JP6204102B2 - イミノ基を有する可溶性ポリイミド系重合体、及びその製造方法 - Google Patents

イミノ基を有する可溶性ポリイミド系重合体、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、主鎖骨格中にイミノ基を有し、有機溶媒に可溶性である新規なポリイミド系重合体及びその製造方法に関する。さらに、当該ポリイミド系重合体の原料となるジイミデート化合物にも関する。
ポリイミドは、主鎖にイミド結合を含むポリマーの総称であり、特に芳香族ポリイミドは芳香族部位を有する剛直な分子骨格に起因する耐熱性に優れた機能性ポリマーとして知られている。一般に、ポリイミドの合成方法としては、以下に示すように、ジアミンと酸二無水物を溶液中で反応させ、ポリイミドの前駆体となるポリアミド酸を得て、その後、ポリアミド酸の脱水閉環反応を経てポリイミドを得るという2段階の合成方法が用いられてきた。
Figure 0006204102
しかしながら、従来のポリイミドは、一般的な有機溶媒に対する溶解性はきわめて低いため、その加工は容易ではなく、ポリイミドの成型はその合成前駆体であるポリアミド酸を加工し、その後熱処理を行うという煩雑な工程が必要であった。また、前駆体であるポリアミド酸は、室温下にて加水分解を受けやすく、また、酸無水物とアミンへの逆反応も進行するため、その貯蔵方法も容易ではないという問題があった。
これに対して、ポリアミド酸のカルボキシル基を修飾することなどによってポリアミド酸の安定性を改善する試み(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2)や溶解性を考慮した骨格構造を用いることで溶解性を向上させたポリイミドの開発の検討がなされているが、合成工程が複雑であったり或いはその物性の面で十分なものは得られていないのが現状である。一方、これまでに遷移金属触媒を用いたポリイミドの合成法は知られておらず、また主鎖骨格中にイミノ基を有するポリイミド系重合体の報告例も存在しない。
特開昭61−293204公報
J.V.Facinelliら、Macromolecules、1996、29、7342 J.H.Kimら、Macromolecules、1993、 26、3510
そこで、本発明は、一般的な有機溶媒に可溶な新規ポリイミド系重合体を提供すると共に、保存安定性の低いポリアミド酸を経由しないポリイミド系重合体の新規合成方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、主鎖骨格中にイミノ基を導入した新規ポリイミド系重合体がジクロロメタンやクロロホルム、THF、トルエンなどの有機溶媒に対して高い溶解性を有すること、及び、空気中室温にて安定なイミデート化合物を出発物質として遷移金属触媒を用いる合成方法によって1段階かつ高収率で当該ポリイミド系重合体が得られることを見出し、これら知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一態様において、以下の式(1)で示される構造を有する重合体を提供するものである。
Figure 0006204102
ここで、式中、各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、又は置換されていてもよいアリールアルケニルを表し;
各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;
は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される、ベンゼン環に結合する1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;
Xは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、置換されていてもよいアリーレン、置換されていてもよいアリールアルキレン、置換されていてもよいオキシアルキレン、又は置換されていてもよいアリーレンオキシを表し;
nは、2以上の整数を表す。
また、本発明は、一態様において、以下の式(2)で示される構造を有する重合体を提供するものである。
Figure 0006204102
ここで、式中、R、R、R、及びXは、前記と同義であり;
Yは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、−C(=O)−、−C(=S)−、又は−S(=O)−を表す。好ましくは、Yは、−C(=O)−である。
本発明の重合体の一つの好ましい態様では、上記式(1)及び(2)において、Rが、いずれも
Figure 0006204102
である。ここで、Rは、水素原子、置換されていてもよいC〜C20アルキル又はアルケニルを表す。好ましくは、Rは、置換されていてもよいC〜C12アルキルである。
本発明の重合体の一つの好ましい態様では、上記式(1)及び(2)において、Xが、単結合又は
Figure 0006204102
である。
本発明の重合体の一つの好ましい態様では、上記式(1)及び(2)において、R及びRが、いずれも水素原子である。
別の側面において、本発明は、上記式(1)で示される構造を有する重合体の製造方法であって、
以下の式(3)で示されるジイミデート化合物
Figure 0006204102
(式中、R及びRは、前記と同義であり;各Lは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルアミノ、置換されていてもよいアリールアミノ、置換されていてもよいアルキルチオ、又は置換されていてもよいアリールチオを表す。)
と以下の式(4)で示されるジイソシアネート化合物
Figure 0006204102
(式中、R及びXは、前記と同義である。)
とをレニウム触媒の存在下で反応させて前記重合体を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
また、本発明は、一態様において、上記式(2)で示される構造を有する重合体の製造方法であって、
以下の式(5)で示されるジイミデート化合物
Figure 0006204102
(式中、R、R、Y、及びLは、前記と同義である。)
と以下の式(4)で示されるジイソシアネート化合物
Figure 0006204102
(式中、R及びXは、前記と同義である。)
とをレニウム触媒の存在下で反応させて前記重合体を得ることを特徴とする、該製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法の一つの好ましい態様では、前記レニウム触媒が、Re(CO)10である。
更なる側面において、本発明は、以下の式(3)で示されるジイミデート化合物を提供するものである。
Figure 0006204102
(式中、R、R、及びLは、前記と同義である。)
また、本発明は、一態様において、以下の式(5)で示されるジイミデート化合物を提供するものである。
Figure 0006204102
(式中、R、R、Y、及びLは、前記と同義である。好ましくは、Yは、−C(=O)−である。)
本発明のジイミデート化合物の一つの好ましい態様では、上記式(3)及び(5)において、Lが、置換されていてもよいC〜Cアルコキシであり;
が、いずれも
Figure 0006204102
である(ここで、Rは、水素原子、置換されていてもよいC〜C20アルキル又はアルケニルを表す)。
本発明のポリイミド系重合体は、ジクロロメタンやクロロホルム、THF、トルエンなどの有機溶媒に対して、従来のポリイミドには認められない高い溶解性を有するため、その成型や塗布が容易であり、種々の用途において汎用性が高い。また、当該ポリイミド系重合体は、前駆体としてポリアミド酸を経由することなく得られるため、従来のように保存安定性の低いポリアミド酸の状態で成形・熱処理する工程を行う必要がない。
本発明の製造方法によれば、空気中室温にて安定なイミデート化合物を出発物質として遷移金属触媒を用いる合成方法によって、短工程かつ高収率で上記ポリイミド系重合体を得ることができる。さらに、出発物質として用いるジイミデート及びジイソシアネートに様々な官能基を導入することで最終的なポリマー骨格構造を容易に変更できる。これにより、ポリイミド系重合体の用途等に応じて、有機溶媒への溶解性のみならず、ガラス転移温度や分解温度などの熱力学的性質等の物性を制御することが可能となる。従って、産業的にも重要なエンジニアリング・プラスチックにおける新規材料として極めて実用性に優れたものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.定義
本明細書中において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。
本明細書中において、「アルキル」は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせからなる脂肪族炭化水素基のいずれであってもよい。アルキル基の炭素数は特に限定されないが、例えば炭素数1〜20個(C1〜20)である。炭素数を指定した場合は、その数の範囲の炭素数を有する「アルキル」を意味する。例えば、C1〜8アルキルには、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等が含まれる。本明細書において、アルキル基は任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アルキル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アルキル部分を含む他の置換基(例えばアルコシ基、アリールアルキル基など)のアルキル部分についても同様である。
本明細書中において、「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している直鎖又は分枝鎖の炭化水素基をいう。例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタンジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1,3−ペンタンジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル及び1,4−ヘキサンジエニル)を含む。二重結合についてシス配座またはトランス配座のいずれであってもよい。
本明細書中において、「アリール」は単環式又は縮合多環式の芳香族炭化水素基のいずれであってもよく、環構成原子としてヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子など)を1個以上含んでいてもよい。アリールが単環および縮合環のいずれである場合も、すべての可能な位置で結合しうる。単環式のアリールの非限定的な例としては、フェニル基、チエニル基(2−又は3−チエニル基)、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピラゾリル基、2−ピラジニル基、ピリミジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピリダジニル基、3−イソチアゾリル基、3−イソオキサゾリル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基等が挙げられる。縮合多環式のアリールの非限定的な例としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−インデニル基、2−インデニル基、2,3−ジヒドロインデン−1−イル基、2,3−ジヒドロインデン−2−イル基、2−アンスリル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、1,2−ジヒドロイソキノリル基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリル基、インドリル基、イソインドリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、ベンゾフラニル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−1−イル基、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダゾリル基、フルオレニル基又はチオキサンテニル基等が挙げられる。本明細書において、アリール基はその環上に任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシルなどを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アリール基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリール部分を含む他の置換基(例えばアリールオキシ基やアリールアルキル基など)のアリール部分についても同様である。
本明細書中において、「アリールアルキル」は、上記アリールで置換されたアルキルを表す。アリールアルキルは、任意の置換基を1個以上有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノ若しくはジ置換アミノ基、置換シリル基、又はアシル基などを挙げることができるが、これらに限定されることはない。アシル基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。アリールアルキルの非限定的な例としては、ベンジル基、2−チエニルメチル基、3−チエニルメチル基、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−チアゾリルメチル基、4−チアゾリルメチル基、5−チアゾリルメチル基、2−オキサゾリルメチル基、4−オキサゾリルメチル基、5−オキサゾリルメチル基、1−ピラゾリルメチル基、3−ピラゾリルメチル基、4−ピラゾリルメチル基、2−ピラジニルメチル基、2−ピリミジニルメチル基、4−ピリミジニルメチル基、5−ピリミジニルメチル基、1−ピロリルメチル基、2−ピロリルメチル基、3−ピロリルメチル基、1−イミダゾリルメチル基、2−イミダゾリルメチル基、4−イミダゾリルメチル基、3−ピリダジニルメチル基、4−ピリダジニルメチル基、3−イソチアゾリルメチル基、3−イソオキサゾリルメチル基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルメチル基又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメチル基等が挙げられる。
同様に、本明細書中において、「アリールアルケニル」は、上記アリールで置換されたアルケニルを表す。
本明細書中において、「アルコキシ基」とは、前記アルキル基が酸素原子に結合した構造であり、例えば直鎖状、分枝状、環状又はそれらの組み合わせである飽和アルコキシ基が挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロプロピルメトキシ基、n−ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロプロピルエチルオキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプロピルプロピルオキシ基、シクロブチルエチルオキシ基又はシクロペンチルメチルオキシ基等が好適な例として挙げられる。
本明細書中において、「アリールオキシ基」とは、前記アリール基が酸素原子を介して結合する基である。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−チエニルオキシ基、3−チエニルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−フリルオキシ基、2−チアゾリルオキシ基、4−チアゾリルオキシ基、5−チアゾリルオキシ基、2−オキサゾリルオキシ基、4−オキサゾリルオキシ基、5−オキサゾリルオキシ基、1−ピラゾリルオキシ基、3−ピラゾリルオキシ基、4−ピラゾリルオキシ基、2−ピラジニルオキシ基、2−ピリミジニルオキシ基、4−ピリミジニルオキシ基、5−ピリミジニルオキシ基、1−ピロリルオキシ基、2−ピロリルオキシ基、3−ピロリルオキシ基、1−イミダゾリルオキシ基、2−イミダゾリルオキシ基、4−イミダゾリルオキシ基、3−ピリダジニルオキシ基、4−ピリダジニルオキシ基、3−イソチアゾリルオキシ基、3−イソオキサゾリルオキシ基、1,2,4−オキサジアゾール−5−イルオキシ基、又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルオキシ基等が例示される。
本明細書中において、「アルキレン」とは、直鎖状または分枝状の飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、メチレン、1−メチルメチレン、1,1−ジメチルメチレン、エチレン、1−メチルエチレン、1−エチルエチレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジエチルエチレン、1,2−ジエチルエチレン、1−エチル−2−メチルエチレン、トリメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、1,2−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−エチルトリメチレン、1,1−ジエチルトリメチレン、1,2−ジエチルトリメチレン、2,2−ジエチルトリメチレン、2−エチル−2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、1,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジ−n−プロピルトリメチレン等が挙げられる。
本明細書中において、「アルケニレン」とは、直鎖状または分枝状の少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有している不飽和炭化水素からなる二価の基であり、例えば、エテニレン、1−メチルエテニレン、1−エチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレン、1,2−ジエチルエテニレン、1−エチル−2−メチルエテニレン、プロペニレン、1−メチル−2−プロペニレン、2−メチル−2−プロペニレン、1,1−ジメチル−2−プロペニレン、1,2−ジメチル−2−プロペニレン、1−エチル−2−プロペニレン、2−エチル−2−プロペニレン、1,1−ジエチル−2−プロペニレン、1,2−ジエチル−2−プロペニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、1−メチル−2−ブテニレン、2−メチル−2−ブテニレン、1,1−ジメチル−2−ブテニレン、1,2−ジメチル−2−ブテニレン等が挙げられる。
本明細書中において、「アリーレン」及び「アリールアルキレン」は、それぞれ上記「アリール」及び「アリールアルキル」に基づく二価の基を意味する。同様に、「オキシアルキレン」及び「アリーレンオキシ」は、それぞれ上記「アルコキシ」及び「アリールオキシ」に基づく二価の基を意味する。
本明細書中において、「アルキルアミノ」及び「アリールアミノ」は、−NH基の水素原子が上記アルキル又はアリールの1又は2で置換されたアミノ基を意味する。例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、エチルメチルアミノ、ベンジルアミノ等が挙げられる。同様に、「アルキルチオ」及び「アリールチオ」は、−SH基の水素原子が上記アルキル又はアリールで置換された基を意味する。例えば、メチルチオ、エチルチオ、ベンジルチオ等が挙げられる。
2.重合体
本発明のポリイミド系重合体は、従来のポリイミドの主鎖骨格中に存在するイミド基(−C(=O)−N−C(=O)−)におけるカルボニル基のうち1つの酸素原子(=O)を窒素原子(=N−)で置換してイミノ基とした構造、すなわちイミノイミド基を有することを特徴とする。かかる主鎖骨格中にイミノ基を含む点で、従来にはない新規な構造を有する重合体といえるものである。
本発明のポリイミド系重合体は、式(1)又は(2)で示される構造を有する(以下、それぞれ「式(1)の重合体」及び「式(2)の重合体」ともいう。)。当該式(1)及び式(2)の重合体は、主鎖骨格中にイミノイミド基を2つ有する環構造を含む点で共通する。
Figure 0006204102
Figure 0006204102
これらの式中、Rはイミノ基に連結している基であり、各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、又は置換されていてもよいアリールアルケニルであることができる。Rは、好ましくは、イミノ基の窒素原子にフェニルが連結している以下の式で表される基
Figure 0006204102
である。2つのRが、いずれも当該基であることがより好ましい。ここで、Rは、典型的には、水素原子、置換されていてもよいC〜C20アルキル又はアルケニルであり、好ましくは、置換されていてもよいC〜C12アルキルである。しかしながら、これらに限らず、その他の官能基を用いることもできる。また、Rの位置は、上記のようにパラ位が好ましいが、オルト位又はメタ位とすることも可能である。
当該Rの置換基を変化させること(例えば、アルキル基の長さ等による置換基のファン・デル・ワールス力の調整等)によって、有機溶媒への溶解性、ガラス転移温度、分解温度、重合度等を制御することが可能となる。
各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルであることができる。好ましくは、水素原子又は置換されていてもよいアルキルであり、より好ましくは水素原子である。
は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択されるであることができる。当該Rは、1〜4個であることができ、2以上の場合は同一又は異なっていてもよい。好ましくは、水素原子又は置換されていてもよいアルキルであり、より好ましくは水素原子である。
Xは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、置換されていてもよいアリーレン、置換されていてもよいアリールアルキレン、置換されていてもよいオキシアルキレン、又は置換されていてもよいアリーレンオキシであることができる。Xは、好ましくは単結合又は
Figure 0006204102
で表される基である。なお、当該基におけるベンゼン環は、上記Rと同様の置換基で置換されていてもよい。
Yは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、−C(=O)−、−C(=S)−、又は−S(=O)−であることができ、好ましくは−C(=O)−である。
nは、2以上の整数であることができるが、好ましくは、2〜15、より好ましくは、3〜8である。
なお、以上のR〜R、X、及びYは、後述の原料物質であるジイミデート化合物及びジイソシアネート化合物における置換基に由来するものであり、これら原料物質の置換基を修飾することで、最終的な重合体における置換基を制御することができる。
式(1)の重合体の非限定的な具体例としては、以下の構造の重合体を挙げることができる(式中、Aは、C1225、又はC13である)。
Figure 0006204102
また、式(2)の重合体の非限定的な具体例としては、以下の構造の重合体を挙げることができる(式中、Aは、C1225、又はC13である)。
Figure 0006204102
本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はされないが、例えば、1,000〜25,000が好ましく、より好ましくは1,500〜20,000である。
本発明の重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定はされないが、例えば、1,000〜10,000が好ましく、より好ましくは1,300〜6,500である。
本発明の重合体の分解温度は、特に限定はされないが、好ましくは200〜450℃、より好ましくは250〜400℃である。
本発明の重合体のガラス転移温度は、特に限定はされないが、好ましくは20〜150℃、より好ましくは25〜130℃である。
3.製造方法
本発明の重合体は、ジイミデート化合物とジイソシアネート化合物を反応させて重合させることに製造することができる。より詳細には、金属触媒によるイミデート基とイソシアネート基との閉環反応を利用するものである。当該反応の機構に以下に示す。
Figure 0006204102
当該反応は、99%以上の高い収率で、かつグラム単位のラージスケールで行うことができるという点で非常に優れており、さらに、官能基を修飾した幅広い反応基質に対しても用いることができるという利点を有する。
従って、上記式(1)の重合体は、
以下の式(3)で示されるジイミデート化合物
Figure 0006204102
と以下の式(4)で示されるジイソシアネート化合物
Figure 0006204102
とをレニウム触媒の存在下で反応させることによって、ワンステップで製造することができる。
同様に、上記式(2)の重合体は、原料物質の構造を上記(1)の製造方法の場合と変更することで得ることができる。すなわち、上記式(2)の重合体は、
以下の式(5)で示されるジイミデート化合物
Figure 0006204102
と以下の式(4)で示されるジイソシアネート化合物
Figure 0006204102
とをレニウム触媒の存在下で反応させることによって、ワンステップで製造することができる。
ここで、上記式中、R、R、R、X及びYは、前記と同義である。
Lは、上記の閉環反応において脱離基として機能し得るものであれば、任意の置換基を用いることができるが、好ましくは、各Lは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアルキルアミン、置換されていてもよいアリールアミン、置換されていてもよいチオアルキル、又は置換されていてもよいチオアリールであることができる。Lは、好ましくは、置換されていてもよいアルコキシであり、より好ましくは、置換されていてもよいC〜Cアルコキシであり、更に好ましくはメトキシである。2つのLが同一であることが好ましい。
上記重合反応に用いられる触媒は、レニウム触媒が好ましいが、それ以外にも銅触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒、イリジウム触媒、又はルテニウム触媒を用いることもできる。用いられるレニウム触媒としては、Re(CO)10、ReBr(CO)、[ReBr(CO)(THF)]等のレニウム金属錯体等が挙げられるが、好ましくは、Re(CO)10である。その他の触媒の例としては、Pd(OAc)、Cu(OAc)、RhCl(PPh)、[Rh(OH)(COD)]+rac−BINAP、[CpRhCl]、[CpIrCl]、RuH(CO)(PPh)、[RuCl(p−cymene)]2、Ru(CO)12が挙げられる。
上記重合反応に用いられる溶媒は、原料物質であるジイミデート化合物とジイソシアネート化合物を溶解させるものであれば任意の有機溶媒を用いることができるが、好ましくは、トルエン、ヘキサン、THF、ジオキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシドであり、より好ましくは、トルエン、ジオキサンである。
その他、当該製造方法における反応温度等の反応条件は、後述の実施例において代表的な例として詳細に記載するが、必ずしもそれらに限定されるわけではなく、当該技術分野における当業者であれば、有機合成における一般的な知識に基づいてそれぞれ適宜選択可能である。
また、本発明は、上記重合体の製造方法に加えて、その原料物質である上記式(3)及び(5)の構造を有するジイミデート化合物をも対象とするものである。当該ジイミデート化合物の合成方法に関しては、後述の実施例を参照することによって、当該技術分野における当業者であれば有機合成における一般的な知識に基づいて十分に理解できるものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.ジイミデート化合物の合成
[実施例1]
Figure 0006204102
Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコ中にて、N1,N4-ビス(4-ドデシルフェニル)テレフタルアミド(3.26 g, 5.0 mmol)及び塩化チオニル(40 mL)を加え、24時間加熱還流した。反応後、未反応の塩化チオニルを減圧留去し、真空乾燥し、(1Z,4Z)-N'1,N'4-ビス(4-ドデシルフェニル)テレフタルイミドイルジクロリドを得た。続いて、Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコにおいて、THFにて洗浄したNaH (400 mg, 10 mmol)を脱水THF (5.4 mL)に懸濁させ、脱水メタノール(0.41 mL, 10 mmol)を滴下し、0℃にて30分攪拌した。その後、(1Z,4Z)-N'1,N'4-ビス(4-ドデシルフェニル)テレフタルイミドイルジクロリド(5.0 mmol)のTHF懸濁液(10.8 mL)を滴下し、24時間加熱還流した。反応後、水を加え、酢酸エチル(15 mL×3)を用いて分液抽出を行った。得られた有機層に対し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=49/1)により(1Z,4Z)-ジメチル N'1,N'4-ビス(4-ドデシルフェニル)テレフタルイミデートを単離・精製した(542.5 mg, 16%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 6H), 1.16-1.34 (m, 36H), 1.48-1.55 (m, 4H), 2.49 (t, J = 7.7 Hz, 4H), 3.92 (s, 6H), 6.54 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.93 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 7.15 (s, 4H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.1, 22.7, 29.2, 29.4, 29.5, 29.65 (4C), 29.68 (4C), 31.5, 31.9, 35.3, 55.2, 121.3, 128.79, 128.83, 132.5, 137.3, 145.4, 158.1; IR (neat, ν / cm-1) 1672, 1299, 1129, 1118; HRMS (ESI+) Calcd for C46H69N2O2 [M+H]+ 681.5359, Found 681.5377.

[実施例2]
Figure 0006204102
Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコ中にて、N1,N4-ビス(4-ヘキシルフェニル)テレフタルアミド(969 mg, 2.0 mmol)及び塩化チオニル(20 mL)を加え、24時間加熱還流した。反応後、未反応の塩化チオニルを減圧留去し、真空乾燥し、(1Z,4Z)-N'1,N'4-ビス(4-ヘキシルフェニル)テレフタルイミドイルジクロリドを得た。続いて、Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコにおいて、THFにて洗浄したNaH (800 mg, 20 mmol)に対し、脱水メタノール(4.0 mL)を滴下し、0℃にて30分攪拌した。その後、脱水THF (18 mL)を加え、(1Z,4Z)-N'1,N'4-ビス(4-ヘキシルフェニル)テレフタルイミドイルジクロリド(2.0 mmol)のTHF懸濁液(22 mL)を滴下し、24時間室温にて攪拌した。反応後、水を加え、酢酸エチル(15 mL×3)を用いて分液抽出を行った。得られた有機層に対し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=16/1)により(1Z,4Z)-ジメチル N'1,N'4-ビス(4-ヘキシルフェニル)テレフタルイミデートを単離・精製した(751 mg, 73%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 6H), 1.20-1.34 (m, 12H), 1.53-1.56 (m, 4H), 2.50 (t, J = 6.9 Hz, 4H), 3.92 (s, 6H), 6.54 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.0 Hz, 4H), 7.15 (s, 4H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.1, 22.6, 28.8, 31.4, 31.7, 35.3, 53.9, 121.3, 128.80, 128.82, 132.5, 137.3, 145.4, 158.1; IR (KBr, ν / cm-1) 1672, 1298, 1277, 1129, 1116; HRMS (ESI+) Calcd for C34H45N2O2 [M+H]+ 513.3481, Found 513.3487.

[実施例3]
Figure 0006204102
Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコ中にて、4,4'-カルボニルビス(N-フェニルベンズアミド) (841 mg, 2.0 mmol)及び塩化チオニル(20 mL)を加え、24時間加熱還流した。反応後、未反応の塩化チオニルを減圧留去し、真空乾燥し、(1Z,4Z)-4,4'-カルボニルビス(N-フェニルベンズイミドイルクロリド)を得た。続いて、Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコにおいて、THFにて洗浄したNaH (800 mg, 20 mmol)に対し、脱水メタノール(4.0 mL)を滴下し、0℃にて30分攪拌した。その後、脱水THF (18 mL)を加え、(1Z,4Z)-4,4'-カルボニルビス(N-フェニルベンズイミドイルクロリド) (2.0 mmol)のTHF懸濁液(22 mL)を滴下し、24時間室温にて攪拌した。反応後、水を加え、酢酸エチル(15 mL×3)を用いて分液抽出を行った。得られた有機層に対し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=19/1)により(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-フェニルベンズイミデート)を単離・精製した(151 mg, 17%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 4.00 (s, 6H), 6.71 (d, J = 7.4 Hz, 4H), 6.96 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 7.17 (dd, J = 8.0, 7.4 Hz, 4H), 7.39 (d, J = 8.6 Hz, 4H), 7.58 (d, J = 8.6 Hz, 4H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 54.2, 121.5, 123.0, 129.0, 129.3, 129.4, 135.2, 137.9, 147.8, 158.0, 195.2; IR (KBr, ν / cm-1) 1656, 1272, 1117, 696; HRMS (ESI+) Calcd for C29H24N2NaO3 [M+Na]+ 471.1685, Found 471.1679.

[実施例4]
Figure 0006204102
Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコ中にて、4,4'-カルボニルビス(N-(4-ヘキシルフェニル)ベンズアミド) (1.18 g, 2.0 mmol)及び塩化チオニル(20 mL)を加え、24時間加熱還流した。反応後、未反応の塩化チオニルを減圧留去し、真空乾燥し、(1Z,1’Z)-4,4'-カルボニルビス(N-(4-ヘキシルフェニル)ベンズイミドイルクロリド)を得た。続いて、Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコにおいて、THFにて洗浄したNaH (800 mg, 20 mmol)に対し、脱水メタノール(4.0 mL)を滴下し、0℃にて30分攪拌した。その後、脱水THF (18 mL)を加え、(1Z,1’Z)-4,4'-カルボニルビス(N-(4-ヘキシルフェニル)ベンズイミドイルクロリド) (2.0 mmol)のTHF懸濁液(22 mL)を滴下し、24時間室温にて攪拌した。反応後、水を加え、酢酸エチル(15 mL×3)を用いて分液抽出を行った。得られた有機層に対し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=32/1)により(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-4-ヘキシルフェニルベンズイミデート)を単離・精製した(924 mg, 75%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.77-0.94 (m, 6H), 1.12-1.41 (m, 12H), 1.47-1.57 (m, 4H), 2.50 (t, J = 7.4 Hz, 4H), 3.98 (s, 6H), 6.61 (d, J = 7.4 Hz, 4H), 6.97 (d, J = 7.4 Hz, 4H), 7.39 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 7.58 (d, J = 7.2 Hz, 4H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.1, 22.6, 28.8, 31.4, 31.7, 35.2, 54.1, 121.3, 129.0, 129.3, 129.4, 135.4, 137.5, 137.8, 145.3, 157.8, 195.3; IR (neat, ν / cm-1) 1656, 1508, 1434, 1279, 1118, 930, 699; HRMS (ESI+) Calcd for C41H48N2NaO3 [M+Na]+ 639.3563, Found 639.3535.

[実施例5]
Figure 0006204102
Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコ中にて、4,4'-カルボニルビス(N-(4-ヘキシルフェニル)ベンズアミド) (757 mg, 1.0 mmol)及び塩化チオニル(10 mL)を加え、24時間加熱還流した。反応後、未反応の塩化チオニルを減圧留去し、真空乾燥し、(1Z,1’Z)-4,4'-カルボニルビス(N-(4-ドデシルフェニル)ベンズイミドイルクロリド)を得た。続いて、Ar雰囲気下100 mL二口丸底フラスコにおいて、THFにて洗浄したNaH (400 mg, 10 mmol)に対し、脱水メタノール(2.0 mL)を滴下し、0℃にて30分攪拌した。その後、脱水THF (9.0 mL)を加え、(1Z,1’Z)-4,4'-カルボニルビス(N-(4-ドデシルフェニル)ベンズイミドイルクロリド) (1.0 mmol)のTHF懸濁液(11mL)を滴下し、24時間室温にて攪拌した。反応後、水を加え、酢酸エチル(15 mL×3)を用いて分液抽出を行った。得られた有機層に対し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=24/1)により(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-4-ドデシルフェニルベンズイミデート)を単離・精製した(274 mg, 35%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 6.3 Hz, 6H), 1.10-1.36 (m, 36H), 1.48-1.58 (m, 4H), 2.50 (t, J = 7.4 Hz, 4H), 3.98 (s, 6H), 6.61 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 6.97 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 7.39 (d, J = 7.5 Hz, 4H), 7.58 (d, J = 7.5 Hz, 4H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ 14.1, 22.7, 29.2, 29.3, 29.5, 29.60, 29.63 (6C), 31.5, 31.9, 35.3, 54.1, 121.3, 128.9, 129.3, 129.4, 135.4, 137.6, 137.8, 145.3, 157.8, 195.3; IR (neat, ν / cm-1) 1655, 1279, 1118; HRMS (ESI+) Calcd for C53H72N2NaO3 [M+Na]+ 807.5441, Found 807.5464.
2.重合体の合成
[実施例6]
Figure 0006204102
(1Z,4Z)-ジメチル N'1,N'4-ビス(4-ドデシルフェニル)テレフタルイミデート(85.1 mg, 0.125 mmol)、1,4-フェニレンジイソシアネート(20.0 mg, 0.125 mmol)、Re2(CO)10 (4.1 mg, 6.3 μmol), 及びトルエン(0.5 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。その後、減圧下にて溶媒を留去し、生成物をサイズ排除カラムクロマトグラフィー(SEC)で精製した。減圧下溶媒を留去し、65%の収率で赤褐色の重合体を得た(63.1mg)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.77-0.93 (m, 6H), 1.05-1.43 (m, 36H), 1.49-1.81 (m, 4H), 2.46-2.71 (m, 4H), 6.68-6.99 (m, 4H), 7.01-7.25 (m, 4H), 7.30-7.99 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3)δ 14.1, 22.7, 29.4, 29.48, 29.52, 29.66 (4C), 29.69 (4C), 31.5, 31.9, 35.4, 119.0, 120.6, 121.3, 127.9, 128.1, 129.1, 129.7, 131.8, 140.1, 145.1, 170.8; IR (ATR, ν / cm-1) 1738, 1661, 1504, 1358, 1122, 690.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 14223
数平均分子量: 4856
多分散度: 2.929
ピーク平均分子量: 5702
分解温度: 312℃
ガラス転移温度: 31.0℃
[実施例7]
Figure 0006204102
(1Z,4Z)-ジメチル N'1,N'4-ビス(4-ヘキシルフェニル)テレフタルイミデート (128 mg, 0.25 mmol)、1,4-フェニレンジイソシアネート(40.0 mg, 0.25 mmol)、Re2(CO)10 (8.2 mg, 12.5 μmol), 及びトルエン(1.0 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。その後、減圧下にて溶媒を留去し、ジクロロメタンに残渣を溶解後、メタノール中に滴下し、再沈殿法によって精製した。得られた固体を吸引ろ過し、真空加熱下にて残留溶媒を留去し、53%の収率で赤褐色の重合体を得た(80.2 mg)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.67-0.88 (m, 6H), 0.99-1.43 (m, 12H), 1.45-1.60 (m, 4H), 2.17-2.77 (m, 4H), 6.35-6.86 (m, 4H), 6.92-7.24 (m, 4H), 7.27-8.76 (m, 6H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ14.1, 22.6, 29.0, 31.5, 31.7, 35.4, 119.1, 121.3, 121,6, 128.0, 129.0, 129.1, 129.3, 129.7, 140.1, 145.1, 169.7; IR (ATR, ν / cm-1) 1733, 1653, 1506, 1354, 1122, 824, 690.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 14628
数平均分子量: 4694
多分散度: 3.116
ピーク平均分子量: 2387
分解温度: 323℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
[実施例8]
Figure 0006204102
(1Z,4Z)-ジメチル N'1,N'4-ジフェニルテレフタルイミデート(86.1 mg, 0.25 mmol)、1,4-フェニレンジイソシアネート(40.0 mg, 0.25 mmol)、Re2(CO)10 (8.2 mg, 12.5 μmol), 及びトルエン(1.0 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。反応後、生じた沈殿を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄後、真空加熱下にて溶媒を留去し、橙色固体を得た(69.4mg)。続いてろ液を減圧下にて溶媒を留去し、ジクロロメタンに残渣を溶解後、メタノール中に滴下し、再沈殿法によって精製した。得られた固体を吸引ろ過し、真空加熱下にて残留溶媒を留去し、23%の収率で赤褐色の重合体を得た(24.8 mg)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.75-6.95 (m, 4H), 7.04-7.24 (m, 2H), 7.28-7.58 (m, 6H), 7.60-7.83 (m, 2H);; IR (ATR, ν / cm-1) 1731, 1653, 1506, 1360, 1121, 758, 689.
不溶成分IR (ATR, ν / cm-1) 1731, 1659, 1506, 1356, 1124, 760, 690.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 2058
数平均分子量: 1499
多分散度: 1.373
ピーク平均分子量: 1029
分解温度: 327℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
不溶成分に関しては以下のとおり(IRの比較により、同一のユニットをもつ高分子量のポリマーだと考えられる)。
重量平均分子量: 有機溶媒に不溶であるため、算出不能
数平均分子量: 有機溶媒に不溶であるため、算出不能
多分散度: -
ピーク平均分子量: -
分解温度: 283℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
[実施例9]
Figure 0006204102
(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-4-ドデシルフェニルベンズイミデート)(196 mg, 0.25 mmol)、1,4-フェニレンジイソシアネート(40.0 mg, 0.25 mmol)、Re2(CO)10 (8.2 mg, 12.5 μmol), 及びトルエン(1.0 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。その後、減圧下にて溶媒を留去し、ジクロロメタンに残渣を溶解後、メタノール中に滴下し、再沈殿法によって精製した。得られた固体を吸引ろ過し、真空加熱下にて残留溶媒を留去し、68%の収率で赤褐色の重合体を得た(149.8 mg)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ0.74-0.92 (m, 6H), 0.97-1.40 (m, 36H), 1.48-1.79 (m, 4H), 2.46-2.71 (m, 4H), 6.65-7.01 (m, 4H), 7.03-7.25 (m, 4H), 7.28-8.00 (m, 8H), 8.15-8.36 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) 14.1, 22.7, 29.3, 29.35, 29.42, 29.5, 29.7, 31.2, 31.3, 31.6, 31.9, 35.4, 119.2, 125.0, 126.7, 128.2, 129.1, 129.36, 129.41, 132.5, 134.2, 139.5, 142.1, 145.6, 149.8, 165.8, 194.1; IR (ATR, ν / cm-1) 1734, 1661, 1506, 1362, 1124, 698.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 18412
数平均分子量: 6198
多分散度: 2.970
ピーク平均分子量: 5072
分解温度: 328℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
[実施例10]
Figure 0006204102
(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-4-ヘキシルフェニルベンズイミデート) (154 mg, 0.25 mmol)、1,4-フェニレンジイソシアネート(40.0 mg, 0.25 mmol)、Re2(CO)10 (8.2 mg, 12.5 μmol), 及びトルエン(1.0 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。反応後、生じた沈殿を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄後、真空加熱下にて溶媒を留去し、暗赤褐色固体を得た(41.8mg)。続いてろ液を減圧下にて溶媒を留去し、ジクロロメタンに残渣を溶解後、メタノール中に滴下し、再沈殿法によって精製した。得られた固体を吸引ろ過し、真空加熱下にて残留溶媒を留去し、60%の収率で赤褐色の重合体を得た(106.5 mg)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.74-0.94 (m, 6H), 1.15-1.42 (m, 12H), 1.49-1.77 (m, 4H), 2.45-2.71 (m, 4H), 6.66-6.99 (m, 4H), 7.00-7.24 (m, 4H), 7.28-8.06 (m, 8H), 8.06-8.38 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ14.1, 22.6, 28.8, 31.4, 31.6, 35.4, 119.2, 120.3, 124.9, 126.3, 128.2, 129.0, 129.5, 132.3, 132.4, 134.2, 139.4, 139.8, 145.6, 149.8, 165.7, 193.1; IR (ATR, ν / cm-1) 1743, 1651, 1506, 1362, 1124, 696.
不溶成分IR (ATR, ν / cm-1) 1743, 1653, 1506, 1362, 1124, 696.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 12735
数平均分子量: 4439
多分散度: 2.986
ピーク平均分子量: 3224
分解温度: 362℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
不溶成分に関しては以下のとおり(IRの比較により、同一のユニットをもつ高分子量のポリマーだと考えられる)。
重量平均分子量: 有機溶媒に不溶であるため、算出不能
数平均分子量: 有機溶媒に不溶であるため、算出不能
多分散度: -
ピーク平均分子量: -
分解温度: 371℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
[実施例11]
Figure 0006204102
(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-フェニルベンズイミデート) (56.0 mg, 0.125 mmol)、1,4-フェニレンジイソシアネート(20.0 mg, 0.125 mmol)、Re2(CO)10 (4.1 mg, 6.3 μmol), 及びトルエン(0.5 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。反応後、生じた沈殿を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄後、真空加熱下にて溶媒を留去し、黄土色固体を得た(40.0mg)。続いてろ液を減圧下にて溶媒を留去し、ジクロロメタンに残渣を溶解後、メタノール中に滴下し、再沈殿法によって精製した。得られた固体を吸引ろ過し、真空加熱下にて残留溶媒を留去し、2%の収率で赤褐色の重合体を得た(8.8 mg)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.88-7.03 (m, 4H), 7.16-7.24 (m, 2H), 7.38-7.45 (m, 4H), 7.58-7.77 (m, 4H), 7.77-8.03 (m, 4H), 8.13-8.29 (m, 2H);; IR (ATR, ν / cm-1) 1733, 1653, 1506, 1362, 1124, 692.
不溶成分IR (ATR, ν / cm-1) 1731, 1653, 1506, 1360, 1124, 690.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 1727
数平均分子量: 1368
多分散度: 1.263
ピーク平均分子量: 901

不溶成分に関しては以下のとおり(IRの比較により、同一のユニットをもつ高分子量のポリマーだと考えられる)。
重量平均分子量: 有機溶媒に不溶であるため、算出不能
数平均分子量: 有機溶媒に不溶であるため、算出不能
多分散度: -
ピーク平均分子量: -
分解温度: 302℃
ガラス転移温度: (-20℃〜220℃の範囲内において)
明確なガラス転移温度は観測されず
[実施例12]
Figure 0006204102
(1Z,1'Z)-ジメチル 4,4'-カルボニルビス(N-4-ヘキシルフェニルベンズイミデート) (154 mg, 0.25 mmol)、4,4'-オキソビス(イソシアネートベンゼン) (63.1 mg, 0.25 mmol)、Re2(CO)10 (8.2 mg, 12.5 μmol), 及びトルエン(1.0 mL)の混合物を密閉チューブ中において150℃で48時間攪拌した。反応後、生じた沈殿を吸引ろ過し、ジクロロメタンで洗浄後、ろ液を減圧下にて溶媒を留去し、ジクロロメタンに残渣を溶解後、メタノール中に滴下し、再沈殿法によって精製した。得られた固体を吸引ろ過し、真空加熱下にて残留溶媒を留去し、56%の収率で黒褐色の重合体を得た(111.7 mg)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 0.76-0.93 (m, 6H), 1.16-1.41 (m, 12H), 1.47-1.73 (m, 4H), 2.40-2.70 (m, 4H), 6.51-6.98 (m, 6H), 7.04-7.25 (m, 6H), 7.28-7.66 (m, 6H), 7.68-7.90 (m, 2H), 7.95-8.37 (m, 2H); 13C NMR (125 MHz, CDCl3) δ14.0, 22.6, 28.8, 31.5, 31.6, 35.3, 119.3, 119.4, 121.2, 124.8, 126.2, 129.0, 129.4, 132.3, 132.5, 134.5, 139.4, 139.8, 145.7, 150.2, 156.4, 166.0, 194.1; IR (ATR, ν / cm-1) 1738, 1657, 1497, 1369, 1232, 1109, 824, 696.
得られた重合体の物性を測定し、以下の結果が得られた。
重量平均分子量: 8483
数平均分子量: 2620
多分散度: 3.237
ピーク平均分子量: 2272
分解温度: 374℃
ガラス転移温度: 98.3℃(冷却時)、101℃(昇温時)
上記重量平均分子量、数平均分子量、多分散度、ピーク平均分子量、分解温度、及びガラス転移温度の測定方法は、以下のとおりである。
サイズ排除カラムクロマトグラフィー(ゲル透過クロマトグラフィー)による測定は、2つのカラム(Shodex KF−804L)を用いて、テトラヒドロフラン(THF)を展開溶媒とし、40℃の条件で行った。ポリスチレン標準サンプルを基準に各種分子量を求めた。
重合体の示差走査熱量(DSC)測定は、DSC7020分析装置(セイコー)を用いて、昇降温度10℃/分の条件で行った。上記のガラス転移温度(T)を、2回目の冷却スキャンより算出した。熱重量分析(TG)は、EXSTAR6000TG/DTA6200分析装置を用いて、昇温速度10℃/分の条件で行った。これにより、上記分解温度を算出した。
また、得られた重合体をジクロロメタン、クロロホルム、THF、トルエンに溶解させた結果、非常に溶解性が高いことが判明した。実施例9の重合体の各有機溶媒に対する溶解度は、ジクロロメタン;94mg/mL、クロロホルム;104mg/mL、THF;106mg/mL、トルエン;54mg/mLであった。

Claims (14)

  1. 以下の式(1)で示される構造を有する重合体。
    Figure 0006204102

    (式中、各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアリールを表し;
    各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される、ベンゼン環に結合する1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;
    Xは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、置換されていてもよいアリーレン、置換されていてもよいアリールアルキレン、置換されていてもよいオキシアルキレン、又は置換されていてもよいアリーレンオキシを表し;
    nは、2以上の整数を表す。)
  2. 以下の式(2)で示される構造を有する重合体。
    Figure 0006204102

    (式中、各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアリールを表し;
    各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;
    は、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、及びエステルよりなる群から独立に選択される、ベンゼン環に結合する1〜4個の同一又は異なる置換基を表し;
    Xは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、置換されていてもよいアリーレン、置換されていてもよいアリールアルキレン、置換されていてもよいオキシアルキレン、又は置換されていてもよいアリーレンオキシを表し;
    Yは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、−C(=O)−、−C(=S)−、又は−S(=O)−を表し;
    nは、2以上の整数を表す。)
  3. Yが、−C(=O)−である、請求項2に記載の重合体。
  4. が、いずれも
    Figure 0006204102

    である(ここで、Rは、水素原子、置換されていてもよいC〜C20アルキル又はアルケニルを表す。)、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体。
  5. が、置換されていてもよいC〜C12アルキルである、請求項4に記載の重合体。
  6. Xが、単結合又は
    Figure 0006204102

    である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体。
  7. 及びRが、いずれも水素原子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の共重合体。
  8. 請求項1に記載の重合体の製造方法であって、
    以下の式(3)で示されるジイミデート化合物
    Figure 0006204102

    (式中、R及びRは、前記と同義であり;各Lは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルコキシを表す。)
    と以下の式(4)で示されるジイソシアネート化合物
    Figure 0006204102

    (式中、R及びXは、前記と同義である。)
    とをレニウム触媒の存在下で反応させて前記重合体を得ることを特徴とする、該製造方法。
  9. 請求項2に記載の重合体の製造方法であって、
    以下の式(5)で示されるジイミデート化合物
    Figure 0006204102

    (式中、R、R、及びYは、前記と同義であり;各Lは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルコキシを表す。)
    と以下の式(4)で示されるジイソシアネート化合物
    Figure 0006204102

    (式中、R及びXは、前記と同義である。)
    とをレニウム触媒の存在下で反応させて前記重合体を得ることを特徴とする、該製造方法。
  10. 前記レニウム触媒が、Re(CO)10である、請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 以下の式(3)で示されるジイミデート化合物。
    Figure 0006204102

    (式中、各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアリールを表し;
    各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;
    各Lは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルコキシを表す。)
  12. 以下の式(5)で示されるジイミデート化合物。
    Figure 0006204102

    (式中、各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアリールを表し;
    各Rは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、パーフルオロアルキル、シアノ、ニトロ、又はエステルを表し;
    Yは、単結合、置換されていてもよいアルキレン、置換されていてもよいアルケニレン、−C(=O)−、−C(=S)−、又は−S(=O)−を表し;
    各Lは、同一でも異なってもよく、それぞれ独立に、置換されていてもよいアルコキシを表す。)
  13. Yが、−C(=O)−である、請求項12に記載のジイミデート化合物。
  14. Lが、置換されていてもよいC〜Cアルコキシであり;
    が、いずれも
    Figure 0006204102

    である(ここで、Rは、水素原子、置換されていてもよいC〜C20アルキル又はアルケニルを表す。)、請求項11〜13のいずれか1項に記載のジイミデート化合物。
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