JP6199805B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用空調装置に関する。
車両用空調装置は、通常、エアミックス機構を備え、エアミックス機構は、空気加熱装置(ヒーターコア)を通過する空気量と空気加熱装置を迂回する空気量との比率を調整する。
従来のエアミックス機構としては、例えば、その一端側が回転軸に固定された片持ち式のエアミックスドア(例えば、特許文献1を参照。)、回転軸を中心に回転可能なバタフライ式の冷風用ミックスドア(例えば、特許文献2を参照。)、2枚のドア部材がヒンジで連結されたエアミックスドア(例えば、特許文献3を参照。)、上下にスライド移動する板状のミックスドア(例えば、特許文献4を参照。)が知られている。
車両用空調装置では、ヒーターコアを通過してきた空気(温風)とヒーターコアを迂回してきた空気(冷風)とが混合される空間に、バッフルを配置し、温風と冷風とを効率的に混合させる技術が提案されている(例えば、特許文献5又は特許文献6を参照。)。また、バッフル機能を有するエアミックスドアが提案されている(例えば、特許文献7又は特許文献8を参照。)。
特開2002−243262号公報 特開2001−294031号公報 特開2000−190722号公報 特開平11−1114号公報 特開2005−153824号公報 特開2008−143513号公報 特開2011−51465号公報 特開2006−137295号公報
しかし、特許文献1又は2に記載されたエアミックス機構は、ドアが回動するための大きなスペースを必要とし、車両用空調装置が大型となる。特許文献3に記載されたエアミックス機構は、ドアの移動距離が長いため、モード切替えに時間がかかる。ドアの移動を速めるためには、ドアの回転軸の回転速度を速める必要が有り、速く回転するためには大きなトルクが必要となる。特許文献4に記載されたエアミックス機構も、ドアの移動距離が長いため、モード切替えに時間がかかる。
特許文献5又は6のように、エアミックス機構とは別体のバッフルを有する形態では、車両用空調装置の小型化が不十分であった。また、特許文献7又は8に記載されたエアミックスドアは、片持ち式であるため、ドアが回動するための大きなスペースを必要とし、車両用空調装置の小型化が不十分であった。
本発明の目的は、従来のエアミックス機構よりも小型化され、かつ、移動距離が短いエアミックス機構を備える車両用空調装置を提供することである。
本発明に係る車両用空調装置は、内部に送風空気の空気通路を有するケースと、該ケースの内部に配置され、前記送風空気を加熱する空気加熱装置と、該空気加熱装置よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記空気加熱装置を通過する空気量と前記空気加熱装置を迂回する空気量との比率を調整するエアミックス機構と、を備える車両用空調装置において、前記エアミックス機構は、固定板と、可動板と、回動軸とを有し、前記固定板は、その板厚方向に貫通して設けられた固定スリットを有し、前記可動板は、前記回動軸を起点として前記空気加熱装置へ送風する温風用通路に延出する温風側可動板部と、前記回動軸を起点として前記空気加熱装置を迂回する冷風用通路に延出する冷風側可動板部と、を有し、前記温風側可動板部及び前記冷風側可動板部は、それらの板厚方向に貫通して設けられた可動スリットを有し、前記温風側可動板部と前記冷風側可動板部とは、前記回動軸を基点としてそれぞれ異なる方向に延出し、前記温風側可動板部及び前記冷風側可動板部は、前記回動軸の回動によって、前記固定板に対して交互に接近又は離間し、前記固定スリットと前記可動スリットとは、前記温風側可動板部が前記固定板に当接するとき又は前記冷風側可動板部が前記固定板に当接するとき、互いに重ならない位置関係にあることを特徴とする。
本発明に係る車両用空調装置では、前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置されていることが好ましい。固定スリットによって空気流が整流された空間に可動板を配置でき、可動板と回動軸の回動を安定して行うことができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部の前記回動軸側とは反対側の端部が描く軌跡に沿って配置された冷風漏れ防止ガイド若しくは前記温風側可動板部の前記回動軸側とは反対側の端部が描く軌跡に沿って配置された温風側空気流漏れ防止ガイドのいずれか一方又は両方を更に備えることが好ましい。冷風漏れ防止ガイドを備えることで、固定板と冷風側可動板部とが離間したときに、空気加熱装置を迂回する空気流を固定スリットおよび可動スリットに確実に通過させて、通風量を制御することができる。温風側空気流漏れ防止ガイドを備えることで、固定板と温風側可動板部とが離間したときに、空気加熱装置に向かう空気流を固定スリットおよび可動スリットに確実に通過させて、通風量を制御することができる。その結果、エアミックス機構による空気量の比率の調整を、精度良く行うことができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、前記エアミックス機構は、前記固定板の前記冷風側可動板部側の表面から立設する温風用ガイド壁を有し、該温風用ガイド壁は、前記可動スリットから前記冷風用可動板部よりも前記空気通路の下流側に突出して温風誘導路を形成することが好ましい。温風の一部を上方に導いて、温風と冷風との混合状態を調整し、適切な上下方向の温度差を有する空気を得ることができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記可動板が、前記固定板よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部の前記固定板側の表面から立設する温風用ガイド壁を有し、該温風用ガイド壁は、前記固定スリットから前記固定板よりも前記空気通路の下流側に突出して温風誘導路を形成することが好ましい。温風の一部を上方に導いて、温風と冷風との混合状態を調整し、適切な上下方向の温度差を有する空気を得ることができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記エアミックス機構は、前記固定板又は前記冷風側可動板部の少なくともいずれか一方の表面から突出する枠状又は突起状の挿入部を有し、該挿入部は、前記冷風側可動板部が前記固定板に当接するとき、前記固定スリット又は前記可動スリットを塞ぐことが好ましい。冷風側可動板部が固定板に当接したときに、意図しない空気漏れを抑制することができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記エアミックス機構は、前記固定板の前記冷風側可動板部側の表面から立設する開口面積調整手段を有し、該開口面積調整手段は、前記可動スリットに挿入され、前記冷風側可動板部の回動に伴って前記可動スリットの開口面積を変化させることが好ましい。空気加熱装置を迂回してきた空気(冷風)の流量を制御し、エアミックス機構による空気量の比率の調整を、精度良く行うことができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記可動板が、前記固定板よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部の前記固定板側の表面から立設する開口面積調整手段を有し、該開口面積調整手段は、前記固定スリットに挿入され、前記冷風側可動板部の回動に伴って前記固定スリットの開口面積を変化させることが好ましい。空気加熱装置を迂回してきた空気(冷風)の流量を制御し、エアミックス機構による空気量の比率の調整を、精度良く行うことができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部よりも前記空気通路の下流側に突出し、かつ、前記冷風側可動板部に形成された可動スリットの前記温風用通路側を覆う冷風用ガイド壁を有することが好ましい。空気加熱装置を迂回してきた空気(冷風)の流れが、空気加熱装置を通過してきた空気(温風)の流れに阻害されることを抑制し、適切な上下方向の温度差を有する空気を得ることができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記可動板が、前記固定板よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、前記エアミックス機構は、前記固定板よりも前記空気通路の下流側に突出し、かつ、前記固定板の前記冷風用通路に形成された固定スリットの前記温風用通路側を覆う冷風用ガイド壁を有することが好ましい。空気加熱装置を迂回してきた空気(冷風)の流れが、空気加熱装置を通過してきた空気(温風)の流れに阻害されることを抑制し、適切な上下方向の温度差を有する空気を得ることができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記冷風用ガイド壁は、前記温風用ガイド壁が突出する可動スリット又は固定スリットには設けないことが好ましい。温風の一部を確実に上方に導くとともに、冷風の流れが温風の流れに阻害されることを抑制し、適切な上下方向の温度差を有する空気を得ることができる。
本発明に係る車両用空調装置では、前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、前記温風用ガイド壁が、前記開口面積調整手段を兼ねることが好ましい。部品点数をより少なくすることができる。
本発明は、従来のエアミックス機構よりも小型化され、かつ、移動距離が短いエアミックス機構を備える車両用空調装置を提供することができる。
第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、フルホットモードを示す。 エアミックス機構の一例を示す概略図である。 固定スリット及び可動スリットの配列の第一例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。 固定スリット及び可動スリットの位置関係を説明するための図であり、(a)は可動板が固定板に当接した状態、(b)は可動板が固定板から離間した状態を示す。 可動板の固定板への取付け例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。 固定スリット及び可動スリットの配列の第二例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。 第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、エアミックス機構が温風用ガイド壁を有する形態を示す。 エアミックス機構の温風用ガイド壁を設けた部分の拡大図を示す。 温風用ガイド壁の作用を説明するための概念図である。 エアミックス機構の冷風用ガイド壁を設けた部分の拡大図を示す。 第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、冷風漏れ防止ガイドを有する形態を示す。 挿入部の一例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。 図12のA−A線断面図を示す。 開口面積調整手段の第一例を示す図である。 第一例の開口面積調整手段による開口面積の調整を説明するための図である。 開口面積調整手段の第二例を示す図である。 開口面積調整手段の第三例を示す図である。 第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、エアミックスモードを示す。 第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、フルクールモードを示す。 固定板及び可動板の組合せ例を示す概略図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例を示す。 本実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、エアミックス機構はフルホットモード、吹出モードはデフフットモードの状態を示す。
以下、添付の図面を参照して本発明の一態様を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
本実施形態に係る車両用空調装置は、図1に示すように、固定板110が、可動板120よりも前記空気通路の上流側に配置される形態(第一実施形態)、及び、図示しないが、可動板120が、固定板110よりも前記空気通路の上流側に配置される形態(第二実施形態)を包含する。
(第一実施形態)
第一実施形態に係る車両用空調装置10は、図1に示すように、内部に送風空気の空気通路12を有するケース13と、ケース13の内部に配置され、送風空気を加熱する空気加熱装置(図1ではヒーターコア)14と、ヒーターコア14よりも空気通路の上流側に配置され、ヒーターコア14を通過する空気量とヒーターコア14を迂回する空気量との比率を調整するエアミックス機構100と、を備える車両用空調装置において、エアミックス機構100は、固定板110と、可動板120と、回動軸130とを有し、図2、図3(a)(b)に示すように、固定板110は、その板厚方向に貫通して設けられた固定スリット111を有し、可動板120は、回動軸130を起点としてヒーターコア14へ送風する温風用通路12aに延出する温風側可動板部120Aと、回動軸130を起点としてヒーターコア14を迂回する冷風用通路12bに延出する冷風側可動板部120Bと、を有し、温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bは、それらの板厚方向に貫通して設けられた可動スリット121を有し、温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bは、回動軸130の回動によって、固定板110に対して交互に接近又は離間し、固定スリット111と可動スリット121とは、図4(a)(b)に示すように、温風側可動板部120Aが固定板110に当接するとき又は冷風側可動板部120Bが固定板110に当接するとき、互いに重ならない位置関係にある。
ケース13は、HVAC(heating, ventilation, and air conditioning)のケースである。ケース13は、その内部に、送風空気の空気通路12を有する。ケース13の上流には、送風空気を空気通路12へと送る送風機(不図示)が配置される。ケース13は、デフロスタ吹出口(不図示)に通じるデフロスタ開口部16、ベント吹出口(不図示)に通じるベント開口部17及びフット吹出口(不図示)に通じるフット開口部18を有する。デフロスタ開口部16は、デフロスタドア6で開閉される。ベント吹出口17は、ベントドア7で開閉される。また、フット開口部18は、フットドア8で開閉される。図1では、デフロスタドア6、ベントドア7及びフットドア8が板ドアである形態を示したが、本発明はドアの種類に限定されない。
空気通路12には、空気加熱装置14が配置される。図1では一例として空気加熱装置14が温水式ヒーターコアである形態を示したが、送風空気を加熱する装置であればよく、特に限定しない。空気加熱装置14としては、温水式ヒーターコアの他にも、電気発熱式ヒーターコア、冷凍サイクルの凝縮器などが挙げられる。また、空気通路12には、空気冷却装置15が配置されていてもよい。図1では一例として空気冷却装置15がエバポレータである形態を示した。エバポレータ15は、ヒーターコア14よりも空気通路12の上流側に配置され、送風空気を冷却する。
空気通路12は、ヒーターコア14へ送風する温風用通路12aと、ヒーターコア14を迂回する冷風用通路12bと、エアミックスチャンバ12cとを有する。温風用通路12aは、送風空気をヒーターコア14へ導く空間である。冷風用通路12bは、送風空気を、ヒーターコア14を通過させずにヒーターコア14よりも下流側に導く空間である。エアミックスチャンバ12cは、温風用通路12aを通過してきた空気と冷風用通路12bを通過してきた空気とが混合される空間である。
固定板110は、板状の部材であり、図1に示すように、温風用通路12a及び冷風用通路12bを遮って配置される。固定板110は、温風用通路12aに配置される温風側領域110Aと冷風用通路12bに配置される冷風側領域110Bとを有する。固定板110の縦断面形状は、図1に示すように一直線状であるか、又は温風側領域110Aと冷風用通路12bとの境界部で屈曲した線状であってもよい(不図示)。固定板110は、ケース13に固定されている。固定板110は、ケース13とは別体であるか、又はケース13と一体であってもよい。
第一実施形態に係る車両用空調装置では、固定板110が、可動板120よりも空気通路の上流側に配置されていることが好ましい。固定スリット111によって空気流が整流された空間に可動板を配置でき、可動板120と回動軸130の回動を、安定して行うことができる。また、固定板110の縦断面形状を一直線状として、可動板120よりも空気通路の上流側に配置することで、エバポレータ15の下流側面に略平行となるよう固定板を配置することができる。その結果、エアミックス機構100をエバポレータ15に近接させて、省スペース化を図ることができるとともに、より簡素な形状で構成することができる。
固定スリット111は、固定板110の板厚方向に貫通して設けられた貫通孔によって形成される。図3(a)に示すように、各固定スリット111は、一つの貫通孔からなることが好ましい。本発明は固定スリット111の形状及び数に限定されない。また、固定スリット111は、スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置することが好ましい。図3(a)では各固定スリット111が、温風側領域110A及び冷風側領域110Bに跨っている形態を示したが、各固定スリット111は、図5(a)に示すように温風側領域110Aと冷風側領域110Bとの間で途切れていてもよい。
可動板120は板状の部材である。可動板120の縦断面形状は、図1に示すように、温風側可動板部120Aと冷風側可動板部120Bとの境界部で屈曲した線状であるか、又は一直線状であってもよい(不図示)。温風側可動板部120Aは、ヒーターコア14を通過する空気の流れを遮って配置される。また、冷風側可動板部120Bは、ヒーターコア14を迂回する空気の流れを遮って配置される。温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bは、一体成形品であるか、又は別体であってもよい。温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bが別体である形態は、例えば、温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bを、それぞれ回動軸130に固定した形態である。
可動スリット121は、可動板部120の板厚方向に貫通して設けられた貫通孔によって形成される。図3(b)に示すように、各可動スリット121は、一つの貫通孔からなることが好ましい。本発明は可動スリット121の形状及び数に限定されない。また、可動スリット121は、スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置することが好ましい。
回動軸130は、温風側可動板部120Aと冷風側可動板部120Bとの境界部に配置される。回動軸130の本数は、1本であることが好ましい。エアミックス機構100が回動軸130を1本だけ有することで、エアミックス機構100をより小型化することができる。結果として、車両用空調装置10の小型化が可能となる。
図5は、可動板の固定板への取付け例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。可動板120の固定板110への取付けは、例えば、図5(a)に示すように固定板110の表面に両爪部112を設け、図5(b)に示すように温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bを、それぞれ回動軸130に固定し、温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bの回動軸130への固定端部に貫通孔122を設け、両爪部112を貫通孔122に挿入するとともに両爪部112で回動軸130を挟む形態である。
エアミックス機構100は、ヒーターコア14を通過する空気量とヒーターコア14を迂回する空気量との比率を調整するドアである。エアミックス機構100は、例えば、図1に示すように固定板110の縦断面形状を一直線状とし、かつ、可動板120の縦断面形状を固定板110側に凸の屈曲した線状とすることで、温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bが、回動軸130の回動によって、固定板110に対して交互に接近又は離間する。可動板120が固定板110に対して摺動する場合と比較して、耐久性をより向上させることができ、摺動音の発生を防止することもできる。
次に、図3、図4を参照して、固定スリット111及び可動スリット121の位置関係について説明する。図3(a)に示すように、複数の固定スリット111は、所定の隙間をあけて略平行に配置されている。図3(b)に示すように、複数の可動スリット121は、所定の隙間をあけて略平行に配置されている。図3(b)において、点線Pは、固定板110と、温風側可動板部120A又は冷風側可動板部120Bとが当接したときの固定スリット111の位置を示す。図3(b)に示すように、固定スリット111と可動スリット121とが互いに重ならない位置関係にあり、固定板110が温風側可動板部120A又は冷風側可動板部120Bに当接したとき、可動スリット121は、固定スリット111間に設けた隙間に当接する。
温風側可動板部120Aは、図4(a)に示すように、固定板110に当接したときには、固定スリット111を塞ぐとともに固定板110によって可動スリット121が塞がれて、ヒーターコア14を通過する空気の流れを遮断し、図4(b)に示すように、固定板110から離間したときには、固定スリット111を開放するとともに可動スリット121が開放されて、ヒーターコア14を通過する空気を流す。また、冷風側可動板部120Bは、図4(a)に示すように、固定板110に当接したときには、固定スリット111を塞ぐとともに固定板110によって可動スリット121が塞がれて、ヒーターコア14を迂回する空気の流れを遮断し、図4(b)に示すように、固定板110から離間したときには、固定スリット111を開放するとともに可動スリット121が開放されて、ヒーターコア14を迂回する空気を流す。
図6は、固定スリット及び可動スリットの配列の第二例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。固定スリット111及び可動スリット121は、図6(a)(b)に示すように、スリットの長手方向を車両の左右方向に向けて配置してもよい。
図7は、第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、エアミックス機構が温風用ガイド壁を有する形態を示す。図8は、エアミックス機構の温風用ガイド壁を設けた部分の拡大図を示す。第一実施形態に係る車両用空調装置では、固定スリット111及び可動スリット121が、スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置されるとき、エアミックス機構100が、固定板110の冷風側可動板部120B側の表面から立設する温風用ガイド壁140を有し、温風用ガイド壁140は、可動スリット121から冷風用可動板部120Bよりも空気通路の下流側に突出して温風誘導路141を形成することが好ましい。温風用ガイド壁140は、複数の壁板140a、140bを有し、壁板140a、140b同士は所定の間隔で配置される。壁板140a、140bの枚数は特に限定されず、例えば2枚である。温風誘導路141は、壁板140a、140b同士の間に形成される。
図9は、温風用ガイド壁の作用を説明するための概念図である。図9では、図8の位置関係にある固定板110の冷風側領域110B及び冷風側可動板部120Bを、図面の上下にずらして表示している。ヒーターコアを迂回してきた空気(冷風)は、一般にヒーターコアを通過してきた空気(温風)よりも風力が強くなる。エアミックスモードでは、温風の流れ(白抜き矢印)Hが冷風の流れ(黒塗り矢印)Cに妨げられて、温風を上方に導きにくくなる。そこで、温風用ガイド壁140を設けることで、温風が温風誘導路141を通って上方に導かれる。また、車両用空調装置においては、一般にエアミックス機構の下流にて調和される空気は、上方と下方との空気の温度差が適切な値となるよう要求される。温風用ガイド壁140が配置されることによって、温風の一部を上方に導いて、温風と冷風との混合状態を調整し、適切な温度差の空気を得ることができる。また、デフロスタ開口部16(図7に図示)に温風を流しやすくなる。
図10は、エアミックス機構の冷風用ガイド壁を設けた部分の拡大図を示す。第一実施形態に係る車両用空調装置では、固定スリット111及び可動スリット121が、スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置されるとき、エアミックス機構100は、冷風側可動板部120Bよりも空気通路の下流側に突出し、かつ、冷風側可動板部120Bに形成された可動スリット121の温風用通路12a側を覆う冷風用ガイド壁142を有することが好ましい。冷風用ガイド壁142は、例えば、軒樋状である。冷風用ガイド壁142は、図10に示すように冷風側可動板部120Bの下端部周縁に立設させるか、又は固定板110の冷風側可動板部120B側の表面から立設させてもよい(不図示)。一般に冷風は温風よりも風力が強いとはいえ、冷風の流れが温風の流れにあたると、冷風の風力が弱められる。そこで、冷風用ガイド壁142が配置されることによって、温風の流れは、冷風用ガイド壁142に阻害され、冷風の流れにあたらない。そして、冷風の流れが温風の流れに阻害されることを抑制することができる。
冷風用ガイド壁142は、温風用ガイド壁140が突出する可動スリット121又は固定スリット111には設けないことが好ましい。温風の一部を確実に上方に導くとともに、冷風の流れが温風の流れに阻害されることを抑制し、適切な上下方向の温度差を有する空気を得ることができる。温風用ガイド壁140と冷風用ガイド壁142とは、図10に示すように交互に配置することがより好ましい。
図11は、第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、冷風漏れ防止ガイドを有する形態を示す。第一実施形態に係る車両用空調装置では、エアミックス機構100は、冷風側可動板部120Bの回動軸130側とは反対側の端部が描く軌跡に沿って配置された冷風漏れ防止ガイド143を更に備えることが好ましい。冷風側可動板部120Bの回動軸130側とは反対側の端部が描く軌跡は、円弧状をなす。このため、冷風漏れ防止ガイド143は、断面円弧状の板であることが好ましい。冷風漏れ防止ガイド143は、冷風側可動板部120Bの端部が描く軌跡の一部に沿って配置されるか、又は全体に沿って配置されてもよい。冷風漏れ防止ガイド143は、固定板110に固定されているか、又は可動板120に固定されているか、又はケース13に固定されていてもよい。冷風漏れ防止ガイド143を設けることで、ヒーターコア14を迂回してきた冷風をエアミックス機構100の下流により確実に送ることができ、該冷風とヒーターコアを通過してきた温風とを混合させて、所定の温度に調整しやすい。温度制御のリニアリティを確保することができる。また、冷風の空気流れを固定スリット及び可動スリットに確実に通過させて、通風量を制御することができる。なお、図示しないが、エアミックス機構100は、温風側可動板部120Aの回転軸130側とは反対側の端部が描く軌跡に沿って配置された温風側空気漏れ防止ガイドを更に備えていてもよい。温風側空気漏れ防止ガイド(不図示)は断面円弧状の板であることが好ましい。また、温風側空気漏れ防止ガイド(不図示)は、温風側可動板部120Aの端部が描く軌跡の一部に沿って配置されるか、又は全体に沿って配置されてもよい。温風側空気漏れ防止ガイド(不図示)は、固定板110に固定されているか、又は可動板120に固定されているか、又はケース13に固定されていてもよい。温風側空気漏れ防止ガイド(不図示)を設けることで、ヒーターコア14を通過しようとする空気をヒーターコア14により確実に送ることができ、ヒーターコアを迂回した冷風とヒーターコアを通過してきた温風とを混合させて、所定の温度に調整しやすい。温度制御のリニアリティを確保することができる。また、ヒーターコアに向かう空気流れを固定スリット及び可動スリットに確実に通過させて、通風量を制御することができる。その結果、エアミックス機構による空気量の比率の調整を、より精度良く行うことができる。本実施形態では、冷風漏れ防止ガイド143だけを設けるか、温風側空気漏れ防止ガイド(不図示)だけを設けるか、又は冷風漏れ防止ガイド143及び温風側空気漏れ防止ガイド(不図示)の両方を設けてもよい。
図12は、挿入部の一例を示す図であり、(a)は固定板、(b)は可動板を示す。図13は、図12のA−A線断面図を示す。第一実施形態に係る車両用空調装置では、エアミックス機構100は、固定板110の表面から突出する枠状の挿入部150を有し、挿入部150は、冷風側可動板部120Bが固定板110に当接するとき、可動スリット121を塞ぐことが好ましい。挿入部150は、可動スリット121にはめられるように、可動スリット121の内寸法よりも一回り小さい外寸法を有する。冷風側可動板部が固定板に当接したときに、挿入部150が可動スリット121を塞いで気密性を高め、意図しない空気漏れを抑制することができる。
挿入部150は、温風用ガイド壁140と一体であるか、又は別体であってもよい。挿入部150が温風用ガイド壁140と一体である形態は、例えば、挿入部150は、挿入部150の長辺となる二辺を、空気通路の下流側に延ばし、可動スリット121から冷風用可動板部120Bよりも空気通路の下流側に突出させる形態である。挿入部150が温風用ガイド壁140(図8に図示。)を兼ねることで、部品点数を削減することができる。挿入部150が温風用ガイド壁140と別体であるとき、一つの可動スリット121に温風用ガイド壁140及び挿入部150の両方が挿入されてもよい。また、挿入部150は、突起状であってもよい。挿入部150が冷風側可動板部120Bの表面から突出し、固定スリット111を塞ぐ形態としてもよい。
図14は、開口面積調整手段の第一例を示す図である。図15は、第一例の開口面積調整手段による開口面積の調整を説明するための図である。第一実施形態に係る車両用空調装置では、エアミックス機構100は、固定板110の冷風側可動板部120B側の表面から立設する開口面積調整手段160を有し、開口面積調整手段160は、可動スリット121に挿入され、冷風側可動板部120Bの回動に伴って可動スリット121の開口面積を変化させることが好ましい。開口面積調整手段160は、例えば、固定スリット111の長辺と並列に設けられる二枚の壁板160a、160bを有し、壁板160a、160b同士は所定の間隔で配置される。開口面積調整手段160では、各壁板160a、160bの固定板110からの高さは、固定スリット110の長手方向の下方から上方に向かうにつれて、次第に高くなることが好ましい。
冷風側可動板部120Bが固定板110に当接したとき、壁板160aは全領域で可動スリット121に挿入される。冷風側可動板部120Bが固定板110から離間すると、図15に示すように、壁板160aの高さが高い部分では、壁板160aが可動スリット121に挿入されたままであるが、壁板160aの高さが低い部分では、壁板160aが可動スリット121から外れた状態となる。壁板160aが可動スリット121に挿入された領域では、送風空気の流れが遮断され、壁板160aが可動スリット121から外れた領域では、送風空気が流れる。冷風側可動板部120Bが固定板110から離れていくにしたがって、壁板160aが可動スリット121から外れた領域が増えていき、可動スリット121の開口面積が変化する。このようにして、ヒーターコアを迂回してきた空気(冷風)の流量を制御し、エアミックス機構による空気量の比率の調整を、精度良く行うことができる。
図16は、開口面積調整手段の第二例を示す図である。開口面積調整手段161では、各壁板161aが固定板110からの高さを他の部分よりも低くした部分を有する形態としてもよい。
図17は、開口面積調整手段の第三例を示す図である。開口面積調整手段162は、突起状であってもよい。開口面積調整手段162が突起状である形態は、例えば、図17に示すように、突起の固定板110からの高さが固定スリット110の長手方向の下方から上方に向かうにつれて次第に高くなる形態、突起が固定板110からの高さを他の部分よりも低くした部分を有する形態(不図示)であってもよい。
開口面積調整手段160〜162は、挿入部150(図12に図示)と一体であるか、又は別体であってもよい。開口面積調整手段160〜162が挿入部150を兼ねることで、部品点数を削減することができる。開口面積調整手段160が挿入部150と一体であるとき、図14に示す開口面積調整手段160では、壁板160a、160bの上端同士の間及び壁板160a、160bの下端同士の間に突部164を設けることが好ましい。図16に示す開口面積調整手段161においても、同様に突部(不図示)を設けることが好ましい。突部164を設けることで、冷風側可動板部120Bが固定板110に当接したとき、可動スリットを全周にわたって塞ぐことができ、気密性をより向上させることができる。開口面積調整手段160〜162は、挿入部150と別体であるとき、一つの可動スリット121に開口面積調整手段160〜162及び挿入部150の両方が挿入されてもよい。
固定スリット111及び可動スリット121の長手方向を車両の上下方向に向けて配置されるとき、開口面積調整手段160、161は、温風用ガイド壁140(図8に図示)と一体であるか、又は別体であってもよい。開口面積調整手段が温風用ガイド壁と一体である形態は、開口面積調整手段が、例えば、図14又は図16に示す開口面積調整手段160、161である形態である。開口面積調整手段160,161が温風用ガイド壁140を兼ねることで、部品点数をより少なくすることができる。
(第2実施形態)
第二実施形態に係る車両用空調装置(不図示)は、可動板が固定板よりも空気通路の上流側に配置される以外は、基本的な構成を第一実施形態に係る車両用空調装置と同じくする。このため、ここでは、異なる構成だけについて説明し、共通の構成についての説明を省略する。
第二実施形態に係る車両用空調装置では、エアミックス機構が、温風用ガイド壁を有することが好ましい。第二実施形態に係る車両用空調装置では、温風用ガイド壁は、冷風側可動板部の固定板側の表面から立設し、固定スリットから固定板よりも空気通路の下流側に突出して温風誘導路を形成する。
第二実施形態に係る車両用空調装置では、エアミックス機構が、開口面積調整手段を有することが好ましい。第二実施形態に係る車両用空調装置では、開口面積調整手段は、冷風側可動板部の固定板側の表面から立設し、固定スリットに挿入され、冷風側可動板部の回動に伴って固定スリットの開口面積を変化させる。
第二実施形態に係る車両用空調装置では、エアミックス機構が、冷風用ガイド壁を有することが好ましい。冷風用ガイド壁は、固定板よりも空気通路の下流側に突出し、かつ、固定板の冷風用通路に形成された固定スリットの温風用通路側を覆う。
(車両用空調装置の動作)
次に、車両用空調装置の動作について具体的に説明する。第一実施形態に係る車両用空調装置と第二実施形態に係る車両用空調装置とは、基本的な動作を同じくする。ここでは、第一実施形態を例にとって説明する。
エアミックス機構100は、(1)冷風側可動板部120Bが固定板110に当接した状態であり、かつ、温風側可動板部120Aが固定板110から離間した状態であるフルホットモード、(2)冷風側可動板部120Bが固定板110から離間した状態であり、かつ、温風側可動板部120Aが固定板110に当接した状態であるフルクールモード、及び、(3)冷風側可動板部120Bが固定板110から離間した状態であり、かつ、温風側可動板部120Aが固定板110から離間した状態であるエアミックスモード、の3つのモードを有することが好ましい。
フルホットモードについて、図1を参照しながら説明する。フルホットモードは、車室内を暖房するモードである。フルホットモードでは、図1に示すように、通常、デフロスタドア6は閉、ベントドア7は閉、フットドア8は開にセットされる。また、エアミックス機構100では、冷風側可動板部120Bと固定板110とが図4(a)に示す状態となり、温風側可動板部120Aと固定板110とが図4(b)に示す状態となる。そして、ヒーターコア14を通過して暖められた温風がフット開口部18へ送風される。
図18は、第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、エアミックスモードを示す。エアミックスモードは、ヒーターコア14を通過してきた空気とヒーターコア14を通過していない空気とを混合して、車室内の温度を制御するモードである。エアミックスモードでは、図18に示すように、デフロスタドア6は閉、ベントドア7は開、フットドア8は開にセットされる。あるいは、図示しないが、デフロスタドア6は開、ベントドア7は閉、フットドア8は開にセットされてもよい。また、エアミックス機構100では、冷風側可動板部120Bと固定板110とが図4(b)に示す状態となり、温風側可動板部120Aと固定板110とが図4(b)に示す状態となる。そして、ヒーターコア14を通過して暖められた温風とヒーターコア14を通過していない空気又は冷風とがエアミックスチャンバ12cで混合され、温調された空気が所定の吹出口(図18の場合、ベント開口部17及びフット開口部18)へ送風される。
図19は、第一実施形態に係る車両用空調装置の一例を示す概略図であり、フルクールモードを示す。フルクールモードは、車室内を冷房するモードである。フルクールモードでは、図19に示すように、通常、デフロスタドア6は閉、ベントドア7は開、フットドア8は閉にセットされる。また、エアミックス機構100では、冷風側可動板部120Bと固定板110とが図4(b)に示す状態となり、温風側可動板部120Aと固定板110とが図4(a)に示す状態となる。そして、ヒーターコア14を通過していない空気又は冷風がベント開口部17へ送風される。
図20は、固定板及び可動板の組合せ例を示す概略図であり、(a)は第一例、(b)は第二例、(c)は第三例を示す。図1では、固定板110の縦断面形状が一直線状であり、かつ、可動板120の縦断面形状が屈曲した線状である形態を示したが、本発明はこれに限定されない。可動板120の縦断面形状は、固定板110の縦断面形状との関係で適宜選択される。固定板110の縦断面形状が一直線状であるとき、可動板120の縦断面形状は、図20(a)に示すように固定板110側に凸の屈曲した線状である。固定板110の縦断面形状が可動板120側に凸の屈曲した線状であるとき、可動板120の縦断面形状は、図20(b)に示すように一直線状であるか、又は図20(c)に示すように固定板110側に凸の屈曲した線状であってもよい。固定板110及び可動板120の形状を適宜組合せることで、温風側可動板部120A及び冷風側可動板部120Bを、回動軸130の回動によって、固定板110に対して交互に接近又は離間させることができる。
(エアミックス機構を複数備えた車両用空調装置)
車両用空調装置10は、以上説明してきたような1組の温風用通路12a、冷風用通路12b、エアミックスチャンバ12cを有する形態の他、温度制御性を向上するために、複数の組の温風用通路12a、冷風用通路12b、ミックスチャンバ12cを有する形態が知られている。図21は2組の温風用通路12a、冷風用通路12b、ミックスチャンバ12cを有する車両用空調装置10Aの例を示し、空気通路12a、12b、12cの組数に応じて、2組のエアミックス機構100a、100bが配置されている。図21に示す車両用空調装置10Aでは、例えばデフフットモードのとき、切り換えドア9の切り換えによって、エアミックス機構100aで温度調節された空気がデフロスタ開口部16へ送風され、エアミックス機構100bで温度調節された空気がフット開口部18へ送風される。このように、エアミックス機構100a、100bを、空気通路12の組数に応じて配置することができる。
6 デフロスタドア
7 ベントドア
8 フットドア
9 切り替えドア
10、10A 車両用空調装置
12 空気通路
12a 温風用通路
12b 冷風用通路
12c エアミックスチャンバ
13 ケース
14 空気加熱装置(ヒーターコア)
15 空気冷却装置(エバポレータ)
16 デフロスタ開口部
17 ベント開口部
18 フット開口部
100、100a、100b エアミックス機構
110 固定板
110A 温風側領域
110B 冷風側領域
111 固定スリット
112(112a,112b,112c,112d) 両爪部
120 可動板
120A 温風側可動板部
120B 冷風側可動板部
121 可動スリット
122 貫通孔
130 回動軸
140 温風用ガイド壁
140a、140b 壁板
141 温風誘導路
142 冷風用ガイド壁
143 冷風漏れ防止ガイド
150 挿入部
160 開口面積調整手段
160a、160b 壁板
161 開口面積調整手段
161a 壁板
162 開口面積調整手段
C 冷風の流れ
H 温風の流れ

Claims (12)

  1. 内部に送風空気の空気通路を有するケースと、
    該ケースの内部に配置され、前記送風空気を加熱する空気加熱装置と、
    該空気加熱装置よりも前記空気通路の上流側に配置され、前記空気加熱装置を通過する空気量と前記空気加熱装置を迂回する空気量との比率を調整するエアミックス機構と、を備える車両用空調装置において、
    前記エアミックス機構は、固定板と、可動板と、回動軸とを有し、
    前記固定板は、その板厚方向に貫通して設けられた固定スリットを有し、
    前記可動板は、前記回動軸を起点として前記空気加熱装置へ送風する温風用通路に延出する温風側可動板部と、前記回動軸を起点として前記空気加熱装置を迂回する冷風用通路に延出する冷風側可動板部と、を有し、
    前記温風側可動板部及び前記冷風側可動板部は、それらの板厚方向に貫通して設けられた可動スリットを有し、
    前記温風側可動板部と前記冷風側可動板部とは、前記回動軸を基点としてそれぞれ異なる方向に延出し、
    前記温風側可動板部及び前記冷風側可動板部は、前記回動軸の回動によって、前記固定板に対して交互に接近又は離間し、
    前記固定スリットと前記可動スリットとは、前記温風側可動板部が前記固定板に当接するとき又は前記冷風側可動板部が前記固定板に当接するとき、互いに重ならない位置関係にあることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部の前記回動軸側とは反対側の端部が描く軌跡に沿って配置された冷風漏れ防止ガイド若しくは前記温風側可動板部の前記回動軸側とは反対側の端部が描く軌跡に沿って配置された温風側空気流漏れ防止ガイドのいずれか一方又は両方を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置され、
    前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、
    前記エアミックス機構は、前記固定板の前記冷風側可動板部側の表面から立設する温風用ガイド壁を有し、該温風用ガイド壁は、前記可動スリットから前記冷風用可動板部よりも前記空気通路の下流側に突出して温風誘導路を形成することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記可動板が、前記固定板よりも前記空気通路の上流側に配置され、
    前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、
    前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部の前記固定板側の表面から立設する温風用ガイド壁を有し、該温風用ガイド壁は、前記固定スリットから前記固定板よりも前記空気通路の下流側に突出して温風誘導路を形成することを特徴とする請求項1又は3に記載の車両用空調装置。
  6. 前記エアミックス機構は、前記固定板又は前記冷風側可動板部の少なくともいずれか一方の表面から突出する枠状又は突起状の挿入部を有し、
    該挿入部は、前記冷風側可動板部が前記固定板に当接するとき、前記固定スリット又は前記可動スリットを塞ぐことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置され、
    前記エアミックス機構は、前記固定板の前記冷風側可動板部側の表面から立設する開口面積調整手段を有し、該開口面積調整手段は、前記可動スリットに挿入され、前記冷風側可動板部の回動に伴って前記可動スリットの開口面積を変化させることを特徴とする1、2、3、4又は6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記可動板が、前記固定板よりも前記空気通路の上流側に配置され、
    前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部の前記固定板側の表面から立設する開口面積調整手段を有し、該開口面積調整手段は、前記固定スリットに挿入され、前記冷風側可動板部の回動に伴って前記固定スリットの開口面積を変化させることを特徴とする請求項1、3、5又は6に記載の車両用空調装置。
  9. 前記固定板が、前記可動板よりも前記空気通路の上流側に配置され、
    前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、
    前記エアミックス機構は、前記冷風側可動板部よりも前記空気通路の下流側に突出し、かつ、前記冷風側可動板部に形成された可動スリットの前記温風用通路側を覆う冷風用ガイド壁を有することを特徴とする1、2、3、4、6又は7に記載の車両用空調装置。
  10. 前記可動板が、前記固定板よりも前記空気通路の上流側に配置され、
    前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、
    前記エアミックス機構は、前記固定板よりも前記空気通路の下流側に突出し、かつ、前記固定板の前記冷風用通路に形成された固定スリットの前記温風用通路側を覆う冷風用ガイド壁を有することを特徴とする請求項1、3、5、6又は8に記載の車両用空調装置。
  11. 前記冷風用ガイド壁は、前記温風用ガイド壁が突出する可動スリット又は固定スリットには設けないことを特徴とする請求項9又は10に記載の車両用空調装置。
  12. 前記固定スリット及び前記可動スリットが、前記固定スリット及び前記可動スリットの長手方向を車両の上下方向に向けて配置され、
    前記温風用ガイド壁が、前記開口面積調整手段を兼ねることを特徴とする請求項7又は8に記載の車両用空調装置。
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