JP6190533B2 - 圧搾システム - Google Patents

Description

本発明は、その名称が示すように、２つの要素であって、一方が雌要素でありかつ他方が雄要素であり、両方が回転し、一方が他方とは逆方向に回転し、最小限の一定の横方向の間隔を伴ってかつそれら要素のそれぞれの側部の長さに沿って接触またはほぼ接触する、２つの要素を備える種類の圧搾システムに関する。

本書では、「果実」という用語は全ての野菜に対して包括的に使用されるが、圧搾システムは、果実、葉野菜および他の野菜に適したものである。

雌ドラムおよび雄ドラムなどの要素に言及し、「ドラム」が以下の要素または状況、すなわち、要素自体がドラムの形状をとること、要素の回転がドラム形状を描くこと、ドラム形状内の空間が要素の回転に必要であること、のいずれかであることを理解する。

これらの３つの状況のいずれにおいて、要素がドラムの形状を有すると言え、かつ要素をドラムと称する。

雌ドラムは、その側部の１つまたは複数の空洞であって、雄ドラムがその側部に有する突起または複数の突起に係合するのに適した空洞内で圧搾されるべき果実を受けるドラムである。

雌ドラムおよび雄ドラムは、同期して互いに逆方向に回転し、その行程の一部の途中で係合し、雄ドラムの突起が、圧搾されるべき果実を支持する雌ドラムの空洞と回転のある位置で互いに対向し、果実に雄ドラム上の突起を埋め込みかつ圧迫することにより圧搾が行われる。

雌要素の回転軸と雄要素の回転軸が平行ではなく、むしろ一定の角度で配設され、前記角度が０°または１８０°以外であることが、この圧搾システムの特徴である。

回転軸によって、軸が横切るドラムと一緒に回転する軸、およびドラムが軸上を回転できるように支持体としての役割を果たす固定軸の場合の両方が理解される。

雄ドラムと雌ドラムの理論回転軸線は空間内で交差し、それゆえ、ドラムが長手方向に最小限の一定の間隔を伴ってかつそれらドラムのそれぞれの側面に沿って接触またはほぼ接触することができるように、ドラムは、それらドラムの基部の一方が他方の基部よりも大きく、円錐台形状をとる。

一定の角度で配設された回転軸は、好ましくは、同一平面上にありかつ共点を有する。本発明が関係する技術の分野は、飲料を調製するための機構の分野である。

果実圧搾器の異なる形態は、数年にわたって知られており、この種類の機構は、この使用のため、中でも特に、ホテル、レストラン、バーまたはケータリングなどの分野に非常に拡張されており、また現在は、中でも、健康一般、店舗、体育館またはレクリエーションに関連するサービスなどの、栄養食品の流通にまで拡張している。

その機構の中でも、ドラム間の平行な回転軸が最小限の長手方向の間隔を伴ってかつそれぞれの側面の長さに沿って接触するかまたはほぼ接触する、２つのドラム（１つの雄ドラムと１つの雌ドラム）に基づいた圧搾システムを有する機械が非常によく知られている。

これらのドラムは回転するが移動せず、ドラムの作用を受けるように特定の経路を辿らなければならないのは圧搾される果実である。

雌ドラムは、その側部の１つまたは複数の空洞内で圧搾されるべき果実を受けるものであり、かつこの空洞は、雄ドラムがその側部に有する突起に内側で係合するのに好適である。

雌ドラムは、雄ドラムと同期して、但し、雄ドラムとは逆方向に回転し、互いに同期され、各回転において、雄ドラム上の突起が雌ドラムの空洞と一致し、前記突起が果実を支える雌ドラムの空洞内に挿入され、雌ドラムの空洞内に収容された果実に対して雄ドラムの突起を埋め込みかつ圧迫することにより圧搾が行われるように経路の一部において係合する。

この種類の機構では、果実が予め（好ましくは２つの半部に）分割されることが一般的である。

前記機械の多くの例が存在し、ともに、単一の雌要素と単一の雄要素、２つ以上の雌要素と２つ以上の雄要素、雌要素の１つまたは複数の空洞と雄要素の１つまたは複数の突起を備え、同数の空洞と突起を有する理由はない。

２つの雄要素と２つの雌要素とを組み込んだ機械の例としては、スペイン国特許第２００８４３８号明細書とスペイン国特許第２０５３３５７号明細書、豪国特許出願公開第５０７７６８号明細書およびスペイン国実用新案第１０１９５８９号明細書が挙げられ、これらの全てが、雄ドラムの回転軸に対して平行である回転軸を有する雌ドラムに基づいている。

単一の雄ドラムと単一の雌ドラムを組み込んだ機械の例として、中でも、スペイン国特許第２２８４２９４号明細書またはスペイン国実用新案１０３４３２５号明細書を挙げることができ、これらは同じく２つの平行軸に基づいており、平行軸の一方が雌ドラムに取り付けられ、かつ他方が雄ドラムに取り付けられる。

平行な回転軸を備えたドラムのシステムは、例えば、圧搾システムがかなりの大きさを有することが必要である（具体的には、実施された研究が、この種類の圧搾システムに関して果実の体積の８．２倍である最小限の大きさを提示している）などの、いくつかの欠点を有する。

同じように、そのような圧搾システムに関連するサブシステム（中でも、切断または保持サブシステムおよび果実ガイドなど、雌要素の空洞に果実を供給するためのサブシステム、雌要素および雄要素を回転させるための伝動サブシステム、空洞と突起の同期化、または果実の皮を抽出するためのサブシステムなど）は、かなりの空間を占有する。

雌ドラムの空洞に果実片を供給するためのシステムの他の欠点は、果実が柔らかいかもしくは異なる大きさを有する場合に、果実の排出および／または蓄積が頻繁に起こること、または切断ナイフの後に随伴する短いガイドおよび保持部を有する切断サブシステムが切断直後の断面を備えた外形を有することを必要とし、これによりナイフによる完全な切断が完了する前に果実が引き裂かれることである。

別の欠点は、健康に有害である細菌の成長を防ぐために、システムとサブシステム全体の、分離されかつ面倒なパッケージング、組立および分解が日常の清掃のために必要であることである。

更に、軸が平行でありかつ軸はそれら軸の端部の一方が自由であるので、圧搾力が、回転軸の屈曲による変形を生じさせ、この変形が、雄ドラムと雌ドラムとの間の隙間、および、その結果として、圧搾時の効果の損失、または更には材料疲労による破損を生じさせる。

米国特許第２７０５９８４号明細書および米国特許第２８５３１０７号明細書は、２つの回転自在ユニットを備えた圧搾機を説明しており、それらユニットの一方、上下方向軸線を中心に回転自在であるピックアップユニットが、基部側に開口した一連のカップを備え、かつ軸線を中心に回転自在であるリーマユニットが垂直方向から傾斜している。それらのカップは、果実を受け止めるためにカップの形状および寸法を変化させ、果実が受け止められると、カップが元の形状に戻る。

スペイン国特許第３２８９８９０号明細書（欧州特許第２３１４１７４号明細書の翻訳文）は、雌要素および雄要素の分解動作を容易にし、かつ組立体を補強するように、２つの平行な回転軸をそれら軸の端部で連結するフレームを提案している。しかしながら、それは、他の欠点を解消していない。

前述の問題を解消するために、以下を備える圧搾組立体が提案される。

少なくとも１つの雌ドラム（ｆｅｍａｌｅ ｄｒｕｍ）と少なくとも１つの雄ドラム（ｍａｌｅ ｄｒｕｍ）は、それらドラムのそれぞれの軸が互いに対して一定の角度で配設され、その角度が０°または１８０°以外であり、それらの理論線が空間内で交差し、これらの線がそれぞれの軸線の理論線であり、それらが、好ましくは同一平面上で回転しかつ、その結果として、共点を有する（ｃｏｎｃｕｒｒｅｎｔｌｙ）。

雌ドラムは、雌ドラムの基部の一方が他方よりも大きく、好ましくは円錐台形状（ｆｒｕｓｔｏｃｏｎｉｃａｌ ｓｈａｐｅ）を有し、果実片または果実の一部を収容するのに適した、好ましくは半球形の、少なくとも１つの空洞（ｃａｖｉｔｙ）を雌ドラムの側部に有し、いくつかの空洞が存在する可能性がある。

雄ドラムは、雄ドラムの基部の一方が他方よりも大きく、好ましくは円錐台形状を有し、回転経路の一部の途中で係合するのに適し、かつ雌要素が雌要素の側部に有する空洞内にぴったり収まる少なくとも１つの突起（ｐｒｏｔｕｂｅｒａｎｃｅ）を雄ドラムの側部に有し、いくつかの突起が存在する可能性がある。

雌ドラムの空洞の数が雄ドラム上の突起の数と一致する理由がない。

両方のドラムは、他方に対して逆方向に回転し、かつ回転経路の一部上で係合する。

ドラムの回転は、回転の一部の途中でそれらドラムが係合するように同期され、かつ雌ドラムの空洞の数が雄ドラム上の突起の数と異なっているとしても、突起が空洞内に挿入されるように、各回転中にサイクルのある位置で雌ドラムの空洞が雄ドラム上の突起と一致する。

ドラムの動きの同期化は、異なる方式またはサブシステムで実行することができ、それらのうちの１つが、軸またはドラム自体に関連する歯車の使用である。

果汁を圧搾する工程中に空洞がその形状を変えないので、雄ドラム上の突起とぶつかる果実の経路の途中で空洞内に果実を維持するために、ガイドおよび／または保持サブシステムの使用が不可欠である。

例えば、外部ガイド、もしくは空洞の口における鋸歯、果実が挿入される内部における錐、または果実を空洞内に収まった状態に保つ経路内で果実に随伴する要素など、果実を保持するための種々の解決策が存在する。

果実切断サブシステムの使用も、補完的なものであるが有利であると見られており、ハーフガイドおよび／または保持具の場合のように、中でも一般的である、雌ドラムの側部に平行に配設されるナイフの使用に対して選択できる多数の解決策が存在する。

最終的な圧搾器の組立体は、単一の雄要素および雌要素または各々の２つ以上を備えることができるが、好ましくは、同数の雄要素と雌要素とを備えることができる。

２つ以上の雌ドラムと雄ドラムが存在する場合および前記ドラムが互いに関連する場合には、一方のドラムと他方のドラムとで異なる大きさおよび速度を有する実施形態が可能であるが、両方が同じ大きさを有しかつ同じ速度で回転することが好ましい。

雌ドラムの回転軸（３）が雄ドラムの回転軸（４）に対して一定の角度で非平行に配設された、２つの雌ドラム（１）と２つの雄ドラム（２）とを備え、雄ドラムの突起（５）が雌ドラムの空洞（６）内に収容されるサイクルの瞬間に組立体がある、全ての可能な実施形態のうちの一実施形態における圧搾システムを表す。 雌ドラム（１）の空洞（６）がそれらの回転経路の途中で互いに対向し始め、かつ空洞の内部に果実を収めることができるように最大の開口を示し、かつ雄ドラム（２）の突起（５）が雌ドラム（１）の空洞（６）から離れて位置するサイクルの瞬間に２つの雌ドラム（１）と２つの雄ドラム（２）がある、全ての可能な実施形態のうちの一実施形態における圧搾システムを表す。雌ドラムの回転軸（３）および雄ドラムと回転軸（４）もまた視認可能である。 圧搾システムの主要構成要素の分解図を表し、これにより、雌ドラム（１）、雄ドラム（２）、雌ドラムの回転軸（３）、雄ドラムの回転軸（４）、雄ドラムの突起（５）、雌ドラムの空洞（６）、および切断された果実に随伴する表面（７）を有するガイドおよび保持サブシステムの可能な実施態様、および切断用ワイヤ（８）を有する切断サブシステムの可能な実施態様を示す。

以下は、本発明の説明であるが、この説明は唯一のものではなく、むしろ本発明をより良く理解する目的での単なる例示的なものである。

簡素化のために、図に表された実施形態が使用される。

この特定の実施形態で説明される圧搾システムは、２つの雌ドラム（１）と、２つの雄ドラム（２）と、互いに一定の角度で配設された、雌ドラムのいくつかの回転軸（３）と雄ドラムのいくつかの回転軸（４）とを備える。

雌ドラムが円錐台形状を有し、かつ雌ドラムの各々が、圧搾されるべき果実を収容するのに適した空洞（６）を雌ドラムの側部に有する。

２つの雌ドラム（１）は、同じ大きさを有するとともに、同じ速度でかつそれら雌ドラム（１）間で同期して回転する。

雌ドラム（３）の回転軸（３）は、雄ドラムの回転軸（４）に平行ではなく、むしろ一定の角度で配設される。

雌ドラムの回転軸（３）は、同一面上にありかつ共点を有する。

雌ドラムは、それらが関連する雄ドラムに対して同期して回転する。

雌ドラムが同期して一方が他方とは逆方向にかつ特定の初期位置を考慮して回転するので、各回転中に雌ドラムの各々の空洞（６）が互いに対向して一致する（図２）。

両方の雌ドラムは、互いに近接しかつ一定の距離にあり、雌ドラムの側部が平行でありかつ雌ドラムの各々の大きな基部および雌ドラムの各々の小さな基部にほぼ隣接する。

ガイドおよび保持要素（７）は、果実の経路上で切断された果実に随伴する表面と切断用ワイヤ（８）が両方のドラム間に位置する切断要素とを有する雌ドラムに近接して位置する。

雄ドラムに関して、各ドラムは、雌ドラムの空洞（６）内に収容されるのに適した突起（５）を有する。

雄ドラムの回転軸（４）は、雌ドラムの回転軸（３）に平行ではなく、むしろ一定の角度で配設され、同一面上にありかつ共点を有する。

雄ドラムの回転軸（４）は、同一面上にありかつ共点を有する。

雄ドラムは、それらが関連する雌ドラムと同期される。

各雄ドラムは、それが関連する雌ドラムとは逆方向に回転する。

そのように定義された圧搾システムは、次のサイクルを有する。

重力または他の手段により強制され得かつ本発明の主題ではない供給サブシステムの作用により、空洞（６）が、図２に示すように、空でありかつ互いに対向する途中である瞬間にある両方の雌ドラムの空洞（６）間の領域に果実が支えられる。

一旦そこに達すると、好ましくは両方の雌ドラムに平行に位置しかつ本発明の主題ではない切断用ワイヤ（８）に向けて果実を強制的に導く空洞に、果実が収められ、埋め込まれかつ捕捉される。

２つの半部に切断された後に、果実部分の各部分が、好ましくはガイドおよび保持要素（７）（本発明の主題ではない）の寄与により、空洞内に維持され、したがって、図１に示すサイクルの瞬間に、空洞内にそれらを埋め込む突起が果実を保持し、圧迫しかつ圧搾するものとなるまで経路を進み続ける。

圧搾後に、（本発明の主題ではない）システムにより、果実の皮または残部が雄ドラムから排出され、新たなサイクルが開始する。

切断、ガイドおよび保持サブシステムに加えて、全自動で圧搾サイクルを実行するために、中でも供給または皮抽出などの補助サブシステムを有することが推奨され、これら補助サブシステムは、それ自体圧搾工程を補完するものでありかつ既に存在する多くの機械に共通であるので本書には示されていない。

Claims (5)

1. 一方が他方に近接しかつ同期して一方が他方とは逆方向に回転する、少なくとも１つの雌ドラム（１）と少なくとも１つの雄ドラム（２）とを備える種類の圧搾システムであって、
   前記雌ドラムが、圧搾されるべき果実を収容するのに適した、一定の形状および一定の寸法を備えた少なくとも１つの空洞（６）を該雌ドラムの側部に有しかつ該雌ドラムの側部側に開口させ、
   前記雄ドラムが、１回転する毎に、前記果実を前記雌ドラムの前記空洞内に収容し、圧迫しかつ圧搾するのに適した少なくとも１つの突起（５）を側部に有し、
   雌ドラム（１）が他方の基部よりも大きな基部を有し、かつ
   ａ）雌ドラム（１）の回転軸（３）および雄ドラム（２）の回転軸（４）が空間内で交差し、
   ｂ）雌ドラム（１）の回転軸（３）が、雄ドラム（２）の回転軸（４）に対して０°以外の角度で配置され、
   ｃ）雌ドラム（１）の回転軸（３）が、雄ドラム（２）の回転軸（４）に対して１８０°以外の角度で配置される
   ことを特徴とする、圧搾システム。
2. 前記雄ドラム（２）は、円錐台形状の回転軌道を描くように、回転軸線方向に大きな基部と小さな基部を有することを特徴とする、請求項１に記載の圧搾システム。
3. 前記雄ドラムの前記回転軸線と前記雌ドラムの回転軸線が同一平面上にあることを特徴とする、請求項１に記載の圧搾システム。
4. 前記圧搾システムが、２つの雌ドラムと２つの雄ドラムとを備えることを特徴とする、請求項１に記載の圧搾システム。
5. 前記雌ドラムは、それらのそれぞれの側部が最小限の一定の距離を置いて互いに対向しており、かつ他方に対して逆方向に回転することを特徴とする、請求項４に記載の圧搾システム。

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