JP6188374B2 - 鋼管矢板 - Google Patents
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Description
具体的には、管端面の全周の内、継手の延長線上の近傍箇所が、他の箇所よりも凹む傾向があり、その結果、管端面の平面度が悪くなる。
そして、管端面での平面度が悪いことによる弊害は、別の鋼管を軸芯方向に継ぎ足す状態で配置して、両者を溶接で接合するような場合、接合面どうしの間隔にバラツキが大きくなることが挙げられ、鋼管どうしの接合不良の原因になる危険性があって好ましくない。また、鋼管の端部それぞれに機械式継手部材を設けておいて、それらを嵌合連結する場合は、機械式継手部材が変形することで正常に嵌合ができなくなる危険性がある。
従って、現地での鋼管矢板設置作業においては、鋼管矢板の端部どうしの連結作業に加えて、前記未固定部を対象とした溶接作業が必要となり、鋼管矢板設置作業効率の低下につながる問題点がある。
また、鋼管の端部どうしを連結した後、従来のように未固定部に溶接を行う必要がないので、鋼管の端部連結作業を効率よく実施できると共に、その溶接による熱収縮によって発生する管端面の凹凸が、鋼管の端部近傍に発生することも防止でき、鋼管の端部どうしの連結性能を良好な状態に維持することできる。
そして、鋼管の端部を高温環境に曝さずに機械継手部材と継手とを接合できるから、鋼管の端部での熱収縮を防止でき、管端面の平面度をより良好に維持することができる。
また、接着材を併用するような場合には、接着材の使用量を少なくでき、経済性を向上させることができる。
図1は、本発明の鋼管矢板Pの一実施品を示している。
鋼管1に対するこの矢板継手部材3の接合部Jは、詳しくは後述するが、鋼管1の両端部側の端部範囲J1と、それら両端部範囲J1の間に位置する中間部範囲J2とで構成され、これら両範囲J1,J2においては、互いに異なる接合手段を採用している。
これら機械継手部材2は、外径寸法を鋼管本体1Aと同じ値に形成してある。
機械継手部材2は、矢板継手部材3の接合にあたって変形(例えば熱変形)すると、寸法精度が低下したり、管端面の平面度が低下し、キー部材6を前記ロック状態に位置させることが不可能となる虞がある。
また、前記端部範囲J1の長さ寸法は、該当する機械継手部材2の長さ寸法に合わせた値に設定してある。
尚、接合部の内の中間部範囲J2は、接合手段として溶接を採用してある。
また、鋼管1に対する矢板継手部材3の接合位置は、鋼管1の周方向における基準位置と、その基準位置から管軸芯周りに180度の位置とに設定されている。
入隅部7は、矢板継手部材3の両脇に位置しているから、溶接は、それぞれの入隅部7に実施してある。
介在部材8は、横断面形状が略「V」字形状の金属板で構成してあり、「V」字形状の交差する二つの面部の内、一方の面部8aは、矢板継手部材3の外周面に沿う状態に設けられ、他方の面部8bは、鋼管1の外周面に沿う状態に設けられている。
他方の面部8bは、接着材9によって鋼管1の外周面に接合されている。
この場合、介在部材8は、鋼管1に接着する前に、予め、矢板継手部材3に溶接してあることが好ましく、そうすることで、溶接に伴う熱が、鋼管1に作用しないようにできる。
因みに、接着材9は、例えば、エポキシ樹脂系や他の公知の接着材を使用することができる。エポキシ樹脂系の場合、特に、強度的な信頼性が高いことから、好ましい。
また、介在部材8として金属板を使用できるので、接合部Jでの接合強度を高く維持でき、鋼管矢板P群の強度維持を図ることができる。
以下に他の実施の形態を説明する。
例えば、両端部に機械継手部材2を設けた鋼管矢板Pに限るものではなく、例えば、機械継手部材2を設けずに鋼管1の端部をそのまま溶接継手として使用できる構成であってもよい。
また、鋼管矢板Pにおける矢板継手部材3の取付位置や取付箇所数も、任意に変更することができる。
また、介在部材8を使用する場合でも、介在部材8の形状は、任意に変更することができる。
例えば、鋼管1と矢板継手部材3との離間距離が先の実施形態より大きく、一連の隙間Sが形成されているような鋼管矢板Pの場合には、図7に示すように、横断面形状が山型の介在部材8を用いることが可能で、この実施形態の場合、介在部材8の山頂部12は、矢板継手部材3に溶接してあり、山頂部12の下方空間に接着材9を充填して、鋼管1と矢板継手部材3とを接合してある。
また、別の実施形態として、図8に示すように、横断面形状が「U」字形状の一対の介在部材8を、前記隙間Sに対向する状態で配置し、一対の介在部材8どうしをボルト13によって近接方向に引き寄せることで、楔と同じ作用で、介在部材8の外周面を鋼管矢板Pの外周面と、矢板継手部材3の外周面に圧接させ、前記隙間Sを塞ぐ状態で接合してある。この実施形態の場合、接着材9を使用しないことも可能である。但し、好ましくは、接着材9を併用するのがよい。
また、別の実施形態としては、図9に示すように、横断面形状が鋼管1の外周面に沿った円弧板形状の介在部材8を用いることが可能で、この実施形態の場合、介在部材8の上面14は、矢板継手部材3の外周面に溶接してあり、下面15は、鋼管1の外周面に接着してある。
3 矢板継手部材(継手に相当)
8 介在部材
9 接着材
J 接合部
Claims (4)
- 鋼管の外周面に、隣接管との継手が長手方向に沿って接合されている鋼管矢板であって、
前記鋼管は、鋼管本体と、前記鋼管本体の長手方向の両端に設けられた機械継手部材とから構成され、
前記継手は、前記鋼管本体の外周面及び前記機械継手部材の外周面の前記鋼管の管軸芯方向の全長にわたる長さを有する一体の鋼材から構成されるとともに、前記鋼管本体の外周面及び前記機械継手部材の外周面に前記全長にわたって接合され、
前記鋼管本体と前記継手との接合手段は溶接を用いてあり、前記機械継手部材と前記継手との接合手段は溶接以外の接合手段を用いてある鋼管矢板。 - 前記機械継手部材と前記継手との前記接合手段は、接着材を用いてある請求項1に記載の鋼管矢板。
- 前記機械継手部材と前記継手との前記接合手段は、前記機械継手部材と前記継手との間に介在部材を介して構成してある請求項1に記載の鋼管矢板。
- 前記介在部材と前記継手とは、溶接によって接合してあり、
前記介在部材と前記鋼管とは、接着材によって接合してある請求項3に記載の鋼管矢板。
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