JP6202537B2 - 走行支援方法、プログラム、および走行支援装置 - Google Patents
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Description
また、従来、車両密度が高い車線へ車両を車線変更させ、車両密度が高い車線へ車線変更した車両に対して車両密度が臨界領域に近づくほど車間距離が短くなり難くなるように走行制御を行う走行制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この走行制御装置は、渋滞しそうな車線に走行制御される車両を車線変更させることによって、渋滞発生の抑制および渋滞を緩和させる。
また、上記従来技術に係る走行制御装置によれば、渋滞しそうな車線に積極的に介入することで渋滞を抑制および緩和する方向に状態を変化させることができる場合がある。しかしながら、渋滞しそうな予兆段階では、交通量が多いため、車線にむやみに介入すると、渋滞の発生を促す方向に状態を変化させてしまう場合がある。しかも、渋滞を抑制および緩和する方向に状態を変化させるためには、車線を走行する他車両が、車線に介入する車両の走行状態を事前に予測して、その車両の走行状態に追従する必要があり、全ての車両が共通のシステムによって制御される必要が生じる。
(1)本発明の一態様に係る走行支援方法は、加速度を取得する加速度取得部(例えば、実施形態での3次元加速度センサ14)および情報を提示する情報提示部(例えば、実施形態での情報提示制御部26および表示装置16)を備える電子機器(例えば、上述した実施形態での走行支援装置10)が実行する走行支援方法であって、前記電子機器が、前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップ(例えば、上述した実施形態でのステップS01〜ステップS12)と、前記電子機器が、前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップ(例えば、上述した実施形態でのステップS13)と、前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、前記情報提示部が、車線変更の抑制を示す情報を提示する抑制情報提示ステップ(例えば、上述した実施形態でのステップS17)と、前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、前記情報提示部が、車線変更の非抑制を示す情報を提示する非抑制情報提示ステップ(例えば、上述した実施形態でのステップS19、ステップS20)と、前記電子機器が、所定走行路範囲内の車両総数に対する走行支援可能車両の数の割合に応じて、前記車線変更の抑制または非抑制を示す情報を提示する前記情報提示部の動作内容を変更する提示動作変更ステップ(例えば、上述した実施形態でのステップS17、ステップS20)と、を含む。
また、渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に車線変更の非抑制を提示するので、複数車線における交通量の分散化を促し、渋滞発生を抑制することができる。
本実施形態による走行支援装置10は、例えば、車両などの移動体の乗員が携帯する携帯端末、または車両などの移動体に着脱可能に搭載された情報機器、または予め車両などの移動体に搭載されたナビゲーション装置などの電子機器、などである。
走行支援装置10は、アドフォックモードまたはインフラストラクチャモードなどの通信ネットワークを介した無線通信によって、外部装置に対して双方向通信可能である。走行支援装置10は、例えば、アドフォックモードの車車間通信によって他車両の走行支援装置10と双方向通信を行う。走行支援装置10は、例えば、インフラストラクチャモードの無線通信によって、基地局を介して外部装置と双方向通信を行う。
現在位置取得部13は、測位信号受信器12によって受信された測位信号を用いて走行支援装置10の現在位置を検出する。
表示装置16は、例えば、液晶表示装置などの各種のディスプレイであり、機器制御部17から出力される各種の情報を表示する。
機器制御部17は、入力データ算出部21と、周波数分析部22と、単回帰直線算出部23と、判定データ算出部24と、渋滞予測部25と、情報提示制御部26とを備えている。
図2に示すように、入力データ算出部21は、例えば、適宜の時刻tの加速度ベクターA(t)=(axt,ayt,azt)と、この時刻tよりもサンプリング周期ΔTだけ以前の時刻t−ΔTの加速度ベクターA(t−ΔT)=(axt−ΔT,ayt−ΔT,azt−ΔT)とによって、加速度ベクター差分ΔA=A(t)−A(t−ΔT)を算出する。そして、下記数式(1)に示すように、加速度ベクター差分ΔAのノルムutを算出する。
なお、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度の情報を格納可能なバッファ(図示略)のバッファサイズ、つまり加速度の情報のサンプル数は、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって適宜に設定可能とされている。
例えば、周波数分析部22は、周波数分析に対する入力データの入出力点数および自己相関の遅れ数を用いて、入力データの自己相関を算出する。そして、自己相関に高速フーリエ変換を行なうことによって加速度スペクトルを算出する。なお、周波数分析に対する入力データの入出力点数および自己相関の遅れ数と、自己相関の入力値から平均値を引くか否かの選択とは、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって設定可能とされている。
例えば、周波数分析部22は、サンプリング周期ΔTにて入力データ算出部21によって算出される入力データの入出力点数において自己相関の算出および高速フーリエ変換を行なうことによって、所定期間の加速度スペクトルを算出する。
例えば、カオス理論では渋滞の予測に対して高周波数よりも低周波数のパワースペクトルの影響が大きい。このため、図3に示すように、単回帰直線算出部23は、所定周波数fb以下の低周波領域(例えば、下限周波数fa以上かつ所定周波数fb以下の周波数領域)の加速度スペクトルに対して最小二乗法などによって単回帰直線Lを算出する。そして、算出した単回帰直線Lの傾き(つまり、周波数の軸方向を傾きがゼロであるとして、この軸方向に対する傾き)を角度(スペクトル角度)θの情報に変換する。
例えば、スペクトル角度θの絶対値が小さい場合は、走行支援装置10とともに移動する車両が先行車両から受ける衝撃波(振動、ゆらぎ)が小さい場合に相当し、先行車両に対する反応遅れが小さく、交通流に影響が弱い同調走行がし易い、すなわち渋滞に至る可能性が小さい場合に相当する。
逆に、スペクトル角度θの絶対値が大きい場合は、走行支援装置10とともに移動する車両が先行車両から受ける衝撃波(振動、ゆらぎ)が大きい場合に相当し、先行車両に対する反応遅れが大きく、同調走行が難しくなって交通流に影響を与え易い、すなわち渋滞に至る可能性が大きい場合に相当する。なお、ここで言う衝撃波(振動、ゆらぎ)とは、車両が加速および減速の動作を繰り返すことにより、この動作(前後の動き)を後方の車両に一種の振動として伝播させることを意味する。
判定データ算出部24は、例えば下記数式(2)に示すように、判定区間N(Nは自然数)および角度閾値θTと、判定区間Nで単回帰直線算出部23によって算出された角度θj(jはN以下の自然数)とによって、判定データSNを算出する。なお、判定区間Nおよび角度閾値θTは、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって設定可能とされている。そして、判定区間Nは、例えば操作者によって適宜に設定可能な期間に対応する角度の情報の点数、つまり、この期間に単回帰直線算出部23によって算出された角度の情報の点数である。
例えば、判定データ算出部24は、サンプリング周期ΔTにて単回帰直線算出部23によって算出される角度θj(1≦j≦N)に基づき、所定期間に相当する判定区間Nの判定データSNを算出する。なお、角度閾値θTは、操作者によって任意の値を設定可能であり、例えば、一般的に(1/f)ゆらぎ特性として知られている「−45度」、または「−45度」以外の他の値などである。
例えば図4に示す時刻taから時刻tbの期間における加速度およびスペクトル角度の変動および平均的挙動のように、車両の停止状態から適度な加速によって定速走行に移行する場合などにおいては、加速度の変動が小さい。そして、一時的にスペクトル角度の絶対値が増大したとしても、直ぐにゼロに向かい収束するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。
また、例えば図4に示す時刻taから時刻tbの期間における加速度およびスペクトル角度の変動および平均的挙動のように、車両の定速走行もしくはエンジンブレーキなどによって緩やかに減速する場合などにおいては、加速度の変動が小さい。そして、スペクトル角度の絶対値は小さな値を維持するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。この場合、たとえ振動などによって一時的にスペクトル角度の絶対値が増大したとしても、直ぐにゼロに向かい収束するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。また、例えば3次元加速度センサ14の検出誤差などに起因して一時的にスペクトル角度の絶対値が増大したとしても、直ぐにゼロに向かい収束するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。
一方、例えば図4に示す時刻tbから時刻tcの期間における加速度およびスペクトル角度の変動および平均的挙動のように、車両の急減速、または加速後に直ぐに減速する場合などにおいては、加速度の変動が大きい。そして、スペクトル角度の絶対値は大きな値となり、ゼロに向かい収束するのに要する時間が長くなるので、加速および減速の総パワーは大きな値となる。
渋滞予測部25は、例えば、スペクトル角度θが所定の角度閾値θTを超えるか否かを判定するとともに、判定データSNが所定の判定閾値(つまり、加速度変化の強さの閾値)を超えるか否かを判定する。そして、スペクトル角度θが角度閾値θTを超えるとともに判定データSNが判定閾値を超える場合には、車両のエネルギー効率(燃費または電費など)低下する傾向、渋滞が発生し易い状況であると判定する。なお、判定データSNに対する所定の判定閾値は、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって設定可能とされている。
また、渋滞予測部25は、判定データSNおよび判定閾値と、対応する渋滞予兆度の値との対応関係を予め作成してテーブルとして記憶しておき、判定データSNおよび判定閾値に対する渋滞予兆度をそのテーブルを参照して求めることもできる。
情報提示制御部26は、走行支援装置10の現在位置の周辺における所定距離範囲の走行路上に存在する車両群に含まれるペースカーの台数割合に関する情報を取得する。ペースカーは、例えば、少なくとも走行支援装置10を搭載する車両であり、走行支援装置10の走行支援に従った走行を行うと認められる車両である。情報提示制御部26は、例えば、所定走行路範囲内において機器通信装置11を介した車車間通信によって通信可能な他車両の台数をペースカーの台数とする。情報提示制御部26は、例えば、所定走行路範囲における速度と、所定走行路範囲の大きさとに基づいて、予め記憶しているデータなどを参照して、所定走行路範囲内に存在する車両の総数を把握する。情報提示制御部26は、所定走行路範囲内に存在する車両の総数およびペースカーの台数に基づいて、ペースカーの台数割合を取得する。なお、情報提示制御部26は、所定走行路範囲における速度を、例えば、走行支援装置10を搭載する車両の車速センサなどから取得する。情報提示制御部26が予め記憶しているデータは、所定走行路範囲の大きさと、所定走行路範囲における車両の速度と、所定走行路範囲内に存在する車両の総数との対応関係を示すデータである。
情報提示制御部26は、走行支援装置10の現在位置が複数車線の走行路上であり、渋滞予測部25により渋滞が発生し易い状況であると判定されていない場合には、車線変更の非抑制を示す情報を提示するように表示装置16を制御する。車線変更の非抑制を示す情報は、例えば、車線変更の許容を示す情報、または車線変更の禁止を否定する情報などである。
情報提示制御部26は、車線変更の抑制または非抑制を示す情報を、例えば、インストルメントパネル(図示略)に配置されるメータパネルなどにおいて、所定の図形または所定の文言によるテキストデータなどによって表示装置16に表示させる。表示装置16における情報提示は、例えば、断続的または継続的などの適宜の表示動作によって行われる。
地図データは、例えば、走行支援装置10の現在位置の情報に基づくマップマッチングの処理に必要とされる道路上の位置座標を示す道路座標データと、誘導経路の算出に必要とされる道路地図データと、を備えている。道路地図データは、例えば、ノード、リンク、リンクコスト、道路形状、舗装の有無、路面の凹凸の有無、および車両の走行状態などの道路状態、並びに道路種別などを備えている。ノードは、交差点および分岐点などの道路上の所定の地点の緯度および経度からなる座標点である。リンクは、各ノード間を結ぶ線であり、地点間を接続する道路区間である。リンクコストは、リンクに対応する道路区間の距離または道路区間の移動に要する時間を示す情報である。
この判定結果が「NO」の場合、機器制御部17は、ステップS01の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、機器制御部17は、処理をステップS02に進める。
次に、ステップS02において、入力データ算出部21は、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度を用いて3次元空間における加速度ベクターAを算出する。そして、サンプリング周期ΔTの時間間隔をおいた2つの異なるタイミングの加速度ベクターAの差分(加速度ベクター差分)ΔAのノルムuを入力データとして算出する。
次に、ステップS04において、単回帰直線算出部23は、加速度スペクトルの所定周波数範囲での単回帰直線を算出し、この単回帰直線の傾きを角度(スペクトル角度)θの情報に変換する。
この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS06に進める。
一方、この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS07に進める。
そして、ステップS06において、渋滞予測部25は、角度閾値フラグのフラグ値にスペクトル角度θが角度閾値θTを超えたことを示す「1」を設定する。
また、ステップS07において、渋滞予測部25は、角度警報フラグのフラグ値にスペクトル角度θが角度閾値θTを超えていないことを示す「0」を設定する。
次に、ステップS09において、渋滞予測部25は、判定データSNが判定閾値(つまり、加速度変化の強さの閾値)を超えたか否かを判定することなどによって、スペクトル角度θがゼロに向かい収束するのが遅いか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS12に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS10に進める。
そして、ステップS10において、渋滞予測部25は、角度閾値フラグのフラグ値に「1」が設定されているか否かを判定する。
ステップS10の判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS12に進める。
一方、ステップS10の判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS11に進める。
また、ステップS12において、渋滞予測部25は、渋滞が発生し易い状況ではない、つまり交通流の渋滞傾向への変化を示さない状態であると判定する。そして、渋滞予測部25は、処理をステップS13に進める。
次に、ステップS14において、情報提示制御部26は、走行支援装置10の現在位置の周辺における所定距離範囲の走行路上に存在する車両群に含まれるペースカーの台数割合に関する情報を取得する。
次に、ステップS15において、情報提示制御部26は、走行支援装置10の現在位置が複数車線の走行路上であるか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、情報提示制御部26は、処理をエンドに進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、情報提示制御部26は、処理をステップS16に進める。
そして、ステップS16において、情報提示制御部26は、渋滞予測部25により渋滞が発生し易い状況であると判定されたか否かを判定する。
ステップS16の判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS18に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS17に進める。
また、ステップS18において、情報提示制御部26は、道路情報または交通情報に基づいた他の走行車線の走行推奨を示す情報を取得したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、情報提示制御部26は、処理をステップS20に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、情報提示制御部26は、処理をステップS19に進める。
次に、ステップS19において、情報提示制御部26は、車線変更の推奨を示す情報を提示するように表示装置16を制御する。そして、情報提示制御部26は、処理をエンドに進める。
次に、ステップS20において、情報提示制御部26は、車線変更の非抑制を示す情報を提示するように表示装置16を制御する。そして、情報提示制御部26は、処理をエンドに進める。
また、渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に車線変更の非抑制を提示するので、複数車線における交通量の分散化を促し、渋滞発生を抑制することができる。
さらに、渋滞予兆度が交通流の渋滞傾向を示し、車線変更によって車線の平均速度が低下する可能性がある場合に、車線変更を抑制しながら車間距離または車間時間を低減することによって車線ごとの交通量を分散化させ、渋滞発生を抑制することができる。
さらに、道路情報に基づく法定速度又は過去の平均実効車速と実際の速度との乖離がある場合に、車線変更を推奨することによって複数車線の全体における交通流の平均速度を増大させることができ、渋滞発生を抑制することができる。また、交通情報に基づいて走行車線に工事又は事故等による走行規制が実施されている場合などに、車線変更を推奨することによって複数車線の全体における車両の分散化を促し、渋滞発生を抑制することができる。
この変形例のサーバ装置31は、サーバ通信装置32と、サーバ制御部33と、地図データ記憶部34と、範囲渋滞予測部35と、情報提示制御部36とを備えている。
なお、この変形例において走行支援装置10は、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度に基づいた情報を、サーバ装置31に送信可能である。この情報は、例えば、単回帰直線算出部23によって算出されたスペクトル角度θ、および判定データ算出部24によって算出された判定データSNと、渋滞予測部25によって算出された渋滞予兆度の情報とを含む。さらに、この情報は、現在位置取得部13によって取得された現在位置の履歴および走行支援装置10を搭載する車両の車速センサによって検出される速度の履歴の情報(プローブ情報)などを含んでいる。
地図データは、例えば、走行支援装置10の現在位置の情報に基づくマップマッチングの処理に必要とされる道路上の位置座標を示す道路座標データと、誘導経路の算出に必要とされる道路地図データと、を備えている。道路地図データは、例えば、ノード、リンク、リンクコスト、道路形状、舗装の有無、路面の凹凸の有無、および車両の走行状態などの道路状態、並びに道路種別などを備えている。ノードは、交差点および分岐点などの道路上の所定の地点の緯度および経度からなる座標点である。リンクは、各ノード間を結ぶ線であり、地点間を接続する道路区間である。リンクコストは、リンクに対応する道路区間の距離または道路区間の移動に要する時間を示す情報である。
情報提示制御部36は、少なくとも一つ以上の走行支援装置10から受信した現在位置の周辺における所定距離範囲の走行路(所定走行路範囲内)に関する情報を取得し、走行支援装置10が複数車線の走行路上に存在するか否かを判定する。情報提示制御部26は、走行路に関する情報を、例えば、地図データ記憶部34に記憶されている道路地図データから取得する。
情報提示制御部36は、少なくとも一つ以上の走行支援装置10から受信した現在位置の周辺における所定距離範囲の走行路上に存在する車両群に含まれるペースカーの台数割合に関する情報を取得する。情報提示制御部36は、例えば、少なくとも一つ以上の走行支援装置10から受信した現在位置および速度の履歴の情報、または現在までに蓄積された統計情報などに基づいて、所定走行路範囲内に存在するペースカーの台数割合を推定する。統計情報は、例えば、走行路の所定範囲毎において、日付、曜日、および時間帯などに応じて統計的に蓄積された走行車両台数、およびペースカーの台数などの情報である。
情報提示制御部26は、各走行支援装置10の現在位置が複数車線の走行路上であり、範囲渋滞予測部35により渋滞が発生し易い状況であると判定されていない場合には、車線変更の非抑制を示す情報を各走行支援装置10に提示する。
情報提示制御部36は、例えば、各走行支援装置10の情報提示制御部26がペースカーの台数割合を複数段階に区分して、各段階に応じて、車線変更の抑制または非抑制の度合いを切り替えることに比べて、より詳細に制御してもよい。情報提示制御部36は、例えば、ペースカーの台数割合をより多くの段階に区分して、または、車線変更の抑制または非抑制の度合いをより詳細に切り替えることなどによって、より詳細な制御を行ってもよい。
なお、情報提示制御部36は、所定走行路範囲内におけるペースカーの台数割合の情報を各走行支援装置10に提示してもよい。
なお、情報提示制御部36は、各走行支援装置10から受信した現在位置の情報等に基づいて各走行支援装置10の走行車線を認識することができる場合には、走行車線毎に異なる道路情報もしくは交通情報、または道路情報もしくは交通情報に基づいた他の走行車線の走行推奨を示す情報を提示してもよい。
この判定結果が「NO」の場合、サーバ制御部33は、ステップS21の処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、サーバ制御部33は、処理をステップS22に進める。
この判定結果が「YES」の場合、つまりスタンドアローン動作の実行指示が無い場合、サーバ制御部33は、処理をステップS23に進める。このステップS23において、サーバ制御部33は、後述するネットワーク動作を実行し、処理を終了させる。
一方、この判定結果が「NO」の場合、サーバ制御部33は、処理をステップS24に進める。このステップS24において、サーバ制御部33は、スタンドアローン動作として、上述した実施形態でのステップS01からステップS20の処理を実行する。
先ず、図8に示すステップS31において、機器制御部17は、所定の通信インジケータ表示を、表示装置16に表示する。機器制御部17は、通信インジケータ表示を、走行支援装置10が、無線通信ネットワークシステムなどの通信ネットワークに接続され、この通信ネットワークを介して、通信不良など無しに、サーバ装置31に適正に接続可能であることを示す表示とする。
この判定結果が「NO」の場合、機器制御部17は、ステップS32の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、機器制御部17は、処理をステップS33に進める。
次に、ステップS33において、入力データ算出部21は、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度を用いて3次元空間における加速度ベクターAを算出する。そして、サンプリング周期ΔTの時間間隔をおいた2つの異なるタイミングの加速度ベクターAの差分(加速度ベクター差分)ΔAのノルムuを入力データとして算出する。
次に、ステップS35において、単回帰直線算出部23は、加速度スペクトルの所定周波数範囲での単回帰直線を算出し、この単回帰直線の傾きを角度(スペクトル角度)θの情報に変換する。
次に、ステップS36において、渋滞予測部25は、スペクトル角度θの情報を用いて、時間に応じたスペクトル角度θの変化を示す情報として、上記数式(2)に示す判定データSNを算出する。
次に、ステップS38において、機器制御部17は、サーバ装置31によって検知された適宜の位置範囲内の渋滞予兆の情報、車線変更の抑制または非抑制を示す情報、所定の道路情報もしくは交通情報などを、サーバ装置31から受信したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、機器制御部17は、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、機器制御部17は、処理をステップS39に進める。
次に、ステップS39において、機器制御部17は、サーバ装置31から受信した車線変更の抑制または非抑制を示す情報、またはサーバ装置31から受信した各種のデータに基づいて情報提示制御部26から出力される車線変更の抑制または非抑制を示す情報を提示するように表示装置16を制御する。そして、機器制御部17は、処理をリターンに進める。
実施形態の変形例において、走行支援装置10は、走行支援装置10が搭載される車両に設けられるカメラによって撮像される外界の画像データに基づいて、走行路が複数車線であるか否かの情報を取得してもよい。
実施形態の変形例において、走行支援装置10によって提示される情報に応じて自動的な走行を制御するクルーズコントロール装置を搭載した車両をペースカーとしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (9)
- 加速度を取得する加速度取得部および情報を提示する情報提示部を備える電子機器が実行する走行支援方法であって、
前記電子機器が、前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、前記情報提示部が、車線変更の抑制を示す情報を提示する抑制情報提示ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、前記情報提示部が、車線変更の非抑制を示す情報を提示する非抑制情報提示ステップと、
前記電子機器が、所定走行路範囲内の車両総数に対する走行支援可能車両の数の割合に応じて、前記車線変更の抑制または非抑制を示す情報を提示する前記情報提示部の動作内容を変更する提示動作変更ステップと、
を含む、
ことを特徴とする走行支援方法。 - 加速度を取得する加速度取得部および情報を提示する情報提示部を備える電子機器が実行する走行支援方法であって、
前記電子機器が、前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、前記情報提示部が、車線変更の抑制を示す情報を提示する抑制情報提示ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、前記情報提示部が、車線変更の非抑制を示す情報を提示する非抑制情報提示ステップと、
を含み、
さらに、前記抑制情報提示ステップにおいて、前記情報提示部が、前記車線変更の抑制を示す情報とともに、車間距離または車間時間を低減傾向に変化させることを促す情報を提示する、
ことを特徴とする走行支援方法。 - 加速度を取得する加速度取得部および情報を提示する情報提示部を備える電子機器が実行する走行支援方法であって、
前記電子機器が、前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、前記情報提示部が、車線変更の抑制を示す情報を提示する抑制情報提示ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、前記情報提示部が、車線変更の非抑制を示す情報を提示する非抑制情報提示ステップと、
を含み、
さらに、前記電子機器が道路情報または交通情報に基づいた他の走行車線の走行推奨を示す情報を取得した場合に、前記非抑制情報提示ステップにおいて、前記情報提示部が、前記車線変更の非抑制を示す情報として、車線変更の推奨を示す情報を提示する、
ことを特徴とする走行支援方法。 - 加速度を取得する加速度取得部および情報を提示する情報提示部を備える電子機器のコンピュータに、
前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、車線変更の抑制を示す情報を前記情報提示部に提示させる抑制情報提示ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、車線変更の非抑制を示す情報を前記情報提示部に提示させる非抑制情報提示ステップと、
所定走行路範囲内の車両総数に対する走行支援可能車両の数の割合に応じて、前記車線変更の抑制または非抑制を示す情報を提示する前記情報提示部の動作内容を変更する提示動作変更ステップと、
を実行させる、
ことを特徴とするプログラム。 - 加速度を取得する加速度取得部および情報を提示する情報提示部を備える電子機器のコンピュータに、
前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、車線変更の抑制を示す情報を前記情報提示部に提示させる抑制情報提示ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、車線変更の非抑制を示す情報を前記情報提示部に提示させる非抑制情報提示ステップと、
を実行させ、
さらに、前記抑制情報提示ステップにおいて、前記車線変更の抑制を示す情報とともに、車間距離または車間時間を低減傾向に変化させることを促す情報を前記情報提示部に提示させる、
ことを特徴とするプログラム。 - 加速度を取得する加速度取得部および情報を提示する情報提示部を備える電子機器のコンピュータに、
前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が複数車線の走行路上であるか否かの情報を取得する複数車線情報取得ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示す場合に、車線変更の抑制を示す情報を前記情報提示部に提示させる抑制情報提示ステップと、
前記電子機器の位置が前記複数車線の走行路上であり、前記渋滞予兆情報が交通流の渋滞傾向への変化を示さない場合に、車線変更の非抑制を示す情報を前記情報提示部に提示させる非抑制情報提示ステップと、
を実行させ、
さらに、前記電子機器が道路情報または交通情報に基づいた他の走行車線の走行推奨を示す情報を取得した場合に、前記非抑制情報提示ステップにおいて、前記車線変更の非抑制を示す情報として、車線変更の推奨を示す情報を前記情報提示部に提示させる、
ことを特徴とするプログラム。 - 加速度を取得する加速度取得部と、
情報を提示する情報提示部と、
前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得部と、
前記加速度取得部および前記情報提示部が複数車線の走行路上に存在しているか否かの情報を取得する複数車線情報取得部と、
を備え、
前記情報提示部は、
前記複数車線情報取得部によって取得された情報において前記加速度取得部および前記情報提示部が前記複数車線の走行路上に存在し、前記渋滞予兆情報取得部によって取得された前記渋滞予兆情報において交通流が渋滞傾向に変化することを示す場合に、車線変更の抑制を示す情報を提示し、
前記複数車線情報取得部によって取得された情報において前記加速度取得部および前記情報提示部が前記複数車線の走行路上に存在し、前記渋滞予兆情報取得部によって取得された前記渋滞予兆情報において前記交通流が渋滞傾向に変化することを示さない場合に、車線変更の非抑制を示す情報を提示し、
さらに、所定走行路範囲内の車両総数に対する走行支援可能車両の数の割合に応じて、前記車線変更の抑制または非抑制を示す情報を提示する前記情報提示部の動作内容を変更する提示動作変更部を備える、
ことを特徴とする走行支援装置。 - 加速度を取得する加速度取得部と、
情報を提示する情報提示部と、
前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得部と、
前記加速度取得部および前記情報提示部が複数車線の走行路上に存在しているか否かの情報を取得する複数車線情報取得部と、
を備え、
前記情報提示部は、
前記複数車線情報取得部によって取得された情報において前記加速度取得部および前記情報提示部が前記複数車線の走行路上に存在し、前記渋滞予兆情報取得部によって取得された前記渋滞予兆情報において交通流が渋滞傾向に変化することを示す場合に、車線変更の抑制を示す情報を提示し、
前記複数車線情報取得部によって取得された情報において前記加速度取得部および前記情報提示部が前記複数車線の走行路上に存在し、前記渋滞予兆情報取得部によって取得された前記渋滞予兆情報において前記交通流が渋滞傾向に変化することを示さない場合に、車線変更の非抑制を示す情報を提示し、
さらに、前記車線変更の抑制を示す情報を提示する場合に、車間距離または車間時間を低減傾向に変化させることを促す情報を提示する、
ことを特徴とする走行支援装置。 - 加速度を取得する加速度取得部と、
情報を提示する情報提示部と、
前記加速度取得部によって取得された前記加速度の変化に基づく渋滞予兆情報を取得する渋滞予兆情報取得部と、
前記加速度取得部および前記情報提示部が複数車線の走行路上に存在しているか否かの情報を取得する複数車線情報取得部と、
道路情報または交通情報に基づいた他の走行車線の走行推奨を示す情報を取得する走行推奨情報取得部と、
を備え、
前記情報提示部は、
前記複数車線情報取得部によって取得された情報において前記加速度取得部および前記情報提示部が前記複数車線の走行路上に存在し、前記渋滞予兆情報取得部によって取得された前記渋滞予兆情報において交通流が渋滞傾向に変化することを示す場合に、車線変更の抑制を示す情報を提示し、
前記複数車線情報取得部によって取得された情報において前記加速度取得部および前記情報提示部が前記複数車線の走行路上に存在し、前記渋滞予兆情報取得部によって取得された前記渋滞予兆情報において前記交通流が渋滞傾向に変化することを示さない場合に、車線変更の非抑制を示す情報を提示し、
さらに、前記走行推奨情報取得部によって前記道路情報または交通情報に基づいた他の走行車線の走行推奨を示す情報が取得された場合に、前記車線変更の非抑制を示す情報を提示する場合に、前記車線変更の非抑制を示す情報として、車線変更の推奨を示す情報を提示する、
ことを特徴とする走行支援装置。
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