JP6201709B2 - 光ファイバ温度分布測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、後方ラマン散乱光を利用した光ファイバ温度分布測定装置に関し、詳しくは、温度補正の改善に関する。
光ファイバをセンサとして用いた分布型測定装置の一種に、光ファイバに沿った温度分布を測定するように構成された光ファイバ温度分布測定装置がある。この技術は光ファイバ内で発生する後方散乱光を利用している。なお、以下の説明では、光ファイバ温度分布測定装置を必要に応じてDTS(Distributed Temperature Sensor)とも表記する。
後方散乱光には、レイリー散乱光、ブリルアン散乱光、ラマン散乱光などがあるが、温度測定には温度依存性の高い後方ラマン散乱光が利用され、この後方ラマン散乱光を波長分波して測定を行う。後方ラマン散乱光には、入射光の波長に対して短い波長側に発生するアンチストークス光ASと、長い波長側に発生するストークス光STがある。
光ファイバ温度分布測定装置は、これらアンチストークス光の強度Iasとストークス光の強度Istとを測定してその強度比から温度を算出し、光ファイバに沿った温度分布を表示するものであり、プラント設備の温度管理、防災関連の調査・研究、発電所や大型建設物の空調関連などの分野で利用されている。
図9は、光ファイバ温度分布測定装置の基本構成例を示すブロック図である。図9において、光源1は光分波器2の入射端に接続され、光分波器2の入出射端には光ファイバ3が接続され、光分波器2の一方の出射端には光電変換器(以下O/E変換器という)4stが接続され、光分波器2の他方の出射端にはO/E変換器4asが接続されている。
O/E変換器4stの出力端子にはアンプ5stおよびA/D変換器6stを介して演算制御部7に接続され、O/E変換器4asの出力端子にはアンプ5asおよびA/D変換器6asを介して演算制御部7に接続されている。なお、演算制御部7は、パルス発生部8を介して光源1に接続されている。
光源1としてはたとえばレーザダイオードが用いられ、パルス発生部8を介して入力される演算制御部7からのタイミング信号に対応したパルス光を出射する。光分波器2は、その入射端に光源1から出射されたパルス光が入射され、その入出射端から出射されたパルス光を光ファイバ3に出射し、光ファイバ3内で発生した後方ラマン散乱光をその入出射端から入射してストークス光STとアンチストークス光ASに波長分離する。光ファイバ3は、その入射端から光分波器2から出射されたパルス光を入射し、光ファイバ3内で発生した後方ラマン散乱光をその入射端から光分波器2に向けて出射する。
O/E変換器4stおよび4asとしてはたとえばフォトダイオードが用いられ、O/E変換器4stには光分波器2の一方の出射端から出射されたストークス光STが入射され、O/E変換器4asには光分波器2の他方の出射端から出射されたアンチストークス光ASが入射されて、それぞれ入射光に対応する電気信号を出力する。
アンプ5stおよび5asは、O/E変換器4stおよび4asから出力された電気信号をそれぞれ増幅する。A/D変換器6stおよび6asは、アンプ5stおよび5asから出力された信号をそれぞれディジタル信号に変換する。
演算制御部7は、A/D変換器6stおよび6asから出力されたディジタル信号に基づいて後方散乱光の2成分、すなわち、ストークス光STとアンチストークス光ASの強度比から温度を演算し、その時系列に基づいて光ファイバ3に沿った温度分布を表示手段(図示せず)に表示する。なお、演算制御部7にはあらかじめ、強度比と温度の関係がテーブルや式の形で記憶されている。また、演算制御部7は、光源1にタイミング信号を送り、光源1から出射される光パルスのタイミングを制御する。
次に温度分布測定の原理を説明する。ストークス光STおよびアンチストークス光ATの信号強度を光源1における発光タイミングを基準にした時間の関数として表すと、光ファイバ3中の光速が既知であるので、光源1を基準にして光ファイバ3に沿った距離の関数に置き換えることができる。すなわち、横軸を距離とし、光ファイバの各距離位置で発生したストークス光STおよびアンチストークス光ASの強度、つまり距離分布とみなすことができる。
一方、アンチストークス光強度Iasとストークス光強度Istはいずれも光ファイバ3の温度に依存し、さらに、両光の強度比Ias/Istも光ファイバ3の温度に依存する。したがって、強度比Ias/Istが分かればラマン散乱光が発生した箇所の温度を知ることができる。ここで、強度比Ias/Istは距離xの関数Ias(x)/Ist(x)であるから、この強度比Ias(x)/Ist(x)から光ファイバ3に沿った温度分布T(x)を求めることができる。
図10は従来の光ファイバ温度分布測定装置の他の例を示すブロック図であり、図9と共通する部分には同一の符号を付けている。
図10において、光分波器2と光ファイバ3との間には数十m巻回された光ファイバよりなる温度基準部9がコネクタ接続部13を介して設けられていて、この温度基準部9には実際の温度を測定するためのたとえば白金測温抵抗体よりなる温度計10が設けられている。この温度計10の出力信号は、演算制御部7に入力されている。なお、温度センサとして用いる光ファイバ3の近傍にも、実際の温度を測定するためのたとえば白金測温抵抗体よりなる基準温度計11が設けられている。
このような構成において、光ファイバ3のある区間の温度をT(K)とすると、温度がT(K)の位置から後方散乱されるアンチストークス光ASとストークス光STとの強度比は、(1)式で求められる。
as :アンチストークスASとストークスST測定系の利得の比
ν0 :光源1の光波数
νr :光ファイバ3のラマンシフト波数
h :プランク定数(6.626×10-34 Js)
k :ボルツマン定数(1.38×10-23 JK-1
ここで、
とした場合、実際のシステムではLnは未知であるが、この値は、温度基準部9に設けられている温度計10の温度データから以下のように求めることができる。
温度基準部9に設けられている温度計10の温度をT0、温度基準部9に用いる光ファイバから後方散乱されるアンチストークス光ASとストークス光STの強度比Ias/IstをG0(T0)とすると、式(1)、(2)から、
となる。
この値を使い、光ファイバ3の温度がT(K)の位置から後方散乱されるアンチストークス光ASとストークス光STの光強度比(Ias/Ist)から温度Tを求める式は、式(1)、(3)から、
となる。
なお、ここでは、光ファイバ3のラマンシフト波数と温度基準部9に用いる光ファイバのラマンシフト波数は同一と仮定している。
実際には装置本体と光ファイバ3の接続部分13での損失や、光ファイバ3の真のラマンシフト波数と計算に使っているラマンシフト波数との違いによる誤差が生じるため、光ファイバ3の近傍に配置した基準温度計11を使って真の温度を測定しておき、温度計算に用いるラマンシフト波数(νr)の微調整や、式(4)で求めた温度Tに対し係数やオフセットによる補正を行っている。
また、実際には、アンチストークス光ASとストークス光STが光ファイバを伝搬する際の光ファイバ損失が若干異なるため、この損失差に対する補正があらかじめ行われているものとする。
係数およびオフセット補正の例としては次のような方法がある。
r=A×T+C (5)
r :補正後の温度(K)
T :補正前の温度(K)
A :係数補正値
C :オフセット補正値
また、接続部13での損失や温度基準部9に用いる光ファイバと、センサとして用いる光ファイバ3のラマンシフト波数の違いによる誤差を無くすために、たとえば特許文献1に開示されているように、温度計算のための基準となる温度基準部を装置外部の測定用光ファイバの経路に設ける方法が提案されている。
特開2008−249515号公報
しかし、図10に示す従来の構成によれば、光ファイバ3における損失は考慮されていないことから、得られる温度測定結果は光ファイバ3における損失の影響を含むものであり、高精度の温度測定結果を得るためには光ファイバ3における損失を的確に把握しなければならないという課題があった。
また、特許文献1に開示されているように、温度演算のための基準となる温度基準部を装置本体外部の測定用光ファイバの経路に設ける場合には、それらの構成が複雑になるとともに、温度基準部を測定用光の設置現場で構築しなければならず、温度補正に関わる作業が複雑になってしまうという問題もある。
本発明はこれらの課題を解決するもので、その目的は、温度補正処理を簡略化するとともに、光ファイバ3における損失を的確に把握することにより補正精度の向上が図れる光ファイバ温度分布測定装置を提供することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
光ファイバをセンサとして用い、ラマン後方散乱光を利用して前記光ファイバに沿った温度分布を測定するように構成された光ファイバ温度分布測定装置において、
前記光ファイバ上の異なる2点の位置La、Lbで温度計により測定された実温度と光ファイバ温度分布測定装置自身による測定温度を用いて次式に基づき損失補正値Lossを求めることを特徴とする。
Loss=((1/Ta−1/Tb)−(1/Ta’−1/Tb’))/A
Ta ;温度計で測定された位置Laの実温度
Tb ;温度計で測定された位置Lbの実温度
Ta’ ;位置Laにおける光ファイバ温度分布測定装置自身による測定温度
Tb’ ;位置Lbにおける光ファイバ温度分布測定装置自身による測定温度
A ;係数
請求項2記載の発明は、
請求項1に記載の光ファイバ温度分布測定装置において、
前記求めた損失補正値Lossを用いて前記光ファイバの温度分布を演算することを特徴とする。
本発明によれば、温度校正処理を簡略化するとともに、高精度の温度補正が行える光ファイバ温度分布測定装置を提供できる。
本発明の一実施例を示すブロック図である。 本発明に基づく測定処理の流れを説明するフローチャートである。 温度分布特性例図である。 図1のブロック図における演算制御部7と温度補正部12の具体例を示すブロック図である。 本発明の他の実施例を示すブロック図である。 図5の動作の流れを説明するフローチャートである。 本発明の他の実施例を示すブロック図である。 図7のブロック図における表示部16の表示画面例図である。 光ファイバ温度分布測定装置の基本構成例を示すブロック図である。 従来の光ファイバ温度分布測定装置の一例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示すブロック図であり、図10と共通する部分には同一の記号を付して重複する説明は省略する。図1と図10の相違点は、図1では演算制御部7に温度補正部12が接続されていることと、光ファイバ3上の位置が異なる2位置LaとLbで基準温度計11により温度を測定して所定の演算式に基づき損失補正値を求めることである。
温度補正部12は、温度センサとして用いる光ファイバ3上の異なる2点の位置LaとLbの近傍における基準温度計11による温度測定データと本発明による補正式を用いて装置本体の演算制御部7で演算される温度に対する補正を行い、高精度の温度測定結果を出力する。
ここで、光ファイバ3上における光分波器2から位置Laまでの距離はたとえば100mとして位置Lbまでの距離はたとえば310mとし、これら位置LaとLbの空間分解能程度(たとえば1m)の近傍区間内では温度が一定であり、温度測定処理を行うのに要するたとえば1分間程度の間の温度変化は少なくて安定しているものとする。光ファイバ3の温度は必ずしも一様でなくてもよく、たとえば位置Lb付近の温度が他の場所より高くてもよい。
図1の構成における本発明に基づく具体的な演算処理について説明する。
基準温度計11で測定した位置Laの実温度をTa(K)、位置Lbの実温度をTb(K)とし、一般的な光ファイバ温度分布測定装置により測定した位置Laの温度をTa’(K)とし、位置Lbの温度をTb’(K)とする。
位置LaとLb間の損失補正値をLoss(dB)とすると、Lossは(6)式で求めることができる。
Loss=((1/Ta−1/Tb)−(1/Ta’−1/Tb’))/A (6)
ここで、AはA=10*k/(h*C*νr*log(e))で求められる係数であって、kはボルツマン定数、hはプランク定数、Cは光速(m/s)、νrはシフト波数(1/m)、eは自然対数の底である。なお、10やlog(e)はLossの単位をdBにするための係数であり、必ずしも式(6)の係数として限定するものではない。
式(6)について説明する。
光ファイバ温度分布測定装置が受光するアンチストークス光ASとストークス光STの強度比は、(7)式で示される。
Ias/Ist=((ν0+ν)^4/(ν0−ν)^4)*exp(−h*C*ν/(k*T)) (7)
ここで、IasはAS光強度(W)、IstはST光強度(W)、ν0は出射光波数(1/m)、Tは絶対温度(K)である。
式(6)の両辺に常用対数を取って10倍すると、(8)式のようになる。
10*log(Ia/Is)=10*Log((ν0+ν)^4/(ν0−ν)^4*exp(−h*C*ν/(k*T)))
(8)
温度TがTref、Ta、Tbのそれぞれの場合において、従来技術を用いて式(8)を整理すると、それぞれ以下のように示される。
1/Ta=1/Tref−A(R(Ta)−R(Tref)) (9)
1/Tb=1/Tref−A(R(Tb)−R(Tref)) (10)
ここで、A=10*k/(h*C*νr*log(e))であり、R(Tref)、R(Ta)、R(Tb)は、温度TがそれぞれTref、Ta、Tbの場合のそれぞれの式(8)の左辺を示す。
Trefは温度演算にあたって温度基準部9として用いる光ファイバの温度、Taは位置Laにおける光ファイバ3の温度、Tbは位置Lbにおける光ファイバ3の温度とする。なお、前述のように、位置LaとLbは異なる位置とし、TaとTbは異なる温度とし、光ファイバ3のアンチストークス光ASとストークス光STの損失には差があるものとする。
式(9)の両辺から式(10)の両辺を引くと、
1/Ta−1/Tb=A(−R(Ta)+R(Tb)) (11)
になり、R(Tref)が消去される。
なお、式(11)が成り立つためには、既にR(Ta)、R(Tb)について損失補正が行われていることが必要である。
これらの損失補正が行われていないときは、光ファイバ3のアンチストークス光ASとストークス光STに損失差があるので光ファイバ温度分布測定装置は正確な温度測定ができない。この様子を式(11)と同様の形式で示すと、
1/Ta’−1/Tb’=A(−R(Ta)−Loss(a)+R(Tb)+Loss(b))
=A(−R(Ta)+R(Tb))+A(−Loss(a)+Loss(b)) (12)
ここで、Ta’は光ファイバ温度分布測定装置による位置Laの測定温度、Tb’は光ファイバ温度分布測定装置による位置Lbの測定温度、Loss(a)は位置LaでのST光とAS光の損失差、Loss(b)は位置LbでのST光とAS光の損失差である。
式(12)の右辺の第1項を式(11)の左辺に置き替えることにより、
Loss(a)−Loss(b)=Loss
として式(12)を整理すると、前述の式(6)が求められる。
位置LaとLbの2点間の損失補正値は式(6)で求めることができるが、式(6)は光ファイバ3の損失が一様でない場合における位置LaとLbの2点間においても成立する。
光ファイバ3の損失が一様の場合には、単位長当たりの損失補正値UnitLossは、
UnitLoss=Loss/(Db-Da) (13)
ここで、Daは光分波器2からの位置Laまでの光ファイバ長、Dbは光分波器2から位置Lbまでの光ファイバ長であり、Db>Daとする。
式(6)に用いる光ファイバ温度分布測定装置の温度測定値Ta’、Tb’にはシフト波数νを用いて演算することが必要であり、既知でなければたとえば特許第5152540号に記載されている手法を用いればよい。ただし、従来の手法ではストークス光STとアンチストークス光ASの損失補正を事前に求めているが、本発明では損失補正を行わずに求めたシフト波数を用いて温度分布の演算を行う。
従来の手法で温度校正を行う場合、損失補正を行わないと温度校正を行った位置1点の温度を正確に求めることができるものの、その他の場所では正確に温度を求めることができない。ただし、予め損失補正を行えば、光ファイバ全長において正確な温度を求めることができる。この段階では、未だ損失補正は行われていない。
図2は、本発明に基づく測定処理の流れを説明するフローチャートである。はじめに、図1のように構成された光ファイバ温度分布測定装置を用いて、光ファイバ3の温度分布を測定し、位置Laの温度Ta’(K)と、位置Lbの温度Tb’(K)を測定する(ステップS1)。この時点では図3(A)に示すような温度分布特性CH−Aが得られるが、損失補正が行われていないので、正確な温度は求められていない。図3(B)は図3(A)に示す温度分布特性CH−Aの拡大図であり、光ファイバ3の位置Laの温度Ta’と位置Lbの温度Tb’を示している。
続いて、基準温度計11を用いて、位置Laの実温度Ta(K)と、位置Lbの実温度Tb(K)を測定する(ステップS2)。なお、ステップS1とS2は順序が逆でもよい。
その後、式(6)に基づいて光ファイバ3の損失差、すなわち損失補正値を求める(ステップS3)。
そして、求めた損失補正値を用い、光ファイバ温度分布測定装置による光ファイバ3の温度分布を演算する(ステップS4)。この結果、光ファイバ3の全長において正確な温度分布が求められる。
なお、種類の異なる複数の光ファイバが直列に接続されている場合には、それぞれの光ファイバ毎に上記に示す損失補正を行えばよい。
図4は、図1のブロック図における演算制御部7と温度補正部12の具体例を示すブロック図である。
まず、演算制御部7は、式(4)で表される温度演算を行う温度演算部7aを中心に、プランク定数hおよびボルツマン定数kを格納する定数格納部7b、装置内部の基準温度部9のラマンシフト波数νr を格納する内部基準温度部ラマンシフト波数格納部7c、装置内部の基準温度部9の温度測定値T0を格納する内部基準温度格納部7d、装置内部の基準温度部9における光強度比G0(T0)を演算する内部基準温度部光強度比演算部7e、温度センサとして用いる光ファイバ3の光強度比Ias/Istを演算するセンサ光強度比演算部7fなどで構成されている。
そして、温度補正部12は、たとえば式(5)で表される温度補正演算を行う温度補正演算部12aを中心に、演算制御部7の温度演算部7aで演算された温度Tを格納する演算温度格納部12b、装置内部の基準温度部9のラマンシフト波数νr を格納する内部基準温度部ラマンシフト波数格納部12c、温度センサとして用いる光ファイバ3の近傍に設けられた基準温度計11で測定した基準温度T1,T2を格納するセンサ基準温度格納部12d、基準温度がT1,T2の時の補正前の測定温度値T1’,T2’を格納するセンサ基準温度部演算温度格納部12e、温度センサとして用いる光ファイバ3のラマンシフト波数ν1を演算するセンサラマンシフト波数演算部12f、光ファイバ3の基準温度測定位置情報を格納するセンサ基準温度位置格納部12g、光ファイバ3の基準温度測定位置LaとLb間における損失補正値Lossを演算する位置間損失補正値演算部12hなどで構成されている。
次に、損失補正値とシフト波数を同時に求める場合について本発明を説明する。
図5は本発明の他の実施例を示すブロック図であり、図1と共通する部分には同一の符号を付けている。図5では、図1の一方の位置Laに、他方の位置Lbとの間に温度差を設定するための温度可変部14が追加されている。
図6は、図5の動作の流れを説明するフローチャートである。
はじめに、位置Laを任意の温度に設定する(ステップS1)。次に、位置Laの温度を光ファイバ温度分布装置および温度計で測定する(ステップS2)。その後、位置Laを別の温度に設定する(ステップS3)。位置Laの温度を光ファイバ温度分布装置および温度計で測定する(ステップS4)。ステップS2の測定結果とステップS4の測定結果に基づきシフト波数を求める(ステップS5)。
求めたシフト波数を用いて位置La,Lbの温度を光ファイバ温度分布装置で測定する(ステップS6)。位置La,Lbの温度を温度計で測定する(ステップS7)。これらの測定結果に基づき、光ファイバの損失差を求める(ステップS8)。求めた損失差に基づいて光ファイバに対する損失補正を行う(ステップS9)。
これにより、光ファイバ全長に渡って正確に温度分布を求めることができる。
温度可変部14を用いない場合に位置LaとLbの温度が異なる条件であれば、ステップS1またはS3の片方の温度は、温度可変部14を用いて設定する必要はない。この場合には温度可変部14は複数の温度を可変することなく、異なる1つの温度だけを設定できればよい。
図7も本発明の他の実施例を示す機能ブロック図であり、図1および図5と共通する部分には同一の符号を付けている。図7において、演算制御部7には、バスBを介して測定部15、表示部16、設定部17などが接続されている。
演算制御部7は、たとえば図2や図6のアルゴリズムを実行して式(6)に示すような補正値を求めることにより、測定部15による測定結果の演算処理を実行する。
測定部15には光ファイバ3が接続されていて、温度分布を測定する。
表示部16は、たとえば図8の表示画面例に示すように、測定位置La、Lbにおける温度計による温度の測定結果とDTS(光ファイバ温度分布測定装置)による温度の測定結果とを比較照合できるように並べて表示する。
図8において、測定位置LaをA点として測定対象温度をTaとし、測定位置LbをB点として測定対象温度をT1とT2としている。そして、これら各測定点における測定対象温度を温度計とDTSとで並行して測定することにより、それらの測定結果を並べて表示する。
セルグループSG1は従来の手法によるシフト波数算出に必要な項目であり、この事例ではB点における温度計とDTSの測定温度を表示している。セルグループSG2はA点とB点を区別する表題であり、セルグループSG3はA点の温度計とDTSの温度測定値を表示している。セルグループSG4はA点とB点の位置を表示している。
なお、表示画面は図8の例に限るものではなく、たとえばさらに損失補正値を追加してもよい。
表示部16に設定部17の設定操作に必要な項目を一覧表示することにより、設定部17の設定操作性を大幅に改善できる。
設定部17は、たとえば表示部16に表示すべき測定温度の測定対象を設定する。これにより、演算制御部7は、たとえば設定された温度に基づいて測定対象の損失補正値を計算する。
具体的な設定例を以下に示す。
最初にB点でシフト波数を設定する。
B点の位置→310m
光ファイバ温度(温度計の測定温度)25.8℃ (T1)
シフト波数設定前、損失補正前のDTS測定温度 22.6℃ (T1’)
光ファイバ温度(温度計の測定温度)65.9℃ (T2)
シフト波数設定前、損失補正前のDTS測定温度 77.9℃ (T2’)
シフト波数設定後、損失補正前のDTS測定温度 65.9℃
次にA点とB点で損失補正を行う。
A点の位置→100m
光ファイバ温度(温度計の測定温度)25.9℃ (Ta)
損失補正前のDTS測定温度 28.4℃ (Ta’)
損失測定後のDTS測定温度 25.9℃
B点の位置→310m
光ファイバ温度(温度計の測定温度)65.9℃ (Tb、Tb=T2とした)
損失補正前のDTS測定温度 65.9℃ (Tb’)
損失測定後のDTS測定温度 65.9℃
ここで、3者の温度が一致しているのはB点でシフト波数を求め、B点でDTSの温度オフセット補正を行ったことによる。
損失補正値 0.09dB(式(6)による損失補正値)
0.44dB/km(式(13)による単位長当たりの損失補正値)
本発明は、位置が異なる2点の光ファイバ温度とDTS測定温度から式(6)によりDTSの損失補正値を求めるものである。
なお、損失補正を行う前にシフト波数を求めてもよいし、シフト波数を求めた後に損失補正を行ってもよい。
また、損失補正を求めるための2点の片方と、シフト波数を求める位置が等しくてもよい。
損失補正を求めるための2点の温度が異なる場合には、シフト波数を求めるために2点のうちの片方の温度を別の温度に設定して、損失補正とシフト波数を求めるようにする。
光ファイバ3の損失が均一の場合には、式(13)により単位長当たりの損失補正値を求める。
損失補正を求めるパラメータとシフト波数を求めるパラメータを、表示画面上の同一位置あるいは近傍に設定手段を介して表示する。
種類の異なる複数の光ファイバが接続されている場合には、それぞれの光ファイバについてこれらの一部または全部を適用すればよい。
また、上記実施例では、ラマン散乱光の強度比を用いるタイムドメイン方式の装置の例について説明したが、本発明は周波数掃引方式の装置にも適用できるものである。
以上説明したように、本発明によれば、温度校正処理を簡略化できるとともに、光ファイバ3における損失を的確に把握することにより高精度の温度補正が行える光ファイバ温度分布測定装置が実現できる。
1 光源
2 光分波器
3 光ファイバ
4st,4as O/E変換器
6st,6as A/D変換器
7 演算制御部
7a 温度演算部
7b 定数格納部
7c 内部基準温度部ラマンシフト波数格納部
7d 内部基準温度格納部
7e 内部基準温度部光強度比演算部
7f センサ光強度比演算部
8 パルス発生部
9 温度基準部
10 温度計
11 基準温度計
12 温度補正部
12a 温度補正演算部
12b 演算温度格納部
12c 内部基準温度部ラマンシフト波数格納部
12d センサ基準温度格納部
12e センサ基準温度部演算温度格納部
12f センサラマンシフト波数演算部
13 コネクタ接続部
15 測定部
16 表示部
17 設定部

Claims (2)

  1. 光ファイバをセンサとして用い、ラマン後方散乱光を利用して前記光ファイバに沿った温度分布を測定するように構成された光ファイバ温度分布測定装置において、
    前記光ファイバ上の異なる2点の位置La、Lbで温度計により測定された実温度と光ファイバ温度分布測定装置自身による測定温度を用いて次式に基づき損失補正値Lossを求めることを特徴とする光ファイバ温度分布測定装置。
    Loss=((1/Ta−1/Tb)−(1/Ta’−1/Tb’))/A
    Ta ;位置Laの実温度
    Tb ;位置Lbの実温度
    Ta’ ;位置Laにおける光ファイバ温度分布測定装置自身による測定温度
    Tb’ ;位置Lbにおける光ファイバ温度分布測定装置自身による測定温度
    A ;係数
  2. 前記求めた損失補正値Lossを用いて前記光ファイバの温度分布を演算することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ温度分布測定装置。
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