JP6200308B2 - レール錆取り機 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に開示される錆取り機は、図3に示すように、レールR上を転動する前後の車輪51、52に受支された機台53と、機台53において後輪52の上方に立設されたハンドル枠54とを備える。
前記機台53の前部側には、研削した錆を集塵する集塵装置60が設けられ、後部側には、レールR上面を研磨する研磨装置70、及びこの研磨装置70と集塵装置60とを駆動するためのエンジン56が設けられている。
また、前記研磨装置70は、円板状の研磨部材55を備え、この研磨部材55は、前記エンジン56の下方(揺動台57の下方)に回転可能に吊設され、その下端面がレール上面に接した状態となされている。
また、前記集塵装置60は、第1ベルト伝達機構63を介してエンジン56により駆動され、前記研磨装置70は、第2ベルト伝達機構64を介して同じくエンジン56により駆動される。
そのため、頻繁に調整杆58を操作して、研磨部材55の高さを低くし、圧接の強さを調整する必要があり、研磨作業が煩雑になるという課題があった。
また、作業者によって、前記圧接の強さを調整するタイミング(時間的間隔)や調整の度合いが異なる上、作業者がハンドル枠54を下方に押圧すると、研磨部材55のレールR上面に対する荷重も変化するため、結果的に、作業者によってレール上面の研磨仕上がりにばらつきが出やすいという課題があった。
更には、錆によってレールR上面には凹凸があるため、研磨部材55がレールR上面に対して跳ねる等の挙動が生じ易く、研磨が不十分な箇所が多くなるという課題もあった。
このように構成することによって、研磨部材の摩耗が進行しても、弾性部材の付勢力によって、レール上面に対し、研磨部材の周面を所定の荷重を維持した状態で圧接することができる。
したがって、研磨作業を開始してから長時間、高さ調整手段によるベース板の後端側の高さ調整作業を行う必要がなく、また、弾性部材の付勢力により、所定の荷重での圧接を維持しながら研磨作業を行うことができるため、作業者の技術に拘わらず、レール上面の研磨仕上がりを、ばらつきの少ない安定したものとすることができる。
このように弾性部材としてコイルスプリングを用いることにより、その伸長方向の付勢力によりベース板を下方に押圧することができる。
図1は本発明に係るレール錆取り機の実施形態の構成を模式的に示す側面図である。図2は、図1のA−A矢視断面となる平面図である。
図1に示すレール錆取り機1は、レールRの上面に付着している赤錆を研磨(研削)し除去するための装置であり、並行して敷設された一対の鉄道レールRのうち、一方のレールR上に配置され、レールRに沿って移動しながらレールR上面を研磨する(即ち、片側ずつ1本のレールを研磨する)。
前記高さ調整杆16は、上端に操作ハンドル27及びハンドルを固定するためのロックバー28が取り付けられた第1リンク部材17と、第1リンク部材17の下端に回動自在に接続された第2リンク部材18とを有する。さらに、前記第1リンク部材17の後側には、第3リンク部材20が回動自在に設けられ、この第3リンク部材20の先端には第2リンク部材18を回動させるためのアーム部材19が、前記第2リンク部材18との間を連結するように設けられている。また、第2リンク部材18の下端には、軸部25が設けられ、この軸部25に後輪26が回転自在に設けられている。
このように構成された前記高さ調整杆16において、前記操作ハンドル27を左右いずれかの方向に回すと、前記第3リンク部材20が上方または下方に回動し、前記アーム部材19を介して第2リンク部材18の下端側、即ち後輪26が、フレーム2に対して上方または下方に移動するようになっている。
また、前記螺子棒22の位置において、前記図1に示すように断面逆U字形の前記バネ受け金具21の天井面とスイングベース4の後端上面との間には、前記螺子棒22を取り囲むようにコイル状のスプリング24(弾性部材)が圧縮された状態で装着されている(スプリング24の上端側がフレーム側に固定され、下端側がスイングベース4の後端側に固定された状態)。このため、前記スプリング24が、前記スイングベース4の後端側を常に下方に付勢するようになされている。また、この構成によれば、前記締め付け部材23の締め付け具合を加減することによって、バネ受け金具21に対して螺子棒22が上下動し、その結果、スプリング24の付勢力が調整可能となっている。
尚、前記バネ受け金具21とスプリング24、加えて、螺子棒22、締め付け部材23によりスイングベース4に対する下方への付勢手段が構成される。
即ち、このレール錆取り機1にあっては、前記前輪7と後輪26とが、レールR上を転動することで、レールRに沿って移動することができるようになっている。
図1に示すように前記研磨部材15の周面下端は、レールRの上面に当接し、そのレールR上面に対する圧接の強さ(荷重)は、前記高さ調整杆16の調整と前記スプリング24の付勢力によって決まる。
尚、前記研磨部材15の周面の幅寸法は、少なくともレールR上面の幅寸法以上となされている。
前記エンジン14が稼働されると、前記エンジン側プーリ11が回転し、駆動ベルト12を介してプーリ8が回転して軸部9を回転駆動する。これにより、円板状の研磨部材15は、所定方向、具体的にはレール錆取り機1が前進する方向に回転するようになっている。
更には、締め付け部材23の締め付け度を加減することによって、スプリング24のスイングベース4の後端に対する下方への付勢力を調整する。
作業者は、立った状態でレール錆取り機1の後側からハンドル部3を把持すると共に、前方に押圧し、前輪7及び後輪26を転動させてレール錆取り機1のバランスを取りながら前進する。
研磨作業の開始後、研磨部材15は、回転しながらレールRの上面に対し所定の荷重をもって圧接するため、レールR上面に付着していた錆が研磨除去される。
また、このとき、研磨部材15は、スプリング24によってレールR上面に押し付けられた状態であるため、研磨部材15が跳ねる等の挙動が抑制される。
即ち、スプリング24による所定以上の付勢力がスイングベース4の後端に与えられる間は、研磨部材15が摩耗しても、研磨部材15の周面がレールR上面に対し所定の荷重をもって圧接されることになる。
したがって、研磨作業を開始してから長時間、高さ調整杆16によるスイングベース4の後端側の高さ調整作業を行う必要がなく、また、スプリング24の付勢力により、所定の荷重での圧接を維持しながら研磨作業を行うことができるため、作業者の技術に拘わらず、レール上面の研磨仕上がりを、ばらつきの少ない安定したものとすることができる。
さらに、研磨部材15は、スプリング24によってレールR上面に押し付けられた状態であるため、研磨部材15が跳ねる等の挙動を抑制することができ、研磨が不十分な箇所を格段に低減することができる。
また、弾性部材を用いる場合であっても、本実施の形態のようにコイルスプリングに限定されるものではなく、板バネのような弾性部材を用いてもよい。
2 フレーム
3 ハンドル部
4 スイングベース(ベース板)
7 前輪
14 エンジン(駆動手段)
15 研磨部材
16 高さ調整杆(高さ調整手段)
21 バネ受け金具(付勢手段)
22 螺子棒(付勢手段)
23 締め付け部材(付勢手段)
24 スプリング(弾性部材)
26 後輪
R レール
Claims (2)
- 鉄道レール上面の錆を研磨して取り除くためのレール錆取り機であって、
前記鉄道レールに沿って移動可能なベース板と、
前記ベース板により周方向に回転可能に軸支されると共に、その周面が前記鉄道レール上面に当接する円板状の研磨部材と、
前記ベース板上に設けられ、前記研磨部材を所定方向に回転させる駆動手段と、
前記ベース板の上方に設けられたフレームと、
前記ベース板の前記鉄道レールに対する高さを調整可能な高さ調整手段と、
前記フレームに前端部が固定され、後端部が前記高さ調整手段に固定されるバネ受け金具と、
上下方向に圧縮された状態で設けられると共に、その上端側が前記バネ受け金具に固定され、下端側が前記ベース板の後端側に固定された弾性部材と、
前記高さ調整手段の下端に回転自在に設けられた後輪と、
前記ベース板の前端側下面に回転自在に設けられた前輪と、
を備え、
前記ベース板は、その前端側が前記フレームに回転自在に支持され、後端側が前記フレームに対して上下に回動自在に設けられ、
前記ベース板の後端側は、前記研磨部材を軸支すると共に、前記高さ調整手段により高さ調整可能であって、且つ前記弾性部材により下方に付勢されることを特徴とするレール錆取り機。 - 前記弾性部材はコイルスプリングであって、上下方向に圧縮された状態で設けられると共に、その上端側が前記バネ受け金具に固定され、前記弾性部材の下端側が前記ベース板の後端側に固定されていることを特徴とする請求項1に記載されたレール錆取り機。
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