JP6191636B2 - 電子線を用いた試料観察方法、および、電子顕微鏡 - Google Patents
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また、例えば特許文献1では、電子銃と、試料を透過した電子を絞る散乱角制限絞りおよび当該散乱角制限絞りを通過した電子を光に変換するシンチレーターを備える試料ホルダと、シンチレーターが発した光をシンチレーターの裏面側(シンチレーターに電子が入射する側とは反対側)で検出して電気信号に変換する光電子増倍管とを有するSTEMが提案されている。
そして、本発明者らは、上述した新たな知見に基づき、本発明を完成させた。
また、本発明の電子顕微鏡用アタッチメントによれば、簡素な構成のアタッチメントを用いて、良好な走査透過電子像を高い自由度で観察することができる。
更に、本発明の電子顕微鏡は、構成が簡素であり、且つ、良好な走査透過電子像を高い自由度で観察することができる。
以下、本発明の試料観察方法の一例を用いて試料の走査透過電子像を観察する方法について、図1を参照しつつ説明する。
走査工程では、試料S上で電子線EBを走査し、試料Sに照射した電子線EBの一部を発光体L側(試料Sに電子線EBを照射する側とは反対側)に透過させる。そして、走査工程では、試料Sを透過した電子TE,SEを、図1では試料Sの下側に位置する発光体Lに対して入射させる。
また、電子線EBを試料S上で走査する手段としては、特に限定されることなく、電子銃、集束レンズおよび走査コイルなどの既知の電子線走査機構を用いることができる。
更に、発光体Lとしては、電子の入射により発光する既知の発光体、例えば、硫化亜鉛(ZnS)などの発光物質を含む既知の蛍光塗料を用いて形成したフィルムや板を用いることができる。
次に、検出工程では、光検出器Dを使用して、発光体Lが、試料Sを透過した電子TE,SEが入射する側(図1では上側)に放射した光ELを検出する。具体的には、検出工程では、発光体Lが放射した光について、光検出器Dを使用し、光の強度を含む情報を取得する。
そして、結像工程では、電子線EBの走査位置と、検出工程において検出された光の情報とを用いて走査透過電子像を作成する。具体的には、結像工程では、光検出器Dで光が検出された際に電子線EBが走査していた位置(走査位置)と、光検出器Dで検出した光の強度とを対応付けると共に、各走査位置に対応付けられた光の強度を既知の手法で輝度変調することにより、走査透過電子像を作成する。
ここで、上述した通り、本発明に従う試料観察方法では、走査工程および検出工程を実施する際の試料Sの配置位置と発光体Lの配置位置とに応じて、明視野像または暗視野像が得られる。従って、本発明に従う試料観察方法によれば、試料を透過した電子を絞る絞り等を使用しなくても、試料Sと発光体Lとの相対的な位置関係の違いを利用することにより、同一の試料Sについて明視野像と暗視野像との双方を得ることができる。
また、第一の走査透過電子像の取得工程における、「発光体Lの少なくとも一部を電子線EBの光軸上に位置させた状態」とは、図1に実線で示すような状態、即ち、試料Sの直下に発光体Lが位置し、試料Sを透過した電子TE,SEのうち、少なくとも電子TE(散乱されずに透過した電子)が発光体Lに入射して明視野像が得られるような状態を指す。
更に、第二の走査透過電子像の取得工程における、「発光体Lの少なくとも一部を電子線EBの光軸上からオフセットさせた状態」とは、図1に破線で示すような状態、即ち、試料Sの直下からずれた位置に発光体Lが位置し、試料Sを透過した電子TE,SEのうち、少なくとも電子SE(前方散乱・回折した電子)が発光体Lに入射して暗視野像が得られるような状態を指す。なお、図1の破線では、電子SEのみが入射する位置に発光体Lを設置した場合を示している。
次に、検出工程において、第一の発光体Lが放射した光EL(図1中、実線で示す光EL)と、第二の発光体が放射した光EL(図1中、破線で示す光EL)とを分けて検出する。なお、2種類の光の検出は、2台の検出器の使用や、分光器の使用などの既知の手法を用いて行なうことができる。
そして、結像工程において、第一の発光体Lが放射した光ELの情報を用いて明視野像を結像し、第二の発光体Lが放射した光ELの情報を用いて暗視野像を結像する。より具体的には、第一の発光体Lが放射した光ELが検出された際に電子線EBが走査していた位置(走査位置)と、検出された光の強度とを対応付けると共に、各走査位置に対応付けられた光の強度を既知の手法で輝度変調することにより、明視野像を作成する。また、第二の発光体Lが放射した光ELが検出された際に電子線EBが走査していた位置(走査位置)と、検出された光の強度とを対応付けると共に、各走査位置に対応付けられた光の強度を既知の手法で輝度変調することにより、暗視野像を作成する。
次に、上述した本発明の試料観察方法の一例および応用例を用いて試料の走査透過電子像を観察する際に好適に使用し得る本発明の電子顕微鏡の一例について、図2および図3を参照しつつ説明する。なお、以下では、電子顕微鏡のなかでも最も普及している走査型電子顕微鏡(SEM)の試料ステージに対して本発明に従う電子顕微鏡用アタッチメントを取り付けることにより構成した電子顕微鏡について説明するが、本発明の電子顕微鏡は、本発明に従う電子顕微鏡用アタッチメントを使用したものには限定されず、以下に説明する電子顕微鏡用アタッチメントと試料ステージとを一体化したものであってもよい。但し、SEMに組み合わされている各種装置(例えば、集束イオン加工装置(FIB)など)との併用が可能であるという観点からは、SEMの試料ステージに対して本発明に従う電子顕微鏡用アタッチメントを取り付けることにより電子顕微鏡を構成することが好ましい。
なお、試料台61の電子通過孔62上および電子通過孔62の周囲の電子銃1側の表面は、試料Sが設置される試料設置位置となる。そこで、試料台61の電子通過孔62の周囲の電子銃1側の表面には、試料Sを載置するための凹部(試料設置部)を形成してもよい。また、試料台61には、試料台61に設置した試料Sを固定することで試料Sの良好な観察を可能にするための既知の固定機構(例えば、試料Sの外周縁を保持する押さえ枠など)が設けられていてもよい。
なお、以下に詳細に説明するように、この電子顕微鏡10では、試料Sを透過した電子が入射する側に対して発光体Lが放射した光を光検出器Dで検出して走査透過電子像を得る。そして、この一例の電子顕微鏡10では、発光体Lが裏面側に放射した光を検出する必要がないので、支持体64を光不透過性の材料で構成したり、発光体Lの裏面全体を支持体64で支持したりしているが、これらの構成は必須の構成ではなく、本発明の電子顕微鏡に使用するアタッチメントの支持体は、光透過性の材料で構成してもよいし、発光体Lの裏面の一部のみを支持してもよい。
また、電子顕微鏡10は、発光体Lが放射した光を検出するためのスペースを発光体Lの下側に設ける必要が無いので、構造が簡素である。
更に、電子顕微鏡10によれば、試料を透過した電子を絞る絞りを使用しなくても、良好な走査透過電子像を観察することができる。また、所望の位置に透過または散乱した電子を利用して走査透過電子像を観察することができる。更に、発光体Lのサイズおよび形状を任意に選択することができ、また、それらの変更も容易である。
(1)支持台64上で試料台61を回転させる支柱63、および/または、試料台61と支持台64とを近接離間させる支柱63。
(2)試料台61に設けられた複数の電子通過孔62よりなる複数の試料設置位置。
(3)支持台64に対して着脱自在な発光体L。
また、上記(2)または(3)の手段によれば、例えば、発光体Lの少なくとも一部が電子線EBの光軸O上に位置した状態で明視野像を観察した後、試料Sまたは発光体Lの設置位置を変更する(例えば、試料Sを別の電子通過孔62の上に設置する、或いは、発光体Lの設置位置をずらす)ことにより、発光体Lの少なくとも一部が電子線EBの光軸O上からオフセットした状態とし、暗視野像を観察することができる。
なお、試料Sおよび発光体Lの位置の変更の容易性の観点からは、上記(1)を採用することが好ましく、コスト削減および装置の簡素化の観点からは、上記(2)または(3)を採用することが好ましい。
走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss製、SUPRA 55-VP)の試料ステージに対して図3に示す電子顕微鏡用アタッチメントを取り付けることにより、図2に示すような構成を有し、走査透過電子像の観察が可能な電子顕微鏡を作製した。なお、光検出器としては、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss製、SUPRA 55-VP)が予め備えている光検出器(光電子増倍管)を用いた。
次に、1.5質量%のCuを含むフェライト系ステンレス鋼を熱処理し、Cu粒子を析出させた後、直径3mmの薄片にし、電解研磨により中央部に小さい孔があくまで薄くして観察用試料とした。
また、ZnSを含む蛍光塗料を乾燥させて得た粉体を両面テープの一方の面に貼り付け、発光体を作製した。
そして、電子顕微鏡用アタッチメントの試料台の電子通過孔の上に観察用試料を設置すると共に、図3に示すL1の位置に発光体を設置して、観察用試料の孔の周囲を観察した。なお、観察条件は、加速電圧:20kV、ワーキングディスタンスWD:2.7mm、倍率:500倍であった。その結果、図4(a)に示すような明視野像が得られた。
次に、発光体を支持台から剥離し、発光体の設置位置を図3に示すL2の位置に変更して、再び観察用試料の孔の周囲を観察した。その結果、試料と孔のコントラストが逆転した、図4(b)に示すような暗視野像が得られた。
この結果より、本発明に係る電子顕微鏡によれば、試料の位置と発光体の位置とを相対的に変化させることにより、明視野像と暗視野像との双方が得られることが分かる。
次に、倍率を50,000倍に変更した以外は実施例1と同様にして、観察用試料について明視野像および暗視野像を観察した。得られた明視野像を図5(a)に示し、得られた暗視野像を図5(b)に示す。
また、同一の観察用試料について、透過型電子顕微鏡(日本電子製、JEM2010F)を使用し、加速電圧:200kV、倍率:100,000倍の条件で観察を行なった。得られた明視野像を図5(c)に示し、分析視野を図5(d)に示す。
図5(a)〜(d)より、本発明に係る電子顕微鏡によれば、透過型電子顕微鏡と殆ど同じレベルで、50nm程度以下の大きさのCu粒子およびCu粒子が抜け落ちた穴(Cu粒子脱落部)が観察できることが分かる。従って、本発明に係る電子顕微鏡によれば、良好な走査透過電子像が得られることが分かる。
また、図5(a),(b)より、Cu粒子およびCu粒子脱落部のコントラストが、発光体の位置を変更することにより逆転していることから、ナノレベルの高倍率観察でも、明視野像と暗視野像との双方が得られることが分かる。
倍率を50,000倍に変更した以外は実施例1と同様にして、観察用試料の明視野像を観察した。得られた明視野像を図6(a)に示す。
また、同時に、インレンズ検出器およびチャンバー検出器を使用して、観察用試料の二次電子像を得た。インレンズ検出器を用いて得た二次電子像を図6(b)に示し、チャンバー検出器を用いて得た二次電子像を図6(c)に示す。
図6(a)〜(c)より、図6(a)に示す明視野像では全てのCu粒子およびCu粒子脱落部が観察され、インレンズ検出器を用いた二次電子像では観察用試料の表面側のCu粒子脱落部が観察され、チャンバー検出器を用いた二次電子像ではCu粒子と観察用試料の両面のCu粒子脱落部が観察されることが分かる。従って、本発明に係る電子顕微鏡によれば、走査透過電子像と、インレンズ検出器およびチャンバー検出器を使用した二次電子像などの異なる像とを組み合わせて同時に観察することにより、Cu粒子、試料の表面側の粒子脱落部および試料の裏面側の粒子脱落部のそれぞれの位置を特定することが可能となることが分かる。
ワーキングディスタンスを8.0mmにし、倍率を50,000倍に変更した以外は実施例1と同様にして、観察用試料の暗視野像を観察した。得られた暗視野像を図7(a)に示す。
また、同時に、図7(a)に示す暗視野像の微小な領域について、エネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いた元素分析を行なった。なお、EDSを用いた元素分布は、ブルカー社製のシリコンドリフト検出器を用いてスペクトラルマッピングモードで測定した。EDS分析の結果を図7(b)に示す。
図7(a)および(b)より、暗視野像の明るい粒子状部分に対応するCu粒子の分布が明瞭に検出されていること、および、20nm程度の粒子からもCuの信号が検出されていることが分かる。一方、図7(a)および(b)より、暗視野像の暗い粒子状部分は、Fe、CrおよびCuなどの試料に起因する元素の信号が弱いことから、粒子が脱落した穴であることが判定できる。
これらのことから、走査透過電子像とEDS分析とを併用して、高い空間分解能での観察および元素分析が同時にできることがわかる。
電子を透過する厚さのカーボン薄膜をCuグリッドの上に載せてなる観察用試料について、実施例1と同様の装置構成を有する電子顕微鏡(図3に示す電子顕微鏡用アタッチメントを取り付けた走査型電子顕微鏡)と、市販の薄膜観察用SEMホルダを取り付けた走査型電子顕微鏡とを用いて観察を行った。
具体的には、実施例1と同様の装置構成を有する電子顕微鏡を使用し、加速電圧:30kV、ワーキングディスタンスWD:8.0mm、倍率:200倍の観察条件で観察用試料の走査透過電子像(明視野像)を観察した。得られた明視野像を図8(a)に示す。
また、走査型電子顕微鏡(日本電子製、JSM7001F)に市販の薄膜観察用SEMホルダを取り付けてなる比較例電子顕微鏡を使用し、加速電圧:30kV、ワーキングディスタンスWD:2.7mm、倍率:200倍の観察条件で観察用試料の走査透過電子像(明視野像)を観察した。得られた明視野像を図8(b)に示す。なお、市販の薄膜観察用SEMホルダは、試料を支持する支持部と、試料を透過した電子を絞る固定型の絞り部と、絞り部を通過した電子線が照射されることで二次電子を発生する二次電子発生部とを備える試料ホルダである。そして、比較例電子顕微鏡では、走査型電子顕微鏡に備わっているチャンバー検出器(Everhart-Thornley検出器)を使用し、薄膜観察用SEMホルダの二次電子発生部から発生した二次電子を検出することにより走査透過電子像を得た。
更に、比較例電子顕微鏡を使用し、ワーキングディスタンスを、この比較例電子顕微鏡のEDS分析時の条件である15mmに変更して観察用試料の観察を行ったところ、走査透過電子像の観察はできず、試料の上面からの二次電子像が観察された。得られた二次電子像を図8(c)に示す。
図8(a)および(b)より、本発明に係る電子顕微鏡では全視野でグリッド孔(約70μm×70μm)を観察できるのに対し(図8(a)参照)、比較例電子顕微鏡では円形の範囲(電子線が絞り部を通過した部分)でしかグリッド孔を観察できないことが分かる(図8(b)参照)。よって、本発明に係る電子顕微鏡によれば、観察用試料の広い範囲を観察可能であることが分かる。また、比較例電子顕微鏡では固定型の絞り部を有する薄膜観察用SEMホルダを使用しているために固定された円形の範囲しか観察できないが、本発明に係る電子顕微鏡によれば、蛍光体の設置範囲を調整し、試料台を動かすことで、図8(a)に示す視野の更に外側も容易に観察することができる。
また、図8(b)および(c)より、比較例電子顕微鏡では、ワーキングディスタンスを大きくすると、試料の上面から発生した二次電子も多量に検出してしまうため、走査透過電子像の観察ができなくなり、試料の上面からの二次電子像のみが観察できることが分かる。よって、比較例電子顕微鏡では、走査透過電子像を観察しながらEDSによる分析を行うことができないことが分かる。一方、前述のとおり本発明に係る電子顕微鏡ではワーキングディスタンスの大きさにかかわらず走査透過電子像を観察できる。
以上より、本発明に係る電子顕微鏡によれば、広範囲かつ幅広い分析条件で走査透過電子像を観察し得ることが分かる。
なお、上記では、本発明に係る電子顕微鏡と比較例電子顕微鏡とで異なる走査型電子顕微鏡を用いているが、観察結果には本質的な差は生じない。また、図8(a)と図8(b)とでワーキングディスタンスの大きさが異なるが、観察結果には本質的な差は生じない。
また、本発明の電子顕微鏡用アタッチメントによれば、簡素な構成のアタッチメントを用いて、良好な走査透過電子像を高い自由度で観察することができる。
更に、本発明の電子顕微鏡は、構成が簡素であり、且つ、良好な走査透過電子像を高い自由度で観察することができる。
2 集束レンズ
3,4 走査コイル
5 試料ステージ
6 電子顕微鏡用アタッチメント
10 電子顕微鏡
61 試料台
62 電子通過孔
64 支持台
63 支柱
S 試料
L 発光体
EB 電子線
TE,SE 電子
D 光検出器
O 光軸
Claims (4)
- 試料上で電子線を走査し、電子の入射により発光する発光体に対して前記試料を透過した電子を入射させる走査工程と、
前記発光体が、前記試料を透過した電子が入射する側に放射した光を検出する検出工程と、
前記電子線の走査位置と、検出された光の情報とを用いて走査透過電子像を得る結像工程と、
を含み、
前記発光体の少なくとも一部を前記電子線の光軸上に位置させた状態で前記走査工程および前記検出工程を実施し、前記結像工程において明視野像を得る第一の走査透過電子像の取得工程と、
前記発光体の少なくとも一部を前記電子線の光軸上からオフセットさせた状態で前記走査工程および前記検出工程を実施し、前記結像工程において暗視野像を得る第二の走査透過電子像の取得工程と、
を更に含み、
前記第一の走査透過電子像の取得工程と、前記第二の走査透過電子像の取得工程との間で、前記試料の位置に対する前記発光体の位置を相対的に変化させる、電子線を用いた試料観察方法。 - 試料上で電子線を走査し、電子の入射により発光する発光体に対して前記試料を透過した電子を入射させる走査工程と、
前記発光体が、前記試料を透過した電子が入射する側に放射した光を検出する検出工程と、
前記電子線の走査位置と、検出された光の情報とを用いて走査透過電子像を得る結像工程と、
を含み、
前記走査工程において、少なくとも一部が前記電子線の光軸上に位置する第一の発光体と、少なくとも一部が前記電子線の光軸上からオフセットした位置にあり、且つ、前記第一の発光体とは異なる波長の光を放射する第二の発光体とに対して前記試料を透過した電子を当て、
前記検出工程において、前記第一の発光体が放射した光と、前記第二の発光体が放射した光とを分けて検出し、
前記結像工程において、前記第一の発光体が放射した光の情報を用いて明視野像を結像し、前記第二の発光体が放射した光の情報を用いて暗視野像を結像する、電子線を用いた試料観察方法。 - 試料を設置する試料台と、
前記試料台に形成された電子通過孔と、
前記試料上で電子線を走査する電子線走査機構と、
電子の入射により発光する発光体と、
前記発光体が放射した光を検出する光検出器と、
前記電子線の走査位置と、前記光検出器で検出された光の情報とを用いて走査透過電子像を形成する結像機構と、
前記試料の位置に対する前記発光体の位置を相対的に変化させる相対変位機構と、
を備え、
前記発光体は、前記試料を透過した電子が入射する位置に設けられ、
前記光検出器は、前記発光体が、前記試料を透過した電子が入射する側に放射した光を検出する、電子顕微鏡。 - 試料を設置する試料台と、
前記試料台に形成された電子通過孔と、
前記試料上で電子線を走査する電子線走査機構と、
電子の入射により発光する発光体と、
前記発光体が放射した光を検出する光検出器と、
前記電子線の走査位置と、前記光検出器で検出された光の情報とを用いて走査透過電子像を形成する結像機構と、
を備え、
前記発光体は、前記試料を透過した電子が入射する位置に設けられ、
前記光検出器は、前記発光体が、前記試料を透過した電子が入射する側に放射した光を検出し、
前記発光体が、表面の少なくとも一部が前記電子通過孔に対向する位置に設けられた第一の発光体と、表面の少なくとも一部が前記電子通過孔に対向する位置からオフセットする位置に設けられ、且つ、前記第一の発光体とは異なる波長の光を放射する第二の発光体とを含み、
前記光検出器が、前記第一の発光体が放射した光と、前記第二の発光体が放射した光とを分けて検出する、電子顕微鏡。
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