JP6199628B2 - 超電導コイル装置 - Google Patents
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Description
そして、さらに高い磁場や所望の磁場分布を得るために、複数の超電導コイルを組み合わせて超電導コイル装置が構成されている(例えば、特許文献1)。
しかし、このコイル同士を連結する配線からも磁場が生成するために、荷電粒子ビームの軌道領域の磁場が乱れる課題があった。
図1(A)は、加速器用偏向電磁石として、荷電粒子ビームダクト31に設けられた超電導コイル装置10の実施形態を示す上面図を示している。
図1(B)に示すように、超電導コイル装置10は、曲面を有する荷電粒子ビームダクト31の外周面に端面がフィットする鞍型形状に巻回されている。この鞍型形状とは偏向部と屈曲部から構成され、偏向部は直線または一定曲率をもった形状である。円筒状の荷電粒子ビームダクト31に沿って巻きまわされる構成で示しているが、円筒状に限らず楕円筒状や角に曲率のついた多角形断面の筒状であっても良い。
この超電導コイル装置10の働きにより、図1(C)に示すように、荷電粒子ビームダクト31の中心部にその軸心(X軸)に沿って、均一な磁場空間32が形成される。この均一磁場により、荷電粒子ビームの偏向や収束がコントロールされる。
それぞれの超電導コイル11,21は、両側に線端を有し連続したテープ状の超電導材料を内側から外側に巻回したり、両側に線端を有し連続した線状の超電導材料を螺旋状に密巻して内側から外側に層を重ねたりして作成される。
そして、第m短絡部130及び第n短絡部230は、第m支持面12に対する垂直方向に互いに重なるように位置している。この第m短絡部130及び第n短絡部230に流れる電流は、方向が互いに逆向きであるために、誘導磁場が互いに打ち消される。
同様に、第m+1短絡部131及び第n+1短絡部231も、第m支持面12に対する垂直方向に互いに重なるように位置している。この第m+1短絡部131及び第n+1短絡部231に流れる電流は、方向が互いに逆向きであるために、互いに相手が生成する磁場をキャンセルする。
よって、これら短絡部13,23で生成する磁場が、磁場空間32(図1(C))の均一性を乱すことが抑制される。
この内側連結部14及び外側連結部24に流れる電流と引出線25に流れる電流とは、方向が互いに逆向きであるために、誘導磁場が互いに打ち消される。
よって、これら連結部14,24で生成する磁場が、磁場空間32(図1(C))の均一性を乱すことが抑制される。
なお、図示を省略するが最下層の最外側に配置される超電導コイル(実施形態では第m超電導コイル110)の外側の線端からの引出線15が、内側連結部14及び外側連結部24と平行に配置されていてもよい。
超電導コイル11,12は偏向部34と屈曲部35から構成される。偏向部34は直線または一定曲率の曲線である。
短絡部13(23)の電極は、偏向部34の同位相部分の隙間に挿入され、共通の支持面12(22)において超電導コイル11(21)を直列に接続している。
このように、超電導コイル11,21が接続されていることにより、電流の流れる周方向が全てのコイルにおいて一致することになる。
しかし、積層間における短絡部13(23)の位置は、一致させる必要は特になく、磁場空間32(図1(C))の均一性が損なわれない範囲で決定することができる。
ここで、超電導コイル11,21の積層数は偶数である方が、コイル間接続を偶数層と奇数層とで漏れなくペアとすることが出来るため望ましいが、特に限定しない。
内側連結部14、外側連結部24及び引出電極15a,25aは、銅や銀などの導電性金属又は超電導線材で構成することができる。この材料を採用することによって発熱が抑制され、冷却して使用する超電導コイル装置をより良好に運転することができる。
短絡部13は、超電導コイル11の内周面を支持する巻軸41に保持されるとともに超電導コイルの内側の線端に接続する短絡電極42aと、超電導コイルの外側の線端に接続する短絡電極42bと、に両端がボルトやねじで接続されている。また、この固定方法はボルトやねじに限らず、必要に応じて樹脂などの接着剤を用いる方法や、はめ合わせ、ストッパーを設けることによって固定することも可能である。
このように、短絡部13が構成されることにより、電磁力により受ける力を巻軸41で受け止めて、この短絡部13の動きや超電導特性が損なわれるのを防止することができる。
図6に示すように、第m短絡部130及び第n短絡部230は、第n支持面22または第m支持面12を挟んで互いに近接するように位置している。
なお奇数層の短絡部13は、第m支持面12に配置したスペーサ(図示略)を介して、支持されてもよい。
このように構成されることにより、短絡部13,23を互いに逆方向に流れる電流が近接するために、この電流によって生成する磁場が打ち消しあい、磁場空間32の均一性の乱れが抑制される。
Claims (6)
- 順方向に巻回した第m超電導コイルと、
第m支持面上に前記第m超電導コイルと同心配置され順方向に巻回した第m+1超電導コイルと、
前記第m超電導コイルの内側の線端と前記第m+1超電導コイルの外側の線端とを短絡させる第m短絡部と、
前記第m超電導コイルに積層配置され逆方向に巻回した第n超電導コイルと、
第n支持面上に前記第n超電導コイルと同心配置され逆方向に巻回した第n+1超電導コイルと、
前記第n超電導コイルの内側の線端と前記第n+1超電導コイルの外側の線端とを短絡させる第n短絡部と、を備え、
前記第m短絡部及び第n短絡部は、前記第m支持面に対する垂直方向に互いに重なるように位置することを特徴とする超電導コイル装置。 - 請求項1に記載の超電導コイル装置において、
前記第m支持面及び第n支持面の積層体がさらに交互に積層されて形成されることを特徴とする超電導コイル装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の超電導コイル装置において、
前記第m短絡部及び第n短絡部は、前記第n支持面を挟んで互いに近接するように位置することを特徴とする超電導コイル装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の超電導コイル装置において、
前記第m支持面及び前記第n支持面の最内側に配置される超電導コイルの内側の線端を互いに連結する内側連結部と、
前記内側連結部で連結されていない前記第m支持面及び前記第n支持面の最外側に配置される超電導コイルの外側の線端を互いに連結する外側連結部と、をさらに備えることを特徴とする超電導コイル装置。 - 請求項4に記載の超電導コイル装置において、
最上層の最外側に配置される超電導コイルの外側の線端又は最下層の最外側に配置される超電導コイルの外側の線端からの引出線は、前記内側連結部及び前記外側連結部と平行に配置されることを特徴とする超電導コイル装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超電導コイル装置において、
前記第m超電導コイル及び前記第m+1超電導コイルは、曲面を有する前記第m支持面に端面がフィットする鞍型形状に巻回されていることを特徴とする超電導コイル装置。
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