JP4020048B2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の燃料噴射装置に関する。
燃料噴射弁が高圧ラインを介してコモンレールに連結されており、一サイクル中に複数回の燃料噴射、例えば二回のパイロット噴射とそれに続く主噴射とを行うようにした内燃機関が公知である(例えば特許文献1)。この内燃機関ではマップから主噴射量が算出され、主噴射量と機関回転数に基づいてマップから一回目および二回目のパイロット噴射の噴射量および噴射時期が算出される。
特開2000−18074号公報
ところがこのようなコモンレールを用いた場合には燃料噴射、例えばパイロット噴射が行われるとそのとき燃料噴射弁のノズル室内に発生した圧力波が高圧ライン内を伝播してコモンレールに達し、次いでこの圧力波はコモンレールで反射して、今度は高圧ライン内をノズル室に向けて進み、ノズル室内において燃料圧の激しい脈動を生じさせる。このとき主噴射が行われると主噴射の噴射量が大巾に変動し、正規の量から大巾にずれてしまう。
ところがこの場合、主噴射量はパイロット噴射量に応じた或る決まった形の変動パターンでもって変動し、パイロット噴射量がさほど多くない場合には各変動パターンは単に時間的にずれているだけであることが判明したのである。従ってこのことを利用し、変動パターンでもって変動する変動量だけ主噴射量を補正すれば主噴射量を常に目標値に維持することができるようになる。
即ち、本発明によれば、コモンレールと、コモンレールに連結された燃料噴射弁とを具備し、各燃料噴射弁から機関の一サイクル中に先の噴射と後の噴射の少なくとも二回の燃料噴射が行われ、先の噴射が行われてから後の噴射が行われるまでのインターバル時間によって後の噴射の噴射量の目標値に対する変動量が変化する内燃機関の噴射制御装置において、先の噴射が予め定められた基準噴射量のときにインターバル時間の増大に伴い基準の変動パターンに沿って変化する後の噴射の基準変動量を記憶している記憶手段を具備しており、先の噴射が基準の噴射量でないときの後の噴射の変動量の変動パターンと基準の変動パターンとの変動時間差を求めてこの変動時間差をインターバル時間に加算又は減算することにより修正インターバル時間を求め、この修正インターバル時間と基準変動量から後の噴射の上記変動量が算出され、算出された変動量を用いて噴射量を目標値に制御するようにしている。
先の噴射量が変化した場合であっても全噴射量を簡便な方法によって目標値に正確に制御することができる。
図1を参照すると、1は圧縮着火式内燃機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内に夫々燃料を噴射するための燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドを夫々示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結され、コンプレッサ7aの入口はエアクリーナ8に連結される。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁9が配置される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結される。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路10を介して互いに連結され、EGR通路10内には電子制御式EGR制御弁11が配置される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管12を介してコモンレール13に連結される。このコモンレール13内へは電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ14によって燃料タンク15から燃料が供給され、コモンレール13内に供給された燃料は各燃料供給管12を介して燃料噴射弁3に供給される。コモンレール13にはコモンレール13内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ16が取付けられ、燃料圧センサ16の出力信号に基づいてコモンレール16内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ14の吐出量が制御される。
電子制御ユニット20はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス21によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具備する。燃料圧センサ16の出力信号は対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。一方、アクセルペダル17にはアクセルペダル17の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ18が接続され、負荷センサ18の出力電圧は対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。更に入力ポート25にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ19が接続される。一方、出力ポート26は対応する駆動回路28を介して燃料噴射弁3、スロットル弁9駆動用ステップモータ、EGR制御弁11、および燃料ポンプ14に接続される。
図2に燃料噴射弁3の拡大図を示す。図2に示されるように燃料噴射弁3は弁座30上に着座可能なニードル弁31と、ニードル弁31の先端周りに形成されているサック室32と、サック室32から燃焼室2内に延びる噴孔33と、ニードル弁31周りに形成されたノズル室34とを具備する。ノズル室34は燃料噴射弁3の本体内および燃料供給管12内を延びる高圧燃料供給通路、いわゆる高圧ライン35を介してコモンレール13内に連結されており、コモンレール13内の高圧の燃料がこの高圧ライン35を介してノズル室34内に供給される。
燃料噴射弁3内にはニードル弁31の背面に面して圧力制御室36が形成されており、この圧力制御室36内にはニードル弁31を弁座30に向けて押圧する圧縮ばね37が配置されている。この圧力制御室36は一方では入口側絞り38を介して高圧ライン35の途中に連結されており、他方では出口側絞り39を介して溢流制御弁40により開閉制御される燃料溢流口41に連結されている。圧力制御室36へは絞り38を介して高圧の燃料が常時供給されており、従って圧力制御室36は燃料で満たされている。
燃料溢流口41が溢流制御弁40により閉鎖されているときには図2に示されるようにニードル弁31が弁座30上に着座しており、従って燃料噴射は停止されている。このときノズル室34内と圧力制御室36内とは同じ燃料圧となっている。溢流制御弁40が開弁、即ち燃料溢流口41を開口すると圧力制御室36内の高圧の燃料が絞り39を介して燃料溢流口41から流出し、斯くして圧力制御室36内の圧力は徐々に低下する。圧力制御室36内の圧力が低下するとニードル弁31が上昇し、噴孔33から燃料の噴射が開始される。
即ち、圧力制御室36と燃料溢流口41との間には絞り39が設けられており、またその他の遅れ要素によって溢流制御弁40が開弁した後暫らくしてから燃料の噴射が開始される。次いで溢流制御弁40が閉弁、即ち燃料溢流口41を閉鎖すると絞り38を介して圧力制御室36内に供給される燃料によって圧力制御室36内の圧力は徐々に増大し、斯くして溢流制御弁40が閉弁した後暫らくしてから燃料噴射が停止される。
本発明では各燃料噴射弁3から機関の一サイクル中に先の噴射と後の噴射の少なくとも二回の燃料噴射が行われる。図3に代表的な二つの燃料噴射方法を示す。図3(A)は主噴射Mの前にパイロット噴射Pを行うようにした場合を示している。この場合にはパイロット噴射Pが先の噴射であり、主噴射Mが後の噴射となる。
一方、図3(B)は主噴射Mの前の複数回のパイロット噴射P1 ,P2 を行い、主噴射Mの後に複数回のポスト噴射P3 ,P4 を行うようにした場合を示している。この場合にはパイロット噴射P2 を後の噴射とするとパイロット噴射P1 が先の噴射となり、主噴射Mを後の噴射とするとパイロット噴射P1 ,P2 が先の噴射となり、ポスト噴射P3 を後の噴射とするとパイロット噴射P1 ,P2 および主噴射Mが先の噴射となる。
なお、以下図3(A)に示すように主噴射Mの前にパイロット噴射Pを行うようにした場合を例にとって本発明を説明する。
本発明における実施例では目標とする全噴射量QTが図4(A)に示すようにアクセルペダル17の踏込み量、即ちアクセル開度Lと機関回転数Nとの関数としてマップの形で予めROM22内に記憶されている。また、目標とする主噴射量QMが図4(B)に示すように全噴射量QTおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM22内に記憶されている。一方、目標とするパイロット噴射量QPは全噴射量QTから主噴射量QMを減算することによって得られる。
また、主噴射Mの噴射開始時期θMは図5(A)に示されるように全噴射量QTおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM22内に記憶されている。更に、先の噴射が行われてから後の噴射が行われるまでの時間間隔、即ちインターバル時間が予め設定されている。本発明による実施例ではパイロット噴射Pが開始されたときから主噴射Mが開始されるときまでのインターバル時間TIが図5(B)に示されるように全噴射量QTおよび機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM22内に記憶されており、主噴射Mの噴射開始時期θMとインターバル時間TIからパイロット噴射Pの噴射開始時期θPが算出される。
また、本発明による実施例ではコモンレール13内の目標レール圧が予め設定されている。この目標レール圧は概略的に云うと全噴射量QTが増大するほど高くなる。
さて、図2においてニードル弁31が開弁して燃料噴射が開始されるとノズル室34内の圧力は急速に低下する。このようにノズル室34内の圧力が急速に低下すると圧力波が発生し、この圧力波が高圧ライン35内をコモンレール13に向けて伝播する。次いでこの圧力波は高圧ライン35のコモンレール13内への開放端において反射し、今度はこの圧力波は平均圧力に対して圧力が反転した状態で、即ち高圧の圧力波の形で高圧ライン35内をノズル室34に向けて進み、ノズル室34内に高圧を一時的に発生させる。例えばパイロット噴射が行われたとするとその後暫らくしてコモンレール13における反射波によってノズル室34内には一時的に高圧が発生する。
一方、ニードル弁31が閉弁すると燃料の流動が急激に堰き止められるためにノズル室34内の圧力が一時的に上昇し、圧力波が発生する。この圧力波も高圧ライン35内を伝播し、コモンレール13において反射してノズル室34内に戻ってくる。
また、溢流制御弁40の開閉弁動作によってもノズル室34内に伝播する圧力波が発生する。即ち、溢流制御弁40が開弁すれば燃料溢流口41の圧力が急激に低下するために圧力波が発生し、溢流制御弁40が閉弁すれば燃料溢流口41の圧力が急激に上昇するために圧力波が発生する。これらの圧力波は一対の絞り39,38を通ってノズル室34内に伝播してノズル室34内の圧力を上昇或いは低下させ、同時にこの圧力波はノズル室34内において反射してコモンレール13又は燃料溢流口41に向けて伝播する。
このようにパイロット噴射Pが行われるとニードル弁31の開閉動作および溢流制御弁40の開閉動作により発生する圧力波によってノズル室34内の燃料圧が脈動を生ずる。次いでこのようにノズル室34内の燃料圧が脈動を生じているときに主噴射Mが行われる。しかしながらこのようにノズル室34内の燃料圧が脈動を生じているときに主噴射Mが行われるとノズル室34内の燃料圧が高くなったときには噴射量が増大し、ノズル室34内の燃料圧が低くなったときには噴射量が減少するので主噴射Mの噴射量が変動することになる。
次に主噴射Mの噴射量の変動量について図6および図7を参照しつつ説明する。図6において(A)はパイロット噴射Pの噴射指令パルスを示しており、(B)はニードル弁31のリフト量を示しており、(C)はノズル室34内の燃料圧を示している。また、図7(A),(B)において横軸Tiはパイロット噴射Pが開始されたときから主噴射Mが開始されるまでのインターバル時間を表しており、縦軸dQは主噴射Mの噴射量の目標値に対する変動量を表している。
図6および図7において太線は先の噴射、即ちパイロット噴射Pの噴射量が基準噴射量のときを示しており、本発明による実施例ではこの基準噴射量は2(mm3 )である。図6において太線で示される場合について説明するとパイロット噴射Pの噴射指令パルスが発せられてから遅れ時間が経過した後にニードル弁31が開弁しはじめる。ニードル弁31が開弁しはじめて燃料噴射が開始されるとノズル室34内の燃料圧が徐々に低下する。次いで噴射指令パルスが立下がってから暫らくするとニードル弁31のリフト量は最大となり、次いでニードル弁31は閉弁しはじめる。一方、ニードル弁31のリフト量が最大となると同時にノズル室34内の燃料圧は最小となり、次いでノズル室34内の燃料圧が上昇を開始する。次いでニードル弁31のリフト量が零になるとノズル室34内の燃料圧は元の燃料圧に戻る。
一方、ニードル弁31が開弁してノズル室34内の燃料圧がRで示されるように一時的に低下するとそれによって圧力波が発生し、この圧力波はコモンレール13において反射して燃料圧に対し反転した圧力波となってノズル室34内に戻ってくる。その結果、ノズル室34内にはSで示すような圧力脈動が発生する。図6(C)のT1はニードル弁31が開弁したときのノズル室34内の燃料圧低下Rが発生してから圧力脈動Sが発生するまでの周期を示している。圧力波は反射する際に減衰するので図6(C)に示されるように圧力脈動Sは燃料圧低下Rよりも変動量が小さくなるがこの圧力脈動Sの変動パターンは燃料圧低下Rの変動パターンとほぼ同様な形をしている。
図6(C)はノズル室34内の燃料圧の変動を模式的に表わしており、実際のノズル室34内の燃料圧の変動はもっと複雑である。一方、図7における太線はパイロット噴射Pが基準噴射量のときの主噴射Mの噴射量の目標値に対する基準変動量dQを表しており、このときの基準変動量dQの変動パターンを基準変動パターンと称する。この基準変動量を予め求めて記憶しておくとパイロット噴射Pが基準噴射量のときにはこの基準変動パターンでもって変化する基準変動量から各インターバル時間Tiに応じた変動量dQを求めることができる。
さて、図6(A)において破線Xで示すようにパイロット噴射量を増大すべく噴射指令パルスの時間長さがΔXだけ長くされると、それに伴ってニードル弁31のリフト量が最大となる時期がΔtXだけ遅れ、同時にノズル室34内の燃料圧が最小となる時期もΔtXだけ遅れる。このときコモンレール13での反射波である圧力脈動のピーク発生時期もΔtXだけ遅れ、圧力脈動の周期T2はパイロット噴射が基本噴射量のときの周期T1と同じになる。従ってこのとき図7(A)において破線Xで示されるように変動量dQの変動パターンは基準変動パターンに対してずれることになる。
一方、図6(A)において鎖線Yで示すようにパイロット噴射量を減少すべく噴射指令パルスの時間長さがΔYだけ短かくされると、それに伴ってニードル弁31のリフト量が最大となる時期がΔtYだけ早くなり、同時にノズル室34内の燃料圧が最小となる時期もΔtYだけ早くなる。このときコモンレール13での反射波である圧力脈動のピーク発生時期もΔtYだけ早くなり、圧力脈動の周期はパイロット噴射が基本噴射量のときの周期T1と同じになる。従ってこのとき図7(B)において破線Yで示されるように変動量dQの変動パターンは基準変動パターンに対してずれることになる。
ここで、基準変動パターンに沿って変化する基準変動量dQが予め実験により求められており、図7(A),(B)において破線X,Yで示される変動量dQの変動パターンと太線で示される基準変動パターンとのずれ量がわかればこのずれ量と基準変動量から破線X,Yで示されるようにパイロット噴射が基準噴射量でないときの主噴射Mの変動量dQを算出することができることになる。
即ち、本発明では一般的な表現を用いると、先の噴射が予め定められた基準噴射量のときにインターバル時間Tiの増大に伴い基準の変動パターンに沿って変化する後の噴射の基準変動量が記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときの後の噴射の変動量の変動パターンと基準の変動パターンとのずれ量を推定してこのずれ量と基準変動量およびインターバル時間から後の噴射の変動量が算出され、算出された変動量を用いて噴射量が目標値に制御される。この場合、基準変動量のみを記憶しておけばよく、基準変動パターン以外の種々の変動パターンにおける変動量を記憶しておく必要がないのでメモリーの容量を小さくすることができるという利点がある。
さて、パイロット噴射が基準噴射量でないときの変動量dQの変動パターンと基準の変動パターンとのずれ量は大別すると異なる二つの方向におけるずれ量が存在する。第1のずれ量はインターバル時間Tiの時間軸方向のずれ量、即ちパイロット噴射が基準噴射量でないときの変動パターンと基準の変動パターンとの変動時間差である。第2のずれ量は図7(A),(B)において縦軸方向のずれ量、即ち同一のインターバル時間Tiにおけるパイロット噴射が基準噴射量でないときの変動パターンと基準の変動パターンとの変動量差である。
まず初めに変動パターン間のインターバル時間Tiの時間軸方向のずれ量、即ち変動時間差について説明する。この変動時間差は図7(A)ではΔtXXで示されており、図7(B)ではΔtYYで示されている。
図7(A)において或るインターバル時間TiXにおける変動パターンX上の変動量dQは、この或るインターバル時間TiXから変動時間差ΔtXXを減算することによって得られる修正インターバル時間(TiX−ΔtXX)における基準変動パターン上の基準変動量dQに一致する。即ち、基準変動パターンに対して変動パターンXがΔtXXだけ遅れている場合には、この変動時間差ΔtXXがわかれば、運転状態から定まるインターバル時間TiXから変動時間差ΔtXXを減算することにより修正インターバル時間(TiX−ΔtXX)を求め、この修正インターバル時間(TiX−ΔtXX)に応じた基準変動量が求めている変動量となる。
一方、図7(B)において或るインターバル時間TiYにおける変動パターンY上の変動量dQは、この或るインターバル時間TiXに変動時間差ΔtYYを加算することによって得られる修正インターバル時間(TiY+ΔtYY)における基準変動パターン上の基準変動量dQに一致する。即ち、基準変動パターンに対して変動パターンYがΔtYYだけ先行している場合には、この変動時間差ΔtYYがわかれば、運転状態から定まるインターバル時間TiYに変動時間差ΔtYYを加算することにより修正インターバル時間(TiY+ΔtYY)を求め、この修正インターバル時間(TiY+ΔtYY)に応じた基準変動量が求めている変動量となる。
前述したように本発明では変動パターン間のずれ量、この実施例では変動時間差ΔtXX,ΔtYYを推定するようにしている。次にこの変動時間差ΔtXX,ΔtYYを推定するための種々の実施例について説明する。
図6に示されるようにニードル弁31のリフト量が最大となる時期がΔtXだけ遅れるとそれに伴なって変動パターンが基準変動パターンに対しΔtXXだけ遅れ、ニードル弁31のリフト量が最大となる時期がΔtYだけ早められるとそれに伴なって変動パターンが基準変動パターンに対しΔtYYだけ先行する。従ってニードル弁31のリフト量が最大となる時期のずれ時間ΔtX,ΔtYが変動時間差ΔtXX,ΔtYYに等しいと推定される。
従って本発明による一実施例では、基準噴射量でもって先の噴射が行われたときに燃料噴射弁3のニードル弁31のリフト量が最大となる時期が基準時期として記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときにニードル弁31のリフト量が最大となる時期を検出してこの時期と基準時期との差が変動時間差ΔtXX,ΔtYYとされる。
また、図6に示されるようにノズル室34内の燃料圧が最小となる時期がΔtXだけ遅れるとそれに伴なって変動パターンが基準変動パターンに対しΔtXXだけ遅れ、ノズル室34内の燃料圧が最小となる時期がΔtYだけ早められるとそれに伴なって変動パターンが基準変動パターンに対しΔtYYだけ先行する。従ってノズル室34内の燃料圧が最小となる時期のずれ時間ΔtX,ΔtYが変動時間差ΔtXX,ΔtYYに等しいと推定される。
従って本発明による一実施例では、基準噴射量でもって先の噴射が行われたときに燃料噴射弁3のノズル室34内の燃料圧が最小となる時期が基準時期として記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときにノズル室34内の燃料圧が最小となる時期を検出してこの時期と基準時期との差が変動時間差ΔtXX,ΔtYYとされる。
また、図6に示されるように駆動指令パルスの時間長さがΔX時間だけ長くされるとそれに伴なって変動パターンが基準変動パターンに対しΔtXXだけ遅れ、駆動指令パルスの時間長さがΔY時間だけ短かくされるとそれに伴なって変動パターンが基準変動パターンに対しΔtYYだけ先行する。従って駆動指令パルスの時間長さの増大時間又は短縮時間ΔX,ΔYが変動時間差ΔtXX,ΔtYYに等しいと推定される。
従って本発明による一実施例では、基準噴射量でもって先の噴射が行われたときの燃料噴射弁3の駆動指令パルスの時間長さが基準時間長さとして記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときの駆動指令パルスの時間長さと基準時間長さとの差が変動時間差ΔtXX,ΔtYYとされる。
また、ノズル室34内の燃料圧が変動するとレール圧も変動する。従ってレール圧の変動から変動時間差ΔtXX,ΔtYYを推定することができる。
次に、ずれ量として、パイロット噴射が基準噴射量でないときの変動パターンと基準の変動パターンとの変動量差、即ち図7(A),(B)における縦軸方向のずれ量を用いた場合について説明する。この変動量差が図7(A)ではQX1,QX2で示されており、図7(B)ではQY1,QY2で示されている。
図7(A)において変動パターンX上の変動量dQは、基準変動パターン上の基準変動量にQX1を加算することにより、或いは基準変動量からQX2を減算することにより算出することができる。また、図7(B)において変動パターンY上の変動量dQは、基準変動量からQY1を減算することによって、或いは基準変動量にQY2を加算することによって算出することができる。なお、変動量差QX1,QX2,QY1,QY2をいつ加算し、いつ減算するについては、図7(A)に示すように変動パターンXが基準変動パターンに対して遅れている場合、基準変動パターンが時間の進行に伴ない増大しているときには変動量差を減算し、減少しているときには変動量差を加算する。図7(B)に示すように変動パターンYが基準変動パターンに対して先行しているときは上述とは逆になる。
次にこの変動量差QX1,QX2,QY1,QY2の推定方法について説明する。
パイロット噴射量が基準噴射量から離れれば離れるほど変動パターンの変動時間差ΔtXX,ΔtYYが大きくなり、変動量差QX1,QX2,QY1,QY2も大きくなる。従ってこの変動量差はパイロット噴射量と基準噴射量との噴射量差に比例する。即ち、比例定数をkとすると変動量差は次式で表される。
変動量差=パイロット噴射量−基準噴射量・k
従ってパイロット噴射が基準噴射量でないときの変動量dQは次式で表される。
dQ=基準変動量+変動量差
一方、この変動量差は図7(A),(B)に示されるようにインターバル時間Tiが長くなるにつれて次第に小さくなっていく。従って変動量差を次式から求めることもできる。
変動量差=パイロット噴射量−基準噴射量・k・〔インターバル時間/(インター
バル時間−基準インターバル時間)〕
ここで基準インターバル時間は実験から求められる。
次に図8に示す燃料噴射制御ルーチンを参照しつつ噴射燃料を目標値に制御するための燃料噴射制御の一例について説明する。
図8を参照するとまず初めにステップ100において図4(A)に示すマップから全噴射量QTが算出される。次いでステップ101では図4(B)に示すマップから主噴射量QMが算出される。次いでステップ102では全噴射量QTから主噴射量QMを減算することによってパイロット噴射量QPが算出される。次いでステップ103では図5(A)に示すマップから主噴射開始時期θMが算出される。次いでステップ104では図5(B)に示すマップからインターバル時間TIが算出される。次いでステップ105では主噴射開始時期θMとインターバル時間TIからパイロット噴射開始時期θPが算出される。
次いでステップ106では予めROM22内に記憶されている基準変動量が読み出される。次いでステップ107ではこれまで述べた種々の方法の一つを用いて主噴射Mの変動量dQが算出される。次いでステップ108ではこの変動量dQに基づいて実際の噴射量が目標値となるように主噴射の指令値が補正される。例えば変動量dQがプラスの場合にはステップ101において算出された主噴射量QMから変動量dQが減算され、実際の噴射量が減算された主噴射量(QM−dQ)となるように主噴射の指令値が補正される。これに対し、変動量dQがマイナスであれば主噴射量QMに変動量dQが加算され、実際の噴射量が加算された主噴射量(QM+dQ)となるように主噴射の指令値が補正される。このようにして実際の噴射量が目標値QTに制御される。次いでステップ109ではパイロット噴射および主噴射の噴射処理が行われる。
図1は圧縮着火式内燃機関の全体図である。 燃料噴射弁の先端部を示す側面断面図である。 噴射パターンを示す図である。 噴射量のマップを示す図である。 主噴射時期等のマップを示す図である。 パイロット噴射時のニードル弁のリフト量およびノズル室内の燃料圧を示す図である。 主噴射の変動量を示す図である。 燃料噴射制御を示すフローチャートである。
符号の説明
2…燃焼室
3…燃料噴射弁
12…燃料供給管
13…コモンレール
31…ニードル弁
34…ノズル室

Claims (5)

  1. コモンレールと、コモンレールに連結された燃料噴射弁とを具備し、各燃料噴射弁から機関の一サイクル中に先の噴射と後の噴射の少なくとも二回の燃料噴射が行われ、先の噴射が行われてから後の噴射が行われるまでのインターバル時間によって後の噴射の噴射量の目標値に対する変動量が変化する内燃機関の噴射制御装置において、先の噴射が予め定められた基準噴射量のときに上記インターバル時間の増大に伴い基準の変動パターンに沿って変化する後の噴射の基準変動量を記憶している記憶手段を具備しており、先の噴射が基準の噴射量でないときの後の噴射の変動量の変動パターンと基準の変動パターンとの変動時間差を求めてこの変動時間差をインターバル時間に加算又は減算することにより修正インターバル時間を求め、この修正インターバル時間と基準変動量から後の噴射の上記変動量が算出され、算出された変動量を用いて噴射量を目標値に制御するようにした内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 基準噴射量でもって先の噴射が行われたときに燃料噴射弁のニードル弁のリフト量が最大となる時期が基準時期として記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときにニードル弁のリフト量が最大となる時期を検出してこの時期と基準時期との差が上記変動時間差とされる請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 基準噴射量でもって先の噴射が行われたときに燃料噴射弁のノズル室内の燃料圧が最小となる時期が基準時期として記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときにノズル室内の燃料圧が最小となる時期を検出してこの時期と基準時期との差が上記変動時間差とされる請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 基準噴射量でもって先の噴射が行われたときの燃料噴射弁の駆動指令パルスの時間長さが基準時間長さとして記憶されており、先の噴射が基準の噴射量でないときの駆動指令パルスの時間長さと基準時間長さとの差が上記変動時間差とされる請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
  5. レール圧を検出するための検出手段を具備しており、該レール圧の変動から上記変動時間差を推定するようにした請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置。
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