以下、本発明を実施するための形態を各実施形態において図面を用いて説明する。
[システム構成]
(全体構成)
図1は、本実施形態に係る出力管理システム100の全体構成図である。図に示されるように、本実施形態に係る出力管理システム100は、印刷クライアント1、プリントサーバ2、出力管理サーバ3、画像形成装置4、課金装置5が、ネットワークを介して接続されている。
印刷クライアント1は、ユーザが利用する例えばPCや携帯情報端末などのデータ送信機能を備えた情報端末であり、実行したい印刷ジョブをプリントサーバ2へ送信する。
プリントサーバ2は、印刷クライアント1からの印刷ジョブを蓄積し、この印刷ジョブを画像形成装置4に実行させる。
出力管理サーバ3は、画像形成装置4の利用制限を行うサーバである。ユーザ毎(又はグループ毎)の累計出力枚数、上限出力枚数等を管理し、画像形成装置4における出力可否を制御する。
画像形成装置4は、コピー、スキャナ、プリンタ、ファックス等の機能を備えた複合機(Multi-Function Peripheral)であり、プリントサーバ2に蓄積された印刷ジョブ、コピー(又はファックス)を実行する。
課金装置5は、印刷、コピー(又はファックス)の枚数に応じて課金を行う装置である。課金装置5はユーザにより紙幣又は硬貨(電子マネー、プリペイドカードを含む)が投入されると、投入された金額(デポジット金額)を画像形成装置4に通知する。
なお、図1のシステムにおいて、出力管理サーバ3は画像形成装置4における印刷出力を管理対象として利用制限を行っているが、管理対象は印刷出力に限るものではなく、また管理対象の装置が画像形成装置4に限られるものでもない。装置が備える機能の利用に応じて利用量やコストを管理する対象となる装置であればどのような装置であっても管理対象とすることができる。
(ハードウェア)
図2は、本実施形態に係るプリントサーバ2及び出力管理サーバ3のハードウェア構成の一例を示す。プリントサーバ2及び出力管理サーバ3は、主要な構成として、CPU31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、補助記憶装置34、記憶媒体読取装置35、入力装置36、表示装置37、及び通信装置38を含む構成である。
CPU31は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路から構成され、装置全体を制御する回路である。また、ROM32は、CPU31で実行される所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を格納するメモリであり、RAM33は、CPU31がROM32に格納された所定の制御プログラム(ソフトウェア部品)を実行して各種の制御を行うときの作業エリア(ワーク領域)として使用するメモリである。
補助記憶装置34は、汎用のOS(Operating System)、各種プログラムを含む各種情報を格納する装置であり、不揮発性の記憶装置であるHDD(Hard Disk Drive)などが用いられる。
入力装置36は、ユーザが各種入力操作を行うための装置である。入力装置36は、マウス、キーボードなどを含む。表示装置37は、各種データを表示画面に表示する装置である。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。
通信装置38は、ネットワークを介して他の機器との通信を行う装置である。有線ネットワークや無線ネットワークなど含む各種ネットワーク形態に応じた通信をサポートする。
図3は、本実施形態に係る画像形成装置4のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係る画像形成装置4は、操作パネル41と、記憶メディアI/F42と、コントローラ43と、データ通信I/F44と、スキャナ45と、プロッタ46と、HDD(Hard Disk Drive)47とから構成され、それぞれ相互に接続されている。
操作パネル41は、入力装置41aと表示装置41bとを有しており、入力装置41aは、ハードキー、又は表示装置41bに重畳されるタッチパネルなどで構成され、装置本体に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置41bは、ディスプレイなどで構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F44は、インタフェース装置44aを有しており、画像形成装置をネットワークやファックスなどのデータ伝送路に接続するインタフェースである。HDD47は、画像形成装置で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データ、各アプリケーションにより利用されるデータなど、各種データを格納している。また、HDD47は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
HDD47に格納される各種データの中には、記録媒体42bから入力されるデータを含む。記録媒体42bは、記憶メディアI/F42が有するドライブ装置42aにセットされ各種データが記録媒体42bからドライブ装置42aを介してHDD47に格納される。
コントローラ43は、ROM(Read Only Memory)43a、RAM(Random Access Memory)43b、及びCPU(Central Processing Unit)43cとを有しており、ROM43aは、画像形成装置が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM43bは、ROM43aやHDD47から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。更に、CPU43cは、RAM43bが一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ43は、例えば、データ通信I/F44を介して印刷データを受信した場合に、ROM43aからRAM43b上に読み出された、PDL(Page Description Language)を解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU43cにより実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
スキャナ45は、画像読取装置45aを有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ46は、印刷装置46aを有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
このように、本実施形態に係る画像形成装置4は、上記ハードウェア構成により、コピー、スキャナ、プリント、ファクシミリなどの少なくとも画像形成に係る基本的な機能を実現している。
以上、ハードウェア構成について説明した。なお、課金装置5については、課金料金(紙幣や硬貨)の投入口を備え、印刷又はコピー(又はファックス)の枚数に応じて決済を行う従来の課金装置を適用できる。なおまた課金装置5は、課金料金の投入口に加え、電子マネーやプリペイドカードなどの各種カードによっても決済できるようカード読取装置やカード挿入口を備えてもよい。
(機能)
図4は、本実施形態に係る出力管理システム100の各装置における主要機能を示す機能ブロック図である。
プリントサーバ2は、主要な機能として、蓄積部201を含み構成される。蓄積部201は、印刷クライアント1からの印刷ジョブを蓄積するとともに、画像形成装置4からの要求に応じて、この印刷ジョブを画像形成装置4に送信する。なおこの印刷ジョブは、そのジョブがどのユーザのものであるかを識別するため、その識別子(例えばユーザID)とともに管理、蓄積される。
出力管理サーバ3は、主要な機能として、記憶部301を含み構成される。記憶部301は、画像形成装置4において出力制限を行うための出力制限情報を記憶、管理する。具体的には出力制限情報として、画像形成装置4におけるユーザ毎の累計出力枚数、上限出力枚数等がある。このうち上限出力枚数は、管理者等によって予め定められている出力可能な所定枚数値である。一方、累計出力枚数は、画像形成装置4において出力される度にカウントアップされて更新される出力累計枚数値である。
画像形成装置4は、主要な機能として、ユーザ認証部401、ジョブ受付部402、出力制御部403、ジョブ実行部404、課金決済部405、表示部406を含み構成される。
ユーザ認証部401は、画像形成装置4を利用するユーザのユーザ認証を行う。具体的にはユーザが画像形成装置4を利用する際、予め保持される認証情報と、入力された認証情報(例えばユーザID、パスワード等)との照合を行い、認証情報の一致により、装置へのログインを許可する。
ジョブ受付部402は、ユーザ(利用者)毎に、出力ジョブ(例えば印刷ジョブやコピージョブ)を受付ける。本実施形態においては上述の如く、印刷クライアント1からの印刷ジョブはプリントサーバ2に蓄積されるので、例えばユーザが操作パネル41を操作して、印刷ジョブ一覧画面から、1以上の印刷ジョブの選択操作を行うと、画像形成装置4のジョブ受付部402に対し、プリントサーバ2から選択操作された印刷ジョブが入力される。またコピーの場合は、例えばユーザがコピー原稿をセットし、操作パネル41から操作を行うと、画像形成装置4のジョブ受付部402に対し、コピージョブが入力される。
出力制御部403は、ジョブ実行部404に対して出力ジョブの実行を制御する。特に本実施形態においては、ジョブ受付部402により受付けられた出力ジョブに使用される出力枚数と、出力管理サーバ3で管理されている同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が、出力管理サーバ3で管理されている同ユーザの上限出力枚数を超過しない場合、ジョブ実行部404に対し出力ジョブの実行を許可する。一方、上限出力枚数を超過する場合には、課金決済部405により超過分に相当する料金が決済されたときに、ジョブ実行部404に対し料金に相当する出力枚数分の出力ジョブの実行を許可する。この点詳細は再度後述する。
ジョブ実行部404は、出力制御部403により許可された出力ジョブを実行する。つまりジョブ実行部404は、出力制御部403の制御の下、出力ジョブを実行する。
課金決済部405は、出力ジョブに使用される出力枚数と、出力管理サーバ3で管理されている同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が同ユーザの上限出力枚数を超過する場合、超過分の出力枚数を出力するに必要な料金を課金するとともに、該料金を決済する。なお、課金決済部405は、料金情報(例えば料金表)を参照のうえ、具体的な課金料金の金額を算出する。そして算出された実際の課金料金は、課金装置5にて投入されるので、課金決済部405は課金装置5との課金に関する通信を行って、料金の課金及び決済を実施する。
表示部406は、各種画面を生成し、上述のタッチパネルなどに画面表示を行う。表示画面の例としては、後述する印刷ジョブ一覧画面やコピー画面等がある。
なおこれら各機能部は、実際にはCPUが実行するプログラムによりコンピュータに実現させるものである。
なおまた、これら各機能構成はあくまで一例であって、例えば機能の一部を移動させることも可能である。例えば、画像形成装置4側においてプリントサーバ2の備える蓄積部201を配置する。この場合、印刷クライアント1から画像形成装置4に対し印刷ジョブが送信され、印刷ジョブは画像形成装置4で直接蓄積されることになる。また例えば、画像形成装置4側において出力管理サーバ3の備える記憶部301を配置する。この場合、出力制限情報は画像形成装置4で直接記憶、管理されることになる。
但しこのような構成は、小規模ネットワーク、つまり例えば画像形成装置が1台のみしか存在しないような場合のみの構成とすることが望ましい。中〜大規模ネットワーク、つまり例えば画像形成装置が複数台存在する場合、プリントサーバ2で印刷ジョブを蓄積することにより、どの画像形成装置からも自由に印刷ジョブを取得でき、また出力管理サーバ3で出力制限情報を管理することにより、どの画像形成装置からでも使用された出力枚数を一元的に管理できるという利点の方が大きいからである。
(認証情報の一例)
図5は、本実施形態に係る認証情報の一例を示す。「認証情報」は、ユーザが画像形成装置4を利用(ログイン)する際に使用される認証情報である。図に示されるように、本実施形態に係る認証情報は、「カードID」、「ユーザID」、「パスワード」を含み、画像形成装置4内に予め保持される。
ユーザは、画像形成装置4に対してログインを行う際、画像形成装置4の操作パネル41を操作して、認証情報(例えばユーザID、パスワード等)を入力する。またもしくは、画像形成装置4のICカード読取装置(非図示)に対し、社員証等のICカードをさがすことにより、ICカード内に記憶された認証情報(例えば、カードID、ユーザID、パスワード等)を入力する。
ユーザ認証部401は、図に示される認証情報と、入力された認証情報との照合を行い、認証情報の一致により、そのユーザに対し画像形成装置4へのログインを許可する。つまり同ユーザはログアウトまでの間、画像形成装置4を利用することができる。
なお、「認証情報」は、画像形成装置4内に予め保持されるほか、外部の認証サーバ等によって保持することもできる。この場合、画像形成装置4と認証サーバとの認証問い合わせを介して、認証を実施することができる。
(出力制限情報の一例)
図6は、本実施形態に係る出力制限情報の一例を示す。「出力制限情報」は、画像形成装置4において出力制限を行うために参照される情報である。図に示されるように、本実施形態に係る出力制限情報は、「ユーザID」、「累積出力枚数」、「上限出力枚数」を含み、出力制限情報内に記憶、管理される。上限出力枚数は、管理者等によって予め定められている所定枚数値であり、累計出力枚数は、画像形成装置4において印刷される度にカウントアップされて更新される値である。
画像形成装置4の出力制御部403は、あるユーザから印刷ジョブを受付けると、出力管理サーバ3から、同ユーザの図に示される出力制限情報を取得する。そして出力制限情報を参照し、その出力ジョブが実行されることにより使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が、同ユーザの上限出力枚数を超過しない場合、ジョブ実行部404に対し出力ジョブの実行を許可する。一方上限出力枚数を超過する場合、ジョブ実行部404に対し出力ジョブの実行を許可しない。
なお、「出力制限情報」は、出力管理サーバ3内に予め保持されるほか、画像形成装置4側で保持することもできる。このように、上述の「認証情報」や「出力制限情報」は、画像形成装置4が利用可能な限り、ネットワーク上のいずれかに保持することも可能である。
なおまた、一般に「累積出力枚数」は累積印刷枚数、「上限出力枚数」は上限印刷枚数などとも呼ばれることがある。しかし本実施形態においては、画像形成装置4上の出力処理を印刷に限定するものではないことから(印刷やコピー、更にはファックスの出力等を含む)、上述の如く「累積出力枚数」、「上限出力枚数」と呼ぶこととしたものである。
(料金情報の一例)
図7は、本実施形態に係る料金情報の一例を示す。「料金情報」は、ユーザが所定の上限出力枚数を超過したような場合、超過分の出力枚数を印刷するに必要な料金を算出するための、いわば料金表である。図に示されるように、本実施形態に係る料金情報は、用紙サイズ、印刷色毎に規定される1枚単位当りの料金が記載されている。
画像形成装置4の課金決済部405は、例えば上限出力枚数を超過する場合、超過分の出力枚数を出力するに必要な料金の具体的金額を、料金情報を参照のうえ算出する。例えば、A4のカラーページ、6枚を超過して印刷する場合、その料金は180円と算出される。
なお本料金情報の例では、説明を容易にするため、料金変動パラメータとして、用紙サイズ、印刷色毎とした。しかしこの他にも、用紙の種類(普通紙、上質紙等)、オプションの有無(ステープル等)、いわゆる印刷条件と呼ばれる各パラメータを料金情報に盛り込むことにより、印刷条件に応じた料金を細かく算出、課金することも可能である。
[情報処理1]
(ケース1−1)
図8は、本実施形態に係る出力管理システム100の情報処理1を説明するシーケンス図(その1)である。本シーケンスを通じて、ユーザが画像形成装置4を利用し、「印刷ジョブ」の実行を行う。印刷ジョブの実行に伴い、上述してきたように、出力制限情報に基づき出力制限が実施されるが、本シーケンスでは、「出力制限に該当しないケース」についてまず説明するものである。図面を参照しながら以下説明する。
S1:ユーザは印刷クライアント1を操作し、ネットワークを介しプリントサーバ2に対し、印刷ジョブを送信する。この印刷ジョブには、ユーザのユーザID、印刷データ、印刷条件等の情報を含み、ユーザがこれから画像形成装置4を利用して、例えば印刷出力を行おうとするものである。
S2:プリントサーバ2は、印刷クライアント1から印刷ジョブを受信すると、同印刷ジョブを蓄積部201に蓄積する。印刷ジョブにはユーザIDが含まれるので、ユーザ毎に印刷ジョブが管理、蓄積される。またこのとき、プリントサーバ2は印刷ジョブの蓄積を完了すると、印刷クライアント1に対し、ポップアップ等でユーザに蓄積が完了した旨を通知する。
S3:次にユーザは画像形成装置4を操作し、画像形成装置4に対しログイン認証を行う。ユーザは、画像形成装置4に対してログインを行う際、画像形成装置4の操作パネル41を操作して、認証情報(例えばユーザID、パスワード等)を入力する。またもしくは、画像形成装置4のICカード読取装置に対し、社員証等のICカードをさがすことにより、ICカード内に記憶された認証情報(例えば、カードID、ユーザID、パスワード等)を入力する。ユーザ認証部401は、認証情報と、入力された認証情報との照合を行い、認証情報の一致により、そのユーザに対し画像形成装置4へのログインを許可する。ここでは、ユーザID:「suzuki」、パスワード:「abcde」が入力され、ログイン許可されたものとして説明を進める(例えば図5参照)。
S4:画像形成装置4の出力制御部403は、ユーザのログイン認証に成功すると、まず出力管理サーバ3に対し、同ユーザの出力制限情報(累積出力枚数、上限出力枚数)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「suzuki」)を使用する。一方、出力管理サーバ3は、出力制限情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの出力制限情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「suzuki」であるので、「suzuki」で特定される出力制限情報(累積出力枚数:30、上限出力枚数:100)が送信される(例えば図6参照)。
S5:次にユーザは操作パネル41を操作して、印刷ジョブ一覧表示操作(印刷画面移行操作)を行う。印刷ジョブ一覧の中から、蓄積済みの印刷ジョブを選択し、その印刷を行うためである。
S6:画像形成装置4の出力制御部403は、印刷ジョブ一覧表示操作がなされると、プリントサーバ2に対し、同ユーザが蓄積した印刷ジョブ一覧の情報の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「suzuki」)を使用する。一方、プリントサーバ2は、同ユーザが蓄積した印刷ジョブ一覧の情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの印刷ジョブ一覧の情報(印刷ジョブ毎の属性情報や印刷条件を含む)を送信する。ここではユーザIDが「suzuki」であるので、「suzuki」で特定される印刷ジョブ一覧が送信される。なお、ここでいう印刷ジョブは、例えば上述のS1において印刷クライアント1からプリントサーバ2に対し送信済みの印刷ジョブであり、プリントサーバ2に蓄積されている全印刷ジョブである。
S7:画像形成装置4の表示部406は、取得した同ユーザの出力制限情報及び印刷ジョブ一覧の情報に基づいて、印刷ジョブ一覧画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、印刷ジョブ一覧画面を表示する。なお印刷ジョブ一覧画面の生成に伴って、課金決済部405は、各出力ジョブに使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が同ユーザの上限出力枚数を超過する場合、超過分の出力枚数を出力するに必要な料金を算出するが、ここでは、そのケースに該当しないものとするため、この点についての説明は再度後述する。
図9は、印刷ジョブ一覧画面の一例(その1)を示す。印刷ジョブ一覧801には、プリントサーバ2に蓄積されている同ユーザの全印刷ジョブの一覧が表示される。ここでは図に示されるように、ユーザID:「suzuki」の、印刷ジョブ名「プレゼン資料」という印刷ジョブが、属性情報や印刷条件、などとともに表示されていることが分かる。また選択ジョブ数802は、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801において選択されているジョブ数を示し、全ジョブ数803は、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801において表示されている全ジョブ数を示す。また残り804は、現時点で同ユーザが印刷可能な残り印刷枚数を示す。この値は、出力制限情報に基づくもので、ユーザID:「suzuki」の場合、出力制限情報において、累積出力枚数:30、上限出力枚数:100であるので、上限出力枚数から累積出力枚数を除算した値である。つまりこの場合、印刷可能な残り印刷枚数は70ページ(P)となっている。
ユーザが印刷ジョブ名「プレゼン資料」を印刷する場合、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801の中から、まず印刷ジョブ名「プレゼン資料」を例えばタッチ操作等により選択する。印刷ジョブ名「プレゼン資料」が選択されたとき、選択ジョブ数802は、1件と表示され、また残り804は、69Pと表示される。残り804の69Pとの表示は、選択された「プレゼン資料」(1ページ)が印刷されたときの同ユーザが印刷可能な残り印刷枚数を示したものである。
S8:ユーザは操作パネル41を操作して、印刷ジョブに対し印刷操作(命令)を行う。具体的には、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801の中から、印刷ジョブ名「プレゼン資料」を例えばタッチ操作等により選択してから、「印刷」ボタンを押下する。
S9:画像形成装置4の出力制御部403は、選択された印刷ジョブの印刷操作(命令)が操作されると、この印刷ジョブに対する実行可否の判定を行う。具体的に、出力制御部403は、同印刷ジョブに使用される出力枚数と、累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が、上限出力枚数を超過しない場合、同印刷ジョブの実行を許可する。ここでは、印刷ジョブ「プレゼン資料」に使用される出力枚数:1と、累積出力枚数:30とを加算した加算出力枚数:31は、上限出力枚数:100を超過しないので、出力制限に該当しない。出力制御部403は、ジョブ実行部404に対し、印刷ジョブ「プレゼン資料」の実行を許可する。
S10:画像形成装置4のジョブ実行部404は、印刷ジョブの実行許可を受けると、許可された印刷ジョブを実行するため、プリントサーバ2から、許可された印刷ジョブの印刷データを取得する。ここでは、「プレゼン資料」の印刷データが取得される。なお、印刷時においては、印刷条件(片面、カラー等)の情報が必要であるが、既にS6で取得済みの印刷条件を使用してもよいし、印刷データとともにその印刷条件を再度取得するようにしてもよい。
S11:画像形成装置4のジョブ実行部404は、出力制御部403により許可された印刷ジョブの印刷データを出力する。つまりここでは、「プレゼン資料」の印刷データが印刷される。また印刷完了後は、タッチパネル上等において、ユーザに対し印刷が完了した旨を通知(表示)する。
S12:画像形成装置4の出力制御部403(又はジョブ実行部404)は、印刷ジョブの実行を完了すると、今回この印刷ジョブに使用された印刷枚数の情報を出力管理サーバ3に対し送信する。出力管理サーバ3は、受信した印刷枚数を同ユーザの出力制限情報のうち累計印刷枚数に対しカウントアップして更新する。ここでは、ユーザIDが「suzuki」であるので、「suzuki」で特定される出力制限情報の累積出力枚数は、30から31へと更新される。
以上、「出力制限に該当しないケース」について説明した。続いて、「出力制限に該当するケース」について説明する。
(ケース1−2)
図10は、本実施形態に係る出力管理システム100の情報処理1を説明するシーケンス図(その2)である。本シーケンスでは、「出力制限に該当するケース」について説明する。図面を参照しながら以下説明する。なお以下、特にS21〜S27は、上述のS1〜7と重複するので、重複点については簡潔に説明する。
S21:ユーザは印刷クライアント1を操作し、ネットワークを介しプリントサーバ2に対し、印刷ジョブを送信する。
S22:プリントサーバ2は、印刷クライアント1から印刷ジョブを受信すると、同印刷ジョブを蓄積部201に蓄積する。
S23:次にユーザは画像形成装置4を操作し、画像形成装置4に対しログイン認証を行う。今度はここで、ユーザID:「tanaka」、パスワード:「38bk4」が入力され、ログイン許可されたものとして説明を進める(例えば図5参照)。
S24:画像形成装置4の出力制御部403は、ユーザのログイン認証に成功すると、出力管理サーバ3に対し、同ユーザの出力制限情報(累積出力枚数、上限出力枚数)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「tanaka」)を使用する。一方、出力管理サーバ3は、出力制限情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの出力制限情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「tanaka」であるので、「tanaka」で特定される出力制限情報(累積出力枚数:100、上限出力枚数:100)が送信される(例えば図6参照)。
S25:次にユーザは操作パネル41を操作して、印刷ジョブ一覧表示操作を行う。
S26:画像形成装置4の出力制御部403は、印刷ジョブ一覧表示操作がなされると、プリントサーバ2に対し、同ユーザが蓄積した印刷ジョブ一覧の情報(印刷ジョブ毎の属性情報や印刷条件を含む)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「tanaka」)を使用する。一方、プリントサーバ2は、同ユーザが蓄積した印刷ジョブ一覧の情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの印刷ジョブ一覧の情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「tanaka」であるので、「tanaka」で特定される印刷ジョブ一覧が送信される。
S27:画像形成装置4の表示部406は、取得した同ユーザの出力制限情報及び印刷ジョブ一覧の情報に基づいて、印刷ジョブ一覧画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、印刷ジョブ一覧画面を表示する。なお印刷ジョブ一覧画面の生成に伴って、課金決済部405は、各出力ジョブに使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が同ユーザの上限出力枚数を超過する場合、超過分の出力枚数を出力するに必要な料金を算出する。以下に印刷ジョブ一覧画面を示す。
図11は、印刷ジョブ一覧画面の一例(その2)を示す。ここでは図に示されるように、印刷ジョブ一覧801において、ユーザID:「tanaka」の、印刷ジョブ名「プレゼン1」、「プレゼン2」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」という印刷ジョブが、属性情報や印刷条件、料金とともに表示されている。ここでは、印刷ジョブ一覧画面を生成する際、各出力ジョブに使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が同ユーザの上限出力枚数を超過するので、課金決済部405は、印刷ジョブ毎の属性情報(特にページ数)や印刷条件に基づいて、超過分の出力枚数を出力するに必要な料金(予測料金)を算出する。タッチパネル上、これにより算出された料金が、「既に印刷可能上限を超えています。印刷するには以下の料金を投入して下さい。」なる表示とともに、印刷ジョブ毎に表示される。
具体的に、ここでのユーザID:「tanaka」で特定される出力制限情報においては、累積出力枚数:100、上限出力枚数:100である。これは同ユーザ「tanaka」は、累積出力枚数が既に上限出力枚数に到達しており、これ以上1枚も印刷を行うことができないことを意味する。従って、同ユーザ「tanaka」は、印刷ジョブ一覧801におけるいずれの印刷ジョブをも実行することはできない。つまり、各出力ジョブに使用される出力枚数が何枚であれ、同ユーザの累積出力枚数:100であるので、加算出力枚数は100を超え、よって加算出力枚数は上限出力枚数:100を超過する。
この場合、課金決済部405は、印刷ジョブ毎に、印刷ジョブ毎の属性情報(ページ数等)や印刷条件(用紙サイズ、印刷カラー等)に基づいて、超過分の出力枚数を印刷するに必要な料金を算出する。具体的にここでの各印刷ジョブを実行するに必要な料金、つまり超過分の出力枚数を出力するに必要な料金は以下の通りである(例えば図7参照)。
「プレゼン1」:30円(超過分の出力枚数:1ページ、カラー、A4)
「プレゼン2」:30円(超過分の出力枚数:1ページ、カラー、A4)
「プレゼン2修正ver」:30円(超過分の出力枚数:1ページ、カラー、A4)
「○○商事ご提案書」:150円(超過分の出力枚数:5ページ、カラー、A4)
再び図11を参照する。ユーザが印刷ジョブ一覧801において、例えば印刷ジョブ名「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」の3つを印刷する場合、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801の中から、まず印刷ジョブ名「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」を例えばタッチ操作等により選択する。印刷ジョブ名「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」が選択されたとき、選択ジョブ数802は、3件と表示され、また料金合計805は、210円と表示される。料金合計805が210円との表示は、選択された「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」の全てが印刷されたときの同ユーザが支払うべき料金合計を示したものである。このように印刷ジョブ毎に必要な料金、またその組み合わせ毎の合計料金が画面表示されるので、ユーザは印刷実行前、明確に各印刷ジョブに必要な料金(予測料金)を知ることができる。
S28:ユーザは課金装置5に対し、料金を投入する。ここでは、上述の通り、印刷ジョブ名「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」を印刷するので、タッチパネル上表示されている合計金額に従って、210円を投入する。
S29:ユーザは、必要な料金を投入後、操作パネル41を操作して、印刷ジョブに対し印刷操作(命令)を行う。具体的には、タッチパネル上、「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」が選択されている状態で、「印刷」ボタンを押下する。
S30:画像形成装置4の課金決済部405は、課金装置5に対し、現在の投入金額を確認すると、課金装置5から現在の投入金額の情報が送信される。ここでは上述の如く現在の投入金額は210円であったとする。
S31:画像形成装置4の課金決済部405は、課金装置5に対し、印刷操作(命令)された印刷ジョブを実行するに必要な料金額の引き落としを命令する。ここで引き落とされる金額は210円である。課金装置5において料金の引き落としが完了すると、課金決済部405は出力制御部403に対し、該当する料金が決済された旨を通知する。
S32:画像形成装置4の出力制御部403は、この印刷ジョブに対する実行可否の判定を行う。具体的に、出力制御部403は、実行可否の判定について、上述のケース1−1(S9)と同様、同印刷ジョブに使用される出力枚数と、累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が、上限出力枚数を超過しないかどうかによって判定するが、本ケースのように上限出力枚数を超過する場合には、課金決済部405から出力制御部403に対し、該当する料金が決済された旨が通知されたことを受けて(上限出力枚数の超過分を決済された料金に立て替えて)、実行可との判定を行うことができる。このときジョブ実行部404に対し料金に相当する出力枚数分の出力ジョブの実行を許可する。
なお、料金不足の場合には、課金装置5から引き落とし不可(料金不足)を示す信号が送信されるので、課金決済部405は出力制御部403に対し、該当する料金が不足している旨を通知する。この場合、この印刷ジョブに対する実行可否の判定結果は否である。このとき出力制御部403は、表示中の例えば印刷ジョブ一覧画面上において、ユーザに対し、料金不足及び料金の追加投入を促すメッセージを表示するとよい。
S33:画像形成装置4のジョブ実行部404は、印刷ジョブの実行許可を受けると、許可された印刷ジョブを実行するため、プリントサーバ2から、許可された印刷ジョブの印刷データを取得する。ここでは、「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」の印刷データが取得される。
S34:画像形成装置4のジョブ実行部404は、出力制御部403により許可された印刷ジョブの印刷データを出力する。つまりここでは、「プレゼン1」、「プレゼン2修正ver」、「○○商事ご提案書」の印刷データが印刷される。また印刷完了後は、タッチパネル上等において、ユーザに対し印刷が完了した旨を通知(表示)する。
S35:画像形成装置4の出力制御部403は、印刷ジョブの実行を完了すると、今回この印刷ジョブに使用された清算情報を出力管理サーバ3に対し送信する。清算情報は、例えばユーザID:「suzuki」、課金料金:210円である。この清算情報は、出力制限情報を越え、どのユーザがどの位の料金を支払って印刷を行ったかの記録である。例えば、後日この清算情報に基づいて同ユーザに清算が行われたり、同ユーザに対する出力制限情報(特に上限出力枚数)の変更の参考情報等に利用できる。
以上、「出力制限に該当するケース」について説明した。このように、本実施形態に係る出力管理システム100においては、出力制限により、ユーザが実行したい印刷ジョブを実行できない場合、ユーザは上限出力枚数を超える印刷分の料金を支払うことにより、業務の停滞を招くことなく速やかに印刷ジョブの実行を継続することができる。また、ユーザによって支払われた料金は、例えば上限出力枚数を超えた分の出力コストとして充当できるので、実質的に当初予算の範囲内での出力制限管理を遂行することが可能である。
(変形例1)
上述のケース1−2では、「出力制限に該当するケース」について説明したが、上述のようにユーザIDが「tanaka」の場合には、出力制限情報は累積出力枚数:100、上限出力枚数:100であったため、この時点でこれ以上の印刷を行うことができない。つまり同ユーザが印刷ジョブ一覧画面に表示されたいずれの印刷ジョブを実行する場合でも、料金が必要であった。
一方、本変形例でも、「出力制限に該当するケース」について説明するが、例えば出力制限情報は累積出力枚数:190、上限出力枚数:200であるとすると、この時点で10枚までの印刷を行うことができる。つまり同ユーザが印刷ジョブ一覧画面に表示された印刷ジョブを実行する場合、印刷ジョブによっては、同ユーザに付与されている上限出力枚数の範囲内で実行可能な印刷ジョブもある。この点について説明する。
再び図10を参照する。以下S23から簡潔に説明する。
S23:ユーザは画像形成装置4を操作し、画像形成装置4に対しログイン認証を行う。今度はここで、ユーザID:「yamada」、パスワード:「y25ac6」が入力され、ログイン許可されたものとして説明を進める(例えば図5参照)。
S24:画像形成装置4の出力制御部403は、ユーザのログイン認証に成功すると、出力管理サーバ3に対し、同ユーザの出力制限情報(累積出力枚数、上限出力枚数)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「yamada」)を使用する。一方、出力管理サーバ3は、出力制限情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの出力制限情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「yamada」であるので、「yamada」で特定される出力制限情報(累積出力枚数:190、上限出力枚数:200)が送信される(例えば図6参照)。
S25:次にユーザは操作パネル41を操作して、印刷ジョブ一覧表示操作を行う。
S26:画像形成装置4の出力制御部403は、印刷ジョブ一覧表示操作がなされると、プリントサーバ2に対し、同ユーザが蓄積した印刷ジョブ一覧の情報(印刷ジョブ毎の属性情報や印刷条件を含む)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「yamada」)を使用する。一方、プリントサーバ2は、同ユーザが蓄積した印刷ジョブ一覧の情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの印刷ジョブ一覧の情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「yamada」であるので、「yamada」で特定される印刷ジョブ一覧が送信される。
S27:画像形成装置4の表示部406は、取得した同ユーザの出力制限情報及び印刷ジョブ一覧の情報に基づいて、印刷ジョブ一覧画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、印刷ジョブ一覧画面を表示する。なお、印刷ジョブ一覧画面の生成に伴って、課金決済部405は、各出力ジョブに使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が上限出力枚数を超過する場合、超過分の出力枚数を出力するに必要な料金を算出する。ここでは、少なくとも印刷ジョブ「○年○月月次報告書」に関し、印刷ジョブ「○年○月月次報告書」に使用される出力枚数(ここでは15枚)と同ユーザの累積出力枚数(ここでは190枚)とを加算した加算出力枚数(ここでは205枚)が同ユーザの上限出力枚数(ここでは200枚)を超過するので、超過分の出力枚数(ここでは5枚)を出力するに必要な料金を算出させる。
図12は、印刷ジョブ一覧画面の一例(その3)を示す。ここでは図に示されるように、印刷ジョブ一覧801において、ユーザID:「yamada」の、印刷ジョブ名「メモ」、「○年○月月次報告書」という印刷ジョブが、属性情報や印刷条件とともに表示されている。なお料金については、ユーザに選択される印刷ジョブによって料金が変動するため、この時点では未表示である。タッチパネル上、「10枚を越える印刷については、料金を投入してください。印刷したい印刷ジョブを選択すると、料金が表示されます。」なる表示が表示される。
ここでのユーザID:「yamada」で特定される出力制限情報においては、累積出力枚数:190、上限出力枚数:200である。よって同ユーザ「yamada」は、累積出力枚数が上限出力枚数にまだ到達しておらず、あと10枚の印刷を行うことができるが、それ以上は上限出力枚数を超過することになる。
課金決済部405は、印刷ジョブ毎に、印刷ジョブ毎の属性情報(ページ数等)や印刷条件(用紙サイズ、印刷カラー等)に基づいて、超過分の出力枚数を印刷するに必要な料金を算出する。具体的にここでの各印刷ジョブを実行するに必要な料金、つまり超過分の出力枚数を出力するに必要な料金は、10枚迄の印刷は無料であることを加味すると、それぞれ以下の通りである(例えば図7参照)。
「メモ」のみを印刷する場合:0円
「○年○月月次報告書」のみを印刷する場合:150円(5枚分の料金)
「メモ」、「○年○月月次報告書」の両方を印刷する場合:180円(6枚分の料金)
再び図12を参照する。ユーザが印刷ジョブ一覧801において、例えば、印刷ジョブ名「メモ」を印刷する場合、(a)のように、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801の中から、印刷ジョブ名「メモ」を選択してから、「印刷」ボタンを押下する。印刷ジョブ名「メモ」が選択されたとき、選択ジョブ数802は、1件と表示され、また「メモ」の料金には0円と表示、料金合計805は0円と表示される。
一方、ユーザが印刷ジョブ一覧801において、例えば、印刷ジョブ名「○年○月月次報告書」を印刷する場合、(b)のように、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801の中から、印刷ジョブ名「○年○月月次報告書」を選択してから、「印刷」ボタンを押下する。印刷ジョブ名「○年○月月次報告書」が選択されたとき、選択ジョブ数802は、1件と表示され、また「メモ」の料金には150円と表示、料金合計805は150円と表示される。
また一方、ユーザが印刷ジョブ一覧801において、例えば、印刷ジョブ名「メモ」、「○年○月月次報告書」の両方を印刷する場合、(c)のように、タッチパネル上、印刷ジョブ一覧801の中から、印刷ジョブ名「メモ」、「○年○月月次報告書」の両方を選択してから、「印刷」ボタンを押下する。印刷ジョブ名「メモ」、「○年○月月次報告書」の両方が選択されたとき、選択ジョブ数802は、2件と表示され、また「メモ」の料金には0円と表示、「○年○月月次報告書」の料金には180円と表示、料金合計805は180円と表示される。
これ以降、ユーザは課金装置5に対し、必要な料金を投入することにより、印刷したい印刷ジョブを実行することができることは上述したとおりである(S28〜35)。このように、出力制限情報に基づき所定枚数まで印刷を行うことができ、これ以上の超過分に対しては、出力制限により、ユーザは上限出力枚数を超える印刷分の料金を支払うことにより、業務の停滞を招くことなく速やかに印刷ジョブの実行を継続することができる。
[情報処理2]
これまで印刷の例を挙げて説明してきたが、以降ではコピーの例を挙げて説明する。コピーの場合も印刷用紙を使用するため、「コピージョブ」の実行に伴い、ユーザの出力制限情報に基づき出力制限が実施される。
なお、上述の印刷ジョブの場合、印刷ジョブの属性情報(例えばページ数)により、その印刷ジョブに使用される印刷枚数が把握できるが、コピージョブの場合、画像形成装置4の設置面(コンタクトガラス)又はADF(Auto Document Feeder)にコピー原稿がセットされ、スキャンされた時点で、そのコピージョブに使用される枚数がはじめて把握できるようになる。従って、スキャン前に出力制限に該当するかの判断や、予め具体的な料金額を表示することはできない。そのため、印刷ジョブに係る情報処理1とはその情報処理が異なってくるため、本情報処理2において詳しく説明するものである。
但しスキャンの場合であっても、本実施形態に係る出力管理システム100においては、出力制限により、ユーザが実行したいコピージョブを実行できない場合、ユーザは上限出力枚数を超えるコピー分の料金を支払うことにより、業務の停滞を招くことなく速やかに印刷ジョブの実行を継続することができる。また、ユーザによって支払われた料金は、例えば上限出力枚数を超えた分の出力コストとして充当できるので、実質的に当初予算の範囲内での出力制限管理を遂行することが可能であるという効果を有する。
なおまた、ユーザが画像形成装置4を利用してコピーを行う場合には、画像形成装置4にコピー原稿をセットし、タッチパネル等を直接操作してコピーを行うので、本実施形態に係る出力管理システム100において、出力管理サーバ3、画像形成装置4、課金装置が使用され、印刷クライアント1、プリントサーバ2は使用されないものとする(例えば図1参照)。
(ケース2−1)
図13は、本実施形態に係る出力管理システム100の情報処理2を説明するシーケンス図(その1)である。本シーケンスを通じて、ユーザが画像形成装置4を利用し、コピージョブの実行を行う。コピージョブの実行に伴い、上述してきたように、同ユーザの出力制限情報に基づき出力制限が実施されるが、本シーケンスでは、「出力制限に該当しないケース」についてまず説明する。図面を参照しながら以下説明する。
S41:ユーザは画像形成装置4を操作し、画像形成装置4に対しログイン認証を行う。ここで、ユーザID:「suzuki」、パスワード:「abcde」が入力され、ログイン許可されたものとして説明を進める(例えば図5参照)。
S42:画像形成装置4の出力制御部403は、ユーザのログイン認証に成功すると、出力管理サーバ3に対し、同ユーザの出力制限情報(累積出力枚数、上限出力枚数)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「suzuki」)を使用する。一方、出力管理サーバ3は、出力制限情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの出力制限情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「suzuki」であるので、「suzuki」で特定される出力制限情報(累積出力枚数:30、上限出力枚数:100)が送信される(例えば図6参照)。
S43:次にユーザはコピーを行うため、操作パネル41を操作して、コピー画面移行操作を行う。
S44:画像形成装置4の表示部406は、コピー画面移行操作がなされると、取得した同ユーザの出力制限情報に基づいて、コピー画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、コピー画面を表示する。なお、コピー画面の生成に伴って、現時点で同ユーザの累積出力枚数(ここでは30枚)が同ユーザの上限出力枚数(ここでは100枚)を超過するかどうかの確認を行う。超過している場合、料金が必要である旨をコピー画面へ表示させるためであるが、ここでは、そのケースに該当しないものとするので、この点についての説明は再度後述する。
図14は、コピー画面の一例(その1)を示す。図に示されるように、ユーザがコピー原稿をセットし、コピーを実行できる状態にある。また図中、残り804は、現時点で同ユーザがコピー可能な残りコピー枚数を示す。この値は出力制限情報に基づき算出され、ユーザID:「suzuki」の場合、出力制限情報において、累積出力枚数:30、上限出力枚数:100であるので、上限出力枚数から累積出力枚数を除算した値である。つまりこの場合、コピー可能な残りコピー枚数は70ページ(P)となっている。
S45:ユーザは、操作パネル41を操作し、コピー操作(命令)を行う。具体的には、コピー原稿をセットしてから、タッチパネル上、印刷条件等を指定してから、「コピー」ボタンを押下する。
S46:画像形成装置4のジョブ実行部404は、セットされたコピー原稿をスキャンする。出力制御部403は、コピージョブのうちスキャンについては、例えばジョブ実行部404に対してその実行をそのまま許可し、ジョブ実行部404によりスキャンが実行されればよい。
なお、コピージョブの場合、「コピー」ボタンを押下によってそのコピージョブが発生し、またコピージョブは、スキャン、出力(印刷)という2つのジョブから構成されるが、まずはコピー原稿がスキャンされないことには、出力に使用される枚数の把握ができない。よって画像形成装置4の設置面又はADFにコピー原稿がセットされ、コピー操作(命令)の発生によって、セットされているコピー原稿をスキャンした時点で(複数の部数指定等も考慮のうえ)、そのコピージョブに使用されるコピー枚数が把握される。
S47:次に画像形成装置4の出力制御部403は、コピージョブに対する実行可否の判定を行う。上述したように、画像形成装置4の出力制御部403は、コピー原稿のスキャンがなされると、そのコピージョブに使用される出力枚数が把握できる。そしてそのコピージョブに使用される出力枚数(スキャンした原稿x枚、又は複数の部数指定がある場合には、スキャンした原稿x枚×指定部数)と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が上限出力枚数を超過するかどうかの確認を行う。上限出力枚数を超過しない場合、同印刷ジョブの実行を許可する。ここでは、出力枚数:xと、累積出力枚数:30とを加算した加算出力枚数:30+xは、上限出力枚数:100を超過しないものとするので(例えばXは70以下)、出力制御部403は、ジョブ実行部404に対し、コピーの実行を許可する。
S48:画像形成装置4のジョブ実行部404は、出力制御部403により許可されたコピージョブを実行する。このとき、内部的に保持している累積出力枚数:30をx分、カウントアップする。
S49:画像形成装置4の出力制御部403(又はジョブ実行部404)は、コピージョブの実行を完了すると、今回このコピージョブに使用されたコピー枚数の情報(カウントアップしていた累積出力枚数)を出力管理サーバ3に対し送信する。出力管理サーバ3は、カウントアップしていた累積出力枚数を同ユーザの出力制限情報のうち累計印刷枚数に対し更新する。
なお、上述のS46で、コピー原稿のスキャンにより、そのコピージョブに使用される出力枚数が把握できると述べたが、スキャンと出力のタイミング制御法方法によっては、必ずしもこれに当てはまらない場合がある。出力処理の高速化を目的として、ADFに複数枚数の原稿がセットされ、スキャン(読み取り)した原稿を、同時並行的に出力する画像形成装置の場合である。例えば、100枚の原稿がセットされ、全てスキャンした後に、出力処理を行うとすると、スキャン完了までの待機時間が発生する。よって出力処理の高速化するため、先にスキャン(読み取り)したものは直ぐに出力するようにするものである。とするとこの場合、コピー原稿が全てスキャンされてから、そのコピージョブに使用される全ての出力枚数を把握する、という構成を採用することはできない。
従って、このようなスキャンと出力のタイミング制御法方法を有する画像形成装置の場合には、1スキャン分毎に、出力に送られるので、画像形成装置4の出力制御部403は、コピー操作(命令)がなされると、1スキャン分毎に、コピージョブに対する実行可否の判定を行うようにする。つまりその1スキャン分を1のコピージョブとして扱う。に具体的に、その1スキャン分のコピージョブに使用される出力枚数(スキャンしたその原稿1枚、又は複数の部数指定がある場合には、その原稿1枚×指定部数)と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が上限出力枚数を超過するかどうかの確認を行う。上限出力枚数を超過しない場合、同印刷ジョブの実行を許可する。
例えばここでは、1スキャン目分の出力枚数:1と、累積出力枚数:30とを加算した加算出力枚数:31は、上限出力枚数:100を超過しないので、出力制御部403は、ジョブ実行部404に対し、コピーの実行を許可する。そして、続く(例えば2枚目)の原稿がスキャンされることにより、再びS47へ戻り、その1スキャン分のコピージョブに使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が上限出力枚数を超過するかどうかの確認を行い、上限出力枚数を超過しない場合、同印刷ジョブの実行を許可する。ここでは、2枚目にスキャンされる出力枚数:1と、累積出力枚数:31とを加算した加算出力枚数:32は、上限出力枚数:100を超過しないので、出力制御部403は、ジョブ実行部404に対し、コピーの実行を許可する。以上のように、ADFにセットされた原稿の数枚分、この処理を繰り返すことになる。つまり、1スキャン分を1のコピージョブとして取り扱い、全スキャン分が完了するまでS46〜48の繰り返し処理を行えばよい。
以上、「出力制限に該当しないケース」について説明した。続いて、「出力制限に該当するケース」について説明する。
(ケース2−2)
図15は、本実施形態に係る出力管理システム100の情報処理2を説明するシーケンス図(その2)である。本シーケンスでは、「出力制限に該当するケース」について説明する。図面を参照しながら以下説明する。
S51:ユーザは画像形成装置4を操作し、画像形成装置4に対しログイン認証を行う。ここで、ユーザID:「tanaka」、パスワード:「38bk4」が入力され、ログイン許可されたものとして説明を進める(例えば図5参照)。
S52:画像形成装置4の出力制御部403は、ユーザのログイン認証に成功すると、出力管理サーバ3に対し、同ユーザの出力制限情報(累積出力枚数、上限出力枚数)の取得を行う。同ユーザの識別子はログイン時のユーザID(例えば「tanaka」)を使用する。一方、出力管理サーバ3は、出力制限情報の取得(要求)を受信すると、出力制御部403に対し、同ユーザの出力制限情報を送信する。ここで例えば、ユーザIDが「tanaka」であるので、「tanaka」で特定される出力制限情報(累積出力枚数:100、上限出力枚数:100)が送信される(例えば図6参照)。
S53:次にユーザはコピーを行うため、操作パネル41を操作して、コピー画面移行操作を行う。
S54:画像形成装置4の表示部406は、コピー画面移行操作がなされると、取得した同ユーザの出力制限情報に基づいて、コピー画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、コピー画面を表示する。なお、コピー画面の生成に伴って、現時点で同ユーザの累積出力枚数(ここでは100枚)が同ユーザの上限出力枚数(ここでは100枚)を超過するかどうかの確認を行う。超過している場合、料金が必要である旨を表示させるためである。
図16は、コピー画面の一例(その2)を示す。図に示されるように、ユーザがコピー原稿をセットし、コピーを実行できる状態にある。但し、ここでは「既にコピー可能上限を超えています。コピーするには、以下の料金を投入してください。」、「料金投入後、コピー原稿をセットしてコピーを実行してください。」なる表示、またコピー料金を示す料金表(例えば図7参照)が示されている。ユーザID:「tanaka」の場合、出力制限情報において、累積出力枚数:100、上限出力枚数:100である。これは同ユーザ「tanaka」は、累積出力枚数が既に上限出力枚数に到達しており、これ以上1枚もコピーを行うことができないことを意味する。従って、同ユーザ「tanaka」は、これからコピーを行う場合には、超過分の出力枚数をコピーするに必要な料金を投入する必要がある。なお上述したように、コピージョブの場合、スキャンされた時点で、そのコピージョブに使用される枚数がはじめて把握できるようになるので、上述の印刷ジョブ一覧画面とは異なり、この時点でこれらか実行しようとしているコピージョブ分を含めた具体的な料金額を表示することはできない。
S55:ユーザは課金装置5に対し、料金を投入する。ユーザはタッチパネル上の料金表に従って、コピーしようとする分に必要な料金を投入する。
S56:ユーザは、必要な料金を投入後、操作パネル41を操作して、コピー操作(命令)を行う。具体的には、コピー原稿をセットし、タッチパネル上、「コピー」ボタンを押下する。
S57:画像形成装置4のジョブ実行部404は、セットされたコピー原稿をスキャンする。上述したように、コピージョブの場合、画像形成装置4の設置面又はADFにコピー原稿がセットされ、コピー操作(命令)の発生によって、複数の部数指定等も考慮のうえ、セットされているコピー原稿をスキャンした時点で、ようやくそのコピージョブに使用されるコピー枚数が把握される。
S58:画像形成装置4の課金決済部405は、課金装置5に対し、現在の投入金額を確認すると、課金装置5から現在の投入金額の情報が送信される。
S59:画像形成装置4の課金決済部405は、課金装置5に対し、コピー操作(命令)され、スキャンされたコピー原稿枚数に基づくそのコピージョブを実行するに必要な料金額の引き落としを命令する。課金装置5において料金の引き落としが完了すると、課金決済部405は出力制御部403に対し、該当する料金が決済された旨を通知する。なおこの料金額は、課金決済部405により、スキャンされたコピー原稿枚数、指定部数、印刷条件(用紙サイズ、印刷カラー等)に基づいて算出される。
S60:画像形成装置4の出力制御部403は、スキャンされたコピー原稿枚数に基づくそのコピージョブに対する実行可否の判定を行う。具体的に、出力制御部403は、実行可否の判定について、同コピージョブに使用される出力枚数と、累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が、上限出力枚数を超過しないかどうかによって判定するが、本ケースのように上限出力枚数を超過する場合には、課金決済部405から出力制御部403に対し、該当する料金が決済された旨が通知されたことを受けて(上限出力枚数の超過分を決済された料金に立て替えて)、実行可との判定を行うことができる。このときジョブ実行部404に対しスキャンされたコピー原稿枚数に基づくそのコピージョブの実行を許可する。
S61:画像形成装置4のジョブ実行部404は、出力制御部403により許可されたコピージョブを実行する。またこの場合には、内部的に保持している累積出力枚数:100はカウントアップしないしないが、別途、清算情報に料金を積算しておく。
S62:画像形成装置4の出力制御部403は、全てのコピージョブの実行を完了すると、今回このコピージョブに使用された清算情報を出力管理サーバ3に対し送信する。この清算情報は、出力制限情報を越え、どのユーザがどの位の料金を支払ってコピーを行ったかの記録である。例えば、後日この清算情報に基づいて同ユーザに清算が行われたり、同ユーザに対する出力制限情報(特に上限出力枚数)の変更の参考情報等に利用できることは上述したとおりである。
なお、上述したように、ADFに複数枚数の原稿がセットされ、スキャン(読み取り)した原稿を、同時並行に出力する画像形成装置の場合、コピー原稿が全てスキャンされてから、そのコピージョブに使用される全ての出力枚数を把握する、という構成を採用することはできない。従って、このようなスキャンと出力のタイミング制御法方法を有する画像形成装置の場合には、1スキャン分毎に、出力に送られるので、画像形成装置4の出力制御部403は、コピー操作(命令)がなされると、1スキャン分毎に、その1スキャン分のコピージョブを実行するに必要な料金額の算出及び引き落としを行うようにする。つまり、1スキャン分を1のコピージョブとして取り扱い、全スキャン分が完了するまでS57〜61の繰り返し処理を行えばよい。
以上このように、本実施形態に係る出力管理システム100においては、出力制限により、ユーザが実行したいコピージョブを実行できない場合、ユーザは上限出力枚数を超えるコピー分の料金を支払うことにより、業務の停滞を招くことなく速やかにコピージョブの実行を継続することができる。また、ユーザによって支払われた料金は、例えば上限出力枚数を超えた分の出力コストとして充当できるので、実質的に当初予算の範囲内での出力制限管理を遂行することが可能である。
(変形例2)
上述のケース2−2では、「出力制限に該当するケース」について説明したが、上述のようにユーザIDが「tanaka」の場合には、出力制限情報は累積出力枚数:100、上限出力枚数:100であったため、この時点でこれ以上のコピーを行うことができない。一方、本変形例2でも、「出力制限に該当するケース」について説明するが、例えばユーザIDが「yamada」の場合には、出力制限情報は累積出力枚数:190、上限出力枚数:200であるとすると、この時点で10枚までのコピーを行うことができる(例えば図6参照)。つまり同ユーザがコピージョブを実行する場合、コピー枚数によっては、同ユーザに付与されている上限出力枚数の範囲内ではコピー実行可能であるとともに、上限出力枚数を超えた場合には、その分の料金が必要である。この点について説明する。
図17は、本実施形態に係る出力管理システム100の情報処理2を説明するシーケンス図(その3)である。概ね図13、15の一部づつを合わせたものであるが、以下図面を参照しながら説明する。
S71:ユーザは画像形成装置4を操作し、画像形成装置4に対しログイン認証を行う。ここで、ユーザID:「yamada」、パスワード:「y25ac6」が入力され、ログイン許可されたものとして説明を進める(例えば図5参照)。
S72:画像形成装置4の出力制御部403は、ユーザのログイン認証に成功すると、出力管理サーバ3に対し、同ユーザの出力制限情報(累積出力枚数、上限出力枚数)の取得を行う。ここでは、ユーザID:「yamada」の出力制限情報(累積出力枚数:190、上限出力枚数:200)が取得されたものとする(例えば図6参照)。
S73:次にユーザはコピーを行うため、操作パネル41を操作して、コピー画面移行操作を行う。
S74:画像形成装置4の表示部406は、コピー画面移行操作がなされると、取得した同ユーザの出力制限情報に基づいて、コピー画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、コピー画面を表示する。このとき、現時点で同ユーザの累積出力枚数(ここでは190枚)が同ユーザの上限出力枚数(ここでは200枚)を超過するかどうかの確認を行う。ここではこの時点で超過はない。
図18は、コピー画面の一例(その3)を示す。図に示されるように、ユーザがコピー原稿をセットし、コピーを実行できる状態にある。また図中、残り804は、現時点で同ユーザがコピー可能な残りコピー枚数を示す。この場合、コピー可能な残りコピー枚数は10ページ(P)となっている。
S75:ユーザは、操作パネル41を操作し、コピー操作(命令)を行う。具体的には、コピー原稿をセットしてから、タッチパネル上、印刷条件等を指定してから、「コピー」ボタンを押下する。本変形例では、15枚の原稿がセットされたものとする(10枚以下であれば上述のケース2−1に該当)。
S76:画像形成装置4のジョブ実行部404は、セットされたコピー原稿をスキャンする。
S77:画像形成装置4の出力制御部403は、コピージョブに対する実行可否の判定を行う。上述したように、画像形成装置4の出力制御部403は、コピー原稿のスキャンがなされると、そのコピージョブに使用される出力枚数が把握できる。ここで出力枚数は15枚である。そしてそのコピージョブに使用される出力枚数と同ユーザの累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が上限出力枚数を超過するかどうかの確認を行う。上限出力枚数を超過しない場合、同印刷ジョブの実行を許可する。ここでは、出力枚数:15と、累積出力枚数:190とを加算した加算出力枚数:205は、上限出力枚数:200を超過するので、出力制御部403は、ジョブ実行部404に対し、コピーの実行を許可しない。
S78:画像形成装置4の表示部406は、スキャンされたコピー原稿の枚数と同ユーザの出力制限情報に基づいて、再びコピー画面を生成し、操作パネル41のタッチパネル上、コピー画面を表示する。追加の料金が必要である旨を表示させるためである。以下にそのコピー画面例を示す。
図19は、コピー画面の一例(その4)を示す。図に示されるように、「スキャンされた原稿は15枚です。10枚でコピー可能上限を超えます。コピーを継続するには、以下の料金を投入してください。」、「料金投入後、再度コピーを実行してください。」なる表示、またコピー料金を示す「料金合計:150円」が示されている。ユーザID:「yamada」の場合、出力制限情報において、累積出力枚数:190、上限出力枚数:200である。これは同ユーザ「yamada」は、10枚までしか無料でコピーを行うことができないので、スキャンされた原稿のコピーを継続する場合には、超過分の出力枚数をコピーするに必要な料金(例えばカラー、A4、超過分5枚であるとし、合計料金150円)を投入する必要がある。
S79:ユーザは課金装置5に対し、料金を投入する。ユーザはタッチパネル上の料金表に従って、コピーしようとする分に必要な料金を投入する。
S80:ユーザは、必要な料金を投入後、操作パネル41を操作して、コピー操作(命令)を行う。具体的には、コピー原稿をセットし、タッチパネル上、再び「コピー」ボタンを押下する。
S90:画像形成装置4の課金決済部405は、課金装置5に対し、現在の投入金額を確認すると、課金装置5から現在の投入金額の情報が送信される。
S91:画像形成装置4の課金決済部405は、課金装置5に対し、コピー操作(命令)され、スキャンされたコピー原稿枚数に基づくそのコピージョブを実行するに必要な追加の料金額の引き落としを命令する。ここで引き落とされる金額は150円である。課金装置5において料金の引き落としが完了すると、課金決済部405は出力制御部403に対し、該当する料金が決済された旨を通知する。
S92:画像形成装置4の出力制御部403は、スキャンされたコピー原稿枚数に基づくそのコピージョブに対する実行可否の判定を行う。具体的に、出力制御部403は、実行可否の判定について、同コピージョブに使用される出力枚数と、累積出力枚数とを加算した加算出力枚数が、上限出力枚数を超過しないかどうかによって判定するが、本ケースのように上限出力枚数を超過する場合には、課金決済部405から出力制御部403に対し、該当する料金が決済された旨が通知されたことを受けて(上限出力枚数の超過分を決済された料金に立て替えて)、実行可との判定を行うことができる。このときジョブ実行部404に対しスキャンされたコピー原稿枚数に基づくそのコピージョブの実行を許可する。
S93:画像形成装置4のジョブ実行部404は、出力制御部403により許可されたコピージョブを実行する。この場合には、内部的に保持している累積出力枚数:190は200へカウントアップするとともに、清算情報に料金(150円)を積算しておく。
S94:画像形成装置4の出力制御部403は、全てのコピージョブの実行を完了すると、今回このコピージョブに使用されたコピー枚数の情報(カウントアップしていた累積出力枚数)及び清算情報を出力管理サーバ3に対し送信する。出力管理サーバ3は、カウントアップしていた累積出力枚数を同ユーザの出力制限情報のうち累計印刷枚数に対し更新する。
なお、上述したように、ADFに複数枚数の原稿がセットされ、スキャン(読み取り)した原稿を、同時並行に出力する画像形成装置の場合、コピー原稿が全てスキャンされてから、そのコピージョブに使用される全ての出力枚数を把握する、という構成を採用することはできない。従って、このようなスキャンと出力のタイミング制御法方法を有する画像形成装置の場合には、1スキャン分毎に、出力に送られるので、画像形成装置4の出力制御部403は、コピー操作(命令)がなされると、1スキャン分毎に、その1スキャン分のコピージョブを実行するに必要な料金額の算出及び引き落としを行うようにする。つまり、1スキャン分を1のコピージョブとして取り扱い、10枚分が完了するまでは、図15のS57〜61の繰り返し処理を行えばよい。そして11枚目の実行可否判定から、図17のS76へ遷移させ、11〜15枚目までのコピーを継続させる。
図20は、コピー画面の一例(その5)を示す。この場合、1スキャン分毎に実行可否判定されるので、10枚までは実行可と判定され、その結果、10枚分のコピーが出力される。よって図に示されるように、10枚まではコピー済みであるが、11枚目以降について、超過分の出力枚数をコピーするに必要な料金(例えばカラー、A4、超過分5枚であるとし、合計料金150円)を支払うことにより、出力を継続できるという主旨で表示される。
[総括]
以上の本発明によれば、予め設定されている上限出力枚数を超えた場合であっても、業務の停滞を招くことなくその出力を継続させるとともに、上限出力枚数を超えた分の出力コストを預託可能な出力装置、出力管理システム及び出力制限プログラムを提供することが可能となる。
なお、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。