JP6194827B2 - フェノールの色相評価方法 - Google Patents

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本発明は、フェノールの色相評価方法及びフェノールの製造方法に関するものである。詳細には、短時間でフェノールの着色を発現させ、簡便で効率的にフェノールの色相評価を行うと共に、評価結果に応じてフェノールの製造条件を調整することにより、着色が生じ難いフェノールを安定かつ効率的に製造する方法に関する。
フェノールは、工業的には、一般的にクメン法により製造される。クメン法によるフェノールの製造は、クメンを酸素酸化してクメンハイドロパーオキサイドを含む反応液を生成させる酸化工程、得られた反応液から未反応クメンを除去することによりクメンハイドロパーオキサイドを濃縮する濃縮工程、クメンハイドロパーオキサイドを酸分解することによりフェノールとアセトンとを生成させる酸分解工程、及びこの反応液からフェノール以外の成分を除去することにより、高純度なフェノールを得る精製工程とからなっている。
フェノールは、ビスフェノールAの原料として使用されており、更にビスフェノールAはポリカーボネート樹脂の原料として使用されている。ポリカーボネート樹脂は、その優れた透明性を活かして各種光学用途に用いられているため、いかに着色が少ないポリカーボネート樹脂を得るかは非常に重要である。そして、遡ってポリカーボネート樹脂の原料となるフェノールについても着色が少ないことが望まれている。
化学物質の色相評価については、多くの場合ハ−ゼン色数で表される着色度によって品質管理がなされている(特許文献1参照)。ハ−ゼン色数(APHA)は、JIS K−4101又はASTM D−1686に定められており、これは物質の溶融液又は溶液(試料)と基準となる溶液(標準液)を比色管に入れ、拡散昼光のもとで光を透過させ、試料に最も近似した標準液を目視にて決定し、その標準液の番号をハ−ゼン色数とする方法である。
しかしながら、フェノールの色相評価について、色相の経時変化や保存状態の違いによる色相が変化する可能性があることについては、示唆されたことすら無かった。
特開平5‐296838号公報
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、短時間でフェノールの着色し易さを簡便に評価する方法を提供すると共に、評価結果に応じてフェノールの製造条件を調整することにより、着色が生じ難いフェノールを安定かつ効率的に製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、フェノールの色相が経時変化する(着色してくる)場合があること、この色相変化がフェノールの保存状態により異なり、特定の条件でフェノールを処理することにより、この色相変化を加速させ、経時によるフェノールの色相変化が生じるか否かを短時間で評価できる方法を見出した。本発
明はこれらの知見に基づき完成されたものである。
即ち、本発明の第1の要旨は、フェノールの色相評価方法であって、フェノールを凝固させた後に融解させてから色相評価することを特徴とするフェノールの色相評価方法に存する。また、本発明の第2の要旨は、第1の要旨に記載のフェノールの色相評価方法であって、フェノールの凝固と融解を2回ずつ以上行うことを特徴とするフェノールの色相評価方法に存する。そして、本発明の第3の要旨は、クメン法によるフェノールの製造方法であって、第1又は2の要旨に記載のフェノールの色相評価方法による評価結果に応じて、製造条件を変更することを特徴とするフェノールの製造方法に存する。
本発明によれば、フェノールの着色し易さを簡便に短時間で評価する方法を提供することが可能となる。また、この評価結果に応じてフェノールの製造条件を調整することにより、着色が生じ難いフェノールを安定かつ効率的に製造する方法を提供することが可能となる。
本発明の色相評価方法により評価されるフェノール(以下、「本発明に係るフェノール」という場合がある。)は、通常、クメン法により製造される。クメン法によるフェノールの製造は、通常、クメンを酸素酸化してクメンハイドロパーオキサイドを含む反応液を生成させる酸化工程、得られた反応液から未反応クメンを除去することによりクメンハイドロパーオキサイドを濃縮する濃縮工程、クメンハイドロパーオキサイドを酸分解することによりフェノールとアセトンとを生成させる酸分解工程、及びこの反応液からフェノール以外の成分を除去することにより、高純度なフェノールを得る精製工程とからなっている。
本発明の色相評価方法は、フェノールを凝固させた後に融解させてから色相評価することを特徴とする。
本発明者は、先ず、フェノールの色相について経時変化することが無いか検討を行い、製造直後には殆ど着色がみられなくとも、融解状態で長時間、例えば24時間保存後に着色することがあることを見出した。そして、更に、長時間保存せずとも着色のし易さを評価できないかと考え、フェノールの保存状態について検討を行い、フェノールを凝固させた後に融解させることにより、フェノールが速く着色することを見出した。
フェノールの着色が加速される理由としては、着色原因物質とフェノールとの融点の違いにより、凝固するときや融解するときに着色原因物質が濃縮され、凝集することにより着色が促進されてしまうことなどが考えられる。
色相を評価するフェノールは、大気下で採取すれば良い。また、色相試験も大気下で行えば良い。
フェノールの常圧における融点は40.5℃であるが、フェノールの凝固及び融解は、フェノールをフェノールの融点未満又は融点以上に保持することにより行うことができる。フェノールを凝固させる時の温度は、速く凝固させやすい点では低温が好ましいが、色相変化を加速させやすい点では高温が好ましいと考えられる。そして、冷却作業が不要となる点では、室温がフェノールの融点未満である場合は、室温で凝固させることが好ましい。また、氷を用いて簡便に冷却できる点では0℃も好ましい。そこで、具体的には、35℃以下で凝固させることが好ましく、20℃以下で凝固させることが更に好ましく、氷を用いて約0℃で凝固させることが最も好ましい。フェノールを融解させる時の温度は、速く融解させやすい点では高温が好ましいが、色相変化を加速させやすく、簡便に加熱を行いやすい点では低温が好ましいと考えられる。そこで、具体的には、50℃以上で融解
させることが好ましく、55℃以上で融解させることが更に好ましく、また、一方、100℃以下で融解させることが好ましく、80℃以下で融解させることが更に好ましい。
フェノールの凝固及び融解に要する時間(凝固速度及び融解時間)は、速い方が作業効率上好ましいが、遅い方が色相変化を加速させやすいと考えられる。また、室温で冷却することにより凝固させる場合は、室温で凝固するまでの間保持することが好ましく、氷を用いて冷却することにより凝固させる場合は、氷による冷却により凝固するまでの間保持することが好ましい。
フェノールの凝固及び融解を行う回数は、回数が少ない方が作業は簡便であるが、多い方が色相変化を加速させやすいと考えられる。そこで、2回以上であることが好ましいが、また一方で、4回以下であること好ましく、3回が特に好ましい。
色相は、ハ−ゼン色数で表される着色度によって評価することができる。ハ−ゼン色数は、JIS K−4101又はASTM D−1686に定められた方法などにより行えばよい。具体的には、測定対象であるフェノール液と基準となる溶液(標準液)とを比色管に入れ、拡散昼光のもとで光を透過させ、試料に最も近似した標準液を目視にて決定し、その標準液の番号をハ−ゼン色数とする。また、簡便法としては、目視で評価しても良い。標準液は、塩化白金酸及び塩化コバルトの混合溶液を所定の濃度に調整した液であり、濃度が低いほど番号が小さくなる。
続いて、本発明のフェノールの製造方法について説明する。本発明のフェノールの製造方法は、本発明の色相評価方法による評価結果に応じて、フェノールの製造条件を変更することを特徴とする。すなわち、本発明のフェノールの製造方法では、本発明の色相評価方法により、フェノールの色相変化を加速させ、短時間で着色しやすいフェノールであるか否かを評価できるため、その評価結果に応じてフェノールの製造条件を調整することにより、着色が生じ難いフェノールを安定かつ効率的に製造することが可能となる。ここで、後述する実施例においては、クメン法により製造したフェノールについて、本発明の色相評価方法により、フェノールの色相変化を加速させ、短時間で着色しやすいフェノールであるか否かを評価できることを裏付けているが、フェノール中の着色原因物質は、フェノールの製造に用いた原料やフェノールの製法に依存すると考えられることから、本発明のフェノールの製造方法は、特にクメン法により製造したフェノールに好適であることがわかる。
以下、本発明の内容を実施例により説明する。但し、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[参考例1]
クメン法により製造直後のフェノール液(室温により凝固する前)のハーゼン色数を、目視で評価したところ、5未満であった。
[参考例2]
参考例1でハーゼン色数を評価したフェノール液を、24時間60℃で保存した後に、そのハーゼン色数を目視で評価したところ、20であった。
[実施例1]
参考例1でハーゼン色数を評価したフェノール液(室温により凝固する前)を、耐熱性のガラス容器に200ml入れた。このガラス容器を氷水に45分間漬けることによりフェノールを凝固させた後、60℃の恒温槽に45分間保持することにより溶融させた。ハーゼン色数を目視で評価したところ20であった。
[実施例2]
参考例1でハーゼン色数を評価したフェノール液とは別にクメン法により製造された、製造直後のフェノール液(室温により凝固する前)を、耐熱性のガラス容器に200ml入れた。このガラス容器を氷水に45分間漬けることによりフェノールを凝固させた後、60℃の恒温槽に45分間保持することにより溶融させた。この凝固と融解の操作を合計3回繰り返した。ハーゼン色数を目視により評価した結果、15であった。
[参考例3]
参考例1及び実施例2でハーゼン色数を評価したフェノール液とは別にクメン法により製造された、製造直後のフェノール液(室温により凝固する前)のハーゼン色数を目視で評価したところ、5未満であった。
[参考例4]
参考例3でハーゼン色数を評価したフェノール液を、24時間60℃で保存した後に、そのハーゼン色数を目視で評価したところ、5未満であった。
[参考例5]
参考例3でハーゼン色数を評価したフェノール液(室温により凝固する前)を、耐熱性のガラス容器に200ml入れた。このガラス容器を氷水に45分間漬けることによりフェノールを凝固させた後、60℃の恒温槽に45分間保持することにより溶融させた。ハーゼン色数を目視で評価したところ5未満であった。
以上の結果より、本発明の色相評価方法により、フェノールの着色し易さを簡便に短時間で評価できることが裏付けされた。

Claims (2)

  1. フェノールの色相評価方法であって、フェノールを凝固させた後に融解させてから色相評価することを特徴とするフェノールの色相評価方法。
  2. 請求項1に記載のフェノールの色相評価方法であって、フェノールの凝固と融解を2回ずつ以上行うことを特徴とするフェノールの色相評価方法。
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