JP6194739B2 - 制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作動にともなって衝突部と被衝突部との衝突が生じる作動装置について、当該作動装置を制御する制御装置に関する。
例えば電磁弁など、作動にともなって部品同士の衝突が生じる作動装置では、当該衝突により発生する衝突音を低減するために、従来から様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、部品同士の衝突速度を低減することによって衝突音を低減する方法が開示されている。また、特許文献2には、衝突音を低減するために、衝突部に弾性体を設けることによって作動時の衝撃を緩和する方法が開示されている。その他、衝突音を低減するために、特許文献3には、衝突部付近の構成を変更して衝突部材を軽量化する方法が開示されており、特許文献4には、衝突部の形状を特殊な形状にする方法が開示されている。
特開2013−32750号公報 特開2000−179747号公報 特開平07−301356号公報 特開2010−168901号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、作動装置である電磁弁の応答性が低下してしまい、実際の使用時に不都合が生じる恐れがある。また、特許文献2〜4では、その作動装置専用の部品を準備する必要がある。さらに、特許文献2の弾性体などの部品を追加的に設けることは、作動装置全体の体格および重量を増加させてしまう。
また、作動にともなって部品同士の衝突が生じる作動装置では、衝突音の他に振動が発生する。この振動は作動装置の性能を低下させる恐れがあり、衝突音と同様、低減することが望ましい。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、衝突音を低減するための専用の部品を必要とせず、かつ、作動装置の応答性を維持したまま、作動装置に発生する衝突音または振動を抑制可能な制御装置を提供することにある。
本発明は、周期的な作動にともなって衝突部と被衝突部との衝突が生じる作動装置について、作動周期よりも短い時間間隔で衝突部と被衝突部との同一部位に複数回の衝突を生じさせるべく動作する電磁弁について、衝突部の下げ戻し行程を含む1回の開弁動作中または閉弁動作中に、衝突部の移動速度または移動方向を変えるように電磁弁を制御する制御装置である。ここで、1回の衝突により作動装置に発生する音または振動の周波数特性について、波形にピークが出現する周波数(Hz)をFとし、複数の衝突の各衝突間の時間間隔(s)をTとし、任意の自然数をnとする。本発明の制御装置は、複数回の衝突の各衝突間の時間間隔Tを変化させ、一定の周波数Fに対して、以下の式(1)が成り立つように、作動装置が含む電磁弁を制御することを特徴としている。
F=(n−1/2)/T ・・・式(1)
なお、上記式(1)の数値は厳密でなくてもよく、当業者の技術常識の範囲内で誤差を許容することができる。
上記構成の作動装置では、衝突部と被衝突部とが衝突することによって起振力が発生し、これによって作動装置に振動が励起され、衝突音が発生する。以下、本発明が衝突音を低減するための原理について説明するが、振動を低減する場合についても同様の説明を適用できる。
上記構成の作動装置において、衝突部と被衝突部とを1回衝突させた場合、図1(a)に示すような起振力が発生する。この起振力は、図1(b)に示すように、一般的に低周波から高周波までフラットな周波数特性を有する。一方、作動装置の音響感度は、その材質や構造に基づいて、図1(c)に示すように、ある周波数でピークを有する。なお、音響感度とは、ある入力点に起振力(N)が加えられたときの音へのなりやすさであり、その単位は(Pa/N)である。
衝突により発生する音(ここでは音圧を意味する)は、起振力と音響感度との積により求められる。例えば、衝突部と被衝突部とを1回衝突させた場合に発生する音は、図1(b)および図1(c)に基づいて、図1(d)に示すような周波数特性を示す。この場合の音の周波数特性は、音響感度のピーク周波数と同じ周波数で波形にピークを有する。このピーク周波数の音が衝突音の主な原因である。
本発明は、衝突現象を短い時間間隔で複数回発生させると、起振力の周波数特性がこの時間間隔に対応した周波数間隔でディップ(鋭い低下)を有することに着目してなされたものである。
本発明に係る制御装置は、上記式(1)の関係が成り立つように、作動周期よりも短い間隔Tで衝突部と被衝突部とが複数回衝突するように作動装置を制御する。例えば、衝突部と被衝突部とが時間間隔Tで2回衝突する場合を例にして説明する(図2(a)参照)。この場合の起振力の周波数特性は、図2(b)に示すように、時間間隔Tに対応する周波数間隔で、衝突が1回の場合(点線で示す)よりも起振力が小さくなるディップを有する。また、図2(c)は、図1(c)と同様に作動装置の音響感度の周波数特性を示すグラフである。
ここで、上記式(1)の関係によれば、図2(b)に示す起振力のディップ周波数と、図2(c)に示す音響感度のピーク周波数が同じになる。この結果、衝突部と被衝突部とが2回衝突した場合に発生する音は、図2(d)に示すように、衝突が1回の場合の音のピーク周波数において低減する。なお、図2(d)では、衝突が1回の場合の音を点線で示している。
言い換えると、1回目の衝突により発生するピーク周波数の音の波形と、2回目の衝突により発生するピーク周波数の音の波形とは、位相が半波長ずれるため相殺される。
したがって、本発明によれば、衝突音の主な原因となるピーク周波数の音を低減できるため、作動にともなって発生する衝突音を低減することができる。
また、本発明によれば、作動装置の衝突音を低減させるために専用の部材を必要とせず、作動装置の体格や重量を増加させない。また、作動装置の応答性を低下させず衝突音を低下することができる。
また、作動装置が、車両に搭載され、エンジンに燃料を供給するための高圧ポンプやインジェクタなどである場合には、アイドリング時などのエンジンの低回転時における静粛性が保たれ、乗員の快適性を向上させることができる。
本発明の原理を説明するための図であり、(a)1回の衝突による起振力、(b)当該起振力の周波数特性、(c)作動装置の音響感度特性、および(d)作動装置に発生する音の周波数特性を示している。 本発明の原理を説明するための図であり、(a)2回の衝突による起振力、(b)当該起振力の周波数特性、(c)作動装置の音響感度特性、および(d)作動装置に発生する音の周波数特性を示している。 本発明の第1実施形態によるECUおよび高圧ポンプを示す概略図である。 吸入弁の閉弁状態を示す図3の要部拡大図である。 吸入弁の開弁状態を示す図3の要部拡大図である。 図3に示す高圧ポンプの従来の制御方法を示すタイムチャートである。 従来の制御方法により発生する音の騒音レベルを示すグラフである。 従来の制御方法により発生する振動の騒音レベルを示すグラフである。 本発明の第1実施形態による高圧ポンプの制御方法を示すタイムチャートである。 本発明の第2実施形態による高圧ポンプの制御方法を示すタイムチャートである。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの吸入弁の閉弁状態を示す要部拡大図である。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの吸入弁の開弁状態を示す要部拡大図である。 本発明の第3実施形態による高圧ポンプの制御方法を示すタイムチャートである。 本発明の第4実施形態によるディーゼルエンジンの構成を示す概略図である。 本発明の第4実施形態によるディーゼルエンジンの制御方法を示すタイムチャートである。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態では、本発明を、例えば車両のディーゼルエンジンやガソリンエンジン等のインジェクタに燃料を供給する高圧ポンプ2について、この高圧ポンプ2を制御する電子制御ユニット(ECU)1に適用している。
(高圧ポンプ2の構成)
作動装置としての高圧ポンプ2の全体的な構成について、図3を参照して簡単に説明する。なお、本実施形態の高圧ポンプ2としては、周知の構成を採用できる。
図1に示すように、高圧ポンプ2は、ハウジング本体11を中心に構成されている。ハウジング本体11の一方向(図中では上方)に、カバー12が取り付けられている。また、カバー12の反対側には、プランジャ部20が構成されている。また、カバー12とプランジャ部20の配列方向に直交する方向には、調量弁部30および吐出弁部50が構成されている。
ハウジング本体11にカバー12が取り付けられることにより、燃料室13が形成されている。燃料室13には、燃料ポンプによって燃料タンクから燃料が供給される(燃料ポンプおよび燃料タンクは不図示)。燃料室13に供給された燃料は、調量弁部30を経由し、ハウジング本体11の中央付近の加圧室14を経由して、吐出弁部50から吐出され、インジェクタに接続される燃料レール(不図示)へ圧送される。
次に、プランジャ部20、調量弁部30、および、吐出弁部50の構成について、順に説明する。
プランジャ部20は、ハウジング本体11の内部に形成されたシリンダ15、プランジャ21、スプリング座24、リフター25、および、プランジャスプリング26を備えている。
プランジャ21は、シリンダ15に対し軸方向に往復移動可能に支持されている。プランジャ21はシリンダ15に収容される側が大径部、ハウジング本体11から突出する側が小径部となっている。プランジャ21の小径部側の端部にはスプリング座24が取り付けられている。
リフター25は、片側が開口する円筒状であり、スプリング座24を介してプランジャ21と一体に構成されている。プランジャスプリング26はリフター25の内側に配置されており、その一端がハウジング本体11に係止され、他端がスプリング座24に係止されている。
リフター25の下方にはカムシャフトに取り付けられたカム(カムシャフトおよびカムはいずれも不図示)が当接しており、カムシャフトの回転によりカムプロフィールに応じてリフター25が軸方向に往復移動する。また、リフター25の往復移動に伴い、プランジャ21が軸方向に往復移動する。プランジャスプリング26は、プランジャ21の戻しバネであり、リフター25をカム面に当接させるように付勢する。プランジャ21の往復移動に伴って加圧室14の容積が変化することで、加圧室14に燃料が吸入され、加圧される。
次に、調量弁部30について、図3〜5を参照して説明する。調量弁部30は、ノーマリーオープン式であり、ニードルと吸入弁とが一体の電磁駆動型である。
図3〜5に示すように、調量弁部30は、燃料室13と加圧室14とを連通する供給通路17に設けられ、吸入弁44の開閉を電磁駆動によって切り替えることにより、供給通路17と加圧室14とを連通又は遮断させる。
調量弁部30は、上述の連通又は遮断のために、ハウジング本体11の内部に形成された筒部16、弁部カバー31、弁座部材36、吸入弁44、弁スプリング49等を備えている。また、調量弁部30は、電磁駆動部として、コネクタ33、および、コネクタハウジング35、ニードル43、コイル45、ニードルスプリング47、固定コア46、可動コア48等を備えている。
筒部16は、略円筒状に形成されており、弁部カバー31との間に形成される燃料通路32を有している。燃料通路32は供給通路17と加圧室14とを連通可能である。燃料通路32には略円筒状の弁座部材36が配置されており、弁座部材36と筒部16の内壁との間はシールされている。
弁座部材36は、略円筒形の部材であり、弁部カバー31側に弁座38が形成されている。また、加圧室14側の弁座部材36の内壁にはスナップリング37が取り付けられており、スナップリング37にはストッパ39が係止されている。
吸入弁44は、弁座部材36の内側に配置されており、円板状の底部41と筒部42とから構成されている。吸入弁44は、弁座部材36の弁座38とストッパ39との間で移動可能である。例えば、吸入弁44が弁座部材36の弁座38に着座することにより、吸入弁44は閉弁する。また、吸入弁44が弁座38から離座することにより、吸入弁44は開弁する。そして、吸入弁44は、加圧室14側の筒部42が、ストッパ39に当接することで、開弁方向の移動が規制される。
吸入弁44の円筒状の内部空間には、弁スプリング49が収容配置されている。弁スプリング49は、ストッパ39に係止されており、吸入弁44を閉弁方向へ付勢している。弁スプリング49による閉弁方向の付勢力をFsvと表す。
以下の説明で、可動コア48、ニードル43、吸入弁44等が加圧室14側、すなわち図3〜図5の右方向へ移動することを「前進」といい、加圧室14と反対側、すなわち図3〜図5の左方向へ移動することを「後退」という。図4は、可動コア48及びニードル43が電磁吸引力Fmによって後退し、吸入弁44が弁座部材36の弁座38に当接した閉弁状態を示している。図5は、ニードル43がニードルスプリング47の付勢力Fsnによって前進し、ニードル43と一体に前進した吸入弁44が弁座38から離座した開弁状態を示している。
また、吸入弁44が弁座38に着座する図4の位置を閉弁位置、吸入弁44の筒部42がストッパ39に当接する図5の位置を開弁位置とする。開弁位置は全開位置を意味する。ここで、吸入弁44が閉弁位置から開弁位置に向かって前進してストッパ39に当接するとき、衝突部としての吸入弁44は、被衝突部としてのストッパ39に衝突する。また、吸入弁44が開弁位置から閉弁位置に向かって後退して弁座38に着座するとき、衝突部としての吸入弁44は、被衝突部としての弁座38に衝突する。これらの衝突によって、高圧ポンプ2には振動および衝突音が発生する。
ニードル43は、吸入弁44の底部41に固定されており、吸入弁44と一体に移動可能である。ニードル43は、弁部カバー31を貫通し、コネクタ33の内部まで延びている。
コネクタ33は、コイル45と当該コイル45へ通電するための端子34とを有している。コイル45の内側には、固定コア46、ニードルスプリング47、可動コア48が配置されている。
固定コア46は、磁性体から形成され、所定位置に保持される。可動コア48は、磁性体から形成され、ニードル43の後端部に固定されている。本実施形態では、可動コア48、ニードル43、および吸入弁44は一体的に移動可能である。また、ニードル43の後退限において、弁座38と吸入弁44とが当接し、固定コア46と可動コア48とが当接しないように設定されている。
ニードルスプリング47は、一端を固定コア46に係止され、他端を可動コア48に係止されている。ニードルスプリング47は弁スプリング49よりも大きな付勢力を有しており、ニードル43を開弁方向に付勢する。ニードルスプリング47による閉弁方向の付勢力をFsnと表す。
コネクタ33の端子34には、高圧ポンプ2を制御するためのECU1が接続されている。ECU1は、マイクロコンピュータ等から構成され、コイル45への通電制御を行う。ECU1によって制御された電流がコネクタ33の端子34を通じてコイル45に通電されると、コイル45は磁界を発生する。
コイル45に通電されると、固定コア46および可動コア48によって形成される磁気回路に磁束が流れ、電磁吸引力Fmが発生する。これにより、可動コア48がニードルスプリング47の付勢力Fsnに抗して固定コア46側に磁気吸引される。その結果、ニードル43は後退し、吸入弁44が閉弁方向に移動する。
コイル45に通電していないとき、可動コア48と固定コア46とは、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって離間している。ニードル43は前進し、吸入弁44が開弁方向に移動する。
次に、吐出弁部50について説明する。
図3に示すように、吐出弁部50は、ハウジング本体11の内部に形成された吐出通路18、吐出弁51、吐出スプリング52、係止部53、弁座54、および吐出口55、を備えている。
吐出弁51は、吐出通路18に往復移動可能に収容されている。吐出弁51は、弁座54に着座することで、吐出通路18を遮断する。吐出弁51の吐出口55側に設けられた係止部53は、吐出弁51の吐出口55側への移動を規制する。吐出スプリング52は、一端が係止部53に当接し、他端が吐出弁51に当接し、吐出弁51を弁座54側へ付勢している。
加圧室14の燃料の圧力が上昇し、加圧室14側の燃料から吐出弁51にかかる力が吐出スプリング52の付勢力よりも大きくなると、吐出弁51は弁座54から離座する。そして、吐出口55から燃料が吐出される。
一方、加圧室14の燃料の圧力が低下し、加圧室14側の燃料から吐出弁51にかかる力が吐出スプリング52の付勢力よりも小さくなると、吐出弁51は弁座54に着座する。これにより、弁座54の下流側の燃料が加圧室14へ逆流することが防止される。
(高圧ポンプ2の作動)
次に、高圧ポンプの作動について図6を参照しつつ説明する。なお、ここでは、従来の制御方法による作動の概要を説明し、本実施形態と従来技術との差異点については後で詳しく述べる。
高圧ポンプ2は、(1)吸入行程、(2)調量行程、および(3)加圧行程を繰り返し、吸入した燃料を加圧して吐出する。
(1)吸入行程
カムシャフトの回転によりプランジャ21が上死点から下死点に向かって下降すると、加圧室14の容積が増加し、燃料が減圧される。吐出弁部50では、吐出弁51は弁座54に着座し、吐出通路18を遮断する。
一方、調量弁部30では、コイル45への通電が停止され、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって、ニードル43および吸入弁44は前進する。このとき、吸入弁44が弁座38から離座することにより、燃料通路32と加圧室14とが連通する。また、このときから加圧室14の圧力は低下する。したがって、燃料室13の燃料は、燃料通路32を介して加圧室14へ吸入される。
前進した吸入弁44はストッパ39に衝突して停止する。吸入弁44がストッパ39に衝突したとき、当該衝突による起振力によって振動および衝撃音が発生する。
(2)調量行程
カムシャフトの回転によりプランジャ21が下死点から上死点に向かって上昇すると、加圧室14の容積が減少する。このとき、所定の移行点Trの手前まではコイル45への通電が停止されているので、吸入弁44は開弁位置に維持される。これにより、加圧室14に吸入された低圧燃料の一部が燃料通路32を経由して燃料室13へ戻される。
調量行程の途中の所定の移行点Trで、コイル45への第1駆動電流の通電が開始される。第1駆動電流とは、固定コア46が可動コア48を吸引するのに充分な電磁吸引力Fmを発生するための大きさの電流である。第1駆動電流の通電によって、ニードルスプリング47の付勢力Fsnより大きな電磁吸引力Fmが発生するため、可動コア48、ニードル43、及び吸入弁44は、固定コア46側へ後退する。これにより、吸入弁44は、弁座38に着座し、燃料通路32を遮断する。この遮断によって、加圧室14から燃料室13への燃料の調量行程は終了する。
後退した吸入弁44が弁座38に着座したとき、吸入弁44と弁座38とが衝突し、当該衝突による起振力によって振動および衝撃音が発生する。
(3)加圧行程
吸入弁44が弁座38に着座した後、加圧室14の燃料圧力はプランジャ21の上昇と共に高くなる。加圧室14の燃料の圧力が所定の圧力以上になると、吐出弁部50では、吐出弁51が開弁する。これにより、加圧室14で加圧された高圧燃料は吐出通路19を経由して吐出口55から吐出される。
加圧行程の途中、調量弁部30では、コイル45へ通電される電流が、第1駆動電流から、第1駆動電流より小さい第2駆動電流に切り替えられる。これによって、電磁吸引力Fmは、ニードルスプリング47の付勢力Fsn以下に低下する。ただし、加圧行程中は、弁スプリング49の付勢力Fsv、及び、加圧室14の高圧燃料の力が吸入弁44を弁座38側に押圧するため、吸入弁44は閉弁状態を維持する。
プランジャ21は上死点を通過すると、再び下死点に向かって下降する。そして再び吸入行程に移行する。このように、上記(1)から(3)の行程を繰り返すことにより、高圧ポンプ2は吸入した燃料を加圧して吐出する。
(ECU1による制御)
第1実施形態の特徴は、ECU1による高圧ポンプ2の制御にある。そこで、従来の制御方法を比較例として対比しながら、本発明の特徴について説明する。
比較例の制御方法では、ECU1は、上述にて説明した高圧ポンプ2の作動を行うように通電を制御する(図6参照)。すなわち、高圧ポンプ2は、調量行程において吸入弁44が閉弁動作を行い、吸入行程において吸入弁44が開弁動作を行うように制御される。ここで、閉弁作動時には吸入弁44と弁座38とが1回衝突し、開弁作動時には吸入弁44とストッパ39とが1回衝突する。各衝突によって、高圧ポンプ2には振動および衝突音が発生する。
比較例の制御方法によれば、閉弁作動時および開弁作動時の各1回の衝突によって、高圧ポンプ2に、図7および図8に示すような周波数特性を示す振動および音が発生する。例えば、図8において、この音の周波数特性は、1780Hz、7600Hz、および9600Hzにピークを有している。これらの周波数の音が、衝突音に大きく寄与している。以下、1回の衝突によって発生する音の周波数特性について、波形にピークが出現する周波数をピーク周波数と称する。なお、ピーク周波数は、いわゆる共振周波数を含むと考えてもよい。
なお、図7および図8に示すような高圧ポンプ2の周波数特性は、実際に測定して求めてもよいし、コンピュータによるシミュレーション解析により求めてもよい。また、高圧ポンプ2の周波数特性を求める際には、車両に搭載された状態の高圧ポンプ2について測定または解析することが望ましい。
第1実施形態による制御では、比較例と同様、調量行程において吸入弁44が閉弁動作を行い、吸入行程において吸入弁44が開弁動作を行っているが、各動作における吸入弁44の挙動が比較例とは異なるように制御されている。
以下、第1実施形態による制御方法について図9を参照して説明する。調量行程において、まず、ECU1は、第1駆動電流を通電させ、吸入弁44が開弁位置から閉弁位置へ後退する。吸入弁44が閉弁位置に到達するとき、吸入弁44が弁座38に衝突する。この衝突時刻をt1とする。時刻t1の後、ECU1は、通電する電流値を第1駆動電流よりも下げる。これによって電磁吸引力Fmは弱まるため、吸入弁44は、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって前進する。吸入弁44がわずかに前進した後、ECU1は、電流値を第1駆動電流に戻す。すると、吸入弁44は電磁吸引力Fmにより後退し、再び閉弁位置に到達する。このとき、吸入弁44は再び弁座38に衝突する。この衝突時刻をt2とする。以上によって調量行程の閉弁動作が完了する。
吸入行程では、ECU1は、まず通電を停止する。すると、吸入弁44は、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって閉弁位置から前進し、開弁位置に到達する。このとき、吸入弁44はストッパ39に衝突する。この衝突時刻をt3とする。その後、ECU1は、再び通電を開始する。このとき発生する電磁吸引力Fmによって吸入弁44は開弁位置よりも後退する。吸入弁44がわずかに後退した後、ECU1は、再び通電を停止する。すると、吸入弁44は、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって前進し、再び開弁位置に到達する。このとき、吸入弁44は弁座38に衝突する。この衝突時刻をt4とする。以上によって吸入行程の開弁動作が完了する。
以上の制御方法によれば、調量行程の閉弁動作時には吸入弁44と弁座38とが2回衝突する。また、吸入行程の開弁動作時には吸入弁44とストッパ39とが2回衝突する。なお、第1実施形態では、閉弁動作の1回目と2回目の衝突時刻(すなわち時刻t1と時刻t2)間の時間間隔と、開弁動作の1回目と2回目の衝突時刻(すなわち時刻t3と時刻t4)の間の時間間隔とは等しいため、この時間間隔を共にTとする。
ここで、高圧ポンプ2の任意のピーク周波数(Hz)をFとし、任意の自然数をnとするとき、ECU1は、以下の式(2)が成り立つような時間間隔Tで高圧ポンプ2の制御を行う。
F=(n−1/2)/T ・・・式(2)
例えば、図8に基づいて、音を低減する対象の周波数となるFを決定する。ここでは、例えばF=7600(Hz)とする場合を考える。また、上記の式(2)の自然数nを、高圧ポンプ2の作動周期に基づいて設定する。ここでは、例えばn=50に設定する。
上記の式(2)において、F=7600(Hz)、n=50とすると、以下の式(3)によってTが設定できる。
T=(50−1/2)/7600
=0.00651(s)
=6.51(ms) ・・・式(3)
よって、本実施形態の制御方法では、時間間隔Tを6.51msに設定することによって、各動作時に高圧ポンプ2に生じる起振力が7600Hzでディップを有する。このため、各動作時に高圧ポンプ2に発生する7600Hzの音を低減することができる。したがって、衝突音に大きく寄与するピーク周波数の音が低減されるため、結果的に、各動作時に高圧ポンプ2に発生する衝突音は低減される。なお、同時に7600Hzの振動を低減することもできる。
(効果)
本実施形態によれば、高圧ポンプ2の衝突音を低減させるために専用の部材を必要とせず、高圧ポンプ2の体格や重量を増加させない。また、高圧ポンプ2の応答性を低下させず衝突音を低下することができる。さらに、高圧ポンプ2が搭載された車両において、アイドリング時などのエンジンの低回転時に静粛性が保たれ、ユーザの快適性を向上させることができる。
(第1実施形態の他の例)
なお、上記例では高圧ポンプ2に発生する衝突音を低減することを目的とした場合を説明しているが、振動を低減することを目的とする場合についても同様の説明を適用できる。例えば、図7に基づいて低減させる対象となる周波数、すなわち1回の衝突により高圧ポンプ2に発生する振動の周波数特性について、波形にピークが出現する周波数Fを決定し、自然数nを適宜設定する。その上で、ECU1が、上記式(2)に基づいた時間間隔Tで高圧ポンプ2を制御すればよい。
また、上述の説明において、閉弁動作および開弁動作の各動作時の時間間隔Tは同じであるが、互いに異なる時間間隔であってもよい。この場合においても、各動作時の時間間隔は、上記式(2)をそれぞれ満たすように設定されることが好ましい。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態とは制御方法が異なっている。ここでは、第1実施形態
と異なっている部分のみを説明し、第1実施形態と同様の説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
以下、第2実施形態による制御方法について図10を参照して説明する。調量行程において、まず、ECU1は、第1駆動電流を通電させ、吸入弁44が開弁位置から閉弁位置へ後退する。吸入弁44が閉弁位置に到達するとき、吸入弁44は弁座38に衝突する。この衝突時刻をt1とする。時刻t1の後、ECU1は、通電する電流値を第1駆動電流よりも下げて戻す行程を2回繰り返す。ここで、1回目の電流値の下げ戻し行程により吸入弁44が一度前進した後、再び後退して閉弁位置に到達する。このとき吸入弁44は弁座38に衝突する。この衝突時刻をt2とする。2回目の電流値の下げ戻し行程は、時刻t2の後に開始する。2回目の電流値の下げ戻し行程によっても、1回目と同様、吸入弁44が弁座38に衝突する。この衝突時刻をt3とする。以上によって閉弁動作が完了する。
吸入行程では、ECU1は、まず通電を停止する。すると、吸入弁44は、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって閉弁位置から前進し、開弁位置に到達する。吸入弁44が開弁位置に到達するとき、吸入弁44はストッパ39に衝突する。この衝突時刻をt4とする。時刻t4の後、ECU1は、わずかの時間だけ通電を行う短時間通電行程を2回繰り返す。ここで、1回目の短時間通電行程により、吸入弁44がわずかに後退した後、再び前進して開弁位置に到達する。このとき吸入弁44がストッパ39と衝突する。この衝突時刻をt5とする。2回目の短時間通電行程は、時刻t5の後に開始する。2回目の短時間通電行程によっても、1回目と同様、吸入弁44がストッパ39と衝突する。この衝突時刻をt6とする。以上によって開弁動作が完了する。
以上の制御方法によれば、調量行程の閉弁作動時には吸入弁44と弁座38とが計3回衝突する。また、吸入行程の開弁作動時には吸入弁44とストッパ39とが計3回衝突する。
なお、第2実施形態では、閉弁動作および開弁動作の各動作における1回目の衝突時刻と2回目の衝突時刻(すなわち、時刻t1と時刻t2、および、時刻t4と時刻t5)の間の時間間隔は等しいため、この時間間隔を共にT1とする。また、閉弁動作および開弁動作の各動作における2回目の衝突時刻と3回目の衝突時刻(すなわち、時刻t2と時刻t3、および時刻t5と時刻t6)の間の時間間隔は等しいため、この時間間隔を共にT2とする。
ここで、高圧ポンプ2の任意のピーク周波数(Hz)をF1〜F3とし、任意の自然数をnとするとき、ECU1は、以下の式(3)〜(5)が成り立つような時間間隔T1、T2で高圧ポンプ2の制御を行う。
F1=(n−1/2)/T1 ・・・式(3)
F2=(n−1/2)/T2 ・・・式(4)
F3=(n−1/2)/(T1+T2) ・・・式(5)
例えば、図8に基づいて、音を低減する対象の周波数となるFを決定する。ここでは、例えばF1=7600(Hz)とし、F2=9600(Hz)とする場合について考える。また、式(3)および(4)の自然数nを、高圧ポンプ2の作動周期に基づいて設定する。ここでは、例えばn=50に設定する。
上記の式(3)において、F=7600Hz、n=50とすると、以下の式(6)によってT1が設定できる。
T1=(50−1/2)/7600
=0.00651(s)
=6.51(ms) ・・・式(6)
また、上記の式(4)において、F=9600Hz、n=50とすると、以下の式(7)によってT2が設定できる。
T2=(50−1/2)/9600
=0.00516(s)
=5.16(ms) ・・・式(7)
よって、上記の制御方法では、時間間隔T1を6.51msに設定し、時間間隔T2を5.16msに設定することで、7600Hzおよび9600Hzの音を低減できる。
また、閉弁動作および開弁動作の各動作における1回目の衝突時刻と3回目の衝突時刻をT3とすると、時間間隔T3=T1+T2=11.67msである。
上記の式(5)において、T3=11.67(ms)とし、n=21とすると、以下の式(8)によって、もう1つのピーク周波数である1780Hzの音を低減できることがわかる。
F3=(21−1/2)/0.01167
=1780 ・・・式(8)
以上により、第2実施形態では、上述のように時間間隔T1〜T3を設定することによって、7600Hzおよび9600Hzの音に加え、1780Hzの音を低減することができる。このため、3つのピーク周波数の音を低減することができため、高圧ポンプ2に発生する衝突音がより低減される。なお、同時に、1780Hz、7600Hz、および9600Hzの振動を低減することもできる。
また、第2実施形態では、図10に示すように、閉弁動作および開弁動作の各動作における3回の衝突によって起振力が3回発生しているが、この3回の起振力は、1回目よりも2回目が、2回目よりも3回目が小さくなるように制御されている。このような制御は、例えば、衝突直前の吸入弁44の速度をECU1が制御することにより実現される。
このような制御によれば、起振力の発生後、時間の経過とともに減衰する振動に合わせて、次に発生する起振力を設定できる。このため、高圧ポンプ2に発生する音が、追加的に生じる2回目および3回目の衝突に起因して増加することない。よって、衝突音を効果的に低減できる。
[第3実施形態]
第1および第2実施形態の調量部30では、ニードル43と吸入弁44とが一体である一体型の電磁駆動弁を構成しているが、第3実施形態の調量部60は、可動部材であるニードル63と吸入弁64とが分離した分離型の電磁駆動弁を構成している。また、第3実施形態では、高圧ポンプ2の制御方法についても第1および第2実施形態と異なる。
まず、第3実施形態の調量部60の構成について、図11および図13を参照して簡単に説明する。ここでは、第1実施形態と異なっている部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成の説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
図11は、可動コア48及びニードル63が電磁吸引力Fmによって後退し、吸入弁64が弁座38に当接した閉弁状態を示している。図12は、ニードル63がニードルスプリング47の付勢力Fsnによって前進し、ニードルに押圧された吸入弁64が弁座38から離座した開弁状態を示している。ニードル63は、可動コア48に固定されているが、吸入弁64とは当接可能な状態で分離している。
コイル45に通電されると、固定コア46および可動コア48が形成する磁気回路に磁束が流れ、電磁吸引力Fmが発生する。可動コア48が電磁吸引力Fmによって固定コア46に吸引され、可動コア48及びニードル63が後退したとき、ニードル63の先端が吸入弁64の底部61から離れる。その結果、ニードル63による吸入弁64の押圧力は解除されるため、弁スプリング49が吸入弁64を付勢することにより、吸入弁64の底部61は弁座部材36の弁座38に着座する。これにより、吸入弁64は閉弁する。そして、後退する可動コア48及びニードル63は、最終的に可動コア48が固定コア46に当接することにより、移動が規制される。
コイル45に通電していないとき、可動コア48が固定コア46に吸引されず、ニードル63は、ニードルスプリング47に付勢されて前進し、先端が吸入弁64の底部61の中央部を押圧する。その結果、固定コア46と可動コア48とは離間する。また、押圧された吸入弁64は前進し、その底部61が弁座38から離座する。これにより、吸入弁64は開弁する。そして、前進する吸入弁64は、ストッパ39に当接することにより移動が規制される。
以上の構成により、閉弁動作時には、まず、衝突部である吸入弁64と被衝突部である弁座38とが衝突し、次に、衝突部である可動コア48と被衝突部である固定コア46とが衝突する。すなわち、閉弁動作時には計2回の衝突が生じる。また、開弁動作時には、まず、衝突部であるニードル63と、被衝突部である吸入弁64とが衝突し、次に、衝突部である吸入弁64と被衝突部であるストッパ39とが衝突する。すなわち、開弁動作時にも計2回の衝突が生じる。
次に、第3実施形態における高圧ポンプ2の制御方法について説明する。
図13に示すように、調量工程において、ECU1は、ニードル63を後退させるための電磁吸引力Fmを発生させる第1駆動電流を通電させる。後退したニードル63が吸入弁64から離れると、吸入弁44が弁スプリング49の付勢力Fsvにより後退し、閉弁位置に到達する。このとき、吸入弁44が弁座38に衝突する。この衝突時刻をt1とする。その後、さらに後退したニードル63は固定コア46に衝突する。この衝突時刻をt2とする。
また、図13に示すように、吸入工程において、ECU1は、通電を停止する。すると、ニードル63は、ニードルスプリング47の付勢力Fsnによって前進し、吸入弁64に衝突する。この衝突時刻をt3とする。その後、ニードル63に押された吸入弁64は、ストッパ39に衝突して閉弁位置に到達する。この衝突時刻をt4とする。
以上の制御方法において、閉弁動作および開弁動作の各動作における1回目と2回目の衝突時刻(すなわち時刻t1と時刻t2、および時刻t3と時刻t4)の間の時間間隔は等しく、この時間間隔を共にTとする。
ここで、高圧ポンプ2の任意の共振周波数(Hz)をFとし、任意の自然数をnとするとき、ECU1は、以下の式(9)が成り立つような時間間隔Tで高圧ポンプ2の制御を行う。
F=(n−1/2)/T ・・・式(9)
例えば、図8に基づいて音を低減する対象の周波数となるFを決定する。ここでは、例えばF=7600(Hz)とする場合を考える。また、上記の式(9)における自然数nを高圧ポンプ2の作動周期に基づいて設定する。ここでは、例えばn=50に設定する。
上記の式(9)において、F=7600(Hz)、n=50とすると、以下の式(10)によってTが設定できる。
T=(50−1/2)/7600
=0.00651(s)
=6.51(ms) ・・・式(10)
以上により、第3実施形態では、時間間隔Tを6.51msに設定することによって、各動作時に高圧ポンプ2に生じる起振力は7600Hzでディップを有する。このため、各動作時に高圧ポンプ2に発生する7600Hzの音を低減することができる。衝突音に大きく寄与するピーク周波数の音が低減されるため、結果的に、各動作時に高圧ポンプ2に発生する衝突音は低減される。
なお、第3実施形態では、ECU1が、ニードルスプリング47および弁スプリング49の付勢力を考慮した上でコイル電流を制御することにより、ニードル63の移動スピードを調節する等して時間間隔Tを設定することができる。
また、第3実施形態によれば、ECU1による制御が第1および第2実施形態よりも簡単であるという利点がある。
なお、上述の説明では、特許請求の範囲に記載の可動部材として、同一軸方向に移動するニードル63と吸入弁64とを例示しているが、本発明はこれに限られない。例えば、互いに異なる方向に移動可能な可動部材が分離して構成されていてもよい。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、本発明をディーゼルエンジン3のインジェクタ72を制御するECU10に適用している。
まず、ディーゼルエンジン3の概要構成について、図14を参照して簡単に説明する。なお、本実施形態のディーゼルエンジン3としては、周知の構成を採用できる。
ディーゼルエンジン3は、車両に搭載される直列4気筒の4サイクルディーゼルエンジンであり、第1気筒(#1)、第2気筒(#2)、第3気筒(#3)、第4気筒(#4)の4個の気筒71を備えている。
ディーゼルエンジン3は、各気筒71に設けられた、作動装置としてのインジェクタ72を備えている。インジェクタ72は、気筒71の燃焼室に直接燃料を噴射することが可能であり、弁体の昇降によって燃料の噴射と停止を行う。インジェクタ72の構成としては周知のものを用いることができる。例えば、ノズルニードルが弁座に着座すると閉弁し、ノズルニードルが弁座から離座すると開弁する。また、ノズルニードルの昇降は、ソレノイドの励磁作用を利用するアクチュエータ、あるいはピエゾアクチュエータにより行うことができる。各インジェクタ72は、コモンレール73と接続され、このコモンレール73は燃料供給管74を介して燃料ポンプ75と連通している。
ディーゼルエンジン3には、該ディーゼルエンジン3の運転状態を制御するための装置であるECU10が併設されている。ECU10は、マイクロコンピュータであり、電気配線を介してEDU76に接続されている。EDU76は、高電圧を発生して各インジェクタ72を駆動する装置であるインジェクタ駆動ユニットである。各インジェクタ72の開弁時期や閉弁時期の制御は、ECU10の燃料噴射制御に基づきEDU76を介して各インジェクタ72に駆動電圧を加えることにより行なわれる。すなわち、ECU10は、ディーゼルエンジン3を目標の運転状態にすべく、燃料噴射量の演算及び燃料噴射時期の演算などを行い、燃料の噴射量および噴射時期を決定する。
次にディーゼルエンジン3の作動について図15を参照して説明する。
ディーゼルエンジン3は、第1気筒(#1)→第3気筒(#3)→第2気筒(#2)→第4気筒(#4)の順にクランク角180度毎の等間隔で爆発行程を迎えるように構成されている。つまり、爆発行程がクランク回転角度180度の位相差で等間隔に生じる。
また、本実施形態のディーゼルエンジン3は、インジェクタ72がマルチ噴射(多段噴射)を行うものである。例えば、インジェクタ72は、爆発上死点近辺でメイン噴射を行った後、ポスト噴射を2回行う。その後、排気行程後期で、副次的に燃料を噴射する副噴射(いわゆるビゴム噴射)を行う。
作動装置であるインジェクタ72では、ノズルニードルが弁座から離座することにより燃焼の噴射が開始し、その後、ノズルニードルが弁座に着座することにより、燃料の噴射が停止する。すなわち、インジェクタ72の1回の噴射動作によってノズルニードルと弁座との衝突が1回生じる。ここで、メイン噴射による衝突と、1回目のポスト噴射による衝突との間の時間間隔をT1とし、1回目と2回目のポスト噴射による衝突の時間間隔をT2とする。
第4実施形態では、インジェクタ72の噴射の時間間隔T1およびT2が固定されており、変更できない場合を考える。すなわち、第4実施形態では、時間間隔T1およびT2が固定である条件の下、任意の自然数をnと、1回の衝突によりインジェクタ72に発生する音の周波数特性について、波形にピークが出現する周波数(Hz)を設定する。特に、ここでは、インジェクタ72の共振周波数F1、F2を設定することによって、以下の式(11)および(12)が成り立つようにする。
F1=(n−1/2)/T1 (nは自然数)・・・式(11)
F2=(n−1/2)/T2 (nは自然数)・・・式(12)
例えば、時間間隔T1が8msであり、時間間隔T2が2msである場合を考える。このとき、上記の式(11)において、T1=8(ms)、n=20とすると、以下の式(13)によって、共振周波数F1が求められる。
F1=(20−1/2)/0.0008
=2438(Hz) ・・・式(13)
また、上記の式(12)において、T2=2(ms)、n=10とすると、以下の式(14)によって、共振周波数F2が求められる。
F2=(10−1/2)/0.0002
=4750(Hz) ・・・式(14)
よって、インジェクタ72の共振周波数を2438Hzおよび4750Hzに設定する。これによって、ECU10が上記の式(11)および(12)が成り立つようにインジェクタ72を制御することができる。すなわち、2438Hzおよび4750Hzの音振動を低減することができる。
インジェクタ72の共振周波数には、インジェクタ72の材質および構成が関わっている。よって、インジェクタ72の材質および構成を調整することによって、その共振周波数を2438Hzおよび4750Hzに設定することができる。
なお、インジェクタ72の共振周波数を設定する際には、インジェクタ72の周辺の取付部材等を含めた全体的な振動モードを考慮する必要がある。特に、インジェクタ72のノズルニードルと弁座との衝突による振動がEDU76との間に接続される駆動線のコネクタと共振することによって発生する音が、衝突音に大きく寄与している。よって、この駆動線のコネクタの剛性や長さ等を変えることによって、インジェクタ72の共振周波数を好適に設定できる。
また、ここで言うインジェクタ72の共振周波数とは、インジェクタ72がディーゼルエンジン3に設けられた状態で求まる値であることが好ましい。この共振周波数特性は、実際に測定して求めてもよいし、コンピュータによるシミュレーション解析により求めてもよい。
第4実施形態によれば、例えばディーゼルエンジンのアイドリング時などに好適に振動および音を低減することができる。
[他の形態]
以上、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
例えば、上述の各実施形態では、作動装置として高圧ポンプ2またはインジェクタ72を例として用いているが、本発明はこれに限られず、作動に伴って衝突部と被衝突部との衝突が生じる他の装置に適用することも可能である。
また、上述の各実施形態では、作動周期よりも短い時間間隔で2回または3回の衝突を生じさせる場合を例にして説明しているが、本発明の制御装置は、作動周期よりも短い時間間隔で4回以上の衝突が生じるように作動装置を制御してもよい。
また、上述の各実施形態において説明している式の数値は、厳密な値であることを必要とせず、当業者の技術常識の範囲内での誤差を含んでもよい。
1 ・・・ECU(制御装置)
2 ・・・高圧ポンプ(作動装置)
3 ・・・ディーゼルエンジン
10・・・ECU(制御装置)
38・・・弁座(被衝突部)
39・・・ストッパ(被衝突部)
44・・・吸入弁(衝突部、弁体)
46・・・固定コア(被衝突部)
48・・・可動コア(衝突部)
63・・・ニードル(衝突部、被衝突部)
64・・・吸入弁(衝突部、被衝突部)
72・・・インジェクタ(作動装置)

Claims (7)

  1. 周期的に作動する衝突部(44、48)と被衝突部(38、39)とを有し、前記衝突部と前記被衝突部との同一部位に複数回の衝突が生じる電磁弁について、1回の開弁動作中または閉弁動作中に、衝突部の移動速度または移動方向を変えるように前記電磁弁を制御する制御装置であって、前記1回の開弁動作または前記閉弁動作は、前記衝突部の下げ戻し行程を含み、
    1回の前記衝突により作動装置(2、72)に発生する音または振動の周波数特性について、波形にピークが出現する周波数(Hz)をFとし、前記複数の衝突の各衝突間の時間間隔(s)をTとし、任意の自然数をnとするとき、
    前記複数回の前記衝突の各衝突間の時間間隔Tを変化させ、一定の周波数Fに対して、以下の式(1)が成り立つように、前記作動装置が含む前記電磁弁を制御することを特徴とする制御装置。
    F=(n−1/2)/T ・・・式(1)
  2. 前記電磁弁の制御は、コイルに流れる電流変化により行うことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記衝突部の前記下げ戻し行程は通電電流により行うことを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  4. 前記下げ戻し行程の前記通電電流値は、前記衝突部を開弁位置から閉弁位置まで後退させる第1駆動電流値よりも小さいことを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  5. 前記下げ戻し行程の前記通電電流値は、前記衝突部が前進または後退する電流値であることを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  6. 前記複数の衝突により前記作動装置に生じる起振力は、複数回数が増えるにしたがって減少するように、前記電磁弁を制御することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  7. 前記電磁弁は高圧燃料ポンプに内蔵されるものであり、前記周期的な作動は、吸入行程と調量行程であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
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