JP6192692B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
本出願人は、先に、吸収体の直上に表面シートを配し、該表面シートの下層に多層のスリットを設け、該表面シートの上層に中実の多数の凸部を設けた吸収性物品を提案した(特許文献1参照)。また、本出願人は、先に、吸収体に縦スリットを複数設け、該吸収体の上方に配した表面シートに、構成繊維の圧着により斜め格子状の窪み部を形成して区画化された凸部が形成された吸収性物品を提案した(特許文献2参照)。
上記吸収性物品とは別に、特許文献3には、吸収体の直上に表面シートを備え、該表面シートに多数の凸部を設け、該表面シートの凸部と該吸収体との間に中空構造を有する吸収性物品が記載されている。
特開2005−319043号公報 特開2015−024002号公報 特開2009−268559号公報
特許文献1に記載の吸収性物品は、表面シートの下層に多層のスリットを有しているので、排泄された体液を素早く吸収して、その下に位置する吸収体へ迅速に移行させることができる。また、特許文献2に記載の吸収性物品は、吸収体に縦スリットを複数設けているので、表面シートに皺が入りにくく、排泄された体液を素早く吸収体内に吸収することができる。しかし、表面シートの表面において排泄された体液の拡散を抑え、吸収体に吸収された体液の液戻りを抑えたいとのニーズが更にあった。
特許文献3に記載の吸収性物品は、表面シートの凸部と吸収体との間に中空構造を有しているので、吸収体に吸収された体液の液戻りを抑えることができる。しかし、特許文献3には、排泄された体液を素早く吸収し、表面シートの表面において排泄された体液の拡散を抑える構成に関して、何ら記載されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部と、該排泄部対向部より着用者の腹側に配される前方部と、該排泄部対向部より着用者の背側に配される後方部とを有する吸収性本体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間に、不織布によって構成されたセカンドシートが配されており、前記表面シートは、肌対向面側に突出し内部空間を有する複数の肌側突出部と、非肌対向面側に突出し内部空間を有する複数の非肌側突出部とを有する凹凸構造のシートであり、前記排泄部対向部においては、前記肌側突出部と前記セカンドシートとの間が中空構造となっている中空部と、前記非肌側突出部と前記吸収体とが圧着されていない非圧着部とを備えており、前記表面シートを断面視して、前記肌側突出部の頂部と前記非肌側突出部の頂部との間の壁部は、その繊維坪量が、該肌側突出部の頂部の繊維坪量及び該非肌側突出部の頂部の繊維坪量よりも高く、前記吸収体は、吸収性シートの積層体から形成されており、前記排泄部対向部にスリットを複数有しており、
前記スリットは、前記積層体の少なくとも1層を貫通している吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品によれば、排泄された体液を素早く吸収体内に吸収し、表面シートの表面において排泄された体液の拡散を抑えると共に、吸収体に吸収された体液の液戻りを抑えることができる。
図1は、本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態である生理用ナプキンの肌対向面側(表面シート側)を示す平面図である。 図2は図1のII−II線断面を模式的に示す端面図である。 図3は、図1に示す生理用ナプキンの備える表面シートの要部拡大斜視図である。 図4は、図3に示す表面シートの要部拡大模式断面図である。 図5は、図1に示す生理用ナプキンの備える吸収体の平面図である。 図6(a)ないし図6(b)は、図5に示す吸収体の排泄部スリット領域における縦スリットの好ましい配置を示す部分拡大平面図である。 図7は、本発明の吸収性物品の備える他の実施形態の表面シートの要部拡大斜視図である。 図8は、比較例1の生理用ナプキンの備える表面シートの要部拡大斜視図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態である生理用ナプキン1(以下、「ナプキン1」とも言う。)に基づき図面を参照して説明する。図1には、本実施形態のナプキン1を表面シート側から視た平面図が示されており、図2には、本実施形態のナプキン1の端面図が示されている。ナプキン1は、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2、非肌対向面を形成する裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備する吸収性本体10を有している。また、ナプキン1は、表面シート2と吸収体4との間に、不織布によって構成されたセカンドシート9が配されている。セカンドシート9は、表面シート2及び吸収体4とは別体の、当該技術分野においてサブレイヤーシートとも呼ばれるシートである。セカンドシート9は、表面シート2から吸収体4への液の透過性を向上させたり、吸収体4に吸収された表面シート2への液戻りを低減させたりする役割を担うシートである。
ナプキン1の吸収性本体10は、図1に示すように、着用時に着用者の排泄部(膣口等)に対向配置される排泄部対向部Bと、該排泄部対向部Bよりも着用者の腹側(前側)寄りに配される前方部Aと、該排泄部対向部Bよりも着用者の背側(後側)寄りに配される後方部Cとを有している。ナプキン1及び吸収性本体10は、着用者の前後方向に対応する縦方向X及び該縦方向Xに直交する横方向Yを有する。即ち、吸収性本体10は、縦方向Xに、前方部A、排泄部対向部B及び後方部Cの順番で区分される。
尚、本明細書において、肌対向面は、ナプキン1又はその構成部材(例えば吸収性本体10)における、ナプキン1の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、ナプキン1又はその構成部材における、ナプキン1の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。また、縦方向Xは、ナプキン1及び吸収性本体10の長手方向に一致し、横方向Yは、ナプキン1及び吸収性本体10の幅方向(長手方向に直交する方向)に一致する。
本実施形態では、ナプキン1は、図1及び図2に示すように、吸収性本体10に加えて更に、吸収性本体10における排泄部対向部Bの縦方向Xに沿う両側部それぞれから横方向Yの外方に延出する一対のウイング部10W,10Wを有している。
尚、本発明の吸収性物品において、排泄部対向部Bは、本実施形態のナプキン1のようにウイング部10Wを有する場合には、吸収性物品の縦方向(吸収性物品の長手方向、図中のX方向)においてウイング部10Wを有する領域(一方のウイング部10Wの縦方向Xに沿う付け根と他方のウイング部10Wの縦方向Xに沿う付け根とに挟まれた領域)を意味する。ウイング部を有しない吸収性物品における排泄部対向部は、吸収性物品が3つ折りの個装形態に折り畳まれた際に生じる、該吸収性物品を横方向(吸収性物品の幅方向、図中のY方向)に横断する2本の折曲線(図示せず)について、該吸収性物品の縦方向Xの前端から数えて第1折曲線と第2折曲線とに囲まれた領域を意味する。
ナプキン1では、表面シート2は、図2に示すように、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。一方、裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、更に吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、後述するサイドシート5と共にサイドフラップ部10Sを形成している。裏面シート3とサイドシート5とは、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。
ナプキン1では、サイドシート5は、図1及び図2に示すように、吸収性本体10の肌対向面(表面シート2の肌対向面)における縦方向Xに沿う両側部に配されている。好適には、サイドシート5は、平面視において吸収体4の縦方向Xに沿う左右両側部に重なるように、吸収性本体10の縦方向Xの全長に亘って配されている。
ナプキン1では、一対のサイドシート5,5は、それぞれ、図1に示すように、排泄部対向部Bに位置する線状の第1接合線61と、該第1接合線61の縦方向Xの前後(前方部A及び後方部C)に位置する線状の第2接合線62とで表面シート2に接合されている。第1接合線61は、平面視において横方向Yの外方に向けて凸の曲線状であり、第2接合線62は、平面視において縦方向に交互に交差するように延びる線状(ジグザグ線状)である。このように、サイドシート5が、第1接合線61及び第2接合線62にて表面シート2に接合されて、吸収性本体10の肌対向面に固定されると、図2に示すように、第1接合線61及び第2接合線62よりも横方向Yの内方に、サイドシート5と表面シート2とで画成される空間部Pが形成される。この空間部Pは、吸収性本体10の横方向Yの中央に向けて開口しているので、横方向Yの中央から外方へ流れる経血等の体液が空間部Pに収容されるようになり、結果として体液の漏れが効果的に防止できる。
ナプキン1では、サイドフラップ部10Sは、図1に示すように、排泄部対向部Bにおいて横方向Yの外方に向かって大きく張り出しており、これにより吸収性本体10の縦方向Xに沿う左右両側に、一対のウイング部10W,10Wが延設されている。また、表面シート2及び裏面シート3は、図1に示すように、吸収体4の縦方向Xの前端及び後端それぞれから縦方向Xの外方に延出し、それらの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって、互いに接合されてエンドシール部を形成している。
ウイング部10Wは、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面側に折り返されて用いられるものである。ナプキン1では、ウイング部10Wは、図1に示すように、平面視において、下底(上底よりも長い辺)が、吸収性本体10の縦方向Xに沿う側部側に位置する略台形形状を有している。図2に示すように、ウイング部10Wの非肌対向面には、該ウイング部10W(ナプキン1)をショーツ等の着衣(図示せず)に固定するウイング部粘着部71が形成されており、このウイング部粘着部71によって、使用時に、着衣のクロッチ部の非肌対向面(外面)側に折り返されたウイング部10Wを、該クロッチ部に粘着固定できるようになされている。また、図2に示すように、吸収性本体10の非肌対向面にも、吸収性本体10を、ショーツ等の着衣に固定するための本体粘着部72(ズレ止め部)が形成されている。
ナプキン1では、図1及び図2に示すように、吸収性本体10の肌対向面(表面シート2の肌対向面)に、表面シート2及びセカンドシート9が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥してなる線状圧搾溝8が形成されている。線状圧搾溝8における「線状」とは、溝(凹陥部)の形状が平面視において直線に限られず、曲線を含んでいることを意味する。尚、各線は、連続線でも破線等の不連続線でもよい。例えば、線状圧搾溝8は、不連続な多数の点エンボスのなす列から構成されていてもよい。線状圧搾溝8は、前方部A及び後方部Cに、それぞれ横方向Yに延びる第1横圧搾溝81と、排泄部対向部Bの両側部を縦方向Xに延びる縦圧搾溝82とを有している。ナプキン1では、前方部A及び後方部Cの第1横圧搾溝81は、縦方向X外方に向けて凸の曲線状であり、各縦圧搾溝82は、横方向Y内方に向けて凸の曲線状である。ナプキン1では、前方部Aの第1横圧搾溝81、一方の縦圧搾溝82、後方部Cの第1横圧搾溝81、及び他方の縦圧搾溝82が繋がってリング状の全周溝を形成している。また、ナプキン1では、線状圧搾溝8は、前方部A及び後方部Cの第1横圧搾溝81よりも縦方向X内方に、それぞれ、横方向Yに延びる第2横圧搾溝83,83を有している。ナプキン1では、前方部A及び後方部Cの第2横圧搾溝83,83は、縦方向X外方に向けて凸の曲線状である。尚、ナプキン1の第2横圧搾溝83,83はいずれも、図1に示すように、一対の縦圧搾溝82,82と繋がっていないが、繋がっていてもよい。このように形成された線状圧搾溝8は、吸収体4の平面方向への体液の拡散を抑制して、ナプキン1の周囲から液漏れを効果的に防止することができる。
ナプキン1の表面シート2について詳述すると、表面シート2は、図3及び図4に示すように、肌対向面側に突出し内部空間S1を有する複数の肌側突出部21と、非肌対向面側に突出し内部空間S2を有する複数の非肌側突出部22とを有する凹凸構造のシートである。好適には、表面シート2を平面視したときに、肌側突出部21及び非肌側突出部22は、互いに交差する異なる2方向に沿って交互に連続して配されている。ここで、異なる2方向は、その平面内における任意の第1方向とそれに交差する第2方向とが、30度以上90度以下の角度で交差していることが好ましく、例えばナプキン1では90度で交差している。即ち、例えばナプキン1では、2方向の内の一方向が横方向Yであり、2方向の内の他方向が縦方向Xである。従って、表面シート2を平面視したときに、肌側突出部21及び非肌側突出部22は、縦方向X及び横方向Yに沿って交互に連続して配されている。尚、図4に示す形態では、肌対向面側から見た凸部が肌側突出部21であり、凹部が非肌側突出部22となる。逆に、非肌対向面側から見た凸部が非肌側突出部22であり、凹部が肌側突出部21となる。したがって、肌側突出部21と非肌側突出部22とは一部が共有されている。この共有された部分とは、後述する環状構造の壁部21Wと、後述する環状構造の壁部22Wとを意味する。
ナプキン1では、表面シート2に関し、図3及び図4に示すように、肌側突出部21は、その頂部21Tとその内部空間S1の開口部21Hとの間に環状構造の壁部21Wを有している。また、非肌側突出部22は、その頂部22Tとその内部空間S2の開口部22Hとの間に環状構造の壁部22Wを有している。ナプキン1では、肌側突出部21及び非肌側突出部22は、その頂部21T及び頂部22Tが丸みをもった円錐台形状若しくは半球状にされている。複数の非肌側突出部22の頂部22Tは、その周囲部よりも繊維の坪量が低くなっており、透孔23を有していてもよい。図3及び図4に示した実施形態においては、非肌側突出部22は、頂部22Tに貫通した透孔23を有している。非肌側突出部22が透孔23を有する場合、複数の非肌側突出部22の頂部22Tの一部が透孔23を有していてもよく、複数の非肌側突出部22の頂部22Tの全てが透孔23を有していてもよい。また、表面シート2は、貫通する透孔23を有する頂部22Tと、透孔23を有さずに繊維の坪量が低くなっている頂部22Tとの双方を備えた非肌側突出部22を有するものであっても良い。
ナプキン1の表面シートが有する肌側突出部21及び非肌側突出部22をより詳細に見れば、肌側突出部21の突出形状は半球状であり、他方、非肌側突出部22の突出形状は頂部に丸みのある円錐ないし円錐台形状になっている。尚、肌側突出部21及び非肌側突出部22の突出形状は、前記形状に限定されず、どのような突出形状でもよい。例えば、円錐、円錐台、角錐、角錐台、斜円錐等の錐体形状であってもよい。ナプキン1では、肌側突出部21及び非肌側突出部22は、その外径と相似する頂部に丸みのある円錐台形状若しくは半球状の内部空間S1及び内部空間S2を保持している。
表面シート2を肌対向面側から平面視したときに、肌側突出部21の壁部21Wは、肌側突出部21の頂部21Tを中心に環状構造をなしている。また、表面シート2を非肌対向面側から平面視したときに、非肌側突出部22の壁部22Wは、非肌側突出部22の頂部22Tを中心に環状構造をなしている。そして、肌側突出部21の壁部21Wは、図4に示すように、非肌側突出部22の壁部22Wと同じ部位を共有している。ここで「環状」とは、表面シート2の平面視において無端の一連の形状をなしていれば特に限定されず、表面シート2の平面視において、円形、楕円形、矩形、多角形など、どのような形状であってもよい。表面シート2の連続状態を好適に維持する観点からは、円形又は楕円形の環状構造であることが好ましい。更に、「環状」を立体形状として言えば、円柱状、斜円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭斜円錐状、切頭楕円錐状、切頭四角錐状、切頭斜四角錐状など任意の環構造が挙げられ、連続したシート状態を実現する観点からは、円柱状、楕円柱状、切頭円錐状、切頭楕円錐状が好ましい。
上述のように設けられた肌側突出部21及び非肌側突出部22を有する表面シート2は、屈曲部を有さず、全体が連続した曲面で構成されている。このように表面シート2は、平面方向に連続した構造を有していることが好ましい。ここで「連続」とは、断続した部分、或いは非肌側突出部22の頂部22Tに形成された透孔23以外の小孔がないことを意味する。ただし、繊維間の隙間のような微細孔は前記小孔に含めない。透孔23を含む前記小孔とは、例えば、その孔径が円相当の直径で1.0mm以上のものと定義することができる。
ナプキン1では、表面シート2は、その厚み方向に関して、構成繊維の繊維坪量が相違している。ここで、繊維坪量とは、表面シート2の単位面積当たりの繊維の量、すなわち本数のことである。繊維坪量が高いとは、表面シート2の単位面積あたりに存在する繊維の量が多く、繊維間距離が小さいことを意味する。繊維坪量が低いとは、表面シート2の単位面積あたりに存在する繊維の量が少なく、繊維間距離が大きいことを意味する。即ち、繊維坪量が高い部位は毛管力が高く、繊維坪量が低い部位は毛管力が低くなることを意味する。
ナプキン1では、図4に示すように、表面シート2を断面視して、肌側突出部21の頂部21Tと非肌側突出部22の頂部22Tとの間の壁部21W,22Wは、その繊維坪量が、肌側突出部21の頂部21Tの繊維坪量及び非肌側突出部22の頂部22Tの繊維坪量よりも高くなっている。好適に、ナプキン1では、肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)は、その繊維坪量が、肌側突出部21の頂部21T及び非肌突出部22の頂部22T双方の繊維坪量よりも高くなっている。特に、ナプキン1では、頂部22T<肌側突出部21の頂部21T<肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)の順に、繊維坪量が高くなっている。したがって、毛管力に関しても、頂部22T<肌側突出部21の頂部21T<肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)の順に毛管力が高くなっている。この場合、繊維坪量及び毛管力は、頂部22T<肌側突出部21の頂部21T<肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)の順に連続的に漸次増加していてもよく、あるいはステップ状に段階的に増加していてもよい。このように、表面シート2の肌側突出部21から非肌側突出部22にわたる粗密変化による毛管力差により、表面シート2の肌側面から吸収した経血等の排泄物を非肌側面に移行し易くなり、表面シート2の肌側面における排泄液残り量や液戻り量を低減することが出来る。また、頂部22Tの繊維坪量が低いことで、排泄液が吸収体4に移行し易くなるので、排泄液の吸収される速度が速くなる。
表面シート2の繊維坪量の値は、後述するように、測定箇所における視野における繊維の本数を単位面積当たりに換算した値で表現される。該繊維坪量の値は、非肌側突出部22の頂部22Tに関しては、2本/mm以上、特に10本/mm以上であることが好ましく、100本/mm以下、特に80本/mm以下であることが好ましく、具体的には、2本/mm以上100本/mm以下であることが好ましく、10本/mm以上80本/mm以下であることが更に好ましい。また、肌側突出部21の頂部21Tに関しては、30本/mm以上、特に50本/mm以上であることが好ましく、130本/mm以下、特に120本/mm以下であることが好ましく、具体的には、30本/mm以上130本/mm以下であることが好ましく、50本/mm以上120本/mm以下であることが更に好ましい。また、肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)に関しては、30本/mm以上、特に50本/mm以上であることが好ましく、200本/mm以下、特に150本/mm以下であることが好ましく、具体的には、30本/mm以上200本/mm以下であることが好ましく、50本/mm以上150本/mm以下であることが更に好ましい。肌側突出部21の頂部21Tの繊維坪量は、頂部21Tにおける層厚みTL1の中央付近の位置で測定される。非肌側突出部22の頂部22Tの繊維坪量は、頂部22Tにおける層厚みTL2の中央付近の位置で測定される。肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)の繊維坪量は、全体の厚さをシート厚みTの中間付近における、壁部21Wにおける層厚みTL3の中央付近の位置で測定される。繊維坪量の測定方法は以下のとおりである。
<繊維坪量の測定方法>
表面シート2の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30〜60本程度計測できる倍率に調整;150〜500倍)し、一定面積当たり(0.5mm程度)の前記切断面によって切断されている繊維の断面数を数える。次に1mm当たりの繊維の断面数に換算し、これを繊維坪量とする。測定は3箇所行い、平均してそのサンプルの繊維坪量とする。
・走査電子顕微鏡;日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)
また、表面シート2は、その圧縮率が、着用時の体圧及び着用者の大腿部による内向きの押圧力により肌側突出部21が潰されても突出部21の形状が元の形状に回復し、排泄された体液を素早く吸収体内に吸収させ、表面シート2の表面において排泄された体液の拡散を抑えると共に、吸収体4に吸収された体液の液戻りを抑えるという観点から、40%以上、特に60%以上であることが好ましく、95%以下、特に90%以下であることが好ましく、具体的には、40%以上95%以下であることが好ましく、60%以上90%以下であることが更に好ましい。表面シート2の圧縮率は、KES圧縮試験機を用いて測定することができる。KES圧縮試験機を用いて測定された値が大きいほど、クッション性に優れると評価できる。KES圧縮試験機による表面シート2の圧縮率は、「風合いの評価の標準化と解析(第2版)」〔川端季雄著、社団法人日本繊維機械学会 風合い計量と規格化研究委員会発行(昭和55年7月10日)〕に規定されており、布の圧縮特性に関する物性である。KES圧縮試験機による表面シート2の圧縮率の測定方法は以下のとおりである。
<圧縮率の測定方法>
測定装置として、カトー・テック社製のKES−FB3圧縮試験機を用いる。この試験機を用い、圧縮面積2cmで試料(表面シート2)の0.5gf/cm荷重下での厚みTを測定する。次に加圧速度10μm/秒で試料を圧縮する。圧縮に連れて荷重が増加していく。圧縮は荷重が50gf/cmとなるまで行う。そして、50gf/cm荷重下での厚みTを測定する。厚みTから厚みTを引いた値を厚みTで除し、これに100を乗じることで、圧縮試験機による表面シート2の圧縮率(%)を算出する。つまり、圧縮率(%)は、(T−T)/T×100から算出される。
また、表面シート2は、その圧縮エネルギーが、着用時の体圧及び着用者の大腿部による内向きの押圧力により、肌側突出部21が肌に接触したときの肌触りのよさと肌側突出部21が体の動きに追従するという観点から、0.98mN・m/cm以上、特に3.43mN・m/cm以上であることが好ましく、9.8mN・m/cm以下、特に6.86mN・m/cm以下であることが好ましく、具体的には、0.98mN・m/cm以上9.8mN・m/cm以下であることが好ましく、3.43mN・m/cm以上6.86mN・m/cm以であることが更に好ましい。表面シート2の圧縮エネルギーは、KES圧縮試験機を用いて測定することができる。KES圧縮試験機を用いて測定されたWC値が大きいほど、表面シート2ふんわりしていると評価できる。KES圧縮試験機による表面シート2の圧縮エネルギーの測定方法は以下のとおりである。
<圧縮エネルギーの測定方法>
測定装置として、カトー・テック社製のKES−G5ハンディー圧縮試験機を用いる。この試験機を用い、5cm×10cmの試料(表面シート2)を準備し、試験台に取り付ける。次に、その資料を面積2cmの円形平面を持つ鋼板間で圧縮する。圧縮速度は20μm/sec、圧縮最大荷重は4.9kPaとする。回復過程も同一速度で測定を行う。表面シート2の圧縮エネルギー(WC)は次式で表される。T、T及びPは、それぞれ4.9kPa(50gf/cm2)荷重時の厚み、49Pa(0.5gf/cm2)荷重時の厚み及び測定時の荷重を示す。
Figure 0006192692
また、表面シート2の厚さに関しては、表面シート2を図4に示すように側面視したときの全体の厚さをシート厚みTとし、その凹凸に湾曲した表面シート2の局部的な厚さを層厚みTとする。シート厚みTは、用途によって適宜調節すればよいが、生理用品等の吸収性物品用の表面シートとして用いる場合、1mm以上3.5mm以下が好ましく、1.2mm以上2.5mm以下がより好ましい。この範囲とすることにより、使用時の体液吸収速度が速く、吸収体からの液戻りを抑え、更に、適度なクッション性を実現することができる。
層厚みTは、表面シート2内の各部位において異なっていてもよく、用途によって適宜調節すればよい。生理用品等の吸収性物品用の表面シートとして用いる場合、肌側突出部21の頂部21Tにおける層厚みTL1>肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)における層厚みTL3>非肌側突出部22の頂部22Tにおける層厚みTL2の順に、小さくなっていることが好ましい。これにより、肌側突出部21の頂部21Tにおいて、特に肌対向面側では、繊維坪量が低く、良好な肌当たりを実現することができる。一方、肌側突出部21の壁部21W(非肌側突出部22の壁部22W)は繊維坪量が高くなり、潰れにくく、型崩れせずに良好なクッション性と液体の吸収速度に優れた表面シート2とすることができる。
シート厚みT及び層厚みTは以下の方法で測定される。
シート厚みTの測定方法は、表面シート2に0.05kPaの荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定する。厚み測定器にはオムロン社製のレーザー変位計を用いる。厚み測定は、10点測定し、それらの平均値を算出して厚みとする。また、層厚みTの測定法は、フェザー剃刀(品番FAS‐10、フェザー安全剃刀(株)製)を用いて表面シート2を厚み方向に沿って切断する。そして、切断したシートの断面をキーエンス製デジタルマイクロスコープVHX−900により約20倍程度で拡大することで、各層の厚みを測定する
表面シート2を平面視したときに最も近い位置にある肌側突出部21の頂部21Tと非肌側突出部22の頂部22Tとの間隔は、用途によって適宜調節すればよく、生理用品等の吸収性物品用の表面シートとして用いる場合、1mm以上15mm以下が好ましく、3mm以上10mm以下がより好ましい。また、表面シート2における横方向Yに隣り合う肌側突出部21の頂部21T,21Tどうしの間隔L21(図4参照)は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上15mm以下がより好ましい。また、表面シート2における縦方向Xに隣り合う肌側突出部21の頂部21T,21Tどうしの間隔は、2mm以上30mm以下が好ましく、3mm以上15mm以下がより好ましい。また、表面シート2の坪量は、用途によって適宜選択すればよく、生理用品等の吸収性物品用の表面シートとして用いる場合、シート全体の平均値で15g/m以上50g/m以下が好ましく、20g/m以上40g/m以下がより好ましい。
上述したように、ナプキン1では、図1及び図2に示すように、表面シート2と吸収体4との間に、セカンドシート9が配されている。セカンドシート9は、吸収体4の肌対向面上に配されていればよいが、ナプキン1では、後述する吸収体4における多層部42である補助吸収体41の肌対向面の全域を被覆しており、補助吸収体41の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。ナプキン1では、セカンドシート9は、その縦方向Xに沿う側縁が、後述する補助吸収体41の縦方向Xに沿う側縁と主吸収体40の縦方向Xに沿う側縁との間に位置している。また、セカンドシート9は、その縦方向Xの前後端縁が、ナプキン1の縦方向Xの前後端縁に位置しており、ナプキン1の縦方向Xの全域に亘って延在している。
セカンドシート9としては、親水性不織布や親水性の繊維集合体からなることが好ましい。不織布としては、エアースルー不織布、ポイントボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等が挙げられる。該不織布体を構成する繊維としては天然繊維、半合成繊維、合成繊維を用いることができる。天然繊維としては、パルプ、綿、麻等が挙げられる。半合成繊維としては、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等が挙げられる。合成繊維としてはポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコールの単独繊維及びこれら樹脂を2種以上含む複合繊維を用いることができる。複合繊維としては、芯鞘型、サイド・バイ・サイド型、偏芯型等が挙げられる。
セカンドシート9は、その坪量が、好ましくは10g/m以上50g/m以下であり、更に好ましくは15g/m以上40g/m以下である。また、セカンドシート9は、その厚みが、好ましくは0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。
ナプキン1は、排泄部対向部Bにおいて、表面シート2の肌側突出部21とセカンドシート9との間が中空構造となっている中空部と、表面シート2の非肌側突出部22と吸収体4とが圧着されていない非圧着部とを備えている。以下、排泄部対向部Bにおける該中空部及び該非圧着部を備える当該部分を中空維持部と呼ぶ。具体的には、ナプキン1の排泄部対向部Bにおける線状圧搾溝8以外の部分では、表面シート2とセカンドシート9とが圧着されておらず、表面シート2の各肌側突出部21とセカンドシート9との間に中空構造となった中空部が形成されている。また、ナプキン1の排泄部対向部Bにおける線状圧搾溝8以外の部分では、表面シート2とセカンドシート9とが圧着されておらず、表面シート2の非肌側突出部22と吸収体4とが圧着されていない非圧着部が形成されている。即ち、排泄部対向部Bにおける中空維持部とは、ナプキン1では、排泄部対向部Bにおける線状圧搾溝8以外の部分を意味している。尚、表面シート21とセカンドシート9との間は、圧着の中でも、特に、熱圧着されていないことが好ましい。ここで、「熱圧着」とは、表面シート2を構成する構成繊維どうしを固定して不織布形状を形成する熱融着とは異なり、表面シート2とセカンドシート9とを熱を掛けながらエンボス等により圧縮して凹陥させ、表面シート2とセカンドシート9とを圧着することを意味する。
排泄部対向部Bにおける表面シート21とセカンドシート9との中空維持部は、排泄部対向部Bの全領域に設けられる必要はなく、排泄部対向部Bにおける横方向Yの中央領域に存在していれば良い。ここで中央領域とは、排泄部対向部Bを横方向Yに3等分した際の真ん中に位置する領域のことである。当該領域に中空維持部が存在していれば、体液の素早い吸収が実現され易い。
また、排泄部対向部Bの全面積に対して、中空維持部は50%以上の面積で存在していればよく、好ましくは70%以上の面積で存在していれば良い。この範囲であれば、中空構造による風合いの良さが維持され易い。
ナプキン1の排泄部対向部Bにおける線状圧搾溝8以外の部分では、表面シート2を前記互いに交差する異なる2方向の内の一方向に沿って断面視したときに、表面シート2の複数の肌側突出部21とセカンドシート9との間の中空構造を形成する内部空間S1どうしが繋がっている。好適に、ナプキン1では、各内部空間S1が隔てられておらず(独立しておらず)、図4に示すように、例えば前記2方向の内の一方向である横方向Yに沿って表面シート2を断面視したときに、縦方向Xと横方向Yとの間の斜め方向に隣り合う複数の肌側突出部21の内部空間S1,S1どうしが繋がっており、内部空間S1,S1どうしの繋がりが、縦方向X及び横方向Yから形成される面方向に広がっている。
ナプキン1では、吸収体4は、吸収性シート411〜413の積層体から形成されており、排泄部対向部Bにスリット43を複数有している。好適に、吸収体4は、図5に示すように、吸収体4を平面視して、吸収体4の外形を形成する主吸収体40と、排泄部対向部Bに配された主吸収体40よりも小型の補助吸収体41とを有している。
ナプキン1では、主吸収体40は、図2に示すように、平面視において角が丸みを帯びた略矩形形状で且つ前方部Aから排泄部対向部Bを経て後方部Cに亘って延びる2枚の同形同大の吸収性シート411,412から形成されている。また、ナプキン1では、補助吸収体41は、図2に示すように、平面視して、略矩形形状であり、排泄部対向部Bに配されている。補助吸収体41は、1枚の吸収性シート413を折り畳んで2層構造としたものであり、主吸収体40を構成する2枚の吸収性シート411,412間に配されている。以上のように、ナプキン1では、吸収性シート413から形成された2層構造の補助吸収体41を、2枚の吸収性シート411,412から形成された主吸収体40で包んで形成されている。
吸収性シート411〜413で形成された吸収体4は、図2に示すように、排泄部対向部Bに、2層構造の主吸収体40及び2層構造の補助吸収体41で形成された4層構造の多層部42を有している。また、吸収体4における多層部42以外の部分も2層構造の主吸収体40で形成された2層構造の積層構造となっている。ここで、多層部42とは、図2に示すように、吸収体4を構成する吸収性シートの積層枚数が、その周囲に位置する部分より多い部分である。ナプキン1では、多層部42は、その周囲に位置する部分よりも厚みが厚く、排泄部対向部Bに、表面シート2側(ナプキン1の肌対向面側)に隆起した隆起部を形成している。主吸収体40の一部に2層構造の補助吸収体41を配することで、吸収体4の一部の吸収容量を容易且つ効率的に増大させることができる。吸収性シート間は、接合されていなくてもよいし、まばらに散布した接着剤等によって接合されていてもよい。
ナプキン1の吸収体4は、多層部42における厚みが、好ましくは0.7mm以上、更に好ましくは1mm以上であり、また、好ましくは5mm以下、更に好ましくは4mm以下であり、より具体的には、好ましくは0.7mm以上5mm以下、更に好ましくは1mm以上4mm以下である。多層部42の厚みをこのような範囲とすることで、多層部42が形成されている排泄部対向部Bにおける良好な装着感と高い吸収性能を両立することが容易となる。また、本実施形態のナプキン1のように吸収性物品がウイング部を備えている場合には、装着時に排泄部対向部Bでの吸収体4のヨレを抑制しやすくなる。また、吸収体4は、多層部42以外の部分における厚みが、好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3mm以下、更に好ましくは2.5mm以下であり、より具体的には、好ましくは0.3mm以上3mm以下、更に好ましくは0.5mm以上2.5mm以下である。この範囲であることが、高い吸収性能と着用者の動きへの追従性を高める観点から好ましい。
また、ナプキン1の吸収体4において、中高部42とその周辺部との境界又はその近傍における両者の厚み差(段差)は2mm以下であることが好ましく、更に1.5mm以下であることが好ましい。この目的は、排泄部対向部Bにおいて、中高部42とその周辺部分の主吸収体40のみが存在する領域との境界付近におけるヨレの発生を抑制することである。この段差が大きいと、着用中にナプキン1が着用者の動きに追従した際、段差による隙間を埋めようとするため、結果として段差の影響でヨレが生じ易くなることがあるが、該段差を前記範囲内に設定とすることで、排泄部対向部Bにおけるヨレの発生を抑える効果が高まる。前述した吸収体4の各部の厚みは下記方法により測定される。
<吸収体の厚みの測定方法>
測定対象物である吸収体を水平な場所にシワや折れ曲がりがないように静置し、5cN/cm2の荷重下での厚みを測定する。厚みの測定には、ダイヤルゲージ式厚み計(PEACOCK DIAL UPRIGHT GAUGES R5-C(OZAKI MFG.CO.LTD.製))を用いる。このとき、厚み計の先端部と測定対象物における測定部分との間に、平面視円形状又は正方形状のプレート(厚さ5mm程度のアクリル板)を配置して、荷重が5cN/cm2となるようにプレートの大きさを調整する。
また、ナプキン1では、図1及び図5に示すように、各スリット43は、縦方向Xに平行に配されている。即ち、各スリット43は、縦方向Xに延びる縦スリットである。ナプキン1では、縦方向Xに延びるスリット(縦スリット)43が、縦方向X及び横方向Yの両方向に分散した状態に形成された排泄部スリット領域4Sを有している。
ナプキン1では、スリット43は、吸収体4を形成する吸収性シート411〜413の積層体の少なくとも1層を貫通している。ナプキン1では、図2に示すように、吸収体4を横方向Yに沿って断面視したときに、スリット(縦スリット)43が、4層構造の多層部42を備える吸収体4の1層を貫通しているのみならず、積層体の全層を貫通している。即ち、スリット(縦スリット)43が、吸収体4をその厚み方向に亘って全層貫通している。好適には、縦スリット43は、排泄部対向部Bにおける多層部42及び多層部42以外の部位、それぞれに、吸収体4をその厚み方向に亘って貫通する切り込みを入れて形成される。複数の縦スリット43が配された排泄部スリット領域4Sは、図5に示すように、排泄部対向部Bのみならず、前方部Aの一部及び後方部Cの一部に亘っている。すなわち、スリット43が少なくとも排泄部対向部Bに存在しており、この排泄部対向部Bに位置するスリット43を含む領域のことを排泄部スリット領域4Sという。したがって、排泄部スリット領域4Sとは排泄部対向部Bの領域内でスリットが形成された部位のことではない。縦スリット43にはわずかに空間が形成されて表面シート2からの排泄液が取り込み易くなっているうえに、縦スリット43の切断部は、切り込み加工する際にやや圧縮されているため更に吸収スピードが高められる。また、縦スリット43が吸収体4を完全に貫通することで、吸収体4へ到達した液は、吸収体4の非肌対向面側へ到達しやすくなり吸収体4を効率的に使用した吸収が可能になる。
ナプキン1では、各縦スリット43は、図1に示すように、その横方向長さである幅W43(図5参照)が、表面シート2における横方向Yに隣り合う肌側突出部21の頂部21T,21Tどうしの間隔L21(図4参照)よりも狭く形成されている。また、頂部21T,21Tどうしの間隔L21は、横方向Yに延びる同一スリット列内における縦スリット43どうしの間隔L43(図5参照)よりも狭く形成されている。ここで、スリットの幅W43とは、スリットの延びる方向と直交する方向における該スリットの長さのことをいう。また、ここでいう、スリットの幅とは、吸収性物品を衣類のクロッチ部等に固定する前の、張力を加えない自然状態における幅の内の最大幅であり、体液を吸収体4に吸収させる前の幅のことをいう。具体的に、各スリット(縦スリット)43を平面視したときのスリット(縦スリット)43の幅W43は、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上が更に好ましく、また、1mm以下が好ましく、0.8mm以下が更に好ましく、また、0.1mm以上1mm以下が好ましく、0.3mm以上0.8mm以下が更に好ましい。
縦スリット43どうしの間隔L43(図5参照)に対する肌側突出部21の頂部21Tどうしの間隔L21(図4参照)の割合((L21/L43)×100)は、縦スリット43の位置と、肌側突出部21の頂部21Tの位置とが重なることにより着用時の動きの中で起こる頂部21Tの折れの発生部位をできる限り少なくし、製品のフィット性を保ちながら着用中の表面シート2の肌触りの良さを維持するために、10%以上であることが好ましく、30%以上であることが更に好ましく、70%以下であることが好ましく、55%以下であることが更に好ましく、そして、10%以上70%以下であることが好ましく、30%以上55%以下であることが更に好ましい。
具体的に、ナプキン1では、縦スリット43どうしの間隔L43(図5参照)は、好ましくは3mm以上、更に好ましくは7mm以上、また、好ましくは20mm以下、更に好ましくは15mm以下であり、また、好ましくは3mm以上20mm以下、更に好ましくは7mm以上15mm以下である。
ナプキン1では、排泄部スリット領域4Sにおけるスリットの配置は、各スリットが、縦方向X及び横方向Yの両方向に分散されている配置であれば、特に制限されないが、図5に示す形態におけるように、縦方向Xに沿う縦スリット43を有する場合、ナプキン1の縦方向Xに沿って直列配置した複数の縦スリット43からなる縦列Lが、横方向Yに複数列形成されていることが好ましい。また、ナプキン1では横方向Yに隣り合う縦列L,Lにおける縦スリット43の縦方向Xの位置が一致していない配置が好ましい。
ナプキン1では、排泄部スリット領域4Sは、図5に示すように、多層部42を含むように形成されている。多層部42には、横方向Yに離間した2本以上の縦スリット43からなるスリット列が縦方向Xに2列以上形成されていることが好ましく、縦方向Xに3列以上形成されていることが更に好ましく、4列以上形成されていることが特に好ましい。また、個々のスリット列に含まれる横方向Xに離間した縦スリット43の本数は、好ましくは2本以上であり、更に好ましくは3本以上である。排泄部スリット領域4Sの縦方向Xには、多層部42に含まれるスリット列に加えて、多層部42より縦方向Xの前方若しくは後方又は前方及び後方の両方に、1列又は2以上のスリット列を有することが好ましい。
図6に、排泄部スリット領域4Sにおける縦スリット43の好ましい配置の例を示している。これらの図に示す配置においては、ナプキン1の横方向Yに離間した複数本の縦スリット43からなるスリット列R1,R2が、ナプキン1の縦方向Xに交互に複数列形成されている。図6に示す配置例においては、横方向Yに離間した2本の縦スリット43からなるスリット列R1と、横方向Yに離間した3本の縦スリット43からなるスリット列R2とが、縦方向Xに交互に形成されている。
図6に示した縦スリット43の好ましい配置の例においては、図6(a)及び図6(b)に示すように、縦方向Xに隣り合う2つのスリット列R1,R2における縦スリット43は、一方のスリット列R1の縦スリット43が、他方のスリット列R2における横方向Yに隣り合う縦スリットどうし43,43の間の中央部に配されている。そして、ナプキン1の縦方向Xに隣り合うスリット列R1,R2間には、間隔を有していない。即ち、縦方向Xに隣り合う2つのスリット列R1,R2間には、間隔は設けていない。隣り合うスリット列間に間隔を有しないという表現には、図6(a)に示すように、隣り合うスリット列R1,R2の縦スリット43の端部どうしの位置が一致している場合と、図6(b)に示すように、隣り合うスリット列R1,R2の縦スリット43の端部どうしが、縦方向Xにおいて重複している場合とが含まれる。図6(b)に示すように、2本のスリット列R1,R2の縦スリット43の端部どうしを重複させた状態で縦方向Xに配置する場合、その重複させる長さL1は、スリット列を構成する縦スリット43の同方向Xの長さL2の20%以下であることが好ましく、10%以下であることが更に好ましい。ナプキン1では、縦スリット43の長さL2(図6参照)は、表面シート2における縦方向Xに隣り合う肌側突出部21の頂部21T,21Tどうしの間隔よりも広く形成されていることが好ましく、好ましくは10mm以上、更に好ましくは15mm以上であり、また、好ましくは35mm以下、更に好ましくは25mm以下であり、また、好ましくは10mm以上35mm以下、更に好ましくは15mm以上25mm以下である。
ナプキン1では、表面シート2とセカンドシート9との間、及びセカンドシート9と吸収体4との間は、接着剤を塗布して固定されている。接着剤は、公知の手段、例えば、スロットコートガン、スパイラルスプレーガン、スプレーガン、或いはドットガンを用いて塗布することができ、ナプキン1では、スパイラルスプレーガンを用いてスパイラル状に塗布することが好ましい。塗布する接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤が好ましく用いられる。ホットメルト接着剤の塗布量は、1.5g/m以上10g/m以下であることが好ましい。尚、吸収体4と裏面シート3との間も接着剤によって接合されていてもよい。
上述した本実施形態のナプキン1の各構成部材の形成材料について説明する。
表面シート2としては、原料不織布として、単層構造であるか、又は複数の層が積層されてなる多層構造であるエアースルー不織布を用い、例えば特開2013−133574号公報に記載の方法により好適に製造したシートを用いることができる。特開2013−133574号公報に記載の方法により製造される表面シート2には、肌側突出部21及び非肌側突出部22を有するシートの形に形成するための熱融着部が無い構成となっている。
裏面シート3としては、吸収性物品の裏面シートに従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、透湿フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。
吸収体4を構成する吸収性シート411〜413としては、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。また、吸収性シートとしては、特開平8−246395号公報記載の方法にて製造された吸収性シート、気流に乗せて供給した粉砕パルプ及び吸水性ポリマーを堆積させた後、接着剤(例えば酢酸ビニル系の接着剤、PVA等)で固めた乾式シート、紙や不織布の間にホットメルト接着剤等を塗布した後高吸水性ポリマーを散布して得られた吸収性シート、スパンボンド又はメルトブロー不織布製造工程中に高吸水性ポリマーを配合して得られた吸収性シート等を用いることができる。これらの吸収性シートは、一枚を所定形状に裁断してシート状吸収体として用いることができる。
また、ナプキン1のように、吸収体4にスリットを形成するには、吸収性シートの積層体を、公知の切断手段により部分的に切断すればよく、例えば、ロールの周面に、周方向に延びる切断刃が、ロールの周方向及び軸長方向に分散させて多数形成されたカッターロールと、該カッターロールの刃を受けるアンビルロールとを備えた切断装置を用いることができる。
尚、吸収体4を構成する吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、(でんぷん−アクリル酸)グラフト共重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアスパラギン酸等が挙げられる。また、吸収体4を構成する吸収性シートは、そのいずれもが吸水性ポリマーを含有する吸水性シートであることが好ましいが、吸水性ポリマーを含有する吸水性シートと、吸水性ポリマーを含有しない吸水性シートを組み合わせて、吸収体を構成する吸水性シートの積層体としてもよい。
サイドシート5としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。その他の材料としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)とが複合化されたシート(例えばSM、SMS、SMMS等)、ヒートロール不織布、エアースルー不織布等の撥水性(疎水性)不織布が挙げられる。特に撥水性のエアースルー不織布を用いることが、肌触りのよさと横モレ防止の点から好ましい。
ウイング部粘着部71や本体粘着部72(ズレ止め部)の形成方法としては、下着等の衣類に固定して用いる吸収性物品に従来用いられる方法を特に制限なく用いることができる。例えば、粘着剤を裏面シート3に直接塗工して形成することもできるし、粘着剤が塗工された粘着テープの他面側を裏面シートに接合して形成することもできる。粘着部の形成に用いる粘着剤としては、例えば、エマルジョン系、水系、溶剤系の粘着剤が挙げられる。また、ズレ止め部は、優れた位置ずれ防止性能及び安定な生産性を得る観点から、ホットメルト粘着剤等の粘着剤を塗布して形成することが好ましい。そのような粘着剤としては、この種の物品に通常用いられるものを制限なく採用することができるが、主に天然ゴム類似の基本構造を有する合成ゴム系のブロック共重合体を用いることが好ましい。そのようなブロック共重合体としては、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等が挙げられる。粘着剤は、これらのブロック共重合体から選択される一種又は二種以上のベースポリマーを10〜65重量%、特に30〜50重量%含むことが好ましい。尚、ズレ止め部は、吸収性本体とそれを固定する衣類との間のズレを防止できる限り、粘着性がなくてもよい。
線状圧搾溝8(第1横圧搾溝81、縦圧搾溝82及び第2横圧搾溝83)は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工(いわゆるエンボス加工)、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。
上述したナプキン1の作用効果について説明する。
ナプキン1では、図3に示すように、表面シート2が、内部空間S1を有する複数の肌側突出部21と、内部空間S2を有する複数の非肌側突出部22とを有する凹凸構造のシートで、吸収体4の有するスリット43により製品のフィット性を高めることにより、着用中に着用者の動きに肌側突出部21が追従し易い。また、ナプキン1では、壁部21W,22Wの繊維坪量が肌側突出部21の頂部21T及び非肌側突出部22の頂部22Tの繊維坪量よりも高いので、排泄された体液、あるいは肌に付着した体液を肌側突出部21の頂部21Tで素早く吸収し、着用時の動きの中で頂部がセカンドシート9へと押しつけられることにより素早く液が移行される。それと共に吸収体4の有するスリット43により、排泄された体液を素早く吸収体4内に吸収でき、表面シート2の表面において体液の拡散を抑えることができる。また、表面シート2の各肌側突出部21とセカンドシート9との間に中空構造とセカンドシート9の配置により、吸収体4に吸収された体液の液戻りを抑えることができる。特に、ナプキン1では、排泄部対向部Bにおける線状圧搾溝8以外の部分では、図4に示すように断面視したときに、表面シート2の複数の肌側突出部21とセカンドシート9との間の中空構造を形成する内部空間S1,S1どうしが繋がっており、内部空間S1,S1どうしの繋がりが、縦方向X及び横方向Yから形成される面方向に広がっているので、排泄された体液を更に素早く吸収体4内に吸収でき、体液の拡散を更に抑えることができると共に、吸収体4に吸収された体液の液戻りを更に抑えることができる。
また、ナプキン1の有する表面シート2は、図4に示すように、肌側突出部21の壁部21W,22Wの繊維坪量が、肌側突出部21の頂部21Tの繊維坪量よりも高くなっている。また、非肌側突出部22の頂部22Tの繊維坪量が壁部21W,22Wの繊維坪量よりも低くなっている。その為、毛管力により体液を素早く吸収することができ、非肌側突出部22の頂部22Tの透孔23を通して、体液を吸収体4に移行することができる。特に、ナプキン1では、頂部22Tに透孔23が形成されているので、この効果が顕著である。
また、ナプキン1では、図1に示すように、表面シート2を平面視したときに、肌側突出部21及び非肌側突出部22が、互いに交差する異なる2方向に沿って交互に連続して配されているシートであるので、着用者のあらゆる方向の動きに肌側突出部21が追従し易く、着用時のフィット性が向上する。また、吸収体4の有するスリット43が縦スリットであり、複数の縦スリット43が配された排泄部スリット領域4Sが、図5に示すように、排泄部対向部Bのみならず、前方部Aの一部及び後方部Cの一部に亘っている。その為、縦スリット43を起点に折れ曲がり易く、着用時のフィット性が向上する。特に、頂部21T,21Tどうしの間隔L21が、横方向Yに延びる同一スリット列内における縦スリット43どうしの間隔L43よりも狭く形成されているので、図2に示すように断面視して、スリット43の位置と、肌側突出部21の頂部21Tの位置とが重なる部分が形成され難く、肌側突出部21の内部空間S1内に、折られたスリット43が入り込み難くなっており、表面シート2自体の肌触り感を阻害し難い。
また、ナプキン1では、図2に示すように、スリット(縦スリット)43が、4層構造の多層部42を備える吸収体4の全層を貫通しており、セカンドシート9と吸収体4との間は、接着剤を塗布して固定されている。その為、着用時に着用者の動きによって、スリット(縦スリット)43が開き過ぎることを防止でき、開き過ぎたスリット(縦スリット)43に起因するナプキン1のヨレや液溜りを防止でき、着用感が向上する。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の吸収性物品は前記実施形態のナプキン1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、ナプキン1の有する表面シート2は、図3に示すように、内部空間S1を有する複数の肌側突出部21部21と内部空間S2を有する複数の非肌側突出部22とを有しており、表面シート2を平面視したときに、肌側突出部21及び非肌側突出部22が、互いに交差する異なる2方向に沿って交互に連続して配されているシートであるが、内部空間S1を有する複数の肌側突出部21と内部空間S2を有する複数の非肌側突出部22とを有していればよい。例えば、図7に示すように、縦方向Xに延びる筋状の内部空間S3を有する肌側突出部24と縦方向Xに延びる筋状の内部空間S4を有する非肌側突出部25とが、横方向Yに交互に配された凹凸構造のシートであってもよい。また、横方向Yに延びる筋状の内部空間S3を有する肌側突出部24と横方向Yに延びる筋状の内部空間S4を有する非肌側突出部25とが縦方向Xに交互に配された凹凸構造のシートであってもよい。図7に示す前記凹凸構造シートは、互いに噛み合いが可能になっている一対の凹凸ロールにより不織布シートを延伸することにより凹凸構造を形成し、断面視して、肌側突出部24の頂部域と非肌側突出部の底部域との間の側部域は、その繊維坪量が、該肌側頂部域の繊維坪量及び該底部域の繊維坪量よりも低く形成されていてもよい。
また、ナプキン1では、図1及び図2に示すように、吸収性本体10の肌対向面(表面シート2の肌対向面)に、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥してなる線状圧搾溝8が形成されているが、線状圧搾溝8が形成されていなくてもよい。
また、ナプキン1では、吸収体4は、吸収性シート411〜413を折り畳んだ積層体から形成されているが、枚葉の吸収性シートを複数枚貼り合わせて積層したものでもよい。また、吸収性シートの折り畳み方も多様な折り畳み方を採用できる。
また、ナプキン1の吸収体4が有する複数のスリット43は、図1及び図5に示すように、縦スリットであるが、ナプキン1の横方向に沿う横スリットであってもよいし、縦方向X及び横方向Yの両者に対して角度を有する斜め方向に延びるスリットであってもよいし、縦スリットと横スリットとを混在してもよい。また、ナプキン1の吸収体4が有する複数のスリット43は、図2に示すように、吸収体4をその厚み方向に亘って全層を貫通しているが、少なくとも1層貫通していればよい。より表面シート2のフィット性を高めるという観点では、非肌面側の一層が少なくとも貫通され、スリット43での折れ曲がりが肌側に向かって凸状になることが好ましく、多層部42において補助吸収体41を設ける場合には、補助吸収体41も貫通していることがより好ましい。
また、ナプキン1の吸収体4の排泄部スリット領域4Sは、排泄部対向部Bのみに形成されていてもよいし、排泄部対向部Bから後方部Cの一部に延在していてもよいし、排泄部対向部Bから、前方部Aの一部及び後方部Cの一部に延在していてもよい。また、多層部42における吸収性シートの積層数は、4枚に代えて、2枚又は3枚でもよく、5枚以上であってもよい。また、多層部42とそれ以外の部分との吸収性シートの積層枚数の差も1枚又は3枚以上であってもよい。
また、本発明の吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティーライナー(おりものシート)、失禁パッド等であってもよい。
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の吸収性物品を開示する。
<1> 肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部と、該排泄部対向部より着用者の腹側に配される前方部と、該排泄部対向部より着用者の背側に配される後方部とを有する吸収性本体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、前記表面シートと前記吸収体との間に、不織布によって構成されたセカンドシートが配されており、前記表面シートは、肌対向面側に突出し内部空間を有する複数の肌側突出部と、非肌対向面側に突出し内部空間を有する複数の非肌側突出部とを有する凹凸構造のシートであり、前記排泄部対向部においては、前記肌側突出部と前記セカンドシートとの間が中空構造となっている中空部と、前記非肌側突出部と前記吸収体とが圧着されていない非圧着部とを備えており、前記表面シートを断面視して、前記肌側突出部の頂部と前記非肌側突出部の頂部との間の壁部は、その繊維坪量が、該肌側突出部の頂部の繊維坪量及び該非肌側突出部の頂部の繊維坪量よりも高く、前記吸収体は、吸収性シートの積層体から形成されており、前記排泄部対向部にスリットを複数有しており、前記スリットは、前記積層体の少なくとも1層を貫通している吸収性物品。
<2> 排泄部対向部における前記中空部と前記非圧着部からなる中空維持部は、少なくとも、排泄部対向部における横方向の中央領域に存在している、<1>記載の吸収性物品。
<3> 前記中空維持部は、排泄部対向部の全面積に対して50%以上の面積で存在している<2>記載の吸収性物品。
<4> 前記吸収性本体の肌対向面に、前記表面シート及び前記セカンドシートが前記裏面シート側に向かって一体的に凹陥してなる線状圧搾溝が形成されており、前記排泄部対向部においては、前記線状圧搾溝以外の部分では、前記表面シートと前記セカンドシートとが圧着されていない、<1>〜<3>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<5> 前記肌側突出部と前記非肌側突出部とは前記横方向に交互に配されている<1>〜<4>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<6> 前記表面シートを平面視したときに、肌側突出部及び非肌側突出部は、互いに交差する異なる2方向に沿って交互に連続して配されている<1>〜<5>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<7> 前記表面シートにおける横方向に隣り合う肌側突出部の頂部どうしの間隔は、2mm以上30mm以下である、前記<5>又は<6>の何れか1つに記載の吸収性物品
<8> 前記スリットは、前記縦方向に延びる縦スリットであり、該縦方向及び前記横方向の両方向に分散しており、前記表面シートにおける前記横方向に隣り合う前記肌側突出部の頂部どうしの間隔は、前記横方向に隣り合うスリットどうしの間隔よりも狭く形成されている<5>〜<7>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<9> 前記縦スリットの長さは、表面シートにおける縦方向に隣り合う肌側突出部の頂部どうしの間隔よりも長く形成されている<8>に記載の吸収性物品。
<10> 前記縦スリットの長さは10mm以上35mm以下である<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
<11> 前記縦スリットの長さは15mm以上25mm以下である<10>に記載の吸収性物品。
<12> 前記セカンドシートと前記吸収体との間は、接着剤で固定されており、前記スリットは、前記積層体の全層を貫通している<1>〜<11>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<13> 前記頂部同士の間隔が3mm以上15mm以下である<12>記載の吸収性物品。
<14> 肌側突出部の壁部は、その繊維坪量が、肌側突出部の頂部の繊維坪量よりも高くなっている、<1>〜<13>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<15> 前記非肌側突出部の頂部は、その周囲部よりも繊維の密度が低くなっている<1>〜<14>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<16> 複数の非肌側突出部の頂部は、透孔を有している<15>に記載の吸収性物品。
<17> 繊維坪量が、非肌側突出部の頂部<肌側突出部の頂部<肌側突出部の壁部の関係となっている<15>又は<16>に記載の吸収性物品。
<18> 肌側突出部の突出形状は半球状又は錐体形状である<1>〜<17>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<19> 肌側突出部の突出形状が半球体又は円錐、円錐台、角錐、角錐台、斜円錐である<18>に記載の吸収性物品。
<20> 非肌側突出部の突出形状は頂部に丸みのある円錐ないし円錐台形状である<1>〜<19>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<21> 前記表面シートの圧縮率が40〜95%である<1>〜<20>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<22> 前記表面シートの圧縮エネルギーが、0.98mN・m/cm以上9.8mN・m/cm以下前記<1>〜<21>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<23> 前記表面シートのシート厚みが1mm以上3.5mm以下である<1>〜<22>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<24> 前記セカンドシートの坪量が、10g/m以上50g/m以下である<1>〜<23>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<25> 前記セカンドシートの坪量が15g/m以上40g/m以下である<24>に記載の吸収性物品。
<26> セカンドシートの厚みが、0.1mm以上5mm以下である<1>〜<25>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<27> 前記横方向において、縦スリットどうしの間隔に対する肌側突出部の頂部どうしの間隔の割合は10%以上70%以下である<1>〜<26>の何れか1つに記載の吸収性物品。
<28> 前記割合が30%以上55%以下である<27>に記載の吸収性物品。
以下、本発明の吸収性物品を実施例により更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例によって何ら制限されるものではない。
<実施例1>
図3及び図4に示す表面シートを有する図1及び図2に示す生理用ナプキン1と同様の基本構成を有する生理用ナプキンを作製し、これを実施例1のサンプルとした。表面シートとしては、特開2013−133574号公報に記載の方法により製造したシートを用いた。表面シートは、上層に芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtexで10gsmの坪量、下層に芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.9dtex繊維で15gsmの坪量となるように計25g/mに調整し、表面材の全体の厚さTを1.7mmに調整した。非肌側突出部の頂部22Tの繊維坪量の値は32本/mmであり、肌側突出部の頂部21Tの繊維坪量の値は39本/mmであり、肌側突出部の壁部21Wの繊維坪量の値は46本/mmであった。また、表面シートは、横方向Yに隣り合う肌側突出部の頂部21T,21Tどうしの間隔L21が5mmであり、縦方向Xに隣り合う肌側突出部の頂部21T,21Tどうしの間隔が7mmであった。セカンドシートとしては、坪量が25g/mのエアースルー不織布を用いた。吸収性シートで形成された吸収体の有する縦スリットは、その横方向の長さである幅W43が0.3mmであり、その縦方向の長さL2が20mmであり、縦スリットどうしの間隔L43が10mmであった。
<実施例2>
表面シートとして、以下のものを使用した以外は、実施例1と同様にして生理用ナプキンを作成した。表面シートは、上層に芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.4dtexで10gsmの坪量、下層に芯がポリエチレンテレフタレートで鞘がポリエチレンからなる2.9dtex繊維で15gsmの坪量となるように計25g/mに調整し、表面材の全体の厚さTを1.6mmに調整し、底部付近に透孔部を設けた。非肌側突出部の頂部22Tの繊維坪量の値は29本/mmであり、肌側突出部の頂部21Tの繊維坪量の値は40本/mmであり、肌側突出部の壁部21Wの繊維坪量の値は45本/mmであった
<比較例1>
実施例1のサンプルにおいて、表面シートを、図8に示す表面シート200に換え、それ以外は実施例1と同様にして、比較例1のサンプルを作製した。表面シート200としては、単層構造の繊維シートからなり、その構成繊維を圧着して形成された窪み部201が、斜め格子状に配されている。表面シート200には、斜め格子状の窪み部201によって区画化された多数の区画領域202が形成されている。各区画領域202は、窪み部201に対して相対的に隆起する凸部となっている。従って、表面シート200は、斜め格子状に形成された窪み部201及び該窪み部201で囲まれた凸部である区画領域202をそれぞれ多数有する凹凸形状のシートである。尚、凸部である区画領域202内は、表面シート200の構成繊維で満たされている。また、表面シート200は、坪量が25g/mであり、窪み部201の幅が0.5mmであり、区画領域202の面積が0.45cmであった。
〔評価〕
実施例1及び比較例1のサンプル(生理用ナプキン)について、液吸収時間、吸い上げ残存量、液戻り量、及び拡散面積を、それぞれ下記方法により評価した。それらの結果を下記表1に示す。
<液吸収時間>
実施例及び比較例の各サンプルを広げて実験台に置き、該サンプルの上に、長軸50mm、短軸22.5mmの楕円筒、筒高さ30mmのアクリル製注入楕円筒部が一体成形されたアクリル製注液プレートを、その注液孔が該サンプルの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向部の中央に位置するように重ねて置き、適当な重り板を乗せて(注液プレート自身を含む)荷重が5g/mとなるよう調整した。日本バイオテスト(株)製馬脱繊維血を予め室温(23℃)で馴化させておき、10ccの注液ビーカーに6g測り取った。この血液を前記注液プレートの筒内に一気に注ぎ込み、注ぎ終わった瞬間から、筒内の血液が無くなってサンプルの表面シートが露出するまでの時間(秒)を計測した。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液吸収時間とした。
<吸い上げ残存量>
水平に置いたガラス製の表面平滑なプレート上に、脱繊維馬血(日本バイオテスト(株)製)1gを滴下した。その上に、表面シートを下に向けて生理用ナプキンを載置した。1分間その状態を保持した後、生理用ナプキンを取り除き、プレートに残存する脱繊維馬血の量を測定した。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの吸い上げ残存量とした。
<2分間放置後の液戻り量>
前記液吸収時間の測定後に、サンプルを加圧状態のまま2分間放置した後、注液プレートを重りごと取り除き、サンプルの液吸収部(前記液吸収時間の測定において液が注ぎ込まれた部分)に予め秤量済みの吸収紙(長さ170mm、幅70mm、坪量30g/cm2)を10枚重ねたものを、サンプルの表面に重ね、そのサンプルを、素早くショーツのクロッチ部に取り付けて動的歩行モデルに装着し、1分間歩行させた。歩行後モデルの動きを停止し、吸収紙を取り出して秤量し、該吸収紙が吸い取った液量(g)を算出した。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液戻り量とした。
<液拡散面積>
前記液戻り量の測定が終了した直後に、OHP用フィルムを表面シートの上に置き、表面シートが赤く拡がった部分の輪郭を書き込んだ。その輪郭の内側の面積を測定できる専用ソフト(Image−ProPlus:(株)日本ローパー社製)を用い、OHPフィルムに書き込まれた画像をスキャナーでパソコンに取り込んで液拡散面積を求めた。各サンプルについて3回計測を行い、その平均値を当該サンプルの液拡散面積とした。
Figure 0006192692
表1の結果によれば、実施例1の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、液吸収時間が同じであるが、吸い上げ残存量が少ないことがわかった。実施例2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、液吸収時間が短く、しかも、吸い上げ残存量が少ないことがわかった。従って、実施例1及び実施例2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、排泄された体液を素早く吸収体内に吸収できることが期待できる。また、実施例1及び実施例2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、2分間放置後の液戻り量が少なく、液拡散面積が小さいことがわかった。従って、実施例1及び実施例2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比べて、表面シートの表面において排泄された体液の拡散を抑えると共に、吸収体に吸収された体液の液戻りを抑えることができることが期待できる。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
10 吸収性本体
10W ウイング部
10S サイドフラップ部
2 表面シート
21 肌側突出部
21T 肌側突出部の頂部
21W 肌側突出部の壁部
S1 内部空間
22 非肌側突出部
22T 非肌側突出部の頂部
22W 非肌側突出部の壁部
S2 内部空間
3 裏面シート
4 吸収体
411,412,413 吸収性シート
4S 排泄部スリット領域
40 主吸収体
41 補助吸収体
42 多層部
43 縦スリット
5 サイドシート
61 第1接合線
62 第2接合線
71 ウイング部粘着部
72 本体粘着部
8 線状圧搾溝
81 第1横圧搾溝
82 縦圧搾溝
83 第2横圧搾溝
9 セカンドシート

Claims (6)

  1. 肌対向面を形成する液透過性の表面シート、非肌対向面を形成する裏面シート、及びこれら両シート間に介在された吸収体を具備し、着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部と、該排泄部対向部より着用者の腹側に配される前方部と、該排泄部対向部より着用者の背側に配される後方部とを有する吸収性本体を備え、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有する吸収性物品であって、
    前記表面シートと前記吸収体との間に、不織布によって構成されたセカンドシートが配されており、
    前記表面シートは、肌対向面側に突出し内部空間を有する複数の肌側突出部と、非肌対向面側に突出し内部空間を有する複数の非肌側突出部とを有する凹凸構造のシートであり、
    前記排泄部対向部においては、前記肌側突出部と前記セカンドシートとの間が中空構造となっている中空部と、前記非肌側突出部と前記吸収体とが圧着されていない非圧着部とを備えており、
    前記表面シートを断面視して、前記肌側突出部の頂部と前記非肌側突出部の頂部との間の壁部は、その繊維坪量が、該肌側突出部の頂部の繊維坪量及び該非肌側突出部の頂部の繊維坪量よりも高く、
    前記吸収体は、吸収性シートの積層体から形成されており、前記排泄部対向部にスリットを複数有しており、
    前記スリットは、前記積層体の少なくとも1層を貫通している吸収性物品。
  2. 前記吸収性本体の肌対向面に、前記表面シート及び前記セカンドシートが前記裏面シート側に向かって一体的に凹陥してなる線状圧搾溝が形成されており、
    前記排泄部対向部においては、前記線状圧搾溝以外の部分では、前記表面シートと前記セカンドシートとが圧着されていない、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記肌側突出部と前記非肌側突出部とは前記横方向に交互に配されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートを平面視したときに、肌側突出部及び非肌側突出部は、互いに交差する異なる2方向に沿って交互に連続して配されている請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
  5. 各前記スリットは、前記縦方向に延びる縦スリットであり、該縦方向及び前記横方向の両方向に分散しており、
    前記表面シートにおける前記横方向に隣り合う前記肌側突出部の頂部どうしの間隔は、前記横方向に隣り合うスリットどうしの間隔よりも狭く形成されている請求項3又は4に記載の吸収性物品。
  6. 前記セカンドシートと前記吸収体との間は、接着剤で固定されており、
    前記スリットは、前記積層体の全層を貫通している請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
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