JP6183259B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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したがって、特許文献2に記載の技術では、記録用紙(P)の先端位置(Y0)に対応する位置(R1)が、吸熱ロール(132)の位置(R0)に到達する前の状態では、吸熱ロール(132)は離間している。
未定着の現像剤が表面に保持された媒体に接触しながら回転して、現像剤を定着させる熱を媒体に付与する加熱部材と、
前記加熱部材に接触、離間可能に支持され、前記加熱部材との接触時に前記加熱部材から吸熱可能な吸熱部材と、
前記加熱部材の表面において、前記媒体の前端が接触する位置よりも前記加熱部材の表面の回転方向の上流側の領域において前記吸熱部材を接触させると共に、前記媒体の前端が接触する位置では前記吸熱部材を離間させる吸熱部材の接触・離間制御手段と、
外表面に凹凸を有し、前記加熱部材との接触時に、前記加熱部材の表面を均す前記吸熱部材と、
を備えたことを特徴とする。
先行する媒体の搬送方向の後端と後続の媒体の搬送方向の前端との間の紙間領域に対応する前記加熱部材の表面の領域に前記吸熱部材を接触させる前記吸熱部材の接触・離間制御手段、
を備えたことを特徴とする。
未定着の現像剤が表面に保持された媒体に接触しながら回転して、現像剤を定着させる熱を媒体に付与する加熱部材と、
前記加熱部材に接触、離間可能に支持され、前記加熱部材との接触時に前記加熱部材から吸熱可能な吸熱部材と、
前記加熱部材の表面において、前記媒体の前端が接触する位置よりも前記加熱部材の表面の回転方向の上流側の領域において前記吸熱部材を接触させると共に、前記媒体の前端が接触する位置では前記吸熱部材を離間させる吸熱部材の接触・離間制御手段であって、前記媒体の前端が前記加熱部材に接触する時期に対して前記加熱部材が1周する前に前記加熱部材に前記吸熱部材を接触させる前記接触・離間制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
像保持体と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像の形成装置と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体の表面に転写された可視像を定着させる請求項1ないし3に記載の定着装置と、
を備えたことを特徴とする。
請求項1,4に記載の発明によれば、吸熱部材で、吸熱しつつ加熱部材の表面を均すこともできる。
請求項2に記載の発明によれば、先行する媒体で加熱部材に形成された荒れ筋を、後続の媒体が到達する前に、吸熱部材で修復することができる。
請求項3に記載の発明によれば、吸熱部材が加熱部材に接触する期間が加熱部材の1周未満の場合に比べて、光沢の低下をさらに低減することができる。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の画像形成装置の要部の説明図である。
図1、図2において、本発明の実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、プリンタの本体U1と、プリンタの本体U1に媒体を供給する供給装置の一例としてのフィーダーユニットU2と、画像が記録された媒体が排出される排出装置の一例としての排出ユニットU3と、プリンタの本体U1と排出ユニットU3との間を接続する接続部の一例としてのインターフェースモジュールU4と、利用者が操作を行う操作部UIと、を有する。
図1、図2において、前記プリンタの本体U1は、プリンタUの制御を行う制御部Cや、プリンタUの外部に図示しない専用のケーブルを介して接続された情報の送信装置の一例としてのプリント画像サーバCOMから送信された画像情報を受信する図示しない通信部、媒体に画像を記録する画像記録部の一例としてのマーキング部U1a等を有する。前記プリント画像サーバCOMには、ケーブルまたはLAN:Local Area Network等の回線を通じて接続され、プリンタUで印刷される画像の情報が送信される画像の送信装置の一例としてのパーソナルコンピュータPCが接続されている。
前記マーキング部U1aは、像保持体の一例としてY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の各色用の感光体Py,Pm,Pc,Pkと、写真画像等を印刷する場合に画像に光沢を出すための感光体Poと、を有する。感光体Py〜Poは、表面が感光性の誘電体で構成されている。
他の感光体Py,Pm,Pc,Poの周囲にも同様に、帯電器CCy,CCm,CCc,CCo、露光機ROSy,ROSm,ROSc,ROSo、現像器Gy,Gm,Gc,Go、一次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1o、感光体クリーナCLy,CLm,CLc,CLoが配置されている。
マーキング部U1aの上部には、収容容器の一例として、現像器Gy〜Goに補給される現像剤が収容されたトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kk,Koが着脱可能に支持されている。
中間転写ベルトBの表面には、ドライブロールRdの近傍に、中間転写体の清掃器の一例としてのベルトクリーナCLBが配置されている。
前記バックアップロールT2a、二次転写ロールT2b、コンタクトロールT2cにより、実施例1の2次転写器T2が構成されており、一次転写ロールT1y〜T1o、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により、実施例1の転写装置T1,B,T2が構成されている。
2つの給紙トレイTR1,TR2からの搬送路SHが合流した位置に対して記録シートSの搬送方向の下流側には、不要部の除去装置の一例として、記録シートSを予め設定された圧力で挟んで下流側に搬送して、記録シートSの縁の不要部の除去、いわゆる、バリ取りを行うバリ取り装置Btが配置されている。
なお、フィーダーユニットU2にも、給紙トレイTR1,TR2やピックアップロールRp、捌きロールRs、搬送ロールRaと同様に構成された給紙トレイTR3,TR4等が設けられており、給紙トレイTR3,TR4からの搬送路SHは、プリンタの本体U1の搬送路SHに、重送の検知装置Jkの上流側で合流する。
搬送ベルトHBに対して、記録シートSの搬送方向の下流側には、定着装置Fが配置されている。
定着装置Fの下流側には、記録シートSを冷却する冷却装置Coが配置されている。
冷却装置Coの下流側には、記録シートSに圧力を加えて、記録シートSの湾曲、いわゆるカールを補正するデカーラーHdが配置されている。
デカーラーHdの下流側には、記録シートSに記録された画像を読み取る画像読取装置Scが配置されている。
反転路SH2には、正逆回転可能な搬送部材の一例としてのスイッチバックロールRbが複数配置されている。スイッチバックロールRbの上流側には、反転路SH2の上流部から分岐して、搬送路SHの反転路SH2との分岐部よりも下流側に合流する搬送路の一例としての接続路SH3が形成されている。反転路SH2と接続路SH3との分岐部には、搬送方向の切替部材の一例としての第2のゲートGT2が配置されている。
なお、折り返し路SH4の下流側の搬送路SHは、各給紙トレイTR1,TR2の搬送路SHに合流している。
排出ユニットU3には、排出される記録シートSが積載される積載容器の一例としてのスタッカトレイTRhが配置されており、搬送路SHから分岐してスタッカトレイTRhに延びる排出路SH5が設けられている。なお、実施例1の搬送路SHは、排出ユニットU3の右方に、図示しない追加の排出ユニットや後処理装置が追加して装着された場合に、追加された装置に対して記録シートSが搬送可能に構成されている。
前記プリンタUでは、パーソナルコンピュータPCから送信された画像情報を、プリント画像サーバCOMを介して受信すると、画像形成動作であるジョブが開始される。ジョブが開始されると、感光体Py〜Poや中間転写ベルトB等が回転する。
感光体Py〜Poは、図示しない駆動源により回転駆動される。
帯電器CCy〜CCoは、予め設定された電圧が印加されて、感光体Py〜Poの表面を帯電させる。
露光機ROSy〜ROSoは、制御部Cからの制御信号に応じて、潜像を書き込む光の一例としてのレーザー光Ly,Lm,Lc,Lk,Loを出力して、感光体Py〜Poの帯電された表面に静電潜像を書き込む。
現像器Gy〜Goは、感光体Py〜Poの表面の静電潜像を可視像に現像する。
トナーカートリッジKy〜Koは、現像器Gy〜Goにおける現像に伴って消費された現像剤の補給を行う。
感光体クリーナCLy〜CLoは、一次転写後に感光体Py〜Poの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
中間転写ベルトBは、感光体Py〜Poに対向する一次転写領域を通過する際に、O,Y,M,C,Kの順に、画像が転写されて積層され、2次転写器T2に対向する2次転写領域Q4を通過する。なお、単色画像の場合は、1色のみの画像が転写されて2次転写領域Q4に送られる。
捌きロールRsは、ピックアップロールRpから送り出された記録シートSを1枚ずつ分離して捌く。
バリ取り装置Btは、通過する記録シートSに予め設定された圧力を印加してバリを除去する。
重送の検知装置Jkは、通過する記録シートSの厚さを検知することで、記録シートSの重送を検知する。
補正ロールRcは、通過する記録シートSを、図示しない壁面に接触させてスキューを補正する。
レジストレーションロールRrは、中間転写ベルトBの表面の画像が2次転写領域Q4に送られる時期に合わせて、記録シートSを送り出す。
ベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4で画像が転写された後の中間転写ベルトBの表面に残留した現像剤を除去して清掃する。
搬送ベルトT2e,HBは、2次転写器T2で画像が転写された記録シートSを表面に保持して下流側に搬送する。
冷却装置Coは、定着装置Fで加熱された記録シートSを冷却する。
デカーラーHdは、冷却装置Coを通過した記録シートSに圧力を加えて、記録シートSの湾曲、いわゆるカールを除去する。
画像読取装置Scは、デカーラーHdを通過した記録シートSの表面の画像を読み取る。
排出トレイTRhに排出される記録シートSは、搬送路SHを搬送され、スタッカトレイTRhに排出される。このとき、記録シートSの表裏が反転された状態でスタッカトレイTRhに排出される場合、搬送路SHから反転路SH2に一旦搬入され、記録シートSの搬送方向の後端が第2のゲートGT2を通過後、第2のゲートGT2が切り替わってスイッチバックロールRbが逆回転をして、接続路SH3を搬送されてスタッカトレイTRhに搬送される。
スタッカトレイTRhは、記録シートSが積載され、記録シートSの積載量に応じて、最上面が予め設定された高さとなるように、積載板TRh1が自動的に昇降する。
図3は実施例1の定着装置の説明図である。
図4は実施例1の吸熱部材の拡大説明図である。
図2〜図4において、実施例1の定着装置Fでは、加熱ロールFhに対向して、吸熱部材の一例としてのコンディショニングロール1が配置されている。図4において、コンディショニングロール1は、回転軸2が軸受け部材の一例としてのベアリング3に回転可能に支持されている。コンディショニングロール1が加熱ロールFhに対して接触、離間する方向に沿って、ベアリング3は軸受けの支持体4に移動可能に支持されている。
軸受けの支持体4とベアリング3との間には、付勢部材の一例としてのバネ6が支持されている。バネ6は、コンディショニングロール1を加熱ロールFhに向かう方向に押している。
図6は実施例1の吸熱部材の移動の説明図であり、図6Aは非吸熱位置に移動した状態の説明図、図6Bは吸熱位置に移動した状態の説明図である。
図4において、回転軸2の端部には、接触・離間部材の一例としての偏心カム7が配置されている。偏心カム7は、回転軸の一例としてのカム軸7aに、駆動源の一例としてのモータM1から駆動が伝達される。図5において、実施例1の偏心カム7は、回転中心7aからの径が最小の最小位置P1から周方向に離れるにつれて径が大きくなる昇降面7bと、昇降面7bに接続され且つ回転中心7aからの径が一定の円弧面7cと、を有する。したがって、最小位置P1が回転軸2に接触した状態では、図6Bに示すように、コンディショニングロール1は、吸熱位置の一例として、加熱ロールFhに接触した接触位置に移動する。そして、円弧面7cが回転軸2に接触した状態では、図6Aに示すように、コンディショニングロール1は、非吸熱位置の一例として、加熱ロールFhから離間した離間位置に移動する。
図1、図2において、実施例1のプリンタの本体U1では、媒体の搬送路SH上に、シートSを検知する検知部材の一例としてのシートセンサSN1が配置されている。実施例1のシートセンサSN1は、定着領域Q5に対して、シートSの搬送方向の上流側に、加熱ロールFhの1周分の周長L1に、定着領域Q5から加熱ロールFhの回転方向の上流側に向けてコンディショニングロール1との接触位置1aまでの距離L1aを加えた距離だけ離れた位置に配置されている。すなわち、シートセンサSN1は、距離(L1+L1a)だけ定着領域Q5よりも上流側の位置に配置されている。
接触時期の判別手段C1は、コンディショニングロール1を加熱ロールFhに接触させる時期になったか否かを判別する。実施例1の接触時期の判別手段C1は、シートSの先端がシートセンサSN1の位置を通過した場合に、コンディショニングロール1を加熱ロールFhに接触させる時期になったと判別する。また、実施例1の接触時期の判別手段C1は、連続してシートSが通過する場合には、先行するシートSの後端が定着領域Q5を通過した場合に、シートSの後端が接触していた加熱ロールFhの表面がコンディショニングロール1の位置に到達した場合に、コンディショニングロール1を加熱ロールFhに接触させる時期になったと判別する。具体的には、シートSの搬送方向の長さと搬送速度とに応じて、シートセンサSN1を前端が通過してから、シートSの後端が接触していた加熱ロールFhの表面がコンディショニングロール1の位置に到達するまでの時間が予め測定、設定されており、設定された時間が経過した場合に、コンディショニングロール1を加熱ロールFhに接触させる時期になったと判別する。
冷却制御手段の一例としてのファン制御手段C4は、ファン12を介して、コンディショニングロール1の冷却を制御する。実施例1のファン制御手段C4は、印刷動作実行中は、コンディショニングロール1や近傍の加熱ロールFhの温度が低下しすぎないように、待機中の場合に比べて、ファン12を低回転速度で回転させる。
図7は実施例1のコンディショニングロールの表面の説明図であり、図7Aは拡大図、図7Bは皮膜の原始的な構造の説明図である。
図7Aにおいて、実施例1のコンディショニングロール1は、ロール本体21の表面21aに、皮膜層の一例としてのコート層22が形成されている。実施例1のコート層22は、球状アルミナ22aが分散されており、図7Bに示すような三次元架橋されたシロキサン骨格の皮膜22bにより構成されている。実施例1の球状アルミナ22aとしては、加熱ロールFhの表面を均すために、平均粒径が5μm以下のものが好適に使用可能であり、例えば、平均粒径(d50)が2.5μm〜4.5μmの新日鉄住金マテリアルズ株式会社 マイクロン社製のAX3-15が好適に使用可能である。
よって、実施例1では、コンディショニングロール1の表面には、球状アルミナ22aが分散された皮膜層22に起因する微小な凹凸が形成される。
図8は実施例1の作用説明図であり、図8Aはコンディショニングロールの接触時期の説明図、図8Bはコンディショニングロールの離間時期の説明図、図8Cはシートが定着領域に進入した状態の説明図である。
前記構成を備えた実施例1のプリンタUでは、図8Aにおいて、定着領域Q5にシートSの搬送方向の前端が進入する前に、シートセンサSN1の位置にシートSの前端が到達すると、コンディショニングロール1が加熱ロールFhに接触する。コンディショニングロール1が加熱ロールFhに接触すると、加熱ロールFhの表面の熱がコンディショニングロール1に奪われて冷却される。
したがって、図8Cにおいて、シートSが定着領域Q5に進入する際には、シートSには、コンディショニングロール1が離間した後の加熱ロールFhの表面が接触する。
図9Aにおいて、コンディショニングロール1が設けられていない従来の構成では、シートSの前端が突入した場合に、加熱ロールFhの表面の熱がシートSや現像剤に奪われて、急激な温度変化が生じる。このとき、加熱ロールFhの温度が、定着不良が発生しない下限温度T0を下回った状況まで低下することがある。このときに、ヒータhがオンになったとしても、シートSに接触した加熱ロールFhの面が1周する間に、温度が下限温度T0以上にならずに、シートSに2周目の面が接触することがある。
特許文献2に記載の技術では、シートSの前端が突入する位置に合わせて吸熱ロールを接触させて温度を下げており、シートSの温度低下に、吸熱ロールの温度低下が加算されてしまい、さらなる温度低下を招く恐れがある。
温度低下に対応するために、定着温度T1を高く設定すると、消費電力が多くなったり、最悪の場合は発火する恐れが高くなる問題もある。
図10A、図10Bにおいて、実施例1のプリンタUでは、連続してシートSの定着が行われる場合には、先行のシートSの後端が通過した後、後端に対応する加熱ロールFhの表面の位置がコンディショニングロール1の位置に到達すると、コンディショニングロール1が加熱ロールFhに接触する。すなわち、先行のシートSの後端が通過した後、加熱ロールFhが、定着領域Q5からコンディショニングロール1の位置までの周長L1aだけ回転した場合に、コンディショニングロール1が加熱ロールFhに接触する。そして、図10Cに示すように、後続のシートSの前端が、定着領域Q5よりも上流側に距離L1aの位置に到達すると、コンディショニングロール1が加熱ロールFhから離間する。
また、実施例1では、コンディショニングロール1の表面には、球状アルミナ22aが分散された皮膜層22で、微小な凹凸が形成されている。ここで、先行シートSの前端が定着領域Q5に進入する際に、用紙の縁、エッジが加熱ロールFhに衝突する形となり、加熱ロールFhの表面に筋状の凹凸、いわゆる、荒れ筋が発生することがある。荒れ筋が発生すると、後続のシートSの定着時に、周期的な定着不良部分が発生する恐れがある。これに対して、実施例1のコンディショニングロール1では、インターイメージ領域において、加熱ロールFhに接触している。したがって、先行シートSで発生した荒れ筋が、コンディショニングロール1との接触で、ローラに研磨される形で均される。したがって、荒れ筋による悪影響が抑制される。
これらに対して、実施例1では、1つのコンディショニングロール1で、加熱ロールFhの吸熱と均しが可能になっている。また、インターイメージ領域で毎回荒れ筋の修復が行われており、荒れ筋の成長が抑制され、荒れ筋の修復にかかる時間が長くなることも抑制される。
さらに、実施例1では、コンディショニングロール1の表面には、球状アルミナ22aが分散された皮膜層22が形成されており、微小な凹凸が形成されている。したがって、エンボス加工されたしゃもじと同様に、微小な凹凸が形成されたコンディショニングロール1の表面に、一度溶けた後にシートSから剥がれたりした切片状のトナーが付着しにくくなっている。
図11において、従来の吸熱ロールでは、トナー等が付着しにくいように、表面に離型性の良いフッ素樹脂製の表面層01を形成していた。ここで、凹凸を形成しようとした場合には、球状アルミナ02が添加する必要がある。しかしながら、従来のフッ素樹脂のコーティングでは、厚さが30μm程度までしかできず、薄膜化が困難であった。よって、粒径が5μm以下の球状アルミナ02を使用すると、ほとんど埋まってしまい、凹凸、粗さが正確に出せない問題があった。表面の粗さが粗いと逆に画像荒れを引き起こすこととなり、正確な粗さを持つロールを作る必要もある。
さらに、コーティング層の厚さが厚くなると、熱伝導性が低下し、コンディショニングロールの吸熱効率が低下する問題もある。
また、フッ素樹脂の一例としてのPFA樹脂等を使用する場合、コート時に、高温にする必要があり、吸熱ロールの回転軸に、事前にアニール処理、焼鈍処理を行う必要がある。よって、製造費用も高い問題もある。
また、実施例1の三次元架橋されたシロキサン骨格の構造体の皮膜22bを成膜する処理は、常温硬化処理である。よって、フッ素樹脂の場合のような高温の処理とならず、アニール処理も必要ない。したがって、製造費用も削減可能である。
次に本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。
この実施例2は下記の点で、前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成される。
前記構成を備えた実施例2のコンディショニングロール1では、皮膜22bが薄膜化が可能であり、粗面加工で形成されたロール本体21の表面21aの微小な凹凸が、皮膜22bの表面にもそのまま反映されやすい。よって、コンディショニングロール1の外表面は、微細な凹凸を有し、且つ、離型性の良い皮膜22bで、トナー等の付着が抑制される。その他、実施例2のコンディショニングロール1は、実施例1と同様の作用効果を有する。
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H010)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としてのプリンタUを例示したが、これに限定されず、例えば、複写機、FAX、あるいはこれらの複数または全ての機能を有する複合機等により構成することも可能である。
(H02)前記実施例において、プリンタUとして、5色の現像剤が使用される構成を例示したが、これに限定されず、例えば、単色の画像形成装置や、4色以下または6色以上の多色の画像形成装置にも適用可能である。
(H04)前記実施例において、コンディショニングロール1を接触、離間させる構成は、実施例に例示した偏心カムを使用した構成に限定されない。ソレノイドを使用したり、ピニオンラックを使用する等、コンディショニングロール1を接触、離間可能な任意の構成に変更可能である。
(H07)前記実施例において、接触時期や離間時期にモータM1を作動させる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、偏心カム7の昇降面7bの周長と回転速度を、コンディショニングロール1が加熱ロールFhに接触する期間に対応するように長さと回転速度を設定し、円弧面7cの周長をシートSの長さに対応するように長さと回転速度とすることで、モータM1を停止させずに継続的に回転させながら、コンディショニングロール1を加熱ロールFhに対して周期的に接触、離間させる構成とすることも可能である。このような構成とすることで、モータや偏心カム7を回転、停止する際に作用する負荷や摩耗等を低減することが可能である。
(H010)前記実施例において、コンディショニングロール1の外表面に微小な凹凸を形成する皮膜層22を形成することが望ましいが、皮膜層22を設けない構成とすることも可能である。
C3…吸熱部材の接触・離間制御手段、
F…定着装置、
Fh…加熱部材、
Gy,Gm,Gc,Gk,Go…現像器、
Py,Pm,Pc,Pk,Po…像保持体、
ROSy,ROSm,ROSc,ROSk,ROSo…潜像の形成装置、
S…媒体、
T1,B,T2…転写装置、
U…画像形成装置。
Claims (4)
- 未定着の現像剤が表面に保持された媒体に接触しながら回転して、現像剤を定着させる熱を媒体に付与する加熱部材と、
前記加熱部材に接触、離間可能に支持され、前記加熱部材との接触時に前記加熱部材から吸熱可能な吸熱部材と、
前記加熱部材の表面において、前記媒体の前端が接触する位置よりも前記加熱部材の表面の回転方向の上流側の領域において前記吸熱部材を接触させると共に、前記媒体の前端が接触する位置では前記吸熱部材を離間させる吸熱部材の接触・離間制御手段と、
外表面に凹凸を有し、前記加熱部材との接触時に、前記加熱部材の表面を均す前記吸熱部材と、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 先行する媒体の搬送方向の後端と後続の媒体の搬送方向の前端との間の紙間領域に対応する前記加熱部材の表面の領域に前記吸熱部材を接触させる前記吸熱部材の接触・離間制御手段、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 未定着の現像剤が表面に保持された媒体に接触しながら回転して、現像剤を定着させる熱を媒体に付与する加熱部材と、
前記加熱部材に接触、離間可能に支持され、前記加熱部材との接触時に前記加熱部材から吸熱可能な吸熱部材と、
前記加熱部材の表面において、前記媒体の前端が接触する位置よりも前記加熱部材の表面の回転方向の上流側の領域において前記吸熱部材を接触させると共に、前記媒体の前端が接触する位置では前記吸熱部材を離間させる吸熱部材の接触・離間制御手段であって、前記媒体の前端が前記加熱部材に接触する時期に対して前記加熱部材が1周する前に前記加熱部材に前記吸熱部材を接触させる前記接触・離間制御手段と、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像の形成装置と、
前記像保持体の表面の潜像を可視像に現像する現像器と、
前記像保持体の表面の可視像を媒体に転写する転写装置と、
前記媒体の表面に転写された可視像を定着させる請求項1ないし3に記載の定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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