、周期的にその電圧が変化するクロック信号である。但し、クロック信号φ、/φは、タッチを検出する際に、共通電極TL(0)〜TL(p)に、駆動信号として供給されるクロック信号ではないため、クロック発生部1002の駆動能力は低くてよい。また、クロック信号/φは、クロック信号φに対して位相が反転されたクロック信号であることを示している。
コード発生部1003は、後で図12および図14を用いて説明するが、選択された共通電極に供給される駆動信号をコード化するためのコードを発生する。例えば、このコード発生部1003に、コード化をするためのコードパターンが、予め格納される。
駆動領域指定部1001は、クロック発生部1002によって発生されたクロック信号φ、/φと、端子Tcからの検出領域情報DIと、検出タイミング制御部19からの制御信号と、コード発生部1003からのコードパターンとを受信し、駆動領域指定部18(図1)と同様に、タッチ検出期間において、駆動領域指定信号TxCom(0)〜TxCom(p)を出力する。この場合、駆動領域指定部1001は、検出領域情報DIによって指定されている共通電極に対して、クロック発生部1002から供給されているクロック信号φあるいはクロック信号/φを、駆動領域指定信号として供給する。一方、検出領域情報DIによって指定されていない共通電極に対して、駆動領域指定部1001は、駆動領域指定部18と同様に、ロウレベルの電圧を、駆動領域指定信号として供給する。すなわち、指定されている共通電極に対応する駆動領域指定信号は、タッチ検出期間の間、クロック信号φあるいはクロック信号/φに同期して、電圧値が変化する。一方、指定されていない共通電極に対応する駆動領域指定信号は、タッチ検出期間の間、ロウレベルとなる。
指定された駆動領域に対応する駆動領域指定信号として、クロック信号φあるいはクロック信号/φを供給するかは、コード発生部1003から供給されるコードパターンによって決められる。
この実施の形態2においては、検出領域情報DIによって、液晶パネル2に形成されている共通電極TL(0)〜TL(p)から、複数の共通電極が実質的に同時に指定され、指定された複数の共通電極のそれぞれに、クロック信号φあるいは/φに同期した電圧が供給される。
<表示制御装置の構成>
図11は、実施の形態2に係わる表示制御装置1の構成を示す回路図である。図11には、実施の形態1において説明した図7と同様に、信号線セレクタ6、駆動回路10の構成が主に示されている。図11に示した構成は、実施の形態1で説明した図7に類似しているので、ここでは主に相違点のみを説明する。勿論、図7と同様に、液晶パネル2、信号線セレクタ6および駆動回路10の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。
図11において、表示制御装置1100は、実施の形態1において述べた共通駆動信号ExVcomのハイレベルに相当する電圧を発生する電圧発生回路1101を具備している。電圧発生回路1101は、発生した電圧を、駆動回路10に設けられている電圧配線TSVCOMに供給する。図11においては、電圧発生回路1101が、表示制御装置1100に設けられているが、既に述べたように、電圧発生回路1101は、表示制御装置1100およびタッチ制御装置1000とは、別にモジュールに搭載してもよい。
駆動電極ドライバ12内の単位駆動電極ドライバTUD(0)〜TUD(p)のそれぞれには、タッチ制御装置1000から対応する駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)が供給される。
タッチ制御装置1000における駆動領域指定部1001(図10)は、既に述べたように、タッチ検出期間において、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)のうち、指定しない共通電極に対応する駆動領域指定信号をロウレベルとし、指定する共通電極に対応する駆動領域指定信号をクロック信号φ、あるいはクロック信号/φに同期した信号とする。これにより、共通電極TL(0)〜TL(n)のうち、指定しない共通電極には、その共通電極に対応する単位駆動電極ドライバ内のロジック回路LGに、タッチ検出期間の間、ロウレベルの駆動領域指定信号が供給される。これにより、単位駆動電極ドライバ内のスイッチS40〜S45が、タッチ検出期間の間、オン状態にされる。その結果として、タッチ検出期間の間、指定されていない共通電極には、電圧配線VCOMDCに給電されている接地電圧が供給されることになる。
これに対して、指定されている共通電極に対応する駆動領域指定信号は、タッチ検出期間の間、クロック信号φあるいは/φに同期して、周期的に電圧が変化する。これにより、この駆動領域指定信号が供給される単位駆動電極ドライバ内のロジック回路LGは、単位駆動電極ドライバ内のスイッチS40〜S45と、スイッチS50〜S55とを、クロック信号φあるいは/φに同期して、交互にオン/オフさせる。その結果として、指定されている共通電極には、駆動電極ドライバ12から、電圧配線TSVCOMにおけるハイレベルの電圧と、電圧配線VCOMDCに供給されているロウレベルの電圧とが、タッチ検出期間の間、駆動信号として供給されることになる。
この実施の形態2においては、液晶パネル2に含まれている共通電極TL(0)〜TL(p)を充放電するためのハイレベルの電圧とロウレベルの電圧が、タッチ制御装置1000から供給されるのではなく、ハイレベルの電圧は、電圧発生回路1101によって発生された電圧が用いられ、ロウレベルは、表示制御装置1100内の電圧が用いられることになる。そのため、タッチ制御装置1000から出力される信号の駆動能力は低くても、遅延時間を長くなるのを抑制しながら、共通電極TL(0)〜TL(p)を充放電することが可能となる。特に、実施の形態2においては、複数の共通電極が実質的に同時に駆動される。この場合でも、それぞれの駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の駆動能力は低くて済む。
<コード化の原理>
次に、コード発生部1003から出力されるコードによる駆動信号のコード化について、原理を説明する。
図12(A)〜(C)は、実施の形態2に適用するCDM(CODE Division Multiplexing)駆動の原理を説明するための説明図である。CDM駆動においては、複数の駆動信号が、複数の共通電極に、実質的に同時に供給される。
図12(A)には、縦方向に延在し、横方向に並列に配置された共通電極TL(n)〜TL(n+3)と、これらの共通電極TL(n)〜TL(n+3)と交差するように、横方向に延在し、縦方向に並列的に配置された検出電極RL(0)〜RL(3)とが示されている。平面視で見ているため、共通電極TL(n)〜TL(n+3)と検出電極RL(0)〜RL(3)とが重なって見えるが、共通電極TL(n)〜TL(n+3)と検出電極RL(0)〜RL(3)との間は、離間され、電気的に分離されている。また、同図において、FGは、指を示しており、この例では、共通電極TL(n+1)と検出電極RL(0)との交差付近を指FGがタッチしている状態を示している。共通電極TL(n)〜TL(n+3)には、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)が、実質的に同時に供給され、検出電極RL(0)〜RL(3)からは、検出信号Rx(0)〜Rx(3)が、実質的に同時に出力される。
図12(B)には、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)をコード化する際に用いるコードが、行列(1)で示されている。行列(1)は、4行R1〜R4×4列C1〜C4の行列であり、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)は、この行列(1)に従って変調される。変調において、行列(1)における各行R1〜R4は、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)のそれぞれに対応し、駆動信号を変調させる係数を示している。駆動信号を変調させる係数は、時間の経過に沿って、同図において列方向C1からC4へ変化する。すなわち、行列(1)において、第1行目の行R1にある数値(−1、1、1、1)は、対応する駆動信号Tx(n)の係数であり、時間の経過に沿って、駆動信号Tx(n)に与えられる係数が、−1(列C1)、1(列C2)、1(列C3)、1(列C4)の順に変わる。同様に、行列(1)の行R2にある数値は、駆動信号Tx(n+1)の係数であり、時間の経過に沿って、係数の値が、列C1から列C4の方向へ変わり、行R3の数値は、駆動信号Tx(n+2)の係数であり、列C1から列C4の方向へ順に変わり、行R4の数値は、駆動信号Tx(n+3)の係数であり、列C1から列C4の方向へ順に変わる。コード化の際、すなわち変調の際には、行列(1)における係数に従って、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)のそれぞれの電圧変化の方向が変更される。
図12(C)には、行列(1)に従って変調された駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)の電圧変化が示されている。また、図12(C)の下側には、検出電極RL(0)における検出信号Rx(0)の電圧変化が示されている。図12(C)において、横軸は時間を示している。時刻t11においては、列C1における係数(−1、1、1、1)に従って、対応する駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)の電圧変化の方向が定められる。以下同様にして、時刻t12においては、列C2における係数(1、−1、1、1)に従って、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)の電圧変化の方向が定められ、時刻t13においては、列C3における係数(1、1、―1、1)に従って、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)の電圧変化の方向が定められ、時刻t14においては、列C4における係数(1、1、1、―1)に従って、駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)の電圧変化の方向が定められる。ここで、電圧変化の方向は、係数が1の場合には、立ち上がる電圧波形とされ、係数が−1の場合には、立ち下がる電圧波形とされる。
先に図2において述べたように、指FGが共通電極と検出電極との交差点の近傍をタッチすると、共通電極に駆動信号を供給したとき、共通電極と検出電極との間の電荷量が、減少する。ここでは、説明の都合上、指FGがタッチしたことにより、電荷量が減少し、検出電圧が0.2V減少するものとする。また、駆動信号の電圧変化が立ち上がる場合には、検出電極には1Vの検出信号が発生し、駆動信号の電圧変化が立ち下がる場合には、検出電極に−1Vの検出電圧が発生するものとする。勿論、指FGがタッチしている場合は、電荷量が減少するため、駆動信号が立ち上がるときの検出電極の電圧は0.8V(1−0.2V)となり、駆動信号が立ち下がるときの検出電極の電圧は−0.8V(−1+0.2V)となるものとする。
時刻t11においては、図12(C)に示すように、共通電極TL(n)に立ち下がる電圧変化の駆動信号Tx(n)が供給され、共通電極TL(n+1)〜TL(n+3)のそれぞれには、立ち上がる電圧変化の駆動信号Tx(n+1)〜Tx(n+3)が供給される。この場合には、検出電極RL(0)と共通電極TL(n)、TL(n+2)、TL(n+3)のそれぞれの交差部の近傍がタッチされていないため、共通電極TL(n)と交差する部分における検出電極RL(0)の電圧値は、−1Vとなり、共通電極TL(n+2)およびTL(n+3)のそれぞれと交差する部分における検出電極RL(0)の電圧値は、1Vとなる。これに対して、検出電極RL(0)と共通電極TL(n+1)との交差部の近傍はタッチされているため、共通電極TL(n+1)と交差する部分における検出電極RL(0)の電圧値は、0.8Vとなる。そのため、時刻t11における検出電極RL(0)で発生する検出信号Rx(0):t11は、これらの合計電圧値となり、1.8Vとなる。
以下同様にして、時刻t12では、行列(1)の列C2に示した係数に従った駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)が、共通電極TL(n)〜TL(n+3)に供給され、時刻t13では行列(1)の列C3に示した係数に従った駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)が、共通電極TL(n)〜TL(n+3)に供給され、時刻t14では行列(1)の列C4に示した係数に従った駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)が、共通電極TL(n)〜TL(n+3)に供給される。これにより、検出電極RL(0)と共通電極TL(n)〜TL(n+3)のそれぞれの交差部分における電圧は、図12(C)において、時刻t12〜t13のように変化する。その結果、検出電極RL(0)に発生する検出信号Rx(0)の電圧の合計電圧値は、Rx(0):t12〜Rx(0):t14のように変化する。すなわち、合計電圧値は、2.2V、1.8V、1.8Vと変化する。
このようにして発生した検出電極RL(0)における検出信号Rx(0)の合計電圧値Rx(0):t11〜Rx(0):t14を、4行1列の配列(2)として表現する(図12(B))。この行列(2)と行列(1)との間で行列演算を実施することにより、行列(3)が得られる(図12(B))。行列(3)において、共通電極TL(n+1)に対応する行R2の値が、他の行R1、R3、R4(共通電極TL(n)、TL(n+2)、TL(n+3)に対応)の値に比べて低くなっている。これにより、共通電極TL(n+1)と検出電極RL(0)との交差部分の近傍がタッチされたことが検出される。すなわち、合計電圧が低くなっているときに、係数が−1となっている駆動信号(この例では、駆動信号Tx(n+1))に対応する共通電極(Tl(n+1))が、タッチされた共通電極であり、合計電圧が低くなっている検出電極が、タッチされた検出電極(この例では、検出電極RL(0))として検出される。
また、行列(3)において、行R2の値は、3.2Vであり、他の行R1、R3、R4のそれぞれの値は4.0Vとなる。タッチしたか否かにより、0.2V減少すると仮定しているが、その4倍に相当する0.8Vの電圧差を得ることができる。そのため、共通電極に供給する駆動信号の電圧を高くしなくても、タッチしているか否かによって生じる電圧差を大きくすることが可能となり、検出精度の向上を図ることが可能となる。
検出電極RL(0)を例にして説明したが、他の検出電極RL(1)〜RL(3)のそれぞれについても、検出電極RL(0)と同様にして、時刻t11〜t14でのそれぞれの合計電圧値を求める。すなわち、行列(1)に示した係数に従った駆動信号Tx(n)〜Tx(n+3)が、時刻t11〜t14において、順次、共通電極TL(n)〜TL(n+3)へ供給されたとき、検出電極RL(1)〜RL(3)のそれぞれにも、合計電圧値を持つ検出信号Rx(1)〜Rx(3)が発生する。検出電極RL(1)〜RL(3)のそれぞれについて、時刻t11〜t14での合計電圧値を行列(2)で表し、行列(1)との間で行列演算を行う。これにより、上記した検出電極RL(0)の場合と同様に、検出電極RL(1)〜RL(3)と共通電極TL(n)〜TL(n+3)との交差部分がタッチされているか否かを検出することが可能となる。この場合、検出電極RL(1)〜RL(3)はタッチされていないため、行列演算により求めた電圧値は、4.0Vとなる。この電圧値(4.0V)から、検出電極RL(1)〜RL(3)は、タッチされていないことが判定される。
<タッチ検出動作>
図10に示したコード発生部1003は、図12に示した行列(1)に相当する情報を格納している。駆動領域指定部1001は、検出領域情報DIによって指定されている共通電極に対応する駆動領域指定信号を出力するとき、図12において説明した係数に従ってクロック信号φあるいは反転位相のクロック信号/φを、駆動領域指定信号として出力する。すなわち、図12において説明したように係数が1の場合には、例えばクロック信号φを駆動領域指定信号として出力し、係数が−1の場合には、反転位相のクロック信号/φを、駆動領域指定信号として出力する。
図13(A)〜(L)は、実施の形態2に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の動作を示すタイミング図である。図13(A)〜(D)は、図8と同様であるため、これらの説明は省略する。また、図13(L)は、図8(K)と同様であるため、説明を省略する。さらに、表示期間における動作は、実施の形態1と実施の形態2とでは、同じであるため、ここでは省略する。
図13(E)は、電圧発生回路1101により発生された電圧TPHを示している。この電圧TPHは、実施の形態1で述べた共通駆動信号ExVcomのハイレベルに相当する電圧を有しており、表示期間およびタッチ検出期間において、電圧配線TSVCOMに供給されている。図13(F)〜(K)は、タッチ制御装置1000によって出力される駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の電圧波形を示している。すなわち、図10に示した駆動領域指定部1001によって形成された駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の電圧波形である。
図13では、駆動領域指定信号TxCont(n)に対応する共通電極TL(n)から駆動領域指定信号TxCont(n+3)に対応する共通電極TL(n+3)が、タッチ検出の対象の領域として指定されている。一方、駆動領域指定信号TxCont(0)に対応する共通電極TL(0)から駆動領域指定信号TxCont(n−1)に対応する共通電極TL(n−1)と、駆動領域指定信号TxCont(n+4)に対応する共通電極TL(n+4)から駆動領域指定信号TxCont(p)に対応する共通電極TL(p)は、タッチ検出の対象外の領域とされている。この場合、駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(n+3)は、図12(B)に示した行列(1)によってコード化が行われている。図13(G)〜(J)において、タッチ検出期間の波形は、図12(C)において、時刻t11のときの波形である。
図13で、時刻t1において、タッチ−表示同期信号TSHDがハイレベルにされると、これに応答して、制御部9が駆動領域指定部1001(図10)を動作させる。駆動領域指定部1001は、共通電極TL(n)から共通電極TL(n+3)までの共通電極を指示する検出領域情報DIを端子Tcから駆動領域指定部1001(図10)が受信することにより、これらの共通電極TL(n)〜TL(n+3)を除く共通電極に対応した駆動領域指定信号をロウレベルにする(図13(F)、図13(K))。また、駆動領域指定部1001は、コード発生部1003からコード化のための係数を取り込み、取り込んだ係数に従って、クロック発生部1002からのクロック信号φあるいは反転位相のクロック信号/φを、共通電極TL(n)〜TL(n+3)にそれぞれ対応する駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(n+3)として出力する。
図13に示したタッチ検出期間には、図12(C)において時刻t11のときの駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(n+3)の波形が示されている(図13(G)〜(J))。すなわち、駆動領域指定信号TxCont(n)は、反転位相のクロック信号/φとされ、駆動電極ドライバ12に供給される。これに対して、駆動領域指定信号TxCont(n+1)〜TxCont(n+3)は、クロック信号φとされ、駆動電極ドライバ12に供給される。
図13の時刻t2において、表示制御装置1100における制御部9が、タッチ制御信号VCOMSELをハイレベルにする。これにより、駆動回路10(図11)における単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のうち、駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(n+3)を除く駆動領域指定信号を受信している単位駆動電極ドライバにおいては、ロジック回路LGが、当該単位駆動電極ドライバ内のスイッチS40〜S45をオン状態とし、スイッチS50〜S55をオフ状態とする。これにより、タッチ検出期間の間、共通電極TL(n)〜TL(n+3)を除く共通電極には、スイッチS40〜S45を介して接地電圧が供給されることになる。
一方、駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(n+3)を受信している単位駆動電極ドライバTDU(n)〜TDU(n+3)のそれぞれにおいては、駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(n+3)の電圧変化に応じて、ロジック回路LGは、スイッチS40〜S45あるいはスイッチS50〜S55をオン/オフさせる。これによって、単位駆動電極ドライバTDU(n)〜TDU(n+3)に接続された共通電極TL(n)〜TL(n+3)には、クロック信号φあるいは反転位相のクロック信号/φに同期して、電圧配線VCOMDCにおける接地電圧あるいは電圧配線TSVCOMにおけるハイレベルの電圧TPHが周期的に供給される。
図13(G)〜(J)に示した例では、共通電極TL(n)が、共通電極TL(n+1)〜TL(n+3)とは、逆位相の電圧によって駆動されている。すなわち、共通電極TL(n)に対応する単位駆動電極ドライバTDU(n)におけるスイッチS40〜S45(あるいはS50〜S55)がオン状態にされているとき、共通電極TL(n+1)〜TL(n+3)に対応する単位駆動電極ドライバTDU(n+1)〜TDU(n+3)におけるスイッチS40〜S45(あるいはS50〜S55)はオフ状態にされる。
この場合、共通電極TL(n)には、電圧が立ち下がる駆動信号Tx(n)が供給され、共通電極TL(n+1)〜TL(n+3)のそれぞれには、電圧が立ち上がる駆動信号Tx(n+1)〜Tx(n+3)が供給されていることになる。これにより、図12において説明したように、駆動信号Tx(n)は係数−1でコード化され、駆動信号Tx(n+1)〜Tx(n+3)のそれぞれは、係数1でコード化されていることになる。このようにして、検出領域情報DIに基づいて指定された複数の共通電極に対して、コード化された駆動信号が供給される。
図13の時刻t3から始まる表示期間に続く、次のタッチ検出期間において、駆動領域指定部1001がコード発生部1003から取り込む係数が変わり、係数1の駆動信号と係数−1の駆動信号が変わる。すなわち、図13に示したタッチ検出期間においては、図12に示した時刻t11の係数が用いられていたが、次のタッチ検出期間においては、図12に示した時刻t12の係数が用いられる。これにより、図12において説明したように、時間に伴って係数が変化するコード化された駆動信号が、指定された共通電極に供給されるようになる。
勿論、図13に示したタッチ検出期間内において、それぞれの駆動信号に付与される係数が、図12に示したように、変化するようにしてもよい。
この実施の形態2においては、特に制限されないが、タッチ制御装置1000における検出信号処理部TSを構成する信号処理部15(図1参照)において、図12で説明した行列演算が行われる。そのため、信号処理部15は、図12に示した行列(1)に対応する情報を有している。
駆動信号をコード化する際に用いる行列は、図12に示した行列(1)に限定されない。例えば、図14に示すような行列を、駆動信号をコード化する際に用いるようにしてもよい。この場合、図14におけるTx(0)〜Tx(15)は、コード化する際に用いる行列(1)の行R1〜R16に該当し、1〜16は、行列(1)の列C1〜C16に該当する。また。係数Pは、図12の係数1に相当し、係数Nは、図12の係数−1に相当する。なお、図14において、行Pおよび行Nに示す数値は、列1〜16における係数Pの出現回数および係数Nの出現回数を示している。
(実施の形態3)
実施の形態3に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1においては、実施の形態1および実施の形態2と異なるタッチ検出方式が採用されている。先ず、実施の形態3において採用されているタッチ検出方式について、その原理を説明する。
<静電容量型タッチ検出(自己容量方式)の基本原理>
図15(A)〜(C)は、自己容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。図15(A)において、TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、列方向に延在し、行方向に並列的に配置された共通電極であり、RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置された検出電極である。検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように、行方向に延在し、列方向に並列的に配置されている。また、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)は、平面視においては、交差して見えるが、互いに電気的に接触しないように、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)との間には、絶縁層が介在している。
ここでは、説明の都合上、TL(0)〜TL(p)を共通電極とし、RL(0)〜RL(p)を検出電極とするが、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)のそれぞれには、駆動信号が供給され、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)から検出信号が出力される。そのため、外部物体のタッチを検出すると言う観点で見た場合には、共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p)は、ともに検出電極であると見なすことができる。
自己容量方式のタッチ検出においては、共通電極TL(0)〜TL(p)を用いた検出原理も、検出電極RL(0)〜RL(p)を用いた検出原理も同じである。以下、図15(B)および(C)の説明においては、共通電極TL(0)〜TL(p)と検出電極RL(0)〜RL(p)とを、纏めて検出電極とする。
検出電極(共通電極TL(0)〜TL(p)および検出電極RL(0)〜RL(p))のそれぞれには、接地電圧との間で寄生容量が存在する。外部物体として、例えば指FGが、検出電極の近傍をタッチすると、図15(B)に示すように、検出電極と指FGとの間で電界が発生する。言い換えるならば、指FGが近接することにより、検出電極と接地電圧との間に接続される容量が増加する。そのため、図15(B)において、○で囲んだように、電圧がパルス状に変化する駆動信号を、検出電極に供給すると、検出電極と接地電圧との間に蓄積される電荷量が、検出電極の近傍をタッチしているか否かによって変化する。
図15(C)には、指FGが、検出電極の近傍をタッチしているか否かにより、検出電極に蓄積される電荷量の変化が示されている。指FGが検出電極の近傍をタッチした場合、検出電極に接続される容量が増加するため、パルス状の駆動信号を、検出電極に供給したとき、検出電極に蓄積される電荷量が、タッチしていない場合に比べてΔQだけ増加する。図15(C)において、横軸は時間を示し、縦軸は電荷量を示している。また、図15(C)において破線は、タッチしたときの電荷量の変化を示している。駆動信号を検出電極に供給したときに、その検出電極に蓄積されている電荷量の差ΔQを検出することによって、検出電極の近傍がタッチされているか否かの検出をすることが可能となる。
<タッチ制御装置の構成>
図16は、タッチ制御装置1600の構成を示すブロック図である。図16には、図1に示したタッチ制御装置7と異なる部分のみが示されている。実施の形態3におけるタッチ制御装置1600においては、図1に示した駆動信号発生部17と駆動領域指定部18の代わりに、駆動領域指定部1601が設けられている。また、図1に示したタッチ検出信号増幅部13の代わりに、タッチ検出信号増幅部1602が設けられている。図1に示したA/D変換部14、信号処理部15、座標抽出部16および検出タイミング制御部19は、実施の形態3におけるタッチ制御装置1600にも設けられているが、実施の形態1と同様であるため、図16においては省略されている。
駆動領域指定部1601は、端子Tcから検出領域情報DIを受信し、タッチ検出期間において、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)を、入出力端子TIO(0)〜TIO(p)へ出力する。この実施の形態においては、駆動領域指定部1601は、クロック信号φを受け、このクロック信号φに同期した信号を、端子Tcからの検出領域情報DIによって指定された共通電極に対応する駆動領域指定信号として出力する。一方、検出領域情報DIによって指定されていない共通電極に対応する駆動領域指定信号として、駆動領域指定部1601は、ロウレベルの信号を出力する。
タッチ検出信号増幅部1602は、共通電極TL(0)〜TL(p)からの検出信号TxD(0)〜TxD(p)を入出力端子TIO(0)〜TIO(p)を介して受信し、共通電極の近傍がタッチされているか否かにより生じる電荷量の差を電圧の差として増幅し、図1に示したA/D変換部14へ出力する。
図16においては、検出信号TxD(0)〜TxD(p)を受信する端子と、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)を出力する端子とが共通の端子TIO(0)〜TIO(p)となっているが、それぞれ別々にしてもよい。
<表示制御装置の構成>
図17は、実施の形態3に係わる表示制御装置の構成を示す回路図である。同図には、図7および図11と同様に、信号線セレクタ6、駆動回路10の構成が主に示されている。図17に示した表示制御装置の構成は、図11の構成に類似しているので、ここでは主に相違点のみを説明する。図17においても、液晶パネル2、信号線セレクタ6および駆動回路10の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。また、モジュールの全体構成は、実施の形態2と同じであるため、その説明は省略する。
図17において、1700は、表示制御装置を示している。表示制御装置1700は、図11に示した表示制御装置1100に比べ、駆動回路10にロジック回路LGCとロジック回路LGCから出力される検出スイッチ制御信号TxDSelによりオン/オフ制御される複数の検出スイッチSD0〜SDpが追加されている。
また、制御部1701は、実施の形態1および2において説明した制御部9と同様な制御を行うが、さらに制御部9の制御に加えて、制御部1701は、自己容量検出を行うか否かを示す自己検出制御信号Selfを出力する。この自己検出制御信号Selfは、先に図15において説明した自己容量検出方式のタッチ検出を行う場合、タッチ検出期間において、例えばハイレベルになる。自己検出制御信号Selfは、ゲートドライバ1702と、駆動回路10内のロジック回路LGCに供給される。
この実施の形態3におけるゲートドライバ1702は、複数の単位ゲートドライバ回路1702−o〜1702−pによって構成されており、図17には、2個の単位ゲートドライバ回路1702−oと1702−pが示されている。単位ゲートドライバ回路1702−o〜1702−pのそれぞれは、互いに同じ構成にされている。ここでは、図17に示した単位ゲートドライバ回路1702−o、1702−pを例にして説明する。単位ゲートドライバ回路1702−o、1702−pは、自己検出制御信号Selfがロウレベルのとき、制御部1701からのタイミング信号に従って、走査線GLo、GLpへ走査信号Vso、Vspを供給する。一方、自己検出制御信号Selfが、ハイレベルのときには、走査線GLo、GLpのそれぞれが、フローティング状態となるようにする。すなわち、単位ゲートドライバ回路1702−o、1702−pのそれぞれは、ハイインピーダンスの状態を含めた3状態の出力が可能なドライバ回路であり、自己検出制御信号Selfがハイレベルとなることにより、その出力がハイインピーダンス状態となる。
駆動回路10に設けられたロジック回路LGCは、タッチ制御信号VCOMSELと、自己検出制御信号Selfとを受け、駆動電極選択制御信号TxSelと検出スイッチ制御信号TxDSelとを出力する。このロジック回路LGCは、タッチ制御信号VCOMSELと自己検出制御信号Selfとによって、タッチ検出期間であって、自己容量検出方式の検出を行うことが指示された場合のみ、検出スイッチ制御信号TxDSelおよび駆動電極選択制御信号TxSelをハイレベルにする。
タッチ制御装置1600は、先に図16で説明した構成を有している。図11と同様に。共通電極TL(0)〜TL(p)は、対応する単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)に接続されている。この実施の形態3においては、さらに、共通電極TL(0)〜TL(p)は、検出スイッチSD0〜SDp(第3スイッチ)を介してタッチ制御装置1600の入出力端子TIO(0)〜TIO(p)に接続されている。図17には、例示として共通電極TL(n)、TL(n+1)と、入出力端子TIO(n)、TIO(n+1)とが、検出スイッチSDn、SDn+1を介して接続されていることが示されている。この実施の形態3においては、タッチ制御装置1600の入出力端子TIO(0)〜TIO(p)が、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)と、検出信号TxD(0)〜TxD(p)とで共通にされている。例えば、入出力端子TIO(n)は、共通電極TL(n)を指定する駆動領域指定信号TxCont(n)を出力する出力端子として用いられるとともに、同じ共通電極TL(n)からの検出信号TxD(n)が供給される入力端子としても用いられる。
自己容量検出方式が自己検出制御信号Selfによって指定されているタッチ検出期間においては、それぞれの単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)内のロジック回路LGに供給される駆動電極選択制御信号TxSelは、図11で述べたタッチ制御信号VCOMSELに相当する。そのため、自己容量検出方式が指定され、タッチ検出期間となっている間、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)内のロジック回路LGは、対応する駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)に従って、スイッチS40〜S45およびS50〜S55を制御する。
タッチ検出期間においては、検出領域情報DIによって指定される共通電極に対応する駆動領域指定信号は、その電圧が周期的に変化し、検出領域情報DIによって指定されていない共通電極に対応する駆動領域指定信号は、ロウレベルとなる。これにより、検出領域情報DIによって指定される共通電極には、それに対応する単位駆動電極ドライバから、駆動領域指定信号の周期的な電圧変化に応じて、電圧配線TSVCOMにおけるハイレベルの電圧と電圧配線VCOMDCにおけるロウレベルの電圧が、周期的に供給されることになる。一方、検出領域情報によって指定されていない共通電極には、それに対応する単位駆動電極ドライバから、ロウレベルの駆動領域指定信号に従った電圧が供給される。この実施の形態3においても、電圧配線TSVCOMにおけるロウレベルの電圧が、共通電極に供給されることになる。
また、図15において述べた電荷量の差、すなわち、駆動電極の近傍がタッチされているか否により発生する共通電極における電荷量の差は、タッチ検出期間において、検出スイッチ制御信号TxDSelによりオン状態とされている検出スイッチSD0〜SDpを介して入出力端子TIO(0)〜TIO(p)へ供給される。ここでは、説明を容易にするために、電荷量の差は電圧値の差として、検出信号TxD(0)〜TxD(p)に表れているとして説明する。検出信号TxD(0)〜TxD(p)は、表示制御装置1700からタッチ制御装置1600の入出力端子TIO(0)〜TIO(p)に供給され、タッチ制御装置1600において、タッチされた共通電極の位置が検出される。
図17においては、共通電極TL(0)〜TL(p)へのタッチを検出する構成を説明したが、同様な構成を、検出電極RL(0)〜RL(p)にも設ける。これにより、いずれの検出電極の近傍がタッチされたかを検出する。検出電極RL(0)〜RL(p)においてタッチされた検出電極の位置と、共通電極TL(0)〜TL(p)においてタッチされた共通電極の位置とを検出することにより、交差点をタッチした位置の座標として抽出する。
<タッチ検出動作>
次に、実施の形態3に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の動作を、図16、図17および図18を用いて説明する。図18(A)〜(J)は、実施の形態3に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の動作を示すタイミング図である。図18(A)〜(D)および(I)は、実施の形態2における図13(A)〜(D)および(L)と同じであるため、説明は省略する。また、表示期間における動作は、実施の形態1および実施の形態2と、同じであるため、ここでは省略する。
時刻t1において、タッチ−表示同期信号TSHDがロウレベルからハイレベルへ変化することにより、タッチ検出期間が開始する。また、時刻t2において、自己検出制御信号Selfがロウレベルからハイレベルへ変化することにより、自己容量検出方式が指定される。また、タッチ−表示同期信号TSHDのハイレベルへの変化に応答して、タッチ制御信号VCOMSELはロウレベルからハイレベルへ変化する(時刻t2)。
自己検出制御信号Selfがハイレベルに変化することにより、ゲートドライバ1702内のそれぞれの単位ゲートドライバ1702−0〜1702−pの出力が、ハイインピーダンス状態となる。これにより、全ての走査線GL0〜GLpが、フローティング状態となる。また、選択信号SEL1およびSEL2もロウレベルとなっているため、信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれもフローティング状態となる。
時刻t2において、タッチ制御信号VCOMSELおよび自己検出制御信号Selfが、ともにハイレベルとなることにより、駆動回路10内のロジック回路LGCは、駆動電極選択制御信号TxSelおよび検出スイッチ制御信号TxDselのそれぞれをハイレベルにする。これにより、検出スイッチSD0〜SDpのそれぞれがオン状態となる。また、駆動電極ドライバ12内の単位電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のロジック回路LGは、タッチ制御装置1600からの駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の電圧に従った制御信号を、それぞれのスイッチS40〜S45およびスイッチS50〜S55へ供給する。
図18では、共通電極TL(n)〜TL(p−1)が、検出領域情報DIによって指定されている場合が示されている。この場合には、図18(E)〜(H)に示されているように、検出領域情報DIによって指定されている共通電極に対応する駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(p−1)の電圧が周期的に変化する。一方、指定されていない共通電極TL(0)〜TL(n−1)およびTL(p)に対応する駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(n−1)およびTxCont(p)のそれぞれはロウレベルとなる。これにより、共通電極TL(n)〜TL(p−1)のそれぞれに供給される駆動信号Tx(n)〜Tx(p−1)は、電圧配線TSVCOMにおけるハイレベルの電圧と電圧配線VCOMDCにおけるロウレベルの電圧との間で周期的に変化する電圧となる。一方、共通電極TL(0)〜TL(n−1)およびTL(p)のそれぞれに供給される駆動信号Tx(0)〜Tx(n−1)およびTx(p)は、電圧配線VCOMDCにおけるロウレベルの電圧となり、タッチ検出期間において継続的に供給されることになる。
図18には示されていないが、電圧配線TSVCOMにおけるハイレベルの電圧は、図13(E)に示しているように、電圧発生回路1101により発生された電圧である。また、実施の形態2と同様に、実施の形態3においても、タッチ制御装置1600から供給される駆動領域指定信号に従って、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)内のスイッチS40〜S45あるいはS50〜S55がオン/オフされる。そのため、タッチ制御装置1600から出力する駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の駆動能力は低くても、共通電極TL(0)〜TL(p)の電圧を変化させることが可能である。
図18(F)および(G)等に例示されているように、駆動領域指定信号TxCont(n)〜TxCont(p−1)の電圧は、周期的に変化する。この周期的な変化に同期して、共通電極TL(n)〜TL(p−1)に供給される駆動信号Tx(n)〜Tx(p−1)の電圧も周期的に変化する。すなわち、共通電極TL(n)〜TL(p−1)にパルス状に変化する駆動信号が供給されることになる。これにより、図15(C)で述べたように、共通電極TL(n)〜TL(p−1)のそれぞれの容量に電荷が蓄積される。このとき、これらの共通電極TL(n)〜TL(p−1)のいずれかに近接した位置がタッチされていると、図15(C)に示すような電荷量に差が発生する。共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの電荷量は、同じ共通電極TL(0)〜TL(p)における電圧として表され、検出信号TxD(0)〜TxD(p)として出力される。検出信号TxD(0)〜TxD(p)は、タッチ検出期間において、オン状態とされている検出スイッチSD0〜SDpを介してタッチ検出装置1600の入出力端子TIO(0)〜TIO(p)に供給され、タッチ検出信号増幅部1602(図16)に供給される。タッチ検出増幅部1602によって、検出信号TxD(0)〜TxD(p)は増幅される。増幅された検出信号の電圧値から、タッチされた共通電極が検出される。図18の例では、共通電極TL(n)〜TL(p−1)にパルス状の駆動信号が供給されるため、これらの共通電極TL(n)〜TL(P−1)において、タッチされた共通電極が検出されることになる。
検出電極RL(0)〜RL(p)についても、共通電極TL(0)〜TL(p)と同様に、タッチの検出を行うべき検出電極に対して、パルス状の駆動信号を供給する。この駆動信号に応答して発生するそれぞれの検出電極における電荷量を、電圧として求めることにより、タッチされた検出電極を検出する。タッチされたとして検出された共通電極と検出電極との交差部分の座標が、タッチされた位置の座標として抽出されることになる。
この実施の形態3においては、信号線SL(0)〜SL(p)および走査線GL0〜GLpのそれぞれが、先に述べたように、タッチ検出期間においては、フローティング状態にされている。そのため、選択した共通電極TL(n)〜TL(p−1)の電圧を変化させる際、すなわち、これらの共通電極TL(n)〜TL(p−1)の容量を充放電する際に、信号線と共通電極との間の寄生容量と走査線と共通電極との間の寄生容量への充放電量を低減することが可能となる。これにより、共通電極を駆動する際に要求される駆動能力を低減することが可能となる。
図18では、検出領域情報DIに基づいて指定した共通電極のみに駆動信号が供給される例が示されている。しかしながら、全ての駆動電極TL(0)〜TL(p)を、実質的に同時に、クロック信号φに同期して、駆動するようにしてもよい。この場合には、共通電極の充放電のとき、全ての共通電極TL(0)〜TL(p)が、同じ電圧の方向へ変化するように、駆動信号によって充放電されることになる。このようにすることにより、共通電極TL(0)〜TL(p)間に存在する寄生容量を充放電する電荷量も低減することが可能となる。結果として、共通電極間、共通電極と信号線間、共通電極と走査線間のそれぞれにおける寄生容量を充放電する電荷量を低減することが可能となり、駆動能力の低い駆動回路10を用いることが可能となる。あるいは、共通電極における電圧変化の遅延を低減することが可能となる。
(実施の形態4)
共通電極を、さらに高速に駆動することが可能な実施の形態を実施の形態4として説明する。実施の形態4におけるモジュールの構成およびタッチ制御装置の構成は、実施の形態3と類似している。そのため、ここでは相違点のみを説明する。また、表示期間における表示の動作は、実施の形態1〜3と同じであるため、省略する。共通電極を高速に駆動する構成であるため、タッチ検出の原理は、図2に示した相互容量検出の方式であっても、図15に示した自己容量検出の方式であってもよいが、ここでは、実施の形態3において説明した自己容量検出の方式が採用されている場合を説明する。
<表示制御装置の構成>
図19は、実施の形態4に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の構成を示す回路図である。図19には、図17と同様に、液晶パネル2の一部分、信号線セレクタ6、ゲートドライバ1702、タッチ制御装置1600および表示制御装置1900が示されている。また、後で説明するが、実施の形態4においては、第1アシスト回路1904および第2アシスト回路1902が、タッチ検出機能付き液晶表示装置1に追加されている。図19においても、液晶パネル2、信号線セレクタ6、駆動回路10、第1アシスト回路1904および第2アシスト回路1902の配置は、実際の配置に合わせて描かれている。
この実施の形態4においては、信号線セレクタ6は、信号線セレクト回路1903と第1アシスト回路1904とを具備している。第1アシスト回路1904は、信号線セレクト回路1903の入力と共通電極TL(0)〜TL(p)とを選択的に接続する回路である。後で説明するが、信号線セレクト回路1903は、互いに同じ構成にされた複数の単位信号線セレクト回路1903(0)〜1903(p)によって構成されている。同様に、第1アシスト回路1904も、互いに同じ構成にされた複数の単位第1アシスト回路1904(0)〜1904(p)によって構成されている。なお、図19においても、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれは、同図において、縦方向(列方向)に延在し、横方向(行方向)に並列的に配置されている。
この実施の形態4において、複数の単位信号線セレクト回路1903(0)〜1903(p)および単位第1アシスト回路1904(0)〜1904(p)のそれぞれは、同図において横方向に配置された共通電極TL(0)〜TL(p)と1対1に対応している。図19においては、共通電極TL(n)、TL(n+1)と、それぞれに対応する単位信号線セレクト回路1903(n)、1903(n+1)と、それぞれに対応する単位第1アシスト回路1904(n)、1904(n+1)が示されている。
また、この実施の形態4においては、特に制限されないが、液晶パネル2を挟んで、信号線セレクタ6の反対側に、信号線と共通電極とを選択的に接続する第2アシスト回路1902が設けられている。すなわち、モジュールにおいて、液晶パネル2を挟むようにして、第1アシスト回路1904を含む信号線セレクタ6と第2アシスト回路1902とが実装されている。さらに、図6を参照して述べると、液晶素子配列LCDの行に沿った2辺のうちの一方の一辺に沿って、第1アシスト回路1904を含む信号線セレクタ6が配置され、他方の一辺に沿って、第2アシスト回路1902が配置されている。ここで、他方の辺は、一方の辺との間で、液晶素子配列LCDを挟むように対向した辺である。
第2アシスト回路1902も、後で詳しく説明するが、互いに同じ構成にされた複数の単位第2アシスト回路1902(0)〜1902(p)によって構成されており、それぞれは、共通電極TL(0)〜TL(p)に1対1で対応している。図19においては、共通電極TL(n)、TL(n+1)に対応する単位第2アシスト回路1902(n)、1902(n+1)のみが示されている。
単位信号線セレクト回路1903(n)、1903(n+1)、単位第1アシスト回路1904(n)、1904(n+1)および単位第2アシスト回路1902(n)、1902(n+1)の構成を説明する前に、信号線セレクト回路1903、第1アシスト回路1904および第2アシスト回路1902のそれぞれの機能の概要を述べておく。
信号線セレクト回路1902は、表示期間においては、実施の形態1〜3において述べたように、時分割的に供給される画像信号を、選択信号SEL1およびSEL2によって、適切な信号線に振り分ける。すなわち、駆動回路10の端子SP11〜SP16と、信号線との間を、選択信号SEL1、SEL2に従って、時間的に順次接続する。これにより、表示期間においては、信号線に画像信号が供給され、表示が行われる。一方、タッチ検出期間においては、実質的に同時に、駆動回路10の端子SP11〜SP16と、全ての信号線とを電気的に接続する。これにより、全ての信号線SL(0)〜SL(p)のそれぞれは、駆動回路10の端子SP11〜SP16に電気的に接続されることになる。
第1アシスト回路1904は、表示期間において、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに、電圧VCOMDCを供給する。これにより、表示期間においては、液晶パネル2の一方の辺(表示制御装置1900が実装された側の辺)から、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれに所定の電圧VCOMDCが供給されることになる。一方、タッチ検出期間において、第1アシスト回路1904は、信号線セレクタ6の入力、すなわち駆動回路10の端子SP11〜SP16を共通電極TL(0)〜TL(p)に電気的に接続する。これにより、タッチ検出期間においては、液晶パネル2の一方の辺から、駆動回路10の出力が、共通電極TL(0)〜TL(p)に供給されることになる。すなわち、第1アシスト回路1904は、表示期間かタッチ検出期間かによって、共通電極TL(0)〜TL(p)を選択的に、電圧配線VCOMDCあるいは駆動回路10の出力に接続する。
次に、第2アシスト回路1902は、表示期間において、共通電極TL(0)〜TL(p)に、電圧配線VCOMDCの電圧を供給し、タッチ検出期間においては、信号線と共通電極とを電気的に接続する。第2アシスト回路1902は、液晶パネル2を挟んで、表示制御装置1900の反対側に配置されている。すなわち、液晶パネル2の一方の辺と対向する他方の辺に配置されている。これにより、第2アシスト回路1902により、表示期間においては、液晶パネル2の他方の辺から、電圧配線VCOMDCの電圧が共通電極TL(0)〜TL(p)に供給され、タッチ検出期間においては、上記した他方の辺において、信号線と共通電極とが電気的に接続されることになる。
表示期間においては、共通電極TL(0)〜TL(p)の両端から、電圧配線VCOMDCにおける電圧が供給されることになり、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの電圧を確実に所定の電圧にすることが可能となる。また、タッチ検出期間においては、共通電極TL(0)〜TL(p)のそれぞれの両端において、信号線と電気的に接続されることになるため、信号線と共通電極とによる合成インピーダンスを低減することが可能となる。その結果として、同図において縦方向(列方向)に、共通電極TL(0)〜TL(p)が延びても、表示期間においては、確実に共通電極の電圧を所定の電圧にすることが可能となる。また、タッチ検出期間においては、駆動回路10からの出力による共通電極の電圧変化の遅延を低減することが可能となる。
後で説明するが、駆動回路10は、タッチ検出期間においては、タッチを検出するための駆動信号を端子SP11〜SP16から出力する。また、タッチ検出期間においては、駆動回路10の端子SP11〜SP16と信号線とが信号線セレクト回路1903によって、電気的に接続される。これにより、タッチ検出をするための駆動信号は、共通電極TL(0)〜TL(p)に供給されるだけでなく、信号線にも供給され、信号線からも共通電極に駆動信号が伝達される。すなわち、信号線を用いて、駆動信号の伝達のアシストが図られ、高速な駆動が可能となる。
<信号線セレクト回路、第1アシスト回路、第2アシスト回路の構成・動作>
次に、信号線セレクト回路1903、第1アシスト回路1904、第2アシスト回路1902の構成を説明する。上記したように、信号線セレクト回路1903は、互いに同じ構成にされた単位信号線セレクト回路1903(0)〜1903(p)により構成され、第1アシスト回路1904は、互いに同じ構成にされた単位第1アシスト回路1904(0)〜1904(p)により構成されている。また、第2アシスト回路1902は、互いに同じ構成にされた単位第2アシスト回路1902(0)〜1902(p)により構成されている。図19には、これらのうち、単位信号線セレクト回路1903(n)および1903(n+1)、単位第1アシスト回路1904(n)および1904(n+1)、および単位第2アシスト回路1902(n)および1902(n+1)が、示されている。互いに同じ構成を有しているため、ここでは、共通電極TL(n)に対応した単位信号線セレクト回路1903(n)、単位第1アシスト回路1904(n)および単位第2アシスト回路1902(n)を代表として説明する。
<<単位信号線セレクト回路1903(n)>>
実施の形態1〜3と同様に、同図において横方向に配置された4組の画素に対して、1個の共通電極TL(n)が配置されている。この共通電極TL(n)は、縦方向(列方向)に延在している。勿論、図3(B)において説明したように、TFTガラス基板300の主面に配置された他の共通電極TL(n+1)とは、電気的に分離されている。この共通電極TL(n)に対応した単位信号線セレクト回路1903(n)は、実施の形態1〜3と同様に、選択信号SEL1によってオン/オフ制御されるスイッチS11、S12(第9スイッチ)および選択信号SEL2によってオン/オフ制御されるスイッチS21、S22(第10スイッチ)を、複数組有している。これらのスイッチS11、S12、S21、S22は、先に述べた実施の形態1〜3と同様に、信号線セレクタ6の入力と、信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)との間に接続されている。図19においては、信号線SL(n)0(R)、SL(n)0(G)、SL(n)0(B)のみが、※1、※2、※3として明示されている。
この実施の形態4においては、制御部1901は、実施の形態3における制御部1701と類似しており、表示期間においては、実施の形態3と同様に、選択信号SEL1とSEL2とを相補的にハイレベルとロウレベルにする。しかしながら、この実施の形態4における制御部1901は、タッチ検出期間において、選択信号SEL1およびSEL2をともに、ハイレベルする。選択信号SEL1、SEL2のハイレベルに応答して、タッチ検出期間においては、スイッチS11、S12、S21、S22は、実質的に同時にオン状態となる。これにより、信号線セレクタ6の入力が、全ての信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)に接続されることになる。すなわち、駆動回路10の端子SP11〜SP16と、信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)との間が電気的に接続される。
<<単位第1アシスト回路1904(n)>>
この実施の形態においては、共通電極TL(n)は、複数の駆動配線TL(n)−0〜TL(n)−5によって、電気的に単位第1アシスト回路1904(n)に接続されている。第1単位アシスト回路1904(n)は、駆動配線TL(n)−0〜TL(n)−5の個数に対応した3端子スイッチS130〜S135(第4スイッチ)を具備している。3端子スイッチS130〜S135のそれぞれは、共通端子Cと接続端子p1、p2を有し、タッチ制御信号VCOMSELの電圧値によって、共通端子Cは、接続端子p1あるいはp2に接続される。タッチ制御信号VCOMSELは、図18(I)に示したように、表示期間においては、ロウレベルとされ、タッチ検出期間においてはハイレベルとなる。3端子スイッチS130〜S135のそれぞれの共通端子Cは、タッチ制御信号VCOMSELがロウレベルのとき、接続端子p1に接続され、タッチ制御信号VCOMSELがハイレベルのとき、接続端子p2に接続される。
3端子スイッチS130〜S135のそれぞれの共通端子Cは、対応する駆動配線TL(n)−0〜TL(n)−5に接続され、接続端子p1は、電圧配線VCOMDCに接続され、接続端子p2は、信号線セレクタ6の対応する入力に接続されている。すなわち、3端子スイッチS130〜S135の共通端子Cは、対応する駆動配線を介して共通電極TL(n)に接続され、接続端子p1は、タッチ検出期間において接地電圧が供給される電圧配線VCOMDCに接続されている。また、3端子スイッチS130〜S135のそれぞれの接続端子p2は、駆動回路10の対応する端子SP11〜SP16に電気的に接続されている。
3端子スイッチS130〜S135のうち、3端子スイッチS130を例にして述べると、当該3端子スイッチS130の共通端子Cは、対応する駆動配線TL(n)−0を介して共通電極TL(n)に接続され、接続端子p1は、電圧配線VCOMDCに接続され、接続端子p2は、信号線セレクタ6の対応する入力に接続されている。この場合、信号線セレクタ6の対応する入力は、駆動回路10の端子SP11に接続されているため、3端子スイッチS130の接続端子p2は、駆動回路の対応する端子SP11に接続されている。また、信号線セレクタ6において対応する入力は、対応する単位信号線セレクト回路1903(n)内のスイッチS11およびS21を介して、タッチ検出期間においては、信号線SL(n)0(R)およびSL(n)0(B)に電気的に接続される。残りの3端子スイッチS131〜S135も、同様にして、対応する駆動配線TL(n)−1〜TL(n)−5を介して共通電極TL(n)と、電圧配線VCOMDCと、信号線セレクタ6の対応する入力に接続されている。
<<単位第2アシスト回路1902(n)>>
単位第2アシスト回路1902(n)は、電圧配線VCOMDCと共通電圧配線1902(n)cとの間に、並列的に接続された複数のスイッチS100〜S103と、共通電圧配線1902(n)cと対応する信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)との間に接続されたスイッチS110〜S121(第5スイッチ)とを具備している。スイッチS100〜S103およびスイッチS110〜S121のそれぞれは、タッチ制御信号VCOMSELによってオン/オフ制御される。この実施の形態においては、タッチ制御信号VCOMSELの電圧に従って、スイッチS100〜S103と、スイッチS110〜121とは相補的にオン/オフするように制御される。すなわち、タッチ制御信号VCOMSELがロウレベルときには、スイッチS100〜103がオン状態とされ、スイッチS110〜S121はオフ状態とされる。これに対して、タッチ制御信号VCOMSELがハイレベルのときには、スイッチS110〜S121がオン状態となり、スイッチS100〜S103はオフ状態となる。
また、共通電圧配線1902(n)cは、複数の接続箇所で、対応する共通電極TL(n)と電気的に接続されている。
これにより、図18(I)に示すように、タッチ制御信号VCOMSELが、表示期間においてロウレベルとなっているとき、スイッチS100〜S103がオン状態となり、電圧配線VCOMDCから、共通電極TL(n)に対して所定の電圧の供給が行われる。この場合、複数のスイッチS100〜S103が並列的に接続されるため、スイッチS100〜S103の合成オン抵抗を低くすることが可能となり、スイッチS100〜S103での電圧降下を小さくすることが可能となる。
一方、図18(I)に示すように、タッチ制御信号VCOMSELが、タッチ検出期間において、ハイレベルになっていると、信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)と共通電極TL(n)とが、スイッチS110〜S121を介して電気的に接続されることになる。この場合も、スイッチS110〜S121が、電圧配線1902(n)cと共通電極TL(n)との間で並列的に接続されることになり、スイッチS110〜S121での電圧降下を低減することが可能となるとともに、スイッチS110〜S121の合成オン抵抗が低くなるため、信号遅延を低減することも可能となる。
<<動作>>
表示期間においては、図18(I)に示したように、タッチ制御信号VCOMSELはロウレベルとなっている。そのため、単位第1アシスト回路1904(n)における3端子スイッチS130〜S135の共通端子Cは、接続端子p1に接続される。これにより、単位第1アシスト回路1904(n)において、駆動配線TL(n)−0〜TL(n)−5を介して、電圧配線VCOMDCからの電圧が、共通電極TL(n)へ供給される。このとき、タッチ制御信号VCOMSELによって、単位第2アシスト回路1902(n)におけるスイッチS100〜S103がオン状態となるため、共通電極TL(n)に接続された共通電圧配線1902(n)cには、スイッチS100〜S103を介して電圧配線VCOMDCから電圧が供給される。これにより、共通電極TL(n)には、表示期間のとき、その両側から、電圧配線VCOMDCの電圧が供給されることになる。
また、表示期間においては、選択信号SEL1およびSEL2によって、単位信号線セレクト回路1903(n)におけるスイッチS11、S12とスイッチS21、S22とが相補的にオン状態にされる。これにより、駆動回路10の端子SP11〜SP16における画像信号は、単位信号線セレクト回路1903(n)を介して、適切な信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)へ供給され、表示される。
一方、タッチ検出期間においては、図18(I)に示すように、タッチ制御信号VCOMSELがハイレベルとなる。そのため、単位第1アシスト回路1904(n)における3端子スイッチS130〜S135の共通端子Cは、図19に示しているように、接続端子p2に接続される。これにより、3端子スイッチS130〜S135を介して、駆動配線TL(n)−0〜TL(n)−5のそれぞれは、信号線セレクタ6において対応する入力に接続される。これにより、共通電極TL(n)は、駆動配線TL(n)−0〜TL(n)−5を介して、駆動回路10の端子SP11〜SP16に接続される。
また、タッチ検出期間においては、選択信号SEL1およびSEL2がともにハイレベルとなる。これにより、単位信号線セレクト回路1903(n)におけるスイッチS11、S12、S21、S22のそれぞれは、オン状態となる。その結果、信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)の全てが、スイッチS11、S12、S21、S22を介して、信号線セレクタ6の入力に接続される。すなわち、信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)の全てが、駆動回路10の端子SP11〜SP16に接続される。
さらに、タッチ検出期間においては、タッチ制御信号VCOMSELのハイレベルによって、単位第2アシスト回路1902(n)におけるスイッチS110〜S121がオン状態とされる。これにより、信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)の全てが、スイッチS110〜S121を介して、共通電圧配線1902(n)cに接続される。この共通電圧配線1902(n)cは、共通電極TL(n)に接続されているため、信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)の全てが、共通電極TL(n)に接続されることになる。
このようにして、タッチ検出期間においては、信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)のそれぞれの両端が、共通電極TL(n)の両端に電気的に接続され、駆動回路10の端子SP11〜SP16における信号が供給される。これにより、列方向に延在する共通電極の長さが長くなっても、駆動回路10の端子SP11〜SP16の信号の遅延が大きくなるのを抑制することが可能となる。
なお、タッチ検出期間においては、実施の形態3と同様に、ゲートドライバ1702の出力はハイインピーダンス状態にされている。そのため、走査線GL0〜GLpのそれぞれは、フローティング状態となる。これにより、実施の形態3において述べたように、共通電極での信号の遅延をさらに低減することが可能となる。
<駆動回路の構成>
次に、実施の形態4における駆動回路10の構成について、説明する。駆動回路10は、先に述べた実施の形態1〜3と同様に、互いに同じ構成にされた複数の単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)を具備している。しかしながら、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)の構成は、実施の形態1〜3において説明した単位駆動電極ドライバの構成とは異なっている。図19には、単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のうち、駆動電極TL(n)およびTL(n+1)に対応する単位駆動電極ドライバTDU(n)、TDU(n+1)の構成が代表として示されている。
単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)は、互いに同じ構成を有しているので、ここでは、単位駆動電極ドライバTDU(n)を代表として、構成を説明する。
単位駆動電極ドライバTDU(n)は、実施の形態1〜3で述べた単位駆動電極ドライバTDU(n)と同様に、複数の端子SP11〜SP16を具備しており、表示期間においては、制御部1901から、時分割的に画像信号Snが端子SP11〜SP16へ供給される。端子SP11〜SP16は、信号線セレクタ6の対応する入力に接続されている。図19に示した例では、単位駆動電極ドライバTDU(n)の端子SP11〜SP16は、対応する単位第1アシスト回路1904(n)の3端子スイッチS130〜S135の接続端子p2と、対応する単位信号線セレクト回路1903(n)のスイッチS11、S12、S21、S22とに接続されている。
単位駆動電極ドライバTDU(n)は、さらに、スイッチS140〜145(第6スイッチ)、スイッチS160〜S165(第7スイッチ)、スイッチS150〜155(第8スイッチ)およびロジック回路LGを具備している。ここで、スイッチS140〜145は、電圧発生回路1101によって発生された電圧が供給される電圧配線TSVCOMと、端子SP11〜SP16との間に接続され、ロジック回路LGからの制御信号Txuuによってオン/オフ制御される。また、スイッチS150〜S155は、端子SP11〜SP16と、検出配線DTLとの間に接続され、自己検出制御信号Selfによってオン/オフ制御される。スイッチS160〜S165は、端子SP11〜SP16と電圧配線TS1〜TS3との間に接続され、ロジック回路LGからの制御信号Txddによって、オン/オフ制御される。ロジック回路LGは、ロジック回路LGCから供給される駆動電極選択制御信号TxSelと、タッチ制御装置1600から供給される駆動領域指定信号TxCont(n)とを受け、スイッチS140〜S145のオン/オフを制御する制御信号Txuuと、スイッチS160〜S165のオン/オフを制御する制御信号Txddとを形成する。
この実施の形態4におけるタッチ制御装置1600は、実施の形態3と同様な構成にされており、タッチ制御装置1600の入出力端子TIO(n)は、ロジック回路LGと検出配線DTLに接続されている。これにより、駆動領域指定信号TxCont(n)は、入出力端子TIO(n)からロジック回路LGに供給され、検出配線DTLから検出信号TxD(n)が、入出力端子TIO(n)に供給される。
電圧配線TS1〜TS3は、実施の形態1において述べたテスト用の電圧を供給する配線である。この実施の形態4においては、当該電圧配線TS1〜TS3は、タッチ検出期間において、接地電圧を供給する電圧配線としても用いられる。すなわち、電圧配線TS1〜TS3は、テストの期間とタッチ検出期間とで、兼用されている。そのため、制御部1901は、テスト期間だけでなく、タッチ検出期間においても、電圧配線TS1〜TS3に、接地電圧を供給する。勿論、テスト期間用の電圧配線とは、別にタッチ検出期間用の電圧配線を用意してもよい。
ロジック回路LGCには、タッチ検出の動作が指定されとき、ハイレベルのタッチ制御信号VCOMSELとハイレベルの自己検出制御信号Selfが供給される(図18(I)および(J))。これに応答して、ロジック回路LGCは、駆動電極選択制御信号TxSelをハイレベルに変化させる。単位駆動電極ドライバTDU(n)におけるロジック回路LGは、ハイレベルの駆動電極選択制御信号TxSelを受けると、駆動領域指定信号TxCont(n)の電圧に従った制御信号Txuu、Txddを形成する。例えば、駆動領域指定信号TxCont(n)の電圧がハイレベルへ変化すると、ロジック回路LGは、制御信号Txuuの電圧をハイレベルへ変化させ、制御信号Txddの電圧をロウレベルへ変化させる。一方、駆動領域指定信号TxCont(n)の電圧がロウレベルへ変化すると、ロジック回路LGは、制御信号Txddをハイレベルへ変化させ、制御信号Txuuをロウレベルへ変化させる。
スイッチS140〜145のそれぞれは、制御信号Txuuがハイレベルへ変化することにより、オン状態へ変化し、制御信号Txuuがロウレベルへ変化することにより、オフ状態へ変化する。同様に、スイッチS160〜S165のそれぞれは、制御信号Txddがハイレベルへ変化することにより、オン状態へ変化し、制御信号Txddがロウレベルへ変化することにより、オフ状態へ変化する。
タッチ検出期間においては、実施の形態3において説明したように、検出領域情報DIによって指定された共通電極に対応する駆動領域指定信号は、その電圧が周期的に変化する。これにより、タッチ検出期間においては、スイッチS140〜S145と、スイッチS160〜S165とが、駆動領域指定信号TxCont(n)の電圧に同期して、交互にオン/オフの状態になる。スイッチS140〜S145がオン状態なることにより、端子SP11〜SP16には、これらのスイッチS140〜S145のそれぞれを介して電圧配線TSVCOMにおける電圧が供給される。一方、スイッチS160〜S165がオン状態なると、端子SP11〜SP16には、これらのスイッチS160〜S165のそれぞれを介して電圧配線TS1〜TS3における接地電圧が供給される。この結果として、タッチ検出期間においては、検出領域情報DIによって指定された共通電極に対応する駆動領域指定信号TxCont(n)を受けている単位駆動電極ドライバTDU(n)の端子SP11〜SP16のそれぞれには、駆動領域指定信号TxCont(n)に従って、電圧値が周期的に変化する駆動信号Tx(n)が発生する。
なお、検出領域情報DIによって指定されていない共通電極に対応する駆動領域指定信号は、ロウレベルとなる。そのため、このような駆動領域指定信号を受ける単位駆動電極ドライバの端子SP11〜SP16のそれぞれの電圧は、接地電圧となる。
単位駆動電極ドライバTDU(n)におけるスイッチS150〜S155は、自己検出制御信号Selfがハイレベルになることにより、それぞれオン状態となる。これにより、端子SP11〜SP16のそれぞれは、スイッチS150〜S155を介して、検出配線DTLに接続され、この検出配線DTLを介して検出信号TxD(n)がタッチ制御装置1600の入出力端子TIO(n)に供給される。
<全体動作>
次に、実施の形態4に係わるタッチ検出機能付き液晶表示装置1の動作を、主に図18および図19を用いて説明する。この実施の形態4においても、タッチ検出機能付き液晶表示装置1は、実施の形態1〜3と同様に、表示期間において表示動作を行い、タッチ検出期間においてタッチ検出動作を行う。ここでは、表示期間における動作とタッチ検出期間におけるタッチ検出動作とに分けて、説明を行う。
<<表示期間>>
図18(D)、(I)および(J)に示すように、表示期間においては、タッチ−表示同期信号TSHD、タッチ制御信号VCOMSELおよび自己検出制御信号Selfが、ロウレベルとなる。タッチ制御信号VCOMSELおよび自己検出制御信号Selfがロウレベルとなることにより、ゲートドライバ1702は、制御部1901からのタイミング信号に従って走査線GL0〜GLpへ走査信号Vso、Vspを供給する。
このとき、表示制御装置1900のロジック回路LGCには、ロウレベルのタッチ制御信号VCOMSELとロウレベルの自己検出制御信号Selfが供給されているため、ロウレベルの駆動電極選択制御信号TxSelを出力する。これにより、各単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)のそれぞれにおけるロジック回路LGは、駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の電圧とは無関係に、ロウレベルの制御信号Txdd、Txuuを出力する。ロウレベルの制御信号Txdd、Txuuにより、スイッチS140〜S145、S160〜S165はオフ状態となる。また、ロウレベルの自己検出制御信号Selfにより、スイッチS150〜S155がオフ状態とされる。これにより、それぞれの単位駆動電極ドライバTDU(0)〜TDU(p)の端子SP11〜SP16は、電圧配線TSVCOM、電圧配線TS1〜TS3および検出配線DTLから、電気的に分離される。そのため、端子SP11〜SP16は、制御部1901から供給される画像信号Snを出力することになる。
タッチ制御信号VCOMSELがロウレベルであるため、第1アシスト回路1904における3端子スイッチS130〜S135は、共通端子cと接続端子p1とを接続する。また、ロウレベルのタッチ制御信号VCOMSELによって、第2アシスト回路1902におけるスイッチS100〜S103のそれぞれはオン状態となり、スイッチS110〜S121のそれぞれはオフ状態となる。これにより、第2アシスト回路1902において、共通電極と信号線とは電気的に分離され、共通電極には、オン状態のスイッチS100〜S103および共通電圧配線1902(n)cを介して、電圧配線VCOMDCから電圧が供給される。
制御部1901は、画像信号Snを駆動回路10へ供給するタイミングに同期して、選択信号SEL1,SEL2を交互にハイレベルにする。これにより、画像信号Snに応じた電圧が、信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)に伝達され、表示される。
<<タッチ検出期間>>
図18(D)、(I)および(J)に示すように、タッチ検出期間においては、タッチ−表示同期信号TSHD、タッチ制御信号VCOMSELおよび自己検出制御信号Selfが、ハイレベルとなる。
タッチ制御信号VCOMSELがハイレベルになることにより、第1アシスト回路1904における3端子スイッチS130〜S135の共通端子cが、接続端子p2に接続される。また、第2アシスト回路1902におけるスイッチS100〜S103がオフ状態となり、スイッチS110〜S121がオン状態となる。また、制御部1901は、タッチ検出期間においては、選択信号SEL1およびSEL2をハイレベルにする。これにより、液晶パネル2の一方の辺側に配置された信号線セレクタ6(信号線セレクト回路1903と第1アシスト回路1904とを含む)において、共通電極TL(0)〜TL(p)と信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)とが電気的に接続される。また、液晶パネル2の他方の辺側に配置された第2アシスト回路1902においても、共通電極TL(0)〜TL(p)と信号線SL(0)0(R)〜SL(p)3(B)とが電気的に接続されることになる。
タッチ制御信号VCOMSELと自己検出制御信号Selfとが、ともにハイレベルとなることにより、ロジック回路LGCからは、ハイレベルの駆動電極選択制御信号TxSelが出力される。これにより、駆動回路10におけるロジック回路LGは、タッチ制御装置1600から供給される駆動領域指定信号TxCont(0)〜TxCont(p)の電圧に従った制御信号Txdd、TxuuをスイッチS140〜S145、S160〜S165に供給する。タッチ制御装置1600は、実施の形態3において説明したように、検出領域情報DIによって指定された共通電極に対応する駆動領域指定信号の電圧を周期的に変化させる。
例えば共通電極TL(n)およびTL(n+1)が、検出領域情報DIによって指定されている場合、この共通電極TL(n)およびTL(n+1)に対応する駆動領域指定信号TxCont(n)およびTxCont(n+1)の電圧が、周期的に変化する。これにより、スイッチS140〜S145とスイッチS160〜S165とが、周期的にオン/オフする。その結果として、信号線セレクタ6において、共通電極TL(n)およびTL(n+1)に接続されている駆動回路10の端子SP11〜SP16には、その電圧値が、電圧配線VCOMDCにおけるハイレベルの電圧と、電圧配線TS1〜TS3における接地電圧との間で、周期的に変化する駆動信号が発生する。このとき、信号線セレクタ6および第2アシスト回路1902において、共通電極TL(n)は、複数の信号線SL(n)0(R)〜SL(n)3(B)と電気的に並列に接続されている。同様に、共通電極TL(n+1)も、信号線セレクタ6および第2アシスト回路1902において、複数の信号線と、電気的に並列に接続されている。
言い換えるならば、信号線セレクタ6に近接した位置と、信号線セレクタ6から離れた遠方位置とにおいて、共通電極と複数の信号線とが並列的に接続されていることになる。これにより、駆動信号が、共通電極の遠方位置に到達するまでの遅延を低減することが可能となる。
その電圧が周期的に変化する駆動信号Tx(n)、Tx(n+1)が、駆動電極TL(n)、TL(n+1)に供給されることにより、図15において説明したように、これらの共通電極に近接した位置がタッチされているか否かに応じた変化が、共通電極TL(n)、TL(n+1)に発生する。このとき、自己検出制御信号Selfによって、スイッチS150〜S155のそれぞれはオン状態にされているため、共通電極TL(n)、TL(n+1)における変化は、スイッチS150〜S155を介して検出配線DTLに伝達され、検出信号TxD(n)、TxD(n+1)としてタッチ制御装置1600の入出力端子TIO(n)、TIO(n+1)に供給される。
タッチ制御装置1600は、入出力端子TIO(0)〜TIO(p)に供給されている検出信号TxD(0)〜TxD(p)に基づいて、実施の形態3において述べたように、タッチされた位置を検出する。
共通電極TL(0)〜TL(p)と交差するように配置された検出電極RL(0)〜RL(p)においても、実施の形態3と同様に、検出信号が検出電極からタッチ制御装置1600に供給され、タッチ制御装置1600において、タッチされた位置を検出し、タッチされた位置の座標を抽出する。
検出領域情報DIによって指定された共通電極に駆動信号を供給することを説明したが、全ての共通電極TL(0)〜TL(p)に、実質的に同時に駆動信号を供給するようにしてもよい。実施の形態3と同様に、実施の形態4においても、タッチ検出期間において、走査線GL0〜GLpのそれぞれは、フローティング状態となっているため、共通電極TL(0)〜TL(p)を同時に駆動信号で駆動することにより、共通電極の充放電の高速化をさらに図ることが可能となる。
実施の形態1〜4においては、複数の信号線に対して1個の共通電極を設ける例を説明したが、1つの信号線に対して1個の共通電極を設けるようにしてもよい。
また、実施の形態1〜4においては、信号線ドライバ11の構成は種々考えられるため、信号線ドライバ11としては、端子SP11〜SP16へ画像信号Snを供給する配線のみが示されている。また、スイッチは、種々の構成のスイッチを採用することができる。例えば、ゲート、ソースおよびドレインを有する薄膜トランジスタを、スイッチとして用いることができる。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
例えば、前述の各実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。