JP6205192B2 - 薬液充填済み容器体を収容した包装体 - Google Patents
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Description
このため、光により分解、劣化の可能性のある薬剤を収納した薬剤容器は、遮光包装材に収納された状態にて、提供されている。しかし、包装材より取り出した後には、光を浴びることになるので、使用時には、遮光カバーを取り付けた状態として、投与が行われている。
このような遮光カバーとしては、例えば、実公平1−37636号公報(特許文献1)、特開2006−167050号公報(特許文献2)、特開2010−88722号公報(特許文献3)がある。そして、本願出願人は、特開2012−130577公報(特許文献4)を提案している。
特許文献2の点滴容器包装袋1は、矩形状の合成樹脂シートに、下端辺1aに平行状の下部切裂き案内線2と、下部切裂き案内線2の上方に平行する下部上側切裂き案内線3と、上中央部1bに上部切裂き案内線4とを設け、表裏シートを接着、融着などによりシート体の四周辺を密封して袋体として形成し、好ましくは表裏シートの左右側辺と下辺の三辺を密封し、点滴容器6を袋内に収納した上で、他の一辺すなわち上辺を密封することにより密封してなっており、袋上中央部1bを切裂くことにより開口部5を形成でき、下部切裂き案内線2及び下部上側切裂き案内線3を切裂くことにより包装袋下側を開口できるものとなっている。
投与準備のための操作が煩雑である。また、この点滴容器包装袋1では、フック部6aは、投与時、開口部5から露出するために、露出部もしくはその隙間より、光が点滴容器に当たる可能性があり、また、下部切裂き案内線2を用いて切裂いて袋の下部を開封した後は、包装袋より、点滴容器6を取り出し可能であり、取り出した状態にて、フック9に吊下げること、すなわち、包装袋がない状態での投与を可能としている。
特許文献3の包装袋では、使用時に、弱化部2に沿って包装袋1を引き裂いて開口4を形成する作業を行い、さらに、形成した開口4から輸液容器20のポート部22を露出させる作業を行うことが必要である。特に、後者の形成した開口4から輸液容器20のポート部22を露出させる作業は、包装袋内に輸液を収容する本体部を移動させることが必要である作業が容易ではない。
しかし、特許文献4のものでも、開封用切欠部を排出口の先端より若干下方に位置させることにより、開封時における排出ポートとの引っかかりの解消を図ったが、開封時に包材が撓み真っ直ぐに開封できなかったり、やはり排出口に引っ掛かることがあった。さらに、開封後において、開封端が確認しにくく、開封されていることの確認も容易ではなかった。
そこで、本発明の目的は、投与準備のための操作が極めて簡単であり、かつ、投与時における容器体の薬液収納部に直接光があたることを確実に防止することができ、かつ、開封作業も容易であり、さらに、開封状態の確認、開封端の確認が容易である薬液充填済み容器体を収容した包装体を提供する。
前記容器体は、軟質容器本体と、前記軟質容器本体の中央付近下部に取り付けられた排出ポートと、前記軟質容器本体の薬液収納部内に収納された前記薬液とを備え、かつ、収納した薬液により膨らんだ状態となっており、
前記包装体は、前記容器体の両側部との間に実質的に隙間が形成されない状態にて前記容器体を収納する容器体収納部と、前記容器体を前記包装材に固着する固着部を有し、前記包装材は、前記容器体の前記排出ポートより所定長下方となる前記包装材の一方の側部に設けられた開封開始部と、前記包装体を吊り下げるための懸垂孔を有し、
さらに、前記包装材は、前記開封開始部を始端として、前記排出ポートの所定長下方を通り、前記一方の側部と向かい合う他方の側部に到達するように破断開封可能であり、かつ、前記開封開始部は、前記破断開封時に、前記排出ポートが切断の障害とならない位置に設けられており、さらに、前記開封開始部は、破断開封後において、前記排出ポートが開封後の前記包装材より露出せず、かつ、開封後の前記包装材を前記排出ポートの上部付近にて押圧したとき、開封端が広がる薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(2) 前記開封後の前記包装材を前記排出ポートの上部付近にて押圧したとき、少なくとも前記排出ポートの下面が、前記包装体の開封端より露出するものである上記(1)に記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(3) 前記包装材は、前記開封開始部から前記他方の側部もしくは前記他方の側部付近まで延び、かつ、前記排出ポートより所定長下方に位置する破断誘導用帯状着色部を備えている上記(1)または(2)に記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(4) 前記包装材は、前記開封開始部と該開封開始部と向かい合う他方の側部部位とを結ぶ仮想線と前記排出ポートの下端間の距離Dが、10〜40mmである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(5) 前記包装材は、前記開封開始部より下方に形成された下端シール部を備え、前記仮想線と前記下端シール部の上縁間の距離Eは、前記距離Dと同等もしくはそれより短いものとなっている上記(4)に記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(7) 前記包装材は、前記開封開始部と向かい合うように、前記他方の側部に設けられた第2の開封開始部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(8) 前記薬液充填済み容器体を収容した包装体は、前記容器体の上部シール部にて、前記包装材に固着する固着部を有している上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(9) 前記包装材は、引き裂くことが可能な易裂性包装材である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
(10) 前記遮光性は、難紫外線透過性かつ透明性を有するものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
前記包装体を吊り下げるための懸垂孔を有し、さらに、前記包装材は、前記開封開始部を始端として、前記排出ポートの所定長下方を通り、前記一方の側部と向かい合う他方の側部に到達するように破断開封可能であり、かつ、前記開封開始部は、前記破断開封時に、前記排出ポートが切断の障害とならない位置に設けられており、さらに、前記開封開始部は、破断開封後において、前記排出ポートが開封後の前記包装材より露出せず、かつ、開封後の前記包装材を前記排出ポートの上部付近にて押圧したとき、開封端が広がるものとなっている。
本発明の薬液充填済み容器体を収容した包装体1は、遮光性を有しかつ密封された包装材2と、包装材2内に収納された薬液36を収納した容器体3とからなる。そして、容器体3は、軟質容器本体31と、軟質容器本体31の下部に取り付けられた排出ポート6と、軟質容器本体31の薬液収納部34内に収納された薬液とを備え、かつ、収納した薬液36により膨らんだ状態となっている。そして、包装体1は、容器体3の両側部との間に実質的に隙間が形成されない状態にて容器体3を収納する容器体収納部と、容器体3を包装材2に固着する固着部29を有する。包装材2は、容器体3の排出ポート6より所定長下方となる包装材2の一方の側部21bに設けられた開封開始部24と、開封開始部24から一方の側部21bと向かい合う他方の側部21cもしくは他方の側部付近まで延び、かつ、排出ポート6より所定長下方に位置する破断誘導用帯状着色部26と、包装体を吊り下げるための懸垂孔5を有している。
前記包装体は、前記容器体の両側部との間に実質的に隙間が形成されない状態にて前記容器体を収納する容器体収納部と、前記容器体を前記包装材に固着する固着部を有する。包装材2は、容器体3の排出ポート6より所定長下方となる包装材2の一方の側部21bに設けられた開封開始部24と、包装体1を吊り下げるための懸垂孔5を有する。さらに、包装材2は、開封開始部24と開封開始部24と向かい合う他方の側部21cの部位とを結ぶ仮想線Lと排出ポート6の下端間の距離Dが、10〜40mmであり、仮想線Lと下端シール部21dの上縁間の距離Eは、距離Dと同等もしくはそれより短いものとなっている。
この薬液充填済み容器体を収容した包装体1は、包装材2と、包装材2内に収納された容器体3とを備える。
包装材2は、2枚のシートを積層し、その周縁部がシールされている。具体的には、包装材2は、上部シール部21a、側部シール部21b,21c、下部シール部21dを有する略矩形状のものとなっている。そして、包装材2内には、容器体3を収納する収納部23を有しており、この包装材2では、収納部23は、図1に示すように、容器体3の両側部37,38との間に実質的に隙間が形成されない状態にて容器体3を収納する容器体収納部(容器体内部移動規制収納部)23となっている。このため、容器体3は、包装材2内において実質的に移動不能な状態にて収納されている。
開封開始部24,25としては、図1に示すような、開封用切欠部であることが好ましいが、スリット、外方に延出する耳部などであってもよい。切欠部としては、内縁が中央方向に突出する半円状のもの、また、中央方向を向く頂点を有する三角形状のものなどが好ましい。
そして、図1に示す実施例の包装体1では、破断誘導用帯状着色部26は、一方の開封開始部24と他方の開封開始部25間に設けられている。帯状着色部の形態としては、図1に示すように、非連続的なもの、また、一方の側部端部から他方の側部端部まで連続するのもの、さらには、破線帯状のものなどであってもよい。特に、図1に示すように、破断方向を誘導するような指標(具体的には、矢印)を有するものが好ましい。
また、帯状着色部26は、開封開始部24,25が、切欠部である場合、その幅よりも広いことが好ましい。図1に示すものでは、開封開始部(切欠部)24,25は、帯状着色部26内となるように形成されている。このようにすることにより、開封開始部24,25を容易に見つけることができる。そして、この実施例の包装体1では、帯状着色部26は、包装体1の表側となるシートのみならず、裏側となるシートにも設けられている。このようにすることにより、包装体1を裏面側から見た状態においても、開封操作が容易なものとなる。
帯状着色部26は、包装材2のシート表面に印刷により形成することができる。帯状着色部26は、不透明着色部、透明着色部のいずれでもよい。着色部の色としては、視認容易な色であることが好ましく、例えば、オレンジ、黄色、ピンク、赤などが好ましい。帯状着色部26の幅(帯幅)は、3〜30mmであることが好ましい。特に、5〜10mmであることが好ましい。
包装体1は、一方の開封開始部24,25を始端42aとして、切断が開始される。そして、破断部(開口端42)は、向かい合う側部に、終端42bを有するものとなる。
そして、包装材2は、開封されることにより、開封端42(2枚のシートの切断端間)は、容器体3の下部の膨らみに対応して開く。しかし、切欠部24,25は、排出ポート6より所定長下方に位置しているため、開封後の包装材2より、排出ポート6は、露出しない。しかし、図7に示すように、開封後の包装材2を排出ポート6の上部付近にて押圧したとき、容器体3の下部の膨らみ、排出ポートの形態に従って、包装材2の開封端42は、開く方向に変形する。包装材2としては、図7に示すように、開封後の包装材2を排出ポート6の上部付近にて押圧したとき、包装体の開封端42より、排出ポート6の下面が露出するものであることが好ましい。
包装材2としては、後述する容器体3に充填された薬液の安定性に応じて適切な遮光性を有する材料を種々選択して採用することができる。紫外線に対して不安定な薬液が充填されている場合は、見た目には透明であるが紫外光を遮断するものが好ましく、つまり、難紫外線透過性かつ透明性(可視光透過性)であることが好ましく、可視光に対して不安定な薬液が充填されている場合は、可視光も薬液が安定に保存するために必要な程度に遮断するものが好ましい。
包装材2としては、包装材の持つ遮光性が難紫外線透過性かつ透明性である場合は、難紫外線透過性かつ透明性を有する軟質シートからなる袋状のものが好ましく、この実施例では、周縁部に形成されたシール部21を有している。
また、包装材2の遮光性が可視光領域も必要量遮断されたものである場合には、包装材を構成する軟質シートは、可視光領域遮光性として、450nm〜600nmの波長の光の透過率が収納された容器の状態が確認可能な程度に低減されたものであることが好ましく、例えば、波長600nmにおける透過率が55%〜80%であることが好ましく、特に70%〜80%であることが好ましい。
なお、収納された容器の状態を確認する必要のない場合には、包装材は、実質的に完全に遮光されたものであっても良い。
紫外線吸収剤を含有した薄膜を有するシートは、樹脂基材層の表面に、紫外線吸収剤を被膜形成物質に含有させコーティングすることにより形成することができる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリシレート系化合物、トリアリールトリアジン系化合物等が使用できる。また、被膜形成物質としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが使用される。また、基材層の形成材料としては、波長600nm以上における可視光の透過率が80%以上である樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリブデン樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレイト樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニリデンフィルム、アセタール系樹脂フィルム、フッ素系樹脂等を使用することができる。
また、包装体に用いられるシートとしては、第1の樹脂層と第2の樹脂層の間に、紫外線吸収層を有する多層フィルムであってもよい。第1の樹脂層および第2の樹脂層の形成性材料としては、波長600nm以上の可視光の透過率が80%以上である樹脂が好ましく、具体的には、上述した基材層の形成材料が好適に使用できる。また、紫外線吸収層としては、上述した紫外線吸収剤を所定濃度で含有する樹脂層が好ましい。樹脂層形成材料としては、上述した基材層の形成材料および被膜形成物質が好適に使用できる。
なお、実質的に完全に遮光された包装材とする場合には、アルミ箔、アルミ蒸着フィルム等の遮光層をフィルムの中間層として設けることができる。
また、包装材に用いられるシートの内側となる面に、密封のためおよび容器体との固着のための低融点樹脂層を設けることが好ましい。この低融点樹脂層は、シートの内側全面に設けてもよいが、ヒートシールされる部分もしくはその付近のみに設けてもよい。低融点樹脂層の形成材料としては、いわゆるホットメルト材料が用いられる。具体的には、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば、低分子ポリエチレン)やエチレン−酢酸ビニル共重合体のような低融点樹脂が用いられる。特に、上記の樹脂の一軸延伸フィルムが好ましい。具体的には、一軸延伸ポリプロピレンフィルム、一軸延伸ポリエチレンフィルムが好ましい。
容器体3は、上部シール部33、下部シール部35、側部(側部シール部)37,38、閉鎖空間となっている薬液収納部34,薬液収納部内に充填された薬液36と、上部シール部33に設けられた懸垂孔5を有する。排出ポート6は、下部シール部35により容器本体31に固定されて、薬液収納部34内と連通し、薬液を排出可能としている。
排出ポート6は、筒状部材61と、筒状部材61の下端側に下端開口(排出ポート)を密封するように配置された弾性部材63と、弾性部材63を固定するキャップ62(弾性部材支持部材)からなる。弾性部材は、薬液排出用針を刺通可能なものとなっている。排出ポート6は、容器本体31を構成するシート材間に挟持され、融着固定されている。
容器本体31は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
また、容器本体31は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよい。
また、本発明の薬液を充填した容器体は、加熱滅菌処理した後に、包装材に封入することが好ましい。水性製剤を充填した容器体の加熱滅菌処理は、高圧蒸気滅菌法、水浴滅菌法、スプレー滅菌法(シャワー菌滅法)などのいずれの方法で行ってもよく、そのうちでも高圧蒸気滅菌法が好ましく採用される。
そして、容器体3は、包装材2の容器体収納部内に収納されている。さらに、容器体3は、包装材2内に、容器体3の排出ポート6が、開封開始部24,25より所定長上方に位置するように収納されている。
この実施例の包装体1では、懸垂孔5は、包装材2および容器体3の上部シール部33を貫通するように形成されている。具体的には、固着部29を形成するヒートシール部の中央部、言い換えれば、固着部29により一体化した包装材2と容器体3の上部シール部を打ち抜くように懸垂孔5が設けられている。このため、懸垂孔付近は、ハンガー等への吊り下げ時に耐用可能な十分な強度を有する。また、表現を変えれば、図1に示す実施例の包装体1では、懸垂孔5の周縁部が固着部29となっている。
そして、懸垂孔5の周縁部に位置する固着部29は、包装材2の両面に設けられたものとなっている。これより、懸垂孔5は、包装体内と外部雰囲気を連通しない。よって、懸垂孔5を用いて、包装体1は、そのまま懸垂できるにもかかわらず、包装体内の容器体は外部雰囲気と隔離されており、製造時の状態を維持できる。包装後滅菌されている場合は滅菌雰囲気を維持する。また、固着部は、上述の懸垂孔5の周縁部に形成されたものに加えて、図5に示す実施例の包装体1bが備えるような、上部シール部の両サイドに形成された固着部41を設けてもよい。
そして、図7に示すように、開封後の包装材2を排出ポート6の上部付近にて押圧することにより、容器体3の下部の膨らみ、排出ポートの形態に従って、包装材2の開封端42は、開くように変形する。そして、排出ポート6に薬液排出用針を穿刺する。薬液収納部は、包装材に被包された状態を維持し、懸垂孔5を用いてハンガー等に吊り下げることにより、薬液投与可能となる。なお、この包装体1では、薬液投与中においても薬液収納部は、遮光性を有する包装材により被包されているので、薬液の劣化が生じにくい。
この包装体1aでは、包装材2aは、開封開始部24,25付近かつ一方の側部より他方の側部に向かってほぼ直線状に延びる補強部27を備えている。具体的には、帯状着色部26の上縁部分もしくは帯状着色部の上縁に近接する部分に設けられ、包装材2の一方の側部21bから向かい合う他方の側部21cに向かってほぼ直線状に延びる補強部27を備えている。上述した実施例の包装体1とこの実施例の包装体1aとの相違は、補強部27の有無のみであり、その他については、上述した記載を参照するものとする。上述した実施例の包装体1とこの実施例の包装体1aとの相違は、補強部の有無のみである。
さらに、図4に示すものでは、包装材2aは、上記補強部27より所定長下方に位置し、帯状着色部26の下縁部分もしくは帯状着色部の下縁部に近接する部分に設けられ、包装材2aの一方の側部21bから向かい合う他方の側部21cに向かってほぼ直線状に延びる第2の補強部28を備えている。そして、第2の補強部28は、上述した補強部27とほぼ平行となるように設けられている。
補強部27、28としては、加熱により形成した線状の補強部、さらに、糸状の樹脂を融着させることにより形成した補強部など、包装材の他の部分より、強度が高いものであればどのようなものでもよい。
このように、2本の補強部27,28を設けることが好ましく、このようにすることにより、2本の補強部27,28間にて、開封開始部24と開封開始部25間を容易かつ確実に破断することができる。なお、補強部は、いずれか一本のみであってもよい。また、一本のみ設ける場合には、向かい合う開封開始部24付近かつその上部に一方の側部から他方の側部に向かってほぼ直線状に延びる補強部とすることが好ましい。
2 包装材
3 容器体
5 懸垂孔
6 排出ポート
24,25 開封開始部
26 帯状着色部
27、28 補強部
29 固着部
31 容器本体
33 上部シール部
34 薬剤収納部
Claims (10)
- 遮光性を有しかつ密封された包装材と、該包装材内に収納された薬液を収納した容器体とからなる薬液充填済み容器体を収容した包装体であって、
前記容器体は、軟質容器本体と、前記軟質容器本体の中央付近下部に取り付けられた排出ポートと、前記軟質容器本体の薬液収納部内に収納された前記薬液とを備え、かつ、収納した薬液により膨らんだ状態となっており、
前記包装体は、前記容器体の両側部との間に実質的に隙間が形成されない状態にて前記容器体を収納する容器体収納部と、前記容器体を前記包装材に固着する固着部を有し、前記包装材は、前記容器体の前記排出ポートより所定長下方となる前記包装材の一方の側部に設けられた開封開始部と、前記包装体を吊り下げるための懸垂孔を有し、
さらに、前記包装材は、前記開封開始部を始端として、前記排出ポートの所定長下方を通り、前記一方の側部と向かい合う他方の側部に到達するように破断開封可能であり、かつ、前記開封開始部は、前記破断開封時に、前記排出ポートが切断の障害とならない位置に設けられており、さらに、前記開封開始部は、破断開封後において、前記排出ポートが開封後の前記包装材より露出せず、かつ、開封後の前記包装材を前記排出ポートの上部付近にて押圧したとき、開封端が広がることを特徴とする薬液充填済み容器体を収容した包装体。 - 前記開封後の前記包装材を前記排出ポートの上部付近にて押圧したとき、少なくとも前記排出ポートの下面が、前記包装体の開封端より露出するものである請求項1に記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記包装材は、前記開封開始部から前記他方の側部もしくは前記他方の側部付近まで延び、かつ、前記排出ポートより所定長下方に位置する破断誘導用帯状着色部を備えている請求項1または2に記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記包装材は、前記開封開始部と該開封開始部と向かい合う他方の側部部位とを結ぶ仮想線と前記排出ポートの下端間の距離Dが、10〜40mmである請求項1ないし3のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記包装材は、前記開封開始部より下方に形成された下端シール部を備え、前記仮想線と前記下端シール部の上縁間の距離Eは、前記距離Dと同等もしくはそれより短いものとなっている請求項4に記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記包装材は、前記開封開始部付近に始端を有し、かつ前記包装材の前記一方の側部から前記一方の側部と向かい合う他方の側部に向かってほぼ直線状に延びる補強部を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記包装材は、前記開封開始部と向かい合うように、前記他方の側部に設けられた第2の開封開始部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記薬液充填済み容器体を収容した包装体は、前記容器体の上部シール部にて、前記包装材に固着する固着部を有している請求項1ないし7のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記包装材は、引き裂くことが可能な易裂性包装材である請求項1ないし8のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
- 前記遮光性は、難紫外線透過性かつ透明性を有するものである請求項1ないし9のいずれかに記載の薬液充填済み容器体を収容した包装体。
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