JP2005232116A - 乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールの製造方法 - Google Patents

乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 セルロースから乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールを連続的に製造する。
【解決手段】 塩基が含まれているセルロース含有水と、酸が含まれているセルロース含有水をそれぞれ経路上で高温、高圧状態にすることで乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールを製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明はセルロースより乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールの製造方法に関する。
従来乳酸は、でんぷんを酸又は酵素により加水分解させてグルコース等の糖を生成し、その糖を乳酸発酵することにより得られる。乳酸は、生分解プラスチックのポリ乳酸の原料として用途がある。特許文献1には、古紙から乳酸を製造する方法が記載されており、セルラーゼ(酵素)を用いてセルロースを糖化反応した後に、乳酸発酵により乳酸を製造する方法が記載されている。
また特許文献2にはヘキソースを希土類金属化合物(塩化物または酢酸塩)を触媒として、極性溶媒を含有する溶液中で80〜200℃において加熱することから5−ヒドロキシメチルフルフラール(以下5−HMF)を製造する方法が記載されている。
また特許文献3にはキシロースやヘミセルロースを含有する水溶液と、酸を添加してフルフラールを製造する方法が記載されている。この製造方法は超臨界二酸化炭素を用いてフルフラールを抽出している。
特開2002−238590号公報 特開平10−265468号公報 特開平02−108682号公報
従来の技術では、乳酸及び5−HMF、フルフラールがそれぞれの方法において一度に一種類しか製造することができないことが問題である。
そこで本発明は、製造工程をとめずに一度にセルロースから乳酸及び5−HMFおよびフルフラールをそれぞれ製造できる製造方法を提供することを目的とする。
よって本発明は、セルロースから乳酸及び5−HMF及びフルフラールを製造する方法において、前記セルロースを含有する水を経路へ流す流通工程と、前記水に塩基が添加された状態で前記水が前記経路内で温度150℃以上400℃未満、圧力5MPa以上の状態にされる乳酸製造工程と、前記乳酸製造工程の前あるいは後に前記水に酸が添加された状態で前記水が前記経路内で温度250℃以上400℃未満、圧力10MPa以上の状態にされる5−HMF及びフルフラール製造工程を有することを特徴とする乳酸及び5−HMF及びフルフラールを製造する方法を提供する。
本発明により、セルロースから製造工程をとめずに一度に乳酸及び5−HMF及びフルフラールを製造することが出来る。
本実施形態では、乳酸製造工程と5−HMF及びフルフラール製造工程とを有する。いずれの工程はどちらが前に行われてもよい。また交互に繰り返し両工程を行うことができる。
はじめにセルロースが水に含まれている状態について説明する。
セルロースは生物由来の有機物であることが好ましく、より具体的には紙が好ましい。紙であることで例えば古紙の再利用が可能である。
セルロースを含有、例えば分散させた水に含まれるセルロースは、古紙が裁断されて得られたものであり、繊維までもが裁断された微細な状態であることが好ましい。したがってこの場合セルロースを分散させた水は不透明なスラリー状になっている。
次に両工程をそれぞれ説明する。
(乳酸製造工程)
セルロースと塩基が加えられている水を高温、高圧状態にすることで乳酸を得ることが出来る。これが本実施形態における乳酸製造工程である。
塩基とは、水酸化ナトリウムなどの無機塩基やテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機塩基である。
水に対する塩基の添加量は、セルロースの重量を1として重量比で0.5以上、8以下の範囲であることが好ましい。
好ましい高温、高圧状態とは、温度150℃以上400℃未満、圧力5MPa以上35MPa未満の範囲である。
(5−HMF及びフルフラール製造工程)
セルロースと酸が加えられている水を高温、高圧状態にすることで5−HMF及びフルフラールを得ることが出来る。これが本実施形態における5−HMF及びフルフラール製造工程である。
酸とは、硫酸や硝酸、リン酸などの無機酸や酢酸やギ酸などの有機酸である。
水に対する酸の添加量は、セルロースの重量を1として重量比で0.01以上、1.2以下の範囲であることが好ましい。
好ましい高温、高圧状態とは、温度250℃以上400℃未満、圧力10MPa以上35MPa未満の範囲である。
このように乳酸製造工程と5−HMF及びフルフラール製造工程のそれぞれの高温、高圧状態の範囲はそれぞれ異なるが、これは製造したい化合物の種類や収率から適宜決めればよい。
本実施形態では同一の経路において両工程を行う。同一の経路とは、たとえばパイプのような流路である。
同一の流路に例えばセルロース含有水を流通させる。高温、高圧状態にされる前にセルロース含有水に塩基あるいは酸が含まれていれば乳酸製造工程と5−HMF及びフルフラール製造工程とを行うことが出来る。
高温、高圧状態は高温、高圧に耐える空間にて行われる。経路としてのパイプそのものを、セルロース含有水を高温、高圧状態にする空間として利用してもよいし、別の容器を利用してもよい。この場合、この容器も経路とみなすことが出来る。
酸や塩基は経路に入る前のセルロース含有水に添加されていてもよい。より好ましくは経路途中に酸あるいは塩基を経路内に導入する手段を設けることが連続的にセルロース含有水を処理するという点で好ましい。該手段とは酸あるいはアルカリのそれぞれを添加するために完全に別体の手段でもよいし、例えば導入経路を共通にしてもよい。
セルロース含有水を高温、高圧状態する方法は1つにはセルロース含有水をそのまま高温、高圧状態にする方法である。また別のより好ましい方法としてセルロース含有水に別の水を供給することでセルロース含有水を高温、高圧状態にするという方法である。より具体的には高温、高圧状態にはほど遠い圧力(例えば常圧)且つ/あるいは温度(例えば常温)のセルロース含有水に高圧且つ/あるいは高温の水を経路内で供給する方法である。これは乳酸及び5−HMF及びフルフラールを製造する直前までセルロース含有水を高温、高圧状態にしなくてすむという点で好ましい。
以下に更により好ましい形態を詳述する。
セルロースから乳酸及び5−HMF、フルフラールをそれぞれ任意の割合で連続的に生成するために、セルロースに高温、高圧の水を添加すると同時に、酸または塩基を交互に添加する。この酸と塩基の添加量に応じて、セルロースから乳酸及び5−HMF、フルフラールをそれぞれ任意の割合で連続的に生成することができる(変種変量生産が可能となる)。
具体的にはセルロースから乳酸を得る方法として、セルロースに高温、高圧の水を添加すると同時に、後述するストップバルブ7を時間T1(T1は任意)開放して塩基を添加することによってセルロースから乳酸を得ることができる。このときセルロースに添加する高温、高圧の水と塩基の混合部分の状態は例えば、温度250℃、圧力25MPaである。
またセルロースから5−HMF及びフルフラールを得る方法として、ストップバルブ7を時間T1(T1は任意)後に閉鎖し、それからストップバルブ8を時間T2(T2は任意)開放して酸を、セルロースと高温、高圧の水に添加することによってセルロースから5−HMF及びフルフラールを得ることができる。このときセルロースに添加する高温、高圧の水と酸の混合部分の状態は例えば、温度275℃、圧力28MPaである。
(1)本実施形態においてセルロースを分散させた水に含まれるセルロースの量は例えば1重量/体積パーセントである。また、セルロース・塩基含有水に含まれる塩基の量は4重量/体積パーセントである。このセルロース・塩基含有水に別の水を加える。この別の水を加えることで、セルロースが高温高圧下において急激に分解され、乳酸が生成する。この別の水とセルロース・塩基含有水の混合部の温度、圧力は例えば温度250℃で、圧力25MPaである。この反応に要する時間は1秒であった。反応開始時点は上記温度に達した時点であり、反応終了時点は上記温度と異なった時点である。このときセルロースから乳酸への転化率は40.2%である。本発明では反応時間を公知の技術に比べて短時間にすることができるので好ましい。あまり長時間反応させると乳酸が分解されてしまうことがあるが、この程度の短時間であればそのような心配は無い。
(2)また本実施形態においてセルロースを分散させた水に水酸化ナトリウム水溶液を添加するのを停止した後、ただちに硫酸水溶液の添加を開始する。この混合液を以下セルロース・酸含有水と記す。セルロースを分散させた水に含まれるセルロースの量は例えば1重量/体積パーセントである。また、セルロース・酸含有水に含まれる酸の量は1.2重量/体積パーセントである。このセルロース・酸含有水に別の水を加える。この別の水を加えることで、セルロースが高温高圧下において急激に分解され、5−HMFおよびフルフラールが生成する。この別の水とセルロース・酸含有水の混合部の温度、圧力は例えば温度275℃で、圧力28MPaである。この反応に要する時間は1秒であった。測定時間は上記の定義と同じである。このときセルロースから5−HMFの転化率は30.6%である。またセルロースからフルフラールの転化率は6.9%である。本発明では反応時間を公知の技術に比べて短時間にすることができるので好ましい。あまり長時間反応させると5−HMFおよびフルフラールがフルラール以外の化合物にまで分解されてしまうことがあるが、この程度の短時間であればそのような心配は無い。
(1)、(2)で述べたように酸、または塩基を添加することで5−HMFおよびフルフラールまたは乳酸を選択的に生成することができる。そのため酸または塩基を添加する時間、濃度、流量等の何れかを適宜設定することで、乳酸及び5−HMF、フルフラールの生成量を制御することができる。例えば、酸よりも塩基を添加する時間を長く設定すれば乳酸の生成が5−HMFおよびフルフラールの生成に比べて増加し、塩基よりも酸を添加する時間を長く設定すれば5−HMFおよびフルフラールの生成が乳酸に対し増加する。
また、ここでいう乳酸の転化率とは実際に得られた乳酸のモル数を、投入したセルロースのモル数から理論上得られる乳酸のモル数で除し、百分率で表したものである。
さらに具体的に理論上得られる乳酸のモル数を説明する。セルロースのモル数をグルコース換算する。一つのグルコースから乳酸が二つ生成するとそれらの炭素数から考え、転化率を計算した。
また、ここでいう5−HMFおよびフルフラールの転化率とは実際に得られた5−HMFおよびフルフラールのモル数を、投入したセルロースのモル数から理論上得られる5−HMFおよびフルフラールのモル数で除し、百分率で表したものである。
さらに具体的に理論上得られる5−HMFおよびフルフラールのモル数を説明する。セルロースのモル数をグルコース換算する。一つのグルコースから5−HMFまたはフルフラールが一つ生成するとそれらの炭素数から考え、転化率を計算した。
また、セルロースを分散させた水と塩基水溶液は高圧状態で別の水と触れる。これは別の水も高圧であるためセルロースを分散させた水と塩基水溶液も当然高圧とすることが必要だからである。セルロースを分散させた水と塩基水溶液は例えば5MPa以上35MPa未満の圧力範囲である。
また、セルロースを分散させた水と塩基水溶液は別の水に曝される前に混合していれば良いので、あらかじめ混合したものを供給しても、別々に供給したあと流路内で混合されるものでも良い。
また、セルロースを分散させた水と酸水溶液は高圧状態で別の水と触れる。これは別の水も高圧であるためセルロースを分散させた水と酸水溶液も当然高圧とすることが必要だからである。セルロースを分散させた水と酸水溶液は例えば10MPa以上35MPa未満の圧力範囲である。
また、セルロースを分散させた水と酸水溶液は別の水に曝される前に混合していれば良いので、あらかじめ混合したものを供給しても、別々に供給したあと流路内で混合されるものでも良い。
次に別の水について説明する。
別の水は通常の組成の水である。より具体的には純水であり、あるいは水道水でかまわない。
この別の水を高温高圧状態とし、セルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液に供給する。
この別の水は、セルロースを分散させた水と塩基水溶液に供給するとき、好ましくは5MPa以上35MPa未満の圧力範囲であり、160℃以上430℃未満の温度範囲である。またセルロースを分散させた水と酸水溶液に別の水を供給するとき、好ましくは10MPa以上35MPa未満の圧力範囲であり、260以上430℃未満の温度範囲である。
セルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液を室温程度とする場合、このように別の水を400℃よりも高温に設定することで、セルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液と別の水を混合したときには350℃以上400℃未満となることができる。
別の水とセルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液とはそれぞれ個別に温度範囲および/又は圧力範囲が設定されればよい。
次に別の水とセルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液とが混合されてセルロースが乳酸及び5−HMF、フルフラールへ分解される環境の温度と圧力の数値範囲について述べる。
温度範囲に関して好ましい数値範囲は、別の水とセルロースを分散させた水と塩基水溶液が混合されるときは温度150℃以上400℃未満の範囲である。また、セルロースを分散させた水と酸水溶液が混合されるときは温度250℃以上400℃未満の範囲である。一方圧力範囲に関して好ましい数値範囲は、別の水とセルロースを分散させた水と塩基水溶液が混合されるときは5MPa以上35MPa未満の範囲である。また、別の水とセルロースを分散させた水と酸水溶液が混合されるときは10MPa以上35MPa未満の範囲である。
温度150℃未満、圧力5MPa未満の場合は乳酸の生成が小さく、また気相である条件に近くなり温度、圧力が不安定になる。また温度250℃未満、圧力10MPa未満の場合は5−HMF、フルフラールの生成が小さく、また気相である条件に近くなり温度、圧力が不安定になる。また温度400℃以上、圧力35MPa以上の場合は高温高圧水の特性から金属の酸化が進みやすく、装置の腐食が懸念されるために、上記温度、圧力設定とすることが好ましい。
本実施形態において、セルロースは繊維までもが裁断された非常に細かなものであるが、本発明はその他に古紙等が裁断され少なくとも1辺が0.5mm程度のサイズである大きなものであってもよい。その場合セルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液はセルロース由来による懸濁が観察されなくてもよい。また繊維までは裁断されていなくてもセルロースにより懸濁している水でもよい。
本実施形態では、別の水を用いて、別の水とセルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液とをほぼ同じ圧力とし、別の水のみが加熱された状態で、両水を接触させることを述べたが、セルロースが高温高圧環境下で分解できれば、例えば別の水は不要でセルロースを分散させた水と塩基水溶液及びセルロースを分散させた水と酸水溶液のみを高温高圧としてセルロースを乳酸及び5−HMF、フルフラールへ分解してもよい。
本実施形態では、両水を合流させるための場を設ける形態でもよく、あるいは一方の水が収容される場へ他方の水を供給する形態でもよい。
本実施形態では、セルロースを古紙から得たが、その他、コットン、葉、木材の植物、あるいは芋等の植物、あるいは動物由来のものでもよく、いわゆる生物由来の有機物から得られればよい。ただ中でも古紙は余分な不純物が製紙過程で取除かれているので、純度の高いセルロースを得ることができるので好ましい。この場合古紙とは例えば電子写真方式あるいはインクジェット方式等で画像あるいは文字が形成している古紙である。
このように本実施形態から得られる乳酸からポリ乳酸を得て、それを別の化合物を得るための材料としたり、あるいは別の材料を加えたりすることで、例えば成形品材料や透過材料に利用することができる。
成形品材料とは例えば筐体のことで更に具体的には電子写真方式の画像形成装置やインクジェット方式の画像形成装置の外枠体などである。
また透過材料とは例えば無線あるいは光が通過できる材料のことで、赤外線センサの受信部あるいは送信前に設ける材料や、光センサの受信あるいは送信部前に設ける材料であったり意匠として透明が要求される材料のことである。
また、本実施形態から得られる5−HMFは各種医薬品、農薬、香料等の合成中間体として利用できる。また、フルフラールは耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、耐溶剤性、耐磨耗性に優れたフラン樹脂の原料に利用できる。
次に本実施形態に係る乳酸及び5−HMF、フルフラール製造方法を達成する乳酸及び5−HMF、フルフラール製造装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る乳酸及び5−HMF、フルフラール製造装置を示す模式図である。符号1は容器、2はポンプA、3は容器、4はポンプB、5は容器、6は容器、7はストップバルブ、8はストップバルブ、9はポンプC、10は加熱手段、11は反応炉、12は混合部、13は冷却水混合部、14はポンプD、15は容器、16は減圧弁、17は容器である。反応炉11は加熱手段10と混合部12と冷却水混合部13とを有している。
セルロースを分散させた水は容器1に収容されている。セルロースを分散させた水はポンプAにより容器1からくみ上げられて高圧の状態で混合部12へと流路を経て供給される。
また、塩基水溶液は容器5に収容されている。塩基水溶液はストップバルブ7を時間T1(T1は任意)開放して、ポンプCにより容器5からくみ上げられることにより高圧の状態で混合部12へと流路を経て供給される。
別の水は容器3に収容されている。別の水はポンプBにより容器3からくみ上げられ高圧の状態で混合部12へと流路を経て供給される。
ポンプBと混合部12との間の流路には加熱手段10が配置されている。別の水は、混合部12へ至る迄に加熱手段10により加熱される。
また、酸水溶液は容器6に収容されている。時間T1後、ストップバルブ7を閉じて、容器5からの塩基水溶液の供給を停止した後に、酸水溶液はストップバルブ8を時間T2(T2は任意)開放してポンプCにより容器6からくみ上げられることにより、高圧の状態で混合部12へと流路を経て供給される。
つまりセルロースを分散させた水と塩基水溶液と別の水及びセルロースを分散させた水と酸水溶液と別の水は混合部12においてそれぞれ混合される。この混合部においてセルロースを分散させた水と塩基水溶液と別の水が混合されるとき、圧力と温度は例えば圧力は25MPaであり、温度は250℃である。また、セルロースを分散させた水と酸水溶液と別の水が混合されるとき、圧力と温度は例えば圧力は28MPaであり、温度は275℃である。
そしてセルロースを分散させた水と塩基水溶液と別の水が混合した水の中でセルロースは分解され乳酸が生じる。また、セルロースを分散させた水と酸水溶液と別の水が混合した水の中でセルロースは分解され5−HMF、フルフラールが生じる。それぞれの分解反応は、混合部12から冷却水混合部13の流路内で行われる。すなわち冷却水混合部13は分解反応の終了作業をつかさどる。
冷却水混合部13は流路を介してポンプDと接続しており、ポンプDは容器15に収容されている冷却水をくみ上げ高圧の状態で混合した水へ供給する。冷却水が混合した水に供給されることで分解反応が停止する。
冷却水が混合された冷却混合水は更に流路を経て減圧弁16により減圧(大気開放)され容器17に収容される。
容器17に収容された冷却混合水には乳酸及び5−HMF、フルフラールが含まれているので公知の方法で取除くことができる。
以下に実施例を述べる。
セルロースを水に対して1重量/体積パーセントとなるように分散させ容器1に入れた。また4重量/体積パーセントとなるように水酸化ナトリウム水溶液を調製し、容器5に入れた。そして容器1からポンプA2でセルロースを分散させた水を毎分1ミリリットルの流量で送液し、またストップバルブ7を30秒開放して容器5からポンプC9で水酸化ナトリウム水溶液を毎分1ミリリットルの流量で送液する。そして容器3からポンプB4で毎分4ミリリットルの流量で送液した水と混合部12で混合した。ポンプB4によって送液された水はポンプB4と混合部12との間の流路に配置されている加熱手段10により昇湿され、混合部12へ供給される。このときの混合部12の温度は250℃で、圧力は25MPaであった。
また1.2重量/体積パーセントとなるように硫酸水溶液を調製し、容器6に入れた。そして容器1からポンプA2でセルロースを分散させた水を毎分1ミリリットルの流量で送液し、またストップバルブ7を開放してから30秒後に閉じて、ストップバルブ8を30秒開放して容器6からポンプC9で硫酸水溶液を毎分1ミリリットルの流量で送液する。そして容器3からポンプB4で毎分4ミリリットルの流量で送液した水と混合部12で混合した。ポンプB4によって送液された水はポンプB4と混合部12との間の流路に配置されている加熱手段10により昇湿され、混合部12へ供給される。このときの混合部12の温度は275℃で、圧力は28MPaであった。
このようにストップバルブ7とストップバルブ8の開閉を30秒おきに交互に行うことによって、混合部12にてセルロースを分散させた水と容器3からポンプB4によって送液された水とそれぞれ混合させた。
そして、冷却水混合部13において容器15からポンプD14で毎分8ミリリットルの流量で送液した水と混合部12から送液された反応液を混合させて分解反応を停止させた。つまりセルロースを分散させた水が分解する時間は混合部12から冷却水混合部13の間である。今回の実施例において、混合部12から冷却水混合部13の間を流通する時間つまり、反応時間は1.06秒であった。
そして冷却水が混合された冷却混合水は更に流路を経て減圧弁16により減圧(大気開放)され容器17に収容された。容器17に反応液を1時間収容し、その後に容器17に収容された液体を高速液体クロマトグラフィで分析した。これにより、セルロースから乳酸への転化率は40.2%、5−HMFへの転化率は30.6%、フルフラールへの転化率は6.9%であることがわかった。
(比較例1)
以下に比較例を述べる。
セルロースを水に対して1重量/体積パーセントとなるように分散させ容器1に入れた。また4重量/体積パーセントとなるように水酸化ナトリウム水溶液を調製し、容器5に入れた。そして容器1からポンプA2でセルロースを分散させた水を毎分1ミリリットルの流量で送液し、またストップバルブ7を開放して容器5からポンプC9で水酸化ナトリウム水溶液を毎分1ミリリットルの流量で送液する。そして容器3からポンプB4で毎分4ミリリットルの流量で送液した水と混合部12で混合した。ポンプB4によって送液された水はポンプB4と混合部12との間の流路に配置されている加熱手段10により昇湿され、混合部12へ供給される。このときの混合部12の温度は250℃で、圧力は25MPaであった。
そして、冷却水混合部13において容器15からポンプD14で毎分8ミリリットルの流量で送液した水と混合部12から送液された反応液を混合させて分解反応を停止させた。つまりセルロースを分散させた水が分解する時間は混合部12から冷却水混合部13の間である。今回の実施例において、混合部12から冷却水混合部13の間を流通する時間つまり、反応時間は1.06秒であった。
そして冷却水が混合された冷却混合水は更に流路を経て減圧弁16により減圧(大気開放)され容器17に収容された。容器17に反応液を1時間収容し、その後に容器17に収容された液体を高速液体クロマトグラフィで分析した。これにより、セルロースから乳酸への転化率は40.2%、5−HMFへの転化率は6.2%、フルフラールへの転化率は1.7%であることがわかった。
(比較例2)
セルロースを水に対して1重量/体積パーセントとなるように分散させ容器1に入れた。また1.2重量/体積パーセントとなるように硫酸水溶液を調製し、容器6に入れた。そして容器1からポンプA2でセルロースを分散させた水を毎分1ミリリットルの流量で送液し、またストップバルブ8を開放して容器6からポンプC9で硫酸水溶液を毎分1ミリリットルの流量で送液する。そして容器3からポンプB4で毎分4ミリリットルの流量で送液した水と混合部12で混合した。ポンプB4によって送液された水はポンプB4と混合部12との間の流路に配置されている加熱手段10により昇湿され、混合部12へ供給される。このときの混合部12の温度は275℃で、圧力は28MPaであった。
そして、冷却水混合部13において容器15からポンプD14で毎分8ミリリットルの流量で送液した水と混合部12から送液された反応液を混合させて分解反応を停止させた。つまりセルロースを分散させた水が分解する時間は混合部12から冷却水混合部13の間である。今回の実施例において、混合部12から冷却水混合部13の間を流通する時間つまり、反応時間は1.06秒であった。
そして冷却水が混合された冷却混合水は更に流路を経て減圧弁16により減圧(大気開放)され容器17に収容された。容器17に反応液を1時間収容し、その後に容器17に収容された液体を高速液体クロマトグラフィで分析した。これにより、セルロースから乳酸への転化率は0%、5−HMFへの転化率は30.6%、フルフラールへの転化率は6.9%であることがわかった。
本実施形態に係る乳酸及び5−HMF、フルフラールを製造する製造装置を示す模式図である。
符号の説明
1 容器
2 ポンプA
3 容器
4 ポンプB
5 容器
6 容器
7 ストップバルブ
8 ストップバルブ
9 ポンプC
10 加熱手段
11 反応炉
12 混合部
13 冷却水混合部
14 ポンプD
15 容器
16 減圧弁
17 容器

Claims (2)

  1. セルロースから乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールを製造する方法において、前記セルロースを含有する水を経路へ流す流通工程と、前記水に塩基が添加されている状態で前記水が前記経路内で温度150℃以上400℃未満、圧力5MPa以上の状態にされる乳酸製造工程と、前記乳酸製造工程の前あるいは後に、前記水に酸が添加されている状態で前記水が前記経路内で温度250℃以上400℃未満、圧力10MPa以上の状態にされる5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラール製造工程を有することを特徴とする乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールを製造する方法。
  2. 前記乳酸製造工程と前記5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラール製造工程は交互に繰り返し行われることを特徴とする請求項1に記載の乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールを製造する方法。
JP2004045638A 2004-02-23 2004-02-23 乳酸及び5−ヒドロキシメチルフルフラール及びフルフラールの製造方法 Withdrawn JP2005232116A (ja)

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