以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明に従った乾燥装置の一例である乾燥装置100を示す。乾燥装置100は、乾燥の機能に加えて、洗濯および濯ぎ等の機能を有する洗濯乾燥機である。図1に示すように、乾燥装置100は、外箱1を備える。外箱1は、乾燥装置100の本体の外形を形成する。外箱1には、洗濯の条件と乾燥の条件とを選択するための操作部を含むパネル(図示せず)が取り付けられている。
また、乾燥装置100は、ヒートポンプ装置70と、制御部90と、送風機9と、水槽2と、洗濯槽3と、駆動機構4とを備える。洗濯槽3は、駆動機構4の作動に基づいて回転する。
洗濯槽3は、筒形状を有する。当該筒において、一端側(図1の左方側)は開口し、他端側(図1の右方側)は底壁を有した底部3bを形成する。洗濯槽3は、水平方向から傾斜した方向または水平方向に延びる回転軸線を中心に回転する。洗濯槽3の材料には、ステンレス鋼板が一般的に用いられている。洗濯槽3の周壁3aと底部3bには、給水、排水および通気のための複数の小孔(図示せず)が形成されている。周壁3aは、洗濯槽3のうちの筒状の部分である。周壁3aは、略円筒形状を有する。また、周壁3aは、回転軸線が延びる方向と略平行な方向に延びている。
周壁3aには、複数のバッフル(図示せず)が配置されている。バッフルは、回転軸線が延びる方向と略平行な方向に延びている。また、バッフルは、回転軸線を中心とする円の半径方向の内方に向かって周壁3aから突出している。
水槽2は、筒形状を有する。当該筒において、一端側は開口し、他端側は底壁を有する。洗濯槽3は、水槽2の内部の空間に収容されている。水槽2の下部には、カウンターウェイト(図示せず)が取り付けられている。なお、水槽2全体のバランスをとるため、複数個のカウンターウェイトが水槽2に取り付けられていてもよい。また、カウンターウェイトは、水槽2の上部に取り付けられていてもよい。洗濯槽3の開口部の縁の外側には、図示しない液体バランサが取り付けられている。
洗濯槽3は、被乾燥対象物としての洗濯物5を収納する。洗濯槽3の底部3bには、駆動軸41が固定されている。駆動軸41を含む駆動機構4は、水槽2の底部2bに取り付けられている。駆動軸41は、駆動機構4に連結されている。
乾燥装置100は、ヒートポンプ装置70を熱源として利用する。図2に示すように、ヒートポンプ装置70は、圧縮機14と凝縮器15と蒸発器17と膨張弁16とを備える。圧縮機14は、冷媒を圧縮して冷媒の温度を上昇させる。凝縮器15は、圧縮機14によって圧縮された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を加熱する。膨張弁16は、空気を加熱させた冷媒の圧力を減圧する。つまり、膨張弁16は、冷媒の圧力を調節する。蒸発器17は、減圧された冷媒と空気とを熱交換させることによって空気を冷却する。これにより、蒸発器17においては、冷媒が気化する。また、ヒートポンプ装置70は、冷媒配管18を備えている。冷媒配管18は、圧縮機14、凝縮器15、膨張弁16、蒸発器17、および、圧縮機14の順に冷媒が循環するように、圧縮機14と凝縮器15と膨張弁16と蒸発器17とを連結する。
凝縮器15と蒸発器17とは、それぞれフィンチューブ型の熱交換器である。ヒートポンプ装置70においては、蒸発器17と凝縮器15との順に、蒸発器17と凝縮器15とを乾燥用空気が流れる。
圧縮機14は、圧縮機14を駆動させる駆動部14aを有する。駆動部14aは、圧縮機14の駆動源を構成する。なお、駆動部14aの好ましい例は、誘導モータである。駆動部14aとしてのモータは、他の電動モータであってもよい。
送風機9は、回転部9aを有している。回転部9aは、一般的な電動式のモータを含む構成を有する。圧縮機14の駆動部14aと、送風機9の回転部9aとは、それぞれ、図示しないスイッチを含む回路89に接続されている。制御部90が、回路89に含まれるスイッチのオンとオフとを切り替えるようにスイッチを制御することによって、駆動部14aの回転開始と回転停止、および、回転部9aの回転開始と回転停止とが切り替えられる。
また、図1に示すように、乾燥装置100は、乾燥室32とダクト60とを備える。洗濯槽3の内部の空間が乾燥室32として機能する。また、乾燥室32には、ヒートポンプ装置70の凝縮器15(図2参照)において加熱された空気が供給される。送風機9は、加熱された空気を乾燥室32に送出する。ダクト60は、ヒートポンプ装置70によって加熱された空気が乾燥室32に供給されるように、且つ、乾燥室32において湿度が高められた空気がヒートポンプ装置70に戻されるように、乾燥室32とヒートポンプ装置70とに接続される。ダクト60は、空気循環用の経路の一例であって、管部材を連結することによって構成されている。
ダクト60は、排気用のダクト61と接続部62と給気用のダクト63とを有する。ダクト63は、凝縮器15において加熱された空気が乾燥室32に供給されるように凝縮器15と乾燥室32との間に配置されている。ダクト61は、乾燥室32において洗濯物5の乾燥に利用された空気が蒸発器17に向かって流れるように乾燥室32と蒸発器17との間に配置されている。接続部62は、ダクト60のうち、凝縮器15と送風機9との間を延びる部分である。洗濯物5を乾燥させる行程としての乾燥行程において、洗濯物5の乾燥に用いられる空気(これを乾燥用空気という)は、二点鎖線の矢印が指す方向に沿ってダクト60を流通することによって、乾燥室32とヒートポンプ装置70との間を循環する。
図3は、乾燥装置100の制御部90によって制御される各構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部90は、検知部91と、演算部92と、加熱制御部97と、送風機制御部96とを含む。検知部91は、温度検知部911を含む。加熱制御部97は、圧縮機制御部971と流量制御部972とを含む。さらに、制御部90は、判定部93と記憶部94とタイマ95とを含む構成を有する。
乾燥装置100の運転に必要な制御についての演算は、演算部92によって行われる。乾燥装置100の運転に必要な制御についての判定は、判定部93によって行われる。また、記憶部94には、乾燥装置100の運転に必要なデータ等が格納されている。
記憶部94は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを含む構成を有する。また、乾燥装置100(図1参照)の行程は、乾燥行程よりも前の行程として、順に洗濯行程と濯ぎ行程と脱水行程とを含む。各行程における各部材の作動の情報は、例えばプログラム化されたうえで記憶部94に記録されている。ただし、各行程における各部材の作動の情報は、単にマップ状またはテーブル状に記憶部94に記録されていてもよい。
制御部90は、プログラム等において記録された情報に従って、ヒートポンプ装置70と送風機9の回転部9aとを含む乾燥装置100の各部材を制御する。送風機制御部96は、送風機9の回転部9aを制御する。圧縮機制御部971は、圧縮機14の駆動部14aを制御する。流量制御部972が膨張弁16を制御することによって、冷媒配管18(図2参照)を流通する冷媒の流量が調整される。
膨張弁16の開度を縮小させるように流量制御部972が膨張弁16を制御することにより、冷媒配管18(図2参照)における抵抗が増大し、過熱度が上昇する。膨張弁16の開度を拡大させるように流量制御部972が膨張弁16を制御することにより、冷媒配管18(図2参照)における抵抗が減少し、過熱度が下降する。
また、洗濯槽3の駆動機構4(いずれも図1参照)の作動と、水槽2(図1参照)に供給される水が通る流路を開閉する給水弁(図示せず)の作動等、乾燥装置100における各部材の作動は、制御部90の制御に基づいている。
図2に示すように、ヒートポンプ装置70において蒸発器17の入口の近傍には、温度センサ81が配置されている。温度センサ81は、蒸発器17の入口側の温度を検出する。ヒートポンプ装置70において蒸発器17の出口の近傍には、温度センサ82が配置されている。温度センサ82は、蒸発器17の出口側の温度を検出する。
圧縮機14の吐出部には、温度センサ83が配置されている。温度センサ83は、圧縮機14の吐出部の温度を検出する。あるいは、温度センサ83は、冷媒の温度を検出することができる。なお、圧縮機14の吐出部とは、圧縮機14の一部であって、冷媒が圧縮機14に流入する側の部分よりも冷媒が圧縮機14から流出する側に位置する部分のことである。あるいは、圧縮機14の吐出部とは、圧縮機14から流出した冷媒が通る冷媒配管18の一部であって、冷媒配管18と圧縮機14との接続部分であってもよい。
ダクト61には、温度センサ84が配置されている。温度センサ84は、ダクト61を流れる空気の温度を検出する。あるいは、温度センサ84は、ダクト61の温度を検出することができる。温度センサ84は、ダクト61において、乾燥室32よりもヒートポンプ装置70に近い側に配置される。なお、ダクト61における温度センサ84の位置は、特に限定されず、ヒートポンプ装置70よりも乾燥室32に近い側に配置されていてもよく、ヒートポンプ装置70と乾燥室32との略中間の位置に配置されていてもよい。凝縮器15には、温度センサ85が配置されている。温度センサ85は、凝縮器15の中間部の温度を検出する。
温度センサ86は、乾燥装置100(図1参照)の外部の温度を検出する。温度センサ86が配置される場所は、特に限定されず、外箱1(図1参照)の外側の表面であってもよく、外箱1に収容されるように外箱1の内側であってもよい。
なお、温度センサ81は、第1の検出器の一例である。温度センサ84は、第2の検出器の一例である。また、温度センサ82は、第3の検出器の一例である。
検知部91の温度検知部911(いずれも図3参照)は、温度センサ81,82,83,84,85,86に電子的または電気的に接続されている。温度検知部911は、温度センサ81が検出する蒸発器17(図2参照)の入口側の温度と、温度センサ82が検出する蒸発器17の出口側の温度と、温度センサ83が検出する圧縮機14(図2参照)の吐出部の温度と、温度センサ84が検出するダクト61(図2参照)を流通する空気の温度と、温度センサ85が検出する凝縮器15(図2参照)の中間部の温度と、温度センサ86が検出する乾燥装置100(図1参照)の外部の温度(つまり、外気の温度)とを検知する。
演算部92は、温度センサ81と温度検知部911とによって検知される蒸発器17(図2参照)の入口側の温度と、温度センサ82と温度検知部911とによって検知される蒸発器17(図2参照)の出口側の温度との差を算出する。流量制御部972は、演算部92によって算出される温度差(つまり、過熱度)の値が、目標値に近付くように膨張弁16を制御する。
以下においては、乾燥装置100の乾燥行程のうち、洗濯物5を乾燥させるために、乾燥室32に供給される空気を加熱する各部材の作動について、図1〜図3を用いて説明する。
乾燥行程のプログラムが立ち上げられる場合に、制御部90は、駆動機構4を駆動させることによって洗濯槽3を回転させる。乾燥室32に供給される空気を加熱するために、制御部90は、圧縮機14の駆動部14aを駆動させることによって、冷媒を高圧化且つ高温化させる。冷媒と熱交換することによって加熱された空気が乾燥室32に供給されるように、制御部90は、送風機9の回転部9aを回転させる。送風機9が発生させる気流によって、洗濯物5を乾燥させるための空気が、図1に示す二点鎖線の矢印のようにダクト60を流れる。なお、図1と図2とに示す二点鎖線の矢印は、気流が流れる方向を概略的に示すものであって、気流の速度または規模を示すものではない。
送風機9が発生させた気流により、乾燥室32に流入した空気は、乾燥室32において撹拌される洗濯物5から水分を得て、ヒートポンプ装置70へ向かってダクト61を流通する。ダクト61の空気には、洗濯物5から蒸発する水分が含まれる。ダクト61からヒートポンプ装置70へ流入した空気は、蒸発器17を通過する際に露点以下に除湿される。除湿された後の空気は、凝縮器15において加熱されて高温化且つ低湿度化され、乾燥用空気として再び洗濯槽3に流入する。このような空気の流れが繰り返されることにより、洗濯物5の乾燥が進行する。
乾燥装置100においては、予め設定された目標値に実際の過熱度が近付くように、ヒートポンプ装置70が制御される。目標値の近傍に過熱度を収束させるように膨張弁16が制御されることによって、ヒートポンプ装置70の熱交換性能の低下を抑制することができるため、乾燥効率を向上させることができる。
過熱度の目標値の情報は、予め記憶部94に格納されている。流量制御部972は、記憶部94に格納された目標値の情報に基づいて、膨張弁16を制御する(いずれも図3参照)。流量制御部972は、演算部92によって算出される過熱度(言い換えると、蒸発器17(図2参照)の入口近傍の温度と蒸発器17の出口の温度との差)の値が、目標値に近付くように膨張弁16を制御する。
以下に説明するように、制御部90は、ヒートポンプ装置70を作動させた後において、温度センサ81によって検出される温度が第1の所定の温度以下、且つ、温度センサ84によって検出される温度が第2の所定の温度以上である場合には、駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御する(いずれも図2参照)。
図4は、外気の温度が低い環境において乾燥装置100が運転する場合に、駆動部14a(図2参照)の作動を停止させるように制御部90(図2参照)が駆動部14aを制御し、且つ、膨張弁16(図2参照)の開度を上げるように制御部90が膨張弁16を制御する前と後とにおける実際の過熱度の単位時間あたりの変化を示すグラフである。
図4に示すF線は、送風機9の回転部9a(図2参照)の回転数を示す線である。送風機9の作動は、乾燥行程の開始に伴って開始される。送風機9の回転部9aの回転数は、作動の開始後に、2段階に分けて設定された所定の回転数まで上昇する。この所定の回転数(一例として4600rpm)で乾燥運転の終了まで送風機9の作動が継続する。図4に示すE線は、圧縮機14の駆動部14a(図2参照)の回転数を示す線である。乾燥行程の開始に伴って、圧縮機14の作動が開始される。圧縮機14の駆動部14aの回転数は、作動の開始後に、設定された所定の回転数(一例として5000rpm)まで上昇する。この所定の回転数で圧縮機14が作動する間に、後述するように蒸発器17における結露の防止または除霜のために、圧縮機14の作動が一旦停止される。その後、しばらく時間をあけてから、圧縮機14の作動が再開される。このときの駆動部14aの回転数は、停止前の回転数と同一である。
図4に示すD線は、過熱度の目標値を示す線である。また、図4に示すC線は、算出される実際の過熱度を示す線である。乾燥装置100のヒートポンプ装置70(図1参照)においては、実際の過熱度が目標値に収束するように、膨張弁16(図2参照)が制御される。膨張弁16の開度を示す線は、図4のA線である。また、膨張弁16の積分開度が図4のB線によって示される。乾燥行程が開始された後には、膨張弁16の開度が、全開の状態から一旦絞られた後に、過熱度の目標値に合わせて調整される。後述するように蒸発器17における結露の防止または除霜のために、圧縮機14の作動が一旦停止される時点において、膨張弁16の開度は全開の状態となる。その後、しばらく時間をあけてから、圧縮機14の作動が再開される時点において、膨張弁16の開度が一旦所定量絞られる。膨張弁16の開度は、一旦絞られた後に、過熱度の目標値に合わせて調整される。図4のB線は、A線の変化に伴って変化する。
図4に示すように、洗濯物5を乾燥させるための運転の開始時点STにおいて、圧縮機14(図2参照)の作動が開始されるとともに、送風機9(図2参照)の回転が開始される(図4のE線およびF線参照)。送風機9の回転数は、一旦中間程度まで上昇した後に、設定された所定の回転数まで上昇する。また、膨張弁16の開度が、全開の状態から一旦所定量絞られた後に、過熱度の目標値に合わせて調整される(図4のA線参照)。
なお、乾燥行程の開始の時点、または、乾燥運転の開始の時点とは、乾燥行程のプログラムが立ち上げられた時点のことをいう。ただし、圧縮機14が起動された時点のことであってもよく、駆動部14aの回転が開始された時点のことであってもよい。なお、図4に示すE線およびF線のうちの少なくとも横軸と平行な方向に延びる部分と、D線とは、実際の測定値または検出値ではなく、制御上の定量値を表す。図4に示すE線およびF線のうちの縦軸と平行な方向に延びる部分については、単に上昇または下降の状態を示す。
図5は、外気の温度が低い環境において乾燥装置100が運転する場合に、駆動部14a(図2参照)の作動を停止させるように制御部90(図2参照)が駆動部14aを制御し、且つ、膨張弁16(図2参照)の開度を上げるように制御部90が膨張弁16を制御する前と後とにおけるヒートポンプ装置70の各位置の温度の単位時間あたりの変化を示すグラフである。ヒートポンプ装置70における各位置として、圧縮機14(図2参照)の吐出部の温度、凝縮器15(図2参照)の中間部の温度、ダクト61(図2参照)を流通する空気の温度、蒸発器17(図2参照)の出口側の温度、および、蒸発器17の入口側の温度の変化を図5に示す。つまり、図5には、温度センサ81〜85と温度検知部911(図3参照)とによって検知される温度の単位時間あたりの変化を示す。
乾燥行程が開始された後には、ヒートポンプ装置70は、ヒートポンプ装置70における凝縮器15(いずれも図2参照)の側が、蒸発器17の側の温度よりも高い状態になる。そのため、図5に示すように、凝縮器15の中間部の温度(図5のH線参照)が上昇し、且つ、圧縮機14の吐出部の温度(図5のG線参照)が上昇する。また、凝縮器15から吸熱する乾燥用空気の温度が上昇する。この乾燥用空気は、乾燥室32(図1参照)を通過した後に、排気の温度として検知される(図5のI線参照)。
外気の温度が比較的低い環境に乾燥装置100が設置される場合は、乾燥用空気に含まれる水分によって蒸発器17が結露するような事態が発生する。これにより、図5に示すように、蒸発器17の出口側の温度(図5のJ線参照)よりも入口側の温度(図5のK線参照)の方が高い状態が生じる。この場合には、蒸発器17において冷媒を気化する性能が低下する。そのため、実際の過熱度(つまり、算出される過熱度)を上昇させるために、過熱度の目標値に応じてヒートポンプ装置70が制御されることによって、膨張弁16の開度が下げられる(図4のA線参照)。
しかしながら、蒸発器17における熱交換が妨げられているにもかかわらず、過熱度の目標値に応じて膨張弁16の開度が調整されることによれば、最終的に膨張弁16が完全に閉じられるような事態が生じる(図4のA,B線参照)。膨張弁16が完全に閉じられる場合には、冷媒の流通が停止されるため、圧縮機14の熱によって、ヒートポンプ装置70における圧縮機14と膨張弁16の出口との間の部分(凝縮器15の側)の温度が上昇する(図5のG,H線参照)。これによって過熱度が上昇するため、一旦、膨張弁16が開かれる。
しかしながら、蒸発器17における熱交換量が小さいことによって、膨張弁16が再度閉じられる。このように、外気の温度が低い環境において、過熱度に応じてヒートポンプ装置70を制御する場合には、膨張弁16を若干開けた状態と閉じた状態とが繰り返されるため、実際の過熱度の上昇と下降とがある程度の温度の範囲内で繰り返される(図4のC線参照)。詳細には、蒸発器17の出口側の温度(図5のJ線参照)と入口側の温度(図5のK線参照)とは、それぞれ、零下の温度を含むある程度の温度の範囲において上昇と下降とが繰り返される(図5に示す破線の楕円で囲む領域を参照)。また、膨張弁16の開閉が繰り返されることによって、圧縮機14の吐出部の温度(図5のG線参照)と、凝縮器15の中間部の温度(図5のH線参照)とについても、それぞれ、上昇と下降とが繰り返される。
そこで、制御部90(図3参照)は、温度センサ81によって検出される蒸発器17の入口側の温度が例えば零℃以下であって、且つ、温度センサ84によって検出される排気の温度が例えば15℃以上であることが温度検知部911によって検知される場合には、駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御する。この間において、送風機9の作動は継続される。このように、乾燥装置100においては、蒸発器17に霜が発生する状態等、ヒートポンプ装置70の熱交換の観点における異常な状態(もしくは、好ましくない状態)を早期に推定することによって、適正な状態(もしくは、好ましい状態)に早期に復帰させることができる。
図4に示すように、圧縮機14の作動が一旦停止された時点において、膨張弁16が全開される。さらに、圧縮機14の作動が一旦停止された時点から、所定の時間として、例えば5分が経過した後に、圧縮機14の作動が再開されるとともに、膨張弁16は、全開の状態から一旦絞られた後に、過熱度の目標値に合わせて調整される。圧縮機14の作動が一旦停止される場合には、凝縮器15の側に滞在する相対的に温かい冷媒と、蒸発器17の側に滞在する相対的に冷たい冷媒との間において、熱量が交換されることによってヒートポンプ装置70全体における冷媒が平衡状態に移行する。そのため、蒸発器17の側の冷媒の温度の上昇に伴って蒸発器17表面の温度も上昇することにより、霜の発生の防止または除霜が可能である。
さらに好ましくは、乾燥行程の開始後、つまり、ヒートポンプ装置70を作動させた後に所定の時間が経過した時点において、温度センサ81によって検出される蒸発器17の入口側の温度が零℃以下である場合には、予め設定された回転数よりも高い回転数で駆動部14aが作動するように、制御部90は、ヒートポンプ装置70を制御する。なお、ヒートポンプ装置70の作動後の所定の時間の例は、例えば20分である。予め設定された圧縮機14の駆動部14aの所定の回転数は、例えば3000rpmである。この回転数に対して、例えば、約66%増加した値として、上記のように5000rpmで駆動部14aを回転させることが好ましい。このように、圧縮機14の出力を上昇させることによって凝縮の能力を向上させることができる。これにより、乾燥用空気の温度を早期に上昇させることができるため、蒸発器17の結露の防止または除霜が可能である。
また、図4に示すように、圧縮機14の作動を再開する(図4のE線参照)場合には、乾燥行程が開始されてから圧縮機14の作動が一旦停止されるまで用いられていた過熱度の目標値ではなく、より上の値の目標値が用いられる(図4のD線参照)。言い換えると、乾燥行程が開始されてから圧縮機14の作動が一旦停止されるまでは、乾燥の運転のために予め設定された目標値よりも小さい目標値である代替値に実際の過熱度が近付くように、膨張弁16が制御される。すなわち、乾燥装置100においては、温度センサ81によって検出される温度が、第1の所定の温度の一例として、零℃以下である場合に、目標値よりも小さい値に設定された代替値に実際の過熱度が近付くように膨張弁16が制御される。具体的には、流量制御部972(図3参照)は、温度センサ81によって検知される温度が零℃以下である場合には、予め設定された目標値よりも小さい値に設定された代替値に過熱度が近付くように、膨張弁16を制御する。
さらに、より好ましくは、圧縮機14の作動を再開した(図4のE線参照)後には、制御部90は、図4のD線に示すように、段階的に上昇する目標値に沿ってヒートポンプ装置70を制御する。ここで用いられる目標値は、検知される蒸発器17の温度に応じて段階的に設定されている。例として、蒸発器17の入口側の温度が0.5℃以下である場合には、目標値は0.5℃に設定されている。また、例えば、蒸発器17の入口側の温度が2.5℃以上である場合には、目標値は4,5℃に設定されている。蒸発器17の入口側の温度が0.5℃よりも大きく、且つ、2.5℃未満の範囲においては、0.5℃以上且つ4.5℃以下の範囲で線形補間によって目標値としての関数値を得る。これらの段階的に変化する目標値を用いることによって、結露が推定される温度の範囲周辺においては膨張弁16が過度に閉じることが無いように、また、霜の発生から回復が推定される場合においては膨張弁16が過度に開くことによって霜が再度発生することが無いように、ヒートポンプ装置70を制御することができる。
このように、圧縮機14の出力を上昇させることによって凝縮の能力を向上させ、さらに、より低く設定された過熱度の目標値を用いることによって冷媒の流量を増大させることができる。これにより、乾燥行程が開始された時点から、乾燥用空気の温度を早期に上昇させることができる。また、乾燥用空気の温度を早期に上昇させた後には、制御部90は、圧縮機14の作動を停止し、且つ、膨張弁16の開度を上げる。これにより、ヒートポンプ装置70全体における冷媒が平衡状態に移行するため、蒸発器17の側の冷媒の温度の上昇に伴って蒸発器17表面の温度も上昇することにより、除霜することができる。
このように、乾燥装置100においては、ヒートポンプ装置70の熱交換率の観点における異常な状態を早期に推定することによって、適正な状態に早期に復帰させることができる。そのため、適正な状態においてヒートポンプ装置70および乾燥装置100を作動させることができるので、乾燥効率の低下を防止することができる。
以上のように、第1実施形態の乾燥装置100は、ヒートポンプ装置70と、乾燥室32と、ダクト60と、温度センサ81と、温度センサ84と、制御部90とを備える。ヒートポンプ装置70は、駆動部14aを有する圧縮機14と、冷媒の圧力を調節する膨張弁16とを含む。空気循環用の経路を構成するダクト60は、ヒートポンプ装置70によって加熱された空気が乾燥室32に供給されるように、且つ、乾燥室32において湿度が高められた空気がヒートポンプ装置70に戻されるように、乾燥室32とヒートポンプ装置70とに接続される。温度センサ81は、ヒートポンプ装置70の蒸発器17の入口側の温度を検出する。温度センサ84は、ダクト60を流通する空気の温度を検出する。制御部90は、ヒートポンプ装置70を制御する。
制御部90は、ヒートポンプ装置70を作動させた後において、温度センサ81によって検出される温度が第1の所定の温度以下、且つ、温度センサ84によって検出される温度が第2の所定の温度以上である場合には、駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御する。
この構成によれば、乾燥装置100において、蒸発器17が結露する状態等、ヒートポンプ装置70の熱交換の観点における異常な状態(もしくは、好ましくない状態)を早期に推定することによって、適正な状態(もしくは、好ましい状態)に早期に復帰させることができる。
すなわち、圧縮機14の作動が一旦停止される場合に膨張弁16を開放するときには、凝縮器15の側に滞在する相対的に温かい冷媒と、蒸発器17の側に滞在する相対的に冷たい冷媒との間において熱量が交換されることによって、ヒートポンプ装置70全体における冷媒が平衡状態に移行する。そのため、蒸発器17の側の冷媒の温度の上昇に伴って蒸発器17表面の温度も上昇することにより、蒸発器17の結露の防止または除霜が可能である。
このようにすることにより、外気の温度が低い環境において乾燥効率が低下することを防止することが可能な乾燥装置100を提供することができる。
乾燥装置100において、ヒートポンプ装置70を作動させた後に所定の時間が経過した時点において、温度センサ81によって検出される温度が零℃以下である場合には、予め設定された回転数よりも高い回転数で駆動部14aが作動するように、制御部90は、ヒートポンプ装置70を制御する。
この構成によれば、圧縮機14の出力を上昇させることによって凝縮の能力を向上させることができる。これにより、乾燥用空気の温度を早期に上昇させることができるため、蒸発器17の結露の防止または除霜が可能である。
ヒートポンプ装置70は、冷媒を気化させる蒸発器17を含む。また、乾燥装置100は、温度検出器として、蒸発器17における冷媒の出口側の温度を検出する温度センサ82を備える。乾燥装置100において、温度センサ81は、蒸発器17における冷媒の入口側の温度を検出する。制御部90は、温度センサ81によって検出される温度と温度センサ82によって検出される温度との差(つまり、過熱度)を算出し、算出した過熱度の値が予め設定された目標値に近づくように膨張弁16を制御し、さらに、温度センサ81によって検出される温度が零℃以下である場合には、目標値よりも小さい値に設定された代替値に過熱度の値が近付くように膨張弁16を制御する。
この構成によれば、より低く設定された過熱度の目標値を用いることによって冷媒の流量を増大させることができる。これにより、乾燥行程が開始された時点から、乾燥用空気の温度を早期に上昇させることができるため、乾燥の運転の開始後に、蒸発器17における霜の成長を抑制することができる。また、乾燥用空気の温度を早期に上昇させた後には、圧縮機14の作動が停止され、且つ、膨張弁16の開度が上げられる。これにより、ヒートポンプ装置70全体における冷媒が平衡状態に移行するため、蒸発器17の側の冷媒の温度の上昇に伴って蒸発器17表面の温度も上昇することにより、除霜することができる。
乾燥装置100において、ヒートポンプ装置70は、冷媒を気化させる蒸発器17を含む。温度センサ81は、蒸発器17における冷媒の入口側の温度を検出する。温度センサ84は、ダクト60において乾燥室32から蒸発器17に至る経路を構成するダクト61の空気の温度を検出する。
この構成によれば、蒸発器17の出口側の温度よりも高い温度である入口側の温度を検出し、且つ、水蒸気を含む排気の温度を検出することによって、蒸発器17の結露を容易且つ適正に推定することができる。
尚、第1の所定の温度および第2の所定の温度の例は、上記の例に限定されない。例えば、第1の所定の温度の例は、蒸発器17が結露することを推定できる温度であって、1℃前後であってもよい。一方、第2の所定の温度の例として、10℃以上20℃以下の排気の温度の範囲においてより低い温度を閾値として用いることにより、蒸発器17における結露の発生を、乾燥行程の開始後におけるより早い時期に推定することにしてもよい。
乾燥装置100においては、乾燥行程の開始後、つまり、ヒートポンプ装置70を作動させた後に所定の時間が経過した時点において、温度センサ81によって検出される蒸発器17の入口側の温度が第1の所定の温度の一例としての零℃以下である場合に、予め設定された回転数よりも高い回転数で駆動部14aが作動するように、ヒートポンプ装置70が制御される。別の制御の例として、乾燥装置100において、ヒートポンプ装置70を作動させた後に所定の時間が経過した時点において、温度センサ83によって検出される排気の温度が第3の所定の温度である場合に、予め設定された回転数よりも高い回転数で駆動部14aが作動するように、ヒートポンプ装置70が制御されていてもよい。ここで、第3の所定の温度の例は、例えば10℃であって、ヒートポンプ装置70の作動後の所定の時間の例は、例えば5分である。このように、乾燥装置100においては、運転開始後の排気温度の上昇の程度に基づいて、圧縮機14の出力を早期に上昇させることにしてもよい。
乾燥装置100において、温度センサ81,82,83,85は、ヒートポンプ装置70の所定の箇所の温度を検出する。具体的には、温度センサ81は、蒸発器17の入口側の温度を検出する。温度センサ82は、蒸発器17の出口側の温度を検出する。温度センサ83は、圧縮機14の吐出部の温度を検出する。温度センサ85は、凝縮器15の中間部の温度を検出する。また、乾燥装置100は、ダクト61を流通する排気の温度を検出する温度センサ84を備える。これらのセンサのうち、乾燥装置100においては、第2の検出器の一例は、温度センサ84である。ただし、第2の検出器の例は、蒸発器17の出口側の温度を検出する温度センサ82であってもよく、凝縮器15の中間部の温度を検出する温度センサ85であってもよく、圧縮機14の吐出部の温度を検出する温度センサ83であってもよい。
一方、第1の検出器の一例は、温度センサ81である。ただし、第1の検出器の例は、蒸発器17の出口側の温度を検出する温度センサ82であってもよく、凝縮器15の中間部の温度を検出する温度センサ85であってもよく、圧縮機14の吐出部の温度を検出する温度センサ83であってもよく、ダクト61を流通する排気の温度を検出する温度センサ84であってもよい。このように、制御上の所定の閾値として、実験等に基づいて、ヒートポンプ装置70における所定の箇所の温度、および、ダクト61を流通する空気の温度からなる群より選ばれた二つの温度を適切に設定することにより、蒸発器17の結露を早期に適正に推定することができる。
あるいは、乾燥装置100は、温度センサ86によって検出される外気の温度をそのまま推定に利用するように、温度センサ86によって検出される温度に基づいて、駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御することにしてもよい。
膨張弁16は、冷媒の流量を調節するための絞り部の一例である。なお、冷媒の流量を調整する構成としては、キャピラリチューブで構成されていてもよい。
なお、乾燥装置100において制御部90が配置される位置は、特に限定されない。図1に示す制御部90は、概略的に示されるものであって、上記のように所望の機能を奏するものであればよい。
なお、外気の温度が低い環境とは、おおよそ外気が5℃以下であって、蒸発器17が結露する事態が発生する環境のことをいう。
なお、本発明に従った乾燥装置は、洗濯および濯ぎ等の機能を備えていなくてもよい。本発明に従った乾燥装置は、乾燥の機能を有する乾燥装置であればよい。
(第2実施形態)
以下において、第2実施形態の乾燥装置について説明する。なお、以下において、第1実施形態の乾燥装置100の構成と同様の機能を有する構成には、同符号を付す。
第2実施形態の乾燥装置が第1実施形態の乾燥装置100と異なる点は、第2実施形態の乾燥装置においては、実際の過熱度が所定の温度の範囲で上昇と下降とを繰り返す場合に、圧縮機14の駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70が制御される。つまり、第2実施形態の乾燥装置における蒸発器17の結露の発生の推定の方法と、第1実施形態の乾燥装置100における蒸発器17の結露の発生の推定の方法とは異なる。
第2実施形態の乾燥装置において、蒸発器における冷媒の入口側の温度を検出する温度センサ81は、第4の検出器の一例であって、蒸発器17における冷媒の出口側の温度を検出する温度センサ82は、第5の検出器の一例である。
制御部90においては、例えば、温度センサ82によって検出される温度と温度センサ81によって検出される温度との差としての過熱度が、通常の過熱度に対して極端に低い場合もしくは高い場合、つまり、算出される過熱度の値が目標値の所定の範囲から外れる場合に、まずフラグが立てられる。これらのフラグに基づいて、例えば、所定の時間の間に、算出される実際の過熱度の値が目標値の所定の範囲から複数回外れる場合に、図4のC線が示すように実際の過熱度が所定の温度の範囲で上昇と下降とを繰り返していることを、制御部90(図3参照)が検知することができる。
実際の過熱度が所定の温度の範囲で上昇と下降とを繰り返していることを検知することによれば、蒸発器17の結露の発生を推定することができる。この推定に基づいて、制御部90(図3参照)は、圧縮機14の駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御する。
このように、制御部90(図3参照)は、実際の過熱度が所定の温度の範囲で上昇と下降とを繰り返す場合に、圧縮機14の駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御する。このようにすることにより、第2実施形態の乾燥装置においては、ヒートポンプ装置70の熱交換率の観点における異常な状態から適正な状態に早期に復帰することによって、乾燥効率の低下を防止することができる。
なお、第2実施形態の乾燥装置における制御部90の構成については、説明を省略するが、第1実施形態の乾燥装置100の制御部90(図3参照)と同様に構成されている。また、第2実施形態の乾燥装置の制御部90における演算部92は、上記のように第1実施形態の乾燥装置100の制御部90において処理される演算とは異なる演算を処理する機能も有する。
以上のように、第2実施形態の乾燥装置は、ヒートポンプ装置70と、温度センサ81と、温度センサ82と、制御部90とを備える。ヒートポンプ装置70は、駆動部14aを有する圧縮機14と、冷媒の圧力を調節する膨張弁16と、冷媒を気化させる蒸発器17とを含む。温度センサ81は、蒸発器17における冷媒の入口側の温度を検出する。温度センサ82は、蒸発器17における冷媒の出口側の温度を検出する。制御部90は、ヒートポンプ装置70を制御する。
第2実施形態の乾燥装置において、制御部90は、ヒートポンプ装置70を作動させた後において、温度センサ81によって検出される温度と温度センサ82によって検出される温度との差としての過熱度を算出する。制御部90は、算出した過熱度の値が予め設定された目標値に近付くように膨張弁16の開度を調節するようにヒートポンプ装置70を制御する。さらに、制御部90は、過熱度が所定の温度の範囲で上昇と下降とを繰り返す場合には、駆動部14aの作動を停止させるように、且つ、膨張弁16の開度を上げるようにヒートポンプ装置70を制御する。
この構成によれば、乾燥装置100において、蒸発器17が結露する状態等、ヒートポンプ装置70の熱交換の観点における異常な状態(もしくは、好ましくない状態)を早期に推定することによって、適正な状態(もしくは、好ましい状態)に早期に復帰させることができる。
すなわち、圧縮機14の作動が一旦停止される場合に膨張弁16を開放するときには、凝縮器15の側に滞在する相対的に温かい冷媒と、蒸発器17の側に滞在する相対的に冷たい冷媒との間において、熱量が交換されることによってヒートポンプ装置70全体における冷媒が平衡状態に移行する。そのため、蒸発器17の側の冷媒の温度の上昇に伴って蒸発器17表面の温度も上昇することにより、蒸発器17の結露の防止または除霜が可能である。
このようにすることにより、外気の温度が低い環境において乾燥効率が低下することを防止することが可能な乾燥装置を提供することができる。
第2実施形態の乾燥装置のその他の構成および作用効果は、第1実施形態の乾燥装置100と同様である。したがって、第2実施形態の乾燥装置のその他の構成および作用効果については、説明を省略する。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。