JP6197519B2 - サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブ Download PDF

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本発明は、機能性素子の接続が容易であり、かつ、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるサスペンション用基板に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。
HDDの大容量化(高記録密度化)のためには、記録媒体における磁性体粒子のサイズを小さくすることが有効である。しかしながら、磁性体粒子のサイズが小さすぎると、個々の磁性体粒子の磁化は熱的に不安定になり、記録した情報を長時間保持することが困難となる。これは、磁性体粒子のサイズが小さくなると、その異方性磁気エネルギーKuV(Kuは単位体積あたりの磁気異方性エネルギー、Vは磁性体粒子の体積)が小さくなり、磁化が熱揺らぎkT(kはボルツマン定数、Tは絶対温度)によってランダムに配向し、減磁が生じるためである。この限界を超常磁性限界という。
この超常磁性限界を伸ばすためには、保磁力の大きな磁性体粒子を用いることが有効である。しかしながら、保磁力の大きな磁性体粒子を用いると、磁化の極性を反転させるために必要な反転磁界強度が大きくなり、記録媒体に情報を記録することが困難になる。この問題を解決する手法として、熱アシスト記録が知られている(特許文献1〜8、非特許文献1)。熱アシスト記録では、記録の直前に記録媒体を加熱することによって、磁性体粒子の保磁力を一時的に下げて記録を行う。そのため、保磁力の大きな磁性体粒子を用いた場合であっても、記録媒体に情報を記録することが容易となるという利点がある。
特開2009−301597号公報 特開2010−40112号公報 特開2008−159159号公報 特開2008−59695号公報 特開2008−130165号公報 特開2008−59645号公報 特開2010−146655号公報 特開2012−53952号公報
「HDD容量を現行製品の5倍に高め、データセンターの消費電力低減にも貢献する熱アシスト方式の記録ヘッド基本技術を開発」、はいたっく、株式会社 日立製作所、2010年6月号、p.17−18
しかしながら、このような熱アシスト用素子のような記録用素子以外の機能性素子を機能性素子実装領域に実装した場合には、機能性素子とサスペンション用基板との接続が困難であるといった問題がある。
例えば、熱アシスト用素子として、半導体レーザーダイオード素子が知られている。このような熱アシスト用素子に電力を供給する方法として、例えば特許文献6の図8には、スライダ111上に、LD駆動電力供給用リードライン116、117を設ける方法が開示されている。しかしながら、スライダの表面に、電力供給用リードラインを設けると、スライダの製造工程が複雑になるという問題がある。
また、記録用素子を端子部のカバー層側表面で接続し、熱アシスト用素子等の機能性素子を端子部の絶縁層側表面で接続する方法が開示されている。このような接続方法であれば、スライダの製造工程を複雑化することなく接続することができる。
しかしながら、機能性素子をサスペンション用基板に形成された端子部と接続させるためには端子部との接続面を絶縁層の高さと揃える等の必要がある。このため、接続面を絶縁層の高さと揃えるために端子部の表面にめっき部を形成する工程が必要になる等、製造工程が複雑になるといった問題がある。また、機能性素子のサスペンション用基板との接続面が絶縁層の金属支持基板側表面であることにより、機能性素子を実装した場合には機能性素子の金属支持基板側に突出する高さが高いものとなり、機能性素子実装領域の厚みが厚いものとなるといった問題がある。
本発明は、機能性素子の接続が容易であり、かつ、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるサスペンション用基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、上記配線層上に形成されたカバー層と、を有するサスペンション用基板であって、上記配線層が、機能性素子実装領域に配置される機能性素子と絶縁層側表面で接続される2以上の平面端子部を有し、隣接する上記平面端子部および隣接する上記平面端子部間の領域である接続領域が露出するように、上記金属支持基板および上記絶縁層に開口部が形成され、上記カバー層が、上記開口部内の上記接続領域を覆うように形成された支持部を有することを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、上記金属支持基板および上記絶縁層に、上記開口部が形成されていることにより、上記機能性素子との接続が容易であり、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
本発明においては、上記支持部が少なくとも2辺の支持端部で支持され、上記支持端部は、上記支持部と連続して形成された上記カバー層により覆われる上記開口部の端部であることが好ましい。上記支持部を安定的に支持されたものとすることができるからである。
本発明においては、上記2辺の支持端部が、上記サスペンション用基板の長手方向の辺および幅方向の辺の支持端部、または、対向する上記長手方向の2辺の支持端部であることが好ましい。上記支持部を安定的に支持されたものとすることができるからである。
本発明においては、上記機能性素子が熱アシスト用素子であることが好ましい。記録用素子と平面視上重なるように配置されることが好ましいため、機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明は、上述のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、機能性素子との接続が容易であり、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
また、本発明は、上述のサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、機能性素子との接続が容易であり、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
また、本発明は、上述した素子付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、機能性素子が安定に接続され、コンパクト化の容易なものとすることができる。
本発明においては、機能性素子の接続が容易であり、かつ、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるサスペンション用基板を提供できるという効果を奏する。
一般的なサスペンション用基板の一例を示す模式図である。 一般的な熱アシスト用素子および記録用素子の一例を示す概略断面図である。 本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図である。 図3を金属支持基板側から観察した概略平面図である。 図3のB−B線断面図である。 図3における各構成の一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用基板を説明する概略断面図である。 本発明における接続領域を説明する概略平面図である。 本発明における接続領域を説明する概略平面図である。 本発明における接続領域を説明する概略平面図である。 本発明における開口部を説明する概略平面図である。 本発明における開口部を説明する概略平面図である。 本発明における支持部を説明する概略平面図である。 本発明における支持部を説明する概略平面図である。 本発明における支持部を説明する概略平面図である。 本発明のサスペンション用基板の他の例を示す概略平面図である。 本発明における配線層を説明する概略断面図である。 本発明における配線層を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。
本発明は、サスペンション用基板、それを用いたサスペンション、素子付サスペンション、およびハードディスクドライブに関するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンションおよびハードディスクドライブについて詳細に説明する。
A.サスペンション用基板
まず、本発明のサスペンション用基板について説明する。
本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された配線層と、上記配線層上に形成されたカバー層と、を有するサスペンション用基板であって、上記配線層が、機能性素子実装領域に配置される機能性素子と絶縁層側表面で接続される2以上の平面端子部を有し、隣接する上記平面端子部および隣接する上記平面端子部間の領域である接続領域が露出するように、上記金属支持基板および上記絶縁層に開口部が形成され、上記カバー層が、上記開口部内の上記接続領域を覆うように形成された支持部を有することを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンション用基板について図を参照して説明する。図1は、一般的なサスペンション用基板の一例を示す模式図である。図1(a)はサスペンション用基板の概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。なお、図1(a)では、便宜上、絶縁層およびカバー層の記載は省略している。図1(a)に示されるサスペンション用基板100は、一方の先端部分(ヘッド部)のジンバル部110に形成された素子実装領域101と、他方の先端部分(テール部)に形成された外部回路基板接続領域102と、素子実装領域101および外部回路基板接続領域102を電気的に接続する配線層103とを有するものである。また、図1(a)における配線層103は、一方がライト用配線層であり、他方がリード用配線層である。
また、図1(b)に示すように、サスペンション用基板100は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された配線層3と、配線層3を覆うように形成されたカバー層4とを有するものである。
図2は、機能性素子の一例である熱アシスト用素子を示す概略断面図である。
図2における熱アシスト用素子210は、半導体基板201と、第一クラッド層202と、活性層203と、第二クラッド層204と、反射ミラー205とを有する。一方、図2における記録用素子(記録体)220は、スライダ211と、磁界発生素子212と、近接場光発生素子213と、光導波路214とを有するものである。また、熱アシスト用素子210および記録用素子220は、接着層230により接合されている。ここで、活性層203からの出力光は、反射ミラー205で反射し、光導波路214を通過し、近接場光発生素子213に至る。これにより、磁界発生素子212が記録を行う直前に記録媒体を加熱することができ、磁性体粒子の保磁力を一時的に下げることができる。
また、図3は、本発明のサスペンション用基板の一例を示す概略平面図であり、配線層側から観察した概略平面図である。図4は図3を金属支持基板側から観察した概略平面図であり、図5は図3のB−B線断面図であり、図6(a)〜(c)は、それぞれ図3および図4のサスペンション用基板を構成する金属支持基板、絶縁層および配線層を示す概略平面図である。なお、図3では、説明の容易のためカバー層の記載を省略するものである。
図3〜図6に例示するように、本発明のサスペンション用基板10は、金属支持基板1と、上記金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、上記絶縁層2上に形成された配線層3と、上記配線層3上に形成されたカバー層4と、を有するサスペンション用基板であって、上記配線層3が、素子実装領域内の機能性素子実装領域に配置される機能性素子と絶縁層側表面で接続される2以上の平面端子部13(13E〜13H)を有し、隣接する上記平面端子部13(13E〜13H)および隣接する上記平面端子部13間の領域である接続領域が露出するように上記金属支持基板1および上記絶縁層2に開口部6が形成され、上記カバー層4が、上記開口部6内の上記接続領域を覆うように形成された支持部4aを有することを特徴とするものである。
なお、この例において、上記配線層3は平面端子部13に接続する機能性素子用配線層3e〜3hを有し、リード用配線層3a、3bと、ライト用配線層3c、3dを有するものである。
また、この例において機能性素子が熱アシスト用素子であり、上記平面端子部13のうち2つの平面端子部(13Eおよび13F)は半導体レーザーダイオード素子のn極、p極とそれぞれ接続する出力用端子として用いられ、残り2つの平面端子部(13Gおよび13H)はレーザーのパワー調整用端子として用いられるものである。
さらに、素子実装領域内の記録用素子実装領域に実装される記録用素子の平坦性を担保しやすいものとすることを目的として、素子実装領域101内の記録用素子実装領域に、絶縁層2i、配線層3iおよびカバー層(図示せず)を有するまくら部14を有するものである。
本発明によれば、上記金属支持基板および上記絶縁層に、上記開口部が形成されていることにより、上記機能性素子との接続が容易であり、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
より具体的には、上記接続領域が露出するように開口部が形成されていること、すなわち、上記平面端子部および上記平面端子部間に絶縁層が形成されていないことにより、上記平面端子部に対応する端子が形成される機能性素子の底面の平面視形状を平面端子部間に形成された絶縁層を避けるような形状への調整や、平面端子部上にめっき部等の高さ調整部を形成して機能性素子の端子との接続面を絶縁層と同じ高さとする調整を不要なものとすることができる。
また、上記平面端子部の高さで機能性素子と接続可能であることにより、機能性素子を実装した際に、絶縁層の高さで接続される場合と比較して機能性素子の金属支持基板側に突出する厚みを薄いものとすることができる。このため、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
また、上記平面端子部が、支持部により覆われ、支持されていることにより、上記平面端子部上に機能性素子が接続された際に、機能性素子を安定的に支持することができる。
さらに、図7に例示するように、平面端子部が絶縁層側の表面で機能性素子と接続されている場合、以下のような利点がある。
すなわち、機能性素子を、平面端子部の絶縁層側の表面で接続することにより、空気の流れを利用したスライダ底面からの負圧による下向きの力を、柔軟性のあるフレキシャ(サスペンション用基板)に直に伝えることが可能となり、記録用素子の浮上姿勢をコントロールしやすくなるという利点がある。ここで、サスペンション用基板に対して、記録用素子に加えて、機能性素子を実装させる場合、記録用素子のみを実装させる場合に比べて、機能性素子の分だけ重量が増加する。そのため、記録コイルを位置決めするボイスコイルモータやデュアルステージアクチュエーター(マイクロもしくはミリアクチュエーター)の負担が大きくなり高速位置決めの妨げになることがことが考えられる。また、HDDに衝撃が加わった場合等、位置決めの際の外乱の増加につながり、激しい場合には微小な浮上量を維持できず記録用素子がディスクと接触してしまう問題(クラッシュ)が発生しやすくなる。そのため、サスペンションの浮上姿勢をよりコントロールすることが重要となる。また、機能性素子を平面端子部の絶縁層側の表面で接続するサスペンション用基板では、機能性素子の放熱をサポートするヒートシンクの設置が容易になるという利点がある。
なお、図7は、機能性素子として熱アシスト用素子210を実装した場合の例を示すものである。また、図7中の符号については、図2および図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層、配線層、カバー層および開口部を有するものである。
以下、本発明のサスペンション用基板の各構成について説明する。
1.開口部
本発明における開口部は、上記接続領域が露出するように、上記金属支持基板および上記絶縁層に形成されるものである。
上記接続領域は、隣接する上記平面端子部および隣接する上記平面端子部間の領域である。
ここで、隣接する上記平面端子部とは、平面視上最も近い距離に存在する2つの平面端子部をいうものである。
また、隣接する上記平面端子部および隣接する上記平面端子部間の領域とは、隣接する2つの平面端子部の外周を直線で結ぶことにより描くことができる最大領域をいうものである。
具体的には、隣接する平面端子部とは、図8中の13Aおよび13B、13Bおよび13C、13Dおよび13Eの関係をいうものである。
また、図9および図10中の(a)で示される隣接する平面端子部13Aおよび13Bの接続領域5は、それぞれ(b)で示される平面端子部13Aおよび13Bの外周を結ぶ領域を示す網掛け領域で示されるものである。
なお、図8〜図10中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記開口部は、上記接続領域が2以上存在する場合、いずれか1つの接続領域が露出するように形成されるものであれば良いが、全ての接続領域が露出するように形成されるものであることが好ましい。本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
本発明において、上記開口部が上記接続領域を2以上露出するように形成される場合、1の開口部に含まれる接続領域の数は、1つ、すなわち、上記接続領域毎に形成されるものであっても良いが、2以上の接続領域が露出するものであることが好ましく、なかでも、全ての接続領域が露出するものであることが好ましい。
また、1の開口部に含まれる接続領域が全ての接続領域を露出するものである場合、上記開口部は、全ての接続領域および全ての接続領域間の領域である接続領域部が露出するものであることが好ましい。機能性素子の面支持の容易なものとすることができるからである。
なお、上記接続領域部は、全ての接続領域および全ての接続領域間の領域であり、より具体的には、全ての接続領域の外周を直線で結ぶことにより描くことができる最大領域をいうものである。
図11は、機能性素子実装領域に4つの平面端子部が形成され、2つの接続領域5が存在する場合に、接続領域5毎に開口部6が形成される例を示すものである。また、図12は、全ての接続領域5および全ての接続領域5間の領域である接続領域部15が露出するように形成された開口部6の例を示すものである。
また、図11および図12中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記開口部は、上記接続領域が露出するように形成されるものであれば特に限定されるものではないが、上記接続領域の周囲の領域(以下、周囲領域とする場合がある。)も露出するように形成されること、すなわち、上記接続領域の周囲領域も絶縁層のないものとすることが好ましい。上記平面端子部と機能性素子との接続を容易なものとすることができるからである。
上記周囲領域に含まれる領域としては、平面端子部と機能性素子との接続を容易なものとするものであれば特に限定されるものではないが、上記接続領域の外周から1.000mmの領域を少なくとも含むものであることが好ましく、3.000mmの領域を少なくとも含むものであることが好ましく、特に、5.0mmの領域を少なくとも含むものであることが好ましい。平面端子部と機能性素子との接続の容易なものとすることができるからである。
既に説明した図11および図12は、接続領域5およびその周囲領域が露出するように形成された開口部6の例を示すものである。なお、この例においては、平面端子部に接続される機能性素子用配線層の一部も開口部内で露出するものである。
上記周囲領域の外周形状としては、上記接続領域を囲むものであれば特に限定されるものではないが、本発明のサスペンション用基板の長手方向および幅方向の直線によって囲まれる四角形状であることが好ましい。機能性素子を嵌め込むように配置することが容易なものとすることができるからである。また、上記機能性素子について上記開口部に嵌め込む部分の形成が容易だからである
既に説明した図11および図12は上記周囲領域の外周形状が上記長手方向および幅方向の直線によって囲まれる四角形状であり、上記周囲領域の全面に支持部が形成されている例を示すものである。
また、サスペンション用基板の長手方向(縦方向)とは、ヘッド側およびテール側間を結ぶ方向をいうものであり、例えばサスペンション用基板の中心にある、複数の基準穴を結んだ中心線に平行な方向をいい、通常、ハードディスクへの書き込みまたは読み込み時にディスクの回転方向に対して垂直となる方向をいうものである。
さらに、サスペンション用基板の幅方向(短手方向)とは、サスペンション用基板の長手方向に直交する方向をいうものである。
上記開口部は、上記接続領域を露出するものであるが、上記機能性素子実装領域の全てを含むものであることが好ましい。上記支持部により機能性素子を支持するとの効果をより効果的に発揮できるからである。
既に説明した図7は、平面視上、上記開口部が機能性素子実装領域の全てを含み、上記機能性素子が平面視上全て上記開口部内に嵌め込まれる例を示すものである。また、金属支持基板側からカバー層側に機能性素子の一部が貫通するように嵌め込まれるように配置される例を示すものである。
上記開口部は、上記金属支持基板および上記絶縁層に形成されるものであり、金属支持基板および絶縁層に形成される開口の平面視上重複する部分である。このような金属支持基板および絶縁層に形成され開口の平面視形状は同一であっても異なるものであっても良い。
2.カバー層
本発明におけるカバー層は、上記配線層上に形成されるものであり、支持部を有するものである。
また、上記支持部は、上記開口部内の接続領域を覆うように形成されるものである。
上記支持部の形成箇所としては、上記開口部内の接続領域を少なくとも覆うように形成されるものであれば特に限定されるものではないが、上記開口部内に上記接続領域が2以上存在する場合、いずれか1つの接続領域を覆うように形成されるものであれば良いが、全ての接続領域を覆うように形成されるものであることが好ましい。上記機能性素子を安定的に支持可能なものとすることができるからである。
本発明において、上記開口部が上記接続領域を2以上露出するように形成される場合、1の支持部により覆われる接続領域の数は、1つ、すなわち、上記接続領域毎に形成されるものであっても良いが、2以上の接続領域を覆うものであることが好ましく、なかでも、全ての接続領域を覆うものであることが好ましい。
また、1の支持部が開口部内の全ての接続領域を覆うものである場合には、上記支持部が上記接続領域部を覆うものであることが好ましい。上記機能性素子を安定的に支持可能なものとすることができるからである。
図13は開口部内の接続領域5毎に形成された支持部4aの例を示すものである。既に説明した図11、図12、および図14は1つの支持部4aが開口部内の全ての接続領域5を覆う例を示すものである。
また、図12は、支持部4aが開口部内の接続領域部15を覆うように形成される例を示すものである。
なお、図13および図14中の符号については、図3および図4と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記支持部は、上記接続領域を覆うように形成されるものであれば特に限定されるものではないが、上記接続領域の周囲領域も覆うように形成されること、すなわち、上記接続領域の周囲領域にも支持部が存在するものであることが好ましい。上記機能性素子を安定的に支持可能なものとすることができるからである。
このような周囲領域のサイズおよび形状については、上記「1.開口部」の項に記載の内容と同様とすることができるのでここでの説明を省略する。
上記支持部は機能性素子が実装された際に機能性素子を支持するものであり、上記絶縁層または金属支持基板と接続されるものである。
ここで、上記絶縁層または金属支持基板と接続されるとは、上記支持部と連続して形成されたカバー層が、上記開口部の端部を覆うように形成されていることをいうものである。
本発明においてはなかでも、上記支持部と連続して形成されたカバー層により覆われる上記開口部の端部(以下、単に支持端部とする場合がある。)を直線で結ぶことにより描くことができる最大領域(以下、単に端部間領域とする場合がある。)が0より大きいことが好ましく、なかでも、上記支持部の面積に対する上記端部間領域および上記支持部の平面視上重なる面積の割合が50%以上であることが好ましく、特に、100%であることが好ましい。上記支持部を安定的に支持されたものとすることができるからである。
図15(a)は端部間領域が0であり、支持部が開口部の端部の1辺の支持端部6a(図中の太線で示される端部)で支持された片持ち状態である場合を示すものであり、図15(b)、既に説明した図11および図13はサスペンション用基板の長手方向の辺および幅方向の辺の2辺の支持端部で上記支持部が支持され、上記支持部の面積に対する上記端部間領域および上記支持部の平面視上重なる面積の割合が50%の場合を示す例である。また、既に説明した図12は、サスペンション用基板の対向する長手方向の2辺の支持端部6aで支持され、図14はサスペンション用基板の対向する長手方向の2辺および幅方向の辺の合計3辺の支持端部で支持され、上記支持部の面積に対する上記端部間領域および上記支持部の平面視上重なる面積の割合が100%の場合を示す例である。なお、図15(b)においては、4bで示される領域が端部間領域である。
本発明においては、上記支持部が少なくとも2辺の支持端部で支持されていることが好ましく、上記2辺の支持端部が、上記サスペンション用基板の長手方向の辺および幅方向の辺の支持端部、または、対向する上記長手方向の2辺の支持端部であることが好ましい。上記支持部を安定的に支持されたものとすることができるからである。
なお、図15(c)のように、開口部の端部の形状が開口部内部に対して凸状の場合、上記端部間領域は2本の支持端部6aで囲まれる4bで示される領域で示され、支持部の面積は4aおよび4bで示され、上記端部間領域および上記支持部の上記端部間領域および上記支持部の平面視上重なる面積は4bで示されるものとするものである。
また、図15中の符号については、図11と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記支持部は、上記開口部内において上記接続領域を覆うように形成されるものであれば特に限定されるものではないが、機能性素子実装領域に機能性素子を実装した際に、平面端子部の絶縁層側表面と同じ高さとなる機能性素子の底面が存在する全領域に形成されることが好ましい。上記機能性素子を安定的に支持可能なものとすることができるからである。
また、上記機能性素子が金属支持基板側からカバー層側に機能性素子の一部が貫通するように嵌め込まれるように配置される場合には、その貫通される部位に開口を有するように形成されるものである。
上記支持部の非配線層形成領域、すなわち、上記平面端子部を含む配線層が形成されていない領域での絶縁層側表面の厚み方向の位置としては、上記接続領域を覆うように形成されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記配線層のカバー層側表面と同じ高さであっても良い。
本発明においては、なかでも、既に説明した図5に示すように、上記配線層の絶縁層側表面と同じ厚み方向の位置、すなわち、上記開口部内において上記平面端子部および支持部の絶縁層側表面が同一高さであり、平坦な面を形成していることが好ましい。上記機能性素子を安定的に支持することができるからである。また、上記絶縁層上にパターン状に配線層を形成した後、その配線層を覆うようにカバー層を形成することが容易だからである。
なお、上記位置が、配線層の絶縁層側表面と同じ厚み方向の位置である場合には、既に説明した図5に示すように、断面視上、上記配線層の側面も覆うように形成されることになる。
上記カバー層の材料としては、例えば、上述した絶縁層の材料として記載した樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
上記カバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
上記カバー層の形成方法としては、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を使用することができる。
具体的には、上記材料を含む液状カバー材を塗布した後、露光・現像またはフォトリソ法によりパターニングする方法や、パターン状のレジストを形成した後、レジストの開口部に上記液状カバー材を塗布する方法を用いることができる。
上記液状カバー材の塗布方法としては、一般的な塗布方法を用いることができ、例えば、スプレー法、コーター法、インクジェット法、グラビア法およびフレキソ法等、公知の塗布方法を挙げることができる。
3.配線層
本発明における配線層は、上記絶縁層上に形成されるものである。
また、機能性素子実装領域に配置される機能性素子と絶縁層側表面で接続される2以上の平面端子部を有するものである。
上記機能性素子実装領域は、サスペンション用基板において機能性素子が金属支持基板側から嵌め込むように配置される領域であり、サスペンション用基板において実装される機能性素子と平面視上一致する領域をいうものである。また、サスペンション用基板の一方の先端部分であり、素子(例えば、記録用素子)をプラッタに対して平行に保つように支持する領域であるジンバル部内の素子実装領域内に形成される領域である。
このような機能性素子実装領域の形成箇所としては、ジンバル部の素子実装領域内であれば特に限定されるものではないが、記録用素子が実装される記録用素子実装領域と平面視上重なる箇所であることが好ましい。既に説明した図7に例示するように、記録用素子220と平面視上重なるもの、すなわち、機能性素子実装領域および記録用素子実装領域が平面視上少なくとも一部が重なるものであることにより、機能性素子実装領域において記録用素子および機能性素子が積層されるように実装されるものとなる。このため、機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
なお、上記記録用素子実装領域は、サスペンション用基板において実装される記録用素子と平面視上一致する領域をいうものである。
本発明において機能性素子実装領域に配置される機能性素子、より具体的には、機能性素子実装領域に金属支持基板側から嵌め込むように配置される機能性素子としては、サスペンション用基板の種類や用途等に応じて適宜決定されるものであるが、例えば、熱アシスト用素子、アクチュエータ素子等を挙げることができ、なかでも熱アシスト用素子であることが好ましい。熱アシスト用素子は、記録用素子による記録の直前に記録媒体を加熱するために用いるものであるため、両素子は近接して配置されることが好ましく、特に、両素子が厚み方向に積層するように配置されること、すなわち、記録用素子と平面視上重なるように配置されることが好ましい。このため、機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
上記機能性素子と絶縁層側表面で接続されるとは、上記機能性素子を上記金属支持基板側から上記開口部に嵌め込むように配置した際に、上記平面端子部および上記機能性素子の端子部が平面視上重なるように接続されることをいうものである。
また、平面端子部および上記機能性素子の端子部の接続は、例えば、はんだ等の導電性接続部を介して接続することができる。
本発明においては、上記機能性素子用端子部として上記平面端子部を2以上有するものであれば特に限定されるものではなく、2つ有するものであっても、4つ有するものであっても良い。
例えば、上記機能性素子が熱アシスト用素子である場合、平面端子部の2つを半導体レーザーダイオードの出力用端子として用い、残りの2つを出力のパワー調整用端子として用いることができる。
上記平面端子部の形成位置としては、上記機能性素子の端子部と平面視上重なる位置となる位置であれば特に限定されるものではないが、少なくとも2つの平面端子部がサスペンション用基板の長手方向または幅方向に隣接するように形成されることが好ましい。機能性素子の端子部の形成および接続の容易なものとすることができるからである。
既に説明した図4では、隣接する平面端子部が本発明のサスペンション用基板の長手方向に配置され、2組の隣接する平面端子部(13Eおよび13Fと、13Gおよび13H)が幅方向に対向する位置に配置される例を示すものである。また、図16は、2組の隣接する平面端子部(13Eおよび13Fと、13Gおよび13H)のそれぞれの平面端子部が、長手方向および幅方向に配置される例を示すものである。
なお、図16中の符号については、図3と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記配線層は、上記機能性素子と接続される機能性素子用端子部として平面端子部を有するものである。
上記機能性素子用端子部としては、上記平面端子部以外に、上記機能性素子と平面視上重ならない位置に形成され上記機能性素子の側面で接続される側面接続用端子部や、上記機能性得素子と平面視上重なる位置に形成され、カバー層側表面で上記機能性素子の側面で接続されるカバー層側端子部等の他の接続端子部を有するものであっても良い。
本発明においては、なかでも、上記機能性素子用端子部の全てが上記平面端子部であることが好ましい。上記機能性素子との面接続がより容易なものとすることができるからである。また、機能性素子を実装した際に、機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
図17および図18は、既に説明した図5同様に図3のB−B線断面図を示すものであり、それぞれ、導電性接続部240を介して側面接続用端子部23およびカバー層側端子部33が機能性素子210と接続する例を示すものである。
なお、図17および図18中の符号については、図5と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記配線層の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、中でも銅(Cu)が好ましい。また、配線層の材料は、圧延銅であっても良く、電解銅であっても良い。配線層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、9μm〜12μmの範囲内であることがより好ましい。
また、上記配線層の一部の表面には、配線めっき部が形成されていることが好ましい。配線めっき部を設けることにより、上記配線層の劣化(腐食等)を防止できるからである。中でも、素子や外部回路基板との接続を行う端子部のように、上記絶縁層や上記カバー層に被覆されず、表面が露出する箇所は配線めっき部により被覆されることが好ましい。配線めっき部の種類は特に限定されるものではないが、例えば、Auめっき、Niめっき、Agめっき等を挙げることができる。中でも、本発明においては、上記配線層の表面側から、NiめっきおよびAuめっきが形成されていることが好ましい。配線めっき部の厚さは、例えば0.1μm〜4μmの範囲内である。
本発明における配線層は、少なくとも機能性素子実装領域に配置される機能性素子と絶縁層側表面で接続される2以上の平面端子部を含む機能性素子用端子部を有するものであり、さらに通常、上記機能性素子用端子部に接続される機能性素子用配線層を有する。
また、上記配線層は、通常、ライト用配線層およびリード用配線層を有する。
さらに、上記配線層は、必要に応じて、ノイズシールド用配線層、クロストーク防止用配線層、電源用配線層、グランド用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層、アクチュエータ用配線層等を有していても良い。
上記配線層の形成方法としては、上記配線層を精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を使用することができる。
例えば、上記配線層の材料からなる配線層形成用層を電界めっき法等により形成した後、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する配線層形成用層をウェットエッチングする方法を挙げることができる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液の種類は、導体部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば波上記材料がCuである場合には、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。
また、上記配線層を形成する箇所に開口を有するレジストパターンを形成した後に、上記開口内に電解めっき法等によりパターン状の配線層を形成する方法を挙げることができる。
電解めっき法を用いる場合、上記配線層形成用層の形成前に、上記配線層形成用層が形成される表面(例えば、絶縁層)上に、スパッタリング法によりシード層を形成することが好ましい。
4.絶縁層
本発明における絶縁層は、金属支持基板上に形成されるものである。
また、上記開口部を構成する開口が形成されるものである。
上記絶縁層の材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば樹脂を挙げることがきる。上記樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁性、耐熱性および耐薬品性に優れているからである。
また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記絶縁層の形成方法としては、所望のパターンの上記絶縁層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、上記絶縁層の材料に応じて適宜選択することが好ましい。
例えば、上記絶縁層の材料が感光性材料である場合には、全面形成した絶縁層形成用層に露光現像を行う方法を用いることができる。また、上記材料が非感光性材料である場合は、全面形成した絶縁層形成用層の表面に所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出した部分を、ウェットエッチングにより除去する方法や、上記絶縁層を形成する箇所に開口を有するレジストパターンを形成した後に、上記開口内に上記材料を塗布し、次いで、レジストパターン上の絶縁層形成用層をレジストパターンの剥離と同時に剥離する方法を挙げることができる。
5.金属支持基板
本発明における金属支持基板は、サスペンション用基板の支持体として機能するものである。
また、上記開口部を構成する開口が形成されるものである。
上記金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましく、具体的にはSUS等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
上記金属支持基板の形成方法としては、所望のパターンの金属支持基板を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、サスペンション用基板に一般的に用いられる方法を使用することができる。具体的には、レジストを用いたエッチングによりパターニングする方法等を用いることができる。
6.サスペンション用基板
本発明のサスペンション用基板は、上記金属支持基板、絶縁層、配線層、カバー層および開口部を有するものであるが、必要に応じて他の部材を有するものであっても良い。
本発明のサスペンション用基板の製造方法としては、上記各構成を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではない。
例えば、図19に例示するように、まず、金属支持部材1Xと、金属支持部材1X上に形成された絶縁部材2Xと、絶縁部材2X上に形成された導体部材3Xとを有する積層部材を準備する(図19(a))。次に、導体部材3Xおよび金属支持部材1Xの表面に、ドライフィルムレジスト(DFR)を用いて、所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する導体部材3Xおよび金属支持部材1Xをウェットエッチングすることにより、平面端子部13E、13Gを含む配線層3、および、開口部6を有する金属支持基板1を形成する(図19(b))。
その後、平面端子部13E、13Gを覆うように形成された支持部4aを有するカバー層4を形成する(図19(c))。次に、絶縁部材2Xに対して所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する絶縁部材2Xをウェットエッチングすることにより、開口部6を有する絶縁層2を形成する(図19(d))。次に、絶縁層2から露出する端子部13E、13Gに、配線めっき部7を形成する(図19(d))。これにより、サスペンション用基板を得ることができる。図19は図5と同様に、図3のB−B断面図に相当するものである。
なお、図19(a)が積層部材準備工程、(b)が金属支持基板形成工程および配線層形成工程である。また、(c)がカバー層形成工程であり、(d)が絶縁層形成工程である。
B.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板を含むことを特徴とするものである。
このような本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図を参照して説明する。図20は、本発明のサスペンションの一例を示す模式図である。図20(a)は、本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図であり、図20(b)は図20(a)をロードビーム側から観察した概略平面図であり、図20(c)は図20(b)のA−A断面図である。図20(a)、(b)に示すように、本発明のサスペンション20は、上述したサスペンション用基板10と、サスペンション用基板10の金属支持基板側の表面に設けられたロードビーム21とを有するものである。
なお、この例においては、サスペンション用基板10の金属支持基板1側の表面に設けられ、サスペンション用基板10の開口部6に対応する位置に開口部301を有するロードビーム21とを有するものである。また、図20(c)に示すように、本発明においては、サスペンション用基板10の表面上に、記録用素子220が実装され、サスペンション用基板10およびロードビーム21の開口部に、機能性素子として熱アシスト用素子210が嵌め込まれるように配置されるものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、機能性素子との接続が容易であり、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用基板を有し、通常は、さらにロードビームを有する。サスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
また、ロードビームは、一般的なサスペンションに用いられるロードビーム等と同様のものを用いることができる。
本発明においては、なかでも、サスペンション用基板の開口部に対応する位置に開口部を有するものであることが好ましい。「サスペンション用基板の開口部に対応する位置」とは、平面視上、サスペンション用基板の開口部の少なくとも一部で重複する位置をいう。中でも、ロードビームにおける開口部は、機能性素子を嵌め込むように配置できることが好ましい。サスペンション用基板とロードビームとに開口部を有するものとすることにより、機能性素子の熱を効率良く放熱可能なものとすることができるからである。
C.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図を参照して説明する。図21は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図21に示される素子付サスペンション30は、上述したサスペンション20と、サスペンション20の素子実装領域11に実装された素子(記録再生用素子31および機能性素子(図示せず))を有するものである。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、機能性素子との接続が容易であり、機能性素子を実装した際の機能性素子実装領域の厚みを薄いものとすることができる。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンションおよび素子を有するものである。サスペンションについては、上記「B.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、素子実装領域に実装される素子としては、上記機能性素子実装領域に実装される機能性素子および記録用素子実装領域に実装される記録用素子を挙げることができる。
記録用素子としては、特に限定されるものではないが、磁気発生素子を有するものが好ましい。具体的には、磁気ヘッドスライダを挙げることができる。
D.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、機能性素子が安定に接続され、コンパクト化の容易なものとすることができる。
図22は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図22に示されるハードディスクドライブ40は、上述した素子付サスペンション30と、素子付サスペンション30がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク41と、ディスク41を回転させるスピンドルモータ42と、素子付サスペンション30の素子を移動させるアクチュエータアーム43およびボイスコイルモータ44と、上記の部材を密閉するケース45とを有するものである。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アクチュエータアームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「C.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
厚さ20μmのSUS304である金属支持部材の上に、非感光性ポリイミド系の絶縁層形成材料を用い、厚さ10μmの絶縁部材を塗工法にて形成した。さらに、その絶縁部材上にシード層となるNi−Cr−Cuをスパッタリング法で約300nmコーティングし、それを導通媒体としCuめっきにて厚さ9μmのCuめっき層である導体部材を形成し、積層部材を得た(図19(a))。
次に、SUS側で位置精度が重要な治具孔と、Cuめっき層側で目的とする配線層とを形成できるように、ドライフィルムを用いて同時にパターニングし、パターン状のレジストを得た。その後、塩化第二鉄液を用いてエッチングし、エッチング後レジスト剥膜を行い、平面端子部を含む配線層、および、開口部を有する金属支持基板を得た(図19(b))。
次に、配線層および絶縁部材上に、非感光性ポリイミド系の液状カバー層形成材料をダイコーターでコーティングした。乾燥後、レジスト製版し、現像と同時にカバー層形成材料をエッチングした。その後、エッチング後のカバー層形成用材料を硬化させ、支持部を含むカバー層を得た(図19(c))。次に、絶縁部材に対して、レジスト製版し、有機アルカリエッチング液を用いてエッチングし、エッチング後にレジスト剥膜を行い、開口部を有する絶縁層を得た(図19(d))。
次に、平面端子部を酸洗浄し、その後、治具めっき法による電解Auめっきを行い、配線めっき部を形成した(図19(e))。次に、金属支持基板と配線層との導通を取る目的として、レジスト製版を行い、電解Niめっきを行い、レジスト剥膜を行い、ビアを形成した。なお、電解Niめっき浴には標準的なスルファミン酸Niめっき浴を用い、電解浸漬めっき(0.2A、14分)で電解Niめっきを行った。最後に、SUSの外形加工を行うため、レジスト製版を行い、SUS側のみエッチングし、エッチング後にレジスト剥膜を行い、サスペンション用基板を得た。
1…金属支持基板
2…絶縁層
3…配線層
4…カバー層
4a…支持部
5…接続領域
6…開口部
10…サスペンション用基板
13…平面端子部
20…サスペンション
21…ロードビーム
30…素子付サスペンション
40…ハードディスクドライブ
101…素子実装領域
210…熱アシスト用素子
220…記録用素子

Claims (8)

  1. 金属支持基板と、
    前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成された配線層と、
    前記配線層上に形成されたカバー層と、を有するサスペンション用基板であって、
    前記配線層が、機能性素子実装領域に配置される機能性素子と絶縁層側表面で接続される2以上の平面端子部を有し、
    隣接する前記平面端子部および隣接する前記平面端子部間の領域である接続領域が露出するように、前記金属支持基板および前記絶縁層に開口部が形成され、
    前記カバー層が、前記開口部内の前記接続領域を覆うように形成された支持部を有することを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記支持部が少なくとも2辺の支持端部で支持され、
    前記支持端部は、前記支持部と連続して形成された前記カバー層により覆われる前記開口部の端部であることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 前記2辺の支持端部が、前記サスペンション用基板の長手方向の辺および幅方向の辺の支持端部、または、対向する前記長手方向の2辺の支持端部であることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション用基板。
  4. 前記支持部は、前記機能性素子実装領域に前記機能性素子を実装した際に、前記平面端子部の前記絶縁層側表面と同じ高さとなる前記機能性素子の底面が存在する全領域に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板。
  5. 前記機能性素子が熱アシスト用素子であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のサスペンション用基板を含むことを特徴とするサスペンション。
  7. 請求項6に記載のサスペンションと、前記サスペンションの素子実装領域に実装された素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  8. 請求項7記載の素子付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
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