JP2007161110A - 空調装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 小型化を図ることができるとともに、バイレベルモード時に上部および下部の各吹出口から吹き出す空気の温度差を抑制できる空調装置を提供する。
【解決手段】 ベントドア１１の回転軸１５の両軸端間に、バイパスドア７のドア本体１７を可動可能に設け、バイパスドア７の回転軸１８を、ベントドア１１の回転軸１５に近接して配設するとともに、エバポレータ４の上部に、バイパスドア７のドア本体１７の上端が当接可能なガイド部材２０を設け、バイパスドア７の回動終端位置から所定角度回動した位置までドア本体１７の上端がガイド部材２０に係合する。これにより、バイパスドア７およびベントドア１１の可動部分を集約して配置でき、また、バイレベルモード時にエバポレータ４からの冷風Ｂがバイパスドア１７の下部を通って温風Ｃと混じり合った後、適度の温度の空気Ｄがベント吹出口８および下部のフット吹出口１０から吹き出す。
【選択図】 図１

Description

本発明は、送風路の途中に冷却用エバポレータおよび加熱用ヒータコアを備えて、上部および下部の吹出口より車室内などに所定温度の空調風を供給する空調装置に関する。

この種の従来技術に関連するものとして、例えば特許文献１に記載されている「自動車用空調装置」が挙げられる。この従来技術は、図５および図６に示すように、エバポレータ１００およびヒータコア１０１と、ヒータコア１０１を通過する風量とバイパスする風量との割合を調節するエアミックドア１０２と、エアミックドア１０２の上部の冷風バイパス通路１０３に配設されたバタフライ型のバイパスドア１０４とを備えている。この従来技術にあっては、図５に示すベントモード時にエアミックドア１０２でヒータコア１０１の上流側を閉じるとともに、バイパスドア１０４を図５に示す位置まで回動させて冷風バイパス通路１０３を開くことにより、上部のベント吹出口１０５から吹き出す冷風風量を増大する。また、図６に示すバイレベルモード時にはエアミックドア１０２を回動させてヒータコア１０１の上流側を開くととともにヒータコア１０１の上部も開き、バイパスドア１０４を回動して冷風バイパス通路１０３の上部を開くことにより、上部のベント吹出口１０５から比較的低温の空気を吹き出して、下部のフット吹出口１０６から比較的高温の空気を吹き出す。これによって、上部のベント吹出口１０５および下部のフット吹出口１０６から吹き出す各空気の間の温度差、いわゆる上下温度差を大きくすることができる。
特開平９−３２８００８号公報（段落番号００２０〜段落番号００２８、図３および図７）

しかしながら、上述した従来技術にあっては、バイレベルモード時にバイパスドア１０４を回動して冷風バイパス通路１０３の上部を開いたとき、冷風が冷風バイパス通路１０３の上部から上部のベント吹出口１０５へ向かって直接流出するので、このベント吹出口１０５および下部のフット吹出口１０６から吹き出す各空気の温度差が過度に大きくなるという問題がある。また、バイパスドア１０４およびベントドア１０７等の別個の可動部分をそれぞれ要するため、空調ユニットが大型化するという問題がある。

本発明は、上記のような従来技術を考慮してなされたもので、その目的は、小型化を図ることができるとともに、バイレベルモード時に上部の吹出口および下部の吹出口から吹き出す各空気の温度差が過度に大きくならないように抑制することのできる空調装置を提供することにある。

上記目的を達成するため、請求項１に係る発明は、送風を行なう送風路の途中に、熱交換を行うエバポレータと、このエバポレータより下流側に配設される加熱用ヒータコアと、このヒータコアの上部に位置する冷風バイパス通路を開閉するバイパスドアとを有し、前記送風路の下流側の端部に、上部のベント吹出口およびデフロスタ吹出口と下部のフット吹出口とを備えた空調装置であって、前記ベント吹出口を開閉するベントドアの回転軸の両軸端間に、前記バイパスドアのドア本体を可動可能に設け、前記バイパスドアの回転軸を、前記ベントドアの回転軸に近接して配設した構成にしてある。

このように構成した請求項１に係る発明では、ベントドアの回転軸の両軸端間に、バイパスドアのドア本体の可動部分が位置するとともに、バイパスドアの回転軸がベントドアの回転軸に近接しているので、バイパスドアおよびベントドアの可動部分を集約して配置でき、これらの設置スペースを小さくすることにより空調装置の小型化を図ることができる。

また、上記目的を達成するため、請求項４に係る発明は、前記エバポレータの上部に、前記バイパスドアのドア本体の一端が当接可能なガイド部材を設け、前記バイパスドアの回動終端位置から所定角度回動した位置まで、前記ドア本体の一端が前記ガイド部材に係合する構成にしてある。

このように構成した請求項４に係る発明では、レベルモード時にバイパスドアの回動終端位置から所定角度回動した位置までバイパスドアのドア本体の一端がガイド部材に係合しているので、エバポレータからの冷風がバイパスドアの一端側を通って直接ベント吹出口へ向かうことが阻止されるとともに、前記の冷風がバイパスドアの他端側を通って温風と混じり合った後、上部のベント吹出口および下部のフット吹出口へ向かうので、これらの吹出口から吹き出す各空気の温度差が過度に大きくならないように抑制できる。

本発明では、バイパスドアおよびベントドアの可動部分を集約して配置できるので、空調装置の小型化を図れるという効果があるとともに、バイレベルモード時に上部の吹出口および下部の吹出口から吹き出す各空気の温度差が過度に大きくならないように抑制できるので、車室内などの上部および下部でそれぞれ快適な空調環境が得られるという効果もある。

以下、本発明の実施の形態に係る空調装置を図に基づいて説明する。

図１は本発明の一実施形態に係る空調装置がバイレベルモード時の作動を行う状態を示す縦断面図、図２はベントモード時の作動を行う状態を示す縦断面図、図３はフットモード時の作動を行う状態を示す縦断面図、図４はデフロスタモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。

図１〜図４に示すように本実施形態の空調装置１は、空気入口２から取入れた空気を送る送風路３を有し、この送風路３の途中に、通過する空気の熱交換を行うエバポレータ４と、このエバポレータ４より下流側に配設される加熱用ヒータコア５と、このヒータコア５の上部に位置する冷風バイパス通路６を開閉するバイパスドア７とを有している。送風路３の下流側の端部には、図示しない車室の上部に空気を吹き出すベント吹出口８およびデフロスタ吹出口９と、車室の下部に空気を吹き出すフット吹出口１０とが備えられ、これらの吹出口８〜１０のそれぞれにはベントドア１１、デフロスタドア１２、フットドア１３が設けられている。

ベントドア１１は、ベント吹出口８を開閉可能なドア本体１４と、このドア本体１４の外側に配設される一対の回転軸１５と、ドア本体１４および回転軸１５を連結する連結部材１６とから構成され、前記の回転軸１５を中心としてドア本体１４が回動可能なブランコタイプのものである。

バイパスドア７は、冷風バイパス通路６を開閉可能なドア本体１７と、このドア本体１７の中間部に設けられる回転軸１８とから構成され、この回転軸１８を中心としてドア本体１７が回動可能なバタフライタイプのものである。ヒータコア５の上部には、ドア本体１７の下端が当接可能なストッパー部材１９が設けられている。エバポレータ４の上部にはドア本体１７の上端が当接可能なガイド部材２０が設けられ、ドア本体１７の上端は図３および図４に示す回動終端位置から図１に示す所定角度回動した位置まで、ガイド部材２０に係合した状態にあるため、この状態でエバポレータ４からの冷風Ｂがバイパスドア７の上端側で阻止されている。

ベントドア１１の一対の回転軸１５は、軸方向の中間部分に所定の間隙が形成されるとともに、冷風バイパス通路６の両側にそれぞれ配置されており、前記の回転軸１５の両軸端間で、バイパスドア７の本体１７が可動可能に設けられている。ベントドア１１の回転軸１５の軸心とバイパスドア７の回転軸１８の軸心とは互いに近傍に配置されるとともに、バイパスドア７の可動半径内にベントドア１１の回転軸１５が配設されている。さらに、ベントドアの可動半径Ｖ（ドア本体１７と、回転軸１５とむすんだ可動範囲で図２一点鎖線Ｖ）内に、バイパスドア７の回転軸１８が配設されている。

この実施形態にあっては、図１に示すように、空調装置１がバイレベルモード時の作動を行うとき、ベントドア１１およびフットドア１３が開き、開閉弁２１が開いてヒータコア５が加熱状態となり、バイパスドア７が少し回動して下端側とストッパー部材１９との間に隙間が形成され、一方、上端側とガイド部材２０とが依然として閉じている。この状態で、空気入口２から流入した空気Ａがエバポレータ４で冷却され、その冷風Ｂの一部がバイパスドア７の下端側の間隙を通過するとともに、冷風Ｂの残りはヒータコア５で加熱されて、温風Ｃが冷風Ｂと混ざって適度の温度の空気Ｄが上部のベント吹出口８および下部のフット吹出口１０より車室内へ吹き出す。

図２に示すように、空調装置１がフットモード時の作動を行うとき、ベントドア１１が開き、開閉弁２１が閉じてヒータコア５の加熱状態が解除され、バイパスドア７が回動して冷風バイパス通路６が全開する。この状態で、空気入口２から流入した空気Ａがエバポレータ４、冷風バイパス通路６およびヒータコア５を通過して上部のベント吹出口８より車室内へ吹き出す。

図３に示すように、空調装置１がフットモード時の作動を行うとき、フットドア１３が開き、開閉弁２１が開いてヒータコア５が加熱状態となり、バイパスドア７が冷風バイパス通路６を閉じている。この状態で、空気入口２から流入した空気Ａがエバポレータ４で冷却された後、すべての冷風Ｂがヒータコア５で加熱され、温風Ｃが下部のフット吹出口１０より車室内へ吹き出す。

図４に示すように、空調装置１がデフロスタモード時の作動を行うとき、デフロスタドア１２が開き、開閉弁２１が開いてヒータコア５が加熱状態となり、バイパスドア７が冷風バイパス通路６を閉じている。この状態で、空気入口２から流入した空気Ａがエバポレータ４で冷却された後、すべての冷風Ｂがヒータコア５で加熱され、温風Ｃが上部のデフロスタ吹出口９より車室内へ吹き出す。

このように構成した実施形態では、バイレベルモード時にバイパスドア７の上端側とガイド部材２０とが係合し、エバポレータ４からの冷風Ｂがバイパスドア７の上端側を通って直接ベント吹出口８へ向かうことを防止するとともに、前記の冷風Ｂがバイパスドア７の下端側を通って温風Ｃと混じり合った後、上部のベント吹出口８および下部のベント吹出口１０へ向かうので、これらの吹出口８，１０から吹き出す各空気の温度差が過度に大きくならないように抑制できる。また、ベントドア１１の可動半径内にバイパスドア７の一部が入り込んでいるので、バイパスドア７およびベントドア１１の可動部分を集約して配置でき、これらの設置スペースを小さくして空調装置１の小型化を図ることができる。

本発明は、空調装置の小型化を図れるとともに、車室内などの上部および下部でそれぞれ快適な空調環境が得られるという効果があるので、車両用空調装置として適用できるとともに、その他、一般機械用あるいは産業機械用などの空調装置としても広く適用可能である。

本発明の一実施形態に係る空調装置がバイレベルモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。 ベントモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。 フットモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。 デフロスタモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。 従来の空調装置がベントモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。 従来の空調装置がバイレベルモード時の作動を行う状態を示す縦断面図である。

符号の説明

１ 空調装置
２ 空気入口
３ 送風路
４ エバポレータ
５ ヒータコア
６ 冷風バイパス通路
７ バイパスドア
８ ベント吹出口
９ デフロスタ吹出口
１０ フット吹出口
１１ ベントドア
１２ デフロスタドア
１３ フットドア
１４ ドア本体
１５ 回転軸
１６ 連結部材
１７ ドア本体
１８ 回転軸
１９ ストッパー部材
２０ ガイド部材
２１ 開閉弁

Claims (4)

1. 送風を行なう送風路（３）の途中に、熱交換を行うエバポレータ（４）と、このエバポレータ（４）より下流側に配設される加熱用ヒータコア（５）と、このヒータコア（５）の上部に位置する冷風バイパス通路（６）を開閉するバイパスドア（７）とを有し、前記送風路（３）の下流側の端部に、上部のベント吹出口（８）およびデフロスタ吹出口（９）と下部のフット吹出口（１０）とを備えた空調装置（１）であって、
   前記ベント吹出口（８）を開閉するベントドア（１１）の回転軸（１５）の両軸端間に、前記バイパスドア（７）のドア本体（１７）を可動可能に設け、前記バイパスドア（７）の回転軸（１８）を、前記ベントドア（１１）の回転軸（１５）に近接して配設したことを特徴とする空調装置（１）。
2. 請求項１に記載の空調装置（１）であって、前記バイパスドア（７）の可動半径内に、前記ベントドア（１１）の回転軸（１５）が配設されていることを特徴とする空調装置（１）。
3. 請求項１に記載の空調装置（１）であって、前記バイパスドア（７）が、ドア本体（１７）の中間部に回転軸（１８）を有するバタフライタイプであり、前記ベントドア（１１）が、ドア本体（１４）の外側に回転軸（１５）を有するブランコタイプであることを特徴とする空調装置（１）。
4. 請求項１に記載の空調装置（１）であって、前記エバポレータ（４）の上部に、前記バイパスドア（７）のドア本体（１７）の一端が当接可能なガイド部材（２０）を設け、前記バイパスドア（７）の回動終端位置から所定角度回動した位置まで、前記ドア本体（１７）の一端が前記ガイド部材（２０）に係合することを特徴とする空調装置（１）。

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