本発明の理解に際して次の術語を明らかにしておく。
そして、電気部品の一例としては、エラー状態の表示を制御する表示制御基板、エラー状態を示す情報を表示する表示部を有する表示装置、通常・時短・確変状態などの状態報知を制御するランプ制御基板、情報報知ランプ(通常状態報知ランプ、時短状態報知ランプ、確変状態報知ランプ、普通図柄の報知ランプ、特別図柄の表示ランプ、確変状態の表示ランプ)、エラー報知音の出力を制御する音声制御基板、エラー報知音を出力するスピーカ、払出制御基板、払出モータ、払出モータにより払い出された遊技球を検出するスイッチ、入賞装置(始動入賞装置・可変入賞装置を含む)、入賞口(始動口・大入賞口を含む)に入球した遊技球を検出するスイッチ、入賞口を開閉する羽や扉を駆動する駆動装置等が挙げられる。この中で、「払出モータ、及び払出モータにより払い出された遊技球を検出するスイッチ」については、賞球払出時において遊技球が払い出されたにもかかわらず払い出されていないように見せかけたり、払出モータを不正に作動させつつ払い出されていないように見せかけたりすることによって多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「始動口に入球口した遊技球を検出するスイッチ」については、検出タイミングを操作することによって抽選結果が当たり結果となるようにして特別遊技状態を強制発生させて多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「大入賞口に入球した遊技球を検出するスイッチ」については、所定個数の入球が終了契機とされている特別遊技状態中に、入球を検出しにも関わらず検出していないことにして特別遊技状態の終了を遅らせ、特別遊技状態中に通常より多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「始動口を開閉させる羽根を駆動する駆動装置」については、羽根を開放する契機となっていないにもかかわらず強制的に羽根を開放させ、始動口へ多くの入球をさせることにより抽選を多く行わせて特別遊技状態を導出させ易くするといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、「大入賞口を開閉させる扉を駆動する駆動装置」については、特別遊技状態中でないにもかかわらず強制的に扉を開放させ、大入賞口へ多くの入球をさせることにより多くの遊技球を獲得するといった不正行為がされる場合に標的となる可能性が高く、これらの電気部品と接続されたハーネスに対して不正対策を施すことには特別な効果がある。
そして、本発明において、「その出口側から見たときに前記係合維持部材を略々隠す状態に」とは、出口側から異物を侵入させて係合維持部材にアクセスすることが困難にされた状態のことを指す。また、「係合維持部材を略々隠す状態」を「係合維持部材と連絡部との係合位置を略々隠す状態」に代えてもよい。
又、本発明において、「封止する」とは、バンド封止部に結束バンドを取り付けることによりハーネスを拘束状態(束縛状態)にし、封止部から取り外すことができなくすることを言うものであり、ハーネスの封止状態を解除しようとすると、バンド封止部に切断された結束バンドの一部が痕跡として残るか、又はバンド封止部自体に破壊、切断痕跡が残ることとなる。
更に、結束バンドとは、概略すると、一方に連結部が設けられ、他方に係止部が設けられ、両者間にハーネスを拘束するための拘束部が設けられているものである。前記連結部は、係合維持部材により固定される。
そして、前記封止部とは、遊技機の本体側の何れの箇所、例えば、遊技盤、中継基板、球集合板等とされる場合、及び敷設の基板ケースとされる場合、更に、基板ケースに取り付けられるが、その封止部を基板ケースと別体に構成したものも含まれる。
本発明にかかる遊技機は、上記目的を達成するために、手段1として、
複数の電気部品を、ハーネスを介して電気的に接続させた遊技機において、
前記ハーネスを拘束する少なくとも1本の帯状の可撓性の結束バンドと、
該結束バンドを封止する少なくとも一つのバンド封止部が備えられ、
前記結束バンドは、一方に連結部が設けられ、他方に係止部が設けられ、両者間にハーネスを拘束するための拘束部が設けられており、
前記バンド封止部は、前記結束バンドの前記係止部を脱出不能に保持する取付部と、前記連結部を挿通する通路部とを有し、
該通路部の内部に、前記ハーネスの拘束方向への前記結束バンドの移動を許容し、その拘束状態を解除する方向への前記結束バンドの移動は阻止されるように、前記結束バンドの前記連結部に係合する係合維持部材が設けられ、且つ、
前記通路部に、前記係合維持部材よりも出口側に位置されて、その出口側から見たときに前記係合維持部材を略々隠す状態に、防御壁が設けられ、
以って、前記結束バンドの切断による前記ハーネスの封止解除において前記結束バンドの一部が前記封止部に残るように構成されている、
ことを特徴とする。
このような構成によって、結束バンドによって、遊技機に敷設されるハーネス(及びコネクタ)を、封止解除痕跡を残すことなく解除出来ない封止状態とすることができ、この結束バンドを切断乃至破壊しなければ、その封止状態を解除してハーネスを取り外し、或いは取り替えできないのであり、従って、ハーネスに対して不正が行われた際には、その痕跡、即ち、バンド封止部の取付部に結束バンドの係止部が保持されていることで、その結束バンドの一部がバンド封止部に残ることとなって、ハーネスに対する不正を未然に回避させることができるのである。
前記防御壁が係合突片維持部材(係合位置)よりも出口側に位置することにより、出口側からの不正具の侵入を防御して不正を防止することができる。例えば、その他、この防御壁を係合維持部材よりも入口側に位置するようにすれば、入口側からの不正具の侵入を防御し不正を防止することができる。勿論、係合維持部材よりも出口側、及び係合維持部材よりも入口側にそれぞれ防御壁を設けるようにすれば、入口及び出口からの不正具の侵入を防止することができるため好ましい。
前記防御壁は、例えば、通路部を曲形成(湾曲状又は屈曲状)にすることによって形成することができる。出口からの不正具の侵入を防止する曲形成の通路部とした場合、通路部のうち出口から係合維持部材までが曲形成とされ、その湾曲(屈曲)部分の内曲面を形成する壁が例えばドライバーなどの棒状の不正器具を出口から係合維持部材に直進させることを防止する防御壁として機能することとなる。
また、このように通路部を曲通路状に形成した場合には、係合維持部材を通路部の外曲面側に配置すれば、結束バンドの可撓性質を利用して係合維持部材を連結部とが係合状態を維持し易くなる。
さらに、上記した曲形状の通路部の内曲面による防御壁に加えて、可撓性の不正器具を用いた不正(例えば細長形状の板バネなどを通路部の外曲面に押し付けるなどして変形させながら侵入させ、連結部と係合維持部材との間に不正器具を挿入させて係合解除し、結束バンドを抜き取る)を防止する防御壁を形成しえもよい。この場合、曲通路の外曲面に対して一体又は別体の壁(突起)を形成することによって防御壁を形成するこができる。
手段2:手段1の遊技機において、
前記防御壁が、前記バンド封止部の前記通路部の一部を突部として形成されるように構成されており、前記係合維持部材の係合爪部が前記通路部の突部の上面の仮想延長面よりも低い位置になるように構成されていることを特徴とする。
このように、前記防御壁を通路部の一部を突部として形成することで構成することにより、不正を行う者が、ピアノ線等を前記通路部の出口側から挿入して前記係合維持部材と前記結束バンドとの係合を解除しようとしても、突部の下面に沿って進入してきたピアノ線等は、突部の下面に沿って進行することになり、その結果、この突部の上面の仮想延長面よりも上側において前記係合維持部材と前記結束バンドとの係合がなされているので、この係合部分に作用して解除操作を行うことが出来ないのであり、従って、両者の係合状態の不正解除を未然に回避できるのである。
手段3:手段1の遊技機において、
前記係合維持部材が、弾性を有する一枚の金属板で構成され、その係合爪部が、前記通路部の出口側に向けて傾斜するよう折り曲げられていることを特徴とする。
このように、係合維持部材が、弾性を有する一枚の金属板で構成されることで、結束バンドの結束部が拘束方向へ移動するのは弾性変形することで許容し、拘束解除方向への移動は、その折り曲げ傾斜方向が逆であるところから、結束バンドに対する噛み込みとなって、阻止されることになるのであり、かかる係止作用が簡単な構造で実現できるのである。
手段4:手段3の遊技機において、
前記係合維持部材が弾性を有する一枚の金属板で構成され、前記防御壁が、該金属板の一部で一体に形成されていることを特徴とする。
このように、前記係合維持部材の金属板を用いて前記防御壁を形成することで、前記バンド封止部の前記通路部の構成を簡単なものとすることができ、敷設する係合維持部材の方を加工することで簡単に結束バンドの係止が行い得る。
手段5:手段3の遊技機において、
前記係合維持部材が弾性を有する一枚の金属板の打ち抜き加工により、該金属板の一側部において、内側位置に前記係合爪部が、その外側位置に前記防御壁が形成され、夫々、前記通路部の出口側に向く方向に折り曲げ形成されていることを特徴とする。このように、一枚の金属板に対する1回の打ち抜き加工でもって、前記係合爪部と前記防御壁とが一度に形成できる所定の角度で折り曲げることで簡単に製作できるのである
手段6:手段1乃至手段5の遊技機において、
前記バンド封止部が、前記取付部を有する取付部側部材と、該取付部側部材を係脱不能に係止する支持側部材とで構成され、前記通路部の一部が、これら取付部側部材と支持側部材とによって形成されていることを特徴とする。
このように、バンド封止部を二部材で構成し、両者を係脱不能に係止させると共に両者を係止させることで前記通路部の一部を形成する構成としたことで、成形上困難な通路部を形成する上で、金型の構造を簡単に出来る等、製作が簡単となる。
手段7:手段6の遊技機において、
前記係合維持部材が、前記支持側部材に仮止めされ、且つ、前記取付部側部材と支持側部材とによって挟持されて位置固定されていることを特徴とする。
このように、前記取付部側部材と支持側部材とを係脱不能に係止させる構成を用いて、前記係合維持部材を両者の間に挟持、固定させるものであり、その係合維持部材の設置、固定がビスやボルト等を用いなくても簡単に行い得る。
手段8:手段1乃至手段7の遊技機において、
前記通路部の入口側が前記取付部側部材に下向きに形成され、前記通路部の出口側が前記支持側部材の前面と前記取付部側部材の背面とによって上向きに形成され、前記通路部の出口側が前記取付部の上部に並置され、前記通路部の入口側が前記取付部よりも下方に位置されていることを特徴とする。
このように構成することで、前記結束バンドの係止部が前記取付部に保持された状態で、下方の入口側から前記通路部に挿入れた結束バンドは、この前記取付部と前記通路部の入口側との間でハーネスを拘束できるのであり、且つ、前記通路部の出口側が前記取付部の上部に並置されているので、前記結束バンドの先端側は、ハーネスの拘束状態において高い位置に位置されることになり、結束バンドを略360度曲げた状態で、即ち、ハーネスを略一周するが如き状態でしっかりと絞り込んで拘束することができるのである(縄等で結束するばあい、対象物を周回(巻回)乃至周回交差させた状態で絞る方が絞り易い)。
手段9:手段6乃至手段8の遊技機において、
前記支持側部材が基板ケースの一部に一体的に形成されていることを特徴とする。
このように、前記支持側部材を基板ケースの一部に一体的に形成する構成としたことにより、前記支持側部材を基板ケースの成形と同時に形成できるものであり、製作コストが低減できると共にここに前記取付部側部材を係止させることで封止部が完成できて、バンド封止部の構成部材点数を少なくすることができ、また、ハーネスが接続される基板ケースに対して直接ハーネスを封止させることができて、結束バンドの切断乃至破壊による封止の不正解除と共に基板ケースも一体化されることになるので、基板ケースとハーネスとの封止状態も発生すことになり、通常設けられている基板ケースの封止の不正解除に際しては、ハーネスの不正解除も行わなければならないという二重の封止状態が得られる。
手段10:手段6乃至手段8の遊技機において、
前記支持側部材が、基板ケースに設けられ嵌め込み部に対して係脱不能に係止されるように構成されていることを特徴とする。
このように、前記支持側部材が、更に基板ケースの嵌め込み部に対して嵌め込み係止される構成とすることで、ハーネスの封止作業を、前記支持側部材と前記取付部側部材とを係合し、ハーネスの封止を行った後に基板ケース側に係脱不能に嵌め込み係止させるか、基板ケース側に支持側部材を係脱不能に嵌め込んだ後に前記取付部側部材を係合させ、ハーネスの封止を行うようにするか、状況に応じて選択が可能となり作業上便利である。
手段11:手段1乃至手段10の遊技機において、
前記結束バンドの前記係止部が、抜け止め用のV字形フックと、該V字形フックの基部に設けられ、該V字形フックの自由端側に対向するように延設された締め込み用当り部とを備えており、前記取付部には、前記V字形フックを嵌入させる嵌入部と、該嵌入部の内部に突設された支持突起とが備えられ、前記V字形フックの自由端部が変形されながら前記嵌入部に挿入されると前記支持突起の下方で復元して前記支持突起の下面に係合し、前記嵌入部からの抜け出しが阻止されるように構成され、且つ、前記締め込み用当り部が前記支持突起の上面に接当して、前記結束バンドの締め付け力を支持するように構成されている、ことを特徴とする。
上記のように、前記係止部の構造としてV字形フック、締め込み用当り部を備え、前記取付部として、嵌入部、支持突起を備えることで、結束バンドの封止に際してハーネスを締めこむと、前記V字形フックの自由端部が前記支持突起の下面に接当して前記結束バンドの前記嵌入部からの抜け出しを阻止し、前記締め込み用当り部が前記支持突起の上面に接当して、前記結束バンドの締め付け力を支持することができ、強固な締め付け作用が得られるものである。
また、前記V字形フックの自由端は、その弾性変形により嵌入部の内部の支持突起の下面に係合して再脱出が不能の状態であるので、不正が行われて結束バンドが破断乃至破壊されたとしても、この係止部が前記取付部に残ることになり、不正があったことが目視できるのである。
手段12:手段11の遊技機において、
前記V字形フックの基部から前記締め込み用当り部とは反対側に向けてU字形部の基部が延設されており、該U字形部89のU字折り返し部から伸びて、その延長上に前記連結部が形成されている、ことを特徴とする。
このように、V字形フックの基部から前記締め込み用当り部とは反対側に向けてU字形部の基部が延設され、且つ、折り返されたU字形部のU字折り返し部が、前記締め込み用当り部と所定の間隔を隔てて伸び、その延長上に前記連結部が形成されていることによって、メンテナンス等ハーネスの封止を解除する場合に、前記締め込み用当り部(少なくともここから先でハーネスとの接当がある)とは反対側に向いて伸びていて、ハーネスに接当していないU字形部を用いて結束バンドを切断することができ、ハーネスを損傷する虞がないのである。また、U字形部の基部が伸びる方向と、U字に折り返しされて前記連結部が伸びる方向とは逆向きとなるので、ハーネスの封止に際して前記連結部を引っ張る力が、このU字形部の存在によって直接にV字形フックに伝達されることがなく、そのU字形部の変形で吸収することができて、V字形フックを変形させ、抜け防止機能を低下させといった虞が少なくなる利点がある。
手段13:手段12の遊技機において、
前記締め込み用当り部に対応する前記U字折り返し部に、前記結束バンドの幅方向に突起板が夫々突出形成されており、該突起板の前記連結部側の端面に接当する当り部が夫々前記取付部に設けられ、前記ハーネスの締め込み作用において、前記結束バンドの引っ張り力を前記当り部により受け止めるように構成されている、ことを特徴とする。
このように、前記U字折り返し部に、前記結束バンドの幅方向に突起板が夫々突出形成されており、該突起板の前記連結部側の端面に接当する当り部が夫々前記取付部に設けられていることによって、結束バンドの一端部を引っ張り、ハーネスの締め込み作用を行うときに、その引っ張り力を、前記突起板の前記連結部側の端面を介して、前記取付部の当り部で受け止めることができて、その引っ張り力を前記U字形部に伝達されるのを阻止乃至緩衝させ、引いてはV字形フックにまで伝達されないようにして、より一層確実に、その嵌入部からの抜け出し作用を生じさせないようにすることができる。
手段14:手段1乃至手段13の遊技機において、
前記結束バンドの他側部の先端部が、平面視で円弧状を成すように構成され、且つ、該先端部又は先端部近傍位置に把持用凹凸部が形成されている、ことを特徴とする。
このように、結束バンドの他側部の先端部が、平面視で円弧状を成すように構成されていることで、前記取付部の通路部への挿入がスムース、且つ容易となり、また、先端部又は先端部近傍位置に把持用凹凸部が形成されたことで、ハーネスの封止に際して結束バンドの他側部を引っ張るときに、把持したときの摩擦抵抗が大きくなって、ハーネスの締め付け作用を引き出し易くなる。
手段15:手段1乃至手段14の遊技機において、
前記防御壁が、前記バンド封止部の前記通路部の上面の一部を膨出部として形成され、前記係合維持部材の係合爪部が前記通路部の膨出部の接線方向よりも通路部の内部側に位置するに構成されていることを特徴とする。
このように、前記防御壁を通路部の一部を膨出部として形成することで構成することにより、不正を行う者が、ピアノ線等を前記通路部の出口側から挿入して前記係合維持部材と前記結束バンドとの係合を解除しようとしても、膨出部の接線方向に沿って進入してきたピアノ線等は、膨出部の接線方向に沿って進行することになり、その結果、この接線方向よりも上側において前記係合維持部材と前記結束バンドとの係合がなされているので、この係合部分に作用して解除操作を行うことが出来ないのであり、従って、両者の係合状態の不正解除を未然に回避できるのである。
手段16:手段1乃至手段15のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、このような構成によって、結束バンドによって、パチンコ機に敷設されるハーネス(及びコネクタ)を、封止解除痕跡を残すことなく解除出来ない封止状態とすることができ、この結束バンドを切断乃至破壊しなければ、その封止状態を解除してハーネスを取り外し、或いは取り替えできないのであり、従って、ハーネスに対して不正が行われた際には、その痕跡、即ち、バンド封止部の取付部に結束バンドの係止部が保持されていることで、その結束バンドの一部がバンド封止部に残ることとなって、ハーネスに対する不正を未然に回避させることができるのである。
手段17:手段1乃至手段15のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、結束バンドによって、スロット機に敷設されるハーネス(及びコネクタ)を、封止解除痕跡を残すことなく解除出来ない封止状態とすることができ、この結束バンドを切断乃至破壊しなければ、その封止状態を解除してハーネスを取り外し、或いは取り替えできないのであり、従って、ハーネスに対して不正が行われた際には、その痕跡、即ち、バンド封止部の取付部に結束バンドの係止部が保持されていることで、その結束バンドの一部がバンド封止部に残ることとなって、ハーネスに対する不正を未然に回避させることができるのである。
手段17:手段1乃至手段15のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、これに敷設されるハーネス(及びコネクタ)を、封止解除痕跡を残すことなく解除出来ない封止状態とすることができ、この結束バンドを切断乃至破壊しなければ、その封止状態を解除してハーネスを取り外し、或いは取り替えできないのであり、従って、ハーネスに対して不正が行われた際には、その痕跡、即ち、バンド封止部の取付部に結束バンドの係止部が保持されていることで、その結束バンドの一部がバンド封止部に残ることとなって、ハーネスに対する不正を未然に回避させることができるのである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1乃至図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モータなどで構成されている。音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12B内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、始動口33が配置されている。これら一般入賞口31、31および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。
そして、この一般入賞口31、31及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図7のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、セット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
図5に示す一般入賞口31、始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、略L字状をなす取付台を有し、この取付台に主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケース201Aに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、取付台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯し、状態表示812が「1」を点滅表示する。
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯する。そして、状態表示812が「2」を点滅表示する。
(払出ユニット異常)
払出モータ駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED811が消灯し、状態表示812が、「3」を点滅表示する。
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、図6に示すモニターLED816及びモニターLED817が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示812が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示812が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED818が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、819は、遊技機電源コードを示し、820は、電源スイッチを示し、821は、外部接続アース線を示す。
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
前記第1制御基板ユニット201は、第1基板ケース201A、後述の開閉機構410および連結取付台座部材430を含み、第1基板ケース201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図16に示すように、外側ケース70および内側ケース85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。
この第1基板ケース201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封印部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封印部86と、その外側封印部71と内側封印部86とを連結する封印部材87とを有し、その封印部材87によって前記外側封印部71と内側封印部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1基板ケース201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
前記外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封印部(封印、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封印部材87を用いて封印するよう構成されたものであり、こうした封印構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1基板ケース201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図16に示すようにそのコの字の底板部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
前記第1部材としての支持体412のコの字の底板部分にはネジ孔が設けられ、図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。そして、このブラケット413は、板状体で構成されて第1係合部414(後述の連結取付台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1基板ケース201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備えるネジであり、具体的には例えば図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413Aが形成されており、その支持部413Aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。
尚、前記第1基板ケース201Aは、既述の通り、外側封印部71を備える外側ケース70と内側封印部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
次に、図9乃至図19に基づいて、連結取付台座部材430について述べる。
この連結取付台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1基板ケース201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための取付台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1基板ケース201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1基板ケース201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1基板ケース201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本ずつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
前記第1基板ケース201Aのうち、前記連結取付台座部材430と連結封止される部位である第1取付台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1基板ケース201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1取付台座封止部450は、外側ケース70の外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており、従って、第1基板ケース201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封印部71と内側封印部86に重なることなく、視認できる状態にある。
即ち、前記外側封印部71と内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450が配置され、且つ、前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、前記第1取付台座封止部450が見えるように前記外側および内側封印部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
そして、前記連結取付台座部材430には、前記第1基板ケース201Aの前記第1取付台座封止部450と連結封止される部位である第2取付台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1取付台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2取付台座封止部432の構造は、この連結取付台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底板分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
前記連結取付台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433C、433D(図18参照)が設けられる。この第2係合部433C、433Dは、この実施例では、前記連結取付台座部材430の本体とは別体成型の後述する第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結取付台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結取付台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90度未満の小角度(例えば20〜60度程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は、金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合突片部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433C、433Dとの係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433C、433Dと係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1基板ケース201Aが球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1基板ケース201A側(連結取付台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
ここで、更に、前記連結取付台座部材430について詳述する。前記第2係合部433C、433Dを被覆するべく前記連結取付台座部材430には、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bが備えられている。第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されたもので、第2被覆部材430Bは、前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされ、且つ、その少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部414を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433C、433Dが設けられるが、その第2係合部433C、433Dの薄板を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結取付台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1基板ケース201Aが位置された状態となり、前記第1基板ケース201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
また、前記連結取付台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433C、433Dを金属製の係合部材により構成してある。
前記第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結取付台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1基板ケース201Aの裏面に沿って第1、第2取付台座封止部450、432や第1連結部の位置する側から第1基板ケース201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結取付台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結取付台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、前記連結取付台座部材430の内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記連結取付台座部材430に対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合部430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封印部により封印されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2取付台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
更に、連結取付台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1基板ケース201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
次に、第1被覆部材430Aが前記連結取付台座部材430に一体形成されるのに対し、第2被覆部材430Bが前記連結取付台座部材430に組み合わせるよう別体構成とされることで、第2係合部433C、433Dを被覆することを行い得ながら、第2係合部433C、433Dを第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433C、433Dを前記連結取付台座部材430の内部に備えることができる。
また、前記連結取付台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1基板ケース201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433C、433Dの被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
更に、連結取付台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の取付台座を必要とすることがない状態で、その第1基板ケース201Aの開閉を行い得るのである。
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433C、433Dを金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433C、433Dの係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
また、前記第2係合部433C、433Dを板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への進入がガイドされてスムースに行い得るのである。
また、外側ケース70の前記外側封印部71と内側ケース85の内側封印部86の位置する側に前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封印部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2取付台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
また、第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結取付台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1取付台座封止部450及び第2取付台座封止部432の連結が行い易いのである。
更に、前記第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、連結取付台座部材430の前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを連結取付台座部材430に向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
また、連結取付台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1基板ケース201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1取付台座封止部450と第2取付台座封止部432との封止を行うことができる。
(開閉機構の一部変形例)
上記開閉機構410の他端側である第2部材、第1、第2取付台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
例えば、製造時において開閉機構端部を連結取付台座部材挿入口に挿入して連結する操作に際し、第1、第2取付台座封止部の間に、前記開閉機構410の他端側である第2部材の一部が入り込む(挟まれる)ように構成されており、次回以降の連結封止では、これら3部品を一つの破断ネジで留めるようにする。この開閉機構410の他端側である第2部材は、第3取付台座封止部を構成するもので、前記ブラケット413の本体部の両側部から、前記支持部413Aとは反対側に向けて延設され、且つ、その後にブラケット本体部と平行になるように曲折された細幅の取り付け板416からなり、その取り付け板416に2個一対のネジ孔(後述の連結取付台座部材430と第1基板ケース201Aに対する)が形成されている(ネジ孔ではあるがネジ切りはされていない;図20参照)。
また、第1取付台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2取付台座封止部432及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体を方形状に打ち抜いて開口係合部417が形成されており、該開口係合部417に前記第2係合部433C、433Dの舌片433dの係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、カバー部材501が介装されている。図14及び図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記カバー部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
上記カバー部材501を設けた主たる目的は、球集合板460の裏面に設けられた種々の電気部品、例えば、遊技盤30の表面に設けられた電飾用の基板等の電気部品、配線などを保護することになる。即ち、この球集合板460の裏面に露出された状態に配置されているものであるから、裏面側からアタック(多の部品の組み付け時、或いは基板ケースの開閉時)に際して、破損、破断が生じる虞がある。
この他に、球集合板460の裏面中央には、中継基板470、これにつながるコネクタ、配線が設けられている。ここでは、中継基板470は、表裏2段配置に構成されており、裏面側(外側)では、第1制御基板ユニット201からの入力を、大入賞口作動のための中継とし、また一部の電飾に中継し、また、入球を検知するセンサーの出力を中継している。同様に、内側の中継基板については、電飾等の中継を行う。
また、球集合板460の裏面に露出されている基板としては、大当たりに際して開く大入賞口装置471(図5参照)のための制御(ソレノイド、センサー)を行う中継基板473がある。これらの中継基板470、中継基板473については、この実施例では、前記カバー部材501の被覆対象外となっている。即ち、これらの中継基板470、中継基板473を覆いから外すように、即ち、その中継基板470に対しては、このカバー部材501の一部を凹ませた形状とし、その中継基板473については、中抜き形状(窓)として、そのカバー部材501の形状が採られている。
上記カバー部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空体(箱形)に形成され、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
上記カバー部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、カバー部材501の補強の機能だけでなく、該カバー部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
上記カバー部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、内部での不正行為の有無等が外側から容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
上記カバー部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記カバー部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記カバー部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該カバー部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にしてカバー部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
前記第1基板ケース201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のようなカバー部材501の支持構造とすることにより、該カバー部材501は図14に示すように第1基板ケース201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該カバー部材501と第1基板ケース201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
上記カバー部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、カバー部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520aと第2封止部520bとを有している。この第1封止部520aおよび第2封止部520bについて以下順次説明する。
図20に示すように、第1封止部520aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
カバー部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、カバー部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、カバー部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
一方、球集合板460において上記カバー部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底板にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記カバー部材501の挿入部514に螺合し、これによりカバー部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
第2封止部520bは、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
カバー部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底板から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(カバー部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、カバー部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち、例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。
上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520bの切断部515Aとなっている。
一方、図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
図20に示すように、カバー部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(カバー部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これによりカバー部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522Aと内側頭部522Bとの間で破断して外側頭部522Aが分離し、内側頭部522Bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522Bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、カバー部材501と球集合板460とが封止された状態となる。一方、前記切断部515Aを切断することにより、カバー部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
カバー部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底板に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。
また、図16に示すように、球集合板460において上記カバー部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(カバー部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520bは、カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点でカバー部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
上記カバー部材501の陥入部分の底板に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413Aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413Aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1基板ケース201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
図9乃至図11ならびに図22に示すように、上記カバー部材501の外側面(第1基板ケース201A側面)における固定端部(図9、図11及び図22では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1基板ケース201A側に)突出するように配設され、一方、第1基板ケース201Aの内側ケース85の自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図22では右方に)突出するように配設されており、図23に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、カバー部材501に一体成型されている。
また、上記カバー部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結取付台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(カバー部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結取付台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結取付台座部材430の外側面(開放側面)とカバー部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1基板ケース201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
(カバー部材の一部変形例)
図24に示すように、上記カバー部材501の内部に形成するリブの数を少なくするようにしてもよい。図24に示す例では、リブの形成が前記実施例の場合よりも大幅に少なく、これに応じて区画された室数も少なくなっている。さらには、カバー部材501の内部にリブを形成せず、内部空間を区画しないようにしてもよく、あるいは、カバー部材の内部に適宜な材料を充填して内部空間を実質的になくすようにしてもよい。
また、上記図24に示す例では、カバー部材501内の壁面に、第2封止部520b用の破断ネジ522を収容する破断ネジ収容部521が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ522がそれぞれ1本づつセットされるようになっている。これにより、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジを1本ずつ取り出し第2封止部520bの3箇所の破断ネジ挿通部515、516に挿通・螺合して次の封止を行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522は封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。この破断ネジ収容部521は、例えば、1本の破断ネジのみを収容する構成としてもよく、この場合にも、破断ネジを未使用の段階ではカバー部材の内部に保持しておくことができる。
また、上記パチンコ機10においては、カバー部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520a、520bで構成される封止手段520を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、カバー部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記カバー部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
上記パチンコ機10においては、遊技盤30の裏面の球集合板460の裏面を覆うようにカバー部材501が設けられていることにより、球集合板460の裏面に配置された中継基板、配線等の電気部品を保護することができ、他の電気部品の組み付け、或いは外部からの他物の接触による電気部品の破損、断線が防止できるのである。即ち、パチンコ機10の組立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると、作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品も少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
又、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。さらに、このカバー部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
さらに、封止手段520が第1封止部520aと第2封止部520bとを有し、第1封止部520aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底板に有する凹部465と、カバー部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、カバー部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態ではカバー部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
さらに、第2封止部520bが、カバー部材501に背面側から挿通されてカバー部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、カバー部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底板に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易にカバー部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、カバー部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520bによって再度カバー部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的としてカバー部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながらカバー部材501の封止状態を解除することができる。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、またカバー部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
さらに、カバー部材501の内部に、第2封止部520b用の破断ネジ522を1本またはそれ以上収容する破断ネジ収容部521が配設されていることにより、破断ネジ収容部521に破断ネジ522を収容しておくようにすれば、カバー部材501の封止を解除して開放するごとに、破断ネジ522を1本ずつ取り出して次の封止を第2封止部520bで行うようにすることができ、未使用の破断ネジ522がある段階ではこれを封止した状態のカバー部材501の内部に確実に保持しておくことができる。
さらに、カバー部材501のコーナー部に第1封止部520aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520bが設けられていることにより、第1封止部520aによってカバー部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、このカバー部材501の封止を第2封止部520bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部520a、520bが設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
さらに、カバー部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、カバー部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
さらに、カバー部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、カバー部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、カバー部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したようにカバー部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、カバー部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のようにカバー部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
さらに、カバー部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、カバー部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際してカバー部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これらカバー部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、カバー部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、カバー部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460にカバー部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部がカバー部材501で覆われるようにすることで、電気部品がカバー部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図22には、球集合板460にカバー部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、カバー部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460およびカバー部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程の作業性がとりわけ良好である。
(特徴構成)
次に、図25乃至図41に基づいて詳述する。複数の電気部品(例えば、表示制御基板、図柄表示装置、状態感知装置(通常・時短・確変状態、又は特別図柄・普通図柄の報知、特別図柄保留ランプ、普通図柄保留ランプ)、音声制御基板、スピーカ、ランプ制御基板、払出制御基板、払出モータ等)を、ハーネス72を介して電気的に接続させた遊技機において、前記ハーネス72を拘束するための拘束部73Aと、該拘束部73Aの一側部に設けられた連結部73Bと、該拘束部73Aの他側部に設けられた係止部73Cとを有する結束バンド73と、該結束バンド73を封止する、ここでは4個のバンド封止部81が並置状態で一体的に備えられている。
前記バンド封止部81は、前記取付部74を有する取付部側部材81Aと、該取付部側部材81Aを係脱不能に係止する支持側部材81Bとで構成され、取付部側部材81Aは、前記結束バンド73の前記係止部73Cを脱出不能に保持する取付部74と、前記連結部73Bを挿通する通路部74Dとを有し、該通路部74Dに係合維持部材75Aを有する。即ち、前記バンド封止部81は、前記結束バンド73の前記係止部73Cを係止する受容部74Cと、結束バンド73を脱出不能に保持する受け部74Aとを有する取付部74と、前記連結部73Bを挿通する通路部74Dとを有し、前記結束バンド73の拘束部73Aと前記取付部74の受け部74Aとの間にハーネス72が配置され、前記係止部73Cが取付部74に係脱不能に係止され、前記連結部73Bが、前記通路部74Dに設けられた係合維持部材75Aにより係合、連結されることによって、前記ハーネス72が、前記結束バンド73に封止解除痕跡を残すことなく解除出来ない封止状態となるように構成されている。即ち、72前記通路部74Dの内部に、前記ハーネスの拘束方向への前記結束バンド73の移動を許容し、その拘束状態を解除する方向への前記結束バンド73の移動は阻止されるように、前記結束バンド73の前記連結部73Bに係合する係合維持部材75Aが設けられているのである。更に、前記通路部74Dに、前記係合維持部材75Aよりも出口側に位置されて、その出口側から見たときに前記係合維持部材75Aを略々隠す状態に、防御壁83が設けられている。
この実施例では、前記取付部74が、第1制御基板ユニット201の主制御装置261の中心たる主制御基板を収容する第1基板ケース201Aの内側ケース85である蓋体をその取り付け対象とするが、図33乃至図35に示すごとく、前記第1基板ケース201Aとは別体に構成されたものである(該第1基板ケース201Aの一部がバンド封止部81の一部とされることもある)。そして、ここでは、前記バンド封止部81が、前記取付部74を有する取付部側部材81Aと、該取付部側部材81Aを係脱不能に係止する支持側部材81Bとで構成され、前記通路部74Dの一部が、これら取付部側部材81Aと支持側部材81Bとによって形成されている。
又、前記結束バンド73は、合成樹脂製の可撓性の帯状体(基本的に一般のインシュロックと類似している)で構成されており、封止状態を得る連結については、その帯状体の結束バンド73と、前記係合維持部材75Aとの係合によって行われる。但し、便宜上、以下の説明(図25以降)における第1基板ケース201Aの蓋体の外形は、上記実施例で示す第1基板ケース201A(平面視略長方形)と異なる形状(平面視略L形)のものを用いて説明する。
先ず、図25乃至図27に示すように、第1基板ケース201Aの蓋体は、平面視略L形を成すように構成されている。図25及び図26は、取付部74が嵌入される前の状態を示し、図27は、これが嵌着された状態の斜視図である。この第1基板ケース201Aの蓋体の一部に、内部収納の主制御基板から外部に信号を送り、また、主制御基板へ信号を入力する3つのコネクタ接続部97、98、99、が設けられており、その一側に近接して、前記取付部74を取り付けるための嵌め込み部96が形成されている。この嵌め込み部96の底部には、前記取付部74を係脱不能に係合させるべく2箇所穿孔された係合孔からなる係入部95が設けられており、ここに取付部74の下部から下方に延設された2つの嵌合係止部74Bが嵌合されて前記取付部74が取り外し不能に取り付けられるのである。そして、前記嵌め込み部96の一部には、前記取付部74に係止された結束バンド73を通路部74Dに挿入したときのガイドを成す斜面乃至曲面の案内壁96Aが区画状態で4条並んで形成されている(図25、図32及び図33参照)。
図27は、第1基板ケース201Aの蓋体の要部の縦断側面図であり、ここにおいて、一つの結束バンド73により、ハーネス72が封止状態とされている。もう一つの結束バンド73は、使用中の結束バンド73が必要に応じて破断された後、次の封止を部材行うためのもので、予め、取付部74に仮り止め状態(ハーネスの絞りこみ方向への移動は可能だが引き抜き方向への移動は不能)で保持されている。こうした仮り止め状態の結束バンド73は3個準備されている。
図29乃至図31は、合成樹脂製の可撓性の帯状体からなる結束バンド73を示すもので、図29はその斜視図、図30は底面図、図31は、その側面図である。前記結束バンド73は、上述のように合成樹脂製の可撓性の結束バンド73で構成され、前記係止部73Cが、ここでは、抜け止め用のV字形フック94で構成されており、更に、該V字形フック94の基部に設けられ、且つ、該V字形フックの自由端側に対向するように延設された締め込み用当り部93を備えている。因みに、ここでは、結束バンド73は、全長50mm、幅4mm、V字形フック94の高さが4mmのものである。
更に、前記V字形フック94の基部から前記締め込み用当り部93とは反対側に向けてU字形部89の基部が延設されており、該U字形部89のU字折り返し部89Aが、前記締め込み用当り部93と所定の間隔を隔てて伸び、その延長上に前記連結部73Bが形成されている。因みに、ここでは、前記U字形部89の基部からU字の曲がり部までは、5mmとされている。前記連結部73Bには、前記係合維持部材75Aの係合爪部75Bに対して前記結束バンド73の緩み方向においてのみ係合する噛み込み部73Gが所定の長さに亘って設けられている。この噛み込み部73Gは、前記結束バンド73の素材が比較的柔らかいものであれば、単なる平板状態のままでよいが、この実施例のように比較的硬度のある素材であれば、表面に僅かのギザギザ状態の凹凸を形成することで構成している。
そして、前記係止部73Cに、前記取付部74に係合解除不能に係合する係合爪状体、ここでは、前記V字形フック94が備えられ、前記結束バンド73の他側部に前記連結部73Bが設けられるのである。
又、前記締め込み用当り部93に対応する前記U字折り返し部89Aに、前記結束バンド73の幅方向に突起板88が夫々突出形成されており、該突起板88の前記連結部73B側の端面に接当する当り部84が夫々前記取付部73Bに設けられ、前記ハーネス72の締め込み作用において、前記結束バンド73の引っ張り力を前記当り部84により受け止めるように構成されている。
加えて、前記結束バンド73の他側部(自由端)の先端部73Eが、平面視で円弧状を成すように構成され、且つ、該先端部73Eの近傍位置に把持用凹凸部73Fが形成されている。
図32は、上記係合維持部材75Aの斜視図であり、弾性を有する一枚の薄い金属板の板金加工により構成され、前記結束バンド73に対する係合のための4枚の係合爪部75Bが所定の間隔で所定の折り曲げ角度でもって形成されている。因みに、ここでは、係合維持部材75Aの全長は、30mmで、幅は3mm、前記係合爪部75Bの長さは、約2mmである。この係合維持部材75Aは、前記取付部74の底面側に形成された窪みに嵌め込まれた係止状態で設けられている。従って、この係合維持部材75Aの反対側面は、第1基板ケース201Aの蓋体の前記嵌め込み部96の上面に位置されることになり、その結果、更に、前記取付部74の底面と前記嵌め込み部96の上面との間で挟持されることになる。
図33乃至図35は、前記取付部74の斜視図であり、この部材は、樹脂成形により第1基板ケース201Aの蓋体とは別体に構成されたものであり、上述のように、前記結束バンド73の係止部73Cを係止する受容部74Cと前記ハーネス72を受け止める曲面受け部74Aを有し、且つ、4本の可撓性の帯状体の結束バンド73を設置できるように、4本の通路部74Dが形成されている。このように、前記取付部74には、前記支持突起91の反対側に、前記ハーネス72を受け止める曲面受け部74Aが設けられていると共に該曲面受け部74Aの下端には、前記結束バンド73を挿通する通路部74Dが形成されているが、該通路部74Dは、湾曲されて前記嵌入部92の背面に連通されており、更に、該通路部74Dに面して前記係合維持部材75Aが位置され、その通路内に係合爪部75Bが突出されている。
そして、前記取付部74には、更に、前記受容部74Cの具体構成として、前記V字形フック94を嵌入させる嵌入部92と、該嵌入部92の内部に突設された支持突起91とが備えられ、前記V字形フック94の自由端部94Aが変形されながら前記嵌入部92に挿入されると前記支持突起91の下方で復元して前記支持突起91の下面に係合し、前記嵌入部92からの抜け出しが阻止されるように構成され、且つ、結束バンド73の前記締め込み用当り部93が前記支持突起91の上面に接当して、前記結束バンド73の締め付け力を支持するように構成されている。
図36乃至図38は、夫々、前記取付部74に結束バンド73を装着した状態を示す。そして、図39乃至図41は、封止解除と再封止の部材作用を示し、図39においては、封止解除のために、結束バンド73がそのU字形部89において切断される状態を示し、図40は、切断後の状態を示し、図41は、次の結束バンド73を用いて、再度封止を行った状態を示す。図39において、78は、切断刃を示す(U字形部89に切り込まれている状態)。図41において、一回目の封止解除が、その結束バンド73のU字形部89の残りによって目視できる。尚、取付部74の支持板は、本来第1基板ケース201Aの蓋体であるが、これらの図示では、簡略化のために模式的に平板状体として示す。
(作用)
上述のような構成によって、結束バンド73によって、遊技機に敷設されるハーネス72を、封止解除痕跡を残すことなく解除出来ない封止状態とすることができ、この結束バンド73を切断乃至破壊しなければ、その封止状態を解除してハーネス72を取り外し、或いは取り替えできないのであり、従って、ハーネス72に対して不正が行われた際には、その痕跡、即ち、バンド封止部81の取付部74に結束バンド73の係止部73Cが保持されていることで、その結束バンド73の一部(係止部73C他)がバンド封止部81に残ることとなって、ハーネス72に対する不正を未然に回避させることができるのである。
そして、前記防御壁83が、通路部74Dの一部を段部として形成されることで、不正を行う者が、ピアノ線等を前記通路部74Dの出口側から挿入して前記係合維持部材75Aと前記結束バンド73との係合を解除しようとしても、段部の上面に沿って進入してきたピアノ線等は、段部の上面の仮想延長面に沿って進行し、この段部の上面の仮想延長面よりも下側において前記係合維持部材75Aと前記結束バンド73との係合がなされているので、この係合部分に作用して解除操作を行うことが出来ないのであり、従って、両者の係合状態の不正解除を未然に回避できるのである。
更に、係合維持部材75Aが、弾性を有する一枚の金属板で構成されることで、結束バンド73の結束部73Bが拘束方向へ移動するのは弾性変形することで許容し、拘束解除方向への移動は、その折り曲げ傾斜方向が逆であるところから、結束バンド73に対する噛み込みとなって、阻止されることになるのであり、かかる係止作用が簡単な構造で実現できるのである。
また、前記係合維持部材75Aが弾性を有する一枚の金属板で構成され、前記防御壁83が、該金属板の一部で一体に形成されていることで、前記バンド封止部81の前記通路部74Dの構成を簡単なものとすることができ、敷設する係合維持部材75Aの方を加工することで、不正防止の防御壁83の形成と、結束バンド73の係止が簡単行い得る。
このような構造を、一枚の金属板の打ち抜き加工により、該金属板の一側部において、内側位置に前記係合爪部が、その外側位置に前記防御壁が形成され、夫々、前記通路部の出口側に向く方向に折り曲げ形成されれば、一枚の金属板に対する1回の打ち抜き加工でもって、前記係合爪部と前記防御壁とが一度に形成でき、夫々所定の角度で折り曲げることで簡単に製作できるのである。
そして、前記バンド封止部81が、前記取付部74を有する取付部側部材81Aと、該取付部側部材81Aを係脱不能に係止する支持側部材81Bとで構成され、前記通路部の一部が、これら取付部側部材と支持側部材とによって形成されていることで、バンド封止部81を二部材で構成し、両者を係脱不能に係止させると共に両者を係止させることで前記通路部74Dの一部を形成する構成としたことで、成形上困難な通路部74Dを形成する上で、金型の構造を簡単に出来る等、製作が簡単となるのである。
更に、前記係合維持部材が、前記支持側部材に仮止めされ、且つ、前記取付部側部材と支持側部材とによって挟持されて位置固定されていることを特徴とする。
このように、前記取付部側部材と支持側部材とを係脱不能に係止させる構成を用いて、前記係合維持部材を両者の間に挟持、固定させるものであり、その係合維持部材の設置、固定がビス、ボルト等を用いなくても簡単に行い得る。
また、前記通路部74Dの入口側が前記取付部側部材81Aに下向きに形成され、前記通路部74Dの出口側が前記支持側部材81Bの前面と前記取付部側部材81Aの背面とによって上向きに形成され、前記通路部74Dの出口側が前記取付部74の上部に並置され、前記通路部74Dの入口側が前記取付部74よりも下方に位置されていることで、前記結束バンド73の係止部73Cが前記取付部74に保持された状態で、下方の入口側から前記通路部74Dに挿入れた結束バンド73は、この前記取付部74と前記通路部74Dの入口側との間でハーネス72を拘束できるのであり、且つ、前記通路部74の出口側が前記取付部74の上部に並置されているので、前記結束バンド73の先端側は、ハーネス72の拘束状態において高い位置に位置されることになり、結束バンド73を略360度曲げた状態で、即ち、ハーネス72を略一周するが如き状態でしっかりと絞り込んで拘束することができるのである(縄等で結束するばあい、対象物を周回(巻回)乃至周回交差させた状態で絞る方が絞り易い)。
更に、上記の構成によると、前記取付部74が基板ケースとは別体に構成されながら、基板ケースの係入部への嵌合係止部の係入により着脱不能に取り付けるように構成したことで、ハーネス72の封止状態を基板ケースに実現できることとなり、結果としてハーネス72の封止が基板ケースの開閉封止状態にも寄与できることとなって、二重の封止機能を発揮すると共に必要に応じて、先にハーネス72を取付部74に封止させた状態で、基板ケースに係合させることも可能であり、封止手順が選択できる。
そして、上記のように、結束バンド73の前記係止部73Cの構造としてV字形フック94、締め込み用当り部93を備え、前記取付部74として、嵌入部92、支持突起91を備えることで、結束バンド73の封止に際してハーネス72を締めこむと、前記V字形フック94の自由端部94Aが前記支持突起91の下面に接当して前記結束バンド73の前記嵌入部92からの抜け出しを阻止し、前記締め込み用当り部が93前記支持突起91の上面に接当して、前記結束バンド73の締め付け力を支持することができ、強固な締め付け作用が得られるものである。
また、前記V字形フック94の自由端94Aは、その弾性変形により嵌入部92の内部の支持突起91の下面に係合して再脱出が不能の状態であるので、不正が行われて結束バンド73が破断乃至破壊されたとしても、この係止部73Cが前記取付部74に残ることになり、不正があったことが目視できるのである。
更に、前記V字形フック94の基部から前記締め込み用当り部93とは反対側に向けてU字形部U字形部89の基部が延設され、且つ、折り返されたU字形部89のU字折り返し部89Aが、前記締め込み用当り部93と所定の間隔を隔て、且つ、前記締め込み用当り部93の先端部を超える長さに構成され、その延長上に前記連結部73Bが形成されていることによって、メンテナンス等ハーネス72の封止を解除する場合に、前記締め込み用当り部93(少なくともここから先でハーネスとの接当がある)とは反対側に向いて伸びていて、ハーネス72に接当していないU字形部89を用いて結束バンド73を切断することができ、ハーネス72を損傷する虞がないのである。また、U字形部89の基部が伸びる方向と、U字に折り返しされて前記連結部73Bが伸びる方向とは逆向きとなるので、ハーネス72の封止に際して前記連結部73Bを引っ張る力が、このU字形部89の存在によって直接にV字形フック94に伝達されることがなく、そのU字形部89の変形で吸収することができて、V字形フック94を変形させ、抜け防止機能を低下させるといった虞が少なくなる。
また、前記U字折り返し部89Aに、前記結束バンド73の幅方向に突起板が夫々突出形成されており、該突起板88の前記連結部73B側の端面に接当する当り部84が夫々前記取付部74に設けられていることによって、結束バンド73の一端部を引っ張り、ハーネス72の締め込み作用を行うときに、その引っ張り力を、前記突起板88の前記連結部73B側の端面を介して、前記取付部74の当り部84で受け止めることができて、その引っ張り力を前記U字形部89に伝達されるのを阻止乃至緩衝させ、轢いてはV字形フック94にまで伝達されないようにして、より一層確実に、その嵌入部92からの抜け出し作用を生じさせないようにすることができる。
そして、前記取付部74に、前記支持突起91の反対側でハーネス72を受け止める曲面受け部74Aを設けたことによって、結束バンド73の帯状体を締め付けたときに、複数のハーネス72を収まりよく受け止めることができ、その曲面受け部74Aの下端に通路部74Dが設けられることで、ハーネス72を締め付けた帯状体を直ぐに通路部74Dに潜らせて、その締め付けを確実なものとすることができる。そして、前記係合維持部材75Aを前記通路部74D内に位置させることで、結束バンド73の連結部73Bに対する係合維持部材75Aの係合爪部75Bが外部に露出することがなく、外部から容易に外されることがないのであり、これによって、結束バンド73の封止状態をより確実に維持できる。
また、結束バンド73の他側部の先端部が、平面視で円弧状を成すように構成されていることで、前記取付部74の通路部74Dへの挿入がスムース、且つ容易となり、また、先端部又は先端部近傍位置に把持用凹凸部73F72が形成されたことで、ハーネスの封止に際して結束バンド73の他側部を引っ張るときに、把持したときの摩擦抵抗が大きくなって、ハーネス72の締め付け作用を引き出し易くなる。
(係合維持部材と防御壁の別態様)
ここでは、上記実施例の防御壁83の別態様について、図42乃至図46に基づき説明する。
図42は、上記した曲形状の通路部74Dにおいて、可撓性の不正器具を用いた不正(例えば細長形状の板バネなどを通路部の外曲面に押し付けるなどして変形させながら侵入させ、連結部と係合維持部材75Aとの間に不正器具を挿入させて係合解除し、結束バンド73を抜き取る)を防止する防御壁を形成するに、曲通路の外曲面に対して一体又は別体の壁、即ち、突部83−1を形成することによって防御壁83を形成したものを示す。
図43は、前記防御壁として、例えば、通路部74Dを曲形成(湾曲状又は屈曲状)して、即ち、前記バンド封止部の前記通路部74Dの上面の一部を膨出部83−2として形成し、前記係合維持部材75Aの係合爪部が前記通路部74Dの膨出部83−2の接線方向よりも通路部74Dの内部側に位置するに構成されている。
このように、前記防御壁83を、通路部74Dの一部を膨出部83−2として形成することで構成することにより、不正を行う者が、ピアノ線等を前記通路部74Dの出口側から挿入して前記係合維持部材75Aと前記結束バンド73との係合を解除しようとしても、膨出部の接線方向に沿って進入してきたピアノ線等は、膨出部の接線方向に沿って進行することになり、その結果、この接線方向よりも上側において前記係合維持部材75Aと前記結束バンド73との係合がなされているので、この係合部分に作用して解除操作を行うことが出来ないのであり、従って、両者の係合状態の不正解除を未然に回避できるのである。
次に、上記係合維持部材75Aについて、図44乃至図46に基づき説明すると、上記実施例の係合維持部材75Aは、それ自体、結束バンド73に対する係合を行うだけのものであったのに対し、ここでの係合維持部材75A−1は、弾性を有する一枚の金属板で構成されていると共に前記防御壁83が、該金属板の一部で一体に形成されている。
この具体的な構成の一例として、前記係合維持部材が弾性を有する一枚の金属板の打ち抜き加工により、該金属板の一側部において、内側位置に係合爪部75Bが、その外側位置に前記防御壁83が形成され、夫々、前記通路部74Dの出口側に向く方向に折り曲げ形成されている。
図44の平面図に示すように、板金加工において、一枚の金属板に、係合爪部75Bと防御壁83とを区画する切断線が入れられる。図中、破線は、後の折り曲げ位置を示し、F1は、係合爪部75Bの折り曲げ位置、F2は、防御壁83の折り曲げ位置、F3は、防御壁83の先端の折り返し位置を示す。
図45に示すように、内側位置の係合爪部75Bが通路部74Dの出口側に向く方向に、所定の角度で折り曲げられる。
次いで、図45の側面視で示すように、外側位置の前記防御壁83が、同様に通路部74Dの出口側に向く方向に所定の角度で折り曲げ形成されている。この際、その折曲げ位置は、図44に示すように、前記係合爪部75Bの折り曲げ位置よりも、通路部74Dの出口側に位置し、折り曲げにおいては、側面視で2列の状態となる。そして、前記防御壁83の先端は、小さな円弧をもって下側に向けて、所定の長さ分、折り返されている。これは、防御壁83の先端が結束バンド73に噛み込まないようにするためである。更に、この防御壁83の円弧頂部83Aの高さが、前記係合爪部75Bの先端の高さよりも高く位置される。
図46は、係合維持部材75A−1の斜視図であって、折り曲げが完了した状態を示す。
図47は、係合維持部材75A−1の側面視であり、結束バンド73が前記係合爪部75Bに係合している状態で、路部74Dの出口側から不正に挿入されたピアノ線P(又はドライバー)が防御壁83に接当して進行を阻まれている状態を示す。このように、前記係合維持部材75A−1の金属板を用いて前記防御壁83を形成することで、前記バンド封止部81の前記通路部74Dの構成を簡単なものとすることができ、敷設する係合維持部材75A−1の方を加工することで簡単に結束バンド73の係止が行い得る。
そして、このように、一枚の金属板に対する1回の打ち抜き加工でもって、前記係合爪部75Bと前記防御壁と83が一度に形成でき、夫々所定の角度で折り曲げることで簡単に製作できるのである。