JP6204163B2 - コネクタユニット - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタユニットに関する。
従来、車両には、電子機器にバッテリからの電力や制御装置からの制御信号を伝えるための電線が配索される。これら電線を配索する際には、配索経路の規制や電線の保護を適切に行う必要がある。例えば、特許文献1及び2には、コネクタから外部に引き出された電線の保護及び経路規制を実現するためのカバーを備えるコネクタが開示されている。
また、特許文献3には、電子部品間の信号伝達や外部との信号伝達を行うためにトランスミッション内部に電線を配索した例が開示されている。この種の従来のトランスミッションは、ミッションケースの中に、入力軸の回転を所望の回転数に変更して出力軸側に伝達する変速用ギア機構と、この変速用ギア機構を制御するために必要なセンサやソレノイド等の電子部品と、これら電子部品を保持するための基板と、電子部品間の信号伝達や外部との信号伝達を行うための電線と、を備えている。
特開2013−105524号公報 特開平7−153521号公報 特開2004−028190号公報
図7は、従来のミッションケース内部における電線の配索形態の一例を模式的に示す平面図である。図7に示す例では、矩形状のミッションケース170の中に、電子部品等を固定するためのベース部材160と、ベース部材160に固定された複数の(図7の例では、7つ。)ソレノイド150と、ソレノイド150各々の側面に固定された相手方コネクタ140(例えば、オスコネクタ。)と、相手方コネクタ140と嵌合するコネクタ120(例えば、メスコネクタ。)と、コネクタ120から引き出されて引出し口171まで延長され、当該引出し口171から外部に導出される電線180と、が収容されている。電線180は、コネクタ120から引き出される枝線181と、これら枝線181が束状とされた幹線182とからなる。ミッションケース170は、図示しない別体のカバーにより液密に覆われる。そして、ミッションケース170とカバーとに囲まれた内部空間にオイルが充填される。
このような従来の配索形態では、図7に示すように、コネクタ120から導出された電線180がそれぞれ引出し口171に向けて導出されるので、電線180の配索経路の規制が困難であった。このため、図7に符号185で示すように電線180の配索経路が乱れる場合があった。この場合、封止作業時にミッションケース170とカバーとの間に電線180が挟まり、ミッションケース170内部の液密を保持できない可能性があった。
このような挟み込みを防止するために、上記特許文献1及び2に示されるようなコネクタを用いることが考えられるが、当該コネクタは大型成形品であるので比較的広い取り付けスペースが必要であり、ミッションケース170が大型化してしまう。また、この場合、当該コネクタを取り付けるための固定機構が必要となることからも、ミッションケース170が大型化してしまう。さらに、当該コネクタを用いると配索経路が固定されてしまうため、設計変更に対する柔軟性に乏しく、部品の流用が難しい。
また、電線180のうちの幹線182部分を図示しないバインダーで束ねることも考えられるが、電線180の配索経路が適切に規制されるように取り付けることは難しく、またコスト高である。また、挟み込みを防止するために、コネクタ120とミッションケース170の側壁との間の空間を広くとることが考えられるが、ミッションケース170が大型化してしまう。また、従来の配索形態では、電線180がコネクタ120から直接引き出されるため、電線180に引張り力が作用した場合、コネクタ120内部に収容された端子に力が作用しやすく、接続不良等を引き起こす可能性がある。さらに、従来の配索形態では、コネクタ120の枝線181の引き出し面側が開口しているため、微細な金属破片(コンタミ)が当該開口からコネクタ120の内部に進入するおそれがあり、ショートを引き起こす可能性があった。
これに対して、本出願人は、後述する図1に示すようなコネクタユニットを本発明の先行発明として考案した。図1は、先行発明に係るコネクタユニットを用いた場合の、ミッションケース内における電線の配索形態の一例を示す平面図である。先行発明に係るコネクタユニットは、後述する実施形態に係るコネクタユニットと基本的な構成及び効果が共通する。そこで、以下では、図1を参照して先行発明のコネクタユニットを説明する。
コネクタユニット30は、詳細には後述するが、幹線82から分岐した枝線81が引き出されるコネクタ20と、底壁と側壁とを有する有底筒状に形成され、コネクタ20の枝線81の引き出し面側に組み付けられるコネクタカバー10と、を備え、ミッションケース70内に収容される。コネクタ20は、枝線81の先端に電気的に接続された端子を収容しており、ソレノイド50の側面に固定された相手方コネクタ40と嵌合する。コネクタカバー10の側壁には図1の左右方向に貫通する電線挿通口(後述する。)が形成されており、図1に示すように、当該電線挿通口に幹線82が挿通されると共に、当該電線挿通口から枝線81が引き出される。このように、コネクタユニット30によれば、コネクタカバー10により枝線81及び幹線82の配索方向を適切に誘導して配索経路を規制できる。
このような先行発明を用いた図1に示す配索形態によれば、コネクタカバー10により電線を集約して配索できるので、省スペース化を実現できる。また、コネクタカバー10によって相手方コネクタ40との嵌合作業時にコネクタ20を同一の方向を向けることができるため、当該嵌合作業が容易となる。また、詳細は後述するが、配索経路の変更に合わせて電線80の引き出し方向を変更できるので、設計変更に対する柔軟性が向上している。
また、先行発明を用いた図1に示す配索形態によれば、コネクタカバー10により配索経路を規制できるので、バインダーによる結束を省略することができる。また、ミッションケース70の小型化を図ることができる。また、電線80がコネクタカバー10を介して引き出されるため、電線80に引張り力が作用した場合であっても、コネクタ20内部に収容された端子に力が作用しにくい。さらに、コネクタ20の引き出し面側がコネクタカバー10により覆われるので、当該開口からコンタミが進入しにくい。
このように、先行発明のコネクタユニットを用いた配索形態によれば、従来技術の問題点を解決できる。しかしながら、先行発明のコネクタユニットでは、コネクタカバー10が幹線82に対して回転可能に構成されているので、コネクタユニット30全体が幹線に対して回転してしまい、複数のコネクタ20の向きが揃わない場合があった(後述する図6(a)参照。)。このため、相手方コネクタ40に対する取付作業性が良くないおそれがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、取付作業性を向上できるコネクタユニットを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタユニットは、下記の点を特徴としている。
(1) 幹線から分岐した枝線の先端に電気的に接続された端子を収容するコネクタと、
底壁と側壁とを有する有底筒状に形成され、前記コネクタの前記枝線の引き出し面側に組み付けられるコネクタカバーと、
を備え、前記コネクタカバーにより前記枝線及び前記幹線の配索方向が誘導されるコネクタユニットであって、
前記コネクタカバーは、対向する前記側壁に形成された電線挿通口と、前記底壁に形成された回転抑制突起と、を有し、前記電線挿通口に前記幹線が挿通されると共に該電線挿通口から前記枝線が引き出され、
前記コネクタカバーが前記幹線に対して回転した場合、前記回転抑制突起が前記幹線に当接することにより当該回転が抑制される。
上記(1)のコネクタユニットによれば、コネクタカバー(すなわち、コネクタユニットの全体。)が幹線に対して回転した場合であっても、回転抑制突起が幹線に当接して当該回転が抑制される。このため、コネクタユニット全体が幹線に対して回転してしまうことを防止でき、コネクタを相手方コネクタに対して取り付ける際における取付作業性を向上できる。
本発明によれば、取付作業性を向上できるコネクタユニットを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、実施形態に係るコネクタユニットを用いた場合の、ミッションケース内における電線の配索形態の一例を模式的に示す平面図である。 図2は、図1のコネクタユニット及びオスハウジングを示す分解斜視図である。 図3は、コネクタカバーが組み付けられた状態のコネクタユニットを示す斜視図である。 図4は、コネクタユニットの使用状態を示す斜視図である。 図5(a)は、コネクタユニットの使用状態を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B線における配索状態を説明するために電線を断面視して示す図である。 図6は、実施形態に係るコネクタユニットの作用効果を説明するための図であり、図6(a)は先行発明に係るコネクタユニットを用いた場合の配索形態の一例を示す斜視図であり、図6(b)は実施形態に係るコネクタユニットを用いた場合の配索形態の一例を示す斜視図である。 図7は、従来のミッションケース内部における電線の配索形態の一例を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るコネクタユニットを用いた場合の、ミッションケース内における電線の配索形態の一例を示す平面図である。本実施形態では、図1に示すように、矩形状のミッションケース70の中に、電子部品等を固定するためのベース部材60と、ベース部材60に固定された複数の(本実施形態では、7つ。)ソレノイド50と、各ソレノイド50の側面に固定された相手方コネクタ40(例えば、オスコネクタ。)と、相手方コネクタ40と嵌合するコネクタ20(例えば、メスコネクタ。)と、コネクタ20から引き出されて引出し口71まで延長し、当該引出し口71から外部に導出される電線80と、が収容されている。電線80は、各コネクタ20から引き出される枝線81と、これら枝線81が束状となった幹線82とからなる(後述する図4参照。)。枝線81及び幹線82の配索方向は、コネクタ20とコネクタ20に取り付けられるコネクタカバー10とを備えるコネクタユニット30によって誘導される。ミッションケース70は、図示しない別体のカバーにより液密に覆われる。そして、ミッションケース70とカバーとに囲まれた内部空間にオイルが充填される。
コネクタユニット30について説明する。図2は、図1のコネクタユニット及びオスハウジングを示す分解斜視図、図3は、コネクタカバーが組み付けられた状態のコネクタユニットを示す斜視図、図4は、コネクタユニットの使用状態を示す斜視図である。図5(a)は、コネクタユニットの使用状態を示す平面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B線における配索状態を説明するために電線を断面視して示す図である。図6は、実施形態に係るコネクタユニットの作用効果を説明するための図であり、図6(a)は先行発明に係るコネクタユニットを用いた場合の配索形態の一例を示す斜視図であり、図6(b)は実施形態に係るコネクタユニットを用いた場合の配索形態の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、コネクタユニット30は、枝線81が引き出されるコネクタ20と、コネクタ20の枝線81の引き出し面25側に組み付けられるコネクタカバー10と、を備えている。これらの部材は、いずれも合成樹脂により形成されている。
コネクタ20(例えば、メスコネクタ。)は、内部に端子収容室22が形成された箱状のハウジング21を備え、枝線81の先端に電気的に接続された複数の端子(例えば、メス端子。図示せず。)を当該端子収容室22に収容する。コネクタ20は、相手方コネクタ40(例えば、オスコネクタ。)の係止部41に係止する係止凸部23をハウジング21の外面に有し、相手方コネクタ40と嵌合する。相手方コネクタ40の内部には前記端子と電気的に接続する複数の相手方端子(例えば、オス端子。図示せず。)が収容されており、コネクタ20と相手方コネクタ40とが嵌合すると、これら両端子が電気的に接続される。
また、ハウジング21の引き出し面25側の外面には、後述するコネクタカバー10の係止孔15に係止する4つの係止突起24が形成されている。係止突起24は、引き出し面25側の4隅それぞれに同一形状で形成されている。これら4つの係止突起24は、コネクタカバー10の4つの係止孔15のいずれにも係止可能であり、これによりコネクタカバー10のコネクタ20に対する取り付け角度が変更可能に構成されている。すなわち、コネクタカバー10は、図2〜図4に示す取り付け角度以外に、当該取り付け角度から90°だけ回転した状態でも(すなわち、縦向き及び横向きの双方で。)コネクタ20に対して取り付けられることができる。取り付け角度を変更することにより、コネクタカバー10による電線80の誘導方向を変更できる。
コネクタカバー10は、図2に示すように、底壁13と4つの側壁とを有する有底筒状に形成され、開口11を有している。コネクタカバー10は、図3に示すように、当該開口11側からハウジング21の引き出し面25側に組み付けられる。コネクタカバー10の開口11側の4隅には、上述した係止突起24に係止される係止孔15が形成されている。また、コネクタカバー10は、対向する側面それぞれに形成された電線挿通口17と、底壁13に形成された回転抑制突起19を有している。回転抑制突起19は、図5(b)に示すように、底壁13から開口11側に向けて延びるように形成されており、本実施形態では底壁13に垂直に延びるように形成されている。
次に、コネクタユニット30を用いた配索方法を説明する。本実施形態では、図5(a)に示すように、図1に示した7つのソレノイド50に固定された相手方コネクタ40に対して順次嵌合できるように、7つのコネクタユニット30を用いて電線80の配索経路を規制する例を挙げて説明する。
図4に示すように、コネクタユニット30の使用時には、コネクタカバー10の電線挿通口17に幹線82が挿通されると共に、コネクタ20から導出された枝線81が当該電線挿通口17から引き出される。すなわち、図4に示すように、隣接するコネクタユニット30からの幹線82が電線挿通口17に挿通されてコネクタカバー10の内部を通過し、当該幹線82と引き出された枝線81とが合流して次のコネクタユニット30側に配索される幹線82となる。このように、コネクタユニット30では、コネクタカバー10により枝線81及び幹線82の配索方向が誘導される。
このように電線80を順次配索することにより、図5(a)に示すように、枝線81及び幹線82の配索方向を適切に誘導して配索経路を規制できる。
また、本実施形態に係るコネクタユニット30を用いた配索形態では、コネクタカバー10が回転抑制突起19を有しており、図5(b)に示すように当該回転抑制突起19の一方側(図5(b)における上側)及び他方側(図5(b)における下側)の双方に電線80が配索される。換言すれば、回転抑制突起19の一方側及び他方側の双方に電線80が位置するように配索されている。このため、コネクタカバー10が幹線82に対して図5(b)中の矢印方向に回転した場合であっても、回転抑制突起19が幹線82に当接して当該回転が抑制されるので、幹線82に対する回転を抑制できる。このように、本実施形態に係るコネクタユニット30では、コネクタユニット30全体が幹線82に対して回転してしまうことが抑制されており、取付作業性が向上されている。
図6を参照して更に説明すると、回転抑制突起19を有していない先行発明のコネクタユニット30Bを用いた場合、図6(a)に示すようにコネクタユニット30Bが電線80に対して回転してしまい、複数のコネクタ20の向きが揃わない場合があった。このようにコネクタ20の向きが揃えにくいと、コネクタ20の相手方コネクタ40に対する取付作業性がよくない。これに対して、本実施形態に係るコネクタユニット30を用いた場合、上述したようにコネクタユニット30全体が幹線82に対して回転してしまうことが抑制されており、図6(b)に示すように複数のコネクタ20の向きを容易に揃えることができるので、取付作業性が良い。
以下では、実施形態に係るコネクタユニット30について纏める。
(1) コネクタユニット30は、コネクタ20と、コネクタカバー10と、を備える。コネクタ20は、幹線82から分岐した枝線81の先端に電気的に接続された端子を収容する。コネクタカバー10は、底壁13と側壁とを有する有底筒状に形成され、コネクタ20の前記枝線81の引き出し面25側に組み付けられる。コネクタユニット30では、前記コネクタカバー10により前記枝線81及び前記幹線82の配索方向が誘導される。前記コネクタカバー10は、対向する前記側壁に形成された電線挿通口17と、前記底壁13に形成された回転抑制突起19と、を有し、前記電線挿通口17に前記幹線82が挿通されると共に該電線挿通口17から前記枝線81が引き出される。前記コネクタカバー10が前記幹線82に対して回転した場合、前記回転抑制突起19が前記幹線82に当接することにより当該回転が抑制される。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態は、本発明の技術的範囲内で種々の変形や改良等を伴うことができる。
例えば、上記実施形態では、コネクタユニット30を用いてミッションケース70内に配索される電線80の配索経路を規制する例を挙げて説明したが、コネクタユニット30は、ミッションケース70内における配索に限らず、他の用途に用いることができることは云うまでもない。
10:コネクタカバー
13:底壁
17:電線挿通口
19:回転抑制突起
20:コネクタ
21:ハウジング
25:引き出し面
30:コネクタユニット
80:電線
81:枝線
82:幹線

Claims (1)

  1. 幹線から分岐した枝線の先端に電気的に接続された端子を収容するコネクタと、
    底壁と側壁とを有する有底筒状に形成され、前記コネクタの前記枝線の引き出し面側に組み付けられるコネクタカバーと、
    を備え、前記コネクタカバーにより前記枝線及び前記幹線の配索方向が誘導されるコネクタユニットであって、
    前記コネクタカバーは、対向する前記側壁に形成された電線挿通口と、前記底壁に形成された回転抑制突起と、を有し、前記電線挿通口に前記幹線が挿通されると共に該電線挿通口から前記枝線が引き出され、
    前記コネクタカバーが前記幹線に対して回転した場合、前記回転抑制突起が前記幹線に当接することにより当該回転が抑制される、
    ことを特徴とするコネクタユニット。
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