JP6196201B2 - 触媒インクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、触媒インク及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、電解質膜と該電解質膜に積層された触媒層を備える膜−電極接合体における、前記電解質膜の表面に形成される前記触媒層を作製するために用いられる触媒インクに関する。
近年、自動車の新たな動力源等として、水素及び酸素を電気化学反応させて発電する燃料電池が注目されている。燃料電池は、電気化学反応により直接的に電気を得るため、発電効率が高い点で好ましいとされている。また燃料電池は、発電時に水しか生成しないため、環境への影響の点からも好ましいとされている。
例えば固体高分子型燃料電池は、数十個から数百個の燃料電池セルが積層されたスタック構造を有する。各燃料電池セルは、膜−電極接合体を、一対のセパレータで挟持して構成される。膜−電極構造体は、アノード電極(陰極)及びカソード電極(陽極)と、これらの電極に挟持された電解質膜とで構成され、両電極は、電解質膜に接する触媒層と、触媒層に接するガス拡散層と、を備える。セパレータには、その一方の面に燃料ガス流路が形成され、他方の面に酸化剤ガス流路が形成される。
上記のような構成を備える固体高分子型燃料電池では、燃料ガス流路を介して、アノード電極に燃料ガスとしての水素を供給する。また、酸化剤ガス流路を介して、カソード電極に酸化剤ガスとしての空気を供給する。すると、アノード電極に供給された水素が触媒層上でプロトン化され、生成したプロトンが電解質膜を介してカソード電極へと移動する。このとき、プロトンとともに生成した電子が外部回路に取り出され、電気エネルギーとして利用される。
固体高分子型燃料電池の製造においては、撥水シート等の表面に、触媒が担持されたカーボンとイオン伝導性材料としてのアイオノマと溶媒とを含む触媒インクを塗布することで、アノード電極側及びカソード電極側の触媒層が作製される(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−192238号公報
ところで、触媒層を作製するために用いられる触媒インクでは、適度な粘性を有するアルコールを溶媒として用いることで、粘度を適切な値に調整し、塗工作業性を向上させている。
図9は、従来の触媒インクの作用について示す模式図である。アイオノマは、良溶媒であるアルコール系溶媒中では、分子の表面積が大きく(分子末端距離が長く)なる。このように、アイオノマの分子間距離が大きくなると、触媒インクの分散安定性が低下し、それに伴って塗工性も低下する。
更に、従来の触媒インクにおいてアイオノマは、触媒が担持されたカーボンよりアルコール系溶媒との親和性が高いため、触媒が担持されたカーボンに吸着し難い。このように、アイオノマが、触媒が担持されたカーボンに吸着し難いと、触媒層において三相界面が形成され難く、燃料電池の発電性能が低下してしまう。なお、触媒インク中の白金等の触媒の含有量を増やせば、燃料電池の発電性能を向上させることができるが、触媒の白金触媒の含有を増やすと燃料電池の製造におけるコストが上がる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、触媒層を作製するために用いられる触媒インクであって、高い分散安定性を有し且つ燃料電池の発電性能を向上させることが可能な触媒インク及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、電解質膜と該電解質膜に積層された触媒層を備える膜−電極接合体において前記電解質膜の表面に形成される前記触媒層を作製するために用いられる触媒インク(例えば、後述の触媒インク1)であって、触媒が担持されたカーボン(例えば、後述の触媒が担持されたカーボン11)と、アイオノマ(例えば、後述のアイオノマ12)と、溶媒と、を含み、前記溶媒は、水(例えば、水13)のみから構成される触媒インクを提供する。
本発明では、触媒が担持されたカーボンと、アイオノマと、溶媒と、を含む触媒インクにおいて、溶媒を水のみから構成する。
水は、アイオノマの貧溶媒である。従って、触媒インク中において、アイオノマは分子の表面積が小さく(分子末端距離が短く)なるので、触媒インクは分散安定性が高い。触媒インクは、分散安定性が高いことから塗工性も高い。更に、従来の触媒インクにおいてアイオノマは、水よりも触媒が担持されたカーボンとの親和性が高いため、触媒が担持されたカーボンに吸着する。アイオノマが、触媒が担持されたカーボンに吸着することによって、本実施形態に係る触媒インクを用いて形成される触媒層において三相界面が形成されやすくなる。触媒層において三相界面が形成されることで、燃料電池の発電性能が向上する。
前記触媒が担持されたカーボン及び前記アイオノマの合計含有量は、10〜15質量%であることが好ましい。
これにより、触媒が担持されたカーボンへのアイオノマの吸着率がより向上する。触媒が担持されたカーボンへのアイオノマの吸着率がより向上することで、形成される触媒層において三相界面が形成されやすくなり、燃料電池性能もより向上する。
また、本発明は、電解質膜と該電解質膜に積層された触媒層を備える膜−電極接合体における、前記電解質膜の表面に前記触媒層を形成するために用いられる触媒インク(例えば、後述の触媒インク1)の製造方法であって、触媒が担持されたカーボン(例えば、後述の触媒が担持されたカーボン11)、アイオノマ(例えば、後述のアイオノマ12)及び溶媒としての水(例えば、水13)を混合することで混合液を得る混合工程(例えば、後述の混合工程S1)と、前記混合液中の前記触媒が担持されたカーボンを解砕する解砕工程(例えば、後述の解砕工程S2)と、を備える触媒インクの製造方法を提供する。
本発明では、触媒インクの製造方法が、カーボン、アイオノマ及び溶媒としての水が混合された混合液中の、触媒が担持されたカーボンを解砕する解砕工程を備えるものとする。
これにより、触媒が担持されたカーボンが解砕されて分散された、分散安定性の高い触媒インクを得ることができる。分散安定性の高い触媒インクは塗工性が高い上に、形成される触媒層が均質であり且つ三相界面が形成されやすい。
また、前記解砕工程において、前記混合液を超音波処理することが好ましい。
これにより、触媒が担持されたカーボンがより分散されやすくなる。触媒が担持されたカーボンがより分散されることで、上記効果をより得やすくなる。
本発明によれば、高い分散安定性を有し且つ燃料電池の発電性能を向上させることが可能な触媒インク及びその製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る触媒インクの製造方法を示す図である。 実施例及び比較例の触媒インクのアイオノマ吸着率を示すグラフである。 実施例の触媒インクのアイオノマ吸着率を示すグラフであり、触媒インクの固形分濃度とアイオノマ吸着率との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒インクの、電流密度とセル電圧との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例の触媒インクの、静置した経過日数と触媒が担持されたカーボンのメジアン径との関係を示すグラフである。 比較例の触媒インクを用いて作製した燃料電池セルの断面のSEM画像である。 実施例の触媒インクを用いて作製した燃料電池セルの断面のSEM画像である。 上記実施形態に係る触媒インクの作用について示す模式図である。 従来の触媒インクの作用について示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
<膜−電極接合体>
本実施形態における膜−電極接合体は、電解質膜と該電解質膜に積層された触媒層を備える。より詳細には、膜−電極接合体は、電解質膜、触媒層及びガス拡散層の順に積層されることで形成されることが好ましい。
電解質膜は例えば、パーフルオロスルホン酸から構成される固体高分子電解質膜である。この固体高分子電解質膜としては、市販品を用いることができ、例えばデュポン社製の「ナフィオン」を用いることができる。
触媒層は、電解質膜の両面に積層される。触媒層は、例えば、触媒インクをPETフィルムからなるPETシート等の撥水シート上に塗工することで作製することができる。触媒インクを撥水シート等に塗布する方法は、特に限定されず従来公知の塗布方法を用いることができる。従来公知の塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布等が挙げられる。
続いて、PETシート上に作製された触媒層によって電解質膜を挟持してホットプレスした後、PETシートを剥がすことで、電解質膜の一方の面にアノード触媒層を積層し、他方の面にカソード触媒層を積層する。触媒層を作製するための触媒インクについては、後段で詳述する。
ガス拡散層は、一対の触媒層の外側面にそれぞれ積層される。ガス拡散層は、カーボンブラック及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を均一に分散させたスラリーを、カーボンペーパに塗布して乾燥することにより作製することができる。アノード触媒層の外側面にアノードガス拡散層を配置し、カソード触媒層の外側面にカソードガス拡散層を配置し、この状態で、ホットプレスする。これにより、膜−電極接合体が作製される。
膜−電極接合体に一対のセパレータを積層することで、燃料電池セルが作製される。
セパレータは、一対のガス拡散層の外側面にそれぞれ積層される。セパレータは、金属製の薄板を、プレス成形により波板状に成形することで作製することができる。具体的には、金属製の薄板を、従来公知のプレス成形装置により絞り成形することで、凹凸を有する波板状に成形する。金属製の薄板としては、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板等が用いられる。セパレータは金属セパレータに限定されず、例えば、カーボンセパレータであってもよい。
アノードガス拡散層と一方のセパレータとの間には、燃料ガス(水素)流路が形成され、カソードガス拡散層と他方のセパレータとの間には、酸化剤ガス(酸素)流路が形成される。燃料ガス流路に供給された水素が、アノードガス拡散層中を拡散しアノード触媒層上でプロトン化され、生成したプロトンが電解質膜を介してカソード電極側へと移動する。このとき、プロトンとともに生成した電子が外部回路に取り出され、電気エネルギーとして利用される。
<触媒インク>
本実施形態に係る触媒インクは、触媒が担持されたカーボンと、アイオノマと、溶媒と、を含む。
触媒が担持されたカーボンは、触媒としての触媒金属粒子が導電性担体としてのカーボンに担持された電極触媒である。
触媒金属粒子を担持するカーボンとしては、導電性と適度な耐食性を備えていれば特に限定されないが、触媒金属粒子を高分散させるための十分な比表面積を有し、且つ十分な電子伝導性を有することが望ましい。カーボンは、触媒金属粒子を担持するだけではなく、電子を外部回路に取り出す、あるいは外部回路から取り入れるための集電体としての機能を果たす。カーボンの電気抵抗が高いと電池の内部抵抗が高くなり、電池の性能が低下する。そのため、触媒インクの含有するカーボンの電子導電率は十分に高くなければならない。そこで、触媒金属粒子を担持するカーボンとしては、好適には細孔の発達したカーボン材料が用いられる。細孔の発達したカーボン材料としては、カーボンブラックや活性炭等が挙げられる。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。また、活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理して得られる。
導電性担体に担持させる触媒金属粒子としては、触媒活性を有するものであれば特に限定されないが、白金や白金合金を挙げることができる。白金合金を使用すれば、電極触媒の安定性や活性を付与することもできる。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、コバルト、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛、及びスズからなる群より選ばれる1種以上の金属と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
触媒が担持されたカーボンは、調製したものを用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。触媒が担持されたカーボンを調製する場合に、その調製方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。従来公知の触媒の調製方法としては、例えば、白金化合物の溶液、又は懸濁液を担体粉末に加え、蒸発乾固させたあと、酸又はアルカリで不溶化させ、次いで還元処理して担持成分を活性化させる方法等が挙げられる。
アイオノマは、触媒層において電極反応に用いられる又は生成されるイオンを伝導する。アイオノマとしては、例えば、高分子骨格の少なくとも一部がフッ素化されたフッ素系高分子体、又は、高分子骨格にフッ素を含まない炭化水素系高分子体であって、イオン交換基を備えたもの等が挙げられる。また、このイオン交換基の種類は特に限定されず、用途に応じて任意に選択することができる。イオン交換基としては、例えば、スルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸等が挙げられる。
触媒インクにおいて、触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量は、10〜15質量%であることが好ましい。触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量が、10質量%未満の場合には、触媒が担持されたカーボンへのアイオノマの吸着率が低下する傾向にある。触媒が担持されたカーボンへのアイオノマの吸着率が低下すると、形成される触媒層において三相界面が形成され難いので、燃料電池性能が低下する。触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量が、15質量%を超えても、アイオノマの触媒が担持されたカーボンへの吸着率は向上し難い上に、触媒インクの塗工性が低下する傾向にある。
触媒が担持されたカーボンとアイオノマとの固形分質量比(触媒が担持されたカーボンの固形分質量/アイオノマの固形分質量)は30/70〜70/30であることが好ましい。触媒が担持されたカーボンとアイオノマとの固形分質量比が、上記の範囲を外れると、形成される触媒層において三相界面が形成され難いことから、燃料電池性能が低下する傾向にある。
溶媒は、水のみから構成される。水は、アイオノマの貧溶媒である。
図8は、本実施形態に係る触媒インク1の作用について示す模式図である。アイオノマ12は、貧溶媒である水13中において、分子の表面積が小さく(分子末端距離が短く)なる。更に、従来の触媒インクにおいてアイオノマ12は、水よりも触媒が担持されたカーボン11との親和性が高いため、触媒が担持されたカーボン11に吸着する。
<触媒インクの製造方法>
続いて、本実施形態に係る触媒インクの製造方法について説明する。
図1は、本実施形態に係る触媒インク1の製造方法を説明するための模式図である。図1に示すように、触媒インク1の製造方法は、上記の、触媒が担持されたカーボン11、アイオノマ12及び溶媒としての水13を混合することで混合液を得る混合工程S1と、混合液中の触媒が担持されたカーボン11を解砕する解砕工程S2と、を備える。
混合工程S1では、触媒が担持されたカーボン11、アイオノマ12及び溶媒としての水13を混合できればよく、混合工程S1における混合の方法は特に限定されない。しかし、触媒が担持されたカーボン11及びアイオノマ12の過度な凝集を防ぐためには、混合工程S1において後述の手順で混合を行うことが好ましい。
まず、触媒が担持されたカーボン11をビーカー等の容器2に入れる(S11)。
続いて、触媒が担持されたカーボン11の入った容器2に、溶媒としての水13を添加する(S12)。
続いて、容器内の触媒が担持されたカーボン11と水13を混合する(S13)。この際、混合の方法は特に限定されない。混合の方法としては、ガラス棒等を用いた手作業による混合や、マグネチックスターラー等の攪拌装置を用いた混合が挙げられる。
続いて、触媒が担持されたカーボン11及び水13の混合液14の入った容器2に、アイオノマ12の水分散液を添加する(S14)。
続いて、触媒が担持されたカーボン11、アイオノマ12及び溶媒としての水13をまとめて混合することで混合液15を得る(S15)。この際、混合の方法は特に限定されない。混合の方法としては、S13と同様の方法が挙げられる。
混合工程S1において混合される、触媒が担持されたカーボン11、アイオノマ12及び溶媒としての水13の質量は、適宜調整される。これらの質量は、触媒インク1の固形分含有量及び固形分中における、触媒が担持されたカーボン11及びアイオノマ12の含有量が上記の範囲となるように調整されるのが好ましい。
解砕工程S2では、触媒が担持されたカーボン11を解砕できればよく、解砕の方法は特に限定されない。しかし、触媒が担持されたカーボン11を解砕して凝集を防ぐためには、解砕工程S2において混合液15を超音波処理することが好ましい。
解砕工程S2における超音波処理は、例えば、超音波ホモジナイザーを用いて行われる。解砕工程S2では、超音波ホモジナイザーの、超音波を発するホーン3の先端を容器2内の混合液15に浸す。超音波処理の際には、容器2を冷浴4に浸して、混合液15(触媒インク1)の温度を60℃以下とすることが好ましい。
解砕工程S2における超音波処理の条件は特に限定されないが、超音波の振幅(解砕の強度)は60〜180μm、処理時間(超音波を照射している時間)は30〜240分であることが好ましい。
以上の工程を経ることで、本実施形態に係る触媒インク1を得ることができる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、触媒が担持されたカーボンと、アイオノマと、溶媒と、を含む触媒インクにおいて、溶媒を水のみから構成した。
水は、アイオノマの貧溶媒である。従って、触媒インク中において、アイオノマは分子の表面積が小さく(分子末端距離が短く)なるので、触媒インクは分散安定性が高い(図8)。触媒インクは、分散安定性が高いことから塗工性も高い。更に、従来の触媒インクにおいてアイオノマは、水よりも触媒が担持されたカーボンとの親和性が高いため、触媒が担持されたカーボンに吸着する(図8)。アイオノマが、触媒が担持されたカーボンに吸着することによって、本実施形態に係る触媒インクを用いて形成される触媒層において三相界面が形成されやすくなる。触媒層において三相界面が形成されることで、燃料電池の発電性能が向上する。
また、本実施形態に係る触媒インクでは、触媒が担持されたカーボン及び前記アイオノマの合計含有量を10〜15質量%とした。
これにより、触媒が担持されたカーボンへのアイオノマの吸着率がより向上する。触媒が担持されたカーボンへのアイオノマの吸着率がより向上することで、形成される触媒層において三相界面が形成されやすくなり、燃料電池性能もより向上する。
また、本実施形態に係る触媒インクの製造方法では、該製造方法が、カーボン、アイオノマ及び溶媒としての水が混合された混合液中の、触媒が担持されたカーボンを解砕する解砕工程を備えるものとした。
これにより、触媒が担持されたカーボンが解砕されて分散された、分散安定性の高い触媒インクを得ることができる。分散安定性の高い触媒インクは塗工性が高い上に、形成される触媒層が均質であり且つ三相界面が形成されやすい。
また、本実施形態に係る触媒インクの製造方法では、解砕工程において混合液を超音波処理した。
これにより、触媒が担持されたカーボンがより分散されやすくなる。触媒が担持されたカーボンがより分散されることで、上記効果をより得やすくなる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
上記実施形態においては、触媒インクの製造方法が解砕工程S2を備えるものとしたが、本発明に係る触媒インクは、製造の過程で解砕工程を経ることは必須ではない。
なお、本発明に係る触媒インクは、溶媒が水のみから構成されるものとした。ここで「水のみから構成される」とは、意図せず混入したアルコール等の有機溶媒を含有する触媒インクを本発明から排除する趣旨ではない。本発明の効果を得られる範囲で微量の有機溶媒を含む触媒インクも、本発明に含まれる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1の触媒インクを次のように製造した。
まず、白金触媒が担持されたカーボン(TEC10E50E、田中貴金属工業株式会社製)を容器に入れた。続いて、触媒が担持されたカーボンの入った容器に、溶媒としての水を添加した。続いて、容器内の触媒が担持されたカーボンと水を混合した。更に、容器に、アイオノマの水分散液(ナフィオン、デュポン社製)を添加した。最後に、アイオノマを添加した液体を混合した。なお、触媒が担持されたカーボン、アイオノマ及び水の質量は、触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量(触媒インクの固形分含有量)が15質量%となるように調整した。また、触媒が担持されたカーボンとアイオノマとの固形分質量比(触媒が担持されたカーボンの固形分質量/アイオノマの固形分質量)は1/1となるように調整した。
このようにして得られた混合液を実施例1の触媒インクとした。
[実施例2]
実施例1と同様の工程を経て得られた、触媒が担持されたカーボン、アイオノマ及び水が混合された混合液を超音波処理することで、実施例2の触媒インクを得た。
実施例2における解砕工程における超音波処理の条件を、下に示す。超音波処理の際には触媒インクの温度を60℃以下に抑えるために、触媒インクの入った容器を氷浴に浸した。
超音波ホモジナイザー:「BRANSON 450D」(日本エマソン株式会社製)
ホーン:φ13mm
超音波の振幅(解砕の強度):120μm
オペレーション:超音波ON0.5秒−超音波OFF0.5秒の周期の反復
処理時間:180分(超音波ONの時間:90分)
[実施例3]
触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量が10質量%となるように調整した以外は、実施例2と同様の工程により、実施例3の触媒インクを得た。
[実施例4]
触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量が5質量%となるように調整した以外は、実施例2と同様の工程により、実施例4の触媒インクを得た。
[比較例]
溶媒として水と1−プロパノールの混合溶媒(体積比:水/プロパノール=2/8)を用いた以外は、実施例2と同様の工程により比較例の触媒インクを得た。
<アイオノマ吸着特性>
実施例1〜4及び比較例の触媒インクについて、触媒が担持されたカーボンに吸着していないアイオノマを19F−NMRを用いて定量した。触媒インクの製造に用いたアイオノマの質量と、触媒が担持されたカーボンに吸着していないアイオノマの質量から、触媒が担持されたカーボンに吸着したアイオノマの質量を求めた。そして各触媒インクについて、アイオノマの、触媒が担持されたカーボンへの吸着率を求めた。
結果を図2及び図3に示す。
<発電性能>
実施例1及び2並びに比較例の触媒インクを用いて燃料電池セルを作製した。具体的には、燃料電池セルを以下のように作製した。
まず、触媒インクをPETシート上にスクリーン印刷により塗工した。続いて、触媒インクの塗工されたPETシートによって高分子電解質膜(ナフィオン、デュポン社製)を挟持してホットプレスした後、PETシートを剥がした。ガス拡散層は、カーボンブラック及びPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を均一に分散させたスラリーを、カーボンペーパに塗布して乾燥することにより作製した。続いて、触媒層の形成された高分子電解質膜の両面に拡散層を配置してホットプレスした。両拡散層の表面には波板状に成形した金属セパレータを配置した。
作成された燃料電池セルについて、セル電圧を測定し、電流密度とセル電圧との関係を調べた。結果を図4に示す。
<分散安定性>
実施例2及び比較例の触媒インクを静置し、所定の経過日数において、触媒が担持されたカーボンのメジアン径(D50)を測定した。メジアン径の測定にはレーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2200(株式会社島津製作所製)を用いた。
結果を図5に示す。
<触媒層の断面構造>
上記の発電性能の測定の際に用いた燃料電池セルの断面をSEM(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて撮影した。
結果を図6及び図7に示す。図6は、比較例の触媒インクを用いて作製した燃料電池セルの断面であり、図7は、実施例2の触媒インクを用いて作製した燃料電池セルの断面である。図6及び図7の画像の拡大比率は、ほぼ同じである。
図2に示した結果から、比較例の触媒インクよりも実施例1の触媒インクの方が、大幅にアイオノマ吸着率が高いことが分かった。この結果から、触媒インクに用いる溶媒を水のみで構成することにより、触媒インク中におけるアイオノマ吸着率が高くなることが確認された。
また、図2に示した結果から、実施例1の触媒インクよりも実施例2の触媒インクの方が、アイオノマ吸着率が高いことが分かった。この結果から、触媒インクの製造において、カーボン、アイオノマ及び水の混合液を超音波処理することによって、触媒インク中におけるアイオノマ吸着率が更に高くなることが確認された。
図3に示した結果から、実施例4の触媒インクよりも実施例2及び3の触媒インクの方が、アイオノマ吸着率が高いことが分かった。この結果から、触媒インクにおける触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量を10〜15質量%にすることで、触媒インク中におけるアイオノマ吸着率が高くなることが確認された。なお、触媒インクにおける触媒が担持されたカーボン及びアイオノマの合計含有量を15質量%よりも多くしても、アイオノマ吸着率は高くならず、触媒インクの塗工性が低下する傾向にある。
図4に示した結果から、比較例の触媒インクから作製される燃料電池セルよりも実施例1の触媒インクから作製される燃料電池セルの方が発電性能に優れることが分かった。この結果から、触媒インクに用いる溶媒を水のみで構成することにより、作製される燃料電池セルの発電性能が向上することが確認された。
また、図4に示した結果から、実施例1の触媒から作製される燃料電池セルよりも実施例2の触媒インクから作製される燃料電池セルの方が発電性能に優れることが分かった。この結果から、触媒インクの製造において、カーボン、アイオノマ及び水の混合液を超音波処理することによって、作製される燃料電池セルの発電性能が向上することが確認された。
これらの結果は、触媒インク中におけるアイオノマ吸着率が高くなることによって、触媒層において三相界面が形成されやすくなることに因ると考えられる(図2及び4)。
図5に示した結果から、比較例の触媒インクよりも実施例2の触媒インクの方が、分散安定性が高いことが分かった。この結果から、触媒インクに用いる溶媒を水のみで構成することにより、触媒インクの分散安定性が高くなることが確認された。
図6及び図7に示した結果から、比較例の触媒インクよりも実施例2の触媒インクの方が、形成される触媒層(図6及び図7の「電極」)に大きな凝集体が少なく、均質な構造であることが分かった。この結果から、触媒インクに用いる溶媒を水のみで構成し、触媒インクの製造において、カーボン、アイオノマ及び水の混合液を超音波処理することによって、均質な構造の触媒層を形成可能な触媒インクが得られることが確認された。
なお、触媒層中に凝集体が多く存在する場合、電解質膜(図6及び図7のPEM)の劣化が進行しやすい。
1…触媒インク
11…触媒が担持されたカーボン
12…アイオノマ
13…水
15…混合液
S1…混合工程
S2…解砕工程

Claims (1)

  1. 電解質膜と該電解質膜に積層された触媒層を備える膜−電極接合体における、前記電解質膜の表面に前記触媒層を形成するために用いられる触媒インクの製造方法であって、
    触媒が担持されたカーボン、アイオノマ及び溶媒としての水のみを混合することで混合液を得る混合工程と、
    前記混合液中の前記触媒が担持されたカーボンを解砕する解砕工程と、を備え、
    前記解砕工程は、前記混合液を超音波処理のみをするものであり、
    前記超音波処理は、触媒インクの温度を60℃以下に抑えて行われるものであり、
    前記超音波処理の超音波を照射している時間は、30〜240分である触媒インクの製造方法。
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