JP6192622B2 - 車椅子 - Google Patents

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本発明は、車椅子に関し、とりわけ段差の乗り越えを容易にする技術に関する。
相互に連結された左フレームおよび右フレーム間に着座部および背もたれ部が設けられ、前記左フレームおよび右フレームの外側に左右の主車輪がそれぞれ設けられ、該左フレームおよび右フレームの該左右の主車輪よりも前方側の下部に一対の前輪キャスタがそれぞれ設けられた車椅子が知られている。このような車椅子において、車椅子の前方への進行を妨げる段差を通過する際の前輪キャスタを上方向へ持ち上げる構造が提案されている。たとえば、特許文献1の車椅子がそれである。この特許文献1の車椅子は、前方に向かう上り傾斜のガイド面を有するガイド突起を、そのガイド突起の床面からの前端高さ内に前輪キャスタの車輪の回転中心が位置し、且つ上り傾斜のガイド面の後方に上記前輪キャスタの車輪の外周が続くように前輪キャスタの前側に備えている。これにより、前記ガイド突起の前端高さ内に段差の上縁が位置する場合には、前記段差の上縁上を上り傾斜のガイド面が滑ることにより車椅子の前方への駆動力によりガイド突起が持ち上げられ、それに続く前輪キャスタの車輪が段差の上に乗せられる。
特開2007−7168号公報
しかし、上記従来の車椅子によれば、ガイド突起の前端よりも高い位置に段差の上縁が位置する場合には、段差の上縁上をガイド面で滑らせて前輪キャスタを上方向へ持ち上げることが困難となることから、車椅子の前輪キャスタがその前方の段差を乗り越えるためには、他人の助力が必要となるという問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、段差の通過を容易とする車椅子を提供することにある。
すなわち、第1発明の要旨とするところは、相互に連結された左フレームおよび右フレーム間に着座部および背もたれ部が設けられ、前記左フレームおよび右フレームの外側に左右の主車輪がそれぞれ設けられ、該左フレームおよび右フレームの該左右の主車輪よりも前方側の下部に一対の前輪キャスタがそれぞれ設けられた車椅子であって、前記左フレームおよび右フレームの前記一対の前輪キャスタよりも前方側において予め定められた下位置と上位置との間で水平な回動軸線まわりに回動可能にそれぞれ設けられ、該下位置において段差の壁面に当接させるために前記回動軸線よりも上側に形成された壁面当接部と、該下位置において該壁面当接部から後方に向かうに従って下方へ向かう案内用側縁部とを有する段差通過用補助プレートと、該段差通過用補助プレートに係合することにより、該段差通過用補助プレートの回動を前記下位置と前記上位置とにそれぞれ位置決めするストッパとを、含むことにある。
第1発明の車椅子によれば、相互に連結された左フレームおよび右フレームの一対の前輪キャスタよりも前方側において、係合されたストッパにより予め定められた下位置と上位置とにそれぞれ位置決めされることによりその間で水平な回動軸線まわりに回動可能に設けられた段差通過用補助プレートは、段差の壁面に当接する壁面当接部が回動軸線よりも上側に形成されているため、車椅子の段差方向への駆動力により段差の壁面に当接されると下位置から上位置へと回動される。また、案内用側縁部は下位置において壁面当接部から後方に向かうに従って下方へ向かうように傾斜されているため、車椅子の段差方向への駆動力により上位置に回動させられている段差通過用プレートは段差の上縁上を摺動することにより段差通過用補助プレートおよび前輪キャスタが上方向に持ち上げられる。これにより、車椅子の段差の通過が容易となる。
ここで、好適には、前記段差通過用補助プレートは、前記案内用側縁部に続いて、前記回動軸線を曲率中心とする円弧状端縁部を有する。このようにすれば、車椅子が、案内用側縁部が段差の上縁上を摺動することにより上方向へ持ち上げられた後、さらに前輪キャスタの段差方向への駆動力が加えられると、案内用側縁部に続く回動軸線を曲率中心とする円弧状端縁部が段差の上面に接しつつ、段差通過用補助プレートが上位置から下位置へと回動するため、円弧状端縁部と段差の上面との間の摩擦力が低減されて、前輪キャスタを段差方向へと前進させる車椅子の駆動力を小さくすることができ、より車椅子の段差の通過を容易にすることができる。
また、第2発明の要旨とするところは、相互に連結された左フレームおよび右フレーム間に着座部および背もたれ部が設けられ、前記左フレームおよび右フレームの外側に左右の主車輪がそれぞれ設けられ、該左フレームおよび右フレームの該左右の主車輪よりも前方側の下部に一対の前輪キャスタがそれぞれ設けられた車椅子であって、前記左フレームおよび右フレームの前記一対の前輪キャスタよりも前方側において予め定められた下位置と上位置との間で水平な回動軸線まわりに回動可能にそれぞれ設けられ、該下位置において前記回動軸線よりも上側であって進行方向前端に形成された壁面当接部と、該下位置において該壁面当接部から後方に向かうに従って下方へ向かう案内用側縁部とを有する段差通過用補助プレートと、該段差通過用補助プレートに係合することにより、該段差通過用補助プレートの回動を前記下位置と前記上位置とにそれぞれ位置決めするストッパと、前記段差通過用補助プレートを前記下位置から前記上位置へ向かって回動するように常時付勢するバネとを、含むことにある。このようにすれば、段差通過用補助プレートの壁面当接部が段差の壁面に当接した際の段差通過用補助プレートをその下位置から上位置へ回動させるための車椅子の駆動力が不要となるため、より車椅子の段差の通過を容易にすることができる。
本発明が適用された車椅子の左側面図である。 図1の車椅子が段差の壁面に当接した際の段差通過用補助プレートの回動を説明する前輪キャスタ周辺の拡大図である。 図1の車椅子の段差通過用補助プレートの案内用側縁部が段差の上縁上を摺動している状態を示す前輪キャスタ周辺の拡大図である。 図1の車椅子の段差通過用補助プレートの円弧状端縁部が段差の上面に接しつつ、段差通過用補助プレートが上位置から下位置へ向けて回動している状態を示す前輪キャスタ周辺の拡大図である。 図1の車椅子の前輪キャスタが段差の上面に乗り上げた際の段差通過用補助プレートが下位置に復帰した状態を示す前輪キャスタ周辺の拡大図である。 本発明の他の実施例における車椅子の前輪キャスタが段差の上面に乗り上げた際の段差通過用補助プレートの下位置から上位置への回動を説明する前輪キャスタ周辺の拡大図である。
以下、本発明が適用された車椅子の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、車椅子12の前方への進行を妨げる段差Dの通行を容易にするための一対の段差通過用補助プレート10が備えられた車椅子12の左側面図である。車椅子12は相互に連結された一対の左右フレーム14を有している。図1には、車椅子12の左側面から見た左フレーム14のみが示されている。左右フレーム14は、略水平に設けられた、肘掛フレーム16、着座部フレーム18、および底フレーム20と、着座部フレーム18および底フレーム20のそれぞれの前側端部をそれぞれ連結する第1縦フレーム22と、肘掛けフレーム16の前側端部、着座部フレーム18および底フレーム20の前側部分をそれぞれ連結する第2縦フレーム24と、肘掛けフレーム16の後端部、着座部フレーム18の後端部、および底フレーム20の後側部分をそれぞれ連結する傾斜した第3縦フレーム26とから構成されており、左右フレーム14のフレーム間に介在させられた図示しない連結フレームにより接近離隔可能に相互に連結されている。車椅子12は、左右フレーム14のそれぞれの外側において、着座部フレーム18と底フレーム20との間の第3縦フレーム26の下部に前進方向に直交して設けられた水平な回転軸28まわりに回転可能に設けられた左右一対の主車輪30と、主車輪30の外側に主車輪と一体に設けられたハンドリム32とを備えている。また、車椅子12は、左右の主車輪30よりも前方側の下部にあたる底フレーム20と第2縦フレーム24の交差部分の外側に車椅子の進行方向を可変とする一対の前輪キャスタ34を備えている。主車輪30は前輪キャスタ34と比較してその半径が大きくされている。また、車椅子12は、着座部フレーム18の間に着座部36を、第3縦フレーム26の間に背もたれ部38を、それぞれの肘掛けフレーム16に一対の肘掛け台40をそれぞれ備えており、第3縦フレーム26の上端部が後方へ曲成されたハンドグリップ42を備えている。
また、車椅子12は、第1縦フレーム22のそれぞれの下端が水平方向に内側に曲成されることにより形成された一対の支持軸44と、それら一対の支持軸44が挿し入れられる孔56が形成され、その支持軸44まわりに上位置と下位置との間で回動可能に設けられた車椅子12の前方への進行を妨げる段差Dの通行を容易にする長円形状の段差通過用補助プレート10を左右フレーム14の前輪キャスタ34の前方側に備えている。すなわち、段差通過用補助プレート10は、車椅子12の進行方向に直交し且つ水平な回動軸線Oまわりに回動可能に設けられている。また、一対の第1縦フレーム22と一対の底フレーム20の交差部分にそれぞれ固定され、先端が内側へ曲成された一対の係合突起46が段差通過用補助プレート10に形成された係合穴58に係合されることにより、段差通過用補助プレート10の回動が上位置と下位置とにそれぞれ位置決めされる。それら係合突起46およびそれにより係合される係合穴58が、ストッパとして機能している。
図2は、車椅子12が段差Dの壁面に当接した際の段差通過用補助プレート10の回動軸線Oまわりの回動を説明する前輪キャスタ34周辺の拡大図である。段差通過用補助プレート10は、後方に向かうに従って下方へ向かう長手状平面を外周面として有する案内用側縁部50と、案内用側縁部50の上側に略平行に設けられた長手状平面と、案内用側縁部50および上記長手状平面の両端同士を連結するように半円状曲面の一部を外周面として有する一対の円弧状端縁部54、55とを備えている。下側の円弧状端縁部54は、回動軸線Oを曲率中心とする円弧に沿って形成されている。車椅子12の段差Dを通過しないときの通常走行時において段差通過用補助プレート10が地面に接地して走行の妨げとならないように、円弧状端縁部54は前輪キャスタ34の下端よりも高さLだけ上位置に設けられている。また、段差通過用補助プレート10の係合穴58および係合突起46は、係合穴58の下位置側端部に係合突起46が位置される実線で示される段差通過用補助プレート10の下位置において、車椅子12の進行方向前方の段差Dの壁面に当接する壁面当接部52が回動軸線Oよりも上側に位置されるように、且つ案内用側縁部50は壁面当接部52から後方に向かうに従って下方へ向かい、係合穴58の上位置側端部に係合突起46が位置される二点鎖線で示される段差通過用補助プレート10の上位置において、案内用側縁部50の傾斜が下位置にあるときよりも大きくなるように、それら係合穴58および係合突起46の相対位置などが設定されている。
次に、車椅子12が段差Dを通過する際の段差通過用補助プレート10の作用を図2ないし図5を用いて詳細に説明する。図2において、車椅子12を段差D方向へ移動させる一点鎖線の矢印で示される駆動力Fにより、段差通過用補助プレート10の下位置において壁面当接部52が段差Dの壁面に当接すると、図2の壁面当接部52と回動軸線Oを結ぶ直線に示されるように壁面当接部52は回動軸線Oよりも上側に設けられていることにより、段差通過用補助プレート10の段差Dの壁面への押力に対する段差Dの壁面から壁面当接部52への反力の作用方向は、駆動力Fの回動軸線Oよりも上側に位置するため、段差通過用補助プレート10は下位置から上位置へと矢印方向へ回動される。
段差通過用補助プレート10の案内用側縁部50が段差Dの上縁上に位置され、係合穴58と係合突起46とにより位置決めされる上位置まで回動された後にさらに車椅子12に駆動力Fが与えられると、駆動力Fによる段差Dの上縁から受ける案内用側縁部50への反力の段差通過用補助プレート10を上方へ持ち上げる分力により、段差通過用補助プレート10は案内用側縁部50において段差Dの上縁上を摺動しつつ矢印で示される斜め前方へ移動される。図3は、車椅子12の段差通過用補助プレート10の案内用側縁部50が段差Dの上縁上を摺動している状態を示す前輪キャスタ34周辺の拡大図である。
段差通過用補助プレート10の案内用側縁部50に続く円弧状端縁部54が段差Dの上縁上に到達し、さらに車椅子12に駆動力Fが付与されると、円弧状端縁部54が段差Dの上縁に接しつつ段差通過用補助プレート10が段差Dとの摩擦力により上位置から下位置へ矢印に示される方向へ回動することにより、段差通過用補助プレート10は段差Dの上面上に完全に乗り上げるとともに、前輪キャスタ34が段差D方向へ移動する。図4は、車椅子12の段差通過用補助プレート10の円弧状端縁部54が段差Dの上面に接しつつ、段差通過用補助プレート10が上位置から下位置へ向けて回動している状態を示す前輪キャスタ34周辺の拡大図である。これにより、段差通過用補助プレート10の上位置から下位置へと回動する間の段差Dの上面との間の摩擦力を低減することができる。また、この段差通過用補助プレート10が段差Dの上面に完全に乗り上げた状態において、前輪キャスタ34の下端と段差Dの上面との間の高さ方向における間隔は、段差通過用補助プレート10の円弧状端縁部54と前輪キャスタ34の下端との高さ方向における距離Lのみであり、前輪キャスタ34が段差Dの上縁に到達した際に距離Lだけ上方へ持ち上げるための分力を発生させる駆動力Fを車椅子12に加えることで、容易に前輪キャスタ34を段差Dの上面に乗り上げることができる。
車椅子12への駆動力Fにより前輪キャスタ34が段差Dの上面に乗り上げると、段差Dの上面に接していた円弧状端縁部54は段差Dの上面よりも高い位置となり、段差通過用補助プレート10は係合穴58および係合突起46により下位置に位置決めされる。図5は、車椅子12の前輪キャスタ34が段差Dの上面に乗り上げた際の段差通過用補助プレート10が下位置に復帰した状態を示す前輪キャスタ34周辺の拡大図である。これにより、円弧状端縁部54と段差Dの上面との間に発生していた摩擦力がなくなり、車椅子12は段差Dを通過して通常走行に復帰することができる。また、車椅子12の主車輪30は前輪キャスタ34よりもその半径が十分に大きくされているため、前輪キャスタ34が段差Dを乗り越えられれば容易に段差Dを乗り越えることができる。
上述のように、本実施例の車椅子12によれば、相互に連結された左右フレーム14の一対の前輪キャスタ34よりも前方側において、係合穴58に係合突起46が係合されることにより予め定められた下位置と上位置とにそれぞれ位置決めされることによりその間で水平な回動軸線Oまわりに回動可能に設けられた段差通過用補助プレート10は、段差Dの壁面と当接する壁面当接部52が下位置において回動軸線Oよりも上側に形成されているため、車椅子12の段差D方向への駆動力Fにより段差Dの壁面と当接されると下位置から上位置へと回動される。また、案内用側縁部50は下位置において壁面当接部52から後方に向かうに従って下方へ向かうように傾斜されているため、車椅子12の段差D方向への駆動力Fにより上位置に回動させられている段差通過用補助プレート10は段差Dの上縁上を摺動することにより段差通過用補助プレート10および前輪キャスタ34が上方向に持ち上げられる。これにより、車椅子12の段差Dの通過が容易となる。
また、本実施例の車椅子12によれば、段差通過用補助プレート10は、案内用側縁部50に続いて、回動軸線Oを曲率中心とする円弧状端縁部54を有する。このようにすれば、車椅子12が、案内用側縁部50が段差Dの上縁上を摺動することにより上方向へ持ち上げられた後に、さらに前輪キャスタ34の段差D方向への駆動力Fが加えられると、案内用側縁部50に続く回動軸線Oを曲率中心とする円弧状端縁部54が段差Dの上面に接しつつ、段差通過用補助プレート10が上位置から下位置へと回動するため、円弧状端縁部54と段差Dの上面との間の摩擦力が低減されて、前輪キャスタ34を段差D方向へと前進させる車椅子12の駆動力Fを小さくすることができ、より車椅子12の段差Dの通過を容易にすることができる。
また、本実施例の車椅子12によれば、円弧状端縁部54は前輪キャスタ34の下端よりも高さLだけ上位置に設けられている。このようにすれば、段差通過用補助プレート10が段差Dの上面に到達したのちに前輪キャスタ34が段差Dの上面に乗り上げるには、前輪キャスタ34を上方向へ距離Lだけ持ち上げる分力のみが必要であるため、車椅子12の段差Dの通過が容易となる。また、車椅子12が段差Dを通過しない通常走行時には、段差通過用補助プレート10は床面から高さLだけ高い位置にあり床面との間で摩擦力を生じないため、通常走行時の車椅子12の進行方向への駆動力Fを小さくすることができる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、車椅子60の前輪キャスタ34が段差Dの上面に乗り上げた際の段差通過用補助プレート62の下位置から上位置への回動を説明する前輪キャスタ34周辺の拡大図である。車椅子60の段差通過用補助プレート62には、前述の段差通過用補助プレート10に対して、壁面当接部52に近い一端縁部と第1縦フレーム22のストッパ48の固定部位の下部とに端部が係止された、段差通過用補助プレート62を下位置から上位置へ向かい回動するように常時付勢して上位置に位置させるバネ64が設けられている。
図6において、前輪キャスタ34の段差D方向への駆動力Fが車椅子60に付与されると、段差通過用補助プレート62は円弧状端縁部54が段差Dの上面に接しつつ、バネ64の下位置から上位置へ回動させる方向への付勢力に反して上位置から下位置へと回動されて、前輪キャスタ34は段差D方向へ前進される。前輪キャスタ34の段差D方向への前進にはバネ64の段差通過用補助プレート62を下位置から上位置へ向かい回動させる付勢力に対抗する力が必要となるが、段差通過用補助プレート62を上位置から下位置へと回動させることによる、段差通過用補助プレート62の自重による下位置へ向かうモーメントより大きいモーメントを発生させる程度の小さな付勢力でよく、また、円弧状端縁部54と段差Dの上面との摩擦力が低減される効果が大きいため、段差通過用補助プレート62が上位置から下位置へと回動される間において駆動力Fを小さくすることができる。また、前輪キャスタ34が段差Dの上面に乗り上げると、円弧状端縁部54は段差Dの上面よりも高い位置となり、段差通過用補助プレート62を下位置としていた円弧状端縁部54と段差Dの上面との間の摩擦力がなくなるため、バネ64により段差通過用補助プレート62は実線で示される下位置から破線で示される上位置へと矢印方向へ回動し復帰する。
上述のように、本実施例の車椅子60によれば、段差通過用補助プレート62の下位置において壁面当接部52から後方に向かうに従って下方へ向かうように傾斜された案内用側縁部50は、バネ64の付勢力により予め上位置に位置決めされているため、車椅子60の段差D方向への駆動力Fで段差Dの上縁上を摺動することにより段差通過用補助プレート62および前輪キャスタ34が上方向に持ち上げられる。これにより、車椅子60の段差Dの通過が容易となる。
また、本実施例の車椅子60によれば、段差通過用補助プレート62は、案内用側縁部50に続いて、回動軸線Oを曲率中心とする円弧状端縁部54を有する。このようにすれば、車椅子60が、案内用側縁部50が段差Dの上縁上を摺動することにより上方向へ持ち上げられた後、さらに前輪キャスタ34の段差D方向への駆動力Fが加えられると、案内用側縁部50に続く回動軸線Oを曲率中心とする円弧状端縁部54が段差Dの上面に接しつつ、段差通過用補助プレート62がバネ64の下位置から上位置へと回動させる付勢力に対抗して上位置から下位置へと回動する。このとき、段差通過用補助プレート62の上位置から下位置へと回動させるバネ64の付勢力に対抗する力が必要となるが、円弧状端縁部54と段差Dの上面との間の摩擦力の低減効果が大きいため、前輪キャスタ34を段差D方向へと前進させる車椅子60の駆動力Fを小さくすることができ、より車椅子60の段差Dの通過を容易にすることができる。
また、本実施例の車椅子60によれば、段差通過用補助プレート62には、段差通過用補助プレート62を下位置から上位置へ向かって回動するように常時付勢するバネ64が設けられる。このようにすれば、段差通過用補助プレート62の壁面当接部52を段差Dの壁面に当接させて段差通過用補助プレート62をその下位置から上位置へ回動させるための車椅子60への駆動力Fが不要となるため、より車椅子60の段差Dの通過を容易にすることができる。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
たとえば、段差通過用補助プレート10は、後方に向かうに従って下方へ向かう長手状平面を外周面として有する案内用側縁部50と、案内用側縁部50の上側に略平行に設けられた長手状平面と、案内用側縁部50および上記長手状平面の両端同士を連結するように半円状曲面の一部を外周面として有する一対の円弧状端縁部54、55と、段差通過用補助プレートが下位置にあるときに進行方向前方の段差Dの壁面に当接する壁面当接部52と、係合突起46が係合される係合穴58を備えた長円形状の部材であったが、案内用側縁部50、壁面当接部52、円弧状端縁部54および係合穴58を備える限りにおいてその形状はこれに限定されるものではなく、他はどのような形状であってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10、62:段差通過用補助プレート
12、60:車椅子
14:左フレーム、右フレーム
30:主車輪
34:前輪キャスタ
36:着座部
38:背もたれ部
46:係合突起(ストッパ)
50:案内用側縁部
52:壁面当接部
54:円弧状端縁部
58:係合穴(ストッパ)
64:バネ
O:回動軸線
D:段差

Claims (3)

  1. 相互に連結された左フレームおよび右フレーム間に着座部および背もたれ部が設けられ、前記左フレームおよび右フレームの外側に左右の主車輪がそれぞれ設けられ、該左フレームおよび右フレームの該左右の主車輪よりも前方側の下部に一対の前輪キャスタがそれぞれ設けられた車椅子であって、
    前記左フレームおよび右フレームの前記一対の前輪キャスタよりも前方側において予め定められた下位置と上位置との間で水平な回動軸線まわりに回動可能にそれぞれ設けられ、該下位置において段差の壁面に当接させるために前記回動軸線よりも上側に形成された壁面当接部と、該下位置において該壁面当接部から後方に向かうに従って下方へ向かう案内用側縁部とを有する段差通過用補助プレートと、
    該段差通過用補助プレートに係合することにより、該段差通過用補助プレートの回動を前記下位置と前記上位置とにそれぞれ位置決めするストッパと
    を、含むことを特徴とする車椅子。
  2. 前記段差通過用補助プレートは、前記案内用側縁部に続いて、前記回動軸線を曲率中心とする円弧状端縁部を有することを特徴とする請求項1の車椅子。
  3. 相互に連結された左フレームおよび右フレーム間に着座部および背もたれ部が設けられ、前記左フレームおよび右フレームの外側に左右の主車輪がそれぞれ設けられ、該左フレームおよび右フレームの該左右の主車輪よりも前方側の下部に一対の前輪キャスタがそれぞれ設けられた車椅子であって、
    前記左フレームおよび右フレームの前記一対の前輪キャスタよりも前方側において予め定められた下位置と上位置との間で水平な回動軸線まわりに回動可能にそれぞれ設けられ、該下位置において前記回動軸線よりも上側であって進行方向前端に形成された壁面当接部と、該下位置において該壁面当接部から後方に向かうに従って下方へ向かう案内用側縁部とを有する段差通過用補助プレートと、
    該段差通過用補助プレートに係合することにより、該段差通過用補助プレートの回動を前記下位置と前記上位置とにそれぞれ位置決めするストッパと、
    前記段差通過用補助プレートを前記下位置から前記上位置へ向かって回動するように常時付勢するバネと
    を、含むことを特徴とする車椅子。
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