以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る接続装置の適用例である換気システムの概略図である。図2は、本実施形態に係る接続装置の適用例である換気システムの使用状態の概略図である。
まず、本実施形態の接続装置の適用例である換気システム1について説明する。換気システム1は、部屋2と、放射性ガス除去フィルタ3と、を含む。
部屋2は、図1および図2に示すように、壁、天井および床により囲まれたものである。この部屋2は、例えば、原子力設備を制御・監視するために原子炉建屋内に設置される制御室、会議や居住するために原子炉建屋内に設置される居室、原子力設備の事故時などに原子力設備を制御・監視するために原子炉建屋外に設置される代替制御室、原子力設備の事故時などに会議や居住するために原子炉建屋外に設置される代替居室、原子力設備の事故時などに原子力設備に従事する人や原子力設備近くの住民が避難するための非常用居室、原子力設備近くにある病院や介護施設などがある。
なお、図には明示しないが、部屋2は、内部の気圧低下と空気の損失を最小限にしつつ、内外に行き来を行うためのエアロックが設けられている。また、部屋2は、内部の温度や湿度を適宜保つための空調設備が設けられている。また、部屋2は、部屋2の内部の圧力が部屋2の外部の圧力(大気圧)よりも高くなるように調整する圧力調整手段を有する。
この部屋2は、放射性ガス除去フィルタ3が接続されるための接続管10Aを有する。接続管10Aは、その端部にフランジ10Bが設けられている。
放射性ガス除去フィルタ3は、図1に示すように、周囲が外壁で囲まれた筒状に形成されて一端側および他端側に開口部がそれぞれ形成されたケーシング3aを有している。そして、放射性ガス除去フィルタ3は、ケーシング3a内に、ガス流の上流側となる一端側(図中左側)から加熱部3b、粗フィルタ3c、上流側高性能フィルタ3d、放射性ガスフィルタ3e、および下流側高性能フィルタ3fが設けられている。
加熱部3bは、ケーシング3aの内部に流通されるガスを加熱するためのものである。加熱部3bの配置は、放射性ガスフィルタ3eよりもガスの流通の上流側であればよい。
粗フィルタ3cは、例えば、対象粒子径が50μm以上の空気濾過フィルタや、対象粒子径が25μm以上の中高性能フィルタが適用される。
上流側高性能フィルタ3dおよび下流側高性能フィルタ3fは、例えば、対象粒子径が0.15μmで99.97%の除去効率のHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が適用される。
放射性ガスフィルタ3eは、ケーシング3aの内部に流通されるガス中に含まれる放射性物質を吸着する。具体的に、放射性ガスフィルタ3eは、母体を構成する基材と、この基材に添着される添着物質とを含む。基材に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、表面に複数の細孔を有するものであればよく、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、活性白土などが挙げられる。ゼオライトとしては、天然ゼオライトまたは合成ゼオライトのどちらでもよい。また、ゼオライトとして、モルデナイト系ゼオライトなどが挙げられる。基材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、放射性ガスフィルタ3eは、添着物質として、トリエチレンジアミン(TEDA:Tri−Ethylene−Di−Amine)または、よう化カリウム(KI)を含む。この放射性ガスフィルタ3eは、上記構成により、ガス状の放射性よう素(よう素I2,有機よう素CH3I)の他、ミスト状のセシウム(Cs)やストロンチウム(Sr)などを含む放射性物質を吸着することで、当該放射性物質を含む放射性ガスの通過を遮断する。
なお、図には明示しないが、放射性ガス除去フィルタ3は、ケーシング3aの内部であって、放射性ガスフィルタ3eよりもガスの流通の上流側にガス処理フィルタを設けてもよい。ガス処理フィルタは、ケーシング3aの内部に流通されるガス中に含まれる有機溶剤ガス成分や酸性ガス成分を捕集する。具体的に、ガス処理フィルタは、母体を構成する基材と、この基材に添着される添着物質とを含む。基材に用いられる材料としては、特に限定されるものではなく、表面に複数の細孔を有するものであればよく、例えば、活性炭、アルミナ、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシーブなどが挙げられる。ゼオライトとしては、天然ゼオライトまたは合成ゼオライトのどちらでもよい。また、ゼオライトとして、モルデナイト系ゼオライトなどが挙げられる。基材は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、ガス処理フィルタは、添着物質として、酸性成分、アルカリ成分、トリエチレンジアミン(TEDA:Tri−Ethylene−Di−Amine)、よう化カリウム(KI)の少なくとも1つを含む。このガス処理フィルタは、上記構成により、ガス状の放射性よう素(よう素I2,有機よう素CH3I)の他、ミスト状のセシウム(Cs)やストロンチウム(Sr)などを含む放射性物質を吸着することで、当該放射性物質を含む放射性ガスの通過を遮断することが可能である。
この放射性ガス除去フィルタ3は、部屋2に接続されるため、ガス流の下流側となるケーシング3aの他端側(図中右側)に接続管11Aを有する。接続管11Aは、その端部にフランジ11Bが設けられている。また、放射性ガス除去フィルタ3は、図2に示す送風機4に接続されるため、ガス流の上流側となるケーシング3aの一端側(図中左側)に接続管12Aを有する。接続管12Aは、その端部にフランジ12Bが設けられている。また、送風機4も、放射性ガス除去フィルタ3に接続されるため、ガス流の下流側(図中右側)に接続管13Aを有する。接続管13Aは、その端部にフランジ13Bが設けられている。接続管11A,12A,13Aおよびフランジ11B,12B,13Bは、堅牢な鋼材などで形成されている。
本実施形態において、換気システム1は、1つの部屋2に対して、複数(図1および図2では2つ)の放射性ガス除去フィルタ3(3A,3B)が設置されている。これは、例えば、放射性ガス除去フィルタ3Aを部屋2に接続し、この放射性ガス除去フィルタ3Aが機能を果たさなくなった場合、放射性ガス除去フィルタ3Bを部屋2に接続することで放射性ガスの除去機能を長期間に亘り維持できるようにするためである。
この換気システム1は、原子力設備に事故が発生していない通常時は、図1に示すように、部屋2と放射性ガス除去フィルタ3(3A,3B)は、接続されていない。従って、部屋2の接続管10Aを閉塞するため、フランジ10Bに閉塞蓋14が取り付けられる。また、放射性ガス除去フィルタ3(3A,3B)の接続管11A,12Aを閉塞するため、フランジ11B,12Bに閉塞蓋14が取り付けられる。
そして、原子力設備に事故が発生した場合、換気システム1は、図2に示すように、閉塞蓋14がフランジ10B,11B,12Bから取り外され、部屋2と放射性ガス除去フィルタ3Aまたは放射性ガス除去フィルタ3Bが接続され、かつ放射性ガス除去フィルタ3Aや放射性ガス除去フィルタ3Bと送風機4が接続される。これらの接続には、接続管15A,16Aが用いられる。接続管15A,16Aは、接続時に自由度が得られるように蛇腹状に構成されている。また、接続管15A,16Aは、その両端にフランジ15B,16Bが設けられている。フランジ15B,16Bは、堅牢な鋼材などで形成されている。この接続管15Aは、フランジ15Bがそれぞれフランジ10B,11Bに固定されることで、部屋2と放射性ガス除去フィルタ3Aまたは放射性ガス除去フィルタ3Bを接続する。また、接続管16Aは、フランジ16Bがそれぞれフランジ12B,13Bに固定されることで、放射性ガス除去フィルタ3Aまたは放射性ガス除去フィルタ3Bと送風機4を接続する。
このように、本実施形態の換気システム1では、原子力設備に事故が発生した場合、閉塞蓋14をフランジ10B,11B,12Bから取り外す作業と、フランジ10B,11Bに接続管15Aの各フランジ15Bをそれぞれ固定する作業と、フランジ12B,13Bに接続管16Aの各フランジ16Bをそれぞれ固定する作業とが必要である。原子力設備に事故が発生した場合、作業者は、防護服を装着した状態でこれらの作業を行わなければならず、作業性が悪い。しかも、原子力設備に事故が発生した場合、放射線に曝される時間を考慮しなければならない。従って、上述した作業は容易かつ短時間で行えるようにしなければならない。
図3および図4は、本実施形態に係る接続装置の側断面図である。図5は、本実施形態に係る接続装置の正面図である。
本実施形態の接続装置20は、ピン21と、挿入穴22,25Aと、固定手段23と、を含む。
ピン21は、図3〜図5に示すように、フランジ(一方のフランジ)10B,11B,12B,13Bに設けられている。ピン21は、当該フランジ10B,11B,12B,13Bから、閉塞蓋(他方のフランジ)14やフランジ(他方のフランジ)15B,16Bが接続される側に向けて延在しており複数設けられている。
挿入穴22は、図3〜図5に示すように、閉塞蓋(他方のフランジ)14やフランジ(他方のフランジ)15B,16Bに対して円形状に貫通して設けられている。挿入穴22は、フランジ10B,11Bの各ピン21に対応して複数設けられ、フランジ10B,11Bに対して閉塞蓋14やフランジ15Bを対向して突き合わせる際に各ピン21が挿入するもので、各ピン21が挿入した場合に、フランジ10B,11Bに対して閉塞蓋14やフランジ15Bが対向し突き合わされる位置を規定するものである。また、挿入穴22は、フランジ12B,13Bの各ピン21に対応して複数設けられ、フランジ12B,13Bに対して閉塞蓋14やフランジ16Bを対向して突き合わせる際に各ピン21が挿入するもので、各ピン21が挿入した場合に、フランジ12B,13Bに対して閉塞蓋14やフランジ16Bが対向し突き合わされる位置を規定するものである。また、挿入穴25Aは、図3〜図5に示すように、ガスケット25に対して円形状に貫通して設けられている。挿入穴25Aは、フランジ10B,11Bの各ピン21に対応して複数設けられ、フランジ10B,11Bに対して閉塞蓋14やフランジ15Bを対向して突き合わせた間にガスケット25を配置する際に各ピン21が挿入するもので、各ピン21が挿入した場合に、フランジ10B,11Bと閉塞蓋14やフランジ15Bとの間に配置されるガスケット25の位置を規定するものである。
固定手段23は、図3〜図5に示すように、フランジ10B,11Bと閉塞蓋14やフランジ15B、ガスケット25とを挟み込んで固定したり、フランジ12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ16B、ガスケット25とを挟み込んで固定したりするものである。
図6は、本実施形態に係る接続装置におけるピンの側面図である。図7は、本実施形態に係る接続装置におけるピンの使用状態の側面図である。図8は、本実施形態に係る接続装置における固定手段の側面図である。図9は、本実施形態に係る接続装置における固定手段の正面図である。
ピン21は、接続用ピンとして構成されている。ピン21は、図6および図7に示すように、ピン本体21Aと、座金21Bと、ナット21Cと、を有する。
ピン本体21Aは、挿入部21AAおよび固定部21ABを有している。挿入部21AAは、挿入穴22,25Aに挿入される部分であり、固定部21ABは、フランジ10B,11B,12B,13Bに固定される部分である。
挿入部21AAは、第一テーパ部21AAaが形成されている。第一テーパ部21AAaは、円柱状に形成され、その基端(固定部21AB側に繋がる端部)21AAbが、図7に二点鎖線で示す閉塞蓋14やフランジ15B,16Bに設けられた挿入穴22,25Aに嵌合し、先端(固定部21ABから離れる端部)21AAcに向けて径が漸次細くなるように形成されている。
固定部21ABは、図7に示すように、フランジ10B,11B,12B,13Bに対して円形状に貫通して設けられた固定穴24に挿入され、フランジ10B,11B,12B,13Bに固定される。固定部21ABは、第二テーパ部21ABaが形成されている。第二テーパ部21ABaは、円柱状に形成され、その基端(挿入部21AA側に繋がる端部)21ABbが、固定穴24に接触して嵌合し、先端(挿入部21AAから離れる端部)21ABcに向けて径が漸次細くなるように形成されている。
また、固定部21ABは、第二テーパ部21ABaの先端21ABcから雄ネジ部21ABdが延出して形成されている。
座金21Bは、ピン本体21Aにおける固定部21ABの雄ネジ部21ABdに挿通されるものである。また、ナット21Cは、ピン本体21Aにおける固定部21ABの雄ネジ部21ABdに螺合されるものである。そして、図7に示すように、固定部21ABがフランジ10B,11B,12B,13Bの一方の面側(閉塞蓋14やフランジ15B,16Bが対向する側の面)から固定穴24に挿入された状態で、固定穴24からフランジ10B,11B,12B,13Bの他方の面側に突出する雄ネジ部21ABdに対して座金21Bが挿通され、さらに雄ネジ部21ABdにナット21Cが螺合される。
これにより、ピン本体21Aにおける固定部21ABの第二テーパ部21ABaが固定穴24の一方の面側の周縁に接触して嵌合し、かつこの第二テーパ部21ABaとの間でフランジ10B,11B,12B,13Bを挟むように固定穴24の他方の面側に座金21Bが接触してナット21Cが締め込まれることで、ピン21がフランジ10B,11B,12B,13Bに固定される。
ピン本体21Aは、第一テーパ部21AAa、第二テーパ部21ABaおよび雄ネジ部21ABdの各中心が中心線C上に一致する。そして、ピン本体21Aは、第二テーパ部21ABaが固定穴24の周縁に接触して嵌合することで、自身の中心線Cが固定穴24の中心に一致して固定される。
また、ピン本体21Aは、第一テーパ部21AAaの先端21AAc側から閉塞蓋14やフランジ15B,16Bの挿入穴22やガスケット25の挿入穴25Aに挿通される。挿入穴22,25Aは、第一テーパ部21AAaの径に従って基端21AAbが挿通されることで、第一テーパ部21AAaの中心である中心線C上に中心が一致する。このため、挿入穴22が設けられた閉塞蓋14やフランジ15B,16Bおよび挿入穴25Aが設けられたガスケット25は、ピン本体21Aの第一テーパ部21AAaにより、フランジ10B,11B,12B,13Bに対向し突き合わされる位置が規定される。
なお、第二テーパ部21ABaは、その基端21ABbが固定穴24からフランジ10B,11B,12B,13Bの一方の面側に若干突出することになる。この突出部は、その突出量よりも厚い円環状のガスケット25がフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとの間に設けられることで閉塞蓋14やフランジ15B,16Bに当接しないようになっている。
このように、ピン21が固定されたフランジ10B,11B,12B,13Bは、閉塞蓋14やフランジ15B,16Bを接続するための接続用フランジとして構成されている。
固定手段23は、図8および図9に示すように、固定手段本体23Aと、ネジ棒23Bと、押圧部材23Cと、ハンドル23Dと、把持部23Eと、を有する。
固定手段本体23Aは、図8に示すように、側面視でコ字形状のブロックをなし、コ字形状の対向する部材の間に、ガスケット25を間に置いて互いに対向して突き合わされたフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとを挿入できるように構成されている。固定手段本体23Aは、コ字形状の対向する部材の一方の対向面に第一押圧面23Aaが設けられている。
ネジ棒23Bは、固定手段本体23Aにおけるコ字形状の対向する部材の他方に螺合されて、先端23Baを第一押圧面23Aaに向けて設けられている。なお、ネジ棒23Bは、螺合される固定手段本体23Aとは材質が異なる。例えば、固定手段本体23Aが鉄鋼材で形成され、ネジ棒23Bがステンレス鋼材で形成されている。
押圧部材23Cは、ネジ棒23Bの先端23Baに取り付けられて第一押圧面23Aaに対向する第二押圧面23Caを有する。ネジ棒23Bの先端23Baは、括れ部が形成され、押圧部材23Cは、この括れ部を挿入する形状の溝23Cbが貫通して形成されている。押圧部材23Cは、ネジ棒23Bの先端23Baの括れ部を溝23Cbに挿入し、括れ部の両側にネジ23Ccを取り付けることで、ネジ棒23Bとの相互の離脱を規制しつつネジ棒23Bの回転とは隔離された状態(ネジ棒23Bと相互の回転移動が可能)でネジ棒23Bに取り付けられる。なお、押圧部材23Cのネジ棒23Bへ取り付ける構造は、上述のものに限らない。
ハンドル23Dは、ネジ棒23Bの後端23Bbに取り付けられている。ハンドル23Dは、棒状体であって、ネジ棒23Bの後端23Bbに対してネジ棒23Bの延在方向と直交するように自身の延在方向に摺動可能に挿入されている。ハンドル23Dは、両端に抜止部材23Daが設けられて、ネジ棒23Bの後端23Bbから抜け止めされている。従って、ハンドル23Dは、ネジ棒23Bを回転させることができる。
把持部23Eは、固定手段本体23Aのコ字形状の閉塞された背側にコ字形状の両端が固定されることで手で掴めるように構成されている。従って、把持部23Eを手で掴むことで固定手段23を持つことができる。
このような固定手段23は、図8および図9に示すように、固定手段本体23Aの第一押圧面23Aaと押圧部材23Cの第二押圧面23Caとの間に、ガスケット25を間に置いて互いに対向して突き合わされたフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとを挿入し、ハンドル23Dによりネジ棒23Bを一方に回転させることで、ネジ棒23Bの先端23Baに取り付けられた押圧部材23Cが第一押圧面23Aaに近づき、第一押圧面23Aaと第二押圧面23Caとの間で、互いに対向して突き合わされたフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとを挟み込んで押圧する。この結果、互いに対向して突き合わされたフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとが固定される。また、ハンドル23Dによりネジ棒23Bを他方に回転させることで、ネジ棒23Bの先端23Baに取り付けられた押圧部材23Cが第一押圧面23Aaから遠ざかり、第一押圧面23Aaと第二押圧面23Caとの間で、互いに対向して突き合わされたフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとを開放する。この結果、互いに対向して突き合わされたフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとの固定が解除される。
なお、固定手段本体23Aの第一押圧面23Aaおよび押圧部材23Cの第二押圧面23Caの少なくとも一方は、フランジ10B,11B,12B,13B,15B,16Bや閉塞蓋14に接触した状態を維持できるように凹凸が加工されていることが好ましい。
ところで、図10は、本実施形態に係る接続装置における固定手段の他の例の側面図であり、図11は、本実施形態に係る接続装置における固定手段の他の例の一部の正面図であり、図12は、本実施形態に係る接続装置における固定手段の他の例の底面図である。
固定手段23は、図11に示すように、ネジ棒23Bの後端23Bbに、工具嵌合部23Bcを備える。工具嵌合部23Bcは、例えば、トルクレンチなどのトルク調整工具(図示せず)が嵌合可能であり、ボルトの頭部のように六角柱形状に形成されている。そして、この工具嵌合部23Bcに、ハンドル23Dが挿入される挿入穴23Bdが形成されている。ハンドル23Dは、抜止部材23Daが一端のみに取り付けられて挿入穴23Bdに対して抜き差し可能に設けられている。すなわち、ハンドル23Dを挿入穴23Bdから抜いて、工具嵌合部23Bcにトルク調整工具を嵌合させ、当該トルク調整工具によりネジ棒23Bのトルク、つまり固定手段本体23Aの第一押圧面23Aaと押圧部材23Cの第二押圧面23Caとの間におけるフランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとを挟み込む押圧力を調整する。
このように工具嵌合部23Bcを備えることで、トルク調整工具により第一押圧面23Aaに対向する第二押圧面23Caの押圧のトルク管理を行うことができる。この結果、例えば、フランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bとを介して接続された接続管に気体よりも高圧の流体(例えば、水)が流れる場合に流体の漏れのない接続管理を行うことができる。
また、固定手段23は、図10に示すように、固定手段本体23Aに、第一押圧面23Aaを貫通する雌ネジ孔23Abが形成されている。そして、固定手段23は、この雌ネジ孔23Abに螺合される雄ネジ部材23Fを有する。雄ネジ部材23Fは、先端23Faが雌ネジ孔23Abに挿入される径に形成され、中間に雌ネジ孔23Abに螺合される雄ネジ部23Fbが形成され、後端23Fcに径が大きくフランジ形状に形成された掴部23Fdが設けられている。掴部23Fdは、作業者が手で掴む部分である。
一方、一対のフランジ(フランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bと)は、対向して突き合わせた状態で連通し、雄ネジ部材23Fの先端23Faが挿入される挿入孔17が形成されている。
そして、固定手段23により一対のフランジ(フランジ10B,11B,12B,13Bと閉塞蓋14やフランジ15B,16Bと)を対向して突き合わせた状態で、雄ネジ部材23Fを雌ネジ孔23Abに螺合させて先端23Faを挿入孔17に挿入させておき、ネジ棒23Bを正逆回転させて固定手段本体23Aの第一押圧面23Aaと押圧部材23Cの第二押圧面23Caとの間で一対のフランジを固定し、または固定を解除する。
従って、一対のフランジを固定し、または固定を解除する作業において、雄ネジ部材23Fが一対のフランジの挿入孔17に挿入されるため、固定手段23を一対のフランジに仮止めすることができ、固定手段23が不意に落下する事態を防ぐことができる。
なお、雄ネジ部材23Fは、ネジ棒23Bの後端23Bbの挿入穴23Bdに挿入されて取り付けられてネジ棒23Bを回転させるためのハンドルとして用いられることが好ましい。従って、部品を共有することで、機能を増やしつつ部品点数の増加を防ぐことができる。
なお、雄ネジ部材23Fは、ネジ棒23Bの後端23Bbに対して屈曲可能な連結部材23Gを介して連結されていることが好ましい。連結部材23Gは、チェーンやワイヤなどからなり、雄ネジ部材23Fの後端23Fc(または掴部23Fd)と、ネジ棒23Bの後端23Bb(工具嵌合部23Bc)とにそれぞれの端部が固定されて、雄ネジ部材23Fをネジ棒23Bに連結する。従って、雄ネジ部材23Fをネジ棒23Bに連結することで、雄ネジ部材23Fをネジ棒23Bに一体化させ、雄ネジ部材23Fが不意に落下する事態を防ぐことができる。
なお、押圧部材23Cは、第二押圧面23Caに、雄ネジ部材23Fの先端23Faが挿通される凹部23Cdが形成されていることが好ましい。従って、ネジ棒23Bを回転させた場合に、押圧部材23Cの第二押圧面23Caと雄ネジ部材23Fの先端23Faとが接触して押圧部材23Cの移動を妨げる事態を防ぐことができる。
なお、雄ネジ部材23Fは、一対のフランジを対向して突き合わせた状態で先端23Faが一対のフランジ内に配置されて、一対のフランジから押圧部材23Cの第二押圧面23Caに向けて突出しないように、雄ネジ部23Fbの位置と先端23Faの長さとを規定することが好ましい。従って、ネジ棒23Bを回転させた場合に、押圧部材23Cの第二押圧面23Caと雄ネジ部材23Fの先端23Faとが接触して押圧部材23Cの移動を妨げる事態を防ぐことができる。
また、固定手段23は、図11に示すように、ネジ棒23Bの後端23Bbを覆う保護カバー23Hを備えることが好ましい。
保護カバー23Hは、手の滑り難い、例えば、ゴム材や軟質樹脂材などの材質や表面コーティングなどが施されているものである。従って、手によりネジ棒23Bを回転させる場合に、手が傷つかないように保護することができる。また、保護カバー23Hは、ネジ棒23Bの後端23Bbに工具嵌合部23Bcが設けられている場合、この工具嵌合部23Bcの劣化を抑制してトルク調整工具の嵌合ができなくなる事態を防ぐことができる。なお、工具嵌合部23Bcが設けられている場合の保護カバー23Hは、挿入穴23Bdを覆って塞ぎ、挿入穴23Bdに異物が詰まることを防いで挿入穴23Bdへのハンドル23D(または雄ネジ部材23F)の挿入ができなくなる事態も防ぐことができる。また、保護カバー23Hは、ネジ棒23Bの後端23Bbの端面および周面を覆う形状であり、その内面に、後端23Bbにおけるネジ棒23Bとの境の段部や、工具嵌合部23Bcにおけるネジ棒23Bとの境の段部に引っ掛かる突起部23Haが設けられている。突起部23Haは、保護カバー23Hが可撓性を有していれば、単なる突起として形成されてもよいが、例えば、図には明示しないが、保護カバー23Hの内面から突出するようにバネなどの弾性部材で付勢されて段部を乗り越えられるように構成されていてもよい。保護カバー23Hは、突起部23Haが段部に引っ掛かることで、ネジ棒23Bの後端23Bbや工具嵌合部23Bcから容易に外れることが防止される。
また、固定手段23は、図10および図12に示すように、固定手段本体23Aに固定されて一対のフランジが設けられた接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの外周面に当接する回転阻止部材23Iを備えることが好ましい。
回転阻止部材23Iは、固定手段23により一対のフランジを対向して突き合わせた状態で固定する際、接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの外周面の周方向の少なくとも2箇所に当接する当接子23Iaを有している。
従って、回転阻止部材23Iが接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの外周面に当接することで、ネジ棒23Bを回転させているとき、このネジ棒23Bの廻りの固定手段本体23Aの回転移動を阻止することができる。この結果、固定手段23の設置作業を容易に行うことができる。
なお、回転阻止部材23Iは、固定手段本体23Aに対し、複数(本実施形態では4個)のネジ23Ibにより固定される。回転阻止部材23Iは、接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの径方向に長い長穴23Icが形成され、この長穴23Icを介してネジ23Ibにより固定される。従って、接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの径が異なっても、長穴23Icに沿って回転阻止部材23Iを移動させることで、接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの径に合わせて当接させることができる。
なお、回転阻止部材23Iは、固定手段本体23Aに上述した雌ネジ孔23Abが形成されている場合、この雌ネジ孔23Abに合わせた開口穴23Idが形成される。この開口穴23Idも接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの径方向に長い長穴23Icが形成されており、接続管10A,11A,12A,13A,15A,16Aの径が異なっても、雌ネジ孔23Abの位置に合わせて雌ネジ孔23Abを外部に開口させることができる。
図13および図14は、本実施形態に係る接続装置における接続方法の工程図である。
例えば、図1および図2に示すような換気システム1について、原子力設備に事故が発生していない通常時は、図3に示すように、接続管10A,11A,12Aのフランジ(接続用フランジ)10B,11B,12Bのピン21が、閉塞蓋14の挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aに挿通され、これらフランジ10B,11B,12Bおよび閉塞蓋14がガスケット25を間において固定手段23で固定されている。
そして、原子力設備に事故が発生した場合、図13に示すように、図3で示す固定手段23を外して閉塞蓋14の固定を解除し、この閉塞蓋14を取り外すようにピン21に対する挿入穴22,25Aの嵌合を外す。
次に、図14に示すように、接続管15A,16Aのフランジ15B,16Bにおける挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aに、接続管10A,11A,12A,13Aのフランジ10B,11B,12B,13Bに取り付けられているピン21を挿通させる。これにより、接続管10A,11A,12A,13Aのフランジ10B,11B,12B,13Bと、接続管15A,16Aのフランジ15B,16Bとが対向して突き合わされてガスケット25が挟まれる位置が規定される。
次に、図4に示すように、図3においてフランジ10B,11B,12Bおよび閉塞蓋14を固定していた固定手段23により、フランジ10B,11B,12B,13Bおよびフランジ15B,16B、ガスケット25を固定する。
従って、上述したように、本実施形態の接続装置20は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bと他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)とを対向して突き合わせ、その間にガスケット25を挟んだ状態で接続するものであり、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bから突出する複数のピン21と、他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)に設けられて各ピン21が挿入されることで一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)が対向し突き合わされてガスケット25が挟まれる位置を規定する複数の挿入穴22,25Aと、各ピン21が各挿入穴22に挿入された状態で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)を押し付けて固定する固定手段23と、を備える。
この接続装置20によれば、ピン21と挿入穴22,25Aとの嵌合により一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)が対向し突き合わされる位置を規定し、これを固定手段23で押し付けて固定するため、接続を容易に行うことができる。特に、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bと他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)とをボルトおよびナットで接続する構成と比較して作業時間を低減することができる。しかも、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bのピン21と、他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)の挿入穴22,25Aとを嵌合させるため、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16Bを対向して突き合わせた状態で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bと他方のフランジ15B,16Bとの中間にガスケット25が位置決めされてガスケット25の取り付け位置が確定されると共に、嵌合状態を目視して確認することができる。
また、本実施形態の接続装置20では、ピン21は、挿入穴22,25Aに挿入される挿入部21AAにおいて、基端21AAbが挿入穴22,25Aに嵌合し、かつ先端21AAcに向けて径が漸次細くなる第一テーパ部21AAaが形成され、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに固定される固定部21ABが、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに形成される固定穴24に挿入され、その基端21ABbが固定穴24に接触して嵌合する径をなし、かつ先端21ABcに向けて径が漸次細くなる第二テーパ部21ABaが形成されており、第二テーパ部21ABaの先端21ABcから雄ネジ部21ABdが延出して、第二テーパ部21ABaとの間で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bを挟むように雄ネジ部21ABdにナット21Cが螺合される。
この接続装置20によれば、ピン21は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bの固定穴24に対して第二テーパ部21ABaにより位置決めされる。また、ピン21は、第一テーパ部21AAaにより他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)の挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aを位置決めする。この結果、ピン21は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)が対向し突き合わされる位置を規定することができる。
また、本実施形態の接続装置20では、固定手段23は、第一押圧面23Aaを有する固定手段本体23Aと、先端23Baを第一押圧面23Aaに向けて固定手段本体23Aに螺合されたネジ棒23Bと、ネジ棒23Bの先端23Baに取り付けられて第一押圧面23Aaに対向する第二押圧面23Caを有する押圧部材23Cと、ネジ棒23Bの後端23Bbに取り付けられてネジ棒23Bを回転させるためのハンドル23Dと、を有する。
この接続装置20によれば、ハンドル23Dによりネジ棒23Bを正逆回転させるだけで固定手段本体23Aの第一押圧面23Aaと押圧部材23Cの第二押圧面23Caとの間で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)を固定し、または固定を解除する。このため、接続を容易に行うことができる。特に、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bと他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)とをボルトおよびナットで接続する構成と比較して作業時間を低減することができる。
また、本実施形態の接続装置20では、固定手段本体23Aとネジ棒23Bとの材質が異なる。
この接続装置20によれば、固定手段本体23Aとネジ棒23Bの材質が異なることで、固定手段本体23Aとネジ棒23Bとの固着を低減することができる。この結果、接続または解除を容易に行うことができる。
また、本実施形態の接続装置20では、固定手段本体23Aに把持部23Eが設けられる。
この接続装置20では、把持部23Eを手で持って固定手段本体23Aを支えることで接続を容易に行うことができる。
また、本実施形態の接続用フランジは、互いに対向して突き合わせた状態で接続される接続用フランジであって、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに、他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)に形成された複数の挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aに挿入される複数のピン21が突出して設けられる。
この接続用フランジによれば、ピン21と挿入穴22,25Aとの嵌合により一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)が対向し突き合わされる位置を規定し、これを固定手段23で押し付けて固定するため、接続を容易に行うことができる。しかも、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bのピン21と、他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)の挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aとを嵌合させるため、嵌合状態を目視して確認することができる。
また、本実施形態の接続用フランジでは、ピン21は、挿入穴22,25Aに挿入される挿入部21AAにおいて、基端21AAbが挿入穴22,25Aに嵌合し、かつ先端21AAcに向けて径が漸次細くなる第一テーパ部21AAaが形成され、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに固定される固定部21ABが、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに形成される固定穴24に挿入され、その基端21ABbが固定穴24に接触して嵌合する径をなし、かつ先端21ABcに向けて径が漸次細くなる第二テーパ部21ABaが形成されており、第二テーパ部21ABaの先端21ABcから雄ネジ部21ABdが延出して、第二テーパ部21ABaとの間で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bを挟むように雄ネジ部21ABdにナット21Cが螺合される。
この接続用フランジによれば、ピン21は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bの固定穴24に対して第二テーパ部21ABaにより位置決めされる。また、ピン21は、第一テーパ部21AAaにより他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)の挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aを位置決めする。この結果、ピン21は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)が対向し突き合わされる位置を規定することができる。
また、本実施形態の接続用ピン(ピン21)は、互いに対向して突き合わせた状態で接続される一方のフランジ10B,11B,12B,13Bと他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)とについて、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに突出して設けられ、他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)に形成された挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aに挿入される接続用ピンであって、挿入穴22,25Aに挿入される挿入部21AAにおいて、基端21AAbが挿入穴22,25Aに嵌合し、かつ先端21AAcに向けて径が漸次細くなる第一テーパ部21AAaが形成され、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに固定される固定部21ABが、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに形成される固定穴24に挿入され、その基端21ABbが固定穴24に接触して嵌合する径をなし、かつ先端21ABcに向けて径が漸次細くなる第二テーパ部21ABaが形成されており、第二テーパ部21ABaの先端21ABcから雄ネジ部21ABdが延出して、第二テーパ部21ABaとの間で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bを挟むように雄ネジ部21ABdにナット21Cが螺合される。
この接続用ピンによれば、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bの固定穴24に対して第二テーパ部21ABaにより位置決めされる。また、接続用ピン(ピン21)は、第一テーパ部21AAaにより他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)の挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aを位置決めする。この結果、接続用ピン(ピン21)は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16B(閉塞蓋14)が対向し突き合わされる位置を規定することができる。
また、本実施形態の接続方法は、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bから突出する複数のピン21と、他方のフランジ(閉塞蓋14)に設けられて各ピン21が挿入されることで一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび閉塞蓋14が対向し突き合わされ、その間にガスケット25が配置される位置を規定する複数の挿入穴22,25Aと、各ピン21が各挿入穴22,25Aに挿入された状態で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび閉塞蓋14を間にガスケット25を配置して押し付けて固定する固定手段23と、により一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび閉塞蓋14を対向して突き合わせた状態で接続する工程と、固定手段23を取り外して一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび閉塞蓋14への押し付け力を解除する工程と、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bのピン21から閉塞蓋14を抜く工程と、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bのピン21を別のフランジ15B,16Bにおける別の挿入穴22に挿入する工程と、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび別のフランジ15B,16Bをガスケット25を間に置いて対向して突き合わせた状態で固定手段23により固定する工程と、を含む。
この接続方法によれば、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bに固定された閉塞蓋14から、別のフランジ15B,16Bに取り替えて固定することができ、この際にピン21により一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび別のフランジ15B,16Bを対向して突き合わせた状態とすることで接続を容易に行うことができる。しかも、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bのピン21と、別のフランジ15B,16Bの挿入穴22およびガスケット25の挿入穴25Aとを嵌合させるため、嵌合状態を目視して確認することができる。
また、本実施形態の接続方法では、固定手段23は、第一押圧面23Aaを有する固定手段本体23Aと、先端23Baを第一押圧面23Aaに向けて固定手段本体23Aに螺合されたネジ棒23Bと、ネジ棒23Bの先端23Baに取り付けられて第一押圧面23Aaに対向する第二押圧面23Caを有する押圧部材23Cと、ネジ棒23Bの後端23Bbに取り付けられてネジ棒23Bを回転させるためのハンドル23Dと、を有する。
この接続方法によれば、ハンドル23Dによりネジ棒23Bを正逆回転させるだけで固定手段本体23Aの第一押圧面23Aaと押圧部材23Cの第二押圧面23Caとの間で一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび閉塞蓋14の固定を解除し、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bおよび他方のフランジ15B,16Bを固定する。このため、接続を容易に行うことができる。特に、一方のフランジ10B,11B,12B,13Bと他方のフランジ15B,16Bとをボルトおよびナットで接続する構成と比較して作業時間を低減することができる。