JP2006300016A - 内燃機関の燃料噴射振動低減装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射振動低減装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006300016A
JP2006300016A JP2005126134A JP2005126134A JP2006300016A JP 2006300016 A JP2006300016 A JP 2006300016A JP 2005126134 A JP2005126134 A JP 2005126134A JP 2005126134 A JP2005126134 A JP 2005126134A JP 2006300016 A JP2006300016 A JP 2006300016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
fuel injection
injector
reducing device
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005126134A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Asahara
康之 浅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2005126134A priority Critical patent/JP2006300016A/ja
Publication of JP2006300016A publication Critical patent/JP2006300016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】インジェクタが燃料噴射するときに発生する振動を低減する燃料噴射振動低減装置を提供する。
【解決手段】燃料を噴射するインジェクタ10と、インジェクタ10の振動状態量を、一演算時間ごとに検出する振動状態検出手段32と、振動状態量を一演算時間ごとに順次加算して振動状態量積分値を算出する振動状態量積分手段(ステップS109)と、振動状態量積分値が収束したか否かを判定する振動収束判定手段(ステップS104,S106)と、収束を判定したときには振動状態量積分値を所定値に変更する積分値変更手段(ステップS108)と、振動状態量積分値に基づいてインジェクタ10の振動を抑制するインジェクタ制振手段31とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インジェクションから燃料を噴射するときに発生する振動を低減する内燃機関の燃料噴射振動低減装置に関する。
直噴ディーゼルエンジンでは、高圧に加圧された燃料をインジェクタでシリンダ内に直接噴射している。
このインジェクタは、例えば特許文献1に示すような構造で支持されている。すなわちインジェクタは、シリンダヘッドに形成されたインジェクタ取付穴に挿入され、この挿入状態でノズルサポートによってシリンダヘッドに挿圧固定されている。ノズルサポートは、先端が二股に形成されたフォーク部がインジェクタに掛け渡されるとともに、反対側に形成された支持点においてヘッド本体に対して支持され、ボルトによってシリンダヘッドに締結される。ボルトの軸力は、ノズルサポートのフォーク部に伝わり、この力によってインジェクタはシリンダヘッドに押圧固定されている。
特開平8−200179号公報
ところで、インジェクタは、内部に針弁等の可動部品を有している。この針弁がシート部に対して離座/着座することで燃料の噴射/停止が制御される。したがって、インジェクタは、衝突による衝撃力を発生する。特にコモンレールタイプのディーゼルエンジンにおいては、内部部品が高圧の燃料で駆動されるのでインジェクタに発生する衝撃力が大きい。この衝撃力によってインジェクタが振動すると、その振動がインジェクタに接続されるノズルサポートやシリンダヘッドを介して他のエンジン部品に伝達され、エンジン騒音悪化の要因となるという問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、インジェクタが燃料噴射するときに発生する振動を低減する燃料噴射振動低減装置を提供することを目的としている。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、燃料を噴射するインジェクタ(10)と、前記インジェクタ(10)の振動状態量を、一演算時間ごとに検出する振動状態検出手段(32)と、前記振動状態量を一演算時間ごとに順次加算して振動状態量積分値を算出する振動状態量積分手段(ステップS109)と、前記振動状態量積分値が収束したか否かを判定する振動収束判定手段(ステップS104,S106)と、収束を判定したときには前記振動状態量積分値を所定値に変更する積分値変更手段(ステップS108)と、前記振動状態量積分値に基づいて前記インジェクタ(10)の振動を抑制するインジェクタ制振手段(31)とを備えることを特徴とする。
インジェクタの振動状態量を一演算時間ごとに検出して順次加算して算出した振動状態量積分値に基づいてインジェクタの振動を抑制する場合には、特にインジェクタ振動のような衝撃による振動では、正確な振動状態量を検出できない可能性があり、その誤差が振動状態量積分値に累積されてしまうおそれがあった。そこで本発明では、振動状態量積分値が収束したときには振動状態量積分値を所定値に変更するようにしたので、誤差がリセットされてより精度よく振動状態量積分値を算出できるようになり、優れたインジェクタ制振効果が得られるようになったのである。
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置を使用する燃料供給システムを示す図である。
この燃料供給システムは、自動車に搭載されるコモンレールタイプのディーゼルエンジン用のシステムである。
燃料タンク81内の燃料は、フィルタ82を介して低圧ポンプ83によって取り出され、高圧サプライポンプ84において高圧状態に加圧され、コモンレール85に供給される。なお、高圧サプライポンプ84にはプレッシャレギュレータが内蔵されており、余剰燃料が燃料タンク81に還流され、コモンレール85内が所望の圧力に制御される。そして、高圧の燃料がコモンレール85からインジェクタ10に供給され、インジェクタ10を開弁駆動することによって各気筒のシリンダ内に直接噴射される。
インジェクタ10の作動はエンジンコントロールユニット(ECU)80によって制御される。ECU80は、センサによって検出されたエンジン負荷(アクセルペダル踏込量など)及びエンジン回転速度に基づいて、燃料噴射時期及び燃料噴射量を算出し、これらに対応する開弁指令信号をインジェクタ10へ出力する。またECU80は、エンジン負荷及びエンジン回転速度に基づいて燃料噴射圧力を算出し、コモンレール85内の燃料圧力がその算出した燃料噴射圧力になるように高圧サプライポンプ84のプレッシャレギュレータを制御する。なおECU80は中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。ECU80を複数のマイクロコンピュータで構成してもよい。
図2は、インジェクタ10が取り付けられたシリンダヘッド40をエンジン前方(クランク軸方向)から見た断面図である。なお、シリンダヘッド40はヘッドボルト51によってシリンダブロックに固定されているが、図2においてはシリンダブロックを省略する。
インジェクタ10は、シリンダヘッド40に形成されたインジェクタ取付穴41に挿着され、ノズルサポート20でシリンダヘッド40に押圧されて固定される。
ノズルサポート20には、ボルト貫通孔23が形成されている。ノズルサポート20の一端は、カムシャフト45を跨いでその先端には二股のフォーク部21が形成される。この二股のフォーク部21が、インジェクタ10の受圧部16に当接する。ノズルサポート20の他端22は、シリンダヘッド40の側壁42近傍に埋め込まれたピボットピン43に当接し、回動(傾動)自在になっている。
ボルト貫通孔23にボルト52が挿通されてシリンダヘッド40に締結されると、ボルト52の軸力によってインジェクタ10がシリンダヘッド40に押圧される。
インジェクタ取付穴41の底面41aには、圧電素子からなるアクチュエータ31が配置されている。インジェクタ10は、そのアクチュエータ31に載置されている。すなわちアクチュエータ31は底面41aとインジェクタ10との間に配置されている。アクチュエータ31は薄板状の圧電素子を積層したものであり、印加する電圧に応じて軸方向に伸縮する。
インジェクタ10には軸方向加速度を検出する加速度センサ32が取り付けられている。
本発明は、加速度センサ32によって検出したインジェクタ10の軸方向加速度を積分して振動速度を求め、その速度にゲインを乗じた力をアクチュエータ31から発生させる速度フィードバック制御によってインジェクタ10の振動を低減しようとするものである。速度に比例した力をアクチュエータ31から発生させるということは、インジェクタ振動系の減衰を増大させたことに相当するので、振動系の共振周波数近傍における振動を低減することができる。その結果、シリンダヘッド40を介して、シリンダブロック、ヘッドカバー等において励起される振動も低減されるので、騒音を低減することができるのである。詳細については後述する。
ここで本発明が解決しようとしている課題について再度詳しく説明する。
図3は、インジェクタ10の構造を示す図である。
インジェクタ10は、針弁11の上方に燃圧室が設けられ、下方に燃焼噴射室が設けられている。
インジェクタ10の電磁弁12が閉じられた状態では、針弁11が燃圧室の圧力によってシート13に押し付けられ、燃料を噴射しない。そしてインジェクタ10は、ECU12からの制御指令を受けて電磁弁12を開くと、燃圧室が開放されて燃圧室内の圧力が低下する。そして燃料噴射室の圧力によって針弁11が上方へ移動して噴射孔14が開かれ燃料が噴射される。そしてインジェクタ10は、ECU80からの制御指令を受けて電磁弁12を閉じると、燃圧室の圧力が回復して針弁11が下方に移動して、針弁11がシート13に着座して燃料噴射が終了する。
このように、針弁11がシート13に衝突し振動を発生する。特にコモンレール85を使用する燃料噴射システムにおいては、燃圧が非常に高圧であるので、大きな衝突力が発生し、インジェクタ10が大きく振動することとなる。
図4に示すように電磁弁15への指示電圧が0になった閉弁時、及び針弁16のリフト量が0となった着座時に、衝撃加振力によってインジェクタは大きく振動するが、それ以外にも電磁弁に電圧がかかってそれが開いたときから振動は始まっている。
このようにして生じた振動は、インジェクタ10の下面からシリンダヘッド座面10を介してシリンダヘッド40に伝達するとともに、インジェクタ挿圧面15を介してノズルサポート20へ伝わり、ピボットピン43及び締結用ボルト19からシリンダヘッド40へ伝達する。そしてこの振動がさらにシリンダブロックやヘッドカバー等に伝達されて騒音が発生する。
そこで本発明では、下記のようにしてインジェクタの振動を低減し、騒音を低減しようとしているのである。これについて再び図2を参照して説明する。
インジェクタ取付穴41の底面41aには、圧電素子からなるアクチュエータ31が配置されている。このアクチュエータ31の出力をコントローラ70で制御することによって、衝撃力による騒音悪化を抑制する。この制御は、加速度センサ32の検出値をフィードバックして行う。すなわちコントローラ70は、加速度センサ32で検出された振動加速度を積分して振動速度を求め、その振動速度にゲインGを乗じて制御力Fを求め、この制御力Fをアクチュエータ31から発生させる。すなわち電磁弁15の振動を打ち消すようにアクチュエータ31を発振させる。このように速度フィードバック制御することで、その振動系の減衰を増大させて振動を抑制する。
ところで、コントローラ70は、検出した振動加速度に基づいて振動速度を求める場合には、検出した振動加速度を制御時間刻みごとに逐次加算して累積和を求めることによって振動加速度を積分して振動速度を求める。
しかし、コントローラ70は、加速度センサ32からの信号を一定周期時間でA/D変換して取り込むので、特にインジェクタ振動のような衝撃による振動では、図5に示すように、正確に振動のピーク値を検出することができない。
このような誤差を含む振動加速度を用いて振動速度を算出しては、誤差が累積されて、結果として図6のように振動速度は時間とともに大きな誤差が生じる可能性がある。
この誤差は振動が繰り返されるたびに加算されていくので、時間とともに誤差は増大し、それにより算出された振動速度は、真値からの乖離が大きくなる。
このようにして真値から乖離した振動速度に基づいて速度フィードバック制御を行っては、振動速度にゲインを乗じて得られる制御力が大きな値となり、アクチュエータから発生できる最大発生力を超えてしまう場合がある。このような場合には、制御力はアクチュエータの最大発生力に制限され、アクチュエータから振動的な制御力を発生することができなくなり、振動低減効果が得られなくなってしまう可能性がある。
以下ではコントローラ70の具体的な制御ロジックについて図7に示すフローチャートに沿って説明する。なおここでは1つのインジェクタについて詳細に説明するが、他の気筒のインジェクタについても同様に処理する。
なおコントローラ70は、問題となるインジェクタ振動の周波数よりも十分に高い周波数となるような時間刻みごとに繰り返し演算する。
ステップS101では、コントローラ70は、最初の演算時であるか否かを判断し、最初の演算時はステップS102へ進む。
ステップS102では、コントローラ70は、初期状態として振動速度dX=0、インジェクタ開弁判定フラグFlag=0とする。
ステップS103では、コントローラ70は、加速度センサ32により検出された振動加速度ddX及びインジェクタの電磁弁12に印加される開弁指示信号Vpを、A/D変換して入力する。またECU80からエンジン回転速度Neの信号を入力する。
ステップS104では、コントローラ70は、インジェクタ10が開弁状態か否かを判定し、閉弁状態のときはステップS105へ進み、開弁状態のときはステップS50へ進む。インジェクタ10が開弁状態か否かは、具体的には、開弁指示信号Vpの大きさで判定する。すなわち開弁指示信号Vpの値は通常は0であるが、燃料を噴射するために電磁弁に電圧をかけている間は基準電圧Vp0より大きな値となっており、燃料噴射を終了するために閉弁させる時に再びその値は0に戻る。そこで、開弁指示信号Vpが基準値Vp0よりも小さいか否かによってインジェクタ10が開弁状態か否かを判定する。
ステップS105では、コントローラ70は、インジェクタ開弁判定フラグFlag=0とする。
ステップS106では、コントローラ70は、インジェクタ開弁判定フラグFlagが0であるか否かによって、1演算周期前がインジェクタの閉弁状態であったか否かを判定する。
Vp≧Vp0である場合は(ステップS104にてY)インジェクタは現在開弁状態であるが、その場合に開弁判定フラグFlag=0のときは(ステップS106にてY)、その1演算周期前には閉弁状態であったので、今回初めて開弁したと判定できる。このときは1演算周期前はインジェクタ振動が生じていないので、振動速度は0に収束している。そこで、それまでに積分して得られていた振動速度dXに累積していた誤差を除去するために、ステップS108でdX=0としてリセットする。
このように、インジェクタ振動が発生し始めるタイミングであるインジェクタ開弁指示のタイミングで積分値を0にリセットすることにより、積分による誤差を除去することができる。
ステップS109では、コントローラ70は、加速度センサ32により検出された振動加速度ddXを振動速度dXに加算して、新たな振動速度dXとする。これによって振動加速度ddXを積分して振動速度dXを得る。
ステップS110では、コントローラ70は、次気筒の燃料噴射までに振動が収束するか否かを判定する。具体的には、エンジンの回転速度Neが基準速度Ne0よりも小さいか否かを判定し、小さいときにはステップS111→S112へ進んで、制御力Fを算出して制御力Fを出力する。ここで基準速度Ne0は、エンジン回転速度が、次気筒での燃料噴射までに現在発生中の振動が収束しなくなるほど高回転であるか否かを判定する基準値である。すなわち、インジェクタの燃料噴射による振動は、発生後時間経過にともなって減衰するので、エンジン回転速度が低ければ、次の気筒での振動が発生するまでに収束し0となる。一方、エンジン回転速度が高くなると、気筒間の燃料噴射間隔が短くなるので、ある気筒の燃料噴射で発生した振動が次の気筒での振動発生までに収束しきれなくなる。積分誤差を正確に除去するためには、振動が収束してほぼ0になっているところで値をリセットする必要があり、収束する前に次の振動が発生してしまうと、正確なリセットができないので正確な制御ができない。そこで、現在発生中の振動が次気筒での燃料噴射までに収束しなくなる基準回転速度Ne0を、事前に実験等によって確認しておき、エンジン回転速度Ne<Ne0である場合には、ステップS111でアクチュエータで発生させる制御力Fを制御ゲイン−Gと積分された振動速度dXと積で求め、ステップS112でアクチュエータから出力する。Ne≧Ne0のときには、制御を禁止し、制御力を発生させない。
次に図8、図9を参照して本実施形態による効果を説明する。
本発明は、加速度センサ32によってインジェクタ10の軸方向加速度を検出し、その検出値を積分して振動速度を求め、その速度にゲインを乗じた力をアクチュエータ31から発生させる速度フィードバック制御によってインジェクタ10の振動を低減しようとするものである。
ところで、コントローラ70は、加速度センサ32からの信号を一定周期時間でA/D変換して取り込むので、正確にピーク値を検出することがでない。
そして、このような振動加速度に基づいて振動速度を求めると、誤差が累積されて、振動速度の誤差が時間とともに増大し、真値との乖離が大きくなる。
そこで、本実施形態では、インジェクタ振動が発生する直前の振動速度が0になっているときに積分値dXを0にリセット(ステップS53)したのである。このようにすることで、図8に示すように、積分による誤差の影響を小さくできるのである。
そしてこのように制御することで、図9に示すように速度フィードバック制御による所望の振動低減効果を得ることができたのである。
(第2実施形態)
図10は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第2実施形態を示すフローチャートである。
なお以下に示す各実施形態では前述した実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態では自気筒インジェクタが燃料を噴射したときに積分値をリセットしたが、本実施形態では次に燃料を噴射する気筒の燃料噴射時にも積分値をリセットするようにした。
コントローラ70は、最初の演算時には振動速度dX=0、自気筒インジェクタ開弁判定フラグFlag1=0、次気筒インジェクタ開弁判定フラグFlag2=0とし(ステップS102)、加速度センサ32により検出された振動加速度ddX、自気筒インジェクタの開弁指示信号Vp1、次気筒インジェクタの開弁指示信号Vp2、エンジン回転速度Neを入力する(ステップS103)。
そして、コントローラ70は、閉弁状態のときには(ステップS104にてN)、自気筒インジェクタ開弁判定フラグFlag1=0とする(ステップS105)。一方、自気筒インジェクタが開弁状態のときには(ステップS104にてY)、インジェクタ開弁判定フラグFlagが0であるか否かによって、1演算周期前がインジェクタの閉弁状態であったか否かを判定し(ステップS106)、閉弁状態であったときはdX=0としてそれまでに積分して得られていた振動速度dXに累積していた誤差を除去する(ステップS108)。
そしてステップS204からステップS208においては、次気筒インジェクタについて同様の制御を行って、次気筒インジェクタは現在開弁状態であるが、その1演算周期前には閉弁状態であって今回初めて開弁したと判定できるときには、振動速度が0に収束していると判定できるので、それまでに積分して得られていた振動速度dXに累積していた誤差を除去するために、ステップS208でdX=0としてリセットする。
そして、コントローラ70は、第1実施形態と同様にステップS109以降の処理を行って、制御力Fをコントロールする。
なおここに言う自気筒とは、振動加速度が全気筒の振動加速度の中で最大の気筒であり、次気筒とは自気筒の次に燃料を噴射する気筒である。また他の実施形態としては、次気筒とは振動加速度が全気筒の振動加速度の中で最大の気筒であり、自気筒とは次気筒の前に燃料を噴射する気筒であってもよい。
本実施形態によれば、自気筒インジェクタが開弁状態にないときに次気筒インジェクタについて同様に開弁状態であるか否かを判定し、開弁状態のときには、振動速度dXをリセットしてdX=0とする。振動速度dXの積分誤差は、自気筒の燃料噴射による大きな振動が発生することにより発生するが、それを次に燃料噴射を行う気筒の燃料噴射時にもリセットすることにより、図11に示すように、より速く誤差を除去することができ、より正確な制御が可能となる。
なお、同様のルーチンを繰り返して、全気筒のインジェクタについて判定して振動速度dXの積分値をリセットすることにより、図12に示すように、さらに正確に振動速度dXを求めることが可能となり、さらに正確な制御が可能となる。
(第3実施形態)
図13は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第3実施形態を示すフローチャートである。
本実施形態では、インジェクタは主噴射だけでなく、それに先立って少量の燃料を噴射し、主噴射による燃焼を助けるパイロット噴射や、主噴射の後に排気浄化性能向上のために噴射されるポスト噴射を行う場合においても適用可能なものであり、第1実施形態に対してインジェクタ開弁指示の検出方法及び制御の禁止条件を変更したものである。
コントローラ70は、最初の演算時には振動速度dX=0、インジェクタ開弁判定フラグFlag=0とし(ステップS102)、加速度センサ32により検出された振動加速度ddX、エンジン回転速度Neを入力する。またECU80から現在のクランク角θcと、開弁時期θ1及び閉弁時期θ2を取り込む(ステップS103)。なお開弁時期θ1はそのサイクルでの最初の噴射時期であり、すなわちパイロット噴射を行うときはパイロット噴射の開弁時期である。また閉弁時期θ2はそのサイクルの最後の噴射時期であり、すなわちポスト噴射を行うときはポスト噴射の閉弁時期である。
ステップS304では、コントローラ70は、インジェクタ10が開弁状態か否かを判定する。インジェクタ10が開弁状態か否かは、具体的には、クランク角θcに基づいて判定する。すなわちクランク角θcと開弁時期θ1とを比較して、θc≦θ1の場合は閉弁であると判定する。一方、θc>θ1の場合は開弁であると判定する。閉弁状態のときはステップS105へ進んでインジェクタ開弁判定フラグFlag=0とする。一方、開弁状態のときには(ステップS304にてY)、インジェクタ開弁判定フラグFlagが0であるか否かによって、1演算周期前がインジェクタの閉弁状態であったか否かを判定し(ステップS106)、閉弁状態であったときはdX=0としてそれまでに積分して得られていた振動速度dXに累積していた誤差を除去する(ステップS108)。また1演算周期前にインジェクタの開弁状態であって(ステップS106にてN)、現在閉弁のときには(ステップS321にてY)、インジェクタ開弁判定フラグFlag=0とする(ステップS322)。
ステップS109では、コントローラ70は、加速度センサ32により検出された振動加速度ddXを振動速度dXに加算して、新たな振動速度dXとする。これによって振動加速度ddXを積分して振動速度dXを得る。
ステップS310では、コントローラ70は、次気筒の燃料噴射までに振動が収束するか否かを判定する。具体的には、(θ1−θ2+180)/Ne>t0であるか否かによって判定する。このようにする理由は以下である。すなわち、ポスト噴射を行う場合には、サイクルで最後の燃料噴射にともなう振動の発生時期が遅くなるので、第1実施形態のようにエンジン回転速度Neだけでは次気筒の燃料噴射までに振動が収束するか否かを判断できない。そこで、閉弁時期θ2から次気筒の開弁時期θ1までの時間に基づいて、次気筒の燃料噴射までに振動が収束するか否かを判定する。つまり4気筒エンジンの場合には次気筒の燃料噴射時期はθ1+180°となるので、クランク角での閉弁から開弁までの間隔を、エンジン回転速度で除した(θ1−θ2+180)/Ne が閉弁から開弁までの時間間隔に比例した値となる。したがって実験等により事前にインジェクタ振動が収束する時間間隔を求めておき、それから次気筒までの間に収束する条件、すなわち(θ1−θ2+180)/Ne>t0となるt0を決定しておく。そして、(θ1−θ2+180)/Neとt0とを比較し、(θ1−θ2+180)/Ne>t0である場合には、制御ゲイン−Gと積分された振動速度dX1の積をアクチュエータから発生させる制御力Fとしてアクチュエータより出力する(ステップS111→S112)。(θ1−θ2+180)/Ne>t0でない場合には、制御を禁止し、制御力を発生させない。
本実施形態によれば、パイロット噴射や、ポスト噴射を行う場合にも、積分による誤差の影響を小さくすることができ、その結果、速度フィードバック制御による所望の振動低減効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図14は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第4実施形態を示すフローチャートである。
コントローラ70は、最初の演算時には振動速度dX=0、収束判定カウンタCount=0とし(ステップS102)、加速度センサ32により検出された振動加速度ddX、開弁時期θ1、閉弁時期θ2、エンジン回転速度Neを入力する(ステップS103)。
ステップS401では、コントローラ70は、振動加速度ddxが十分に小さいか否かを判定する。具体的には振動加速度の絶対値|ddx|が基準値ddx0よりも小さいか否かを判定する。なお基準値ddx0はあらかじめ実験によって求めておく。大きいときはステップS402に進んで収束判定カウンタCount=0とし、小さいときはステップS403に進んで収束判定カウンタCountをカウントアップする。
ステップS404では、コントローラ70は、振動が収束したか否かを判定する。具体的には収束判定カウンタCountが基準値Count0よりも大きいときは振動加速度が小さい状態が十分継続したと考えられるので、振動が収束したと判定できる。そしてこの状態になったら、それまでに積分して得られていた振動速度dXに累積していた誤差を除去するために、ステップS405でdX=0としてリセットする。
本実施形態によれば、直接振動を見て収束を判断することができるので、正確な収束判断ができる。そのため、図15に示すように積分値のリセットを正確に行うことができ、結果として速度フィードバック制御による所望の振動低減効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図16は、本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第5実施形態の構造を示す図であり、インジェクタ10が取り付けられたシリンダヘッド40をエンジン前方(クランク軸方向)から見た断面図である。
本実施形態は、振動速度dXをレーザ振動計33によって検出し、その値に基づき振動速度及び振動変位をフィードバックした制御するようにしたものである。
図17は、この第5実施形態の制御フローチャートである。
コントローラ70は、最初の演算時には振動変位X=0、収束判定カウンタCount=0とし(ステップS102)、開弁時期θ1、閉弁時期θ2、エンジン回転速度Neを入力するとともに、レーザ振動計18からA/D変換を行って振動速度dXを入力する(ステップS103)。
ステップS501では、コントローラ70は、振動速度dxが十分に小さいか否かを判定する。具体的には振動速度の絶対値|dx|が基準値dx0よりも小さいか否かを判定する。なお基準値dx0はあらかじめ実験によって求めておく。
ステップS504では、制御ゲイン−G1と振動速度dX1の積と、制御ゲイン−G2と積分された振動変位Xの積の和をアクチュエータ31から発生させる制御力Fとしてアクチュエータ31に出力する。
本実施形態によれば、振動速度dXだけでなくそれから正確に積分された振動変位Xもフィードバックすることにより、振動系に減衰を付与するだけでなく、剛性も向上することができるので、図18に示すように、さらに制御効果を上げることができる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明と均等であることは明白である。
例えば、上記においては、コモンレールタイプの直噴ディーゼルエンジンを前提として説明したが、それには限られず、シリンダに燃料を噴射するすべてのディーゼルエンジンに適用することができる。また高圧で燃料を噴射する直噴ガソリンエンジンであってもよい。
本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置を使用する燃料供給システムを示す図である。 インジェクタが取り付けられたシリンダヘッドをエンジン前方(クランク軸方向)から見た断面図である。 インジェクタの構造を示す図である。 インジェクタ振動の発生タイミングを説明する図である。 解決課題を説明する図である。 解決課題を説明する図である。 コントローラ70の具体的な制御ロジックのフローチャートである。 第1実施形態による効果を説明する図である。 第1実施形態による効果を説明する図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第2実施形態を示すフローチャートである。 第2実施形態による効果を説明する図である。 第2実施形態の改良例による効果を説明する図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第3実施形態を示すフローチャートである。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第4実施形態を示すフローチャートである。 第4実施形態による効果を説明する図である。 本発明による内燃機関の燃料噴射振動低減装置の第5実施形態の構造を示す図である。 第5実施形態の制御フローチャートである。 第5実施形態による効果を説明する図である。
符号の説明
10 インジェクタ
20 ノズルサポート
31 アクチュエータ(インジェクタ制振手段)
32 加速度センサ(振動状態検出手段)
33 レーザ振動計(振動状態検出手段)
40 シリンダヘッド
70 コントローラ
80 エンジンコントロールユニット(ECU)
81 燃料タンク
82 フィルタ
83 低圧ポンプ
84 高圧サプライポンプ
85 コモンレール
ステップS109 振動状態量積分手段
ステップS104,S106 振動収束判定手段
ステップS204,S206 振動収束判定手段
ステップS304,S106 振動収束判定手段
ステップS401,S403,S404 振動収束判定手段

Claims (14)

  1. 燃料を噴射するインジェクタと、
    前記インジェクタの振動状態量を、一演算時間ごとに検出する振動状態検出手段と、
    前記振動状態量を一演算時間ごとに順次加算して振動状態量積分値を算出する振動状態量積分手段と、
    前記振動状態量積分値が収束したか否かを判定する振動収束判定手段と、
    収束を判定したときには前記振動状態量積分値を所定値に変更する積分値変更手段と、
    前記振動状態量積分値に基づいて前記インジェクタの振動を抑制するインジェクタ制振手段と、
    を備える内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  2. 前記振動収束判定手段は、前記振動状態量が所定値よりも小さい状態が一定時間以上継続したときには前記振動状態量積分値が収束したと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  3. 前記振動収束判定手段は、燃料噴射を指示する信号に基づいて、前記振動状態量積分値の収束を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  4. 前記振動収束判定手段は、一気筒当たり1サイクルに複数回の燃料噴射を行う場合には、各サイクル内の最初の燃料噴射を指示する信号に基づいて、前記振動状態量積分値の収束を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  5. 前記振動収束判定手段は、前記燃料噴射指示信号が一演算時間前には燃料噴射を指示せず、今回演算時に燃料噴射を指示しているときには、一演算時間前まで前記振動状態量積分値が収束していたと判定する、
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  6. 前記振動収束判定手段は、第1の気筒が燃料噴射しておらず、前記第1の気筒の次に燃料を噴射する気筒が一演算時間前には燃料噴射していないが今回演算時に燃料噴射するときには、一演算時間前まで前記振動状態量積分値が収束していたと判定する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  7. 前記第1の気筒は、振動状態量が全気筒の振動状態量の中で最大の気筒である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  8. 前記第1の気筒の次に燃料を噴射する気筒は、振動状態量が全気筒の振動状態量の中で最大の気筒である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  9. 前記振動状態量はインジェクタの振動加速度である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  10. 前記振動状態量はインジェクタの振動速度である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  11. 前記積分値変更手段は、前記振動状態量積分値をゼロに変更する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  12. 前記インジェクタ制振手段は、各気筒の燃料噴射終了から次気筒の燃料噴射開始までの時間が所定時間以下のときには、前記振動状態量積分値に基づくインジェクタ制振を停止する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  13. 前記インジェクタ制振手段は、エンジン回転速度が所定速度以下のときには、前記振動状態量積分値に基づくインジェクタ制振を停止する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
  14. 前記インジェクタ制振手段は、インジェクタの振動速度に基づいてインジェクタ制振を行う、
    ことを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射振動低減装置。
JP2005126134A 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の燃料噴射振動低減装置 Pending JP2006300016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005126134A JP2006300016A (ja) 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の燃料噴射振動低減装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005126134A JP2006300016A (ja) 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の燃料噴射振動低減装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006300016A true JP2006300016A (ja) 2006-11-02

Family

ID=37468595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005126134A Pending JP2006300016A (ja) 2005-04-25 2005-04-25 内燃機関の燃料噴射振動低減装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006300016A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111356832A (zh) * 2017-11-15 2020-06-30 罗伯特·博世有限公司 用于机动车的喷射设备、尤其是用于燃料喷射系统的振动阻尼组件,和具有这样的振动阻尼组件的喷射设备

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111356832A (zh) * 2017-11-15 2020-06-30 罗伯特·博世有限公司 用于机动车的喷射设备、尤其是用于燃料喷射系统的振动阻尼组件,和具有这样的振动阻尼组件的喷射设备
CN111356832B (zh) * 2017-11-15 2022-04-26 罗伯特·博世有限公司 振动阻尼组件,和具有这样的振动阻尼组件的喷射设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1318288B1 (en) Fuel injection system for internal combustion engine
JP5092604B2 (ja) 振動低減装置
JP3885888B2 (ja) コモンレールシステム
JP5210791B2 (ja) 燃料噴射装置
JP5482717B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP2010101245A (ja) 燃料噴射装置
JP3845930B2 (ja) ディーゼルエンジンの燃料噴射装置
JP2006300016A (ja) 内燃機関の燃料噴射振動低減装置
JP2010007504A (ja) 燃料噴射装置
JP5884834B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2011140926A (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JP4475212B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JPH08503052A (ja) 内燃機関高圧噴射装置用噴射制御装置
JP2005163639A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP5928380B2 (ja) エンジンの燃料噴射制御装置
JP4020048B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
JP2006250015A (ja) 内燃機関の燃料噴射振動低減装置
JP4689695B2 (ja) 燃料噴射システム
JP4830883B2 (ja) 噴射量制御装置
JP2008111411A (ja) 燃料インジェクタの振動低減装置
JP2007092725A (ja) 燃料噴射騒音低減装置
JP4622775B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP2006249963A (ja) 内燃機関の燃料噴射騒音低減装置
JP5754407B2 (ja) 燃料噴射制御装置
JP4134120B2 (ja) 燃料噴射装置