JP6166226B2 - 渋滞予兆検知方法、プログラムおよび渋滞予兆検知装置 - Google Patents
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(1)本発明の一態様に係る渋滞予兆検知方法は、3次元空間の直交座標系を成す第1から第3軸の各軸方向の加速度の情報を取得する加速度情報取得手段(例えば、実施形態での3次元加速度センサ14)を備える電子機器(例えば、実施形態での渋滞予兆検知装置10)が実行する渋滞予兆検知方法であって、前記電子機器が、前記加速度情報取得手段によって取得された前記加速度の情報を用いて前記3次元空間における加速度のベクターを算出し、2つの異なるタイミングの前記ベクターの差分のノルムを入力データとして算出する入力データ算出ステップ(例えば、実施形態でのステップS02)と、前記電子機器が、前記入力データの自己相関を算出し、前記自己相関にフーリエ変換を行なうことによってパワースペクトルを算出する周波数分析ステップ(例えば、実施形態でのステップS03)と、前記電子機器が、前記パワースペクトルを角度情報に変換する角度情報取得ステップ(例えば、実施形態でのステップS04)と、前記電子機器が、前記角度情報の時間に応じた変化を示す時間情報を取得する時間情報取得ステップ(例えば、実施形態でのステップS12)と、前記電子機器が、前記角度情報および前記時間情報の少なくとも何れか1つに応じて渋滞予兆を検知する渋滞予兆検知ステップ(例えば、実施形態でのステップS21〜ステップS29)と、前記電子機器が、前記渋滞予兆検知ステップによる前記角度情報および前記時間情報の各々を用いた前記渋滞予兆の検知条件を補正する補正ステップ(例えば、実施形態でのステップS06、ステップS14)と、を含み、前記電子機器が、前記渋滞予兆検知ステップにおいて、前記補正ステップによって補正された前記検知条件の少なくとも何れか1つに応じて前記渋滞予兆の検知を除外する。
さらに、サーバ装置が、角度情報および時間情報の各々で補正された検知条件に応じて渋滞予兆の検知を除外するので、渋滞予兆の検知に対してノイズが大きい場合であっても、所望の検知精度を確保することができる。さらに、サーバ装置が、角度情報および時間情報の少なくとも何れか1つに応じて渋滞予兆を検知するので、角度情報もしくは時間情報のみを用いる場合、または角度情報および時間情報を用いる場合を、状況に応じて切り替えながら所望の検知精度を確保することができる。これらにより、単一の軸方向や平面内の軸方向のみの加速度の情報を用いる場合に比べて、渋滞予兆(つまり渋滞発生の可能性)に対してより鮮明な変化を示す3次元空間の加速度のベクターを用いる場合であっても、渋滞予兆検知のノイズに対する耐性を向上させ、検知精度を向上させることができる。
本実施形態による渋滞予兆検知装置10は、例えば、車両などの移動体の乗員が携帯する携帯端末、または車両などの移動体に着脱可能に搭載された情報機器、または予め車両などの移動体に搭載されたナビゲーション装置などの電子機器、などである。
渋滞予兆検知装置10は、例えば、基地局などを備える無線通信ネットワークシステムを介した無線通信などによって、外部装置に対して双方向通信可能とされている。
現在位置取得部13は、測位信号受信器12によって受信された測位信号を用いて渋滞予兆検知装置10の現在位置を検出する。
表示装置16は、例えば、液晶表示装置などの各種のディスプレイであり、機器制御部17から出力される各種の情報を表示する。
機器制御部17は、入力データ算出部21と、周波数分析部22と、単回帰直線算出部23と、判定データ算出部24と、渋滞予測部25と、を備えている。
図2に示すように、入力データ算出部21は、例えば、適宜の時刻tの加速度ベクターA(t)=(axt,ayt,azt)と、この時刻tよりもサンプリング周期ΔTだけ以前の時刻t−ΔTの加速度ベクターA(t−ΔT)=(axt−ΔT,ayt−ΔT,azt−ΔT)とによって、加速度ベクター差分ΔA=A(t)−A(t−ΔT)を算出する。そして、下記数式(1)に示すように、加速度ベクター差分ΔAのノルムutを算出する。
なお、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度の情報を格納可能なバッファ(図示略)のバッファサイズ、つまり加速度の情報のサンプル数は、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって適宜に設定可能とされている。
例えば、周波数分析部22は、周波数分析に対する入力データの入出力点数および自己相関の遅れ数を用いて、入力データの自己相関を算出する。そして、自己相関に高速フーリエ変換を行なうことによって加速度スペクトルを算出する。なお、周波数分析に対する入力データの入出力点数および自己相関の遅れ数と、自己相関の入力値から平均値を引くか否かの選択とは、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって設定可能とされている。
例えば、周波数分析部22は、サンプリング周期ΔTにて入力データ算出部21によって算出される入力データの入出力点数において自己相関の算出および高速フーリエ変換を行なうことによって、所定期間の加速度スペクトルを算出する。
例えば、カオス理論では渋滞の予測に対して高周波数よりも低周波数のパワースペクトルの影響が大きい。このため、図3に示すように、単回帰直線算出部23は、所定周波数fb以下の低周波領域(例えば、下限周波数fa以上かつ所定周波数fb以下の周波数領域)の加速度スペクトルに対して最小二乗法などによって単回帰直線Lを算出する。そして、算出した単回帰直線Lの傾き(つまり、周波数の軸方向を傾きがゼロであるとして、この軸方向に対する傾き)を角度(スペクトル角度)θの情報に変換する。
例えば、スペクトル角度θの絶対値が小さい場合は、渋滞予兆検知装置10とともに移動する車両が先行車両から受ける衝撃波(振動、ゆらぎ)が小さい場合に相当し、先行車両に対する反応遅れが小さく、交通流に影響が弱い同調走行がし易い、すなわち渋滞に至る可能性が小さい場合に相当する。
逆に、スペクトル角度θの絶対値が大きい場合は、渋滞予兆検知装置10とともに移動する車両が先行車両から受ける衝撃波(振動、ゆらぎ)が大きい場合に相当し、先行車両に対する反応遅れが大きく、同調走行が難しくなって交通流に影響を与え易い、すなわち渋滞に至る可能性が大きい場合に相当する。なお、ここで言う衝撃波(振動、ゆらぎ)とは、車両が加速および減速の動作を繰り返すことにより、この動作(前後の動き)を後方の車両に一種の振動として伝播させることを意味する。
判定データ算出部24は、例えば下記数式(2)に示すように、判定区間N(Nは自然数)および角度閾値θTと、判定区間Nで単回帰直線算出部23によって算出された角度θj(jはN以下の自然数)とによって、判定データSNを算出する。なお、判定区間Nおよび角度閾値θTは、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって設定可能とされている。そして、判定区間Nは、例えば操作者によって適宜に設定可能な期間に対応する角度の情報の点数、つまり、この期間に単回帰直線算出部23によって算出された角度の情報の点数である。
例えば、判定データ算出部24は、サンプリング周期ΔTにて単回帰直線算出部23によって算出される角度θj(1≦j≦N)に基づき、所定期間に相当する判定区間Nの判定データSNを算出する。なお、角度閾値θTは、操作者によって任意の値を設定可能であり、例えば、一般的に(1/f)ゆらぎ特性として知られている「−45度」、または「−45度」以外の他の値などである。
例えば図4に示す時刻taから時刻tbの期間における加速度およびスペクトル角度の変動および平均的挙動のように、車両の停止状態から適度な加速によって定速走行に移行する場合などにおいては、加速度の変動が小さい。そして、一時的にスペクトル角度の絶対値が増大したとしても、直ぐにゼロに向かい収束するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。
また、例えば図4に示す時刻taから時刻tbの期間における加速度およびスペクトル角度の変動および平均的挙動のように、車両の定速走行もしくはエンジンブレーキなどによって緩やかに減速する場合などにおいては、加速度の変動が小さい。そして、スペクトル角度の絶対値は小さな値を維持するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。この場合、たとえ振動などによって一時的にスペクトル角度の絶対値が増大したとしても、直ぐにゼロに向かい収束するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。また、例えば3次元加速度センサ14の検出誤差などに起因して一時的にスペクトル角度の絶対値が増大したとしても、直ぐにゼロに向かい収束するので、加速および減速の総パワーは小さな値となる。
一方、例えば図4に示す時刻tbから時刻tcの期間における加速度およびスペクトル角度の変動および平均的挙動のように、車両の急減速、または加速後に直ぐに減速する場合などにおいては、加速度の変動が大きい。そして、スペクトル角度の絶対値は大きな値となり、ゼロに向かい収束するのに要する時間が長くなるので、加速および減速の総パワーは大きな値となる。
渋滞予測部25は、例えば、スペクトル角度θが所定の角度閾値θTを超えるか否かを判定するとともに、判定データSNが所定の判定閾値(つまり、加速度変化の強さの閾値)を超えるか否かを判定する。そして、スペクトル角度θが角度閾値θTを超えるとともに判定データSNが判定閾値を超える場合には、車両のエネルギー効率(燃費または電費など)低下する傾向、渋滞が発生し易い状況であると判定する。なお、判定データSNに対する所定の判定閾値は、例えば表示装置16に表示される適宜の設定画面などにおいて操作者によって設定可能とされている。
また、渋滞予測部25は、判定データSNおよび判定閾値と、対応する渋滞予兆度の値との対応関係を予め作成してテーブルとして記憶しておき、判定データSNおよび判定閾値に対する渋滞予兆度をそのテーブルを参照して求めることもできる。
地図データは、例えば、渋滞予兆検知装置10の現在位置の情報に基づくマップマッチングの処理に必要とされる道路上の位置座標を示す道路座標データと、誘導経路の算出に必要とされる道路地図データと、を備えている。道路地図データは、例えば、ノード、リンク、リンクコスト、道路形状、舗装の有無、路面の凹凸の有無、および車両の走行状態などの道路状態、並びに道路種別などを備えている。ノードは、交差点および分岐点などの道路上の所定の地点の緯度および経度からなる座標点である。リンクは、各ノード間を結ぶ線であり、地点間を接続する道路区間である。リンクコストは、リンクに対応する道路区間の距離または道路区間の移動に要する時間を示す情報である。
渋滞予測部25は、角度閾値θTおよび判定閾値の各々に対する補正の有無、および検知モードを、表示装置16に表示してもよい。
この判定結果が「NO」の場合、機器制御部17は、ステップS01の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、機器制御部17は、処理をステップS02に進める。
次に、ステップS02において、入力データ算出部21は、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度を用いて3次元空間における加速度ベクターAを算出する。そして、サンプリング周期ΔTの時間間隔をおいた2つの異なるタイミングの加速度ベクターAの差分(加速度ベクター差分)ΔAのノルムuを入力データとして算出する。
次に、ステップS04において、単回帰直線算出部23は、加速度スペクトルの所定周波数範囲での単回帰直線を算出し、この単回帰直線の傾きを角度(スペクトル角度)θの情報に変換する。
この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS06に進める。
一方、この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS07に進める。
そして、ステップS06において、渋滞予測部25は、スペクトル角度θに対する角度閾値θTの補正を行なう。
この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS06に進める。
一方、この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS08に進める。
そして、ステップS08において、渋滞予測部25は、スペクトル角度θに対する角度閾値θTの補正を不要とする。
この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS10に進める。
一方、この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS11に進める。
そして、ステップS10において、渋滞予測部25は、角度警報フラグのフラグ値に警報の実行許可を示す「1」を設定する。
また、ステップS11において、渋滞予測部25は、角度警報フラグのフラグ値に警報の実行不許可を示す「0」を設定する。
次に、ステップS13において、渋滞予測部25は、判定データSNに対する判定閾値の補正が操作者によって指示されているか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS14に進める。
一方、この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS15に進める。
そして、ステップS14において、渋滞予測部25は、判定データSNに対する判定閾値の補正を行なう。
この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS14に進める。
一方、この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS16に進める。
そして、ステップS16において、渋滞予測部25は、判定データSNに対する判定閾値の補正を不要とする。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS19に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS18に進める。
そして、ステップS18において、渋滞予測部25は、時間警報フラグのフラグ値に警報の実行許可を示す「1」を設定する。
また、ステップS19において、渋滞予測部25は、時間警報フラグのフラグ値に警報の実行不許可を示す「0」を設定する。
次に、ステップS21において、渋滞予測部25は、検知モードを第1検知モードとしたか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS25に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS22に進める。
そして、ステップS22において、渋滞予測部25は、角度警報フラグのフラグ値に警報の実行許可を示す「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS24に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS23に進める。
また、ステップS24において、渋滞予測部25は、表示装置16に所定の通常画面を表示する。そして、渋滞予測部25は、一連の処理を終了させる。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS27に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS26に進める。
そして、ステップS26において、渋滞予測部25は、時間警報フラグのフラグ値に警報の実行許可を示す「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS24に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS23に進める。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS29に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理をステップS28に進める。
そして、ステップS28において、渋滞予測部25は、角度警報フラグのフラグ値に警報の実行許可を示す「1」が設定され、かつ時間警報フラグのフラグ値に警報の実行許可を示す「1」が設定されているか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS24に進める。
一方、この判定結果が「YES」の場合、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS23に進める。
また、ステップS29において、渋滞予測部25は、検知モードを第4検知モードとする。そして、渋滞予測部25は、処理を上述したステップS28に進める。
さらに、渋滞予兆の検知に対するノイズが増大する移動環境に対して、検知モードを、渋滞予兆の検知条件が厳しくなるように、順次、第1検知モード、第2検知モード、第3検知モードへと変化させるので、渋滞予兆検知のノイズを適正に排除して所望の検知精度を確保することができる。
さらに、予め記憶している地図データまたは外部から取得する地図データなどに基づいて移動環境の情報を取得するので、検知条件の補正を適正に行なうことができる。
この変形例のサーバ装置31は、サーバ通信装置32と、サーバ制御部33と、地図データ記憶部34と、範囲渋滞予測部35と、を備えている。
なお、この変形例において渋滞予兆検知装置10は、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度に基づいた情報として、例えば、単回帰直線算出部23によって算出されたスペクトル角度θ、および判定データ算出部24によって算出された判定データSNと、渋滞予測部25によって算出された渋滞予兆度の情報と、現在位置取得部13によって取得された現在位置の情報とを、サーバ装置31に送信可能である。
地図データは、例えば、渋滞予兆検知装置10の現在位置の情報に基づくマップマッチングの処理に必要とされる道路上の位置座標を示す道路座標データと、誘導経路の算出に必要とされる道路地図データと、を備えている。道路地図データは、例えば、ノード、リンク、リンクコスト、道路形状、舗装の有無、路面の凹凸の有無、および車両の走行状態などの道路状態、並びに道路種別などを備えている。ノードは、交差点および分岐点などの道路上の所定の地点の緯度および経度からなる座標点である。リンクは、各ノード間を結ぶ線であり、地点間を接続する道路区間である。リンクコストは、リンクに対応する道路区間の距離または道路区間の移動に要する時間を示す情報である。
範囲渋滞予測部35は、各渋滞予兆検知装置10における角度閾値θTおよび判定閾値の各々に対する補正の有無、および検知モードを、各渋滞予兆検知装置10の表示装置16に表示してもよい。
この判定結果が「NO」の場合、サーバ制御部33は、ステップS41の処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、サーバ制御部33は、処理をステップS42に進める。
この判定結果が「YES」の場合、つまりスタンドアローン動作の実行指示が無い場合、サーバ制御部33は、処理をステップS43に進める。このステップS43において、サーバ制御部33は、後述するネットワーク動作を実行し、処理を終了させる。
一方、この判定結果が「NO」の場合、サーバ制御部33は、処理をステップS44に進める。このステップS44において、サーバ制御部33は、スタンドアローン動作として、上述した実施形態でのステップS01からステップS29の処理を実行する。
先ず、図8に示すステップS51において、機器制御部17は、所定の通信インジケータ表示を、表示装置16に表示する。機器制御部17は、通信インジケータ表示を、渋滞予兆検知装置10が、無線通信ネットワークシステムなどの通信ネットワークに接続され、この通信ネットワークを介して、通信不良など無しに、サーバ装置31に適正に接続可能であることを示す表示とする。
この判定結果が「NO」の場合、機器制御部17は、ステップS52の判定処理を繰り返し実行する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、機器制御部17は、処理をステップS53に進める。
次に、ステップS53において、入力データ算出部21は、3次元加速度センサ14によって検出されたX軸、Y軸、およびZ軸の各軸方向の加速度を用いて3次元空間における加速度ベクターAを算出する。そして、サンプリング周期ΔTの時間間隔をおいた2つの異なるタイミングの加速度ベクターAの差分(加速度ベクター差分)ΔAのノルムuを入力データとして算出する。
次に、ステップS55において、単回帰直線算出部23は、加速度スペクトルの所定周波数範囲での単回帰直線を算出し、この単回帰直線の傾きを角度(スペクトル角度)θの情報に変換する。
次に、ステップS56において、渋滞予測部25は、スペクトル角度θの情報を用いて、時間に応じたスペクトル角度θの変化を示す情報として、上記数式(2)に示す判定データSNを算出する。
次に、ステップS58において、機器制御部17は、サーバ装置31によって検知された適宜の位置範囲内の渋滞予兆の情報を、サーバ装置31から受信したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合、機器制御部17は、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合、機器制御部17は、処理をステップS59に進める。このステップS59において、機器制御部17は、サーバ装置31から受信した適宜の位置範囲内の渋滞予兆の情報に応じた表示画面を表示装置16に表示し、リターンに進む。
さらに、範囲渋滞予測部35が、補正された角度閾値θTおよび判定閾値に応じて渋滞予兆の検知を除外するので、渋滞予兆の検知に対してノイズが大きい場合であっても、所望の検知精度を確保することができる。さらに、範囲渋滞予測部35が、スペクトル角度θおよび判定データSNの少なくとも何れか1つに応じて渋滞予兆を検知するので、スペクトル角度θもしくは判定データSNのみを用いる場合、またはスペクトル角度θおよび判定データSNを用いる場合を、状況に応じて切り替えながら所望の検知精度を確保することができる。これらにより、単一の軸方向(例えば、車両などの移動体の進行方向の前後方向)や平面内の軸方向のみの加速度の情報を用いる場合に比べて、渋滞予兆に対してより鮮明な変化を示す3次元空間の加速度ベクターAを用いる場合であっても、渋滞予兆検知のノイズに対する耐性を向上させ、検知精度を向上させることができる。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (13)
- 3次元空間の直交座標系を成す第1から第3軸の各軸方向の加速度の情報を取得する加速度情報取得手段を備える電子機器が実行する渋滞予兆検知方法であって、
前記電子機器が、前記加速度情報取得手段によって取得された前記加速度の情報を用いて前記3次元空間における加速度のベクターを算出し、2つの異なるタイミングの前記ベクターの差分のノルムを入力データとして算出する入力データ算出ステップと、
前記電子機器が、前記入力データの自己相関を算出し、前記自己相関にフーリエ変換を行なうことによってパワースペクトルを算出する周波数分析ステップと、
前記電子機器が、前記パワースペクトルの成分を直線で回帰分析して前記直線の傾きに基づいた角度情報に変換する角度情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記角度情報と時間との関係に応じた前記角度情報の変化を示す時間情報を取得する時間情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記角度情報および前記時間情報の少なくとも何れか1つに応じて渋滞予兆を検知する渋滞予兆検知ステップと、
前記電子機器が、操作者の指示と、自体の移動環境に基づく情報と、のうちの少なくとも何れか1つに応じて、前記渋滞予兆検知ステップによる前記角度情報および前記時間情報の各々を用いた前記渋滞予兆の検知条件を補正する補正ステップと、を含み、
前記電子機器が、前記渋滞予兆検知ステップにおいて、前記補正ステップによって補正された前記検知条件の少なくとも何れか1つに応じて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
ことを特徴とする渋滞予兆検知方法。 - 前記電子機器が、移動環境の情報を取得する移動環境情報取得ステップを含み、
前記電子機器が、前記補正ステップにおいて、前記移動環境に応じて前記検知条件の補正有無を選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の渋滞予兆検知方法。 - 前記電子機器が、前記渋滞予兆検知ステップにおいて、前記移動環境に応じて前記角度情報および前記時間情報を用いて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
ことを特徴とする請求項2に記載の渋滞予兆検知方法。 - 前記電子機器が、前記移動環境情報取得ステップにおいて、地図情報に基づいて前記移動環境の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の渋滞予兆検知方法。 - サーバ装置と、3次元空間の直交座標系を成す第1から第3軸の各軸方向の加速度の情報を取得する加速度情報取得手段および現在位置の情報を取得する現在位置情報取得手段を備える電子機器と、を備える渋滞予兆検知システムが実行する渋滞予兆検知方法であって、
前記電子機器が、前記加速度情報取得手段によって取得された前記加速度の情報を用いて前記3次元空間における加速度のベクターを算出し、2つの異なるタイミングの前記ベクターの差分のノルムを入力データとして算出する入力データ算出ステップと、
前記電子機器が、前記入力データの自己相関を算出し、前記自己相関にフーリエ変換を行なうことによってパワースペクトルを算出する周波数分析ステップと、
前記電子機器が、前記パワースペクトルの成分を直線で回帰分析して前記直線の傾きに基づいた角度情報に変換する角度情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記角度情報と時間との関係に応じた前記角度情報の変化を示す時間情報を取得する時間情報取得ステップと、
前記電子機器が、前記角度情報および前記時間情報と、前記現在位置情報取得手段によって取得された前記現在位置の情報とを、前記サーバ装置に送信する電子機器送信ステップと、
前記サーバ装置が、少なくとも1つ以上の前記電子機器から受信した前記現在位置の情報、並びに前記角度情報および前記時間情報の少なくとも何れか1つを用いて、適宜の位置範囲内における前記角度情報および前記時間情報の少なくとも何れか1つが所定条件である前記電子機器の数および割合によって、前記位置範囲内の渋滞予兆を検知する位置範囲渋滞予兆検知ステップと、
前記サーバ装置が、操作者の指示と、前記電子機器の移動環境に基づく情報と、のうちの少なくとも何れか1つに応じて、前記位置範囲渋滞予兆検知ステップによる前記角度情報および前記時間情報の各々を用いた前記渋滞予兆の検知条件である前記所定条件を補正するサーバ補正ステップと、
前記サーバ装置が、前記位置範囲内の渋滞予兆の情報を前記位置範囲内の前記電子機器に送信するサーバ送信ステップと、
を含み、
前記サーバ装置が、前記位置範囲渋滞予兆検知ステップにおいて、前記サーバ補正ステップによって補正された前記所定条件に応じて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
渋滞予兆検知方法。 - 3次元空間の直交座標系を成す第1から第3軸の各軸方向の加速度の情報を取得する加速度情報取得手段を備える電子機器を構成するコンピュータを、
前記加速度情報取得手段によって取得された前記加速度の情報を用いて前記3次元空間における加速度のベクターを算出し、2つの異なるタイミングの前記ベクターの差分のノルムを入力データとして算出する入力データ算出手段と、
前記入力データ算出手段によって算出された前記入力データの自己相関を算出し、前記自己相関にフーリエ変換を行なうことによってパワースペクトルを算出する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段によって算出された前記パワースペクトルの成分を直線で回帰分析して前記直線の傾きに基づいた角度情報に変換する角度情報取得手段と、
前記角度情報と時間との関係に応じた前記角度情報の変化を示す時間情報を取得する時間情報取得手段と、
前記角度情報および前記時間情報の少なくとも何れか1つに応じて渋滞予兆を検知する渋滞予兆検知手段と、
操作者の指示と、前記電子機器の移動環境に基づく情報と、のうちの少なくとも何れか1つに応じて、前記渋滞予兆検知手段による前記角度情報および前記時間情報の各々を用いた前記渋滞予兆の検知条件を補正する補正手段と、
として機能させ、
前記渋滞予兆検知手段は、前記補正手段によって補正された前記検知条件の少なくとも何れか1つに応じて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
ことを特徴とするプログラム。 - 前記コンピュータを、
前記電子機器の移動環境の情報を取得する移動環境情報取得手段と、
して機能させ、
前記補正手段は、前記移動環境に応じて前記検知条件の補正有無を選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載のプログラム。 - 前記渋滞予兆検知手段は、前記移動環境に応じて前記角度情報および前記時間情報を用いて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
ことを特徴とする請求項7に記載のプログラム。 - 前記移動環境情報取得手段は、地図情報に基づいて前記移動環境の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のプログラム。 - 3次元空間の直交座標系を成す第1から第3軸の各軸方向の加速度の情報を取得する加速度情報取得手段と、
前記加速度情報取得手段によって取得された前記加速度の情報を用いて前記3次元空間における加速度のベクターを算出し、2つの異なるタイミングの前記ベクターの差分のノルムを入力データとして算出する入力データ算出手段と、
前記入力データ算出手段によって算出された前記入力データの自己相関を算出し、前記自己相関にフーリエ変換を行なうことによってパワースペクトルを算出する周波数分析手段と、
前記周波数分析手段によって算出された前記パワースペクトルの成分を直線で回帰分析して前記直線の傾きに基づいた角度情報に変換する角度情報取得手段と、
前記角度情報と時間との関係に応じた前記角度情報の変化を示す時間情報を取得する時間情報取得手段と、
前記角度情報および前記時間情報の少なくとも何れか1つに応じて渋滞予兆を検知する渋滞予兆検知手段と、
操作者の指示と、自体の移動環境に基づく情報と、のうちの少なくとも何れか1つに応じて、前記渋滞予兆検知手段による前記角度情報および前記時間情報の各々を用いた前記渋滞予兆の検知条件を補正する補正手段と、
を備え、
前記渋滞予兆検知手段は、前記補正手段によって補正された前記検知条件の少なくとも何れか1つに応じて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
ことを特徴とする渋滞予兆検知装置。 - 移動環境の情報を取得する移動環境情報取得手段を備え、
前記補正手段は、前記移動環境に応じて前記検知条件の補正有無を選択する、
ことを特徴とする請求項10に記載の渋滞予兆検知装置。 - 前記渋滞予兆検知手段は、前記移動環境に応じて前記角度情報および前記時間情報を用いて前記渋滞予兆の検知に対してノイズとなる検知を除外する、
ことを特徴とする請求項11に記載の渋滞予兆検知装置。 - 前記移動環境情報取得手段は、地図情報に基づいて前記移動環境の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の渋滞予兆検知装置。
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