JP2006250015A - 内燃機関の燃料噴射振動低減装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射振動低減装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インジェクタの燃料噴射に起因する振動を低減する燃料噴射振動低減装置を提供する。
【解決手段】内部機構12の作動によって発生する衝撃力によって振動するインジェクタ10に起因して振動する燃料噴射構造と、燃料噴射構造の固有振動数を変化させる固有振動数可変手段31と、衝撃力が微少時間内で複数回発生したときに、それらの衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が極大となる周波数から、燃料噴射構造の固有振動数をずらすように制御する固有振動数制御手段(ステップS21)とを有する
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射に起因する振動を低減する装置に関する。
特許文献1には、内燃機関の燃焼騒音のうちで所望の周波数域に属するものを低減させる装置が開示されている。具体的な騒音低減方法は、燃焼時圧力波について複数段の発生時間差を制御して燃焼騒音ついて所望の周波数域を低減させている。
特開2002−47975号公報
ところで、インジェクタは、内部に電磁弁、針弁などの可動部品を有している。この針弁がシート部に対して離座/着座することで燃料の噴射/停止が制御される。このためインジェクタには衝突による衝撃力が発生する。特にコモンレールタイプのディーゼルエンジンにおいては、内部部品が高圧の燃料で駆動されるのでインジェクタに発生する衝撃力が大きい。この衝撃力によってインジェクタが振動すると、その振動がインジェクタに接続されるノズルサポートやシリンダヘッドを介して他のエンジン部品に伝達され、エンジン騒音悪化の要因となるという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、インジェクタの燃料噴射に起因する振動を低減する燃料噴射振動低減装置を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、内部機構(11,12)の作動によって発生する衝撃力によって振動するインジェクタ(10)に起因して振動する燃料噴射構造と、前記燃料噴射構造の固有振動数を変化させる固有振動数可変手段(31,35)と、前記衝撃力が微少時間内で複数回発生したときに、それらの衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が極大となる周波数から、前記燃料噴射構造の固有振動数をずらすように制御する固有振動数制御手段(ステップS21)とを有することを特徴とする。
本発明によれば、インジェクタの内部機構の作動によって発生する衝撃力が微少時間内で複数回発生したときに、それらの衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が極大となる周波数から、燃料噴射構造の固有振動数をずらすように制御するので、インジェクタの燃料噴射に起因する振動を低減することができる。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置を使用する燃料供給システムを示す図である。
この燃料供給システムは、自動車に搭載されるコモンレールタイプのディーゼルエンジン用のシステムである。
燃料タンク81内の燃料は、フィルタ82を介して低圧ポンプ83によって取り出され、高圧サプライポンプ84において高圧状態に加圧され、コモンレール85に供給される。なお、高圧サプライポンプ84にはプレッシャレギュレータが内蔵されており、余剰燃料が燃料タンク81に還流され、コモンレール85内が所望の圧力に制御される。そして、高圧の燃料がコモンレール85からインジェクタ10に供給され、インジェクタ10を開弁駆動することによって各気筒のシリンダ内に直接噴射される。
インジェクタ10の作動はエンジンコントロールユニット(ECU)80によって制御される。ECU80は、センサによって検出されたエンジン負荷(アクセルペダル踏込量など)及びエンジン回転速度に基づいて、燃料噴射時期及び燃料噴射量を算出し、これらに対応する開弁指令信号をインジェクタ10へ出力する。またECU80は、エンジン負荷及びエンジン回転速度に基づいて燃料噴射圧力を算出し、コモンレール85内の燃料圧力がその算出した燃料噴射圧力になるように高圧サプライポンプ84のプレッシャレギュレータを制御する。なおECU80は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。ECU80を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
図2は、インジェクタ10が取り付けられたシリンダヘッド40をエンジン前方(クランク軸方向)から見た断面図である。なお、シリンダヘッド40はヘッドボルト51によってシリンダブロックに固定されているが、図2においてはシリンダブロックを省略する。
インジェクタ10は、シリンダヘッド40に形成されたインジェクタ取付穴41に挿着され、ノズルサポート20でシリンダヘッド40に押圧されて固定される。
ノズルサポート20には、ボルト貫通孔23が形成されている。ノズルサポート20の一端は、カムシャフト45を跨いでその先端には二股のフォーク部21が形成される。この二股のフォーク部21が、インジェクタ10の受圧部16に当接する。ノズルサポート20の他端22は、シリンダヘッド40の側壁42近傍に埋め込まれたピボットピン43に当接し、回動(傾動)自在になっている。
ボルト貫通孔23にボルト52が挿通されてシリンダヘッド40に締結されると、ボルト52の軸力によってインジェクタ10がシリンダヘッド40に押圧される。
インジェクタ取付穴41の底面41aには、圧電素子からなるピエゾアクチュエータ31が配置されている。インジェクタ10は、そのピエゾアクチュエータ31に載置されている。すなわちピエゾアクチュエータ31は底面41aとインジェクタ10との間に配置されている。ピエゾアクチュエータ31は薄板状の圧電素子を積層したものであり、印加する電圧に応じて軸方向に伸縮する。
インジェクタ10には軸方向加速度を検出する加速度センサ32が取り付けられている。
図3はインジェクタ10の構造を示す図である。
インジェクタ10は、針弁11の上方に燃圧室が設けられ、下方に燃焼噴射室が設けられている。
インジェクタ10の電磁弁12が閉じられた状態では、針弁11が燃圧室の圧力によってシート13に押し付けられ、燃料を噴射しない。そしてインジェクタ10は、ECU12からの制御指令を受けて電磁弁12を開くと、燃圧室が開放されて燃圧室内の圧力が低下する。そして燃料噴射室の圧力によって針弁11が上方へ移動して噴射孔14が開かれ燃料が噴射される。
そしてインジェクタ10は、所定の量を噴射するようにコモンレール圧、噴射量等から計算された所定時間だけ電磁弁12が開弁した後は、ECU80からの制御指令を受けて電磁弁12を閉じ、燃圧室の圧力が回復して針弁11が下方に移動して、針弁11がシート13に着座して噴射孔14が閉じて燃料噴射を終了する。その際に、まず電磁弁12の先端が圧力調整孔15に着座し、続いて針弁11の先端がシート13に着座し、その衝撃による衝撃力がそれぞれ発生する。
この衝撃力は、ECU80からの電磁弁12への閉弁指令を受けて、実際に電磁弁12が作動し、圧力調整孔15に着座した瞬間に発生する。そのために、電磁弁12の変位を検出できるようにインジェクタにはリフトセンサ17が備えられている。なお圧力調整孔15に着座している状態を変位0とする。リフトセンサ17は例えば渦電式センサである。
電磁弁12がECU80から閉弁指令を受けてから、はじめに0を通過する時間が衝撃力の発生タイミングとなる。
ここで本発明が解決しようとしている課題について再度詳しく説明する。
さて上述のように、針弁11がシート13に着座する際に、また電磁弁12が圧力調整孔15に着座する際に、振動が発生する。特にコモンレールを使用する燃料噴射システムにおいては、燃圧が非常に高圧であるので、大きな衝突力が発生し、インジェクタ10が大きく振動することとなる。
この衝撃力は底面41aからシリンダヘッド40へ入力される力と、ノズルサポート20を介してピボットピン43及びボルト52からシリンダヘッド40へ入力される力に分割される。そしてそれぞれの力によりシリンダヘッド40が加振され、それがさらにシリンダブロック、ヘッドカバー等にも伝達されて振動を励起し、騒音を発生する。
なお本来であれば、1回の燃料噴射による衝撃力は、針弁の着座時及び電磁弁の着座時の2回発生するが、発明の理解を容易にするために、本実施形態では針弁の衝撃力は、電磁弁の衝撃力に比べ十分小さいとし、針弁の衝撃力を考慮しない場合で説明する。
図4は燃料噴射による衝撃力について説明する図である。
1サイクルで、1つの気筒に対して、1回で噴射すべき燃料を、2段に分けて噴射するときには(パイロット噴射、メイン噴射)、電磁弁12の圧力調整孔15への衝突にともなって2回の衝撃力が発生時間差を持って生じる。
図4はメイン噴射を行うΔt前にパイロット噴射を行う場合である。
この場合には、パイロット噴射による衝撃力が発生したΔt後にメイン噴射による衝撃力が発生する。
2段噴射を行った際の衝撃力の時間差Δtは、電磁弁12がECU80から閉弁指令を受けてから、はじめに0を通過する時間の差である。
このようにパイロット噴射及びメイン噴射を行った場合には、パイロット噴射に起因する振動とメイン噴射に起因する振動とで干渉が生じ、その干渉によって生じた衝撃合成力の大きさが時間差Δtによって変化するように見える。
そこで図5では横軸に周波数をとり、縦軸に干渉した衝撃合成力をとると、周期的に加振力が極小となる周波数fsが生じる。この周波数fsの一つは発生時間差Δtから、以下の(1)式で表せる。
Figure 2006250015
なお図5の縦軸において、[dB re=1N]というのは、縦軸の単位がdBであること、またそのスケールが0dB=1N、−20dB=0.1N、−40dB=0.01N、・・・であることを示している。以下でも同様である。
図6は本実施形態の燃料噴射構造の振動モードを示す図である。
この燃料噴射構造では3900Hz付近に共振点があることがわかる。このような燃料噴射構造に図5の衝撃合成力が作用すると、図7のようになる。この図7に示されているように、燃料噴射構造の固有振動数付近で振動加速度が大きくなる。
このように、燃料噴射による衝撃合成力が大きいところでの燃料噴射周波数が、構造の有する固有振動数に一致するときには、その周波数付近での振動加速度が大きくなり、その振動がインジェクタに接続されるノズルサポートやシリンダヘッドを介して他のエンジン部品に伝達され、エンジン騒音悪化の要因となる。
そこで本発明では、構造の有する固有振動数に近い周波数の衝撃合成力が発生するときには、アクチュエータを駆動して構造の固有振動数を変化させることで振動加速度を低減しようとするものである。
以下では、ECU80の具体的な制御ロジックについて図8のフローチャートに沿って説明する。
なお本フローチャートの実行に先だっては、燃料噴射構造(インジェクタ及びその近傍の構造であって本実施形態の制振対象構造。具体的にはエンジン騒音低減に効果のある構造についてあらかじめ明らかにされている)についてモーダル解析を行い、ピエゾアクチュエータ31の発生力に対する燃料噴射構造の固有振動数、モードベクトル及びモード減衰比などのモーダルパラメータを計算しておくことが必要である。
ステップS11では、リフトセンサ17によって電磁弁12の変位を検出する。そしてパイロット噴射指令後に電磁弁12の変位がゼロとなった時刻と、メイン噴射指令後に電磁弁12の変位がゼロとなった時刻とに基づいて時間差Δtを算出する。また加速度センサ32でインジェクタ10の軸方向加速度を検出する。
ステップS21では、衝撃合成力の目標周波数fsを算出する。具体的には、(1)式に基づいて算出される周波数のうちで、燃料噴射機関の固有振動数に近い周波数を目標周波数fsとする。
ステップS31では、フィードバックゲインを算出する。ここでフィードバックゲインについて説明する。燃料噴射構造についてモデル化すると図9になる。振動伝達特性G(ω)は以下の(2)式で表される。
Figure 2006250015
この(2)式に基づき、燃料噴射構造の固有振動数が目標周波数fsと一致するように変位フィードバックするためのフィードバックゲインGnkを以下の(3)式のように決定する。
Figure 2006250015
ステップS41では、フィードバックゲインGnkをインジェクタ軸方向加速度に乗じてアクチュエータ駆動電圧を算出する。
ステップS51では、ピエゾアクチュエータ31にアクチュエータ駆動電圧を出力する。
次に上述の制御による効果について図10を参照しながら説明する。
上記の制御を実行することで、構造の主な振動モードの固有振動数を、2段の燃料噴射による衝撃合成力が極小となる周波数(図5の4000Hz)と一致させることができた。すなわち本制御によって構造の主な振動モードの固有振動数を3900Hzから4000Hzに変更した。その結果、図11に示すように主な振動モードにおける振動を低減することができ、この振動低減にともなって騒音も低減できたのである。
(第2実施形態)
図12は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第2実施形態の制御を示すフローチャートである。なお以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
ステップS12では、1段目噴射(パイロット噴射)の閉弁指令と、2段目噴射(メイン噴射)の閉弁指令とに基づいて時間差Δtを算出する。すなわち、衝撃力は、ECU80からの電磁弁12への閉弁指令を受けて、電磁弁12が作動し圧力調整孔15に着座した瞬間に発生する。この閉弁指令を受けてから衝撃力が発生するまでの時間は、電磁弁12が作動し始めるまでの時間と電磁弁12が開弁するためにリフトした距離を戻る時間の和で表すことができる。電磁弁12に掛かる電磁力及び電磁弁12のリフト距離は運転条件によらず等しい。したがって、2段の噴射の閉弁時間をECU80から得て、その時間差が2段の噴射の際に発生する衝撃力の発生時間差Δtとなる。
そして衝撃合成力の目標周波数fsを算出し(ステップS21)、フィードバックゲインGnkを算出する(ステップS31)。
ステップS42では、モーダルパラメータからオブザーバを構築し、燃料噴射構造の振動加速度を、そのオブザーバに与えて、振動モードの変位を含んだ状態量ベクトルを計算する。なお燃料噴射構造についてモデル化した図が図9であり、状態方程式及び出力方程式は以下の(4)式、(5)式になる。
Figure 2006250015
これを変形して(6)式、(7)式になる。
Figure 2006250015
さらに変形して(8)式、(9)式になる。
Figure 2006250015
さらに、燃料噴射構造の固有振動数のそれぞれについて、(2)式よりフィードバックゲインGnkを状態量に対して独立に決定し、フィードバック制御を行う(ステップS43、ステップS51)。
図13は本実施形態によってフィードバック制御したときの燃料噴射構造の固有振動数の変化を示す図である。図13(A)は制御なしの状態を示し、図13(B)は制御ありの状態を示す。
本実施形態の制御を行うことによって、すべてのモードの固有振動数が、図5に示した衝撃合成力の極小となる周波数と一致していることがわかる(図13(B))。
そのため、図14に示すように、本実施形態の制御を行うことで、すべての構造の固有振動数で、振動を下げることができ、これにより騒音も低減できるのである。
なお本実施形態ではオブザーバを構築する場合で説明したが、オブザーバを構築するのではなく以下のような方法をとってもよい。すなわち、状態量を関連付ける行列の逆行列又は擬似逆行列をモーダルパラメータに基づいて、状態量と同数又はそれ以上の点の加速度の一回微分の速度又は二回微分の変位を算出する。そして、その算出値を、測定した物理量に乗じることによって状態量を算出する。このようにした場合においても、オブザーバを構築する場合と同様に振動及び騒音を低減することができる。
(第3実施形態)
第1実施形態では、針弁11の衝撃力は、電磁弁12の衝撃力に比べ十分小さいとして、針弁11の衝撃力を考慮しない場合で説明した。本実施形態では、針弁11の衝撃力が、電磁弁12の衝撃力に比べて無視できなず、針弁11の衝撃力と、電磁弁12の衝撃力とが干渉して衝撃合成力を生じる場合について説明する。
図15は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第3実施形態に使用するインジェクタの構造を示す図である。
本実施形態に使用するインジェクタ10には、針弁11の変位を検出するリフトセンサ18が設けられている。このリフトセンサ18もリフトセンサ17と同様に例えば渦電式センサである。リフトセンサ18は、針弁11がシート13に着座している状態を変位0とする。
図16に、1サイクル中に1気筒が一回で噴射した際に、針弁11の着座によって発生した衝撃力と、電磁弁12の着座によって生じた衝撃力とが干渉して生じた衝撃合成力Forceを示す。ここでは一回の燃料噴射に伴い、針弁11及び電磁弁12の着座時に衝撃合成力を発生する。この発生時間差により、衝撃合成力が極小となる周波数fsが存在する。ECU80から電磁弁12の閉弁信号を受けて、電磁弁12の変位が0を超える時間と、同様に針弁11の変位が0を超える時間の差が衝撃力の発生時間差Δtである。このΔtに基づいて、(1)式から極小となる周波数の一つが計算できる。
図17は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第3実施形態の制御を示すフローチャートである。
ステップS13では、針弁11のリフト量と、電磁弁12のリフト量とに基づいて時間差Δtを算出する。すなわち針弁11の変位がゼロになった時刻と、電磁弁12の変位がゼロとなった時刻とに基づいて時間差Δtを算出する。また加速度センサ32でインジェクタ10の軸方向加速度を検出する。
そして、衝撃合成力の目標周波数fsを算出し(ステップS21)、フィードバックゲインを決定し(ステップS31)、アクチュエータ駆動電圧を算出し(ステップS41)、ピエゾアクチュエータ31にアクチュエータ駆動電圧を出力する(ステップS51)。
本実施形態によれば、針弁の衝撃力が、電磁弁の衝撃力に比べて無視できない場合であっても、構造の固有振動数を衝撃合成力の極小となる周波数に一致させることができるので、振動を低減でき、騒音を低減することができる。
(第4実施形態)
第1実施形態では、1サイクル中に1気筒が2段噴射する場合で説明したが、本実施形態は、1サイクル中に1気筒が3段以上の複数段噴射する場合について説明する。
本実施形態の基本的な考え方は以下である。すなわち、1サイクル中の1気筒について、最初の噴射にともなう衝撃力を基準にし、他の噴射までの発生時間差Δtより、それぞれの極小となる周波数を(1)式に基づいて計算する。そして最初の噴射における衝撃力から、他のそれぞれの噴射の衝撃力の干渉による極小となる周波数のすべてが密集する周波数の中からいずれか一つを選ぶ。
これについて3段噴射の場合の図18を参照して説明する。
1段目の噴射のΔt12後に2段目の噴射を行う。また1段目の噴射のΔt13後に3段目の噴射を行う。
この場合は、まず初めに、1段目と3段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、燃料噴射構造の固有振動数fstに最も近い第1周波数fsk13を選定する。
次に1段目と2段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、周波数fsk13に最も近い第2周波数fsk12を選定し、これを目標周波数fsとする。
これについてさらに図19を参照して説明する。
3段噴射の場合には、図19に示すように1段目と3段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の大きな波が現れる。さらにその大きな波の中で小さな波が現れる。この小さな波は、1段目と2段目の噴射の干渉によるものである。
そこで本実施形態では、まず初めに、1段目と3段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、燃料噴射構造の固有振動数fstに最も近い第1周波数fsk13を選定し、次に1段目と2段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、第1周波数fsk13に最も近い第2周波数fsk12を選定し、これを目標周波数fsとしてフィードバック制御する。
図20は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第4実施形態の制御を示すフローチャートである。
ステップS14では、インジェクタ10の1段目から最終段目(本実施形態では3段目)までの噴射におけるそれぞれの閉弁指令を入力する。また加速度センサ32でインジェクタ10の軸方向加速度を検出する。
ステップS22では、1段目と各段目の噴射の干渉によって生じる衝撃合成力の谷となる周波数を、(1)式に基づいて算出する。
ステップS23では、1段目と最終段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、燃料噴射構造の固有振動数fstに最も近い第1周波数fsk1Eを選定し、次に1段目と最終段目のひとつ前の段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、周波数fsk1Eに最も近い第2周波数fsk1E-1を選定し、さらに、・・・・、と繰り返すことで目標周波数fsを算出する。
そしてフィードバックゲインを決定し(ステップS31)、アクチュエータ駆動電圧を算出し(ステップS41)、ピエゾアクチュエータ31にアクチュエータ駆動電圧を出力する(ステップS51)。
複数噴射した場合には、衝撃合成力の小さな波が大きな波に乗っかる。この場合には、或る極小の周波数であっても最小の値でない場合がある。
本実施形態によれば、衝撃合成力の大きな波のほうから衝撃合成力が極小となる周波数選ぶことで、最小値を算出することができ、優れた振動及び騒音の低減効果を得ることができるのである。
(第5実施形態)
図21は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第5実施形態の燃料噴射構造を示す図である。
上記各実施形態では、インジェクタ10と、インジェクタ取付穴41の底面41aの間に挟み込んだピエゾアクチュエータ31で制振制御するものであるが、本実施形態は、慣性マス方式アクチュエータ35を使用する。
慣性マス方式アクチュエータ35の構造について説明すると、図21に示すようにアクチュエータ35aがインジェクタ10の上方に取り付けられており、その端面にマス35bが取り付けられている。この方式によれば、アクチュエータ35aがマス35bを駆動させて、駆動されたマス35bの慣性力が制振対象物(インジェクタ10)に入力として作用して制振作用を生じるのである。
このような慣性マス方式アクチュエータ35によっても、振動を減少でき、騒音を低減することができる。周辺レイアウト、コスト等を考慮してピエゾアクチュエータ31又は慣性マス方式アクチュエータ35を選択すればよい。
(第6実施形態)
図22は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第6実施形態の燃料噴射構造を示す図である。
第5実施形態では、慣性マス方式アクチュエータをインジェクタ10の上方に取り付けたが、本実施形態では、慣性マス方式アクチュエータを 図6に示す騒音の放射面であるオイルパン61、チェーンケース62、ヘッドカバー63に慣性マス方式アクチュエータを付ける。
この場合においても振動を減少でき、騒音を低減することができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、上記各実施形態ではフィードバックゲインGnkを(3)式に基づいて算出して変位フィードバック制御したが、フィードバックゲインGnmを以下の(10)式に基づいて算出して加速度フィードバック制御してもよい。
Figure 2006250015
なおこの場合においては、アクチュエータの駆動電圧は、加速度を2回積分した変位に対してフィードバックゲインGnmを乗じることで求める。
また、上記各実施形態においては、コモンレールタイプの直噴ディーゼルエンジンを前提として説明したが、それには限られず、シリンダに燃料を噴射するすべてのディーゼルエンジンに適用することができる。また高圧で燃料を噴射する直噴ガソリンエンジンであってもよい。
ピエゾアクチュエータではなく、超磁歪素子をアクチュエータに用いた場合においても、同様の効果を得ることができる。
ピエゾインジェクタを用い、電磁弁が廃止される代わりに、インジェクタ中のピエゾ先端の着座により、圧力操作弁に衝突し、衝撃力を発生させる場合においても、同様の効果を得ることができる。
また第1実施形態では、針弁11の衝撃力は、電磁弁12の衝撃力に比べ十分小さいとして、針弁11の衝撃力を考慮しない場合で説明したが、逆に電磁弁12の衝撃力は、針弁11の衝撃力に比べ十分小さい場合には、電磁弁12の衝撃力を考慮しないことで、同様の効果を得ることができる。
本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置を使用する燃料供給システムを示す図である。 インジェクタが取り付けられたシリンダヘッドをエンジン前方(クランク軸方向)から見た断面図である。 インジェクタの構造を示す図である。 燃料噴射による衝撃力について説明する図である。 燃料噴射振動の周波数応答を示す図である。 本実施形態の燃料噴射構造の振動モードを示す図である。 図5の衝撃合成力が作用したときの燃料噴射構造の振動状態を示す図である。 ECUの具体的な制御ロジックについて説明する図である。 燃料噴射構造のモデル図である。 第1実施形態の制御効果について説明する図である。 第1実施形態の制御効果について説明する図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第2実施形態の制御を示すフローチャートである。 第2実施形態によってフィードバック制御したときの燃料噴射構造の固有振動数の変化を示す図である。 第2実施形態の制御効果について説明する図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第3実施形態に使用するインジェクタの構造を示す図である。 1サイクル中に1気筒が一回で噴射した際に、針弁の着座によって発生した衝撃力と、電磁弁の着座によって生じた衝撃力とが干渉して生じた衝撃合成力Forceを示す図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第3実施形態の制御を示すフローチャートである。 3段噴射したときの目標周波数について説明する図である。 3段噴射したときの目標周波数について説明する図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第4実施形態の制御を示すフローチャートである。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第5実施形態の燃料噴射構造を示す図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第6実施形態の燃料噴射構造を示す図である。
符号の説明
10 インジェクタ
11 針弁(内部機構)
12 電磁弁(内部機構)
17,18 リフトセンサ(振動状態検出手段)
31 ピエゾアクチュエータ(固有振動数可変手段)
35 慣性マス方式アクチュエータ(固有振動数可変手段)
40 シリンダヘッド
80 エンジンコントロールユニット(ECU)
85 コモンレール
ステップS21,S22,S23 固有振動数制御手段

Claims (19)

  1. 内部機構の作動によって発生する衝撃力によって振動するインジェクタに起因して振動する燃料噴射構造と、
    前記燃料噴射構造の固有振動数を変化させる固有振動数可変手段と、
    前記衝撃力が微少時間内で複数回発生したときに、それらの衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が極大となる周波数から、前記燃料噴射構造の固有振動数をずらすように制御する固有振動数制御手段と、
    を有する内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  2. 前記微少時間は、1サイクル中に1気筒で燃料噴射する時間である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  3. 前記複数回の衝撃力は、インジェクタ内部機構である針弁及び電磁弁の作動によって生じる衝撃力である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  4. 前記複数回の衝撃力は、1サイクル中の1気筒への噴射を複数段に分けて噴射するときの複数段噴射によって生じる衝撃力である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  5. 前記固有振動数制御手段は、前記固有振動数を、複数回の衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が極小となる周波数に制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  6. 前記固有振動数制御手段は、前記固有振動数を、複数回の衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が最小となる周波数に制御する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  7. 前記固有振動数制御手段は、1段目と最終段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、燃料噴射構造の固有振動数に最も近い第1周波数を選定し、次に1段目と最終段目のひとつ前の段目の噴射の干渉によって衝撃合成力の谷となる周波数の中から、前記第1周波数に最も近い第2周波数を選定し、これを順次繰り返して選定した最終周波数を前記最小周波数とする、
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  8. 前記複数回の衝撃力の干渉によって生じた衝撃合成力が極小となる周波数は、複数回の衝撃力の時間差に基づいて算出する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  9. 前記複数回の衝撃力は、インジェクタ内部機構である針弁及び電磁弁の作動によって生じる衝撃力であり、
    前記時間差は、針弁及び電磁弁の閉弁時間差である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  10. 前記複数回の衝撃力は、インジェクタが複数段噴射するときに生じる衝撃力であり、
    前記時間差は、針弁の閉弁時間差である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  11. 前記複数回の衝撃力は、インジェクタが複数段噴射するときに生じる衝撃力であり、
    前記時間差は、電磁弁の閉弁時間差である、
    ことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  12. 前記燃料噴射構造の振動状態を検出する振動状態検出手段を備え、
    前記固有振動数制御手段は、検出した振動状態に基づいて制御する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  13. 前記振動状態検出手段は、前記燃料噴射構造の振動状態として振動加速度又は振動速度を検出する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  14. 前記固有振動数制御手段は、検出した振動状態を、固有振動モードのモード座標の状態量に変換し、その状態量に基づいて制御する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  15. 前記状態量は、振動加速度又は振動速度を含む、
    ことを特徴とする請求項14に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  16. 前記固有振動数可変手段は、インジェクタとシリンダヘッドとで挟持されたピエゾアクチュエータである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  17. 前記固有振動数可変手段は、一端が前記インジェクタに取り付けられ、他端に慣性マスを有する慣性マス方式アクチュエータである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  18. 前記固有振動数可変手段は、前記燃料噴射構造の振動に起因して騒音を生じる騒音放射面に取り付けられたアクチュエータである、
    ことを特徴とする請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  19. 前記騒音放射面は、チェーンケース、ヘッドカバー又はオイルパンである、
    ことを特徴とする請求項18に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015078630A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 株式会社デンソー 制御装置
CN105370423A (zh) * 2014-08-19 2016-03-02 马涅蒂-马瑞利公司 用于控制间接喷射内燃发动机汽缸燃烧循环中喷射的方法

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