本発明において、スペーサーとは、基板ケースと遊技盤とのスペースを埋めるものであり、その形状として、基本的には箱型を呈し、区画壁を備えるものではあるが、リブを備えたものや種々の形態のものが含まれ、また、全体形状も必ずしも箱型である必要はない。
そして、スペーサー及び基板ケースの遊技機に対する取り付けは、遊技盤或いは球集合板、その他の間接的ブラケット類の何れの場合も対象となり、含まれるものである。従って、スペーサーを遊技盤に対して開閉自在に取り付けるとは、遊技盤への直接連結状態、他部材、例えば、球集合板を介した間接連結状態も含まれる。
本発明にいう連結台座部材とは、基板ケースを遊技盤に取り付けるのに、遊技盤に一体の取付部材(開閉機構を含む)に対して連結するための部材であり、基板ケース側に固定されているものである。
また、開閉機構とは、基板ケースを、その一端側を回動中心として、遊技盤に対して開く状態とするための機構を言う。
また、ハーネスとは、基板ケースと他の電気部品或いは中継基板その他の装置などを相互に接続する配線を言うもので、両端部にはコネクタが設けられている。
そして、拘束バンドとは、インシュロックに代表される如き構造、例えば、帯状体が、そこに設けられた係止部に一方向ロックの状態で係合するように構成されたもの、或いは、結びを行うことができる紐状のもの等、種々の形態のもので、要するに二者或いは複数物を拘束し、連結固定することができものであれば、全て含まれる。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段1として、
所定の遊技を行う制御基板を収容した基板ケースとスペーサーとが重なる状態で配置され、前記基板ケースは、その一側において連結台座部材と開閉機構を介して、また、前記スペーサーは、前記連結台座部材のある側とは反対側においてスペーサー開閉手段を介して、互いに異なる方向に開閉するように、夫々遊技盤の裏面側に配置され、前記スペーサーは、前記スペーサー開閉手段の存在する側とは反対側において開閉不能に封印されている遊技機であって、
前記スペーサーは、前記基板ケースを取り付ける取付部と、スペーサー壁体部と、遊技盤に対して開閉自在に取り付ける装着部とを備え、
前記取付部には、少なくとも一つの、前記基板ケースを該スペーサーにバンド連結するための拘束バンド挿通溝部と、ハーネスを挿通保持するハーネス挿通溝部とが備えられ、且つ、
前記拘束バンド挿通溝部を通り、前記基板ケースと前記スペーサーとに亘って巻回された拘束バンドが設けられている、
ことを特徴とする。
このように、基板ケースとスペーサーとを拘束バンドで拘束することにより、単に基板ケースがスペーサーから外されないだけでなく扉式に開閉される両部品を開閉できないようにしておくことにより、基板ケースがスペーサーから離されることで、基板ケースによって被覆されている遊技盤裏面の中継基板や他の電気部品などを不正に操作されることを防止できる利点がある。この際、従来の使用回数が制限されている封印手段ではなく、簡便な拘束バンドを用いる方式であるので、頻繁に行われる正規の基板ケースの開閉(スペーサーに対し)に問題なく対応できる。
そして、ハーネス挿通溝部を備えることで、基板ケースの一側から出たハーネスを、この基板ケースの下側を潜らせることで、基板ケースの他側、例えば、遊技盤の下方の大入賞装置の側に導出することができ、基板ケースの上面側を通す方式に比べて不正を受ける頻度を大幅に抑えることができる。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段2として、
遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤と、該遊技盤の裏面側に配置され所定の遊技を制御する制御基板を収容した基板ケースと、該基板ケース及び前記遊技盤の間に配置されるスペーサーと、を備える遊技機であって、
前記基板ケースと前記スペーサーとが前記遊技盤裏面視において重なるように配置され、前記基板ケースは、その一側に設けられ前記基板ケースを開閉するための開閉機構を介して、また、前記スペーサーは、前記開閉機構のある側とは異なる側に設けられ前記スペーサーを開閉するためのスペーサー開閉手段を介して、互いに異なる方向に開閉するように配置され、
前記スペーサーは、その裏面側に形成され前記基板ケースが取り付けられる取付部と、前記スペーサーの前面側に形成され前記遊技盤側に配置されている所定の電気部品を覆うように前記遊技盤側が開口した箱状に形成されたスペーサー壁体部と、を備えるとともに、前記スペーサーの一側壁から対向する側壁にかけて連通するように形成され拘束バンドを挿通可能な拘束バンド挿通溝部と、該拘束バンド挿通溝部に前記拘束バンドが挿通された状態を維持させる係り部と、を備え、
前記拘束バンドが、前記拘束バンド挿通溝部に挿通されかつ前記係り部と前記基板ケースとを巻回した状態で結束されていることを特徴とする。
このように、遊技盤裏面視において電気部品と基板ケースとが重なるように配置されているので、省スペースで電気部品と基板ケースとを配置することができる。また、遊技盤裏面側との間に隙間をあけて基板ケースを配置したことにより、電気部品等に形状変更があった場合にも基板ケースの取付構造を流用することができる。また、遊技盤と基板ケースとの隙間をスペーサーが配置されていることにより減少させているので、遊技盤と基板ケースとの隙間に例えば不正な制御を行う不正基板などを隠されたりすることを防止できる。さらに、基板ケースとスペーサーとがそれぞれ開閉できる構造とされていることにより、電気部品や制御基板の裏面などの点検又は確認を容易に行うことができる。また、スペーサーが基板ケースの取付部を備えていることにより、基板ケースが勝手に開放してしまうことがない。また、基板ケース及びスペーサーが互いに異なる方向に開閉する構成であり、かつ両者を拘束バンドを巻回させて拘束することにより、頻繁に開閉して点検等を行うこと可能性があるとしても拘束バンドを取り替えれば何度でも拘束状態にでき、拘束状態においては基板ケースや電気部品への不正行為を防止することができる。この場合、拘束バンドは特殊な形状のもの等を用いるようにしてもよい。基板ケース及びスペーサーを拘束バンドにより拘束するための構成として拘束バンド挿通溝部及び拘束バンド規制部を採用しているため、スペーサーの取付部に対して基板ケースが取り付けられた状態で簡単に拘束バンドによって両者を拘束状態にすることができる。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段3として、
遊技球が流下する遊技領域が前面側に形成された遊技盤と、該遊技盤の裏面側に配置され所定の遊技を制御する制御基板を収容した基板ケースと、該基板ケース及び前記遊技盤の間に配置されるスペーサーと、を備える遊技機であって、
前記基板ケースと前記スペーサーとが前記遊技盤裏面視において重なるように配置され、前記基板ケースは、前記基板ケースを開閉するための開閉機構を介して、また、前記スペーサーは、前記スペーサーを開閉するためのスペーサー開閉手段を介して開閉するように配置され、
前記スペーサーは、その裏面側に形成され前記基板ケースが取り付けられる取付部と、前記スペーサーの前面側に形成され前記遊技盤側に配置されている所定の電気部品を覆うように前記遊技盤側が開口した箱状に形成されたスペーサー壁体部と、を備え、
前記取付部には、ハーネスが挿通されるハーネス挿通溝部と、前記ハーネスの両端に設けられたコネクタのうち一方が収容され固定される収容部と、前記ハーネスが前記ハーネス挿通溝部に挿通された状態に保持する係止片と、を備えていることを特徴とする。
このように、遊技盤裏面視において電気部品と基板ケースとが重なるように配置されているので、省スペースで電気部品と基板ケースとを配置することができる。また、遊技盤裏面側との間に隙間をあけて基板ケースを配置したことにより、電気部品等に形状変更があった場合にも基板ケースの取付構造を流用することができる。また、遊技盤と基板ケースとの隙間をスペーサーが配置されていることにより減少させているので、遊技盤と基板ケースとの隙間に例えば不正な制御を行う不正基板などを隠されたりすることを防止できる。さらに、基板ケースとスペーサーとがそれぞれ開閉できる構造とされていることにより、電気部品や制御基板の裏面などの点検又は確認を容易に行うことができる。また、スペーサーが基板ケースの取付部を備えていることにより、基板ケースが勝手に開放してしまうことがない。また、スペーサーに対してハーネス挿通溝部と係止片とを備えているので、スペーサーに対してハーネスを取り付けることができ、遊技機製造工程においてハーネスを配置する時期をより自由に設定できるようになる。スペーサーが遊技盤に取り付けられる前段階でハーネスをスペーサーに取り付けるようにすれば、ハーネスを後から配置する場合に各種部品が邪魔をして配置しづらいなどの問題が生じることがないし、この際に収容部によって一方のコネクタを仮留め状態にすれば、他方のコネクタ側に配線が寄った状態となるため、先に他方のコネクタの接続作業を行う場合に手間どうことがなくなる。また、ハーネス挿通溝部をハーネスの両コネクタよりも細溝に設定し、スペーサー及び基板ケースが拘束バンドや封止手段により不正に開放できない構成にする場合には、このハーネスが不正なハーネスに取り替えられることを防止できる。
手段4:手段1の遊技機において、
前記拘束バンド挿通溝部が、前記基板ケースの幅方向に、所定の間隔を隔てて2箇所設けられていることを特徴とする。
このように、拘束バンド挿通溝部が前記基板ケースの幅方向に、所定の間隔を隔てて2箇所設けられていることで、2本のバンド拘束が確実且つ安定的に行い得ることができる。勿論、不正を働く場合には、2本のバンドを切断しなければならず、手間を要することになる。
手段5:手段1又は手段4の遊技機において、
前記取付部の底壁から、前記基板ケースの前記連結台座部材が位置する側辺を除く3辺を所定の高さで収容するように側壁が立設されている、ことを特徴とする。
このように、前記取付部に基板ケースの3辺を囲む側壁が立受されたことで、これらの側壁により基板ケースが規制された状態でスペーサーに受け止めさせることができ、単に台板状のスペーサーに載置するのにくらべ、安定的に支持することができる。従って、拘束バンドにより基板ケースがスペーサーに結束されたときに、万一、拘束が緩んでも、前記側壁の存在によって、相互に横滑りして結束状態が崩れてしまう虞がない。
尚、上記3辺の側壁と基板ケースとは、必ずしも常時密着している必要はなく、僅かに離れている場合も、本発明の対象とされる。
手段6:手段1、手段4又は手段5の遊技機において、
前記拘束バンド挿通溝部の両端部において、前記取付部の側壁が前記拘束バンド挿通溝部を跨ぐように設けられ、拘束バンドの係り部として機能するように構成されていることを特徴とする。
前記取付部の側壁が、前記拘束バンド挿通溝部を跨ぐように設けられ、拘束バンドの係り部として機能するように構成されていることで、前記取付部の側壁が、基板ケースを保持する機能を発揮すると同時に、拘束バンドが基板ケースをスペーサーに拘束するための係りの機能も兼ねている。
手段7:手段2の遊技機において、
前記係り部が、前記拘束バンド挿通溝部の両端部において、前記拘束バンド挿通溝部を跨ぐように設けられた前記取付部の側壁により構成されていることを特徴とする。
前記取付部の側壁が、前記拘束バンド挿通溝部を跨ぐように設けられ、拘束バンドの係り部として機能するように構成されていることで、前記取付部の側壁が、基板ケースを保持する機能を発揮すると同時に、拘束バンドが基板ケースをスペーサーに拘束するための係りの機能も兼ねている。
手段8:手段5又は手段6の遊技機において、
前記スペーサーが可撓性を備えた合成樹脂製であり、前記取付部の側壁に、前記基板ケースの一部に係脱自在の係止爪が形成されていることを特徴とする。
このように、スペーサー自体を、可撓性を備えた合成樹脂製とし、その取付部の側壁に係止爪を形成するようにしたことで、この係止爪により弾性的に基板ケースに係脱させることができ、基板ケースの側壁を利用して係止爪を設けることができる利点がある。
手段9:手段8の遊技機において、
前記係止爪が前記拘束バンド挿通溝部の上方に位置する前記取付部の側壁に設けられていることを特徴とする。
このように、前記係止爪が前記拘束バンド挿通溝部の上方に位置する前記取付部の側壁に設けられていることで、前記拘束バンド挿通溝部に拘束バンドが通されて、前記基板ケースに巻回されるときに、その拘束バンドが前記取付部の側壁から前記係止爪の上に沿って巻回されることになり、前記係止爪自体も拘束することになって、係止爪による基板ケースの係止状態を強固に維持できることになる。
手段10:手段8乃至手段9の遊技機において、
前記係止爪が、該係止爪の両側において、前記取付部の側壁が切り欠かれ、弾性変形容易となるように構成されていることを特徴とする。
上記のように、前記スペーサーが可撓性を備えた合成樹脂製で構成され、且つ、前記取付部の側壁に切り欠きが形成されることで、前記係止爪の変形を容易に成しえて弾性を引き出し易くなり、係脱がスムースに行い得る。
手段11:手段1、4、6乃至10の遊技機において、
前記係止爪が、前記側壁の内側に向いた爪突起を有し、該爪突起は、その上端から前記側壁の内側下方に向けて傾斜面を有することを特徴とする。
このように、係止爪の爪突起に、その上端から前記側壁の内側下方に向けて傾斜面を有せしめたことで、上方から基板ケースをスペーサーの取付部側に挿入設置するときに、この係止爪に接当した際、その傾斜面がカム作用を生じて、該係止爪を外側に曲げようとする分力を生ぜしめ、その基板ケースの前記取付部への挿入をスムース且つ容易にすることができる。
手段12:手段1、4、6乃至11の遊技機において、
前記スペーサーの取付部の上面部に、前記連結台座部材を位置させるための段部が形成され、該段部に、前記ハーネス挿通溝部が形成されていることを特徴とする。
このように、スペーサーには基板ケースの側部(裏面)に設けた連結台座部材を位置させるための段部を形成する必要があるが、この段部にハーネス挿通溝部を形成することで、この段部とハーネス挿通溝部とを一挙に形成できる。
そして、基板ケースの裏面側は、スペーサーにより埋まっており、また、内部では、遊技盤の裏面の各電気部品等が占拠している状態であり、上述したハーネスを通す通路を確保し難いところ、この連結台座部材の下側の段部に形成することで、ハーネスを前記基盤ケースにより隠した状態で、該基板ケースの一側から他側に導出させることができたのである。
手段13:手段3の遊技機において、
前記スペーサーの取付部の上面部に、前記連結台座部材を位置させるための段部が形成され、該段部に、前記ハーネス挿通溝部が形成されていることを特徴とする。
このように、スペーサーには基板ケースの側部(裏面)に設けた連結台座部材を位置させるための段部を形成する必要があるが、この段部にハーネス挿通溝部を形成することで、この段部とハーネス挿通溝部とを一挙に形成できる。
そして、基板ケースの裏面側は、スペーサーにより埋まっており、また、内部では、遊技盤の裏面の各電気部品等が占拠している状態であり、上述したハーネスを通す通路を確保し難いところ、この連結台座部材の下側の段部に形成することで、ハーネスを前記基盤ケースにより隠した状態で、該基板ケースの一側から他側に導出させることができたのである。
手段14:手段1、4,6,7乃至手段12の遊技機において、
前記ハーネス挿通溝部の上部には、ハーネスを押さえ込む少なくとも1個の係止片が、該ハーネス挿通溝部の少なくとも一部を横切るように設けられていることを特徴とする。
このように、ハーネス挿通溝部の上部に、ハーネスを押さえ込む少なくとも1個の係止片を、該ハーネス挿通溝部の少なくとも一部を横切るように設けたことで、
ハーネスを設置するときに、該ハーネス挿通溝部の内部に納めて抑えこむことができて、基板ケースを扉のように回動閉鎖させてスペーサーに重ねるときに、ハーネスが両者間に挟まれるといった不都合を未然に回避できるのである。
手段15:手段3の遊技機において、
前記係止片は、ハーネス挿通溝部の上部に、該ハーネス挿通溝部の少なくとも一部を横切るように設けられていることを特徴とする。
このように、ハーネス挿通溝部の上部に、ハーネスを押さえ込む係止片を、該ハーネス挿通溝部の少なくとも一部を横切るように設けたことで、ハーネスを設置するときに、該ハーネス挿通溝部の内部に納めて抑えこむことができて、基板ケースを扉のように回動閉鎖させてスペーサーに重ねるときに、ハーネスが両者間に挟まれるといった不都合を未然に回避できるのである。
手段16:手段1、4、6乃至12、14の遊技機において、
前記ハーネス挿通溝部の上部には、ハーネスを押さえ込む2個の係止片が、互いに所定の間隔を隔て、且つ、該ハーネス挿通溝部の一側から他側に向けて、所定の間隙を残して、横切るように設けられていることを特徴とする。
このように、前記ハーネス挿通溝部の上部に、ハーネスを押さえ込む2個の係止片を、互いに所定の間隔を隔て、且つ、該ハーネス挿通溝部の一側から他側に向けて、所定の間隙を残して、横切るように設けたことで、ハーネスを設置するときに、該ハーネス挿通溝部の内部に納めて、離れた二箇所で確実に抑えこむことができて、基板ケースを扉のように回動閉鎖させてスペーサーに重ねるときに、ハーネスが両者間に挟まれるといった不都合を未然に回避できるのである。
そして、前記係止片とハーネス挿通溝部との間に所定の間隙を残すことによって、この間隙を通して、ハーネスをハーネス挿通溝部から引き出すことができ、ハーネスの着脱が必要な場合に、簡単にこれを行い得る。
手段17:手段3の遊技機において、
前記係止片は、ハーネス挿通溝部の上部に、互いに所定の間隔を隔て、且つ、該ハーネス挿通溝部の一側から他側に向けて、所定の間隙を残して、横切るように2個設けられていることを特徴とする。
このように、前記ハーネス挿通溝部の上部に、ハーネスを押さえ込む2個の係止片を、互いに所定の間隔を隔て、且つ、該ハーネス挿通溝部の一側から他側に向けて、所定の間隙を残して、横切るように設けたことで、ハーネスを設置するときに、該ハーネス挿通溝部の内部に納めて、離れた二箇所で確実に抑えこむことができて、基板ケースを扉のように回動閉鎖させてスペーサーに重ねるときに、ハーネスが両者間に挟まれるといった不都合を未然に回避できるのである。
そして、前記係止片とハーネス挿通溝部との間に所定の間隙を残すことによって、この間隙を通して、ハーネスをハーネス挿通溝部から引き出すことができ、ハーネスの着脱が必要な場合に、簡単にこれを行い得る。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1ないし図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。
音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。
そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。
その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図7のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。
従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、セット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、制御基板を収容する第1基板ケース201Aを有し、この第1基板ケース201Aに主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケースに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯し、状態表示812が「1」を点滅表示する。
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯する。そして、状態表示812が「2」を点滅表示する。
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED811が消灯し、状態表示812が、「3」を点滅表示する。
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、図6に示すモニターLED816及びモニターLED817が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示812が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示812が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED818が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、819は、遊技機電源コードを示し、820は、電源スイッチを示し、821は、外部接続アース線を示す。
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
前記第1制御基板ユニット201は、第1基板ケース201A、後述の開閉機構410および連結台座部材430を含み、第1基板ケース201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図16に示すように、外側ケース(第1ケースまたは第2ケース)70および内側ケース(第2ケースまたは第1ケース)85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。なお、外側ケース70および内側ケース85は、いずれを第1ケースとしてもよい。
この第1基板ケース201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1基板ケース201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1基板ケース201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図16に示すようにそのコの字の底部部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
前記第1部材としての支持体412のコの字の底部部分にはネジ孔が設けられ、図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1基板ケース201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413aが形成されており、その支持部413aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
尚、前記第1基板ケース201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
次に、図9乃至図20に基づいて、連結台座部材430について述べる。
この連結台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1基板ケース201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1基板ケース201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1基板ケース201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1基板ケース201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
前記第1基板ケース201Aのうち、前記連結台座部材430と連結封止される部位である第1台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1基板ケース201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており、従って、第1基板ケース201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。
即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1台座封止部450が配置され、且つ、前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、前記第1台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
そして、前記連結台座部材430には、前記第1基板ケース201Aの前記第1台座封止部450と連結封止される部位である第2台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2台座封止部432の構造は、この連結台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底部分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
前記連結台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433C、433D(図18参照)が設けられる。この第2係合部433C、433Dは、この実施例では、前記連結台座部材430の本体とは別体成型の後述する第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
前記第2係合部433C、433Dは、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)で構成され、その所定箇所をコの字に打ち抜いて舌片433d(図示、但し他方の舌片は対象位置にあるが図では示されていない)を形成し、該舌片433dをコの字の付け根部で曲げることで弾性係合爪を形成し、且つ、前記第1係合部414を金属製の平板状体で構成し、そこに切り欠き係合部415を形成することによって、該切り欠き係合部415に前記舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dを構成しているのである。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433C、433Dに係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433C、433Dとの係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433C、433Dと係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1基板ケース201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1基板ケース201A側(連結台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
ここで、更に、前記連結台座部材430について詳述する。前記第2係合部433C、433Dを被覆するべく前記連結台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433C、433Dが設けられるが、その第2係合部433C、433Dの薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1基板ケース201Aが位置された状態となり、前記第1基板ケース201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
また、前記連結台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433C、433Dを金属製の係合部材により構成してある。
前記第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1基板ケース201Aの裏面に沿って第1、第2台座封止部や第1連結部の位置する側から第1基板ケース201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
更に、連結台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1基板ケース201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
次に、第1被覆部材430Aが前記連結台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433C、433Dを被覆することを行い得ながら、第2係合部433C、433Dを第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433C、433Dを前記連結台座部材430の内部に備えることができる。
また、前記連結台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1基板ケース201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433C、433Dの被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
更に、連結台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の台座を必要とすることがない状態で、その第1基板ケース201Aの開閉を行い得るのである。
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433C、433Dを金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433C、433Dの係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
また、前記第2係合部433C、433Dを板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1台座封止部450及び第2台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2台座封止部450、432が前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
また、第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1台座封止部450及び第2台座封止部432の連結が行い易いのである。
更に、前記第2被覆部材430Bを連結台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
また、連結台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1基板ケース201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1台座封止部450と第2台座封止部432との封止を行うことができる。
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
例えば、製造時において開閉機構端部を連結台座部材挿入口に挿入して連結する操作に際し、第1、第2台座封止部の間に、前記開閉機構410の他端側である第2部材の一部が入り込む(挟まれる)ように構成されており、次回以降の連結封止では、これら3部品を一つの破断ネジで留めるようにする。この開閉機構410の他端側である第2部材は、第3台座封止部を構成するもので、前記ブラケット413の本体部の両側部から、前記支持部413aとは反対側に向けて延設され、且つ、その後にブラケット本体部と平行になるように曲折された細幅の取り付け板416からなり、その取り付け板416に2個一対のネジ孔(後述の連結台座部材430と第1基板ケース201Aに対する)が形成されている(ネジ孔ではあるがネジ切りはされていない;図20参照)。
また、第1台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。
更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433C、433Dの舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、スペーサー(中間部材)501が介装されている。図14及び図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記スペーサー(中間部材)501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
上記スペーサー(中間部材)501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空の箱形の形状を有し、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
上記スペーサー(中間部材)501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、スペーサー(中間部材)501の補強の機能だけでなく、該スペーサー(中間部材)501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
上記スペーサー(中間部材)501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。勿論、その素材は、透明樹脂でなく、半透明或いは不透明な素材で成形されてもよい。
上記スペーサー(中間部材)501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記スペーサー(中間部材)501のブラケット513が挿通され、これにより、スペーサー開閉手段466が構成され、以って、上記スペーサー(中間部材)501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該スペーサー(中間部材)501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてスペーサー(中間部材)501が後方側に十分に開放できるようになっている。
前記第1基板ケース201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなスペーサー(中間部材)501の支持構造とすることにより、該スペーサー(中間部材)501は図14に示すように第1基板ケース201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該スペーサー(中間部材)501と第1基板ケース201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
上記スペーサー(中間部材)501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、スペーサー(中間部材)501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520aと第2封止部520bとを有している。この第1封止部520aおよび第2封止部520bについて以下順次説明する。
図20に示すように、第1封止部520aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてスペーサー(中間部材)501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底部に有する凹部465と、スペーサー(中間部材)501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
スペーサー(中間部材)501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、スペーサー(中間部材)501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、スペーサー(中間部材)501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、スペーサー(中間部材)501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
一方、球集合板460において上記スペーサー(中間部材)501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底部にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底部にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記スペーサー(中間部材)501の挿入部514に螺合し、これによりスペーサー(中間部材)501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、スペーサー(中間部材)501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてスペーサー(中間部材)501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、スペーサー(中間部材)501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
第2封止部520bは、スペーサー(中間部材)501に背面側から挿通されてスペーサー(中間部材)501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、スペーサー(中間部材)501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底部に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
スペーサー(中間部材)501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底部から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(スペーサー(中間部材)501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、スペーサー(中間部材)501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520bの切断部515Aとなっている。
一方、図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(スペーサー(中間部材)501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
図20に示すように、スペーサー(中間部材)501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(スペーサー(中間部材)501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりスペーサー(中間部材)501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522aと内側頭部522bとの間で破断して外側頭部522aが分離し、内側頭部522bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、スペーサー(中間部材)501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、スペーサー(中間部材)501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
スペーサー(中間部材)501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底部に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。また、図16に示すように、球集合板460において上記スペーサー(中間部材)501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(スペーサー(中間部材)501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520bは、スペーサー(中間部材)501の陥入部分の底部に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でスペーサー(中間部材)501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
上記スペーサー(中間部材)501の陥入部分の底部に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1基板ケース201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
図9乃至図11ならびに図22に示すように、上記スペーサー(中間部材)501の外側面(第1基板ケース201A側面)における固定端部(図9、図11及び図22では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1基板ケース201A側に)突出するように配設され、一方、第1基板ケース201Aの自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図22では右方に)突出するように配設されており、図23に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、スペーサー(中間部材)501に一体成型されている。この係止片517は、上記スペーサー(中間部材)501の開閉に際しての閉じられた状態が保持されるようにするために用いられるものである。
また、上記スペーサー(中間部材)501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(スペーサー(中間部材)501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結台座部材430の外側面(開放側面)とスペーサー(中間部材)501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1基板ケース201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
図24に示すように、上記スペーサー(中間部材)501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。図24に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、スペーサー(中間部材)501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、スペーサー(中間部材)の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
また、上記図24に示す例では、スペーサー(中間部材)501内の壁面に、第2封止部520b用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、スペーサー(中間部材)501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のスペーサー(中間部材)501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではスペーサー(中間部材)の内部に保持しておくことができる。
また、上記パチンコ機10においては、スペーサー(中間部材)501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520a、520bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、スペーサー(中間部材)501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記スペーサー(中間部材)501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
上記のように、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間にスペーサー(中間部材)501が介装されていることにより、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。さらに、このスペーサー(中間部材)501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
さらに、封止手段が第1封止部520aと第2封止部520bとを有し、第1封止部520aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてスペーサー(中間部材)501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底部に有する凹部465と、スペーサー(中間部材)501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、スペーサー(中間部材)501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてスペーサー(中間部材)501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらスペーサー(中間部材)501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではスペーサー(中間部材)501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
さらに、第2封止部520bが、スペーサー(中間部材)501に背面側から挿通されてスペーサー(中間部材)501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、スペーサー(中間部材)501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底部に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、スペーサー(中間部材)501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にスペーサー(中間部材)501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、スペーサー(中間部材)501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520bによって再度スペーサー(中間部材)501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてスペーサー(中間部材)501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらスペーサー(中間部材)501の封止状態を解除することができる。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またスペーサー(中間部材)501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
さらに、スペーサー(中間部材)501の内部に、第2封止部520b用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、スペーサー(中間部材)501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のスペーサー(中間部材)501の内部に確実に保持しておくことができる。
さらに、スペーサー(中間部材)501のコーナー部に第1封止部520aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520bが設けられていることにより、第1封止部520aによってスペーサー(中間部材)501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このスペーサー(中間部材)501の封止を第2封止部520bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
さらに、スペーサー(中間部材)501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、スペーサー(中間部材)501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
さらに、スペーサー(中間部材)501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、スペーサー(中間部材)501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、スペーサー(中間部材)501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにスペーサー(中間部材)501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、スペーサー(中間部材)501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにスペーサー(中間部材)501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
さらに、スペーサー(中間部材)501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、スペーサー(中間部材)501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してスペーサー(中間部材)501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらスペーサー(中間部材)501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、スペーサー(中間部材)501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、スペーサー(中間部材)501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にスペーサー(中間部材)501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がスペーサー(中間部材)501で覆われるようにすることで、電気部品がスペーサー(中間部材)501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図23には、球集合板460にスペーサー(中間部材)501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、スペーサー(中間部材)501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびスペーサー(中間部材)501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程がとりわけ作業性が良好である。
(特徴構成)
以上の説明から明らかなように、第1基板ケース201A(以下基板ケース201Aと略称する)は、正面視概略横長の長方形状の外形を有し、その一側部分(基板ケース201Aの背面視における左側部分)が、鋼板よりなる支持体412やブラケット413等の、金属よりなる連結部材を含む開閉機構410を介して遊技盤30の裏面側に支持固定されている。
また、上記スペーサー(中間部材)501は、スペーサー開閉手段466を介して、球集合板460に開閉自在に取り付けられている。
そして、基板ケース201Aの一端側下面には、連結台座部材430が固定され、これに、前記開閉機構410のブラケット413の第1係合部414が嵌合係止されるのである(一端嵌合されると抜け止め)。
このような構成下のスペーサー(中間部材)501は、図25乃至図29に示すように、次のように構成されている。但し、ここで説明するスペーサー(中間部材)501は、それ以前の図面に示されたものと、一部構造、即ち、スペーサー開閉手段466が異なり、装着部532に一本軸を形成した枢支構造を採用した構造のもので説明する。
所定の遊技を行う制御基板を収容した基板ケース201Aとスペーサー(中間部材)501とが重なる状態で配置され、前記基板ケース201Aは、その一側において連結台座部材430と開閉機構410を介して、また、前記(中間部材)501は、前記連結台座部材430のある側とは反対側においてスペーサー開閉手段466を介して、互いに異なる方向に開閉するように、夫々遊技盤30の裏面側に配置され、前記スペーサー(中間部材)501は、前記スペーサー開閉手段466の存在する側とは反対側において封印されている。
ここで、上記スペーサー(中間部材)501により覆われる電気部品の例として、入賞装置(始動入賞装置・可変入賞装置を含む)、入賞口(始動口・大入賞口を含む)に入球した遊技球を検出するスイッチ、入賞口を開閉する羽根や扉を駆動する駆動装置、及びそれらと電気的に接続されるハーネスや中継基板等が挙げられる。この中で特に、「始動口に入球した遊技球を検出するスイッチ」については、検出タイミングを操作することによって抽選結果が当たり結果となるようにして特別遊技状態を強制発生させて多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「大入賞口に入球した遊技球を検出するスイッチ」については、所定個数の入球が終了契機とされている特別遊技状態中に、入球を検出したにもかかわらず検出していないことにして特別遊技状態の終了を遅らせ、特別遊技状態中に通常よりも多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「始動口を開閉させる羽根を駆動する駆動装置」については、羽根を開放する契機となっていないにもかかわらず、強制的に羽根を開放させ、始動口へ多くの入球をさせることにより抽選を多く行わせて特別遊技状態を導出させ易くするといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「大入賞口を開閉させる扉を駆動する駆動装置」については、特別遊技状態中でないにもかかわらず強制的に扉を開放させ、大入賞口へ多くの入球をさせることにより多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、ハーネスや中継基板を含むこれらの電気部品をスペーサー(中間部材)501により覆うことで不正対策を施すことは特別な効果がある。
そして、前記スペーサー(中間部材)501は、封止手段520と、前記基板ケース201Aを取り付ける取付部530と、スペーサー壁体部531と、球集合板460(介して遊技盤30)に対して開閉自在に取り付ける装着部532とを備え、前記取付部530には、前記基板ケース201Aを該スペーサー(中間部材)501にバンド連結するための二つの拘束バンド挿通溝部533,533と、ハーネスを挿通保持するハーネス挿通溝部534とが備えられている。この拘束バンド挿通溝部533,533は、前記基板ケース201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて、ここでは約155mmの間隔で、2箇所設けられているものである。
また、前記拘束バンド挿通溝部533,533を通り、前記基板ケース201Aと前記スペーサー(中間部材)501とに亘って巻回された拘束バンド535が設けられている。
そして、前記スペーサー(中間部材)501の前記取付部530の底壁530Aから、前記基板ケース201Aの前記連結台座部材430が位置する側辺を除く3辺を所定の高さ、ここでは、基板ケース201Aの第2ケース(内側ケース)85の深さ分(厚み幅で、因みに、ここでは、15mm)を収容するように側壁530Bが立設されている。
ここでは、側壁530Bの3辺のうち、前記基板ケース201Aの対向する長辺側の2辺の側壁530Bと前記基板ケース201Aとは、略密着する寸法に設定されているが、大幅に間隙を有する場合は除き、必ずしも常時密着する寸法に設定する必要はない。
前記拘束バンド挿通溝部533,533の両端部において、前記取付部530の側壁530Bが前記拘束バンド挿通溝部533,533を跨ぐように設けられ、拘束バンドの係り部として機能するように構成されている。即ち、この側壁530Bが拘束バンドを巻回したときに、スペーサー(中間部材)501と基板ケース201Aとを結束するときの係りの部材となる。
そして、ここでは、前記スペーサー(中間部材)501が可撓性を備えた透明な合成樹脂製で成型されたものであり、前記取付部530の側壁530Bに、前記基板ケース201Aの一部に係脱自在の係止爪530Cが4個形成されている。
この係止爪530Cは、前記拘束バンド挿通溝部533,533の上方に位置する前記取付部530の側壁530Bに設けられている。
そして、前記係止爪530Cは、該係止爪530Cの両側において、前記取付部530の側壁530Bが切り欠かれ、弾性変形容易となるように構成されている。
因みに、ここでは、前記係止爪530Cは、前記側壁530Bよりも上方に10mm突出しており、前述の側壁530Bの切り欠きは、深さ10mmで、側面視でV形に切り込まれたものである。但し、前記連結台座部材430が位置する側の、前記係止爪530Cの側方は、V形でなく、同等深さで切り落としされている。
また、前記係止爪530Cは、前記側壁530Bの内側に向いた爪突起530Dを有し、該爪突起530Dは、その上端から前記側壁530Bの内側下方に向けて傾斜面530Eを有する。この傾斜面530Eは、前記基板ケース201Aの挿入設置時に、その底部に接当したときのガイドと、カム作用を発揮させるためのものである。
更に、前記スペーサー(中間部材)501の取付部530の上面部に、前記連結台座部材430を位置させるための段部530Fが形成され、該段部530Fに、前記ハーネス挿通溝部534が形成されている。
この段部530Fは、前記底壁530Aからの段差が約15mmで、一側端部に向けて、65mm部分及び75mm部分の2段状態で延びている。
そして、前記底壁530Aから前記ハーネス挿通溝部534へは、一つの拘束バンド挿通溝部533が位置されており、この拘束バンド挿通溝部533の溝を形成する一側壁、ここでは、一枚の板壁が、前記段部530Fの一側壁となっている。
ここから分かるように、この実施例では、前記段部530Fの段差と、前記拘束バンド挿通溝部533の溝の深さが同じに構成されているものである。因みに、この拘束バンド挿通溝部533の溝の幅は、ここでは、14mmとされている。
そして、ハーネス挿通溝部534は、前記拘束バンド挿通溝部533の溝を形成する一側壁、即ち、段部530Fの開始位置から14mmだけ該スペーサー(中間部材)501の一側端部側に移動したところから、その端部側に向けて25mmの幅で、深さ6mmで形成されている。但し、溝の形状は、横断面視で台形を成すように形成されている。
このハーネス挿通溝部534の一端は、スペーサー(中間部材)501の側壁530Bが存在せず、その他端は、側壁530Bが存し、そこに開口534Aが形成される構造になっている。但し、側壁530Bの開口534Aの手前において、このハーネス挿通溝部534は、該スペーサー(中間部材)501の端部側に寄る方向に湾曲されて形成されている。即ち、この実施例では、ハーネス挿通溝部534は、スペーサー(中間部材)501の幅方向に横切る真っ直ぐな溝ではないが、勿論、直線状の溝としてもよい。
ここで、前記ハーネス挿通溝部534に挿通されるハーネスとハーネス挿通溝部534との関わりについて述べる。
ハーネス挿通溝部534に挿通されるハーネスは、配線の両端にコネクタを備えるものであり、ハーネス挿通溝部534の溝幅は配線より大きくかつコネクタより小さく設定されている。このため、ハーネス挿通溝部534内に挿通された状態のハーネスをハーネス挿通溝部534に沿って動かした場合には末端側のコネクタがハーネス挿通溝部534の端部に引っかかりそれ以上のハーネスの移動ができなくなる。このため、基板ケースによりハーネス挿通溝部534の開放側が覆われた状態でスペーサー501と第1基板ケース201Aが拘束バンド535によって拘束されると、このハーネスをハーネス挿通溝部534から取り外すことができなくなる。これによってハーネスを不正に摩り替えたりコネクタを不正基板に接続し直したりすることができず、不正行為を防止することができる。なお、本実施例においてハーネス挿通溝部534に挿通されるハーネスは、第1基板ケース201Aより下方に配置された電源制御基板313から、第1基板ケース201Aより上方に配置された第2基板ケース202Aへ向けて電源を供給する電源用ハーネスであり、不正行為として不正基板を遊技機所定箇所に配置された場合に利用される虞のあるハーネスである。この他、コマンド用ハーネスや入賞検出スイッチ用ハーネスをハーネス挿通溝部534に挿通させるようにしてもよい。
また、ハーネス挿通溝部534の一端(本実施例のスペーサー装着状態においては下端)には、電源制御基板に接続されるコネクタを収容して固定するための収容部534Cが設けられている。前記収容部534Cはコネクタが嵌入されたり内部に突起などが形成されて係止されたりすることによってコネクタを固定するものである。これによって一方のコネクタを仮留め状態にすれば、他方のコネクタ側に配線が寄った状態でハーネスがハーネス挿通溝部534を挿通した状態となるため、先に他方のコネクタの接続作業を行う場合に手間どうことがなくなる。
また、前記ハーネス挿通溝部534の上部には、ハーネスを押さえ込む2個の係止片534B,534Bが、互いに所定の間隔を隔て、ここでは、70mmを空けて、且つ、該ハーネス挿通溝部534の一側、ここでは、該スペーサー(中間部材)501の一端部側から内方に向けて、所定の間隙L(5mm)を残して、横切るように設けられている。この間隙L(5mm)の存在によって、ハーネスを挿入設置する場合に、この間隙L(5mm)を利用してハーネスを滑り込ませるようにするとハーネス挿通溝部534への設置が容易になる。
勿論、これらの係止片534B,534Bは、少なくとも1個あればよいものであるが、実施例の如く2個、或いは、更に、数を増やすようにしてもよい。また、ハーネス挿通溝部534を横切るのに、所定の間隙L(5mm)を残しているが、この間隙Lを残さないで、完全に跨ぐように設けてもよい。
(作用)
上述のように構成し、拘束バンド挿通溝部533,533が前記基板ケース201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて2箇所設けられていることで、2本のバンド拘束が確実且つ安定的に行い得ることができるのである。
また、かかる構成によって、不正目的で基板ケース201Aを回動させて開く場合には、前記2本の拘束バンド535を切断しなければならず、その分、手間を要することになる。
また、前記取付部530に基板ケース201Aの3辺を囲む側壁530Bが立設されたことで、これらの側壁530Bにより基板ケース201Aが規制された状態でスペーサー(中間部材)501に受け止めさせることができ、単に台板状のスペーサーに載置するのにくらべ、安定的に支持することができる。従って、拘束バンド535により基板ケース201Aがスペーサー(中間部材)501に結束されたときに、万一、拘束が緩んでも、前記側壁530Bの存在によって、相互に横滑りして結束状態が崩れてしまう虞がない。
更に、前記取付部530の側壁530Bが、前記拘束バンド挿通溝部533,533を跨ぐように設けられ、拘束バンド535の係り部として機能するように構成されていることで、前記取付部530の側壁530Bが、基板ケース201Aを保持する機能を発揮すると同時に、拘束バンド535が基板ケース201Aをスペーサー(中間部材)501に拘束するための係りの機能も兼ねることができるのである。
そして、スペーサー(中間部材)501自体を、可撓性を備えた合成樹脂製とし、その取付部530の側壁530Bに係止爪530Cを形成するようにしたことで、この係止爪530Cにより弾性的に基板ケース201Aに係脱させることができ、基板ケース201Aの側壁530Bを利用して係止爪530Cを設けることができる。
更に、上記のように、前記係止爪530Cが前記拘束バンド挿通溝部533,533の上方に位置する前記取付部530の側壁530Bに設けられていることで、前記拘束バンド挿通溝部533,533に拘束バンド535が通されて、前記基板ケース201Aに巻回されるときに、その拘束バンド535が前記取付部530の側壁530Bから前記係止爪530Cの上に沿って巻回されることになり、前記係止爪530C自体も拘束することになって、係止爪530Cによる基板ケース201Aの係止状態を強固に維持できることになる。
また、前記スペーサー(中間部材)501が可撓性を備えた合成樹脂製で構成され、且つ、前記取付部530の側壁530Bに切り欠きが形成されることで、前記係止爪530Cの変形を容易に成し得て弾性を引き出し易くなり、係脱がスムースに行い得るものである。
更に、前記係止爪530Cの爪突起530Dに、その上端から前記側壁530Bの内側下方に向けて傾斜面530Eを有せしめたことで、上方から基板ケース201Aをスペーサー(中間部材)501の取付部530側に挿入設置するときに、この係止爪530Cに接当した際、その傾斜面530Eがカム作用を生じて、該係止爪530Cを外側に曲げようとする分力を生ぜしめ、その基板ケース201Aの前記取付部530への挿入をスムース且つ容易にすることができる。
また、前記スペーサー(中間部材)501には基板ケース201Aの側部(裏面)に設けた連結台座部材430を位置させるための段部530Fを形成する必要があるが、この段部530Fにハーネス挿通溝部534を形成することで、この段部530Fとハーネス挿通溝部534とを一挙に形成できる。
そして、基板ケース201Aの裏面側は、スペーサー(中間部材)501により埋まっており、また、内部では、遊技盤30(球集合板460)の裏面の各電気部品等が占拠している状態であり、上述したハーネスを通す通路を確保し難いところ、この連結台座部材430の下側の段部530Fに形成することで、ハーネスを前記基盤ケース201Aにより隠した状態で、該基板ケース201Aの一側から他側に導出させることができる。
更に、前記ハーネス挿通溝部534の上部に、ハーネスを押さえ込む2個の係止片534B,534Bを、互いに所定の間隔を隔て、且つ、該ハーネス挿通溝部534の一側から他側に向けて、所定の間隙を残して、横切るように設けたことで、ハーネスを設置するときに、該ハーネス挿通溝部534の内部に納めて、離れた二箇所で確実に抑えこむことができて、基板ケース201Aを扉のように回動閉鎖させてスペーサー(中間部材)501に重ねるときに、ハーネスが両者間に挟まれるといった不都合を未然に回避できるのである。
また、前記ハーネス挿通溝部534の上部に、前記係止片534B,534Bとハーネス挿通溝部534との間に所定の間隙Lを残すことによって、この間隙Lを通して、ハーネスをハーネス挿通溝部534へ滑り込ませ或いは引き出すことができ、ハーネスの着脱が必要な場合に、簡単にこれを行い得る。