JP6201903B2 - 熱電変換システム - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガスに含まれる熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換システムに関する。
周知のように、化石燃料の利用効率を上昇させるために、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを熱電変換モジュールにて電気エネルギーに変換することが試みられている。排気ガスに含まれる熱エネルギーの電気エネルギーへの変換効率を上昇させるためには、熱電変換モジュールの冷却側電極と低温部との間の熱的接触状態、及び/又は、熱電変換モジュールの熱源側電極と高温部(排気通路)との間の熱的接触状態を向上させることが有効である。
そのため、ペルチェモジュールに関して提案されている(例えば、特許文献1参照)ように、熱電変換モジュールの熱源側電極、冷却側電極を、それぞれ、排気通路内、冷媒通路内に挿入してしまうことが考えられる。
ただし、内燃機関の排気通路は、振動するものである。また、熱電変換モジュールの熱源側電極、冷却側電極を、それぞれ、排気通路内、冷媒通路内に挿入する場合、隔壁として機能する部分を樹脂で形成することになるが、排気ガス中に、樹脂や熱電素子を劣化させてしまうガスが含まれることもある。従って、熱電変換モジュールの熱源側電極、冷却側電極を、それぞれ、排気通路内、冷媒通路内に挿入することは、極めて困難である。
特開2011−035305号公報 特開2003−258323号公報 特開2001−332772号公報
そこで、本発明の課題は、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを良好に電気エネルギーに変換できる熱電変換システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換システムは、
前記排気ガスが流れる、その外表面に絶縁性領域を有する排気通路と、
絶縁性樹脂材料からなる平板状の樹脂部と、前記樹脂部を貫通する少なくとも一対のn型熱電素子及びp型熱電素子とを含み、各熱電素子間が、前記樹脂部の一方の主面側に設けられた1つ以上の冷却側電極と前記樹脂部の他方の主面側から突出した1つ以上の熱源側電極とにより直列接続され、各熱源側電極が前記排気通路の前記絶縁性領域に当接した熱電変換モジュールと、
絶縁性の冷媒が流れる冷媒通路であって、その通路壁に設けられている開口部に前記熱電変換モジュールの各冷却側電極が挿入された状態で当該開口部が前記熱電変換モジュールにより封止された冷媒通路と、
を含み、
前記熱電変換モジュールの各熱源側電極が前記排気通路の前記絶縁性領域に対して押圧
されるように、前記冷媒通路と前記排気通路との間が固定されている
構成を有する。
すなわち、本発明に係る熱電変換システムは、熱電変換モジュールの各冷却側電極が冷媒と直接接触し、熱電変換モジュールの樹脂部が排気ガスと直接接触しない構成を有している。さらに、熱電変換モジュールは、熱電変換モジュールにかかる排気通路側への力がほぼ各熱源側電極のみに分散されて各熱源側電極が排気通路の絶縁性領域に対して押圧される構成を有している。従って、本発明の熱電変換システムによれば、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを、良好に(効率良く、樹脂部が排気ガスで劣化せず、排気通路の振動によるモジュールの破壊が生じない形で)、電気エネルギーに変換できることになる。
尚、本発明に係る熱電変換システムの“絶縁性領域”は、排気通路の表面に意図的に形成したものであっても、排気通路の表面に元々存在するものであっても良い。また、本発明に係る熱電変換システムの“冷媒通路”は、ポンプにより絶縁性の冷媒が循環されるものであっても、ヒートパイプ、ループヒートパイプ等の、冷媒を循環させるために電力を必要としないものであっても良い。
さらに、本発明に係る熱電変換システムの“熱電変換モジュール”は、各熱電素子が、樹脂部の冷却通路側の面(他方の主面)側から突出したモジュール(換言すれば、冷却側電極の下面中央部が、樹脂部31にて覆われていないモジュール)であっても良い。尚、“熱電変換モジュール”をそのようなモジュールとしておけば、冷却側電極の下面中央部も冷媒と接触することになるため、冷却側電極の冷却性能がより高い熱電変換システム(発電量がより多い熱電変換システム)を実現することが出来る。
本発明によれば、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを良好に電気エネルギーに変換できる熱電変換システムを提供することが出来る。
本発明の第1実施形態に係る熱電変換システムの概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る熱電変換システムに用いられている熱電変換モジュールの説明図である。 第2実施形態に係る熱電変換モジュールの構成にて解決できる課題を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る熱電変換システムに用いられている熱電変換モジュールの説明図である。 第1実施形態に係る熱電変換モジュールの変形例の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
《第1実施形態》
図1に、本発明の第1実施形態に係る熱電変換システムの概略構成を示す。尚、この図1は、本実施形態に係る熱電変換システムの構成を説明し易くするために、熱電変換システムの各部の縮尺、数、位置等を適宜変更したものとなっている。また、以下の説明において、上、下とは、図1における上、下のことである。
図1に示してあるように、本実施形態に係る熱電変換システムは、排気通路10と絶縁部12と冷媒通路20と熱電変換モジュール30とにより構成されたシステムである。
<排気通路10及び絶縁部12>
排気通路10は、自動車や船舶に搭載された内燃機関(図示略)の排気ガスが通る通路である。
絶縁部12は、その上面(図1における上側の面)がほぼ平坦となるように、排気通路10の表面に設けられた絶縁性を有する部材である。この絶縁部12は、熱電変換モジュール30の複数の熱源側電極33h(詳細は後述)間を短絡させることなく、各熱源側電極33hに排気ガスの熱を伝達するために設けられているものである。従って、排気通路10の表面が、元々、絶縁性を有している場合には、排気通路10の表面に絶縁部12を設けない形で、熱電変換システムを構築することが出来る。
絶縁部12の構成材料は、通常、熱伝導性の良い絶縁性セラミック(チタン酸アルミニウム、アルミナ等の酸化物セラミックや、炭化珪素、窒化珪素等の非酸化物セラミック)である。ただし、絶縁部12の表面温度を調整する(後述する樹脂部31が劣化しない温度とする)ために、絶縁部12を、熱伝導性の悪い材料製の部材としておいても良い。また、排気通路10の、絶縁部12を設ける部分の温度が比較的に低い場合には、絶縁部12の構成材料を、樹脂(例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性樹脂)としておいても良い。
絶縁部12を排気通路10表面に形成するための方法としては、様々なものを採用することが出来る。例えば、一般的な排気通路10の長手方向(排気ガスの流れ方向)に垂直な断面形状は円状であるが、そのような断面形状を有する排気通路10の表面上にも、幅(排気通路10の円周方向の長さ)を狭くすれば、ほぼ平坦と見なせる領域(例えば、幅が1cm程度の領域)を確保することが出来る。従って、当該領域に、当該領域とほぼ同サイズの絶縁性材料製の板状部材を耐熱セラミック系接着剤等で固定することによって、その上面がほぼ平坦となった絶縁部12(板状部材+耐熱セラミック系接着剤等)を形成することが出来る。
上記領域に対するセラミック材料の溶射や、上記領域への樹脂材料の塗布及び硬化によっても、絶縁部12を形成することが出来る。また、排気通路10の、絶縁部12を設ける部分を平坦状に加工し、平坦状に加工した当該部分に上記のような手順で絶縁部12を形成することによって、その上面がほぼ平坦となった絶縁部12を得ることも出来る。さらに、排気通路10に固定する側の面を排気通路10の表面形状に合わせた板状部材を用意し、当該板状部材を耐熱セラミック系接着剤等で非加工の排気通路10に固定することによって、その上面がほぼ平坦となった絶縁部12を形成することも出来る。
<冷媒通路20>
冷媒通路20は、熱電変換モジュール30の冷却側電極33cを冷却するための絶縁性の冷媒(オイル、純水等)が流れる通路である。この冷媒通路20の通路壁の一部には、開口部21が設けられており、本熱電変換システムは、冷媒通路20の開口部21が、排気通路10上の絶縁部12と冷媒通路20との間に挟まれた熱電変換モジュール30により封止された状態で機能するものとなっている。尚、開口部21の熱電変換モジュール30による封止は、熱電変換モジュール30の全冷却側電極33cを開口部21内に挿入した形で行われる。従って、開口部21のサイズは、熱電変換モジュール30の樹脂部31の、熱電素子32の配置範囲よりも大きく、熱電変換モジュール30の樹脂部31よりも小さなサイズである。
熱電変換モジュール30により開口部21を良好に封止できるようにするために、冷媒通路20としては、通常、開口部21の周囲を囲む突出壁22を備えたものが使用される
。また、冷媒通路20は、ヒートパイプ、ループヒートパイプ等の、冷媒を循環させるために電力を必要としないものであることが好ましいが、冷媒通路20として、熱電変換モジュール30により得られる電力よりも低消費電力のポンプにより冷媒が循環されるものを採用しておいても良い。
<熱電変換モジュール30>
図1に示してあるように、熱電変換モジュール30は、平板状の樹脂部31と、複数のn型熱電素子32n及びp型熱電素子32pと、複数の熱源側電極33h及び冷却側電極33cと、2つ(一対)の取出電極33eとを備える。また、熱電変換モジュール30は、各熱電素子32(n型熱電素子32n、p型熱電素子32p)の下面と樹脂部31の下面とがほぼ同一面上に位置し、各熱電素子32の上面が樹脂部31から突出した構成を有している。
さらに、熱電変換モジュール30の各一対の熱電素子32(1組のn型熱電素子32nとp型熱電素子32p)の上面間には、それらの間を電気的に接続する冷却側電極33cが設けられており、熱電変換モジュール30の各一対の熱電素子32の下面間には、それらの間を電気的に接続する熱源側電極33hが設けられている。各電極33(冷却側電極33c、熱源側電極33h)を設ける熱電素子32の組み合わせは、n型熱電素子32n及びp型熱電素子32pを交互に接続した直列回路が形成されるように選択されている。そして、当該直列回路の末端に位置する各熱電素子32の下面には、出力(冷却側電極33cと熱源側電極33hとの間の温度差に応じた電圧)を取り出すための取出電極33eが設けられている。
以下、熱電変換モジュール30の各構成要素についてさらに具体的に説明する。
熱電変換モジュール30の樹脂部31は、熱電変換モジュール30を、冷媒通路20の開口部21の封止部材として使用できるようにするために、熱電変換モジュール30に組み込まれている部材である。従って、樹脂部31のサイズは、冷媒通路20の開口部21を封止できるサイズ(例えば、開口部21よりも各方向の長さが1cm程度大きなサイズ)とされる。
樹脂部31の構成材料としては、常用耐熱温度が、絶縁部12の上面(正確には、樹脂部31と接している電極33h、33eの上面)の最高温度以上である絶縁性樹脂(熱可塑性樹脂(エンジニアリング・プラスチック、汎用プラステック)、熱硬化性樹脂)が使用される。ただし、常用耐熱温度が高い樹脂は一般に高価であるため、過度に常用耐熱温度が高い樹脂を用いると、システムの製造コストが上昇してしまう。従って、樹脂部31の構成材料は、絶縁部12の上面の最高温度よりも常用耐熱温度が若干高い樹脂であれば良い。
また、樹脂部31を介して排気通路10側から冷媒通路20側に伝わる熱量が多いと、絶縁部12の上面の温度と冷媒通路20内の冷媒の温度との間の温度差が減少し、その結果として、熱電変換モジュール30による発電量が減少してしまう。そして、樹脂部31の熱伝導率を小さくしておけば、上記温度差の減少量を低減することが出来るので、常用耐熱温度が上記条件を満たす樹脂の中から熱伝導率が小さなものを選択して樹脂部31の構成材料として使用しておいても良い。具体的には、一般に、エポキシ系樹脂の熱伝導率よりも、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂の熱伝導率の方が小さい。従って、絶縁部12上面の最高温度が、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂を使用可能な温度である場合には、ウレタン系樹脂又はスチレン系樹脂を樹脂部31の構成材料として使用しておいても良い。
尚、樹脂部31は、絶縁性樹脂からなる緻密な部材であっても良いし、微小な気泡やシリカエアロゲルを含ませることによって全体的な熱伝導率を下げた樹脂製部材であっても良い。
熱電変換モジュール30の各熱電素子32(32n、32p)は、角柱状や円柱状の素子(部材)である。各熱電素子32としては、通常、内燃機関運転中の絶縁部12上面の通常の温度域における性能指数が大きな材料が使用される。例えば、絶縁部12上面の通常の温度が比較的に低い場合(100℃〜200℃程度である場合)には、熱電素子32として、ビスマス・テルル系の熱電素子等を使用することが出来る。
図1には、一列に並んだ三対の熱電素子32しか示していないが、熱電変換モジュール30は、通常、樹脂部31の中央部分に、p型熱電素子32pとn型熱電素子32nとがマトリクス状に並んでいるものとして製造される。ここで、樹脂部31の中央部分とは、その上面が冷媒通路20の開口部21と対向し、その下面が絶縁部12の中央領域と対向する、樹脂部31の部分のことである。ただし、絶縁部12の幅が狭い場合等には、熱電変換モジュール30を、樹脂部31の中央部分に、p型熱電素子32pとn型熱電素子32nとが交互に並んだ列が一列だけ設けられているものとして製造しておいても良い。
熱電変換モジュール30の各電極33(冷却側電極33c、熱源側電極33h、取出電極33e)は、通常、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の金属板である。各電極33の各熱電素子33に対する固定には、通常、はんだペーストが用いられる。
ここで、熱電変換モジュール30の製造手順例を説明しておくことにする。
上記したように、熱電変換モジュール30は、樹脂部31の下面とほぼ同一面上に位置している、各一対の熱電素子32の下面間に熱源側電極33hが設けられているものである。また、熱電変換モジュール30は、樹脂部31の上面から突出している、冷却側電極33cが設けられているものである。すなわち、熱電変換モジュール30は、各熱源側電極33hが樹脂部31の下面から突出した構成であると共に、各冷却側電極33cの上面及び中央部分(熱電素子32と接触していない部分)の下面が他部材により覆われていない構成を有している。
そのような構成を有する熱電変換モジュール30は、例えば、以下の手順により製造することが出来る。
(1)複数の熱源側電極33h及び2つの取出電極33eを填め込むことにより、それらの電極の位置関係を熱電変換モジュール30の製造完了時の位置関係とすることが出来る複数の凹部が設けられている組立支援用部材であって、樹脂部31の形成型として機能する構成(形状)を有する組立支援用部材に、複数の熱源側電極33h及び2つの取出電極33eを填め込む。尚、組立支援用部材の各凹部の深さは、通常、各電極33h、33eの厚さと同程度のものとされる。ただし、組立支援用部材の各凹部の深さを、各電極33h、33eの厚さよりも深くしておいても良い。
(2)組立支援用部材の各凹部に填め込んだ各電極33(33h、33e)の、熱電素子32を固定する領域に、はんだペースト(Sn−Sbはんだハンダペースト等)を塗布する。
(3)各電極33の、はんだペーストを塗布した領域上に、熱電素子32(32n又は32p)を載置する。尚、熱電素子32が、はんだが載りにくいものである場合には、熱電素子32の上下面に、Ni等の金属層をメッキ等により予め形成しておいても良い。
(4)各電極33上に載置した熱電素子32の上面にはんだペーストを塗布する。
(5)はんだペーストを塗布した各一対の熱電素子32の上面間に冷却側電極33cを載置する。
(6)上記手順により用意した構造体を、はんだペーストの融点以上の温度に加熱する。この工程は、通常、当該構造に上下方向(熱電素子33の長さ方向)の圧力をかけながら行われる。
(7)所望の厚さ(樹脂部31の厚さ)となるように、組立支援用部材内に樹脂(熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂)を充填して固化させる。
(8)組立支援用部材内に形成された構造体(つまり、熱電変換モジュール30)を組立支援用部材から取り外して、熱電変換モジュール30を得る。
尚、熱電変換モジュール30は、上記手順以外の手順でも製造することが出来る。例えば、熱電素子31の挿入するための孔を設けた樹脂部31を用意し、当該樹脂部31の各孔に熱電素子31を挿入した後、電極33を設けることによって、熱電変換モジュール30を製造することが出来る。
次に、本実施形態に係る熱電変換システムの全体構成(各要素間の結合法)について説明する。
本実施形態に係る熱電変換システム(図1)は、上記した各構成要素を以下のように組み合わせることにより構築されるシステムとなっている。
(i) 熱電変換モジュール30と冷却通路20とを、絶縁部12を設けた排気通路10に対して、各冷却側電極33cが挿入された状態で冷却通路20の開口部21が熱電変換モジュール30により封止され、熱電変換モジュール30の各熱源側電極33hが絶縁部12と当接するように、配置する。
(ii) 排気通路10方向への力(図1における矢印50参照)が、冷却通路20に加わるように、排気通路10・冷却通路20間を固定する。
尚、排気通路10方向への力が冷却通路20に加わるように、排気通路10・冷却通路20間を固定するための構造としては、様々なものを採用することが出来る。例えば、排気通路10方向への力が冷却通路20に加わるように排気通路10・冷却通路20間を固定するために、冷却通路20に排気通路10方向への力を加える(又は、排気通路10に冷却通路20方向への力を加える)ための板バネ等を含む構造を車体/船体に設けておいても良い。また、熱電変換システムの各部(特に樹脂部31)は或る程度の弾性を有しているので、冷却通路20の上側に配置した部材と、排気通路10の下側に配置した部材との間をボルトナットにより締め付けることにより、排気通路10方向への力が冷却通路20に加わるように排気通路10・冷却通路20間を固定しても良い。
以上、説明したように、本実施形態に係る熱電変換システムは、熱電変換モジュール30の各冷却側電極33cが冷媒通路20を流れる冷媒と直接接触し、熱電変換モジュール30の樹脂部31が排気通路10を流れる排気ガスと直接接触しない構成を有している。さらに、熱電変換システムは、熱電変換モジュール30にかかる排気通路10側への力がほぼ各熱源側電極33hのみに分散されて各熱源側電極33hが排気通路10の絶縁部12に対して押圧される構成を有している。従って、本実施形態に係る熱電変換システムによれば、内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを、良好に(効率良く、樹脂部31が排気ガスで劣化せず、排気通路10の振動によるモジュール30の破壊が生じない形で)、電気エネルギーに変換できることになる。
《第2実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る熱電変換システムの構成を、上記した第1実施形態に係る熱電変換システムと異なる部分を中心に説明する。
本実施形態に係る熱電変換システムは、上記した熱電変換モジュール30の代わりに、図2に示した構成を有する熱電変換モジュール30′を使用したシステムである。
図2(A)に示してあるように、熱電変換モジュール30′も、熱電変換モジュール30(図1)と同様に、平板状の樹脂部31を備え、各熱電素子32(32p、32n)の下面と樹脂部31の下面とがほぼ同一面上に位置し、各熱電素子32の上面が樹脂部31から突出したモジュールである。
ただし、図2(B)(及び図2(A))に示してあるように、熱電変換モジュール30′の構成要素として使用されている各熱電素子32の上面には、半球状の突起部35が設けられている。また、熱電変換モジュール30′の構成要素として使用されている各冷却側電極33cの下面の、各熱電素子32の形状が理想的なもの(設計通りのもの)である場合に各熱電素子32の突起部35が当接する箇所には、突起部35と嵌合する形状の凹部36が設けられている。
すなわち、熱電素子32の製造時には、製造ばらつきに因り、電極33を固定する面が傾いている熱電素子32が製造されてしまうことがある。そして、そのような、熱電素子32を用いて上記した熱電変換モジュール30を製造した場合、図3に示したように、電極33を固定する面が傾いている熱電素子32と冷却側電極33cとの間の電気的接触状態が悪い熱電変換モジュール30が得られてしまう場合がある。
一方、熱電変換モジュール30′には、各熱電素子32として、その上面に突起部35を有するものが採用され、各冷却側電極33cとして、その下面に突起部35と嵌合する凹部36が設けられているものを採用されている。そのため、熱電変換モジュール30′の製造のために用意した熱電素子32中に、傾いてしまう熱電素子32が含まれていても、熱電変換モジュール30′の製造時に、当該熱電素子32の突起部35が冷却側電極33cの凹部36内に入り込む。
従って、熱電変換モジュール30′の構成を採用しておけば、熱電素子32の製造ばらつきに因り性能が低下することを抑止できることになる。そして、本実施形態に係る熱電変換システムは、熱電変換モジュール30′を構成要素としたものである。従って、本実施形態に係る熱電変換システムは、熱電素子32の製造ばらつきに因り性能が低下しない形で製造できるシステムとなっていると言うことが出来る。
《第3実施形態》
以下、本発明の第2実施形態に係る熱電変換システムの構成を、上記した第1実施形態に係る熱電変換システムと異なる部分を中心に説明する。
本実施形態に係る熱電変換システムは、熱電変換モジュール30の代わりに、図4に示した構成を有する熱電変換モジュール30″を使用したシステムである。
図示してあるように、熱電変換モジュール30″も、平板状の樹脂部31を備え、各熱電素子32(32p、32n)の下面と樹脂部31の下面とがほぼ同一面上に位置し、各熱電素子32の上面が樹脂部31から突出したモジュールである。
ただし、熱電変換モジュール30″の各一対の熱電素子32(1組のn型熱電素子32
nとp型熱電素子32p)の上面間は、冷却側電極33c(金属板)ではなく、単線のフレキシブルプリント基板37により接続されている。
この熱電変換モジュール30″も、熱電変換モジュール30′と同様に、熱電素子32の製造ばらつきに因り性能が低下することを抑止するために開発したものである。
すなわち、熱電素子32の製造時には、製造ばらつきに因り、長さが設計値とは異なる熱電素子32が製造されてしまうこともある。熱電変換モジュール30′に採用されている構成は、長さが設計値とは異なる熱電素子32に対してはさほど効果のないものであるが、各一対の熱電素子32の上面間をフレキシブルプリント基板37により接続するようにしておけば、熱電変換モジュール30の製造のために用意した熱電素子32中に、長さが設計値とは異なる熱電素子32が含まれていても、各熱電素子32と各電極との間の電気的接触状態が良い熱電変換モジュール30″を得ることが出来る。
従って、熱電変換モジュール30″の構成は、熱電素子32の製造ばらつきに因り性能が低下することを熱電変換モジュール30′の構成よりも良好に抑止できることになる。また、熱電変換モジュール30″を構成要素とした本実施形態に係る熱電変換システムは、熱電素子32の製造ばらつきによる性能低下がない形で製造できるシステムとなっていると言うことが出来る。
《変形形態》
上記した各実施形態に係る熱電変換システムは、各種の変形を行うことが出来るものである。例えば、図5(A)や、図5(B)に示したように、第1実施形態に係る熱電変換システムの熱電変換モジュール30を、樹脂部31の厚さがより厚いものに変形することが出来る。また、第2実施形態に係る熱電変換システムの熱電変換モジュール30′も、同様のものに変形することが出来る。さらに、第3実施形態に係る熱電変換システムの熱電変換モジュール30′を、熱電素子32の側面のみを覆う厚さ(図5(A)参照)の樹脂部31を備えたものに変形することが出来る。ただし、冷却側電極33cの、冷媒と接する面積が広い方が、冷却側電極33cをより良好に冷却できる。熱電変換モジュール30、熱電変換モジュール30′には、図1、図2に示した構成を採用しておくことが好ましい。
10 排気通路
12 絶縁部
20 冷媒通路
21 開口部
22 突出壁
30、30′、30″ 熱電変換モジュール
31 樹脂部
32p p型熱電素子
32n n型熱電素子
33h 熱源側電極
33c 冷却側電極
33e 取出電極
35 突起部
36 凹部
37 フレキシブルプリント基板

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気ガスに含まれる熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電変換システムにおいて、
    前記排気ガスが流れる、その外表面に絶縁性領域を有する排気通路と、
    絶縁性樹脂材料からなる平板状の樹脂部と、前記樹脂部を貫通する少なくとも一対のn型熱電素子及びp型熱電素子とを含み、各熱電素子間が、前記樹脂部の一方の主面側に設けられた1つ以上の冷却側電極と前記樹脂部の他方の主面側から突出した1つ以上の熱源側電極とにより直列接続され、各熱源側電極が前記排気通路の前記絶縁性領域に当接した熱電変換モジュールと、
    絶縁性の冷媒が流れる冷媒通路であって、その通路壁に設けられている開口部に前記熱電変換モジュールの各冷却側電極が挿入された状態で当該開口部が前記熱電変換モジュールにより封止された冷媒通路と、
    を含み、
    前記熱電変換モジュールの各熱源側電極が前記排気通路の前記絶縁性領域に対して押圧されるように、前記冷媒通路と前記排気通路との間が固定されている
    ことを特徴とする熱電変換システム。
  2. 前記熱電変換モジュールの各熱電素子の前記冷却側電極の取り付け面に、突起部が設けられており、前記熱電変換モジュールの各冷却側電極の各熱電素子の突起部が当接する箇所に、当該突起部と嵌合する形状の凹部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換システム。
  3. 前記冷媒通路は、前記開口部の周囲を囲む突出壁を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電変換システム。
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