JP6193582B2 - 調味液 - Google Patents
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Description
[1]納豆と混合して、調味納豆を得るための納豆用調味液であって、
粘度調整剤を含み、
20℃における粘度が800〜4000cpであり、
前記納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(0.5〜5)で用いられるものであり、
前記調味納豆は、食材と混合して使用されることを特徴とする納豆用調味液
[2]20℃における粘度が1800〜3500cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(1〜4)で用いられる前記[1]に記載の納豆用調味液。
[3]固形分濃度が10〜50質量%である前記[1]又は[2]に記載の納豆用調味液。
[4]前記粘度調整剤は、キサンタンガム、でんぷん、加工でんぷん、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の納豆用調味液。
[5]前記粘度調整剤として、でんぷん又は加工でんぷんを含み、これらの含有割合の合計が、調味液全体を100質量%とした場合に、4.5質量%以下である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の納豆用調味液。
[6]前記粘度調整剤として、キサンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン又はカルボキシメチルセルロースを含み、これらの含有割合の合計が、納豆用調味液全体を100質量%とした場合に、1質量%以下である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の納豆用調味液。
[7]油分を含有する前記[1]乃至[6]のうちのいずれかに記載の納豆用調味液。
[8]前記食材は、麺類及び豆腐から選ばれる少なくとも一種である前記[1]乃至[7]のうちのいずれかに記載の納豆用調味液。
[9]納豆と、前記[1]乃至[8]のいずれかに記載の納豆用調味液とを、
質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(0.5〜5)の割合で混合することを特徴とする調味納豆の製造方法。
[10]粘度調整剤を含む納豆用調味液の使用方法であって、
前記納豆用調味液は、20℃における粘度が800〜4000cpであり、
前記納豆用調味液の納豆に対する使用量が、質量比(納豆:納豆用調味液)で1:(0.5〜5)の範囲であることを特徴とする納豆用調味液の使用方法。
[11]納豆用調味液の20℃における粘度が1800〜3500cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(1〜4)で使用する前記[10]に記載の納豆用調味液の使用方法。
[12]粘度調整剤を含む納豆用調味液の使用方法であって、
前記納豆用調味液は、20℃における粘度が1800〜3500cpであり、
前記納豆用調味液の納豆に対する使用量が、質量比(納豆:納豆用調味液)で1:(1〜4)の範囲で納豆と混合して調味納豆を得て、
前記調味納豆を食材と混合して使用することを特徴とする納豆用調味液の使用方法。
[13]粘度調整剤を含む納豆用調味液を納豆に添加する納豆の風味向上方法であって、
前記納豆用調味液の20℃における粘度は、1800〜3500cpであり、
前記納豆用調味液を、納豆1質量部に対して、1〜4質量部添加することを特徴とする納豆の風味向上方法。
また、調味液の固形分濃度が特定範囲となっている場合には、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、様々な嗜好に応じて風味付けされた調味納豆を得ることができる。
更に、特定の粘度調整剤を、特定の含有割合で用いる場合には、納豆と混ぜ合わせた際に、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、調味液を所定粘度に調整することができる。
また、油分を含有している場合、納豆と混ぜ合わせて得られる調味納豆の風味等をより向上させることができる。
更に、納豆と混ぜ合わせて得られる調味納豆を、食材の調味料として用いる場合には、食材との混ぜ合わせが容易であり、食材にうまく絡ませることができるとともに、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、食材を美味しく調味することができる。
本発明の納豆用調味液は、納豆と混合して、調味納豆を得るための納豆用調味液であって、粘度調整剤を含み、20℃における粘度が800〜4000cpであり、前記納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(0.5〜5)で用いられるものであり、前記調味納豆は、食材と混合して使用されることを特徴とする。
尚、この粘度は、B型粘度計等の粘度測定装置により測定することができる。
尚、粘度調整剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特に、粘度調整剤として、でんぷん又は加工でんぷんを用いる場合には、これらの含有割合の合計が、調味液全体を100質量%とした場合に、4.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1〜4.5質量%、更に好ましくは1.5〜4質量%、特に好ましくは2〜3.5質量%である。これらの含有量が上記範囲内である場合には、納豆と混ぜ合わせた際に、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、調味液を所定粘度に調整することができる。
また、粘度調整剤として、キサンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン又はカルボキシメチルセルロースを用いる場合には、これらの含有割合の合計が、調味液全体を100質量%とした場合に、1質量%以下であることが好ましく、より好ましは0.1〜1質量%、更に好ましくは0.2〜0.9質量%、特に好ましくは0.25〜0.8質量%である。これらの含有量が上記範囲内である場合には、納豆と混ぜ合わせた際に、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、調味液を所定粘度に調整することができる。
上記油分は、食品に用いることができるものであれば特に限定されず、植物性であっても、動物性であってもよい。具体的には、例えば、菜種油、ごま油、大豆油等の植物性油脂や、牛脂、豚脂、鶏脂、魚油等の動物性油脂を挙げることができる。更に、この油分は、ビーフエキス、ポークエキス、チキンエキス等のエキス類に由来する油分(即ち、エキス類に含まれる油分)であってもよい。これらの油分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。尚、油分は、乳化されていてもよいし、乳化されていてなくてもよい。また、擬乳化と呼ばれる状態のものであってもよい。
この固形分濃度が上記範囲内である場合には、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、様々な嗜好に応じた調味納豆を得ることができる。
尚、ここでいう「固形分」とは、調味液中に含まれる成分のうち、水分を除いたものを示す。水分の測定法としては、例えば、減圧加熱乾燥法が挙げられる。この方法においては、一般に水銀柱5〜100mmの減圧度で、熱によって変化しやすい成分を含む調味液については60〜70℃、比較的安定な調味液については90〜100℃で加熱したときの乾燥減量を水分量とする。但し、調味液にアルコール、有機酸等の揮発性の高い成分が含まれる場合には、これらの成分の含有量を測定し、乾燥減量よりこれらの成分の含有量を減じた量を水分量とする。
尚、たんぱく質の含有量は、ケルダール法(窒素係数;6.25)にて測定することができる。
尚、脂質の含有量は、ソックスレー抽出法にて測定することができる。
尚、灰分の含有量は、直接灰化法にて測定することができる。
尚、炭水化物の含有量は、調味液100質量%から、水分、たんぱく質、脂質及び灰分の各含有量の合計を減じることで算出できる。但し、水分量は、減圧加熱乾燥法にて測定することができる。
尚、ナトリウムの含有量は、原子吸光光度法にて測定することができる。
具体的には、納豆と調味液とを混ぜ合わせることにより、麻婆風味、ジャージャー麺風味、ミートソース風味、納豆パスタソース、肉じゃが風味等の調味納豆を得ることができる。この際、肉類を納豆で代替するような原材料の選択を行うことで、全体的な摂取カロリーを抑えることができる調味液とすることもできる。
上記食材としては、例えば、ご飯、麺類、豆腐、野菜・根菜類等が挙げられる。
原料を混合する際には、粘度調整剤を他の原料と同時に混合してもよいし、ダマになるのを防止するために、粘度調整剤を少量ずつ混合していってもよい。また、混合槽は複数用いることができ、原料を複数に分けて混合した後に、全体を混合してもよい。
この際、操作性向上の観点から、必要に応じて混合槽を加温することにより、油分や水への原料の溶解性を高めることができる。
[1]納豆用の調味液(ジャージャー麺風味)
(1−1)調味液の調製(実験例1〜16)
所定量の水に、キサンタンガム(粘度調整剤)を膨潤させた後、表1及び表2に示すように、他の原材料を加えて均一に混合した。その後、各原材料の含有割合が表1及び表2に示す値となるように、水を混合し、実験例1〜16の各調味液を調製した。
また、実験例6の調味液を分析したところ、水分:55.3質量%、たんぱく質:4.1質量%、脂質:8.3質量%、灰分:4.5質量%、炭水化物:27.8質量%、ナトリウム:1.59質量%であった。
B型粘度計(東機産業株式会社製、型番「BMII」)を用いて、20℃における各調味液の粘度を測定した。
3名のパネラーに、表1及び表2に示す使用比率で各調味液と納豆(約45g)とを混ぜ合わせることにより、調味納豆を調製してもらい、下記の各評価を行った。
尚、比較例1としては、一般に市販されている納豆パックに同包された納豆たれ(株式会社ミツカン製、商品名「秘伝金印くめ納豆」)を使用した。
調味液と納豆との混ぜやすさを下記の基準で評価し、結果を表1及び表2に示した。
「◎」;非常に混ぜやすい
「○」;混ぜやすい
「△」;やや混ぜやすい
「×」;混ぜにくい
調味納豆と食材[麺(約200g)]とを、質量比(調味納豆:食材)で、1:1.4)となるように混ぜ合わせ、調味納豆と食材との絡みを下記の基準で評価し、結果を表1及び表2に示した。
「◎」;非常に絡みやすい
「○」;絡みやすい
「△」;やや絡みやすい
「×」;絡みにくい
上記(b)のように食材と絡めた調味納豆における糸引き感を下記の基準で評価し、結果を表1及び表2に示した。
「◎」;非常に好ましい
「○」;好ましい
「△」;やや好ましい
「×」;好ましくない
上記(b)のように食材と絡めた調味納豆における納豆の風味を下記の基準で評価し、結果を表1及び表2に示した。
「◎」;非常に良い
「○」;良い
「△」;やや良い
「×」;悪い
上記(a)〜(d)の各評価結果を下記の基準で評価し、結果を表1及び表2に示した。
「◎」;非常に好ましい[上記(a)〜(d)の各評価結果が「◎」又は「○」であり、「◎」の数が3つ以上である]
「○」;好ましい[上記(a)〜(d)の各評価結果が「◎」又は「○」であり、「◎」の数が2つ以下である]
「△」;やや好ましい[上記(a)〜(d)の各評価結果に「△」があり、「×」がない]
「×」;好ましくない[上記(a)〜(d)の各評価結果に「×」がある。]
表1及び表2によれば、粘度調製剤としてキサンタンガムを含有しており、粘度が868〜3952cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:調味液)で1:(0.5〜5)である実験例2〜15では、全評価結果が「△」、「○」又は「◎」であった。特に、粘度が1864〜3404cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:調味液)で1:(1〜4)である実験例4〜8、11〜13及び15では、全評価結果が「○」又は「◎」であった。
以上のことから、粘度調整剤により特定の粘度範囲に調整されており、納豆に対して特定の割合で使用される調味液では、納豆との混ぜ合わせが容易であり、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、納豆を調味することができることが確認できた。また、得られた調味納豆は、食材との混ぜ合わせが容易であり、食材にうまく絡ませることができるとともに、納豆独特の糸引き感や風味を損なうことなく、食材を美味しく調味することが確認できた。
また、実験例15及び6の結果より、油分の含有により、納豆風味を向上させることができることが確認できた。
(2−1)調味液の調製(実験例16〜19)
所定量の水に、キサンタンガム(粘度調整剤)を膨潤させた後、表3に示すように、他の原材料を加えて均一に混合した。その後、各原材料の含有割合が表3に示す値となるように、水を混合し、実験例16〜19の各調味液を調製した。
また、実験例19の調味液を分析したところ、水分:79.1質量%、たんぱく質:2.9質量%、脂質:2.8質量%、灰分:3.9質量%、炭水化物:11.3質量%、ナトリウム:1.56質量%であった。
B型粘度計(東機産業株式会社製、型番「BMII」)を用いて、20℃における各調味液の粘度を測定した。
3名のパネラーに、表3に示す使用比率で各調味液と納豆(約50g)とを混ぜ合わせることにより、調味納豆を調製してもらい、下記の各評価を行った。
調味液と納豆との混ぜやすさを下記の基準で評価し、結果を表3に示した。
「◎」;非常に混ぜやすい
「○」;混ぜやすい
「△」;やや混ぜやすい
「×」;混ぜにくい
調味納豆と食材[豆腐(約400g)]とを、質量比(調味納豆:食材)で、1:2)となるように混ぜ合わせ、調味納豆と食材との絡みを下記の基準で評価し、結果を表3に示した。
「◎」;非常に絡みやすい
「○」;絡みやすい
「△」;やや絡みやすい
「×」;絡みにくい
上記(b)のように食材と絡めた調味納豆における糸引き感を下記の基準で評価し、結果を表3に示した。
「◎」;非常に好ましい
「○」;好ましい
「△」;やや好ましい
「×」;好ましくない
上記(b)のように食材と絡めた調味納豆における納豆の風味を下記の基準で評価し、結果を表3に示した。
「◎」;非常に良い
「○」;良い
「△」;やや良い
「×」;悪い
上記(a)〜(d)の各評価結果を下記の基準で評価し、結果を表3に示した。
「◎」;非常に好ましい[上記(a)〜(d)の各評価結果が「◎」又は「○」であり、「◎」の数が3つ以上である]
「○」;好ましい[上記(a)〜(d)の各評価結果が「◎」又は「○」であり、「◎」の数が2つ以下である]
「△」;やや好ましい[上記(a)〜(d)の各評価結果に「△」があり、「×」がない]
「×」;好ましくない[上記(a)〜(d)の各評価結果に「×」がある。]
表3によれば、粘度調製剤として、キサンタンガム、グアーガム及び加工でんぷんのうちの少なくとも1種を含有しており、粘度が1940〜2593cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:調味液)で、1:3である実験例16〜19では、全評価結果が「○」又は「◎」であった。
以上のことから、キサンタンガム以外の粘度調整剤により粘度が調整された調味液であっても、上述の実験例2〜15と同様に好ましい結果が得られた。
Claims (13)
- 納豆と混合して、調味納豆を得るための納豆用調味液であって、
粘度調整剤を含み、
20℃における粘度が800〜4000cpであり、
前記納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(0.5〜5)で用いられるものであり、
前記調味納豆は、食材と混合して使用されることを特徴とする納豆用調味液。 - 20℃における粘度が1800〜3500cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(1〜4)で用いられる請求項1に記載の納豆用調味液。
- 固形分濃度が10〜50質量%である請求項1又は2に記載の納豆用調味液。
- 前記粘度調整剤は、キサンタンガム、でんぷん、加工でんぷん、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の納豆用調味液。
- 前記粘度調整剤として、でんぷん又は加工でんぷんを含み、これらの含有割合の合計が、納豆用調味液全体を100質量%とした場合に、4.5質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の納豆用調味液。
- 前記粘度調整剤として、キサンタンガム、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム、カラギーナン、ペクチン又はカルボキシメチルセルロースを含み、これらの含有割合の合計が、納豆用調味液全体を100質量%とした場合に、1質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の納豆用調味液。
- 油分を含有する請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の納豆用調味液。
- 前記食材は、麺類及び豆腐から選ばれる少なくとも一種である請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の納豆用調味液。
- 納豆と、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の納豆用調味液とを、
質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(0.5〜5)の割合で混合することを特徴とする調味納豆の製造方法。 - 粘度調整剤を含む納豆用調味液の使用方法であって、
前記納豆用調味液は、20℃における粘度が800〜4000cpであり、
前記納豆用調味液の納豆に対する使用量が、質量比(納豆:納豆用調味液)で1:(0.5〜5)の範囲であることを特徴とする納豆用調味液の使用方法。 - 納豆用調味液の20℃における粘度が1800〜3500cpであり、納豆に対する使用量が質量比(納豆:納豆用調味液)で、1:(1〜4)で使用する請求項10に記載の納豆用調味液の使用方法。
- 粘度調整剤を含む納豆用調味液の使用方法であって、
前記納豆用調味液は、20℃における粘度が1800〜3500cpであり、
前記納豆用調味液の納豆に対する使用量が、質量比(納豆:納豆用調味液)で1:(1〜4)の範囲で納豆と混合して調味納豆を得て、
前記調味納豆を食材と混合して使用することを特徴とする納豆用調味液の使用方法。 - 粘度調整剤を含む納豆用調味液を納豆に添加する納豆の風味向上方法であって、
前記納豆用調味液の20℃における粘度は、1800〜3500cpであり、
前記納豆用調味液を、納豆1質量部に対して、1〜4質量部添加することを特徴とする納豆の風味向上方法。
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