JP6191772B2 - クロマトグラフ質量分析装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC−MS)、液体クロマトグラフ質量分析装置(LC−MS)等、クロマトグラフと質量分析計とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置に関し、更に詳しくは、質量分析計において既知の化合物に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定、多重反応モニタリング(MRM)測定(「選択反応モニタリング(SRM)測定」ということもある)等の測定を行うクロマトグラフ質量分析装置に関する。
試料に含まれる様々な成分の定性や定量を行うために、ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)等のクロマトグラフと四重極型質量分析計等の質量分析計とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置が広く利用されている。一般に、クロマトグラフ質量分析装置を利用して既知化合物の定量分析を行う場合には、予め指定された1乃至複数の特定の質量電荷比(m/z)を持つイオンのみを選択的に繰り返し検出するSIM測定法が用いられる。
また、GCやLC等のクロマトグラフと三連四重極型質量分析計とを組み合わせたクロマトグラフ質量分析装置を利用して既知化合物の定量分析を行う場合には、1段目の四重極マスフィルタにおいて特定の質量電荷比を持つイオン(プリカーサイオン)を選択し、コリジョンセルでそのイオンを衝突誘起解離(CID)により開裂させ、それにより生成されたプロダクトイオンの中で特定の質量電荷比を持つイオンを2段目の四重極マスフィルタにおいて選択して検出するMRM測定法が利用されている。MRM測定法では、2段階の四重極マスフィルタにより夾雑成分の影響を除去することができるので、信号のSN比を向上させることができ、より高感度な定量が行えるという利点がある。
いずれにしても、クロマトグラフ質量分析装置を用いてSIM測定やMRM測定による定量分析を行う際には、測定条件の一つとして、複数の目的化合物の保持時間にそれぞれ合わせてその目的化合物に対応する質量電荷比値を設定しておく必要がある。例えば特許文献1、2に記載のクロマトグラフ質量分析装置では、測定対象である化合物に関する情報を記載した化合物テーブルを分析者が作成しておくと、該化合物テーブルの記載情報に基づいて測定条件であるパラメータテーブルを自動的に作成する機能が備えられている。従来のクロマトグラフ質量分析装置における、こうしたパラメータテーブル自動作成機能について、具体例を挙げて説明する。
図8は測定条件を分析者に設定させるための設定入力画面の一例である。図示するように、該設定入力画面80には、化合物テーブルが表示される化合物テーブル表示欄81と、測定ループ時間と呼ばれる測定点時間間隔の設定値を分析者に入力させるための測定ループ時間入力欄83が設けられている。
化合物テーブル表示欄81に表示される化合物テーブルには、目的化合物毎に、化合物名、予測される保持時間、プロセス時間、定量イオンの質量電荷比、確認イオンの質量電荷比などの情報が含まれる。定量イオンはその化合物を最も特徴付けるイオンである。また、確認イオンはその化合物を特徴付ける、定量イオンとは別の質量電荷比を持つイオンである。この確認イオンは一般に、マススペクトル上において確認イオンピークの信号強度と定量イオンピークの信号強度との相対比率を用い、定量イオンのクロマトグラムピークが目的化合物由来のものであることを確認するために利用される。保持時間は液体クロマトグラフのカラムから溶出する時間の予測値である。また、プロセス時間は予測保持時間を中心としてその化合物を測定すべき時間範囲を指定するためのパラメータであり、ピーク幅や保持時間の変動を吸収できるようなマージンを含めて必要な時間幅が設定される。したがって、或る化合物の保持時間が変動した場合であっても、該化合物の保持時間±プロセス時間の範囲内に、その化合物のピークが確実に現れる。クロマトグラム上における或る化合物のピークと保持時間及びプロセス時間との関係を図9に示す。
パラメータテーブルの自動作成処理では、上記のような化合物テーブルに基づいて測定時間を適宜に区切ったセグメントの設定が行われる。セグメントは測定対象のイオン条件などの測定条件を設定するための最小時間単位であり、このセグメント毎に測定条件を切り替えることが可能である。
このパラメータテーブル自動作成処理では、測定対象である化合物の保持時間の間隔が充分に空いている時刻にセグメントの境界が自動的に設定される。具体的には、
[或る化合物Xの保持時間+A]<[化合物Xの次に溶出する化合物X+1の保持時間−A] (ただし、±A:プロセス時間) …(1)
という条件式を満たす場合に、化合物Xに対する溶出時間範囲(保持時間±A)と化合物X+1に対する溶出時間範囲とが重ならない時間位置、典型的には、化合物Xの保持時間と化合物X+1の保持時間との中間の時間位置にセグメント境界が設定され、該境界により測定時間は複数のセグメントに分割される。
図10はセグメント分割手法を説明するためのクロマトグラムであり、(a)に示すように化合物Xと化合物X+1の溶出時間範囲の一部が重なっている場合にはセグメント境界は設定されない。つまり、この場合、化合物Xと化合物X+1とは同じセグメントに属することになる。一方、(b)に示すように化合物Xと化合物X+1の溶出時間範囲に重なりがない場合には、化合物Xの保持時間と化合物X+1の保持時間との中間にセグメント境界が定められる。したがって、化合物Xと化合物X+1とは別のセグメントに属することになる。こうしたアルゴリズムに従って、化合物テーブルに列記されている全ての化合物(又は分析者により指定された一部の化合物)についてセグメントを定めることができる。
図11は図8に示した化合物テーブルに基づいて自動的に作成されるパラメータテーブルの一例である。パラメータテーブルでは、一つの化合物に対する測定条件が1行にまとめられており、各行には化合物名のほか、当該化合物の測定が行われるセグメントの番号(以下セグメント番号は「#」を付して記す)、測定開始時間、測定終了時間、イベント時間、測定すべきイオンの質量電荷比、ドウェル(Dwell)時間などを含む。測定すべきイオンの質量電荷比には、測定対象の化合物の、定量イオンの質量電荷比m/z-1、並びに確認イオンの質量電荷比m/z-2及びm/z-3が設定される。測定開始時間及び測定終了時間はそのセグメントの開始時刻及び終了時刻である。イベント時間は一つの化合物に対する1回の測定(これを「測定イベント」と呼ぶ)に掛ける時間である。またドウェル時間は実際に検出器がイオンを取り込んで積算する時間、つまりデータ収集時間である。
図8及び図11の例では、化合物Cとその次にカラムから溶出する化合物Dとの間で上記条件式(1)を満たす充分な時間間隔が存在するので、そこにセグメント境界が設定され、その境界の前方はセグメント#1、後方はセグメント#2となる。また、化合物Dとその次にカラムから溶出する化合物Eとの間にも上記条件式(1)を満たす充分な時間間隔が存在するので、そこにもセグメント境界が設定され、該境界の後方はセグメント#3となる。これにより、化合物A〜Cは測定開始時間が9.5[min]、測定終了時間が10.8[min]であるセグメント#1の期間中に測定するように割り当てられ、化合物Dは、測定開始時間が10.8[min]、測定終了時間が12.0[min]であるセグメント#2の期間中に測定するように割り当てられる。図12は、図11で示されるセグメントと化合物との対応関係を、横軸を時間として表した模式図である。
イベント時間は、分析者が設定入力画面80の測定ループ時間入力欄83に入力した測定ループ時間の設定値と、一つのセグメントにおいて測定される化合物の数とから自動的に算出される。図11は測定ループ時間が300[msec]に設定されている場合の例である。この場合、各化合物由来のイオンを測定ループ時間300[msec]の間隔で測定する必要があり、セグメント#1では測定対象の化合物は化合物A〜Cの3種類であるため、各化合物に割り当てられるイベント時間は、300[msec]÷3=100[msec]となる。一方、セグメント#2では測定対象の化合物は化合物Dの1種類のみであるため、該化合物には測定ループ時間と同じ300[msec]がイベント時間として割り当てられる。
上述したようにドウェル時間は実際に検出器がイオンを取り込む時間であり、イベント時間はこのドウェル時間のほか、四重極マスフィルタへの印加電圧が変更されたときに電圧が安定するまでの待ち時間(以下「電圧安定待ち時間」という)を含む。また、ドウェル時間は1つのイベント時間中に測定すべきイオンの数(測定対象イオン数)にも依る。したがって、各イオンに対するドウェル時間Tは、次の(2)式により求まる。
=(イベント時間T−電圧安定待ち時間)/[測定対象イオン数] …(2)
図11の例では、一つの測定対象イオン当たりの電圧安定待ち時間を1[msec]としており、その結果、セグメント#1では各イオンに対するドウェル時間Tは(100-1×3)÷3≒32[msec]、である。また、セグメント#2では各イオンに対するドウェル時間Tは(300-1×3)÷3=99[msec]、である。
特開2003-172726号公報 特開2012-132799号公報
上記のドウェル時間は、測定感度(SN比)やピーク面積の再現性に影響する。すなわち、ドウェル時間が短すぎると、検出器により得られる信号強度データにはドリフトやノイズなどの外的要因の影響が相対的に現れやすくなり、充分な測定再現性を確保することが困難になる。したがって、正確な定量を行うためには、ドウェル時間を或る程度以上長く確保する必要がある。しかし、上述したように、各化合物由来のイオンは測定ループ時間で決まる測定時間間隔毎に必ず測定する必要がある。そのため、一つのセグメントに割り当てられた化合物の数が多いと、一つの化合物に対し割り当てられる測定時間(上述のイベント時間)が短くなり、これに伴いドウェル時間も短くなる。
ところで、実際の測定では、同時に測定する複数の化合物の中で特定の化合物のみ感度が悪く、それ以外は良好な感度が得られる場合がある。このような場合、感度が悪い化合物のみドウェル時間を長くして高感度分析を行うことが望ましい。しかしながら、従来のパラメータテーブル自動作成処理では、上述のように測定ループ時間を化合物数で均等に割ることでイベント時間を決定し、更にイベント時間を各化合物について測定すべきイオン(測定対象イオン)毎に均等に割り振ることでドウェル時間を決定しているため、特定の化合物のみドウェル時間を長くするのは容易ではない。例えば、単純にその化合物のイベント時間を長くするだけでは測定ループ時間が希望した時間を満たさなくなってしまう。また、希望する測定ループ時間を満たすように他の化合物のイベント時間を調整することも可能であるが、測定対象の化合物数が多くなると非常に複雑で手間の掛かる作業となる。
また、特定の化合物由来の特定のイオンのみ感度が悪く、それ以外は良好な感度が得られる場合もある。このような場合、感度が悪いイオンのみドウェル時間を長くして高感度分析を行うことが望ましいが、この場合も、上記同様に希望する測定ループ時間を満たすようにドウェル時間を調整するのは容易ではない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、パラメータテーブル自動作成機能を備えたクロマトグラフ質量分析装置において、測定対象とする複数の化合物のうち、一部の化合物のみに対して高感度分析を行うよう簡単に設定することのできるクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、パラメータテーブル自動作成機能を備えたクロマトグラフ質量分析装置において、測定対象の化合物について測定すべき複数のイオンのうち、一部のイオンのみに対して高感度分析を行うよう簡単に設定することのできるクロマトグラフ質量分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された第1発明に係るクロマトグラフ質量分析装置は、試料中の複数の化合物を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された化合物由来のイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置とを組み合わせて成り、前記質量分析装置が目的化合物に対応するクロマトグラムピークの前後で1乃至複数の特定のイオンの質量電荷比に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)測定対象である化合物毎に少なくとも、溶出時間範囲、及び測定すべき1又は複数のイオンの質量電荷比を特定する情報を含む化合物テーブルを記憶しておく化合物テーブル保持手段と、
b)前記化合物テーブルに含まれる化合物毎に高感度分析を行うか否かを分析者に指定させる高感度分析指定受付手段と、
c)前記化合物テーブルに含まれる各化合物の溶出時間範囲が重ならない時間位置に境界を定めることで測定時間単位であるセグメントを設定し、各セグメントにそれぞれ1又は複数の測定対象の化合物を割り当てるセグメント設定手段と、
d)前記セグメント設定手段により設定された各セグメントにおいて、予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間を当該セグメントに割り当てられた化合物の数に応じて分割することにより、各化合物についての測定時間であるイベント時間を決定するイベント時間決定手段と、
e)前記イベント時間決定手段により決定されたイベント時間と、各化合物について測定すべきイオンの数とに基づいて各質量電荷比についてのデータ収集時間であるドウェル時間を決定するドウェル時間決定手段と、
を有し、
前記イベント時間決定手段が、前記当該セグメントに割り当てられた化合物の中に高感度分析の対象化合物が含まれている場合に、同じセグメントに割り当てられた他の化合物のイベント時間に対する該高感度分析の対象化合物のイベント時間の比率が予め定められた比率となるように前記測定ループ時間を分割することを特徴としている。
上記構成から成る第1発明のクロマトグラフ質量分析装置によれば、分析者は高感度分析指定受付手段にて高感度分析の対象とする化合物を指定するだけで、測定ループ時間を変化させることなく一部の化合部のイベント時間を同一セグメントに割り当てられた他の化合物のイベント時間よりも予め定められた比率だけ長くなるように設定することができる。イベント時間を長くすることにより、該化合物について測定すべき一つ又は複数のイオンに対するドウェル時間も長くなるため、当該化合物の測定感度を向上させることができる。
上記課題を解決するために成された第2発明に係るクロマトグラフ質量分析装置は、試料中の複数の化合物を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された化合物由来のイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置とを組み合わせて成り、前記質量分析装置が目的化合物に対応するクロマトグラムピークの前後で1乃至複数の特定のイオンの質量電荷比に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)測定対象である化合物毎に少なくとも、溶出時間範囲、及び測定すべき1又は複数のイオンの質量電荷比を特定する情報を含む化合物テーブルを記憶しておく化合物テーブル保持手段と、
b)前記化合物テーブルに含まれる質量電荷比毎に高感度分析を行うか否かを分析者に指定させる高感度分析指定受付手段と、
c)前記化合物テーブルに含まれる各化合物の溶出時間範囲が重ならない時間位置に境界を定めることで測定時間単位であるセグメントを設定し、各セグメントにそれぞれ1又は複数の測定対象の化合物を割り当てるセグメント設定手段と、
d)前記セグメント設定手段により設定された各セグメントにおいて、予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間と、当該セグメントに割り当てられた化合物の数とに基づいて各化合物についての測定時間であるイベント時間を決定するイベント時間決定手段と、
e)前記イベント時間決定手段により各化合物について決定されたイベント時間を、当該イベント時間に対応する化合物について測定すべき質量電荷比の数に応じて分割することにより、各質量電荷比についてのデータ収集時間であるドウェル時間を決定するドウェル時間決定手段と、
を有し、
前記ドウェル時間決定手段が、前記当該イベント時間に対応する化合物について測定すべき質量電荷比の中に高感度分析の対象として指定された質量電荷比が含まれている場合に、同じ化合物について測定すべき他の質量電荷比のドウェル時間に対する該高感度分析の対象として指定された質量電荷比のドウェル時間の比率が予め与えられた比率となるように前記当該イベント時間を分割することを特徴としている。
上記構成から成る第2発明のクロマトグラフ質量分析装置によれば、分析者は高感度分析指定受付手段にて高感度分析の対象とする質量電荷比を指定するだけで、自動的に測定ループ時間及びイベント時間を変化させることなく、一部の質量電荷比のドウェル時間を、同一化合物について測定すべき他の質量電荷比のドウェル時間よりも予め定められた比率だけ長くなるように設定することができる。
上記課題を解決するために成された第3発明に係るクロマトグラフ質量分析装置は、試料中の複数の化合物を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された化合物由来のイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置とを組み合わせて成り、前記質量分析装置が目的化合物に対応するクロマトグラムピークの前後で1乃至複数の特定のイオンの質量電荷比に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行するクロマトグラフ質量分析装置において、
a)測定対象である化合物毎に少なくとも、溶出時間範囲、測定すべき定量イオンの質量電荷比、及び測定すべき確認イオンの質量電荷比を特定する情報を含む化合物テーブルを記憶しておく化合物テーブル保持手段と、
b)前記化合物テーブルに含まれる化合物毎に高感度分析を行うか否かを分析者に指定させる高感度分析指定受付手段と、
c)前記化合物テーブルに含まれる各化合物の溶出時間範囲が重ならない時間位置に境界を定めることで測定時間単位であるセグメントを設定し、各セグメントにそれぞれ1又は複数の測定対象の化合物を割り当てるセグメント設定手段と、
d)前記セグメント設定手段により設定された各セグメントにおいて、予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間と、当該セグメントに割り当てられた化合物の数とに基づいて各化合物についての測定時間であるイベント時間を決定するイベント時間決定手段と、
e)前記イベント時間決定手段により各化合物について決定されたイベント時間を、当該イベント時間に対応する化合物について測定すべき質量電荷比の数に応じて分割することにより、各質量電荷比についてのデータ収集時間であるドウェル時間を決定するドウェル時間決定手段と、
を有し、
前記ドウェル時間決定手段が、前記当該イベント時間に対応する化合物が高感度分析の対象として指定されている場合に、該化合物について測定すべき確認イオンの質量電荷比のドウェル時間に対する該化合物について測定すべき定量イオンの質量電荷比のドウェル時間の比率が予め与えられた比率となるように前記当該イベント時間を分割することを特徴としている。
上記構成から成る第3発明のクロマトグラフ質量分析装置では、分析者が高感度分析指定受付手段にて測定対象化合物の中から任意の化合物を指定すると、指定した化合物について測定すべき定量イオンの質量電荷比が自動的に高感度分析の対象として指定される。そして、測定ループ時間及びイベント時間を変化させることなく、前記化合物の定量イオンの質量電荷比に関するドウェル時間を、同化合物の確認イオンの質量電荷比に関するドウェル時間よりも予め定められた比率だけ長くすることが可能となる。
なお、上記の第1発明、第2発明、及び第3発明において、或る化合物の「溶出時間範囲」とはその化合物の予測保持時間から前後に、ピーク幅、ピークの位置変動などを見込んで定められた所定の時間幅(すなわち上述のプロセス時間)を確保して設定された時間範囲である。該時間幅はマージンをどの程度考慮するかにより変わるから、予めデフォルトとして定めておいてもよいが、分析者が入力設定できるようにしてもよい。なお、上記の化合物テーブルには溶出時間範囲を「特定する情報」として、溶出時間範囲そのものの値を記述してもよいが、このほか例えば、予測保持時間と前記時間幅を記述するようにしてもよく、あるいは予測保持時間のみを記述するようにしてもよい。予測保持時間と前記時間幅が決まれば、溶出時間範囲を一義的に決めることができる。また、化合物テーブル中で各化合物に対応付けて保持時間のみが定められている場合には、その保持時間とデフォルトの又は外部から指示された時間幅とから各化合物の溶出時間範囲を算出可能である。
また、上記の「予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間」及び「予め定められた比率」についても、予めデフォルトとして定めておいてもよいが、分析者が入力設定できるようにしてもよい。
以上の通り、第1発明に係るクロマトグラフ質量分析装置によれば、パラメータテーブル自動作成機能を備えたクロマトグラフ質量分析装置において、測定対象とする複数の化合物のうち、一部の化合物のみに対する高感度分析を簡単な操作で設定することが可能となる。また、第2発明又は第3発明に係るクロマトグラフ質量分析装置によれば、パラメータテーブル自動作成機能を備えたクロマトグラフ質量分析装置において、各化合物について測定すべき複数のイオンのうち、一部のイオンのみに対する高感度分析を簡単な操作で設定することが可能となる。
本発明の第1実施例であるLC−MSの要部の構成図。 第1実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル自動作成処理実行時のフローチャート。 第1実施例のLC−MSにおける設定入力画面の一例を示す図。 図3に示した設定入力画面による設定内容に基づいて第1実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル自動作成処理を実行することで作成されたパラメータテーブルを示す図。 第2実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル自動作成処理実行時のフローチャート。 第2実施例のLC−MSにおける設定入力画面の一例を示す図。 図6に示した設定入力画面による設定内容に基づいて第2実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル自動作成処理を実行することで作成されたパラメータテーブルを示す図。 従来の設定入力画面の一例を示す図。 クロマトグラム上における或る化合物のピークと保持時間及びプロセス時間との関係を示す図。 従来のセグメント分割手法を説明するためのクロマトグラムを示す図。 図8に示した化合物テーブルに基づいて従来のパラメータテーブル自動作成機能により作成されたパラメータテーブルを示す図。 図8に示した化合物テーブルから作成されたセグメントと化合物との対応関係を示す模式図。
以下、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明する。
図1は第1実施例によるLC−MSの要部の構成図である。本実施例のLC−MSは、試料中に含まれる各種化合物を時間方向に分離する液体クロマトグラフ部(LC部)10と、分離された各種化合物を質量分析する質量分析部(MS部)20と、LC部10及びMS部20に接続されたシステムコントローラ30と、システムコントローラ30を介してLC部10及びMS部20を制御したり、MS部20から出力されるデータを処理したりする制御/処理部40と備えている。
LC部10は、移動相を貯留した移動相容器11、移動相を吸引して一定流量で送り出す送液ポンプ12、所定タイミングで試料を移動相中に注入するインジェクタ13、試料中の各種化合物を時間方向に分離するカラム14を含む。
MS部20は、カラム14から溶出する化合物を含む溶出液を大気雰囲気中にエレクトロスプレーしてイオン化するスプレーノズル21、試料中の化合物由来のイオンを真空雰囲気中に案内する加熱キャピラリ22、イオンを収束させつつ後段に輸送するイオンガイド23、24、特定の質量電荷比を持つイオンのみを通過させる四重極マスフィルタ25、及び、四重極マスフィルタ25を通り抜けてきたイオンを検出する検出器26を含む。
MS部20の検出器26で得られる検出信号は図示しないA/D変換器でデジタル値に変換されたあと、システムコントローラ30を介して制御/処理部40に入力される。制御/処理部40は所定の演算処理を行うことによりマススペクトルやクロマトグラムを作成したり定量分析を遂行したりする。制御/処理部40の実体は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)41にメモリ42、キーボードやマウス等から成る入力部43、LCD(Liquid Crystal Display)等から成る表示部44、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置から成る記憶部50が互いに接続されている。記憶部50には、OS(Operating System)51、パラメータテーブル作成プログラム52(本発明に係るプログラム)が記憶されると共に、設定内容格納部53(本発明における化合物テーブル保持部に相当)、及びパラメータテーブル格納部54が設けられている。制御/処理部40は、更に、外部装置との直接的な接続や、外部装置等とのLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した接続を司るためのインターフェース(I/F)45を備えており、該インターフェース45よりネットワークケーブルNW(又は無線LAN)を介してシステムコントローラ30に接続されている。
図1においては、パラメータテーブル作成プログラム52に係るように、設定入力受付部55、セグメント設定部56、イベント時間決定部57、及びドウェル時間決定部58が示されている。これらはいずれも基本的にはCPU41がパラメータテーブル作成プログラム52を実行することによりソフトウェア的に実現される機能手段である。なお、パラメータテーブル作成プログラム52は必ずしも単体のプログラムである必要はなく、例えばLC部10及びMS部20を制御するためのプログラムの一部に組み込まれた機能であってもよく、その形態は特に問わない。
本実施例のLC−MSにより、試料に含まれる既知化合物の定量分析を行う際の動作の一例を簡単に説明する。この場合、MS部20の四重極マスフィルタ25は、定量対象である化合物(以下、目的化合物という)由来のイオンの質量電荷比を選択的に通過させるようにSIM測定モードで駆動される。
送液ポンプ12によりカラム14に略一定流量で移動相が送給されている状態で、インジェクタ13はその移動相中に試料を注入する。注入された試料は移動相の流れに乗ってカラム14に導入され、カラム14を通過する間に試料中の各種化合物は時間的に分離される。試料注入時点を基準として所定の時間が経過した時点付近(つまり、目的化合物の保持時間近傍)でカラム14出口から目的化合物は溶出し、該目的化合物はMS部20のスプレーノズル21に達して該化合物由来のイオンが生成される。このイオンは加熱キャピラリ22、イオンガイド23、24を経て四重極マスフィルタ25に導入される。四重極マスフィルタ25はその目的化合物由来の特定の質量電荷比をもつイオンのみを選択的に通過させ、通過したイオンは検出器26に到達して検出される。制御/処理部40は検出器26から得られる検出信号に基づくデータにより、上記特定の質量電荷比におけるイオン強度と時間経過との関係を示すマスクロマトグラム(抽出イオンクロマトグラムとも呼ばれる)を作成する。
試料に目的化合物が含まれていれば、上記マスクロマトグラム上で目的化合物の保持時間近傍にピークが現れる。そこで制御/処理部40は、マスクロマトグラム上で目的化合物由来のピークを抽出し、そのピーク面積値を計算する。そして、予め標準試料等を測定した結果により作成してあるピーク面積値と目的化合物の濃度(含有量)との関係を示す検量線を参照し、目的化合物の濃度を算出する。定量対象の化合物が複数ある場合には、化合物毎に異なる質量電荷比に対するSIM測定を行って得られたデータに基づきマスクロマトグラムを作成し、上記と同様にそれぞれ目的化合物由来のピークの面積値を求め、その面積値から当該化合物の濃度を算出する。
本実施例のLC−MSにおいて、制御/処理部40は、記憶部50のパラメータテーブル格納部54に格納されているパラメータテーブルに従って、LC部10及びMS部20の動作を制御する。特に多成分一斉分析のように、試料に含まれる多数の化合物を1回の試料注入で以て定量する場合、パラメータテーブルを分析者自身が手作業で作成するのは大変煩雑でありミスも生じやすい。そのため、制御/処理部40は、化合物テーブルからパラメータテーブルを自動的に作成するパラメータテーブル作成プログラム52を備えており、このパラメータテーブル作成プログラム52は従来のパラメータテーブル自動生成とは異なる特徴的な機能を有している。
以下、このパラメータテーブル作成プログラム52を中心に実行される、特徴的なパラメータテーブル作成処理について詳細に説明する。図2は本実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル作成処理のフローチャートである。
まず、分析者が入力部43より所定の操作を行ってパラメータテーブル作成プログラム52を起動させると、設定入力受付部55が表示部44の画面上に図3に示すような設定入力画面60を表示させる(ステップS11)。設定入力画面60には、パラメータテーブル作成の対象となる化合物テーブルが表示される化合物テーブル表示欄61と測定ループ時間入力欄63と向上比入力欄64が設けられている。該化合物テーブル表示欄61に表示される化合物テーブルは、1行がひとつの化合物に対応しており、測定対象とする複数の化合物についてそれぞれ化合物名、保持時間、プロセス時間、及び当該化合物について測定すべき1つの定量イオンの質量電荷比(m/z-1)と2つの確認イオンの質量電荷比(m/z-2, m/z-3)が設定可能となっている。更に、この化合物テーブルの各行には、本実施例に特徴的な要素として各行に対応する化合物を高感度モードの対象とするか否かを指定するためのチェックボックス62が設けられている。
分析者は入力部43を介して前記化合物テーブルに各目的化合物の化合物名、保持時間、プロセス時間、及び質量電荷比(m/z-1, m/z-2, 及びm/z-3)を入力する(ステップS12)。図3の例では、これらの事項として図8に示した化合物テーブルと同一内容が入力されている。また、分析者は化合物テーブルに入力した目的化合物のうち高感度モードの対象とする化合物のチェックボックス62にチェックを入れ(ステップS13)、更に、測定ループ時間入力欄63及び向上比入力欄64にそれぞれ適宜の数値を入力する(ステップS14及びS15)。図3の例では、高感度モードの対象化合物として化合物Bが選択され、測定ループ時間Tが300[msec]、向上比Kが3[倍]に設定されている。なお、ここで「向上比」とは同一セグメントに属する複数の化合物のうち高感度モードの対象化合物のイベント時間とその他の化合物のイベント時間との比であり、例えば向上比Kが「3」の場合、高感度モード対象化合物のイベント時間をその他の化合物のイベント時間の3倍とすることを意味している。
上記入力設定が終了した状態で、分析者が「自動作成」ボタン65をクリック操作すると、上記設定入力画面60で設定された内容が設定内容格納部53に格納されると共に、パラメータテーブル自動作成処理の実行が指示される(ステップS16)。この指示を受けてセグメント設定部56が、設定内容格納部53から前記化合物テーブルを読み出し、該化合物テーブルに掲載されている各化合物の保持時間と設定されたプロセス時間とに基づいて、従来と同様に、測定時間全体又はその一部を適宜に区切ったセグメントを設定する(ステップS17)。具体的には、上述の(1)式に示した条件式を満たすような保持時間が隣接する2つの化合物を探索し、その2つの化合物の保持時間の中間点をセグメント境界として時間を区切る。図3に示した化合物テーブルでは、化合物Cと化合物Dという2つの化合物が条件式(1)を満たすから、化合物C、Dの保持時間の中間点である10.8(min)にセグメント境界を設定し、その境界の前方をセグメント#1、後方をセグメント#2とする。また、化合物Dと化合物Eも条件式(1)を満たすから、化合物D、Eの保持時間の中間点である12.0(min)にもセグメント境界を設定し、その後方をセグメント#3とする。これにより、化合物A〜Cは全て、測定開始時間が9.5[min]、測定終了時間が10.8[min]であるセグメント#1の期間中に測定するように割り当てられ、化合物Dは、測定開始時間が10.8[min]、測定終了時間が12.0[min]であるセグメント#2の期間中に測定するように割り当てられる。このときのセグメントと化合物との関係は上述した図12に示すようになる。
次に、パラメータテーブル作成プログラム52が、変数Nを1に設定し(ステップS18)、ステップS17で設定されたセグメント#Nに割り当てられた化合物の数mが1であるか否かを判定する(ステップS19)。mが1でなかった場合、すなわちセグメント#Nに複数の化合物が割り当てられていた場合には、ステップS20に進んでイベント時間の算出を行う。
以下、ステップS20におけるイベント時間の算出方法について説明する。1つのセグメントでは、該セグメントに割り当てられた1つ又は複数の化合物に関する測定が繰り返し実行され、この繰り返し測定の1回当たりの実行時間の長さが測定ループ時間Tである。この測定ループ時間Tをそのセグメントに割り当てられた化合物の数に応じて分割することにより、前記繰り返し測定の1回分における化合物1つ当たりの測定に掛ける時間であるイベント時間Tが決定される。従来のパラメータテーブル自動作成では、測定ループ時間Tを同一セグメントに割り当てられた化合物の数mで均等に分割することでイベント時間Tを決定していたため、一つのセグメントに割り当てられた複数の化合物のイベント時間は互いに同一となっていた。これに対し、本実施例に係るLC−MSでは、高感度モードの対象化合物のイベント時間がその他の化合物のイベント時間のK倍(Kは向上比)となるように測定ループ時間Tを分割する。例えば、図3の例の場合、セグメント#1には上述の通り化合物A〜Cが割り当てられ、そのうち化合物Bが高感度モードの対象として指定されている。また、測定ループ時間Tは300[msec]、向上比Kは3[倍]となっている。従って、化合物Bのイベント時間は、(300÷(1+1+3))×3=180[msec]となり、化合物A及びBのイベント時間はそれぞれ、(300÷(1+1+3))×1=60[msec]となる。これらの式を一般化すると以下の通りとなる。
高感度モードの対象化合物のイベント時間:T=(T÷((m−n)×1+n×K))×K
その他の化合物のイベント時間:T=(T÷((m−n)×1+n×K))×1
(ただし、m:セグメント#Nに割り当てられた化合物の数、n:セグメント#Nに割り当てられた化合物のうち高感度モードの対象に指定された化合物の数)。
一方、セグメント#Nに割り当てられた化合物の数mが1であった場合(ステップS19でYesだった場合)、イベント時間決定部57は、その化合物が高感度モードの対象であるか否かにかかわらず、イベント時間Tを測定ループ時間Tと等しい値とする(ステップS21)。例えば、図3の例では、セグメント#2に1つの化合物(化合物D)だけが割り当てられるため、該化合物に関するイベント時間Tは測定ループ時間Tと同じ300[msec]となる。
なお、このように、1つのセグメントに割り当てられた化合物が1つのみである場合は、該化合物が高感度モードに指定されていても指定されていなくてもイベント時間は同じとなるため、高感度モードによる効果を得ることができない。従って、このような場合はその旨を表示部44等で分析者に通知することが望ましい。
次いで、ドウェル時間決定部58が、目的化合物のそれぞれに関して測定すべき複数のイオンの質量電荷比についてドウェル時間(データ蓄積時間)を算出する(ステップS22)。図3の例では、一つの化合物に対し測定すべきイオンは3つ(定量イオンm/z-1、確認イオンm/z-2、及び確認イオンm/z-3)であるから、電圧安定待ち時間が1[msec]であるとすると、セグメント#1に属する化合物A、Cの各イオンに対するドウェル時間Tは(60-1×3)÷3=19[msec]、化合物Bの各イオンに対するドウェル時間Tは(180-1×3)÷3=59[msec]、となる。また、セグメント#2に属する化合物Dの各イオンに対するドウェル時間Tは(300-1×3)÷3=99[msec]となる。
なお、ステップS20において、同一セグメントに割り当てられた複数の化合物が全て高感度モードに指定されていた場合、これらの化合物のイベント時間は全て等しくなり、高感度モードによる効果が得られないことになる。そのため、こうした場合も上記同様に分析者への通知を行うことが望ましい。
続いて、パラメータテーブル作成プログラム52は、セグメント#Nが最終セグメントであるか否かを判定し(ステップS23)、最終セグメントでなければ変数Nをインクリメントして(ステップS24)ステップS19に戻る。したがって、ステップS17で設定された全てのセグメントについて時間順に処理が遂行され、最終セグメントまで来るとステップS23でYesと判定される。そして、以上で算出されたイベント時間やドウェル時間等を含むパラメータテーブルが作成され(ステップS25)、パラメータテーブル格納部54に記憶される。
図4は図3に示した設定入力画面の内容に基づいて自動的に作成されるパラメータテーブルの一例である。同図から分かるように、セグメント#1に割り当てられた化合物A〜Cのうち、高感度モードの対象化合物である化合物Bのイベント時間及びドウェル時間が、他の化合物(化合物A、C)のイベント時間及びドウェル時間よりも長くなっている。なお、図4の例において、化合物A〜Cのイベント時間の合計は、60+180+60=300[msec]であり、ステップS14で設定された測定ループ時間Tと等しくなる。また、化合物A、Cのイベント時間に対する化合物Bのイベント時間の比率は、180÷60=3であり、ステップS15で設定された向上比Kと等しくなる。このように、本実施例に係るLC−MSによれば、分析者が設定入力画面60上で高感度モードの対象化合物を指定すると共に向上比を入力するという簡単な操作を行うだけで、測定ループ時間に影響を及ぼすことなく、指定した化合物のイベント時間をその他の化合物のイベント時間より長く設定することができる。
なお、本実施例に係るパラメータテーブル作成プログラム52は、多成分一斉分析を行う際により優れた効果を発揮することができる。試料に含まれる多数の成分を一斉分析する場合、LC部10から時間的に近接して溶出する化合物の数が増えるため、同一セグメントに属する化合物の数が増大する。ここで、こうした多成分一斉分析の自動パラメータテーブル作成処理において、試料中に含まれる多数の成分のうち化合物A〜Jの10種類の化合物が同一セグメントに割り当てられ、このうち化合物Bが高感度モードの対象化合物として指定されている場合を考える。このとき、高感度モードの対象化合物である化合物Bは、イベント時間が、(300÷(1×9+3×1))×3=75[msec]となり、ドウェル時間が、(75−1×3)÷3=24[msec]となる。また、その他の化合物(化合物A、C〜J)は、イベント時間が、(300÷(1×9+3×1))×1=25[msec]となり、ドウェル時間が(25−1×3)÷3≒7.3[msec]となる。一方、従来の自動パラメータテーブル作成処理では、これらの化合物のイベント時間はいずれも300÷10=30[msec]となり、ドウェル時間は(30-1×3)÷3=9[msec]となる。従って、本実施例に係るパラメータテーブル作成プログラム52によれば、高感度モードの対象化合物のドウェル時間は従来法で求められるドウェル時間の24÷9≒2.7[倍]となり、その他の化合物のドウェル時間は従来法で求められるドウェル時間の7.3÷9≒0.81[倍]となる。従って、SN比も、高感度モード対象化合物で従来法の2.7倍と高感度になり、その他の化合物でも従来法の約0.8倍とSN比の低下が最小限に抑えられている。これは、一部の化合物を高感度モードで測定することにより生じるデメリット(すなわち他の化合物におけるドウェル時間の減少)が多数の化合物で分散されるためである。
続いて、本発明の実施例2によるLC−MSについて図5〜図7を参照しつつ説明する。図5は本実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル作成プログラムによる処理手順を示すフローチャートであり、図6は本実施例における設定入力画面の一例である。また、図7は図6に示した設定内容に基づいて本実施例のLC−MSにおけるパラメータテーブル自動作成処理を実行することで作成されたパラメータテーブルを示す図である。なお、本実施例に係るLC−MSは図1に示した第1実施例によるLC−MSと同一の構成を有しており、パラメータテーブル作成プログラム52の設定入力受付部55、イベント時間決定部57、及びドウェル時間決定部58の動作のみが実施例1と異なっている。
本実施例は、高感度モードの対象を、実施例1のように化合物単位で指定するのではなく、イオン単位で指定するものとなっている。すなわち、本実施例では各目的化合物について測定すべき複数の質量電荷比の中から高感度モードの対象とするものを分析者が指定する。以下、本実施例におけるパラメータテーブル作成処理について詳細に説明する。
まず、分析者が入力部43より所定の操作を行ってパラメータテーブル作成プログラム52を起動させると、設定入力受付部55が表示部44の画面上に設定入力画面70を表示させる(ステップS31)。本実施例における設定入力画面70の一例を図6に示す。設定入力画面70には、化合物テーブル表示欄71と測定ループ時間入力欄73と向上比入力欄74が設けられており、化合物テーブル表示欄71に表示される化合物テーブルには、実施例1と同様に各目的化合物について化合物名、保持時間、プロセス時間、及び当該化合物について測定すべき1つの定量イオンの質量電荷比(m/z-1)と2つの確認イオンの質量電荷比(m/z-2, m/z-3)を設定可能となっている。更にこの化合物テーブルには、本実施例に特徴的な要素として、各化合物について測定すべき複数の質量電荷比について、高感度モードの対象とするか否かを個別に指定するためのチェックボックス72a〜72cが設けられている。なお、図6の各行に設けられた3つのチェックボックス72a〜72cは、左から順にそれぞれ定量イオンの質量電荷比(m/z-1)、第1の確認イオンの質量電荷比(m/z-2)、及び第2の確認イオンの質量電荷比(m/z-3)に対応している。
分析者は実施例1と同様に入力部43を介して前記化合物テーブルに各目的化合物の化合物名、保持時間、プロセス時間、及び質量電荷比(m/z-1, m/z-2, 及びm/z-3)を入力する(ステップS32)。図6の例では、これらの事項として図3及び図8に示した化合物テーブルと同一内容が入力されている。また、分析者は各目的化合物の定量イオンの質量電荷比(m/z-1)と確認イオンの質量電荷比(m/z-2, m/z-3)に対応するチェックボックス72a〜72cの中から、高感度モードの対象とするイオンの質量電荷比のチェックボックスにチェックを入れ(ステップS33)、更に、測定ループ時間入力欄73及び向上比入力欄74にそれぞれ適宜の数値を入力する(ステップS34及びS35)。図6では、高感度モードの対象として化合物Bの定量イオンの質量電荷比が選択され、測定ループ時間Tが300[msec]、向上比Kが3[倍]に設定されている。なお、本実施例において「向上比」とは、ある化合物について測定すべき複数のイオンのうち、高感度モードの対象イオンに対するドウェル時間とその他のイオンに対するドウェル時間との比であり、例えば向上比Kが「3」の場合、高感度モードの対象イオンのドウェル時間をその他のイオンのドウェル時間の3倍とすることを意味している。
上記入力設定が終了した状態で、分析者が「自動作成」ボタン75をクリック操作すると、上記設定入力画面70で設定された内容が設定内容格納部53に格納されると共に、パラメータテーブル自動作成処理の実行が指示される(ステップS36)。これにより、まずセグメント設定部56が実施例1と同様にしてセグメントの設定を行う(ステップS37)。
次に、パラメータテーブル作成プログラム52が、変数Nを1に設定し(ステップS38)、イベント時間決定部57によるイベント時間Tの算出を行う(ステップS39)。本実施例では測定ループ時間Tをセグメント#Nに割り当てられた化合物の数mで割ることにより、化合物1つ当たりの測定時間であるイベント時間Tを決定する(すなわちT=T÷m)。図6の例の場合、測定ループ時間Tは300[msec]であり、セグメント#1には化合物A〜Cの3つの化合物が割り当てられている。従って、化合物A〜Cのイベント時間Tはそれぞれ、300÷3=100[msec]となる。また、セグメント#2には1つの化合物(化合物D)だけが割り当てられているため、該化合物に関するイベント時間Tは、300÷1=300[msec]となる。
次いで、ドウェル時間決定部58が、目的化合物のそれぞれに関して測定すべき複数のイオンについてドウェル時間(データ蓄積時間)を算出する(ステップS40)。このとき、ドウェル時間決定部58は、高感度モードに指定されているイオンのドウェル時間Tがその他のイオンのドウェル時間Tの約K倍(Kは向上比)となるよう、例えば、以下のような式に基づいて計算を行う。
高感度モード対象イオン:T=((T−w×a)÷((a−b)×1+b×K))×K
同一化合物の非対象イオン:T=((T−w×a)÷((a−b)×1+b×K))×1
その他のイオン:T=(T−w×a)÷a
(aは測定すべきイオンの数、bは高感度モードの対象イオン数、wは電圧安定待ち時間)
なお、前記「同一化合物の非対象イオン」とは、ある化合物について測定すべき複数のイオンのうち少なくとも1つが高感度モードの対象に指定されている場合において、同化合物について測定すべき複数のイオンのうちの残りのイオン(高感度モードの対象に指定されていないイオン)を意味する。図6に示した化合物テーブルの場合、化合物Bの2つの確認イオン(m/z-2、m/z-3)が前記「同一化合物の非対象イオン」に相当する。また、前記「その他のイオン」とは、ある化合物について測定すべき複数のイオンがいずれも高感度モードの対象に指定されていない場合における、該複数のイオンを意味する。図6に示した化合物テーブルの場合、化合物A、C、D、Eの定量イオン(m/z-1)及び確認イオン(m/z-2、m/z-3)が前記「その他のイオン」に相当する。
図6の例では、一つの化合物に対し測定対象イオンは3つ(定量イオンm/z-1、確認イオンm/z-2、及び確認イオンm/z-3)であり、向上比Kは3[倍]であるから、電圧安定待ち時間が1[msec]であるとすると、「高感度モード対象イオン」である化合物Bの定量イオン(m/z-1)に対するドウェル時間Tは、((100−1×3)÷((3-1)×1+1×3))×3=58.2[msec]となる。
また、「同一化合物の非対象イオン」である化合物Bの確認イオン(m/z-2、m/z-3)に対するドウェル時間Tは、それぞれ((100−1×3)÷((3-1)×1+1×3))×1=19.4[msec]、となる。更に、「その他のイオン」である、化合物A及びCの定量イオンと確認イオンに対するドウェル時間は、(100−1×3)÷3=32.3[msec]、となる。また、セグメント#2に属する化合物Dの各イオンに対するドウェル時間Tは(300-1×3)÷3=99[msec]となる。
なお、ステップS40において、同一化合物について測定すべき複数のイオンが全て高感度モードの対象イオンであった場合、これらのイオンのドウェル時間は全て等しくなり、高感度モードによる効果が得られないことになる。そのため、このような指定ができないよう、ステップS33で分析者が高感度モードの対象イオンを指定する際に、設定入力画面70に設けられたチェックボックス72a〜72cにおいて、一つの行につき所定の数(1つ又は2つ)のチェックボックスにチェックが入った時点で同じ行の残りのチェックボックスを無効にする(例えばクリックしてもチェックが入らないようにする)ことが望ましい。
続いて、パラメータテーブル作成プログラム52は、セグメント#Nが最終セグメントであるか否かを判定し(ステップS41)、最終セグメントでなければ変数Nをインクリメントして(ステップS42)ステップS39に戻る。したがって、ステップS37で設定された全てのセグメントについて時間順に処理が遂行され、最終セグメントまで来るとステップS41でYesと判定される。そして、以上で算出されたイベント時間やドウェル時間を含むパラメータテーブルが作成され(ステップS43)、パラメータテーブル格納部54に記憶される。
図7は図6に示した設定入力画面70の内容に基づいて自動的に作成されるパラメータテーブルの一例である。同図から明らかなように、本実施例では、各化合物について測定すべき複数のイオンに対してそれぞれ個別にドウェル時間が決定される。また、化合物Bについて測定すべき3つのイオンのうち、高感度モードの対象に指定された定量イオン(m/z-1)に対するドウェル時間が、残りのイオン(確認イオンm/z-2, m/z-3)に対するドウェル時間よりも長くなっている。なお、図7の例において、化合物Bにおけるドウェル時間Tと電圧安定待ち時間wの合計は、58.2+19.4+19.4+1×3=100[msec]であり、ステップS39で設定された同化合物のイベント時間Tと等しくなる。また、化合物Bにおける高感度モードの対象イオンのドウェル時間と同化合物における他のイオンのドウェル時間の比率は、58.2÷19.4=3であり、ステップS35で設定された向上比Kと等しくなる。このように、本実施例に係るLC−MSによれば、分析者が設定入力画面70上で高感度モードの対象イオンを指定すると共に向上比を入力するという簡単な操作を行うことにより、各化合物のイベント時間に影響を及ぼすことなく、自動的に一部のイオンのドウェル時間をその他のイオンのドウェル時間より長く設定することができる。従って、例えば感度が悪い化合物について、その定量イオンを高感度モードの対象に設定することにより、定量に用いない確認イオンのドウェル時間を短縮し、その分、定量イオンのドウェル時間を延長して、高精度な定量を行うことができる。
なお、本実施例では、設定入力画面70の化合物テーブル表示欄71において、化合物テーブルの各行に測定すべきイオンの数と同数のチェックボックスを設けるものとしたが、これに限らず、化合物テーブルの各行にはチェックボックスをそれぞれ1つだけ設け、チェックが入れられた化合物について測定すべき複数のイオンのうち、定量イオンのみを自動的に高感度モードの対象とするようにしてもよい。この場合、図5のステップS31において、図3と同様の設定入力画面60を表示部44に表示する。そして、ステップS33において分析者が設定入力画面70上でチェックボックス62のいずれかにチェックを入れることにより、該チェックボックスが設けられた行に対応する化合物の定量イオンが高感度モードの対象イオンとして指定される。その後は、上記と同様にしてセグメントの設定(ステップS37)、イベント時間の算出(ステップS39)、及びドウェル時間の算出(ステップS40)等が実行され、図7に示したようなパラメータテーブルが作成される。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を挙げて説明を行ったが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。例えば上記実施例のLC−MSでは、MS部20はシングルタイプの四重極型質量分析計であるが、MS部20が三連四重極型の質量分析計であるLC−MS/MSにおいて、SIM測定と同様に、化合物毎に溶出時間範囲や測定対象質量電荷比などの測定条件を設定する必要があるMRM測定を行う場合に本発明を適用できることは当然である。また、LCの代わりにGCを用いたGC−MSやGC−MS/MSに本発明を適用可能なことも明らかである。
10…LC部
20…MS部
25…四重極マスフィルタ
26…検出器
40…制御/処理部
41…CPU
42…メモリ
43…入力部
44…表示部
45…インターフェース
50…記憶部
52…パラメータテーブル作成プログラム
53…設定内容格納部
54…パラメータテーブル格納部
55…設定入力受付部
56…セグメント設定部
57…イベント時間決定部
58…ドウェル時間決定部
60、70、80…設定入力画面
61、71、81…化合物テーブル表示欄
62、72a〜c…チェックボックス
63、73、83…測定ループ時間入力欄
64、74…向上比入力欄

Claims (5)

  1. 試料中の複数の化合物を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された化合物由来のイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置とを組み合わせて成り、前記質量分析装置が目的化合物に対応するクロマトグラムピークの前後で1乃至複数の特定のイオンの質量電荷比に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)測定対象である化合物毎に少なくとも、溶出時間範囲、及び測定すべき1又は複数のイオンの質量電荷比を特定する情報を含む化合物テーブルを記憶しておく化合物テーブル保持手段と、
    b)前記化合物テーブルに含まれる化合物毎に高感度分析を行うか否かを分析者に指定させる高感度分析指定受付手段と、
    c)前記化合物テーブルに含まれる各化合物の溶出時間範囲が重ならない時間位置に境界を定めることで測定時間単位であるセグメントを設定し、各セグメントにそれぞれ1又は複数の測定対象の化合物を割り当てるセグメント設定手段と、
    d)前記セグメント設定手段により設定された各セグメントにおいて、予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間を当該セグメントに割り当てられた化合物の数に応じて分割することにより、各化合物についての測定時間であるイベント時間を決定するイベント時間決定手段と、
    e)前記イベント時間決定手段により決定されたイベント時間と、各化合物について測定すべきイオンの数とに基づいて各質量電荷比についてのデータ収集時間であるドウェル時間を決定するドウェル時間決定手段と、
    を有し、
    前記イベント時間決定手段が、前記当該セグメントに割り当てられた化合物の中に高感度分析の対象化合物が含まれている場合に、同じセグメントに割り当てられた他の化合物のイベント時間に対する該高感度分析の対象化合物のイベント時間の比率が予め定められた比率となるように前記測定ループ時間を分割することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  2. 試料中の複数の化合物を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された化合物由来のイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置とを組み合わせて成り、前記質量分析装置が目的化合物に対応するクロマトグラムピークの前後で1乃至複数の特定のイオンの質量電荷比に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)測定対象である化合物毎に少なくとも、溶出時間範囲、及び測定すべき1又は複数のイオンの質量電荷比を特定する情報を含む化合物テーブルを記憶しておく化合物テーブル保持手段と、
    b)前記化合物テーブルに含まれる質量電荷比毎に高感度分析を行うか否かを分析者に指定させる高感度分析指定受付手段と、
    c)前記化合物テーブルに含まれる各化合物の溶出時間範囲が重ならない時間位置に境界を定めることで測定時間単位であるセグメントを設定し、各セグメントにそれぞれ1又は複数の測定対象の化合物を割り当てるセグメント設定手段と、
    d)前記セグメント設定手段により設定された各セグメントにおいて、予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間と、当該セグメントに割り当てられた化合物の数とに基づいて各化合物についての測定時間であるイベント時間を決定するイベント時間決定手段と、
    e)前記イベント時間決定手段により各化合物について決定されたイベント時間を、当該イベント時間に対応する化合物について測定すべき質量電荷比の数に応じて分割することにより、各質量電荷比についてのデータ収集時間であるドウェル時間を決定するドウェル時間決定手段と、
    を有し、
    前記ドウェル時間決定手段が、前記当該イベント時間に対応する化合物について測定すべき質量電荷比の中に高感度分析の対象として指定された質量電荷比が含まれている場合に、同じ化合物について測定すべき他の質量電荷比のドウェル時間に対する該高感度分析の対象として指定された質量電荷比のドウェル時間の比率が予め与えられた比率となるように前記当該イベント時間を分割することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  3. 試料中の複数の化合物を時間方向に分離するクロマトグラフと、該クロマトグラフで分離された化合物由来のイオンを質量電荷比に応じて分離して検出する質量分析装置とを組み合わせて成り、前記質量分析装置が目的化合物に対応するクロマトグラムピークの前後で1乃至複数の特定のイオンの質量電荷比に対する選択イオンモニタリング(SIM)測定又は多重反応モニタリング(MRM)測定を実行するクロマトグラフ質量分析装置において、
    a)測定対象である化合物毎に少なくとも、溶出時間範囲、測定すべき定量イオンの質量電荷比、及び測定すべき確認イオンの質量電荷比を特定する情報を含む化合物テーブルを記憶しておく化合物テーブル保持手段と、
    b)前記化合物テーブルに含まれる化合物毎に高感度分析を行うか否かを分析者に指定させる高感度分析指定受付手段と、
    c)前記化合物テーブルに含まれる各化合物の溶出時間範囲が重ならない時間位置に境界を定めることで測定時間単位であるセグメントを設定し、各セグメントにそれぞれ1又は複数の測定対象の化合物を割り当てるセグメント設定手段と、
    d)前記セグメント設定手段により設定された各セグメントにおいて、予め与えられた各イオンの測定点時間間隔である測定ループ時間と、当該セグメントに割り当てられた化合物の数とに基づいて各化合物についての測定時間であるイベント時間を決定するイベント時間決定手段と、
    e)前記イベント時間決定手段により各化合物について決定されたイベント時間を、当該イベント時間に対応する化合物について測定すべき質量電荷比の数に応じて分割することにより、各質量電荷比についてのデータ収集時間であるドウェル時間を決定するドウェル時間決定手段と、
    を有し、
    前記ドウェル時間決定手段が、前記当該イベント時間に対応する化合物が高感度分析の対象として指定されている場合に、該化合物について測定すべき確認イオンの質量電荷比のドウェル時間に対する該化合物について測定すべき定量イオンの質量電荷比のドウェル時間の比率が予め与えられた比率となるように前記当該イベント時間を分割することを特徴とするクロマトグラフ質量分析装置。
  4. 前記高感度分析指定受付手段が、更に前記比率を分析者に指定させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクロマトグラフ質量分析装置。
  5. コンピュータを請求項1〜3のいずれかに記載されたクロマトグラフ質量分析装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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