JP6196084B2 - 照明装置を備えた乗物用シート - Google Patents

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本発明は、着座した乗員が手にした書籍に照明を当てることが可能な照明装置を備えた乗物用シートに関する。
従来より、着座した乗員が手にした書籍に照明を当てることが可能な照明装置を備えた乗物用シートが存在している。
例えば特許文献1には、図12に示すように、シートクッション111と、シートバック112と、肘掛113と、照明装置120と、を備えた乗物用シート100が開示されている。当該乗物用シート100では、肘掛113にジャバラ状の開閉スライド蓋131を備えており、開閉スライド蓋131をスライドさせると照明収容空間132が開口し、照明装置120を照明収容空間132に収容可能となるように構成されている。また照明装置120は、照明収容空間132内に収容可能となるように取り付けられた回動可能なアーム部121と、アーム部121に対して照明部123の角度を変更可能に保持する角度可変連結部122と、照明部123を有している。
特開平10−241447号公報
特許文献1に記載の発明では、照明装置120の取り付け作業や交換作業等を行う際、作業性をより向上させるためのケーブルの長さやコネクタの位置等について特に記載がされていない。特許文献1に記載の発明では、サイズが比較的大きな照明装置120が肘掛113に取り付けられており、照明装置120を収容するための照明収容空間132を備えた肘掛113のサイズも必要以上に大きくなっており、ケーブルの長さやコネクタの位置等を考慮する必要がないくらい、必要以上にスペースがある。しかし、肘掛113が必要以上に大きいと、乗物用シート100の設置面積が限られている場合では、シートクッション111の幅を狭くしなければならなくなるので好ましくない。なお特許文献1に記載の発明では、せっかく肘掛113があるにもかかわらず、照明装置120や開閉スライド蓋131が有ることで、乗員は肘掛113を肘掛として有効利用することができない。
また照明装置は、よりシンプルな構成で、より小型であることが好ましい。
照明装置をより小型にする場合では、取り付け位置の周囲のスペースが非常に限られるため、照明装置の取り付け作業や交換作業を行う際の作業性をより向上させるためのケーブル長さやコネクタ位置等が非常に重要となる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、より小型であるにもかかわらず取り付け作業や交換作業等を行う際の作業性をより向上させることができる照明装置を備えた乗物用シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る照明装置を備えた乗物用シートは次の手段をとる。
まず、本発明の第1の発明は、着座した乗員が手にした書籍に照明を当てることが可能な照明装置を備えた乗物用シートにおいて、前記乗物用シートは、着座した乗員が腰を下ろすシートクッションと、着座した乗員が背中を凭せ掛けるシートバックと、を有している。
また、前記照明装置は、略筒状の形状を有している。また、前記照明装置は、前記シートバックに取り付けられたブラケットに設けられた筒状接続部に接続されている。また、前記照明装置は、先端部に照明手段が設けられ、当該照明手段に電源を供給する照明装置ケーブルが前記照明装置の内部に挿通されており、前記照明装置ケーブルの一方端は前記照明手段に接続され、前記照明装置ケーブルの他方端には照明装置コネクタが接続されている。
そして前記照明装置コネクタは、電源に接続されて前記筒状接続部から引き出された中継ケーブルの先端に設けられた中継コネクタに接続され、接続された前記照明装置コネクタと前記中継コネクタは、伸縮可能な弾性部材が巻回されて前記筒状接続部内に押し込まれて保持されている。

この第1の発明によれば、照明装置を略筒状の形状とすることで、より小型に構成し、照明装置コネクタを中継コネクタに接続して、照明装置を筒状接続部に接続することで、照明装置を容易にシートバックに取り付けることができるので、照明装置の取り付けの際の作業性がよい。
また、照明装置をシートバック(ブラケット)から取り外す際は、照明装置を筒状接続部から取り外して照明装置コネクタと中継コネクタを分離することで取り外すことができるので、照明装置の交換の際の作業性がよい。また接続された照明装置コネクタと中継コネクタが筒状接続部の内部に保持されているので、交換の際に照明装置コネクタを筒状接続部から抜き出すことができないようなことが発生しない。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る照明装置を備えた乗物用シートであって、前記中継ケーブルは、復元力を有する被覆部材にて被覆されており、前記ブラケットに形成された貫通孔から前記筒状接続部内に至る湾曲した経路であるブラケット内挿通経路に挿通されて、前記復元力にて前記ブラケットの一部または前記ブラケットが取り付けられている前記シートバックの一部に押し付けられて前記ブラケットから脱落することなく保持されている。
この第2の発明によれば、中継ケーブルがブラケットから脱落することなく適切に保持されていることで、中継ケーブルの先端の中継コネクタが、筒状接続部の内部に保持されている照明装置コネクタを、筒状接続部の更に奥まで引っ張るようなことを防止することができる。照明装置コネクタが筒状接続部の奥まで引っ張られて筒状接続部を貫通してしまうと、照明装置を取り外す際に照明装置コネクタを筒状接続部から抜き出すことができなくなる可能性があるが、このような事態を適切に防止することができる。
このため、照明装置の交換の際の作業性がよい。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る照明装置を備えた乗物用シートであって、前記照明装置ケーブルの長さは、前記筒状接続部における前記照明装置の側の開口端から挿通された前記照明装置コネクタが前記筒状接続部における前記シートバックの側の開口端まで達しない長さに設定されて、前記照明装置コネクタが前記筒状接続部内に保持されている。
この第3の発明によれば、照明装置コネクタが筒状接続部を貫通するまで奥へと移動することがないので、照明装置を取り外す際に照明装置コネクタを筒状接続部から抜き出すことができなくなるような事態を適切に防止することができる。
このため、照明装置の交換の際の作業性がよい。
照明装置を備えた乗物用シートの全体構成の例を説明する斜視図である。 照明装置の外観を説明する図である。 照明装置の内部を説明する断面図である。 シートバックのフレームに取り付けられたブラケットと、当該ブラケットに取り付けられる照明装置と、の接続個所の周囲の構造を説明する斜視図である。 ブラケットの筒状接続部から引き出された中継照明コネクタに、照明装置コネクタを接続する様子を説明する図である。 接続した照明装置コネクタと中継照明コネクタに、ウレタン部材を巻回した様子を説明する図である。 ウレタン部材を巻回した照明装置コネクタ及び中継照明コネクタを、筒状接続部の内部に押し込んだ様子を説明する図である。 照明装置のブラケット嵌合開口部に筒状接続部を嵌め込む様子を説明する図である。 照明装置のブラケット嵌合開口部に筒状接続部を嵌め込んでシートバックに照明装置を取り付けた状態を説明する図である。 図9におけるB−B断面図である。 図4においてブラケットをCC方向から見た図である。 照明装置を備えた乗物用シートの従来の例を説明する斜視図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて説明する。
●[照明装置を備えた乗物用シートの構造(図1)]
図1に示すように、乗物用シート1は、乗員が腰を下ろすシートクッション3、乗員が背中を凭せ掛けるシートバック2、乗員が肘を掛ける肘掛4A等を有している。なお乗物用シート1は、少なくともシートクッション3とシートバック2を有していればよく、肘掛4A等は省略されていてもよい。
そしてシートバック2の側面には、着座した乗員が手にした書籍に照明を当てることが可能な照明装置30が取り付けられている。
照明装置30は、シートバック2の側面に取り付けられる略筒状のベース部31と、ベース部31に接続されてベース部31に対する角度が可変となるように構成された略筒状の可動部32と、にて構成されている。
また可動部32の先端部には、照明手段35が設けられている。
照明装置30は、先端部に照明手段35を備えた略筒状であるので非常に小型であり、またシートバック2の側面に設けられているので、乗員の邪魔にならない。
●[照明装置30の外観と構成(図2、図3)]
次に図2、図3を用いて、照明装置30の外観と構成について説明する。
ベース部31と可動部32は、ジョイント部33にて接続されており、ジョイント部33における可動部32と接触する外周面は略球形である。可動部32は、ジョイント部33の略球形の外周面によって、ベース部31に対する角度が可変となっている。
またジョイント部33内にはフレキシブルチューブ34が挿通されており、フレキシブルチューブ34は、自由な角度に湾曲させることが可能であるとともに、湾曲させた状態を維持することが可能である。
可動部32の先端には、LED等の発光体や照明を拡散または集光するレンズ等を備えた照明手段35が設けられている。そして照明手段35は、キャップ36にて可動部32の先端に保持されている。
また照明装置30の内部には、照明手段35に電源を供給するための照明装置ケーブル37が挿通されている。
そして照明装置ケーブル37の一方端は照明手段35に接続され、照明装置ケーブル37の他方端には照明装置コネクタ37Aが接続されている。
●[照明装置とシートバックとの接続個所の周囲の構造(図4、図11)]
次に図4、図11を用いて、シートバックのフレーム2Fに取り付けられたブラケット40と、当該ブラケット40に取り付けられる照明装置30と、の接続個所の周囲の構造について説明する。
図4に示すように、シートバックのフレーム2Fにおける上端部には、ブラケット40が固定されている。シートバックにおける図4に示すブラケット40の位置に照明装置30を固定することで、乗物用シートに着座した乗員の肩の上方に照明装置30を配置させることができる。
ブラケット40は、フレーム2Fに固定される支持部40Aと、照明装置30のブラケット嵌合開口部31Aに嵌め込まれる筒状接続部40Bと、を有している。また筒状接続部40Bは、嵌合された照明装置30が回転しないように多角形の柱状であり、内部が空洞となるように形成されている。
また図11は、図4におけるCC方向からブラケット40を見た図である。
ブラケット40の支持部40Aには貫通孔40Cが形成されており、この貫通孔40Cから筒状接続部40Bの内部に至る湾曲した経路であるブラケット内挿通経路41Kに、中継ケーブル41が挿通されている。
中継ケーブル41の一方端には中継照明コネクタ41A(中継コネクタに相当)が接続され、中継ケーブル41の他方端には中継電源コネクタ41Bが接続されている。そして中継照明コネクタ41Aは、筒状接続部40B内から引き出されている。
中継ケーブル41は、復元力を有する被覆部材にて被覆されており、湾曲したブラケット内挿通経路41Kに挿通されて、その復元力にてブラケット40の一部またはシートバックのフレーム2Fの一部に押し付けられてブラケット40から脱落することなくブラケット40に保持されている。
なお中継電源コネクタ41Bは、電源に接続されている電源ケーブル42の一方端に接続された電源コネクタ42Bに接続されている。
また図4に示すように照明装置30には、筒状接続部40Bが嵌め込まれるブラケット嵌合開口部31Aと、補助開口部31Bが形成されており、ブラケット嵌合開口部31Aと補助開口部31Bは、開口連通部31Cにて連通されている。これらの開口部を有することで、一方端が照明手段35に接続された照明装置ケーブル37は、ブラケット嵌合開口部31Aと補助開口部31Bとの間で移動することが可能であり、照明装置ケーブル37が補助開口部31B内にある場合では、照明装置30からの照明装置コネクタ37Aの引き出し長さを、照明装置ケーブル37がブラケット嵌合開口部31A内にある場合よりも、より長くすることが可能である。
●[照明装置30を筒状接続部40Bに取り付ける手順(図5〜図10)]
次に図5〜図10を用いて、ブラケットの筒状接続部40Bに照明装置30を取り付ける作業手順の例について説明する。
まず図5に示すように、照明装置30の補助開口部31Bから引き出した照明装置コネクタ37Aを、筒状接続部40Bから引き出した中継照明コネクタ41Aに接続する。
作業者は、照明装置コネクタ37Aを、ブラケット嵌合開口部31Aから引き出すのではなく補助開口部31Bから引き出すことで、照明装置コネクタ37Aの引き出し長さをより長くすることができるので、中継照明コネクタ41Aとの接続作業を、より容易に行うことができる。
次に図6に示すように、接続した照明装置コネクタ37Aと中継照明コネクタ41Aに、伸縮可能な弾性部材43を巻回する。弾性部材は、例えばスポンジ状のウレタン部材である。この場合の弾性部材43は、容易に押しつぶすことができるものが好ましい。
次に図7に示すように、弾性部材43を巻回した照明装置コネクタ37A及び中継照明コネクタ41Aを、筒状接続部40Bの内部に押し込む。
そして図8に示すように、照明装置ケーブル37を、補助開口部31Bから開口連通部31Cを経由させてブラケット嵌合開口部31Aに移動させ、ブラケット嵌合開口部31Aに筒状接続部40Bを嵌め込み、筒状接続部40Bと照明装置30とを接続する。
なお筒状接続部40Bに接続されている照明装置30を取り外す際は、上記の逆の順に作業を行えばよい。
●[照明装置30が、シートバック2に取り付けられたブラケット40に接続された状態(図9、図10)]
図9は、シートバック2に取り付けられたブラケット40の筒状接続部40Bに、照明装置30が接続された状態の外観図を示しており、図10は図9におけるB−B断面図を示している。
図10に示すように、照明装置ケーブル37の長さは、筒状接続部40Bにおける照明装置30の側の開口端から挿通された(押し込まれた)照明装置コネクタ37Aが筒状接続部40Bにおけるシートバックの側(フレーム2Fの側)の開口端まで達しない長さに設定されている。これにより、照明装置コネクタ37Aは、筒状接続部40B内に保持されている。
仮に照明装置ケーブル37の長さが長過ぎると、筒状接続部40Bの照明装置の側から挿通された照明装置コネクタ37Aが、筒状接続部40Bのフレーム2Fの側の開口端から飛び出す可能性がある。この場合、照明装置30の交換等にて照明装置30を取り外す際、照明装置コネクタ37Aが、筒状接続部40Bのフレーム2Fの側の開口端の角部に引っかかって抜き出すことができなくなる可能性がある。
しかし、本実施の形態にて説明したように、照明装置ケーブル37の長さを、照明装置コネクタ37Aが筒状接続部40Bにおけるシートバックの側(フレーム2Fの側)の開口端まで達しない長さに設定することで、照明装置コネクタ37Aが筒状接続部40Bのフレーム2Fの側の開口端から飛び出すことを確実に回避している。
また、接続した照明装置コネクタ37Aと中継照明コネクタ41Aに弾性部材43を巻回して筒状接続部40B内に押し込むことで、照明装置コネクタ37Aと中継照明コネクタ41Aを筒状接続部40B内に、適切に保持させておくことができる。
また復元力を有する被覆部材で被覆された中継ケーブル41を用いて中継ケーブル41をブラケット40に保持させることで、中継照明コネクタ41Aが、筒状接続部40Bの内部に保持されている照明装置コネクタ37Aを、筒状接続部40Bの更に奥まで引っ張るようなことを防止することができる。
以上より、本実施の形態にて説明した照明装置を備えた乗物用シートでは、筒状接続部40Bに接続されている照明装置30を取り外す作業の作業性を、より向上させることが実現されている。
本発明の照明装置を備えた乗物用シート1は、本実施の形態で説明した構造、形状、外観等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本発明の照明装置を備えた乗物用シート1は、列車、船舶、航空機等、種々の乗物のシートに適用することが可能である。
1 乗物用シート
2 シートバック
2F フレーム
3 シートクッション
4A 肘掛
30 照明装置
31 ベース部
31A ブラケット嵌合開口部
31B 補助開口部
31C 開口連通部
32 可動部
33 ジョイント部
35 照明手段
37 照明装置ケーブル
37A 照明装置コネクタ
40 ブラケット
40A 支持部
40B 筒状接続部
40C 貫通孔
41 中継ケーブル
41A 中継照明コネクタ(中継コネクタ)
41K ブラケット内挿通経路
43 弾性部材

Claims (3)

  1. 着座した乗員が手にした書籍に照明を当てることが可能な照明装置を備えた乗物用シートにおいて、
    前記乗物用シートは、着座した乗員が腰を下ろすシートクッションと、着座した乗員が背中を凭せ掛けるシートバックと、を有しており、
    前記照明装置は、略筒状の形状を有しており、
    前記照明装置は、前記シートバックに取り付けられたブラケットに設けられた筒状接続部に接続され、
    前記照明装置は、先端部に照明手段が設けられ、当該照明手段に電源を供給する照明装置ケーブルが前記照明装置の内部に挿通されており、
    前記照明装置ケーブルの一方端は前記照明手段に接続され、前記照明装置ケーブルの他方端には照明装置コネクタが接続されており、
    前記照明装置コネクタは、電源に接続されて前記筒状接続部から引き出された中継ケーブルの先端に設けられた中継コネクタに接続され、
    接続された前記照明装置コネクタと前記中継コネクタは、伸縮可能な弾性部材が巻回されて前記筒状接続部内に押し込まれて保持されている、
    照明装置を備えた乗物用シート。
  2. 請求項1に記載の照明装置を備えた乗物用シートであって、
    前記中継ケーブルは、復元力を有する被覆部材にて被覆されており、前記ブラケットに形成された貫通孔から前記筒状接続部内に至る湾曲した経路であるブラケット内挿通経路に挿通されて、前記復元力にて前記ブラケットの一部または前記ブラケットが取り付けられている前記シートバックの一部に押し付けられて前記ブラケットから脱落することなく保持されている、
    照明装置を備えた乗物用シート。
  3. 請求項1または2に記載の照明装置を備えた乗物用シートであって、
    前記照明装置ケーブルの長さは、前記筒状接続部における前記照明装置の側の開口端から挿通された前記照明装置コネクタが前記筒状接続部における前記シートバックの側の開口端まで達しない長さに設定されて、前記照明装置コネクタが前記筒状接続部内に保持されている、
    照明装置を備えた乗物用シート。
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