JP6204859B2 - 作業機 - Google Patents
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このホイールローダは、後部にエンジンを搭載した走行機体を備えている。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、エンジンルームの前側のメンテナンス性の向上を図った作業機を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明では、後部にエンジンを搭載した走行機体を備え、この走行機体に、エンジンが配置されるエンジンルームの前側を仕切る前側仕切りカバーを設け、この前側仕切りカバーは上カバーと、この上カバーの下方側に位置する下カバーとを有し、前記下カバーの上部側に前記上カバーを左右方向に移動可能に支持する支持溝を設け、上カバーの上部側を走行機体側に着脱自在に取付固定し、前記走行機体は左右一対の側板を有する機体フレームを備え、前記左右側板間の後部にエンジンルームを設け、このエンジンルームの前側で左右の側板の上部間に架け渡された架設部材を設け、前記架設部材の上方に、前記機体フレームの左右一側から左右他側へとワイヤーハーネスを配設するためのハーネス配線経路を設け、前記架設部材に前記上カバーの上部側を着脱自在に取付固定すると共に、当該架設部材の前記左右他側にエンジンルーム側から前記上カバーの前方側へと配設される配設部材を通すための配設部材挿通部を設け、この配設部材挿通部に前記ハーネス配線経路に配設されたワイヤーハーネスを挿通していることを特徴とする。
また、上カバーを側方に移動させることにより、配設部材挿通部の下端側を下方に開放状とすることができ、配設部材の配設やメンテナンスを容易に行える。
図1及び図2に作業機としてホイールローダ1を例示している。
このホイールローダ1はアーティキュレート式の作業機であり、走行機体2は前部機体2Aと後部機体2Bとから構成されている。前部機体2Aには左右一対の前輪3が設けられ、後部機体2Bには左右一対の後輪4が設けられている。
前記機体連結部材5と前部機体2Aとにわたって油圧シリンダからなるステアリングシリンダ6が設けられ、このステアリングシリンダ6を伸縮させることにより、後部機体2Bに対して前部機体2Aが左右に揺動してホイールローダ1が左右に旋回可能とされている。
後部機体2Bには、左右の後輪4間に配置された運転席13と、運転席保護装置としてのキャビン14と、前記ステアリングシリンダ6を操作するステアリングホイール15と、前記作業装置7を操作する作業装置用操作レバー16と、エンジン17(ディーゼルエンジン)と、各後輪4を上方から覆う後輪フェンダ18が設けられている。
図3、図4、図5及び図6に示すように、後部機体2Bは後部に前記エンジン17を搭載した機体フレーム19を有する。
この機体フレーム19は、厚板材で形成された左右一対の側板20を有する。この左右各側板20は、前後方向中途部20Aに対して前部20B及び後部20Cが低くなるように形成されている。
左右の側板20の前端側はフレーム前部連結部材22によって連結されている。このフレーム前部連結部材22の左右方向中央部には、前記機体連結部材5を前後方向の軸心回りに回転自在に支持する支持部23が設けられている。
左右各側板20の前部20Bの左右方向外面側と、左右各側板20の中途部20Aの上
部の左右方向外面側には、マウントブラケット24が固定されており、各マウントブラケット24には防振ゴムを有する防振マウントが取り付けられる。
前記下側部材26は、左右方向に配置されていて左右側板20の中途部20A上端間にわたって設けられ、該左右側板20の中途部20A上端同士を連結している。この下側部材26は、架設部材30とプレート部材31とから構成されている。
前記上側部材27は、左右方向に長い横長の板材によって形成され、板面が上下を向くように配置されていると共に前記プレート部材31の上方に間隔をおいて平行に配置されている。
このハーネス配線経路33に配線されるワイヤーハーネス32の一端側(左端側)は、エンジン17の配置空間であるエンジンルームの前部左側(機体フレーム19の左側方に配置されたスローブローフューズボックス34に接続されている。このスローブローフューズボックス34の前方で且つ機体フレーム19の側板20の中途部20Aの左側方にはバッテリ35が配置され、このバッテリ35から配設された電力供給用の電源ハーネス36がスローブローフューズボックス34に接続されている。
ーズボックス38に前記ワイヤーハーネス32の他端側が接続されている。
この配設部材挿通部43は、架設部材30の後壁に下方開放状に形成された切欠きによって構成されている。この切欠きは、右側の第1切欠き部44と、左側の第2切欠き部45とから構成されている。第1切欠き部44は正面視半長円形状に形成され、第2切欠き部45は第1切欠き部44の下部から左右に延出されていて左右方向に長い横長形状に形成されている。本実施形態では、第1切欠き部44にワイヤーハーネス41,42が挿通され、第2切欠き部45にエアコン用配管部材39,40が挿通される。
エアコンのコンプレッサ47はエンジン17の右側前側に配置され、レシーバ48やコンデンサ49はエンジン17の右側方に配置されている。
また、連結構造体25は、架設部材30を左右側板20に溶接固定すると共に、プレート部材31、上側部材27、前側連結部材28及び後側連結部材29からなる組立体を架設部材30にボルト固定することにより、左右側板20に組み付けることができる。これにより、連結構造体25の機体フレーム19への組付けの容易化を図ることができる。
エンジンルーム上部の左右両側及び上側はボンネット51で覆われている。
前記連結構造体25の上側部材27の上面には左右一対のボンネット支持ブラケット52が取付固定され、各ボンネット支持ブラケット52にボンネット支持アーム53の前部が左右軸回りに上下揺動自在に枢支され、各ボンネット支持アーム53の後部はボンネット51の下面に取り付けられている。これにより、ボンネット51はボンネット支持アーム53を介してボンネット支持ブラケット52に上下揺動自在に支持されている。
また、ボンネット51の下面側の左右両側には、ボンネット51を開状態に保持するガススプリング54が配置されている。
連結構造体25の上側部材27の左右両側には、ガススプリング54の前端側を枢支連結する前枢支部55Fが設けられている。ガススプリング54の後端側は、ボンネット51の下面に設けられた後枢支部55Rに枢支連結されている。
ボンネット51上部の前方は、連結構造体25を覆う前上部カバー56によって覆われている。この前上部カバー56は、正面視門形状に形成された門形部材56Aと、この門形部材56Aの前面を覆う前面プレート56Bとから構成されている。
例えば、機体フレーム19の左右側板20を連結する連結構造体25に、エンジンルームの前上部を覆う前上部カバー56の機能をもたせたものであれば、形状の複雑化を招くが、本実施形態では、機体フレーム19の左右側板20を連結する連結構造体25と、エンジンルームの前上部を覆う前上部カバー56とを別の部材で構成しているので、連結構造体25をシンプルな形状にすることができる。
エンジン17の右側方には、図示省略のラジエータが配置され、このラジエータとエンジン17との間にはラジエータファンを覆うファンシュラウドが取り付けられる支持脚58が設けられている。この支持脚58は、連結構造体25の右側から後下方に向けて延出されると共に後端側で下方に向けて延出されていて、上前端側が連結構造体25の右側に連結され、後下端が機体フレーム19の右側に連結されている。
図5に示すように、前側仕切りカバー59の前方側には、燃料タンク60と作動油タンク61とが左右に並べて配置されている。
図5〜図9に示すように、上カバー62は、一枚の板材によって形成され、板面が前後方向を向くように左右の側板20間にわたって設けられている。上カバー62の左右方向中途部には、上方突出状に設けられた取付部64が形成されている。この取付部64は、前記配設部材挿通部43の左側方において、架設部材30の後壁30Bの下部後面に重ね合わされて、該架設部材30にボルト及びナットによって着脱自在に取付固定されている。また、上カバー62の左端側の下端側が左側の側板20に固着された取付ステー65にボルト等によって着脱自在に取付固定されている。
下カバー63は、下カバー本体66と、この下カバー本体66の左端部に設けられたサイドカバー板67と、前記下カバー本体66の後面側上部に設けられた溝形成部材68とから構成されている。
溝形成部材68は、左右方向に長い板材によって形成され、下カバー本体66の後面上
部に配置されている。この溝形成部材68は、図7に示すように、下カバー本体66の後面に重ね合わされて該下カバー本体66に溶接等で固定された下部の取付壁69と、この取付壁69の上縁から後斜め上方に向けて延出された傾斜壁70とを有する。この溝形成部材68の傾斜壁70と下カバー本体66の上部とで支持溝71が形成され、この支持溝71に上カバー62の下端側が左右方向移動自在に挿入されて支持されている。
なお、メンテナンス時において、上カバー62は取り外さなくてもよく、該上カバー62を左側方に移動させるだけでもよい。また、ラジエータがエンジンルームの左側に配置される場合は、上カバー62を右側方に移動させてエンジン17の前側を開放させる。
また、上カバー62を側方に移動させることにより、配設部材挿通部43の下端側を下方に開放状とすることができ、配設部材39〜42の配設やメンテナンスを容易に行える。
また、前記キャビン14は底面側が開口状とされていると共に、該キャビン14の後部の左右両側は、フロアフレーム72の張出し部77上に載置されて該張出し部77に取付固定され、該キャビン14の前部は、フロアフレーム72のフロア部76上に載置されて該フロア部76に取付固定されている。したがって、キャビン14は前後のマウントブラケット24に防振マウントを介して防振支持される。
フロアフレーム72の背壁75の上部右側には、前述した冷媒戻しホース39と冷媒供給ホース40を通すための通し穴80が形成されている。
図3、図11に示すように、フロアフレーム72の底壁74上にはシート台81が固定され、このシート台81上にシートサスペンション等の運転席取付台82が設けられ、この運転席取付台82上に運転席13が設けられる。
図10に示すように、フロア部76の前部には、ハンドルポスト等を支持する支持フレーム84が設けられている。
図11に示すように、フロアフレーム72の左右の張出し部77は、機体フレーム19の側板20の中途部20Aの上端を越えて左右方向外方に張り出しており、該張出し部77は左右方向で同じ側にある後輪フェンダ18の上方に位置している。また、フロアフレーム72の左右の傾斜壁78は大きく立ち上がっており、左右各張出し部77と左右後輪
フェンダ18との上下間に大きな空間を形成している。この左右各張出し部77と左右後輪フェンダ18との間の空間に、バッテリ35、ヒューズボックス38、リレーボックス85、ウォッシャータンク86などのメンテナンス部品を収容する部品収容ボックス87が設けられている。
図12に示すように、左側の部品収容ボックス87には、ウォッシャータンク86と、バッテリ35と、左後側のマウントブラケット24とが配置されている。図13に示すように、右側の部品収容ボックス87には、フューズボックス38と、リレーボックス85と、右後側のマウントブラケット24と、燃料給油口90とが配置されている。
17 エンジン
19 機体フレーム
20 側板
30 架設部材
59 前側仕切りカバー
62 上カバー
63 下カバー
71 支持溝
39 エアコン用配管部材(冷媒戻しホース)
40 エアコン用配管部材(冷媒供給ホース)
41 ワイヤーハーネス
42 ワイヤーハーネス
43 配設部材挿通部
Claims (3)
- 後部にエンジンを搭載した走行機体を備え、この走行機体に、エンジンが配置されるエンジンルームの前側を仕切る前側仕切りカバーを設け、この前側仕切りカバーは上カバーと、この上カバーの下方側に位置する下カバーとを有し、前記下カバーの上部側に前記上カバーを左右方向に移動可能に支持する支持溝を設け、上カバーの上部側を走行機体側に着脱自在に取付固定し、
前記走行機体は左右一対の側板を有する機体フレームを備え、前記左右側板間の後部にエンジンルームを設け、このエンジンルームの前側で左右の側板の上部間に架け渡された架設部材を設け、
前記架設部材の上方に、前記機体フレームの左右一側から左右他側へとワイヤーハーネスを配設するためのハーネス配線経路を設け、
前記架設部材に前記上カバーの上部側を着脱自在に取付固定すると共に、当該架設部材の前記左右他側にエンジンルーム側から前記上カバーの前方側へと配設される配設部材を通すための配設部材挿通部を設け、この配設部材挿通部に前記ハーネス配線経路に配設されたワイヤーハーネスを挿通していることを特徴とする作業機。 - 前記配設部材挿通部は、前記架設部材に下方開放状に形成された切欠きによって構成され、
前記切欠きは、前記ワイヤーハーネスが挿通される第1切欠き部と、この第1切欠き部から延出されていてホースが挿通される第2切欠き部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の作業機。 - 前記架設部材は、前記左右側板の中途部上端間にわたって設けられた上壁と、この上壁の後端から下方に向けて延出されていて前記左右側板の上部後端間にわたって設けられた後壁とから側面視L字形に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機。
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