JP6186190B2 - レトルト調味液及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レトルト調味液及びその製造方法、並びに辛味の刺激及び塩かどの軽減方法に関する。更に詳しくは、本発明は、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激(カド)や塩かどが軽減されたレトルト調味液及びその製造方法、並びに辛味の刺激及び塩かどの軽減方法に関する。
従来より、ドレッシングや鍋つゆ用の調味液など、様々なレトルト調味液が検討されている。そして、近年では、消費者の好みの多様化に伴って、調味液における、味のまろやかさ、コク味、及び濃厚感等を高める研究が行われている。例えば、コク味を付与するために、糖類(特にフラクトース)を配合した調味料等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−125805号公報
ところで、レトルト調味液には、調味料として香辛料等の辛味成分が配合されているものがある。しかしながら、唐辛子等の香辛料を含有するレトルト調味液(特に、加熱して用いられる鍋つゆ用の調味液等)では、喫食時における辛味や塩味による刺激(カド)が強いため、それらの刺激が緩和された調味液の開発が望まれている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激(カド)や塩かどが軽減されたレトルト調味液及びその製造方法、並びに辛味の刺激及び塩かどの軽減方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1]唐辛子由来のカプサイシン類と、水と、pH調整剤と、を含有しており、レトルト加熱処理されたレトルト調味液であって、
本レトルト調味液のpHは6.0〜6.9であり、
前記カプサイシン類の含有割合は、0.2〜30質量ppmであり、
前記pH調整剤は、炭酸塩であることを特徴とするレトルト調味液。
]加熱して鍋物用調味液として用いられる前記[1]に記載のレトルト調味液。
]唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤の炭酸塩と、を混合して、原料混合物を調製する工程と、
得られた原料混合物をレトルト加熱処理することにより、pH6.0〜6.9のレトルト調味液を調製する工程と、を備えており、
前記唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合が、0.2〜30質量ppmであることを特徴とするレトルト調味液の製造方法。
]唐辛子及び/又はその抽出物を含有するレトルト調味液における、辛味の刺激及び塩かどの軽減方法であって、
唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤の炭酸塩と、を混合して、原料混合物を調製する工程と、
得られた原料混合物をレトルト加熱処理することにより、pH6.0〜6.9のレトルト調味液を調製する工程と、を備えており、
前記唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合を、0.2〜30質量ppmとすることを特徴とする辛味の刺激及び塩かどの軽減方法。
本発明のレトルト調味液によれば、pHが特定の範囲に調整されているため、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激(カド)や塩かどが軽減され、マイルド感があり(即ち、口当たりが柔らかく)、嗜好性の高いものとすることができる。
また、pH調整剤が炭酸塩である場合には、辛味の刺激(カド)や塩かどをより軽減することができ、マイルド感をより向上させることができる。
更に、加熱して鍋物用調味液として用いられる場合には、喫食時の調味液の温度が高くなっていても、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激(カド)や塩かどを十分に軽減することができ、マイルド感があり(即ち、口当たりが柔らかく)、嗜好性の高いものとすることができる。
本発明のレトルト調味液の製造方法によれば、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激や塩かどが軽減され、マイルド感があり、嗜好性の高いレトルト調味液を容易に製造することができる。
本発明の辛味の刺激及び塩かどの軽減方法によれば、唐辛子及び/又はその抽出物を含有するレトルト調味液において、唐辛子等による香辛料の風味を低下させることなく、辛味の刺激及び塩かどを軽減することができ、マイルド感を付与することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]レトルト調味液
本発明のレトルト調味液は、唐辛子由来のカプサイシン類と、水と、pH調整剤と、を含有しており、レトルト加熱処理されている。
上記唐辛子の種類等は特に限定されず、辛味成分であるカプサイシン類を含有していればよい。
上記カプサイシン類としては、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン等が挙げられる。これらは、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
本発明のレトルト調味液における上記カプサイシン類の含有割合は、0.2〜30質量ppmであり、好ましくは0.5〜20質量ppm、更に好ましくは1.0〜12質量ppmである。この含有割合が、30質量ppmを超える場合、pH調整や加熱処理を施しても、辛味の刺激や塩かどが軽減されたレトルト調味液とすることが難しく好ましくない。一方、0.2質量ppm未満の場合、香辛料としての十分な風味を有したレトルト調味液とすることが難しく好ましくない。
尚、このカプサイシン類の含有量は、高速液体クロマトグラフ法によって、測定することができる。
上記pH調整剤としては、例えば、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩等が挙げられるが、本発明では少なくとも炭酸塩が用いられる
上記炭酸塩としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
上記リン酸塩としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等が挙げられる。
上記酢酸塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられる。
これらのなかでも、辛味の刺激や塩かどの軽減効果の観点から、炭酸塩が好ましく、特に炭酸カリウムであることが好ましい。
尚、これらのpH調整剤は、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。
本発明のレトルト調味液は、唐辛子由来のカプサイシン類及びpH調整剤以外にも、他の原料を含有していてもよい。
上記他の原料としては、例えば、調味料、油分、具材及び添加剤等が挙げられる。
上記調味料としては、食塩、上白糖等の糖類、味噌、酢、みりん、醤油等の基本調味料、農産物(例えば、胡麻、ニンニク、生姜、山椒等)、畜産物、水産物等から得られる天然調味料、アルコール、旨味調味料、甘味料、香辛料等が挙げられる。
上記油分は、食品に用いることができるものであれば特に限定されず、植物性であっても、動物性であってもよい。具体的には、例えば、菜種油、ごま油、大豆油等の植物性油脂や、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油等の動物性油脂を挙げることができる。更に、この油分は、ビーフエキス、ポークエキス、チキンエキス等のエキス類に由来する油分(即ち、エキス類に含まれる油分)であってもよい。
上記具材としては、畜産物、農産物、水産物等から得られる具材が挙げられる。
上記添加剤としては、例えば、粘度調整剤、品質改良剤、香料、保存料、安定剤、着色剤、乳化剤、酸化防止剤等が挙げられる。
これらの他の原料は、1種のみ含有されていてもよいし、2種以上含有されていてもよい。尚、これらの他の原料の形態は特に限定されず、液体、ペースト状及び粉末等のいずれであってもよい。
本発明のレトルト調味液は、pHが6.0〜6.9であり、より好ましくは6.0〜6.7、更に好ましくは6.2〜6.7である。このpHが、6.9を超える場合、pH調整や加熱処理を施しても、辛味の刺激や塩かどが軽減されたレトルト調味液とすることが難しく好ましくない。一方、6.0未満の場合も同様に、pH調整や加熱処理を施しても、辛味の刺激や塩かどが軽減されたレトルト調味液とすることが難しく好ましくない。
本発明のレトルト調味液における粘度(20℃)は特に限定されない。この粘度は3000cp以下(通常、0.1cp以上)であることが好ましく、より好ましくは1200cp以下、更に好ましくは500cp以下である。
尚、この粘度は、B型粘度計等の粘度測定装置により測定することができる。
本発明のレトルト調味液における固形分濃度は特に限定されない。この固形分濃度は、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは1〜30質量%である。
尚、ここでいう「固形分」とは、レトルト調味液中に含まれる成分のうち、水分を除いたものを示す。水分の測定法としては、例えば、減圧加熱乾燥法が挙げられる。この方法においては、一般に水銀柱5〜100mmの減圧度で、熱によって変化しやすい成分を含むレトルト調味液については60〜70℃、比較的安定な調味液については90〜100℃で加熱したときの乾燥減量を水分量とする。但し、調味液にアルコール、有機酸等の揮発性の高い成分が含まれる場合には、これらの成分の含有量を測定し、乾燥減量よりこれらの成分の含有量を減じた量を水分量とする。
本発明のレトルト調味液は、レトルト加熱処理されたものである。そのため、製品の常温保存が可能とされている。レトルト加熱処理されていない場合には、本発明における効果が得られ難いうえ、十分な保存安定性を得ることができないおそれがある。
尚、本発明のレトルト調味液は、加熱せずにそのまま用いてもよいし、電子レンジ等で加熱して用いてもよい。
また、本発明のレトルト調味液の種類は特に限定されない。具体的には、例えば、つゆ、鍋物用調味液(いわゆる鍋つゆ)、たれ類等を挙げることができる。更に、このレトルト調味液は、水等に希釈して使用する濃縮調味料とすることもできる。
特に、本発明のレトルト調味液は、加熱して鍋物用調味液として用いられるものとすることができる。通常、香辛料を含む調味液を加熱して喫食する場合には、辛味の刺激や塩かどの程度が増大して感じられるが、本発明品では、喫食時の調味液の温度が高くなっていても、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激や塩かどを十分に軽減することができ、マイルド感があり(即ち、口当たりが柔らかく)、嗜好性の高いものとすることができる。
[2]レトルト調味液の製造方法
本発明のレトルト調味液の製造方法は、唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤の炭酸塩と、を混合して、原料混合物を調製する工程と、得られた原料混合物をレトルト加熱処理することにより、pH6.0〜6.9のレトルト調味液を調製する工程と、を備えている。
上記原料混合物を調製する工程では、唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤と、が混合される。
唐辛子の種類等は上述のように特に限定されず、辛味成分であるカプサイシン類を含有していればよい。原料として用いられる唐辛子の形態は特に限定されない。具体的には、例えば、生の唐辛子をそのまま用いてもよいし、乾燥品や冷凍品を用いてもよい。尚、これらはペースト状や粉末状に加工されたものであってもよい。また、抽出物(エキス)の形態で使用することもできる。抽出物の溶媒としては、例えば、水やアルコール、ヘキサン、アセトン等の有機溶媒、更には、アルコール等の親水性有機溶媒と水との混合溶媒を用いることができる。また、油等で抽出されたラー油等の唐辛子抽出物や、豆板醤及び七味唐辛子等の唐辛子を含有する加工品を原料として使用してもよい。
また、上記pH調整剤としては、上述の説明をそのまま適用することができる。
各原料を混合する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、混合槽を用いて各原料を混合し、均一化することにより原料混合物を調製することができる。
また、原料を混合する際には、唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤と、を他の原料と同時に混合してもよいし、ダマになるのを防止するために、各原料を少量ずつ混合していってもよい。尚、混合槽は複数用いることができ、原料を複数に分けて混合した後に、全体を混合してもよい。
この際、操作性向上の観点から、必要に応じて混合槽を加温することにより、油分や水への原料の溶解性を高めることができる。
この工程で調製される原料混合物のpHは、5.0〜10.0であることが好ましく、より好ましくは5.5〜9.5、更に好ましくは6.0〜9.0である。このpHが、上記範囲内である場合、香辛料としての十分な風味を低下させることなく、辛味の刺激(カド)や塩かどを軽減してマイルド感を付与することができ、嗜好性の高いものとすることができるため好ましい。
上記レトルト調味液を調製する工程では、上記原料混合物がレトルト加熱処理され、pH6.0〜6.9(特に6.0〜6.7、更には6.2〜6.7)のレトルト調味液が調製される。
レトルト加熱処理の条件は特に限定されないが、例えば、加熱温度は100℃以上(特に100〜140℃、更には110〜130℃)とすることができる。また、加熱時間は1分間以上(特に1〜60分間、更には5〜45分間)とすることができる。更に、レトルト加熱処理時の圧力条件は特に限定されないが、例えば、蒸気式のレトルト装置や熱水レトルト装置等を用いて、圧力0.75kg/cm(ゲージ圧)以上(特に0.8〜2.0kg/cm、更には1.0〜1.75kg/cm)とすることができる。
また、本発明のレトルト調味液の製造方法では、レトルト調味液における唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合は、0.2〜30質量ppmであり、好ましくは0.5〜20質量ppm、更に好ましくは1.0〜12質量ppmである。
[3]辛味の刺激及び塩かどの軽減方法
本発明の辛味の刺激及び塩かどの軽減方法は、唐辛子及び/又はその抽出物を含有するレトルト調味液における、辛味の刺激及び塩かどの軽減方法であって、唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤の炭酸塩と、を混合して、原料混合物を調製する工程と、得られた原料混合物をレトルト加熱処理することにより、pH6.0〜6.9のレトルト調味液を調製する工程と、を備えている。そして、唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合を、0.2〜30質量ppmとすることを特徴とする。
尚、上記原料混合物を調製する工程、及び上記レトルト調味液を調製する工程については、それぞれ、上述のレトルト調味液の製造方法における説明をそのまま適用することができる。
また、本発明の辛味の刺激及び塩かどの軽減方法では、上述のように、レトルト調味液における唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合を0.2〜30質量ppmとするものであり、0.5〜20質量ppmとすることがより好ましく、1.0〜12質量ppmとすることが特に好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]レトルト調味液の調製
(実験例1〜19)
表1及び表2に示す各原料を、最終濃度が表1及び表2の含有割合(質量%)となるように配合した後、水とpH調整剤を添加して、ホモミキサーで均質化し、総量が100質量%となるまで更に水を加えることにより、原料混合物を調製した。
次いで、得られた原料混合物をスタンディング・レトルトパウチに充填し、脱気した後、ヒートシール(密閉)した。その後、これを加圧加熱殺菌釜に入れ、120℃、45分の条件でレトルト殺菌を行い、実験例1〜19のレトルト調味液を調製した。
この際、各実験例のレトルト調味液におけるpHとカプサイシン量を測定し、その結果を表1及び表2に併記した。また、実験例1、2、11〜16、18及び19については、原料混合物のpHも測定し、その結果を表1及び表2に併記した。
尚、カプサイシン量については、レトルト調味液中における、カプサイシン類の量(質量ppm)を、東ソー株式会社製、TSKgel ODS−100V 5μmカラム(内径4.6mm×25cm)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:リン酸二水素ナトリウム溶液(pH4.0)/アセトニトリル=50/50の分析条件で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。
Figure 0006186190
Figure 0006186190
[2]評価
調味料専門のパネラーに、各実験例のレトルト調味液を食してもらい、(a)辛味成分の刺激の程度、及び(b)塩かどの程度について、下記のように評価した。その結果を表1及び表2に併記する。
(a)香辛料の風味の程度
レトルト調味液を食してもらい、下記の4段階で評価した。
「◎」;十分な風味がある
「○」;風味がある
「△」;やや風味がある
「×」;風味がない
(b)辛味成分の刺激の程度
レトルト調味液を食してもらい、下記の4段階で評価した。
「◎」;十分に低減されている
「○」;低減されている
「△」;やや低減されている
「×」;低減されていない
(c)塩かどの程度
レトルト調味液を食してもらい、下記の4段階で評価した。
「◎」;十分に低減されている
「○」;低減されている
「△」;やや低減されている
「×」;低減されていない
<総合評価>
上記(a)〜(c)の各評価結果を下記の基準で評価し、その結果を表1及び表2に併記した。
「◎」;非常に好ましい[上記(a)−(c)の評価結果において、全ての評価結果が「◎」である。]
「○」;好ましい[上記(a)−(c)の評価結果において、「○」の結果を含み、「△」又は「×」を含まない。]
「△」;やや好ましい[上記(a)−(c)の評価結果において、「△」の結果を含み、「×」を含まない。]
「×」;好ましくない[上記(a)−(c)の評価結果に「×」が1つ以上ある。]
[3]評価結果
<pH調整剤の有無及び種類の影響>
表1及び表2によれば、pH調整剤を含有しておらず、レトルト調味液のpHが5.8であり、カプサイシン量が5.4〜6.1質量ppmの実験例1及び17では、香辛料の風味の程度は「◎」であったが、辛味成分の刺激の程度及び塩かどの程度が共に「×」であり、総合評価は「×」であった。
これらに対して、pH調整剤を含有しており、レトルト調味液のpHが6.4であり、カプサイシン量が5.4〜7.9質量ppmの実験例2、3、18及び19では、香辛料の風味の程度が「◎」であり、辛味成分の刺激の程度が「◎」又は「○」であり、塩かどの程度が「◎」、「○」又は「△」であり、総合評価は「◎」、「○」又は「△」であった。
<カプサイシン量の影響>
表1によれば、pH調整剤を含有しており、レトルト調味液のpHが6.4であり、カプサイシン量が0.09質量ppmと少ない実験例4では、辛味成分の刺激の程度及び塩かどの程度は共に「◎」であったが、香辛料の風味の程度が「×」であり、総合評価は「×」であった。また、pH調整剤を含有しており、レトルト調味液のpHが6.4であり、カプサイシン量が45質量ppmと多い実験例10では、香辛料の風味の程度及び塩かどの程度は共に「◎」であったが、辛味成分の刺激の程度が「×」であり、総合評価は「×」であった。
これらに対して、pH調整剤を含有しており、レトルト調味液のpHが6.4であり、カプサイシン量が0.45〜27質量ppmの実験例2及び5〜9では、香辛料の風味の程度が「◎」、「○」又は「△」であり、辛味成分の刺激の程度が「◎」又は「○」であり、塩かどの程度が「◎」であり、総合評価は「◎」、「○」又は「△」であった。
<レトルト調味液のpHの影響>
表2によれば、pH調整剤を含有しており、カプサイシン量が0.60質量ppmであり、レトルト調味液のpHが5.9と低い実験例11では、香辛料の風味の程度は「◎」であったが、辛味成分の刺激の程度及び塩かどの程度が共に「×」であり、総合評価は「×」であった。また、pH調整剤を含有しており、カプサイシン量が0.60質量ppmであり、レトルト調味液のpHが7.0と高い実験例16では、香辛料の風味の程度は「◎」であり、塩かどの程度は「△」であったが、辛味成分の刺激の程度が「×」であり、総合評価は「×」であった。
これらに対して、pH調整剤を含有しており、カプサイシン量が0.60質量ppmであり、レトルト調味液のpHが6.0〜6.9の実験例2及び12〜15では、香辛料の風味の程度が「◎」であり、辛味成分の刺激の程度が「◎」、「○」又は「△」であり、塩かどの程度が「◎」、「○」又は「△」であり、総合評価は「◎」、「○」又は「△」であった。
以上のことから、唐辛子由来のカプサイシン類と、水と、pH調整剤と、を含有しており、レトルト調味液のpHが6.0〜6.9であり、カプサイシン量が0.45〜27質量ppmの実験例2、3、5〜9、12〜15、18及び19の各レトルト調味液では、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激(カド)や塩かどが軽減され、マイルド感があり(即ち、口当たりが柔らかく)、嗜好性の高いものとすることができた。
また、実験例2及び3の結果から、pH調整剤として、炭酸ナトリウムよりも炭酸カリウムを用いた方が、塩かどの程度が軽減されることが確認できた。
更に、実験例17に対する、実験例18及び19の結果から、豆板醤やニンニク等の香味原料を更に添加した場合であっても、本願の範囲内である場合には、香辛料としての十分な風味を有しながら、辛味の刺激や塩かどが軽減され、マイルド感があり、嗜好性の高いレトルト調味液を調製できることが確認できた。
尚、他の原料の添加等により、原料混合物(レトルト加熱前)のpHを5.0〜10.0に変更したこと以外は、実験例2と同様にしてレトルト調味液を調製した場合であっても、加熱後のpHが6.0〜6.9であれば、本発明の効果を確認することができた。
本発明によれば、唐辛子及び/又はその抽出物を含有するレトルト調味液において、香辛料としての十分な風味を低下させることなく、辛味の刺激(カド)や塩かどを軽減し、マイルド感を付与することができ、嗜好性の高いレトルト調味液を得ることができる。そのため、レトルト調味液の分野で幅広く利用することができる。

Claims (4)

  1. 唐辛子由来のカプサイシン類と、水と、pH調整剤と、を含有しており、レトルト加熱処理されたレトルト調味液であって、
    本レトルト調味液のpHは6.0〜6.9であり、
    前記カプサイシン類の含有割合は、0.2〜30質量ppmであり、
    前記pH調整剤は、炭酸塩であることを特徴とするレトルト調味液。
  2. 加熱して鍋物用調味液として用いられる請求項1に記載のレトルト調味液。
  3. 唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤の炭酸塩と、を混合して、原料混合物を調製する工程と、
    得られた原料混合物をレトルト加熱処理することにより、pH6.0〜6.9のレトルト調味液を調製する工程と、を備えており、
    前記唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合が、0.2〜30質量ppmであることを特徴とするレトルト調味液の製造方法。
  4. 唐辛子及び/又はその抽出物を含有するレトルト調味液における、辛味の刺激及び塩かどの軽減方法であって、
    唐辛子及び/又はその抽出物と、水と、pH調整剤の炭酸塩と、を混合して、原料混合物を調製する工程と、
    得られた原料混合物をレトルト加熱処理することにより、pH6.0〜6.9のレトルト調味液を調製する工程と、を備えており、
    前記唐辛子由来のカプサイシン類の含有割合を、0.2〜30質量ppmとすることを特徴とする辛味の刺激及び塩かどの軽減方法。
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