JP6199256B2 - 遊技機の基板ケース - Google Patents

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本発明は、第1部材と第2部材とを組み合わせて箱状に構成され、基板を内部に収納する遊技機の基板ケースに関するものである。
パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機は、遊技の進行を制御するための種々の制御基板を備えている。制御基板には、遊技内容に関わるプログラムを記憶したROMが搭載されているため、不正なプログラムが記憶されたROMを搭載した不正な制御基板と交換されることを防ぐことが肝要である。このため、遊技機では、ベース部材とカバー部材とからなる基板ケースに制御基板を収納している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の基板ケースは、ベース部材に形成されたシール貼付部およびカバー部材に形成されたシール貼付部の両方に跨るように封印シールを貼り付けた後に、両シール貼付部の外側を覆うようにベース部材およびカバー部材に対してシールカバーが取り付けられている。また、シールカバーは、ベース部材およびカバー部材に取り付けた際に、両シール貼付部の間に収容されているシールカッターの両端に係合するようになっている。そして、シールカバーをベース部材およびカバー部材から取り外すと、該シールカバーに両端が係合しているシールカッターが両シール貼付部の間から外側に引き出されることで、封印シールがシールカッターにより切断される。このように、シールカバーを取り外すことで封印シールに生じる切断痕によって、基板ケースが開封されたことを認識させることができる。
特開2011−212319号公報
前記シールカバーに両端が係合した前記シールカッターは、シールカバーをベース部材およびカバー部材から取り外すと、該シールカバーと一緒にベース部材およびカバー部材から完全に分離する。このため、正規のメンテナンスなどによって基板ケースを開封した後にシールカッターを再利用するときに、シール貼付部内での位置合わせや取り付けなどに手間がかかってしまう。
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、シールカッターを簡単に再利用できる遊技機の基板ケースを提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の遊技機の基板ケースは、
第1部材(62)と第2部材(64)とを組み合わせて箱状に構成され、基板(31)を内部に収納する遊技機の基板ケースにおいて、
前記第1部材(62)の外縁部に設けられた第1貼着部(142)と、
前記第2部材(64)の外縁部に設けられ、前記第1部材(62)と該第2部材(64)とを組み合わせた際に前記第1貼着部(142)と重なる第2貼着部(144)と、
前記第1貼着部(142)および前記第2貼着部(144)に跨るように貼り付けられる封印シール(S)を覆うように、該第1貼着部(142)および該第2貼着部(144)を囲って取り付けられるシールカバー(146)と、
前記第1貼着部(142)または前記第2貼着部(144)に変位可能に接続され、両貼着部(142,144)の間に収容されて刃先が前記封印シール(S)から退避した退避状態と、両貼着部(142,144)の間から外方に突出する移動状態との間で、刃先が該封印シール(S)と交差するように変位するシールカッター(148)と、
前記シールカバー(146)に設けられ、該シールカバー(146)を取り付けた際に前記退避状態にある前記シールカッター(148)の連係受部(163)に係合し、該シールカバー(146)の取り外しに伴って該シールカッター(148)を退避状態から移動状態に変位させる連係部(170)とを備え
前記シールカッター(148)は、一端部が前記第1貼着部(142)または前記第2貼着部(144)に回動可能に支持されると共に、他端部に設けられた前記連係受部(163)が、両部材(62,64)に取り付けられた前記シールカバー(146)の前記連係部(170)に引っ掛かり得るよう配置され、
前記シールカバー(146)は、前記シールカッター(148)の回動中心側に対応する一端部が、第1部材(62)および第2部材(64)の少なくとも一方に回動可能に支持され、
前記シールカバー(146)は、前記一端部を支点とする該シールカバー(146)の取り付け状態から取り外し状態に向けた回動変位に伴う前記連係部(170)の回動変位軌跡が、前記シールカッター(148)における前記連係受部(163)の退避状態から移動状態に向けた回動変位軌跡に対して徐々に離れるように設定され、
前記シールカバー(146)における取り付け状態から所定範囲の取り外し状態に向けた回動変位に伴って、前記連係部(170)と前記連係受部(163)との係合により前記シールカッター(148)が退避状態から移動状態に向けて回動変位すると共に、該所定範囲を超えると連係部(170)と連係受部(163)とが係合解除して、シールカバー(146)とシールカッター(148)とが分離するよう構成されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、シールカッターが第1貼着部または第2貼着部に対して退避状態と移動状態との間で変位可能に接続される構成であり、シールカバーの取り外しに連動してシールカッターが退避状態から移動状態に変位しても、両貼着部の何れかに接続されたままにある。すなわち、シールカッターを再利用する際には、両貼着部の何れかの接続部分を基準として移動状態から退避状態に戻すだけで退避状態で両貼着部の間に適切に配置することができる。
また、シールカッターはその一端部が回動可能に接続されて、第1貼着部または第2貼着部に対して退避状態と移動状態との間で回動変位する構成であり、シールカバーの取り外しに連動してシールカッターが退避状態から移動状態に変位しても、両貼着部の何れかに一端部が接続されたままにある。すなわち、シールカッターを再利用する際には、該シールカッターの一端部を支点として移動状態から退避状態に戻すだけで退避状態で両貼着部の間に適切に配置することができる。
また、シールカバーとシールカッターの回動変位軌跡の差によって、シールカバーを取り外した際に封印シールを切断したシールカッターがシールカバーから分離するので、シールカッターを再利用する際にシールカバーから取り外す手間がかからない。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記シールカッター(148)は、一端部が前記第1貼着部(142)または前記第2貼着部(144)に回動可能に支持されると共に、他端部に設けられた前記連係受部(163)が、両部材(62,64)に取り付けられた前記シールカバー(146)の前記連係部(170)に引っ掛かり得るよう配置され、
前記シールカバー(146)は、前記シールカッター(148)の回動中心側に対応する端部に設けられた第1取付部(168)を、第1部材(62)および第2部材(64)の少なくとも一方に設けられた第1取付受部(172)に嵌め合わせると共に、前記回動中心と反対側に対応する端部に設けられた第2取付部(169)を第1部材(62)および第2部材(64)の少なくとも一方に設けられた第2取付受部(173)に嵌め合わせて、第1部材(62)および第2部材(63)に対して分離不能に取り付けられ、
前記第2取付部(169)を破断して、前記第1取付受部(172)に係合する前記第1取付部(168)を支点として前記シールカバー(146)を回動して取り外す際に、前記連係部(170)に前記連係受部(163)が係合して前記シールカッター(148)が退避状態から移動状態に向けて回動変位するよう構成されたことを要旨とする。
この構成によれば、シールカッターはその一端部が回動可能に接続されて、第1貼着部または第2貼着部に対して退避状態と移動状態との間で回動変位する構成であり、シールカバーの取り外しに連動してシールカッターが退避状態から移動状態に変位しても、両貼着部の何れかに一端部が接続されたままにある。すなわち、シールカッターを再利用する際には、該シールカッターの一端部を支点として移動状態から退避状態に戻すだけで退避状態で両貼着部の間に適切に配置することができる。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記第1部材(62)と前記第2部材(64)とを組み合わせた際に、該第1部材(62)に設けられた構成部分(172a,173a)と該第2部材(64)に設けられた構成部分(172a,127)とが組み合わさって構成される前記第1取付受部(172)および第2取付受部(173)を有し、
前記構成部分(127,172a,172b,173a)単体では、該構成部分(127,172a,172b,173a)に合わせた前記第1取付部(168)および第2取付部(169)を分離可能に構成したことを要旨とする。
この構成によれば、第1部材と第2部材とを組み合わせなければ第1取付受部および第2取付受部が完成しないので、第1部材や第2部材の単体にシールカバーを誤って取り付けた場合であっても、シールカバーを取り外すことができる。
本願には、次のような技術的思想が含まれている。
前記取り付け状態にある前記シールカバー(146)の前記連係部(170)と前記退避状態にある前記シールカッター(148)の前記連係受部(173)とは、前記第1貼着部(142)と前記第2貼着部(144)との間で係合するよう構成されたことを要旨とする。
この構成によれば、取り付け状態にあるシールカバーの連係部と退避状態にあるシールカッターの連係受部とが、第1貼着部と第2貼着部との間で係合する構成であるので、両貼着部およびシールカバーによって連係部と連係受部との係合部分へのアクセスを阻むことができる。
本発明に係る遊技機の基板ケースによれば、シールカッターを簡単に再利用できる。
本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。 実施例に係るパチンコ機を示す背面図である。 (a)は実施例の基板ケースを示す背面図であり、(b)は(a)のA−A線断面図である。 実施例の基板ケースを示す分解斜視図である。 (a)は図3(a)のB−B線断面図であり、(b)は図3(a)のC−C線断面図である。 図3(a)のE−E線断面図である。 図3(a)のD−D線断面図である。 図3(b)のF−F線断面図である。 (a)は実施例のベース部材を示す背面図であり、(b)は(a)のベースカシメ構成部の拡大図である。 (a)は実施例のカバー部材を示す正面図であり、(b)は(a)のカバーカシメ構成部の拡大図である。 実施例の固定部材を示し、(a)は斜視図であり、(b)は背面図である。 実施例の閉塞部材を示し、(a)は上側から見た斜視図であり、(b)は下側から見た斜視図である。 実施例の蓋部材を示し、(a)は上側から見た斜視図であり、(b)は下側から見た斜視図である。 (a)はベース貼着部へのシールカッターの取り付け状況を説明する斜視図であり、(b)はベース貼着部およびカバー貼着部とシールカッターとの関係を説明する斜視図である。なお、封印シールを2点鎖線で示している。 シールカッターの回動変位軌跡とシールカバーの回動変位軌跡との関係を示す説明図である。 実施例のシールカッターを示し、(a)は後側から見た斜視図であり、(b)は前側から見た斜視図である。 実施例のシールカバーを示し、(a)は右側面図であり、(b)は背面図である。
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機Pを例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で基本的に指称する。
(パチンコ機)
図1および図2に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠(本体部材)としての中枠12がヒンジを介して開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に配設された設置部材22の裏側には、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された板状の透視保護部材で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠として前枠(前面部材)13がヒンジを介して開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13の前面下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14および下球受け皿15が上下に離間して設けられており、前枠13と一体的に上下の球受け皿14,15を中枠12に対して開閉可能に構成されている。なお、図柄表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置や、ドラム式の図柄表示装置、ドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置を採用し得る。
図1に示すように、前記パチンコ機10の前面右下部には、中枠12に配設された打球発射装置を作動させる操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバーを備えており、該操作レバーを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバーの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバーの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置(到達位置)を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では前枠13の前面右下部に操作ハンドル16を設けてあるが、中枠12や球受け皿等に操作ハンドル16を設けることも可能である。また、実施例では、上下の球受け皿を前枠13に設けるよう構成したが、当該上下の球受け皿の一方または両方を前記中枠12の前面に対して個別に開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また球受け皿を1つだけ備える構成とすることも可能である。
前記前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するよう照明装置18が配設されると共に、音声や効果音を出力可能なスピーカーユニット19が配設されている。すなわち、照明装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、スピーカーユニット19から適宜の音声を出力することで、図柄表示装置17での図柄変動表示に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成される。
(遊技盤)
前記遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材の前面(盤面)に、案内レール24等の領域区画部が配設されており、該領域区画部により画成される略円形の遊技領域20aに、中枠12に配設された打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されるようになっている。また、遊技盤20には、前後に貫通する装着口が適宜位置に開設されており、各装着口に対して遊技盤設置部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口21が開設されている。実施例の遊技盤20には、遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示開口部(開口部)25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示開口部25aを介して図柄表示装置17の表示面が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。枠状装飾体25は、遊技盤20の盤面より前側に突出する庇状に形成されており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を該枠状装飾体25の右側または左側に流下するように案内し得るようになっている。なお、遊技盤20には、遊技領域20a内に多数の遊技釘が設けられると共に、枠状装飾体25の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球の接触に伴って回転する所謂「風車」とも称される回転案内部材が回転自在に支持されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘や回転案内部材に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。
前記遊技盤20には、前記遊技盤設置部品として、パチンコ球が入賞可能な各種の入球部(始動入賞部26、特別入賞部27、普通入賞部28、ゲート部29等)や、装飾部品等の各種の遊技盤設置部品が設けられており、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球が入賞部に入賞することで、遊技者に有利な大当り遊技等の特別遊技状態を生起させるか否かの当り判定や、所定数の賞球の払い出し等が行われることで、所期の遊技が行われるようになっている。具体的に、パチンコ球の入球(入賞)を契機として当り判定が行われる始動入賞部26や、特別遊技状態の発生に伴ってパチンコ球が入球(入賞)可能となる特別入賞部27や、始動入賞部として入賞口を開閉可能な可変始動入賞部を備える場合に、パチンコ球の入球を契機として入賞口を開放するか否かの開放判定が行われるゲート部29が遊技盤20に配設されている。また、遊技盤20の裏側には、可動演出装置や発光演出装置等の各種の演出手段が配設された設置部材22が備えられており、前記図柄表示装置17の表示に合わせて演出手段が作動されるよう構成してある。
(パチンコ機の制御構成)
図2に示すように、パチンコ機10の裏側略中央部には、当該パチンコ機10を全体的に制御する主制御基板31を備えた主制御装置30が配設されている。遊技盤20の後面に着脱可能に配設される図柄表示装置17の後面には、遊技盤20に設けられる可動演出装置や発光演出装置を制御したり、前枠13に設けられる照明装置18やスピーカーユニット19などを制御する統括制御基板を備えた統括制御装置(図示せず)が配設されている。また、図柄表示装置17の後面には、統括制御装置の横側に、図柄表示装置17を制御する表示制御基板を備えた表示制御装置(図示せず)が配設されている。更に、中枠12の下部に設けられた球通出案内部34の後面には、パチンコ機10の電源制御を行う電源基板40を備えた電源装置39や、打球発射装置(図示せず)を制御する発射制御基板43を備えた発射制御装置42や、中枠12に設けられた球通路ユニット36に配設した球払出装置38を制御する払出制御基板46を備えた払出制御装置45や、外部端末に接続されるインターフェース基板48などの各種基板が配設されている。なお、前記制御装置30,39,42,45は、制御基板31,40,43,46が透明な基板ケース32,41,44,47に収納され、この基板ケース32,41,44,47を介して外方から制御基板31,40,43,46を視認可能に構成される。
前記主制御基板31では、遊技盤20に備えた入賞部26,27,28の球検出センサなどの各種検出センサ(検出手段)からの検出信号などに基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)が統括制御基板に出力されるようになっている。そして、統括制御基板は、主制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板を制御すると共に、照明装置18等の点灯・消灯のタイミングや発光強度等を制御し、スピーカーユニット19からの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板は、統括制御基板から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。発射制御基板43は、操作ハンドル16の回動操作により主制御基板31から出力された制御信号に基づいて、打球発射装置から操作ハンドル16の回動操作に応じた強さでパチンコ球を遊技盤20の遊技領域20aに向けて発射するように制御する。また、払出制御基板46は、球検出センサの検出信号や上球受け皿14に設けられた貸し球ボタンの操作信号などにより主制御基板31から出力された制御信号に基づいて、球払出装置38で所定数のパチンコ球を払い出すように制御する。
(主制御装置について)
図3および図4に示すように、前記主制御装置30は、パチンコ機10の全体を制御する主制御基板(制御基板)31を基板ケース32に収納して構成される。主制御基板31は、長方形の板状体であって、所要の回路パターンが形成されると共に、CPUやROM等の電子部品60および複数のソケット61が後面(実装面)に設置されている。そして、ソケット61には、各種装置や他の制御基板に接続する配線コネクタ(図示せず)が接続される。主制御基板31は、前述したように、図柄表示装置17による遊技の進行や、球送り装置が実施するパチンコ球の取り込みや、演出手段、照明装置18等の発光および音声の制御を担う他の制御基板に対して信号を送るパチンコ機10全体の制御を統括する重要な制御基板である。
(基板ケース)
図4に示すように、前記基板ケース32は、設置部材22側に配置されるベース部材(第1部材)62と、このベース部材62の後側に組み付けられるカバー部材(第2部材)64とから基本的に構成されている。基板ケース32は、ベース部材62とカバー部材64とを組み合わせることで箱状に構成され、ベース部材62とカバー部材64との間に画成される収納空間32aに、主制御基板31が電子部品60の実装面をカバー部材64のカバー板状部78に対向する姿勢(後向き姿勢)で収納される。基板ケース32は、収納空間32aに収納する主制御基板31の形状に合わせて長方形に形成され、長手を左右方向に延在させた姿勢で設置部材22の下側中央部に着脱可能に取り付けられている。
前記基板ケース32は、ベース部材62とカバー部材64とを着脱可能に組み付ける組み付け手段(後述)に加えて、ベース部材62とカバー部材64とを分離不能に連結するカシメ手段を備えている。カシメ手段によるベース部材62とカバー部材64との分離不能な連結とは、カシメ手段の構成部分を破壊する等、該カシメ手段に痕跡を残さないように、ベース部材62とカバー部材64とを分離することができないことをいう。すなわち、主制御装置30は、カシメ手段によって基板ケース32を封止した後に基板ケース32を開封すると、カシメ手段に残った破断部分や欠損部分などの痕跡によって開封されたことが容易に判別できるようになっている。
(ベース部材)
図4および図9に示すように、前記ベース部材62は、透明な合成樹脂成形品であって、前記主制御基板31の一方の板面(実装面とは反対の裏面)に対向する長方形のベース板状部66の上下および左の外周縁に、後側(カバー部材64側)へ向けて上外壁部67,下外壁部68および左外壁部69が立ち上がる略箱状に形成されている。また、ベース部材62には、上外壁部67および下外壁部68の内側に所定間隔離間して、内壁部70,71がベース板状部66に夫々立設されている。上外壁部67の下側には、該上外壁部67よりもベース板状部66からの突出寸法が小さく設定された上内壁部70が、該上外壁部67と平行するように左右方向に延在形成されている。また、下外壁部68の上側には、該下外壁部68よりもベース板状部66からの突出寸法が小さく設定された下内壁部71が、該下外壁部68と平行するように左右方向に延在形成されている。上下の内壁部70,71は、何れも左端部が左外壁部69に連なっている。そして、ベース部材62には、上側の内外の壁部67,70の間および下側の内外の壁部68,71の間に、前方に開放すると共に左右方向に延在するスライド溝72,72が夫々画成されている。ベース部材62では、右側の外周縁が開放しており、上下のスライド溝72,72の右端は、何れも右方にも開放している。左外壁部69は、上下の外壁部67,68よりもベース板状部66からの突出寸法が小さく、かつ上下の内壁部71,72よりもベース板状部66からの突出寸法が大きく設定されている。なお、ベース板状部66には、上下の内壁部70,71および左外壁部69の間に、縦横に延在する複数の補強リブ66aが格子状に形成されている。
図3(b)および図9(a)に示すように、上下の前記スライド溝72,72には、ベース板状部66から後方へ所定間隔離間する位置に、外壁部67,68および内壁部70,71との間に跨るように、複数のベース組付部74が形成されている。複数のベース組付部74は、スライド溝72において互いに左右方向に間隔をあけて配置されており、実施例では、上下のスライド溝72,72の夫々に左右に離間して4箇所のベース組付部が設けられている。ベース部材62において、上下のスライド溝72,72に設けられた複数のベース組付部74は、上下対称な位置関係で配置されて、その形状も上下対称となっている。また、ベース板状部66の右端部には、ベース突片75が外方(右側方)に向けて延出して形成されている。なお、ベース突片75は、ベース板状部66の右端部の上下方向略中央部に設けられている。
(カバー部材)
図4および図10に示すように、前記カバー部材64は、透明な合成樹脂成形品であって、前記主制御基板31の他方の板面(実装面)に対向する略長方形のカバー板状部78の上下および左右の外周縁に、前側(ベース部材側)へ向けて上周壁部79,下周壁部80,左周壁部81,右周壁部82が立ち上がる箱状に形成されている。カバー部材64は、ベース部材62と組み合わせた際に、上下の周壁部79,80の前端部(延出端部)が、ベース部材62における上下のスライド溝72,72に夫々収容されるように、上下寸法が設定されている。また、カバー部材64は、ベース部材62と組み合わせた際に、右周壁部82の前端部(延出端部)がベース部材62の右端縁に揃うと共に、下部を除く左周壁部81の前端部がベース部材62の左外壁部69の内側に位置して該左外壁部69の内面(右面)に当接するように、左右の寸法が設定されている。ここで、左周壁部81の下部は、その前端面がベース部材62の左外壁部69の後端面に突き当てられる。カバー部材64は、周壁部79,80,81,82に囲まれた内側に主制御基板31を収納して、該カバー部材64の内側四隅に設けられた基板取付部83に、該主制御基板31に挿通させたネジ等の締結具(図示せず)を締結することにより該主制御基板31を保持し得るようになっている。すなわち、カバー部材64は、主制御基板31と一体的に取り扱い可能であって、カバー部材64をベース部材62に取り付ける際に、カバー部材64のベース部材62に対するスライド変位に伴って主制御基板31もスライド変位される。カバー部材64におけるカバー板状部78の上部には、主制御基板31のソケット61に夫々対応してソケット開口78aが開設され、該ソケット開口78aを介して基板ケース32の外側(後側)に臨むソケット61に配線コネクタ(図示せず)が接続される。
図3(b)に示すように、前記カバー部材64には、上周壁部79および下周壁部80においてベース部材62との組み付け時にスライド溝72に挿入される前端部(延出端部)に、ベース部材62のベース組付部74に係脱可能に引っ掛かるカバー組付部84が設けられている。上および下の周壁部79,80の前端部には、左右方向に離間してベース部材62のベース組付部74と同数のカバー凹状部85が形成されると共に、各カバー凹状部85における右縁の前端部に、左方に延出するように前記カバー組付部84が鉤状に形成されている。カバー組付部84の左方への延出寸法は、カバー凹状部85の左右幅寸法より小さく設定されており、カバー組付部84の延出端とカバー凹状部85の左縁との間には、ベース組付部74の通過を許容する隙間が前方に開放するよう形成されている。また、カバー部材64において、上周壁部79のカバー凹状部85およびカバー組付部84と、下周壁部80のカバー凹状部85およびカバー組付部84とは、上下対称な位置関係で配置されて、その形状も上下対称となっている。実施例の基板ケース32では、ベース部材62に対してカバー部材64の上下の周壁部79,80を、対応するスライド溝72,72に対して各カバー凹状部85の隙間がベース組付部74に対応する状態で収容した後に、該ベース部材62に対してカバー部材64を左方にスライドすることで、各ベース組付部74の前側に対応するカバー組付部84が夫々重なるように係止して、ベース部材62にカバー部材64が組み付けられる(図3(b)参照)。
図10(a)に示すように、前記カバー部材64の右周壁部82の前端部には、前記ベース部材62のベース突片75と対応する位置に、該ベース突片75を挿脱可能なカバー嵌合部86が形成されている。カバー嵌合部86は、左右方向に貫通する通孔を有する筒状に形成されている。カバー部材64のカバー組付部84を、隣り合うベース組付部74,74の間から挿入して、カバー部材64の上下の周壁部79,80の前端部をスライド溝72,72に収容した状態で、ベース突片75とカバー嵌合部86とが左右方向に整列し、該スライド溝72に沿ってカバー部材64を左方へスライド変位することで、ベース突片75がカバー嵌合部86に挿入される。
前記基板ケース32は、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、カバー部材64の上下の周壁部79,80がスライド溝72においてベース部材62の内外の壁部67,70,68,71によって上下に移動規制されて、上下方向の位置決めがなされると共に、ベース組付部74とカバー組付部との引っ掛かりにより前後に移動規制されて、前後の位置決めがなされるよう構成される。また、基板ケース32は、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、ベース部材62のベース突片75とカバー部材64のカバー嵌合部86との嵌合によっても、上下および前後に移動規制されて、上下方向および前後方向の位置決めがなされる。このように、基板ケース32は、ベース部材62およびカバー部材64において収納空間32aを画成する本体部分が、ベース組付部およびカバー組付部の係合と、ベース突片75およびベース嵌合部の嵌合とによる組付手段により組み付けられており、該組付手段は、ベース部材62とカバー部材64とを左右方向へ相対的にスライド変位しなければ、ベース部材62とカバー部材64とを分離できないように構成されている。
(カシメ手段)
図4〜図8に示すように、前記カシメ手段は、ベース部材62の左外縁部に設けられて、ベース連結部(第1連結部)92を有するベースカシメ構成部90と、カバー部材64の左外縁部に設けられて、カバー連結部(第2連結部)96を有するカバーカシメ構成部94とを有し、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、ベースカシメ構成部90のベース連結部92とカバーカシメ構成部94のカバー連結部96とが前後に重なるよう構成されている。カシメ手段は、ベース連結部92の内部に画成されるベース挿通部(第1挿通部)93に配設された固定部材98によって、カバー連結部96の内部に画成されるカバー挿通部(第2挿通部)97を介してベース挿通部93に挿入されたロック部材100を移動規制して、ベース部材62側のベース連結部92とカバー部材64側のカバー連結部96に跨って抜け止めされた状態で配置されるロック部材100により、ベース部材62とカバー部材64との左右方向への相対的なスライド変位および前後方向への分離を規制するよう構成されている。図4の符号102は、ベース連結部92に画成されたベース挿通部93におけるロック部材100が挿入される側(ベース挿通部93の後方開口)と反対側(ベース挿通部93の前方開口)を塞ぐ閉塞部材(閉塞部)である。また、図4の符号104は、カバー連結部96に画成されたカバー挿通部97におけるロック部材100が挿入される側(後方開口)に嵌め込んで、ベース挿通部93およびカバー挿通部97に配設されたロック部材100を覆うように該カバー挿通部97の後方開口を塞ぐ蓋部材である。
(ベースカシメ構成部)
図9に示すように、前記ベースカシメ構成部90は、ベース部材62における左外壁部69の上部左側に設けられている。ベースカシメ構成部90は、上外壁部67の左側に連ねて左方に延在する上ベース壁106と、この上ベース壁106の下側に該上ベース壁106と平行するように設けられ、右端が左外壁部69に連なる下ベース壁107と、上ベース壁106および下ベース壁107の左端に連なり、左外壁部69と平行するように設けられた左ベース壁108とからなり、前後に開放した角筒状に形成されている。下ベース壁107は、左外壁部69と前後寸法が同じに設定されると共に、その後端面が左外壁部69の後端面と揃うように形成されている(図4参照)。上ベース壁106および左ベース壁108は、上外壁部67よりも前後寸法が大きく設定されて、その前端面がベース板状部66の前面に揃うと共に、後端面が上外壁部67の後端面よりも後方に延出するように形成されている(図4参照)。また、左ベース壁108には、左右方向に貫通するカシメ開口部109が、ベース連結部92の後端面よりも後側に位置するように形成されている(図4および図5参照)。
(ベース連結部)
図9に示すように、前記ベースカシメ構成部90の内側には、複数のベース連結部92が左右に並べて設けられている。ベース連結部92は、前後に開放するベース挿通部93を内側に画成した角筒状体であり、上下方向に長手辺が延在している。ベース連結部92は、その前端面がベース壁106,107,108の前端面に揃えられ、後端面が下ベース壁107の後端面より後方へ突出すると共に上および左ベース壁106,108の後端面よりも前方に位置するように形成されている(図4および図14(a)参照)。ベース連結部92は、ベース壁106,107,108または左外壁部69から延出するベース連結支持片110によって、ベース壁106,107,108および左外壁部69から間隔をあけて配置されている(図9(b)参照)。実施例のベースカシメ構成部90には、2つのベース連結部92,92が左右に並んでおり、右側のベース連結部92は、左外壁部69から上下に離間して右方に延びる一対のベース連結支持片110,110で右側が支持され、上ベース壁106から下方へ延びる1条のベース連結支持片110で上側が支持され、下ベース壁107から上方へ延びる1条のベース連結支持片110で下側が支持されている。左側のベース連結部92は、左ベース壁108から上下に離間して左方に延びる一対のベース連結支持片110,110で左側が支持され、上ベース壁106から下方へ延びる1条のベース連結支持片110で上側が支持され、下ベース壁107から上方へ延びる1条のベース連結支持片110で下側が支持されて、右側のベース連結部92と独立している。ベース連結支持片110は、左外壁部69およびベース壁106,107,108の前端部からベース連結部92の前端部の間に架設されている。
実施例の基板ケース32では、右側のベース連結部92が通常用いられており、左側のベース連結部92は、主制御基板31のメンテナンスなどの適正な理由によってカシメ手段を破壊した際にベース部材62とカバー部材64とを再びかしめるときに用いられる予備である。なお、カシメ手段を破壊する際には、ベース連結支持片110をニッパー等の切断工具で破壊することで、ベースカシメ構成部90からベース連結部92が分離可能になる。なお、左右のベース連結部92,92は、その構成が同じであるので、右側のベース連結部92を例示して以下に説明する。
(ベース連結部の内部構造)
図5,図6および図9(b)に示すように、前記ベース連結部92の前端部側には、該ベース連結部92の筒状部分を構成する上側の筒壁および下側の筒壁より夫々離れると共に互いに上下に離間する一対の架設片112が、ベース挿通部93を区切るように左右に架け渡して形成されている。前記上側の筒壁と上側の架設片112との間には、上下に開口する閉塞爪挿通口113が画成されると共に、前記下側の筒壁と下側の架設片112との間には、上下に開口する閉塞爪挿通口113が画成されている(図9(b)参照)。上下の架設片112,112の間には、上下に延在するように部材固定片114が架設されており、該部材固定片114と、ベース連結部92の筒状部分を構成する左側の筒壁および右側の筒壁との間に、部材挿通口115があくようにベース挿通部93を部材固定片114により左右に区切っている。また、各架設片112の後側には、前記右側の筒壁および左側の筒壁からベース挿通部93内に突出する一対のベースロック保持片116,116が対向して形成され、該ベースロック保持片116,116が架設片112の後面からベース挿通部93の後方開口までに亘って前後に延在している。左右に対向配置した一対のベースロック保持片116,116のうちの一方(左側)の延出端面は、前後方向に直線的に形成され、これに対して他方(右側)のベースロック保持片116の延出端面は、その前端部が前後方向に直線的に延在した後に前側から後側に向かうにつれて一方のベースロック保持片116から離れるように傾斜形成されている(図5(b))参照)。左右一対のベースロック保持片116,116は、互いに平行する部分の左右間隔が、ロック部材100の板厚と略同じに設定されている。左右一対のベースロック保持片116,116は、後方開口からベース挿通部93へロック部材100を挿入する際に、一対のベースロック保持片116,116が後方開口側が開いているので該ロック部材100を挿入し易くなっている。そして、一対のベースロック保持片116,116は、前後方向に延在する平行な延出端面によって、ベース挿通部93に挿入されたロック部材100を左右から挟んで左右の移動を規制するよう構成されている。
前記ベース連結部92には、前記右側の筒壁および左側の筒壁からベース挿通部93内に突出する左右一対の縦支持片117,117が対向して形成されている。左右一対の縦支持片117,117は、上下のベースロック保持片116,116の間に位置して、上下に離間して2組設けられ、筒壁からの突出寸法がベースロック保持片116よりも小さく設定されて、部材挿通口115の開口縁に延出端が揃っている(図9(b)参照)。ベース連結部92には、前記上側の筒壁および下側の筒壁の夫々に、後方に指向する段状に形成された爪掛け部118が、架設片112よりも後側に設けられている(図5(a)および図9(b)参照)。爪掛け部118は、ベース挿通部93において上側および下側に偏倚した位置に前後に開口する前記閉塞爪挿通口113の後側に延長したライン上に、上または下の筒壁を凹ませて形成されている。
(固定部材)
図11に示すように、前記固定部材98は、略コ字状に折曲形成されて、弾性変形可能な金属板材によって構成されている。固定部材98は、略矩形状の第1固定片部98aと、この第1固定片部98aの長手辺の夫々に立設されて、左右に対向する一対の第2固定片部98b,98bと、各第2固定片部98bに設けられ、対向する第2固定片部98bに向けて延出するロック固定部99とを備えている。実施例のロック固定部99は、第2固定片部98bを該第2固定片部98bの開放端側を繋げた略コ字状に切断した切断片を、対向する第2固定片部98b側へ折り曲げて形成している。ロック固定部99は、後側(ロック部材100のベース挿通部93への挿入側)から前側に向かうにつれてベース挿通部93の開口中心側に延出するように傾斜しており(図5(a)参照)、第2固定片部98bへの接続部位を支点として左右方向に弾性変形可能になっている。ここで、ロック固定部99は、第2固定片部98bへの接続部位側から押された際に該第2固定片部98bに沿うように弾性変形するが、該ロック固定部99の開放端(延出端)側から押された際に第2固定片部98bとの間で突っ張って弾性変形が実質的に不能になるよう構成されている。なお、「実質的に不能(できない)」とは、その部材または部位を破壊しなければ(そのままの状態では)、変形や分離等ができないことをいう。
(固定部材の取り付け)
図5(a)に示すように、前記固定部材98は、ベース連結部92におけるベース挿通部93の前方開口から左右の第2固定片部98b,98bを左右の前記部材挿通口115,115に通して、左右の第2固定片部98b,98bを架設片112より後側に延出させると共に左右の筒壁の縦支持片117に沿わせて配設されている。すなわち、固定部材98は、左右の第2固定片部98b,98bが縦支持片117に支持されて互いに離れる方向への変形が規制されている。また、固定部材98は、第1固定片部98aが部材固定片114の前面に当接して、該部材固定片114によって後方への移動が規制されると共に、上下の架設片112,112の間に第2固定片部98bが位置して、両架設片112,112によって第2固定片部98bの上下の移動が規制される。そして、固定部材98は、左右のロック固定部99,99がベース挿通部93の後方開口側から前方に向かうにつれて該ベース挿通部93の内方(左右方向中央)に延出するように傾斜配置されている。このように、ロック固定部99は、ベース連結部92にベース挿通部93内に延出するように設けられ、カバー連結部96側(後方)からのロック部材100のベース挿通部93への挿入(ロック部材100の後から前への移動)を許容する一方で、該ロック部材100に形成されたロック係合部(係合部)124に引っ掛かることで該ロック部材100のカバー連結部96側(後方)への移動(ロック部材100の前から後への移動)を規制するよう構成されている。
(閉塞部材)
図12に示すように、前記閉塞部材102は、板状の閉塞本体120と、この閉塞本体120の上下の縁に立設された2本の閉塞爪部121,121とからなる閉塞組を、複数のベース連結部92に合わせて複数組有し、実施例では、閉塞本体120の間を接続片122で繋いだ2組の閉塞組で構成されている。閉塞部材102は、閉塞本体120の外形がベース挿通部93の前方開口に合わせて形成され、閉塞本体120の後面に、ベース連結部92の部材固定片114より前方へ突出する架設片112に合わせて受け凹部120aが形成されている。閉塞爪部121は、閉塞本体120から後方へ延出して、その延出端部(後端部)に互いに相反する外方に突出する爪を有する鉤状に形成されている。また、閉塞爪部121は、閉塞本体120から延びる柱部分が上下方向に弾性変形可能に構成されている。
図6に示すように、前記閉塞部材102は、ベース連結部92におけるベース挿通部93の前方開口から上下の閉塞爪部121,121を上下の前記閉塞爪挿通口113,113に夫々通して、上下の閉塞爪部121,121を架設片112より後側に延出させると共に上下の筒壁に夫々形成された爪掛け部118の後側に、対応の閉塞爪部121を引っ掛ける。これにより、閉塞部材102は、閉塞本体120でベース挿通部93の前方開口を塞いだ状態でベース連結部92に取り付けられ、爪掛け部118と閉塞爪部121との引っ掛かりにより抜け止めされている。また、閉塞部材102は、閉塞本体120の受け凹部120aに架設片112の前端部を受け入れると共に、閉塞本体120と部材固定片114との間に前記固定部材98の第1固定片部98aを挟むようになっている(図5(a)参照)。ここで、閉塞部材102は、ベース連結部92に取り付けることで、ベース連結部92の内部に閉塞爪部121が収容されて外部からアクセスできないようになっている。すなわち、閉塞部材102は、ベース連結部92から取り外しが実質的にできない所謂嵌め殺し構造であり、固定部材98をベース連結部92に配設した後に閉塞部材102を取り付けると、固定部材98についてもベース連結部92から取り外しできないようにし得る。なお、ベース連結部92の前端には、閉塞本体120の上下に離間する3本の接続リブ122に対応して切り欠きが形成されている。また、カシメ手段を破壊する際には、接続122片をニッパー等の切断工具で破壊することで、予備のベース連結部92から使用しているベース連結部92が分離可能になる。
(ロック部材)
図4および図6に示すように、前記ロック部材100は、実質的に変形しない剛性を有する板状体であり、実施例では略矩形状の金属板材を用いている。ロック部材100は、板厚方向(左右方向)に貫通形成された開口状のロック係合部(係合部)124と、後端部(一端部)に上下(外方)に延出するように形成された一対のロック係止部(係止部)125,125とを備えている。ロック部材100には、ロック係合部124が、前後方向で前側に偏倚した位置で、上下方向中央部に設けられ、前記ロック固定部の前後寸法および上下寸法よりも大きく開口するように形成されている。ロック部材100は、ベース部材62とカバー部材64とを組み合わせた際に連通するベース挿通部93およびカバー挿通部97に、カバー連結部96側(後方)から挿入される。そして、ロック部材100は、カバー連結部96におけるカバー挿通部97の後方開口から挿入した際に、該カバー挿通部97からベース連結部92のベース挿通部93までに跨って延在する前後寸法に設定されており、ロック係合部124がベース挿通部93内に位置すると共に、ロック係止部125がカバー挿通部97に位置するよう構成される。
(カバーカシメ構成部)
図4および図10に示すように、前記カバーカシメ構成部94は、カバー部材64における左周壁部81の上部左側に設けられている。カバーカシメ構成部94は、上周壁部79の左側に連ねて左方に延在する上カバー壁126と、この上カバー壁126の下側に該上カバー壁126と平行するように設けられ、右端が左周壁部81に連なる下カバー壁127と、上カバー壁126および下カバー壁127の左端に連なり、左周壁部81と平行するように設けられた左カバー壁128とからなり、前後に開放した角筒状に形成されている。カバーカシメ構成部94は、ベース部材62のベース板状部66との離間距離が下部と比べて近くなるよう設定されたカバー板状部78の上部よりも後方へ全体として延出するように形成されている。また、カバーカシメ構成部94は、三方のカバー壁126,127,128の後端面が揃えられると共に、左カバー壁128の前端面が上下のカバー壁126,127の前端面よりも後方に位置するよう形成されている。更に、左カバー壁128の前端には、左方に延出するカシメ突片129が設けられている。
前記ベース部材62と前記カバー部材64とを組み付けた際に、ベースカシメ構成部90とカバーカシメ構成部94とは、下ベース壁107の後端面と下カバー壁127の後端面が当接または略隙間なく対向するように構成されている。また、上ベース壁106が、上カバー壁126の上側に重なるように延在し、左ベース壁108が、左カバー壁128の左側に重なるように延在し、上ベース壁106および左ベース壁108によって上カバー壁126および左カバー壁128の外側を囲うようになっている。更に、左カバー壁128に突出形成されたカシメ突片129が、左ベース壁108に開設されたカシメ開口部109に挿通される。このように、カシメ手段は、ベースカシメ構成部90の上ベース壁106および左ベース壁108がカバーカシメ構成部94の上カバー壁126および左カバー壁128の外側に重なる構成として、ベース部材62とカバー部材64とを位置決めすることで、ベースカシメ構成部90に設けられたベース連結部92のベース挿通部93と、カバーカシメ構成部94に設けられたカバー連結部96のカバー挿通部97とを前後に整合させるように位置合わせしている。
(カバー連結部)
図4,図5および図10に示すように、前記カバーカシメ構成部94の内側には、ベース連結部92と同数のカバー連結部96が、複数のベース連結部92と同様に左右に並べて設けられ、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、対応する側のベース連結部92の後側に重なるように配置されている。カバー連結部96は、前後に開放するカバー挿通部97を内側に画成した角筒状体であり、上下方向に長手辺が延在している。カバー連結部96は、その後端面がカバー壁126,127,128の後端面に揃えられ、前端面が上下のカバー壁126,127の前端面よりも後方に位置するように形成され、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、ベース連結部92の後端面とカバー連結部96の前端面とが当接またはほぼ隙間なく対向して、ベース挿通部93とカバー挿通部97とが前後に連通するように構成されている(図5参照)。カバー連結部96は、カバー壁126,127,128または左周壁部81から延出するカバー連結支持片130によって、カバー壁126,127,128および左周壁部81から間隔をあけて配置されている(図10(b)参照)。実施例のカバーカシメ構成部94には、2つのカバー連結部96,96が左右に並んでおり、右側のカバー連結部96A(96)は、左周壁部81から上下に離間して左方に延びる一対のカバー連結支持片130,130で右側が支持され、上カバー壁126から下方へ延びる1条のカバー連結支持片130で上側が支持され、下カバー壁127から上方へ延びる1条のカバー連結支持片130で下側が支持されている。左側のカバー連結部96B(96)は、左カバー壁128から上下に離間して左方に延びる一対のカバー連結支持片130,130で左側が支持され、上カバー壁126から下方へ延びる1条のカバー連結支持片130で上側が支持され、下カバー壁127から上方へ延びる1条のカバー連結支持片130で下側が支持されて、右側のカバー連結部96と独立している。カバー連結支持片130は、左周壁部81およびカバー壁126,127,128の後端部からカバー連結部96の後端部の間に架設されている。
実施例の基板ケース32では、右側のカバー連結部96Aが通常用いられており、左側のカバー連結部96Bは、主制御基板31のメンテナンスなどの適正な理由によってカシメ手段を破壊した際にベース部材62とカバー部材64とを再びかしめるときに用いられる予備である。カシメ手段を破壊する際には、カバー連結支持片130をニッパー等の切断工具で破壊することで、カバーカシメ構成部94からカバー連結部96が分離可能になる。左右のカバー連結部96A,96Bは、蓋部材104の取り付けに関する構成を除いて構成が同じであるので、右側のベース連結部96Aを例示して共通する構成について説明する。なお、特に区別しない場合は、符号に「A」および「B」を付さずにカバー連結部96という。
(ロック規制片)
図6および図10(b)に示すように、右側の前記カバー連結部96Aには、該カバー連結部96の筒状部分を構成する上下の筒壁の夫々からカバー挿通部97の中央側(開口内側)に延出する受け片132の左右方向中央部を後方に開放するように凹ませて、ロック部材100のロック係止部125を係止するロック規制部(規制部)133が設けられている。なお、左側のカバー連結部96Bでは、受け片そのものがロック規制部133として用いられている。このように、カバー連結部96には、カバー挿通部97の開口内側に延出する一対のロック規制部133,133が上下に対向するように設けられている。ロック規制部133は、カバー挿通部97において後方開口側に偏倚した位置に設けられ、ロック部材100がカバー挿通部97からベース挿通部93に跨って配置されて前記ロック固定部99にロック係合部124が引っ掛かる挿入位置において、該ロック部材100に形成されたロック係止部125を係止して、該挿入位置を越えたベース連結部96側(前方)への該ロック部材100の移動を規制するよう構成されている。ロック規制部133は、前記挿入位置でロック部材100を移動規制した際に、該ロック部材100の後端をカバー連結部96の後端より前側に位置させて、ロック部材100が挿通部93,97に収容されるように設定されている。
(カバーロック保持片)
図5および図10(b)に示すように、前記カバー連結部96には、筒状部分を構成する左右の筒壁の夫々からカバー挿通部97の中央側(開口内側)に延出する上下片部134aと、左右の筒壁の夫々からカバー挿通部97の中央側(開口内側)に延出し、該上下片部134aの前側に連ねて前後方向に延在する前後片部134bとからなるカバーロック保持片134が設けられている。カバーロック保持片134は、上下片部134aが前記受け片132と前後位置が略同じ位置に配置されている。また、右側のカバー連結部96Aにおいて、上下片部134aの上縁および下縁と受け片132とが離間して、上下片部134aと受け片132との間に、蓋部材104の蓋爪部139または蓋脚部140を挿通し得る蓋挿通口135を画成している(図10(b)参照)。左右の筒壁に形成された一対のカバーロック保持片134のうちの一方は、上下片部134aの上縁および下縁に連なるように2条の前後片部134b,134bを有し、左右の筒壁に形成された一対のカバーロック保持片134のうちの他方は、上下片部134aの上下方向中央部に連なるように1条の前後片部134bを有している。そして、左右の筒壁に形成された一対のカバーロック保持片134は、その左右方向の間隔が前記ロック部材100の板厚と略同じに設定されている。
(蓋掛止部)
図5(b)および図10(b)に示すように、右側の前記カバー連結部96Aには、左右の筒壁の夫々に、前方に指向する段状に形成された蓋掛止部(掛止部)136が、ロック規制部133よりも前側に設けられている。蓋掛止部136は、カバー挿通部97において上側および下側に偏倚した位置に前後に開口する前記蓋挿通口135の前側に延長したライン上に、左または右の筒壁を凹ませて形成されている。ここで、実施例のカバー連結部96Aでは、蓋掛止部136が左右の筒壁に対向配置されるのではなく、上左側の蓋挿通口135に対応して左側の筒壁に蓋掛止部136が設けられる一方で、上右側の蓋挿通口135に対応して右側の筒壁に蓋掛止部136が設けられていない(図10(b)参照)。同様に、右側のカバー連結部96Aには、下右側の蓋挿通口135に対応して右側の筒壁に蓋掛止部136が設けられる一方で、下左側の蓋挿通口135に対応して左側の筒壁に蓋掛止部136が設けられていない。このように、右側のカバー連結部96Aには、2つの蓋掛止部136,136が左右の筒壁において上下に互い違いに配置されている。
(蓋部材)
図13に示すように、前記蓋部材104は、右側のカバー挿通部97の後方開口の形状に合わせた外形で形成された蓋本体138と、この蓋本体138の外縁から延出するよう形成され、カバー挿通部97を画成する壁面に形成された前記蓋掛止部136に引っ掛かって、該蓋部材104のカバー挿通部97から抜ける方向(後方)の移動を規制する蓋爪部(爪部)139とを備えている。また、蓋部材104は、蓋本体138の外縁から延出するよう形成され、カバー挿通部97を画成する壁面に沿って該カバー挿通部97に挿入される蓋脚部140を備えている。蓋部材104は、上下に長手が延在する開口形状に合わせて蓋本体138が略長方形状に形成され、この蓋本体138の左右の縁部の夫々に、上下に離間して蓋爪部139および蓋脚部140が前方へ延出するように設けられている。ここで、蓋本体138の左縁には、蓋爪部139が上部に配置されると共に蓋脚部140が下部に配置され、これに対して、蓋本体138の右縁上部には、蓋脚部140が左縁の蓋爪部139に左右に対向するように配置されると共に、蓋本体138の右縁下部には、蓋爪部139が左縁の蓋脚部140に左右に対向するように配置されている。このように、蓋部材104には、2つの蓋爪部139,139および2つの蓋脚部140,140が蓋本体138の左右の縁に、上下に互い違いに配置されている。なお、蓋部材104は、蓋本体138、蓋爪部139および蓋脚部140が上下反転した際に同じ位置関係になる対称形状に形成されている。
前記蓋爪部139は、蓋本体138から前方へ延出して、その延出端部(前端部)に互いに相反する外方(左または右方)に突出する爪片139aを有する鉤状に形成されている(図5(b)および図13(b)参照)。また、蓋爪部139は、蓋本体から延びる柱部分が左右方向に弾性変形可能に構成されている。一方、蓋脚部140は、蓋本体138から前方へ延出する柱状であり、蓋爪部139のように延出端部に爪片139aを有していない直線的な形状で形成されている。そして、蓋部材104は、右側のカバー連結部96Aにおけるカバー挿通部97の後方開口から蓋爪部139および蓋脚部140を前記蓋挿通口135に夫々通して、蓋爪部139および蓋脚部140をロック規制部133より前側に延出させると共に左右の筒壁に夫々形成された蓋掛止部136の前側に、対応の蓋爪部139を引っ掛けている。これにより、蓋部材104は、蓋本体138でカバー挿通部97の後開口を塞いだ状態で右側のカバー連結部96Aに取り付けられ、蓋掛止部136と蓋爪部139との引っ掛かりにより抜け止めされている。ここで、蓋部材104は、右側のカバー連結部96Aに取り付けることで、該カバー連結部96Aの内部に蓋爪部139が収容されて外部からアクセスできないようになっている。すなわち、蓋部材104は、右側のカバー連結部96Aから取り外しが実質的にできない所謂嵌め殺し構造であり、ロック部材100をカバー挿通部97およびベース挿通部93に配設した後に蓋部材104を取り付けると、ロック部材100に対する外方からのアクセスを阻むことができる。
(左右のカバー連結部の違いについて)
左右のカバー連結部96A,96Bは、ロック部材100を支持するためのロック規制部133およびカバーロック保持片134の構成は同じである。これに対して、左側に位置する予備のカバー連結部96Bは、カバー挿通部97を画成する筒状部分が、右側に位置する主として使用されるカバー連結部96Aよりも左右幅が小さくなるように設定されており、前記蓋部材104が後方開口に嵌らないようになっている。そして、左側のカバー連結部96Bは、蓋部材104が取り付けられないので、蓋部材104の取り付けに関する蓋掛止部136および蓋挿通口135などの構成を有していない。このように、左右のカバー連結部96A,96Bについて、異なる部分を設けることで、ロック部材100をカバー挿通部の後方開口から挿入してカシメ手段を構成する際に、複数組の連結部92,96A,92,96Bのうちの何れを用いたらよいのか判り易くすることができる。また、主制御基板31のメンテナンスなどの適正な理由やその他によって右側の連結部92,96Aの組が破壊された際に、左側の連結部92,96Bの組には蓋部材104が取り付けられていないことから、カシメ手段の状況を見た目で判り易くすることができる。
前記カシメ手段は、ベース部材62とカバー部材64とを組み合わせた際に連通するベース挿通部93およびカバー挿通部97に、カバー連結部96側から挿入されて該カバー連結部96のロック規制部133とロック係止部125との係合により挿入位置で移動規制されたロック部材100が、該ロック部材100のロック係合部124と固定部材98のロック固定部99との引っ掛かりにより抜け止め保持されるようになっている(図5参照)。換言すると、カシメ手段は、ベース挿通部93およびカバー挿通部97に跨って配設されたロック部材100が、ベース連結部92に配設された固定部材98のロック固定部99およびカバー連結部96に設けられたロック規制部133の間を繋げ、ベース連結部92とカバー連結部96とを前後方向へ分離不能に連結するよう構成される。また、カシメ手段は、ベース挿通部93およびカバー挿通部97に跨って配設されたロック部材100が、ベース部材62とカバー部材64との左右方向への相対的なスライド変位を阻むように両連結部92,96に引っ掛かり、前述の如くベース部材62とカバー部材64とを左右方向へ相対的なスライド変位させなければ行うことができないベース部材62とカバー部材64との分離を不可能にしている。
(封印シールの貼付部の不正防止構造について)
図4,図6および図7に示すように、前記基板ケース32は、ベース部材(第1部材)62の左縁部(外縁部)に設けられたベース貼着部(第1貼着部)142と、カバー部材(第2部材)64の左縁部(外縁部)に設けられ、ベース部材62とカバー部材64とを組み合わせた際に前記ベース貼着部142と前後に重なるカバー貼着部(第2貼着部)144と、ベース貼着部およびカバー貼着部に跨るように貼り付けられる封印シールSを覆うように、ベース貼着部142およびカバー貼着部144を囲って取り付けられるシールカバー146とを備えている。また、基板ケース32は、ベース貼着部142およびカバー貼着部144に変位可能に接続され、両貼着部142,144の間に収容されて刃先が封印シールSから退避した退避状態(図8および図14参照)と、両貼着部142,144の間から外方に突出する移動状態(図15の二点鎖線参照)との間で、刃先が該封印シールSと交差するように変位するシールカッター148を備えている。前記シールカッター148は、シールカバー146を両貼着部142,144から取り外す動きに連動して、前記退避状態から移動状態に変位するよう構成され、退避状態から移動状態に移動することで両貼着部142,142に貼り付けられた封印シールSを切断するようになっている。
(封印シール)
前記封印シールSは、記号や二次元コードを付与したり、管理用コード等が記憶されたICタグを設けられたり、所定の情報が付与されたシート状物であり、接着剤や粘着剤等によってベース貼着部142の前面およびカバー貼着部144の後面に跨るように貼り付けられている。封印シールSは、この封印シールSの存在(状態)および/または該封印シールSに付与された情報によって、基板ケース32に封入された主制御基板31(主制御装置30)が正規品であるか否かを証明するものの1つである。実施例の基板ケース32は、シールカバー146の取り外しに伴い作動するシールカッター148により封印シールSを切断することで、封印シールSに残る切断痕によって不正行為を判別し得るようになっている。
(ベース貼着部)
図4および図9(a)に示すように、前記ベース貼着部142は、ベース部材62の左外壁部69から左方へ延出するように形成された板状部分を有し、この板状部分の上下および左の周縁に壁が後方に向けて立ち上がるよう形成された後方に開放した略トレイ形状になっている。ベース貼着部142は、ベースカシメ構成部90の下側に設けられ、該ベースカシメ構成部90の下ベース壁107の下側に離間配置されている。ベース貼着部142には、板状部分の下側に配置して、後方へ突出する円筒形状のカッター軸受部150が設けられている(図6参照)。また、ベース貼着部142には、カッター軸受部150の左斜め下側に配置して、後方へ突出するボス状のネジ止め部151が設けられている。ここで、ベース貼着部142は、上縁部および下縁部が左外壁部69から左方へ離間するにつれて下方傾斜するように形成されており、ベース貼着部142の上縁部とベースカシメ構成部90の下ベース壁107との隙間が、左方に向かうに従い上下に広くなっている。
(カバー貼着部)
図4および図10(a)に示すように、前記カバー貼着部144は、カバー部材64の左周壁部81から左方へ延出するように形成された板状部分を有し、この板状部分の上下および左の周縁に壁が前方に向けて立ち上がるよう形成された前方に開放した略トレイ形状になっている。カバー貼着部144は、カバーカシメ構成部94の下側に設けられ、該カバーカシメ構成部94の下カバー壁127の下側に離間配置されている。カバー貼着部144は、ベース貼着部142の外形に合わせてその外形が形成されており、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、ベース貼着部142およびカバー貼着部144の周縁に立ち上がる壁が互いに前後に対向配置される(図6参照)。すなわち、カバー貼着部144は、上縁部および下縁部が左周壁部81から左方へ離間するにつれて下方傾斜するように形成されており、カバー貼着部144の上縁部とカバーカシメ構成部94の下カバー壁127との隙間が、左方に向かうに従い上下に広くなっている。カバー貼着部144には、板状部分の下側に前記カッター軸受部150の後側に対向するように配置して、前方へ突出する円筒形状のカッター押さえ部154が設けられている(図6参照)。また、カバー貼着部144には、ベース貼着部142のネジ止め部151の後側に対向する位置に、ネジ通孔155が貫通形成され、ベース貼着部142とカバー貼着部144とを前後に整合させた状態でネジ通孔155を介してネジ止め部151にネジが締結される。ここで、ネジ通孔155は、カバー貼着部144において封印シールSが貼り付けられる部位に設けられ、カバー貼着部144に貼り付けた封印シールSによって隠れるようになっている(図14(b)参照)。
(部材保持部)
図6および図10(a)に示すように、前記カバー貼着部144には、予備となる前記ロック部材100をベース貼着部142と該カバー貼着部144との間に収納した状態で保持する部材保持部(保持部)156が設けられている。部材保持部156は、カバー貼着部144に形成されるカッター通過口159より上側のスペースを用いて該カバー貼着部144の上部に設けられている。部材保持部156は、カバー貼着部144の板状部分から前方に突出し、その延出端部に外方(上方)へ突出する爪を有する鉤状に形成された部材保持爪157を備え、この部材保持爪157をロック部材100のロック係合部124に挿通して爪と板状部分との間にロック部材100を挟んで保持するようになっている(図6参照)。このように、部材保持部156は、ロック部材100においてロック固定部99との係合に用いられるロック係合部124を利用して保持する構成とすることで、該部材保持部156の保持構造を簡単にすることができる。なお、ロック部材100は、その板面をカバー貼着部144の板状部分に沿わせた姿勢で保持されており、退避状態においてベース貼着部142とカバー貼着部144との間に収納されるシールカッター148の後側に配置されている。
図7および図14(b)に示すように、前記ベース貼着部142およびカバー貼着部144は、左縁部から上縁部にかけて互いの壁を離間させて、退避状態と移動位置との間で変位するシールカッター148が通過可能なカッター開口158が形成されている。また、ベース貼着部142およびカバー貼着部144は、下縁部において互いの壁が当接またはほぼ隙間なく対向するようになっている。カバー貼着部144には、上下方向の中間部に、シールカッター148において後方へ突出形成された第2切断部165が挿通されるカッター通過口159が切り欠き形成されている。カッター通過口159は、シールカッター148の退避状態と移動状態との変位に伴う第2切断部165の変位経路に合わせて左右方向に延在するよう形成され、実施例では前記カッター軸受部150で支持された下端部を支点として回動するシールカッター148に合わせて、カッター通過口159の上開口縁が円弧状に形成されている。ここで、ベース部材62とカバー部材64とは、互いに組み付けた際に、ベース部材62の左外壁部69の内側にカバー部材64の左周壁部81が重なるように構成されて(図7参照)、例えばカッター開口158またはカッター通過口159から針金等の不正具を侵入させても左周壁部81で阻んで前記収納空間32aにアクセスできないようになっている。
(シールカッター)
図16に示すように、前記シールカッター148は、板状のカッター本体の下端部(一端部)に設けられたカッター軸部162と、カッター本体の上端部(他端部)に設けられ、シールカバー146と連係する連係受部163と、カッター本体の左縁部に設けられた第1切断部164と、カッター本体の上下方向中間部に後方へ突出形成された第2切断部165とを備えている。カッター軸部162は、前記カッター軸受部150の外形に合わせた開口寸法で形成され、前方に突出する円筒形状の軸筒部162aと、この軸筒部162aの内側に前方に突出するように形成された一対の軸爪部162b,162bとから構成されている(図16(b)参照)。一対の軸爪部162b,162bは、その延出端に互いに相反する外方へ突出する爪を有すると共に、互いに近接するように弾性変形可能に構成されている。カッター軸部162は、ベース貼着部142のカッター軸受部150に対して、該カッター軸受部150の開口内に一対の軸爪部162b,162bを嵌め合わせると共に、該カッター軸受部150の外周を軸筒部162aで囲うように装着することで、該カッター軸受部150に対して回動可能に支持される。そして、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた際に、シールカッター148のカッター軸部162の後側に配置されるカッター押さえ部154によって、シールカッター148がカッター軸受部150から外れないように後方移動が規制される(図6参照)。連係受部163は、カッター本体の上縁左部から分岐して左から右方へ向かうにつれてカッター本体から離間するように上方傾斜するよう形成され、シールカバー146と連係する部分となる延出端が上方に延出して幅広に形成されている。第1切断部164は、カッター本体の左縁の上下の略全体に亘って設けられ、刃先が左方へ向けて形成されている。第2切断部165は、カッター本体から第1切断部164と交差する方向(後方)に突出するよう設けられ、前後に延在する刃先が左方へ向けて形成されている。なお、シールカッター148のカッター本体には、カバー貼着部144から前方に突出する部材保持部156の部材保持爪157に合わせて、右方(退避状態から移動状態への変位方向と反対側)に開放した切り欠き148aが形成され、シールカッター148の退避状態において切り欠き148aに部材保持爪157が挿入されている。
(シールカッターの退避状態について)
図7および図14に示すように、前記シールカッター148は、前記退避状態において、カッター軸部162がカッター軸受部150で支持される下端部から上方に延在する姿勢になっており、第1切断部164の刃先がベース貼着部142とカバー貼着部144との間の左側のカッター開口158に臨むように配置され、ベース貼着部142およびカバー貼着部144の左側面を覆う封止シールSに、第1切断部164の刃先が対向配置されている。シールカッター148は、前記退避状態において、第2切断部165がカバー貼着部144のカッター通過口159を介して封印シールSから外れた位置で該カバー貼着部144の後方に突出しており、第2切断部165の刃先がカバー貼着部144の後面を覆う封印シールSの右縁に対向配置されている。シールカッター148は、前記退避状態において、連係受部163の延出端がベース貼着部142とカバー貼着部144との間の上側のカッター開口158に配置されており、シールカバー146の上壁内面に下方へ突設されて該上側のカッター開口158に挿入された連係部170と、連係受部163とが、ベース貼着部142とカバー貼着部144との間で係合するように構成されている(図8参照)。
(シールカッターの移動状態について)
図15に示すように、前記シールカッター148は、前記退避状態から移動状態に回動すると、カッター軸部162がカッター軸受部150で支持された下端部から左斜め上方に延在する姿勢に変化し、第1切断部164の刃先が左側のカッター開口158を介して両貼着部142,144の間から次第に外側に突出するようになっている。また、シールカッター148は、前記退避状態から移動状態に回動すると、第2切断部165の刃先がカッター通過口159を介して左方へ変位し、最終的には両貼着部142,144から左方に外れた位置まで変位するようになっている。更に、シールカッター148は、前記退避状態から移動状態に回動すると、連係受部163が両貼着部142,144の間からカッター開口158を介して左外側に変位するようになっている。なお、シールカッター148は、カッター開口158の下側の開口縁に当接することで移動状態に向けた回動変位が規制される。
(シールカバー)
図17に示すように、前記シールカバー146は、右方が開放した箱形状に形成されて、実施例では無色透明であって該シールカバー146を介して封止シールSが視認可能になっている。なお、シールカバー146は、右から左方に向かうにつれて下方傾斜する両貼着部142,144の上縁部および下縁部に対応して、上壁および下壁が右方開口から左方へ離れるにつれて下方傾斜するように形成されている。シールカバー146は、後壁の上下方向中央部が該シールカバーの右方開口から左方の所定範囲に亘って後方へ膨らむように形成された膨出部171を有している。膨出部171は、カバー貼着部144から後方に突出するシールカッター148の第2切断部165に合わせて形成され、両貼着部142,144を収納するようにシールカバー146を取り付けた際に、膨出部171に第2切断部165が収納されるようになっている(図7参照)。なお、シールカッター148は、第2切断部165が膨出部171に当接することで、退避状態から移動状態に向けた変位が規制される。
(カバー取付部)
図17に示すように、シールカバー146は、下部右側に設けられ、ベース部材62の左外壁部69およびカバー部材64の左周壁部81の下部に設けられた第1取付受部172(図8参照)に係合する第1カバー取付部(第1取付部)168と、上縁部左側に設けられ、ベースカシメ構成部90の下ベース壁107およびカバーカシメ構成部94の下カバー壁127に設けられた第2取付受部173(図8参照)に係合する第2カバー取付部(第2取付部)169とを備えている。第1カバー取付部168は、両貼着部142,144を囲う空間を画成する本体部分の右方開口の下縁に沿って前後方向に延在すると共に下方に延出するように形成されている(図17参照)。第2カバー取付部169は、両貼着部142,144が収納される本体部分の上壁上面に上方に突出するように形成された突片部分であり、前記第2取付受部173に係合させる上端部右面が左から右に向かうにつれて下方傾斜するよう形成される一方で、上端部左面が上下方向に延在するよう形成されている。ここで、シールカバー146において、第1カバー取付部168がシールカッター148の回動中心側に対応する下部に設定され、第2カバー取付部169がシールカッター148の回動中心と反対側に対応する上部に設定されている。そして、シールカバー146は、下部の第1カバー取付部168を第1取付受部172に嵌め合わせると共に、上部の第2カバー取付部169を第2取付受部173に嵌め合わせることで、右端面をベース部材62の左外壁部69およびカバー部材64の左周壁部81に突き当てて該壁部69,81により右方開口を塞ぎ、ベース貼着部142およびカバー貼着部144を内側に収納した状態でベース部材62およびカバー部材64に対して取り付けられる(図7および図8参照)。また、シールカバー146は、両カバー取付部168,169を対応の取付受部172,173に嵌め合わせることで、ベース部材62およびカバー部材64に対して分離不能に取り付けられる。すなわち、シールカバー146は、ベース部材62およびカバー部材64に取り付けると、第2カバー取付部169を破壊しなければ取り外すことができないよう構成されている。
(連係部)
図8に示すように、前記シールカバー146は、該シールカバー146をベース部材62およびカバー部材64に取り付けた際に、前記退避状態にあるシールカッター148の連係受部163に係合し、該シールカバー146の取り外しに伴って該シールカッター148を退避状態から移動状態に変位させる連係部170を備えている。連係部170は、シールカバー146において両貼着部142,144を囲う本体部分の上壁内面に設けられ、該上壁から下方へ突出するように形成されている(図17参照)。また、連係部170は、右から左方に向かうにつれて上壁からの突出寸法が大きくなる略三角形状で形成されている。
(取付受部)
図14に示すように、前記第1取付受部172は、ベース貼着部142より下側に位置して左外壁部69の下部に、後方に開放した凹状に切り欠き形成されたベース切欠部分172aと、このベース切欠部分172aの開放端を塞ぐカバー部材64の左周壁部81の前端部に、前方に開放した凹状に切り欠き形成されたカバー切欠部分172bとによって構成されて、下側のスライド溝72に連通する開口状に形成されている。第2取付受部173は、ベースカシメ構成部90の下ベース壁107の後端左右方向中央部に、下方および後方に開放した段状に形成されたベース凹部分173aと、このベース凹部分173aの後方への開放端を塞ぐカバーカシメ構成部94の下カバー壁127の前端面とによって構成されて、下方に開放した凹状に形成されている。このように、第1取付受部172および第2取付受部173は、ベース部材62(ベースカシメ構成部90)とカバー部材64(カバーカシメ構成部94)とを組み合わせた際に、ベース部材62側に設けられた構成部分(ベース切欠部分172a,ベース凹部分173a)とカバー部材64側に設けられた構成部分(カバー切欠部分172b,下カバー壁127の前端面)とが組み合わさって構成されるようになっている。すなわち、ベース部材62側に設けられた構成部分(ベース切欠部分172a,ベース凹部分173a)またはカバー部材64側に設けられた構成部分(カバー切欠部分172bの前端面,下カバー壁127の前端面)単体では、該構成部分に合わせた第1カバー取付部168および第2カバー取付部169を保持することができず、該カバー取付部168,169を分離可能になっている。すなわち、第1カバー取付部168を第1取付受部172の一部をなすベース部材62のベース切欠部分172aに挿入したとしても、カバー部材64を取り付けないと、該ベース切欠部分172aが後方に開放しているので、ベース切欠部分172aから第1カバー取付部168を後側に引き抜くことができる。第1カバー取付部168を第1取付受部172の一部をなすカバー部材64のカバー切欠部分172bに挿入したとしても、ベース部材72を取り付けないと、該カバー切欠部分172bが前方に開放しているので、カバー切欠部分172bから第1カバー取付部168を前側に引き抜くことができる。同様に、第2カバー取付部169を第2取付受部173の一部をなす下ベース壁107のベース凹部分173aに挿入したとしても、カバー部材64を取り付けないと、該ベース凹部分173aが後方に開放しているので、ベース凹部分173aから第2カバー取付部169を後側に引き抜くことができる。
(シールカバーとシールカッターの連係構成について)
前記シールカッター148は、前述したように、下端部がベース貼着部142に回動可能に支持されると共に、上端部に設けられた連係受部163が、シールカバー146の連係部170に引っ掛かり得るよう構成されている(図8参照)。シールカバー146は、カバー取付部168,169を対応の取付受部172,173に嵌め合わせて両貼着部142,144を覆うように取り付けた際に、連係部170が両貼着部142,144間の上側のカッター開口158から両貼着部142,144間に挿入されて、シールカッター148における連係受部163の右側に配置される(図8および図15参照)。すなわち、シールカバー146を両貼着部142,144から取り外す際に該シールカバー146に伴って左方へ変位する連係部170の変位方向前側となる右側に、連係受部163が配置され、連係部170の変位軌跡上にシールカッター148の連係受部163が位置している。そして、第2カバー取付部169を破断して、第1取付受部172に係合する第1カバー取付部168を支点としてシールカバー146を回動して取り外す際に、連係部170に連係受部163が引っ張られてシールカッター148が退避状態から移動状態に向けて回動変位するよう構成されている。
図15に示すように、シールカバー146は、該シールカバー146の取り付け状態から取り外し状態に向けた連係部170の回動変位軌跡が、シールカッター148における連係受部163の退避状態から移動状態に向けた回動変位軌跡に対して徐々に離れるように設定されている。従って、シールカバー146における取り付け状態から所定範囲の取り外し状態に向けた回動変位に伴って、連係部170と連係受部163との係合によりシールカッター148が退避状態から移動状態に向けて回動変位すると共に、該所定範囲を超えると連係部170と連係受部163とが係合解除して、シールカバー146とシールカッター148とが分離するよう構成されている。両貼着部142,144への取り付け状態にあるシールカバー146の連係部170と前記退避状態にあるシールカッター148の連係受部163とは、上下位置がおおよそ揃うように配置されている。基板ケース32では、取り付け状態から取り外し状態へのシールカバー146の回動支点(第1カバー取付部168)は、シールカッター148の下端部に設定された該シールカッター148の回動支点(カッター軸部152)よりも下方に設定されており、シールカバー146の回動支点から連係部170までの距離が、シールカッター148の回動支点から連係受部163までの距離よりも長くなるように構成されている。これにより、シールカバー146を取り付け状態から取り外し状態へ回動した際に連係部170がとる回動変位軌跡が、シールカッター148を退避状態から移動状態へ回動した際に連係受部163がとる回動変位軌跡よりも外側(基板ケース32の本体部分から遠ざかる左方)に次第にずれるように設定されている。すなわち、シールカバー146の連係部170とシールカッター148の連係受部163とは、円弧状の回動変位軌跡の半径方向に延在している互いの当接面の範囲内で、両回動変位軌跡がずれても互いの係合が維持され、該互いの当接面を超えて両回動変位軌跡がずれることで、連係受部163から連係部170が外れる。
ここで、連係部170と連係受部163とは、シールカッター148の第2切断部165が両貼着部142,144より外方(左方)に出るまで係合を維持するよう構成するのがよく、これにより第1切断部164により封印シールSの上下に亘る大部分を切断し得ると共に、カバー貼着部144に貼り付けられた封印シールSを左右方向に亘って切断し得る。また、連係部170と連係受部163とは、シールカッター148の退避状態から移動状態に向けた回動限界に達する前または同時に、係合を解除するように構成するのがよく、このように構成することで、シールカッター148の破損を防止し得る。
(基板ケースの取付け構造について)
前記基板ケース32の設置部材22への取付構造について簡単に説明する。基板ケース32は、ベース部材62における左外壁部69の前縁中央部にベース貼着部142の前側に位置するように設けられ、設置部材22の前面に設けた受部(図示せず)に引っ掛ける引っ掛け部176(図7参照)と、カバー部材64における右周壁部82の上部に設けられ、設置部材22の前面に設けた位置決めピン(図示せず)が挿通される位置決め孔が形成される位置決め部177(図3参照)と、該右周壁部82の上部に設けられたケース固定部178(図3参照)とを備えている。なお、ケース固定部178には、取着具179が装着されている。そして、基板ケース32は、設置部材22の受部に引っ掛け部176を引っ掛けると共に、設置部材22の位置決めピンを位置決め部177の位置決め孔に挿入したもとで、ケース固定部178に装着されている取着具179を設置部材22に設けた図示しない保持孔に係合することで設置部材22に着脱可能に組み付けられる。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
(カシメ手段の組み付けについて)
前記ベース連結部92におけるベース挿通部93の前方開口から固定部材98を挿入し、該固定部材98における左右の第2固定片部98b,98bを左右の部材挿通口115,115に通して、部材固定片114により該固定部材98の第1固定片部98aが後方への移動が規制されるまで押し込む。この際に、固定部材98のロック固定部99は、該固定部材98の挿入方向前側から後側に向かうにつれてベース挿通部93の開口内側に延出するように傾斜しているので、部材固定片114との当接により開口外側へ向けて弾性変形して、部材挿通口115への挿入が許容される。そして、固定部材98は、部材挿通口115を通ってロック固定部99が部材固定片114の後側に位置すると、ロック固定部99が、後から前方に向かうにつれてベース挿通部93の開口内側に延出する元の傾斜姿勢に戻る。すなわち、固定部材98は、ベース挿通部93に配設すると、ロック固定部99が部材固定片114に引っ掛かって前方への移動が規制されると共に、第1固定片部98aが部材固定片114に引っ掛かって後方への移動が規制されることで、前後に開口するベース挿通部93から抜けないようになっている。また、固定部材98は、上下の架設片112,112およびベースロック保持片116,116の間に第2固定片部98bが挟まれて上下の移動が規制されると共に、縦支持片117により支持されて第2固定片部98bのベース挿通部93の開口外側へ向けた変位が規制される。このように、固定部材98は、ベース挿通部93に挿入すると、適切な位置で保持される。
次に、前記ベース連結部92におけるベース挿通部93の前方開口から閉塞部材102を挿入し、該閉塞部材102における上下の閉塞爪部121,121を上下の閉塞挿通口113,113に夫々通して、部材固定片114により閉塞部材102の閉塞本体120が後方への移動が規制されるまで押し込む。この際に、閉塞部材102における閉塞爪部121の延出端の爪片が、ベース連結部92の上下の筒壁に設けられた爪掛け部118に夫々引っ掛かり、閉塞本体120でベース連結部92の前方開口を塞いだ状態で抜け止めされる。このように、閉塞部材102がベース連結部92の前方開口に嵌め殺しされることで、該閉塞部材102によってベース挿通部93に収容された固定部材98に対して、前方開口を介して外部からアクセスすることを阻むことができ、固定部材98を取り外すような不正行為を防止し得る。なお、固定部材98および閉塞部材102の組み付けは、ベース部材62とカバー部材64とを組み付けた後であっても行うことができる。
前記ベース部材62と前記カバー部材64とを組み付けることで、カシメ突片129とカシメ開口部109との嵌め合いや上および左のベース壁106,108とカバー壁126,128との重なりなどによって、ベース連結部92とカバー連結部96とが、互いの挿通部93,97が連通するように前後に重なり合った状態で位置合わせされる。カバー連結部96におけるカバー挿通部97の後方開口からロック部材100を挿入し、該ロック部材100のロック係止部125がカバー連結部96のロック規制部133によって移動規制されるまで、ロック部材100を前方移動する。この際に、固定部材98のロック固定部99は、後から前に挿入されるロック部材100に対して、後側から前側に向かうにつれてベース挿通部の開口内側に延出するように傾斜しているので、ロック部材100との当接により開口外側へ向けて弾性変形して、該ロック部材100のベース挿通部93への挿入が許容される。そして、ロック部材100が挿入位置に到来すると、固定部材98のロック固定部99がロック部材100における開口状のロック係合部124に位置して、ロック固定部99が、ベース挿通部93の開口内側に延出する元の傾斜姿勢に戻る。すなわち、ロック部材100は、カバー挿通部97からベース挿通部93に跨るように配設すると、ロック部材100のロック係止部125がカバー連結部96のロック規制部133に引っ掛かって挿通位置を越えた前方への移動が規制されると共に、ロック固定部99がロック係合部124に引っ掛かって後方への移動が規制されることで、後方に開口するカバー挿通部97から抜けないようになっている。
次に、前記カバー挿通部97の後方開口から蓋部材104を挿入し、該蓋部材104における蓋爪部139および蓋脚部140を対応の蓋挿通口135に夫々通して、蓋本体138がロック部材100の後端面に当接して前方への移動が規制されるまで押し込む。この際に、蓋部材104における蓋爪部139の延出端の爪片139aが、カバー連結部96Aの左右の筒壁に設けられた蓋掛止部136に夫々引っ掛かり、蓋本体138でカバー挿通部97の後方開口を塞いだ状態で抜け止めされる。このように、蓋部材104がカバー挿通部97の後方開口に嵌め殺しされることで、該蓋部材104によってカバー挿通部97およびベース挿通部93に収容されたロック部材100に対して、後方開口を介して外部からアクセスすることを阻むことができ、ロック部材100を取り外すような不正行為を防止し得る。なお、実施例では、蓋部材104をカバー連結部96Aに取り付けた後に蓋部材104とカバー連結部96Aとの僅かな隙間から接着剤を両挿通部93,97に流し入れて、接着剤によって内部を固着している。
このように構成されたカシメ手段は、ロック部材100、固定部材98、閉塞部材102および蓋部材104を破壊等することなく両連結部92,96から取り外すことはできない。また、カシメ手段は、ベース部材62とカバー部材64とを左右方向へ相対的にスライド変位しようとしても、金属製で剛性を有するロック部材100が両連結部92,96に引っ掛かることで、ベース部材62とカバー部材64との相対的なスライド変位を阻むことができる。更に、カシメ手段は、ベース部材62とカバー部材64とを前後方向に分離するように力を加えても、ベース連結部およびカバー連結部の夫々に引っ掛かっているロック部材100によって、ベース部材62とカバー部材64との前後の離間変位を阻むことができる。このように、基板ケース32は、カシメ手段が構成された状態では、カシメ手段を破壊することなく開封することができず、主制御基板31を不正なアクセスから適切に保護することができる。しかも、基板ケース32を開封したとしても、破壊されたカシメ手段が痕跡として残るので、開封の有無を簡単に把握することができる。
実施例のカシメ手段によれば、ロック部材100をカバー連結部96側から両挿通部93,97に挿入するだけで、ベース連結部92に配置されたロック固定部99がロック部材100のロック係合部124に引っ掛かると共にカバー連結部96のロック規制部133がロック部材100のロック係止部125に引っ掛かって、ベース連結部92およびカバー連結部96がロック部材によって分離不能に保持される。このように、ロック部材100による両連結部92,96の連結作業に、工具を要さず、両挿通部93,97に挿入するだけで極めて簡単に行うことができるから、手間を軽減し得る。また、前記カシメ手段は、閉塞部材102および蓋部材104についても、対応の挿通部93,97に押し込むだけで爪嵌合により取り付けられる構成であるから、閉塞部材102および蓋部材104の取り付けに工具を要さずに極めて簡単に行うことができ、カシメ手段の組み付け作業にかかる手間をより軽減することができる。すなわち、両連結部92,96を分離不能に保持するロック部材100による基板ケース32の不正開放を防止するカシメ手段を有していても、基板ケース32の組み立て作業を簡単にすることができる。
前記カシメ手段は、ロック部材100が収容される両挿通部93,94が、ベース連結部92に嵌め合わせられた閉塞部材102と、カバー連結部96Aに嵌め合わせられた蓋部材104とによって塞がれているので、閉塞部材102および蓋部材104により外方からロック部材100へのアクセスを防ぎ、基板ケース32の不正開放をより確実に防止することができる。しかも、カシメ手段は、固定部材98、ロック部材100、閉塞部材102および蓋部材104が、ネジなどの締結具を用いずに、部材同士の引っ掛かりや部材間での挟持等によって連結部92,96に取り付けられる構成であるから、締結具を締結するためのボスや孔を必要とせず、全体としてコンパクトにすることができる。
(シールカバーの取り付け構造について)
前記シールカバー146を取り付ける際には、第1カバー取付部168を第1取付受部172に挿入して該第1カバー取付部168を該第1取付受部172の開口縁に引っ掛けたもとで、第1カバー取付部168を支点としてシールカバー146を上方へ回動する。シールカバー146は、第1取付受部172に引っ掛けた第1カバー取付部168を支点として回動することで、第2カバー取付部169が第2取付受部173にずれなく整合し、該第2カバー取付部169を第2取付受部173に押し込むことで、ベース貼着部142およびカバー貼着部144を覆った状態でシールカバー146がベース部材62およびカバー部材64に対して取り付けられる。ここで、第2カバー取付部169は、第2取付受部173に押し込む際に下ベース壁107に当接する右面が傾斜しているので、該第2カバー取付部169の第2取付受部173への円滑な嵌め込みが許容される。第2カバー取付部169は、上下および左面が前後方向に延在しているので、第2取付受部173を画成する壁に引っ掛かって抜け止めされる。このように、シールカバー146は、ベース部材62およびカバー部材64に対して取り付けると、取付受部172,173を画成する壁にカバー取付部168,169が引っ掛かって、該カバー取付部168,169等を破壊することなくシールカバーを取り外すことができない。すなわち、シールカバー146を取り外して封印シールSや主制御基板31にアクセスを図るような不正行為を阻むことができる。しかも、カバー取付部168,169等を破壊しなければシールカバー146を取り外すことができないので、取り外したシールカバー146を再利用するような不正行為も阻むことができる。
前記シールカバー146の取り付けに際して、第1取付受部172に引っ掛けた第1カバー取付部168を支点として回動すると、シールカバー146の連係部170の回動変位軌跡上に、退避状態にあるシールカッター148の連係受部163が交差する関係にある。シールカバー146の取り付け時の連係部の進行方向前側となる右側面が傾斜すると共に、シールカッター148の連結受部163がカッター本体から分岐して該カッター本体に対して近接するように弾性変形が可能となっているので、シールカバー146の取り付けに際して連係部170が連係受部163を無理なく乗り越えて、該連係受部163の右側に配置される。すなわち、当該構成によれば、シールカバー146の取り付けに際して、シールカバー146の連係部170およびシールカッター148の連係受部163の破損を防止できる。
前記基板ケース32は、シールカバー146の内側に連係部170を設け、取り付け状態にあるシールカバー146の連係部170と退避状態にあるシールカッター148の連係受部163とが、ベース貼着部142とカバー貼着部144との間で係合する構成であるので、両貼着部142,144およびシールカバー146によって連係部170と連係受部163との係合部分へのアクセスを阻むことができる。すなわち、シールカバー146を取り外す前に、シールカバー146の連結部とシールカッター148の連係受部163との係合を解除する操作をシールカバー146の外部から行い、封印シールSをシールカッター148で切断しないようにシールカバー146を取り外すような不正行為を防止することができる。
(シールカバーとシールカッターの連係構造について)
前記シールカバー146を取り外す際には、第2カバー取付部169を切断工具で破壊して、第1取付受部172に引っ掛けた第1カバー取付部168を支点として、シールカバー146を左方へ回動する。シールカバー146の回動変位に伴い左方へ変位する連係部170に連係受部163が押されることで、シールカッター148が下部のカッター軸部162を回動支点として左方へ回動変位して、退避状態から移動状態に変位するシールカッター148の第1切断部164がカッター開口158から外方へ突き出ることで、カッター開口158を覆っていた封印シールSを上下に切断する。また、シールカッター148の第2切断部165についても、封印シールSにおけるカバー貼着部144の後面に貼り付けられた部位を右から左に切断する。このように、シールカバー146の連係部170とシールカッター148の連係受部163との係合により、シールカバー146の取り外しに連動してシールカッター148が両貼着部142,144の間に収納された退避状態から、両貼着部142,144よりも突き出る移動状態に変位して封印シールSを切断するので、封印シールSを再利用する不正行為を防止することができる。
このように、シールカッター148は、その下端部がベース貼着部142に対して回動可能に接続されて、ベース貼着部142およびカバー貼着部144に対して退避状態と移動状態との間で回動変位する構成であり、シールカバー146の取り外しに連動してシールカッター148が退避状態から移動状態に変位しても、ベース貼着部142に下端部が接続されたままにある。すなわち、シールカッター148は、シールカバー146の取り外しに連動して封印シールSを切断するように変位するものの、ベース貼着部142に下端部が接続されて該ベース貼着部142から分離しないので、シールカバー146を取り外した際にシールカッター148が落下したり、紛失すること等を回避できる。しかも、シールカッター148は、ベース貼着部142との接続部分であるカッター軸受部150を基準(支点)として変位するので、シールカバー146の取り外しのぶれなどの変動の影響を受け難く、シールカッター148を所定の変位軌跡で安定して変位させることができる。すなわち、シールカッター148がカッター開口158やカッター通過口159の開口縁に干渉して、連係部170と連係受部163との係合状態が解除するなどの連動不具合を防止でき、シールカバー146の取り外しに際して封印シールSをより確実に切断することができる。そして、シールカッター148を再利用する際には、該シールカッター148の下端部を支点として移動状態から退避状態に戻すだけで退避状態で両貼着部142,144の間に適切に配置することができる。すなわち、シールカッター148は、ベース貼着部142との接続部分であるカッター軸受部150を基準(支点)として変位する構成であるから、退避状態での位置合わせの手間がかからず、退避状態で位置合わせするための構成も省略することもできる。また、シールカッター148をベース貼着部142とカバー貼着部144との間に収容された退避状態に戻すために、基板ケース32を開封する必要もない。このように、実施例の基板ケース32によれば、シールカッター148を簡単に再利用できる。
前記シールカバー146は、該シールカバー146の取り付け状態から取り外し状態に向けた前記連係部170の回動変位軌跡が、シールカッター148における連係受部163の退避状態から移動状態に向けた回動変位軌跡に対して徐々に離れるように設定されている。すなわち、シールカバー146における取り付け状態から取り外し状態に向けた回動変位において、連係部170と連係受部163とが係合する所定範囲に亘ってシールカッター148をシールカバー146に連動させて退避状態から移動状態に向けて回動変位させることができる。そして、シールカバー146における取り付け状態から取り外し状態に向けた回動変位において、連係部170と連係受部163とが係合する前記所定範囲を超えると、連係受部163よりも連係部170が半径方向外側に外れることで連係部170と連係受部163とが自然に係合解除することになる。従って、シールカバー146を大きく回動変位すると、両貼着部142,144から突き出て封印シールSを切断したシールカッター148を、手作業でシールカバー146の内側から取り外す必要はなく、シールカバー146の取り外し動作に連動して該シールカバー146から分離させることができる。このように、シールカバー146とシールカッター148の回動変位軌跡の差によって、シールカバー146を取り外した際に封印シールSを切断したシールカッター148がシールカバー146から分離するので、シールカッター148を再利用する際にシールカバー146から取り外す手間がかからない。
前記シールカバー146のカバー取付部168,169が嵌め込まれる第1取付受部172および第2取付受部173は、ベース部材62(ベースカシメ構成部90)とカバー部材64(カバーカシメ構成部94)とを組み合わせた際に、ベース部材62側に設けられた構成部分(ベース切欠部分172a,ベース凹部分173a)とカバー部材64側に設けられた構成部分(カバー切欠部分172b,下カバー壁127の前端面)とが組み合わさって構成される。すなわち、ベース部材62とカバー部材64とを組み合わせなければ取付受部172,173が完成しないので、ベース部材62やカバー部材64における取付受部172,173の構成部分単体にシールカバー162を誤って取り付けた場合であっても、シールカバー162を取り外すことができる。
前記カシメ手段は、ベース連結部92およびカバー連結部96からなるカシメ組を2組備えており、カシメ状態にあるカシメ組を、連結支持片110,130および接続片122で破断して取り外すことで、主制御基板31のメンテナンスなどの適正な理由により基板ケース32を開封した後に、残ったカシメ組を用いてベース部材62およびカバー部材64を分離不能に連結することがある。このために、基板ケース32は、予備のロック部材100を備えており、この予備のロック部材100がカバー貼着部144に設けられた部材保持部156で保持されて、ベース貼着部142およびカバー貼着部144の間に収納されている。このように、予備のロック部材100は、前記カシメ手段により分離不能に構成されたベース部材62のベース貼着部142とカバー部材64のカバー貼着部144との間に収容されると共に、両貼着部142,144を覆ってベース部材62およびカバー部材64に対して分離不能に取り付けられたシールカバー146の内側に封入されているので、予備のロック部材100を取り外して、不正改造に用いるような不正行為を防止できる。また、仮にシールカバー146を取り外したとしても、基板ケース32を開封しなければ予備のロック部材100にアクセスすることができないので、不正行為をためらわせることができる。
(変更例)
なお、遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、以下を含む種々の変更が可能である。
(1)実施例では、主制御基板を収納する基板ケースを例に挙げたが、基板ケースに収納する基板としては、統括制御基板や払出制御基板等、遊技店にとって不正に交換または改造されることで不利益をこうむる制御を司る基板であればよい。
(2)実施例では、パチンコ球を遊技媒体として遊技が行われるパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機(回胴式遊技機)等の各種遊技機を採用し得る。
(3)ベース部材(第1部材)とカバー部材(第2部材)との前後関係は、実施例と逆であってもよい。
(4)基板ケースにおいて、カシメ構成部の位置は左縁部に限らず、右縁部または上下の縁部であってもよい。
(5)ベース連結部(第1連結部)およびカバー連結部(第2連結部)からなるカシメ組数は、2組に限られず、1組または3組以上であってもよい。また、複数のカシメ組を備える場合は、左右方向に並べるのではなく、上下方向にカシメ組を並べてもよい。
(6)実施例では、ベース連結部(第1連結部)のベース挿通部(第1挿通部)に配設した固定部材にロック固定部(固定部)を設けたが、ベース連結部におけるベース挿通部を画成する壁面に爪状片を形成するなど、ロック固定部をベース連結部と一体的に形成してもよい。
(7)実施例では、ベース連結部(第1連結部)のベース挿通部(第1挿通部)を両側に開口するように形成したが、カバー連結部(第2連結部)側だけが開口して、反対側が閉じた構成であってもよい。
(8)蓋部材は、蓋脚部を設けず、全てが蓋爪部(爪部)であってもよい。
(9)予備のロック部材を保持する部材保持部(保持部)は、ベース貼着部(第1貼着部)ではなく、カバー貼着部(第2貼着部)に設けてもよい。また、部材保持部は、1箇所に限られず、例えばベース貼着部およびカバー貼着部の夫々に設けるなど、2箇所以上備えていてもよい。
(10)シールカバーのカバー取付部(取付部)が嵌まる取付受部は、ベース部材(第1部材)側だけあるいはカバー部材(第2部材)側だけで構成してよい。
(11)シールカッターは、ベース貼着部(第1貼着部)ではなくカバー貼着部(第2貼着部)に接続する構成であってよい。
(12)シールカッターは、両貼着部に跨って貼り付けられた封印シールから退避して両貼着部の間に収納された退避状態と、両貼着部の間から外方へ突き出た移動状態との間で変位し得る構成であれば、一端部が軸支される構成に限られず、貼着部の一方にレールや溝などを介してスライド可能に接続されて、シールカバーの取り外しに連動してスライド変位する構成であってもよい。
(13)第1切断部および第2切断部の一方は、省略してもよい。また、第1切断部および第2切断部に加えてあるいは代えて、第2切断部と反対側の面から該反対方向に突出する別の切断部を備えていてもよい。
31 主制御基板(基板)
62 ベース部材(第1部材)
64 カバー(第2部材)
42 ベース(第1貼着部)
144 カバー(第2貼着部)
146 シールカバー
148 シールカッター
163 連係受
70 連係部
172 第1取付受
73 第2取付受
封印シール

Claims (1)

  1. 第1部材と第2部材とを組み合わせて箱状に構成され、基板を内部に収納する遊技機の基板ケースにおいて、
    前記第1部材の外縁部に設けられた第1貼着部と、
    前記第2部材の外縁部に設けられ、前記第1部材と該第2部材とを組み合わせた際に前記第1貼着部と重なる第2貼着部と、
    前記第1貼着部および前記第2貼着部に跨るように貼り付けられる封印シールを覆うように、該第1貼着部および該第2貼着部を囲って取り付けられるシールカバーと、
    前記第1貼着部または前記第2貼着部に変位可能に接続され、両貼着部の間に収容されて刃先が前記封印シールから退避した退避状態と、両貼着部の間から外方に突出する移動状態との間で、刃先が該封印シールと交差するように変位するシールカッターと、
    前記シールカバーに設けられ、該シールカバーを取り付けた際に前記退避状態にある前記シールカッターの連係受部に係合し、該シールカバーの取り外しに伴って該シールカッターを退避状態から移動状態に変位させる連係部とを備え
    前記シールカッターは、一端部が前記第1貼着部または前記第2貼着部に回動可能に支持されると共に、他端部に設けられた前記連係受部が、両部材に取り付けられた前記シールカバーの前記連係部に引っ掛かり得るよう配置され、
    前記シールカバーは、前記シールカッターの回動中心側に対応する一端部が、第1部材および第2部材の少なくとも一方に回動可能に支持され、
    前記シールカバーは、前記一端部を支点とする該シールカバーの取り付け状態から取り外し状態に向けた回動変位に伴う前記連係部の回動変位軌跡が、前記シールカッターにおける前記連係受部の退避状態から移動状態に向けた回動変位軌跡に対して徐々に離れるように設定され、
    前記シールカバーにおける取り付け状態から所定範囲の取り外し状態に向けた回動変位に伴って、前記連係部と前記連係受部との係合により前記シールカッターが退避状態から移動状態に向けて回動変位すると共に、該所定範囲を超えると連係部と連係受部とが係合解除して、シールカバーとシールカッターとが分離するよう構成された
    ことを特徴とする遊技機の基板ケース。
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