JP6183165B2 - 誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法 - Google Patents

誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法 Download PDF

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本発明は、誘導電動機の回転駆動を制御する誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法に関し、特に、トルク制御を行う誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法に関するものである。
従来、線材などドラムに巻かれている材料を一旦送り出して何らかの加工を施し、再び巻き取る巻き取り装置において、送り出し側ドラム及び巻き取り側ドラムの回転駆動には、トルクモータが用いられていた。このトルクモータは、通常のインバータによるV/f制御では駆動できず、またトルクモータ自体も非常に高価なため、本出願人は、トルクモータの代わりに汎用の誘導電動機を用い、誘導電動機のトルクを制御することで、材料の張力を一定に保つ技術を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、図5に示すような回転数−トルク特性を得るために、基本トルク指令値T と、基本モータ回転数Nと、トルク低減率rと、速度リミットNmaxとを設定する構成になっている。低速領域では基本モータ回転数Nまで、基本トルク指令値T 一定でトルク制御を行い、モータ回転数が基本モータ回転数N以上の回転数Nになると、次式により、トルク指令値T を低減させる。
Figure 0006183165
[数1]によると、回転数−トルク特性の特性カーブは、図5に示す基本カーブを描く。[数1]は、トルク低減率rを1とした場合のトルク指令値の算出式であり、実際には、トルク低減率rを加味した次式により、トルク指令値T を算出する。
Figure 0006183165
[数2]により、トルク低減率rを増減させることで、回転数−トルク特性の特性カーブを、図5にカーブA、Bで示すように基本カーブに対して増減させることが可能になる。さらに、高速回転時は速度リミットNmaxを設定することで、回転数Nが速度リミットNmax以上に上昇するのを抑制している。
特開2012−157155号公報
しかしながら、従来技術において、回転数−トルク特性の特性カーブを変更するためには、トルク低減率rを設定する必要があるが、トルク低減率rは、使用者にとって把握しにくいパラメータであり、トルク低減率rによって変更される特性カーブをイメージしづらく、回転数−トルク特性を所望の特性カーブに簡単に設定することが困難であるという問題点があった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、使用者が容易に把握できるパラメータによって、トルク指令値の回転数−トルク特性を所望の特性カーブに簡単に設定することができる誘導電動機制御装置又は誘導電動機制御方法を提供することにある。
本発明に係る誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
本発明の誘導電動機制御装置は、ドラムに巻かれている材料を一旦送り出し、再び巻き取る巻き取り装置において、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機に供給するインバータ回路の出力電圧を、d軸電圧指令値とq軸電圧指令値とに基づいて変換された3相電圧指令値V 、V 、V により、制御する誘導電動機制御装置であって、前記誘導電動機の回転速度を実速度として測定する速度測定部と、前記誘導電動機の巻き始め回転数、巻き始めトルク、巻き終わり回転数及び巻き終わりトルクの入力を受け付ける入力部と、前記実速度、前記巻き始め回転数、前記巻き始めトルク、前記巻き終わり回転数及び前記巻き終わりトルクに基づいてトルク指令値を演算するトルク指令値演算部と、前記トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を演算するトルク電流指令値演算部と、前記トルク電流指令値に基づいて前記q軸電圧指令値を演算するトルク電流PI制御器とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明の誘導電動機制御装置は、前記トルク指令値演算部によって演算される前記トルク指令値は、前記実速度が前記巻き始め回転数で前記巻き始めトルクとなると共に、前記実速度が前記巻き終わり回転数で前記巻き終わりトルクとなり、前記実速度が前記巻き始め回転数から前記巻き終わり回転数に近づくにつれて前記巻き始めトルクから前記巻き終わりトルクに近づく値になるようにしても良い。
さらに、本発明の誘導電動機制御装置は、前記トルク指令値演算部によって演算される前記トルク指令値は、前記実速度が速くなるにつれて低減するようにしても良い。
さらに、本発明の誘導電動機制御装置は、前記トルク指令値演算部によって演算される前記トルク指令値は、前記実速度が速くなるにつれて低減率が減少するようにしても良い。
さらに、本発明の誘導電動機制御装置は、前記トルク指令値演算部は、前記トルク指令値をT 、前記実速度に基づく回転数をN、前記巻き始め回転数をN、前記巻き始めトルクをT、前記巻き終わり回転数をN、前記巻き終わりトルクをTとそれぞれすると、前記トルク指令値T を、
={(N−N)T・T}/{(T−T)N+(N−N)T−(T−T)N}
によって演算しても良い。
また、本発明の誘導電動機制御方法は、ドラムに巻かれている材料を一旦送り出し、再び巻き取る巻き取り装置において、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機に供給するインバータ回路の出力電圧を、d軸電圧指令値とq軸電圧指令値とに基づいて変換された3相電圧指令値V 、V 、V により、制御する誘導電動機制御装置における誘導電動機制御方法であって、誘導電動機制御装置は、前記誘導電動機の回転速度を測定した実速度と、入力を受け付けた前記誘導電動機の巻き始め回転数、巻き始めトルク、巻き終わり回転数及び巻き終わりトルクとに基づいてトルク指令値を演算し、前記トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を演算し、前記トルク電流指令値に基づいて前記q軸電圧指令値を演算することを特徴とする。
本発明によれば、使用者が容易に把握できる巻き始め回転数、巻き始めトルク、巻き終わり回転数及び巻き終わりトルクによって、トルク指令値の回転数−トルク特性を所望の特性カーブに簡単に設定することができるという効果を奏する。
本発明に係る誘導電動機制御装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。 図1に示すトルク指令値演算部によって演算されるトルク指令値の回転数−トルク特性を示す図である。 図1に示すトルク指令値演算部によって演算されるトルク指令値の1つのパラメータを変更した場合の回転数−トルク特性を示す図である。 図1に示すトルク指令値演算部によって演算されるトルク指令値の複数のパラメータを変更した場合の回転数−トルク特性を示す図である。 従来の誘導電動機制御装置におけるトルク指令値の回転数−トルク特性を示す図である。
次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、各図において、同一の構成には、同一の符号を付して一部説明を省略している。
本実施の形態は、図1に示すように、3相交流電源101と、誘導電動機(IM)106に接続され、誘導電動機106を制御する誘導電動機制御装置10である。誘導電動機制御装置10は、図1を参照すると、ダイオード整流回路102と、平滑回路103と、インバータ回路104と、PWMゲート信号生成器105と、パルスジェネレータ(PG)センサ107と、電流センサ108と、3相/2相座標変換器109と、2相/dq座標変換器110と、磁束推定器111と、速度推定器112と、フィードバック速度切替器113と、すべり演算器114と、積分器115と、磁束PI制御器116と、磁束電流PI制御器117と、トルク電流PI制御器119と、dq/2相座標変換器120と、2相/3相座標変換器121と、偏差演算部122〜125と、すべり周波数加算部126とを備えている。また、誘導電動機制御装置10は、トルク指令値演算部18と、トルク電流指令値演算部19と、速度PI制御器20とトルクリミッタ21と、トルク指令値切替器22と、速度指令値変換器23と、速度指令値切替部24と、入力部25とを備えている。
誘導電動機制御装置10は、入力部25によって巻き始め回転数Nと、巻き始めトルクTと、巻き終わり回転数Nと、巻き終わりトルクTとの4つのパラメータを受け付け、磁束指令値φ と、巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTに基づくトルク指令値T とを目標に、インバータ回路104を用いて誘導電動機106を駆動するものである。なお、入力部25の機能は、テンキー等の入力手段や外部装置からの入力を受信する受信手段による機能コード入力、アナログ入力、通信入力等で実現される。また、入力部25による4つのパラメータの受け付け(変更)は、制御途中(巻き取り動作中)でも可能に構成されている。さらに、インバータ回路104の機能は、パワースイッチング素子によって実現される。そして、以下で述べるその他の各機能は、CPU(Central Proccesing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されたコンピュータと、ROM,RAM等に格納されたプログラムによって実現される。
誘導電動機制御装置10は、まず、磁束指令値φ と磁束推定器111によって推定された磁束推定値φ^との偏差Δφを偏差演算部122によって演算し、得られた偏差Δφは磁束PI制御器116に入力される。磁束PI制御器116は、入力された偏差Δφに基づいて磁束電流指令値I を生成する。次に、磁束電流指令値I と2相/dq座標変換器110から出力されるd軸の磁束電流iとの偏差ΔIを偏差演算部123によって演算し、得られた偏差ΔIは磁束電流PI制御器117に入力される。磁束電流PI制御器117は、入力された偏差ΔIに基づいてd軸電圧指令値V を生成する。
また、誘導電動機制御装置10は、トルク指令値演算部18において、入力部25によって受け付けた巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTと、速度推定器112によって推定された速度推定値ω^又はパルスジェネレータセンサ107によって検出された速度ω(以下、これらを総称して誘導電動機106の回転速度を測定した実速度ωと称す)とに基づいてトルク指令値T を演算してトルク指令値切替器22に出力する。まず、トルク指令値演算部18は、実速度ωによって回転数Nを求め、求めた回転数Nが巻き終わり回転数N以上である場合には、巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTを用いて、次式によってトルク低減率rを求める。
Figure 0006183165
次に、任意の回転数Nにおけるトルク指令値T を次式によって求めてトルク指令値切替器22に出力する。
Figure 0006183165
なお、トルク指令値演算部18における実際の演算は、トルク低減率rを求めることなく、[数4]に[数3]を代入した次式によって行う。
Figure 0006183165
一方、トルク指令値演算部18は、求めた回転数Nが巻き終わり回転数N未満である場合には、巻き終わりトルクTをトルク指令値T としてトルク指令値切替器22に出力する。
また、誘導電動機制御装置10は、速度指令値変換器23において、巻き始め回転数N(rpm)を角速度の単位(rad/s)に変換し、変換した値を速度指令値ωとして速度指令値切替部24に出力する(速度指令値ω=(2π/60)N)。誘導電動機制御装置10には、最大速度指令値ωmax が予め設定されており、速度指令値切替部24は、実速度ωが最大速度指令値ωmax 未満のときは、速度指令値ωを偏差演算部124に出力し、実速度ωが最大速度指令値ωmax 以上のときは、最大速度指令値ωmax を偏差演算部124に出力する。これにより、最高回転時の速度リミットと、巻き始め回転数Nとを別の設定にすることができ、巻き始め回転数Nの受け付けは、最大速度指令値ωmax (rad/s)を回転数の単位(rpm)に変換した速度リミット以下に実質的に制限されることになる。
偏差演算部124は、速度指令値ωもしくは最大速度指令値ωmax 実速度ωとの偏差Δωを演算し、得られた偏差Δωは速度PI制御器20に入力される。速度PI制御器20の出力は、トルクリミッタ21によって制限され、トルク指令値切替器22に出力される。
トルク指令値切替器22は、実速度ωが巻き始め回転数Nに基づく速度指令値ω未満のときは、トルク指令値演算部18の出力をトルク電流指令値演算部19に出力し、実速度ωが速度指令値ω以上のときは、トルクリミッタ21からの出力をトルク電流指令値演算部19に出力する。トルク電流指令値演算部19は、実速度ωが速度指令値ω未満のときは、トルク指令値演算部18から入力されたトルク指令値T に基づいてトルク電流指令値I を演算すると共に、実速度ωが速度指令値ω以上のときは、速度制御に切り換え、トルクリミッタ21から入力された信号に基づいてトルク電流指令値I を演算する。次に、トルク電流指令値I と2相/dq座標変換器110から出力されるq軸のトルク電流iとの偏差ΔIを偏差演算部125によって演算し、得られた偏差ΔIはトルク電流PI制御器119に入力される。トルク電流PI制御器119は、入力された偏差ΔIに基づいてq軸電圧指令値V を生成する。
磁束電流PI制御器117から出力されるd軸電圧指令値V と、トルク電流PI制御器119から出力されるq軸電圧指令値V は、dq/2相座標変換器120に入力される。dq/2相座標変換器120は、d軸電圧指令値V とq軸電圧指令値V と積分器115から出力される位相角θに基づいてα軸、β軸の2相電圧指令値Vα 、Vβ を出力する。2相電圧指令値Vα 、Vβ は、2相/3相座標変換器121に入力される。2相/3相座標変換器121は、入力された2相電圧指令値Vα 、Vβ に基づいてU相、V相、W相の3相電圧指令値V 、V 、V を生成する。生成された3相電圧指令値V 、V 、V は、PWM(Pulse Width Moduration)ゲート信号生成器105に入力される。PWMゲート信号生成器105は、PWM制御によりインバータ回路104の出力電圧を3相電圧指令値V 、V 、V に従い制御する。
図1の構成図において、誘導電動機制御装置10には、3相の誘導電動機106が接続されており、電流センサ108が誘導電動機106のW相の電流iとU相の電流iを検出している。なお、この電流センサ108は、3相(U相,V相,W相)の内、2相(W相、U相)の電流i,iを検出しているが、3相電流の和はゼロであるから他の1相(V相)の電流iは一意に定められる。また、誘導電動機106の速度ωは、パルスジェネレータセンサ107で検出している。
電流センサ108によって検出された電流i,iは、3相/2相座標変換器109に入力される。3相/2相座標変換器109は、電流i,iに基づいて3相/2相座標変換を行ってα軸、β軸の2相電流iα,iβを生成し、2相/dq座標変換器110に出力する。2相/dq座標変換器110は、2相電流iα,iβと、積分器115から出力される位相角θに基づいてd軸の磁束電流iとq軸のトルク電流iを出力する。
一方、磁束推定器111は、dq/2相座標変換器120から出力される2相電圧指令値Vα 、Vβ と、3相/2相座標変換器109から出力される2相電流iα,iβに基づいてα軸、β軸の磁束推定値φα^、φβ^を生成し、それらを速度推定器112に出力する。速度推定器112は、磁束推定値φα^、φβ^に基づいて速度推定値ω^を生成する。フィードバック速度切替器113は、フィードバックに用いる速度信号として速度推定値ω^を用いるか、パルスジェネレータセンサ107によって検出された速度ωを用いるかを選択して切り替えることができるスイッチである。
すべり演算器114は、磁束PI制御器116から出力される磁束電流指令値I と、トルク電流指令値演算部19から出力されるトルク電流指令値I とに基づいて、誘導電動機106のすべり速度推定値ωを演算し、すべり周波数加算部126は、速度推定値ω^又は、速度ωと、すべり速度推定値ωとを入力し、ω=ω^+ω又はω=ω+ωを演算し、電源角周波数(インバータ出力角周波数)ωを出力する。このωは、積分器115によって位相角θに変換され、2相/dq座標変換器110と、dq/2相座標変換器120に入力される。
次に、トルク指令値演算部18によるトルク指令値T の回転数−トルク特性について図2乃至図4に基づいて詳細に説明する。なお、図2乃至図4の横軸は、回転数Nを表し、縦軸は、トルク指令値T を表している。また、図2乃至図4には、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機106の誘導電動機制御装置10におけるトルク指令値T の回転数−トルク特性が示されている。
図2を参照すると、トルク指令値演算部18は、実速度ωに基づく回転数Nが巻き終わり回転数N未満である場合には、巻き終わりトルクTをトルク指令値T として出力する。これにより、実速度ωに基づく回転数Nが巻き終わり回転数N未満である場合には、巻き終わりトルクTで定トルク制御が行われることになる。
トルク指令値演算部18は、実速度ωに基づく回転数Nが巻き終わり回転数N以上で且つ巻き始め回転数N未満である場合には、実速度ωに基づく回転数Nと、巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTとを用いて[数5]を演算する。[数5]によると、回転数N=巻き始め回転数Nでは、トルク指令値T =巻き始めトルクTとなると共に、回転数N=巻き終わり回転数Nでは、トルク指令値T =巻き終わりトルクTとなり、回転数Nが巻き始め回転数Nから巻き終わり回転数Nに近づくにつれてトルク指令値T も巻き始めトルクTから巻き始めトルクTに近づく値となる。なお、[数5]に示す演算式では、図2に示すように、回転数Nが大きくなるにつれてトルク指令値T の低減率が減少するため、送り出しドラム及び巻き取り側ドラムの回転駆動制御を適している。しかしながら、[数5]に示す演算式は一例であり、回転数Nが巻き始め回転数Nから巻き終わり回転数Nに近づくにつれてトルク指令値T も巻き始めトルクTから巻き始めトルクTに近づく値となる他の演算式を用いるようにしても良い。
本実施の形態では、トルク指令値演算部18において、入力部25によって受け付けた巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTの4つのバラメータを用いてトルク指令値T を演算するように構成されているため、4つのパラメータの内のいずれか1つもしくは複数を変更することで、トルク指令値T の回転数−トルク特性を任意に変更することができる。
1つのパラメータを変更する例として、図3(a)には、巻き終わりトルクTを変更した場合の、トルク指令値T の回転数−トルク特性が、図3(b)には、巻き始め回転数Nを変更した場合の、トルク指令値T の回転数−トルク特性がそれぞれ示されている。なお、巻き始めトルクTや巻き終わり回転数Nの方を変更しても同様の特性カーブを得ることができる。このように、1つのパラメータを変更するだけで、トルク指令値T の回転数−トルク特性を多様な特性カーブに設定することが可能になる。
複数(2つ)のパラメータを変更する例として、図4(a)には、巻き始めトルクTと巻き終わりトルクTとの比率を変更した場合の、トルク指令値T の回転数−トルク特性が、図4(b)には、巻き始め回転数Nと巻き終わり回転数Nとの比率を変更した場合の、トルク指令値T の回転数−トルク特性がそれぞれ示されている。なお、巻き始めトルクTと巻き終わりトルクTとを独立に設定しても良く、巻き始め回転数Nと巻き終わり回転数Nとを独立に設定しても良い。このように、複数のパラメータを変更するだけで、トルク指令値T の回転数−トルク特性をより多様な特性カーブに設定することが可能になる。
なお、実速度ωに基づく回転数Nが巻き始め回転数N以上である場合には、トルク指令値切替器22によって、トルクリミッタ21からの出力がトルク電流指令値演算部19に入力される。従って、巻き始め回転数Nに基づく定速度制御に切り換えられることになる。
また、本実施の形態では、図2乃至図4において、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機106の誘導電動機制御装置10におけるトルク指令値T の回転数−トルク特性について説明したが、送り出し側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機106の誘導電動機制御装置10におけるトルク指令値T の回転数−トルク特性は、巻き始め回転数N及び巻き始めトルクTと、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTとを入れ替えたものになる。従って、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機106の誘導電動機制御装置10と、送り出し側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機106の誘導電動機制御装置10とを接続し、一方の誘導電動機制御装置10に入力された巻き始め回転数N及び巻き始めトルクTが他方の誘導電動機制御装置10に巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTとして入力されると共に、一方の誘導電動機制御装置10に入力された巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTが他方の誘導電動機制御装置10に巻き始め回転数N及び巻き始めトルクTとして入力されるように構成しても良い。
以上説明したように、本実施の形態は、d軸電圧指令値V とq軸電圧指令値V ととに基づいて変換された3相電圧指令値V 、V 、V により、誘導電動機106に供給するインバータ回路104の出力電圧を制御する誘導電動機制御装置10であって、誘導電動機106の回転速度を実速度ωとして測定する速度測定部(速度推定器112又はパルスジェネレータセンサ107)と、巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTの入力を受け付ける入力部25と、実速度ωに基づく回転数N、巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTに基づいてトルク指令値T を演算するトルク指令値演算部18と、トルク指令値T に基づいてトルク電流指令値I を演算するトルク電流指令値演算部19と、トルク電流指令値I に基づいてq軸電圧指令値V を演算するトルク電流PI制御器119とを備えている。
この構成により、使用者が容易に把握できる巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTによって、トルク指令値T の回転数−トルク特性を所望の特性カーブに簡単に設定することができる。
さらに、本実施の形態は、トルク指令値演算部18によって演算されるトルク指令値T は、回転数Nが巻き始め回転数Nで巻き始めトルクTとなると共に、回転数Nが巻き終わり回転数Nで巻き終わりトルクTとなり、回転数Nが巻き始め回転数Nから巻き終わり回転数Nに近づくにつれて巻き始めトルクTから巻き始めトルクTに近づく値になる。
この構成により、使用者が容易に把握できる巻き始め回転数N、巻き始めトルクT、巻き終わり回転数N及び巻き終わりトルクTのいずれか1つもしくは複数のパラメータを変更することによって、トルク指令値T の回転数−トルク特性を所望の特性カーブに簡単に変更することができる。
さらに、本実施の形態は、トルク指令値演算部18によって演算されるトルク指令値T は、回転数Nが速くなるにつれて低減し、且つ低減率が減少する。
この構成により、送り出しドラム及び巻き取り側ドラムの回転駆動制御を適したトルク指令値T の回転数−トルク特性を設定することができる。
以上の実施の形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)等については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
10 誘導電動機制御装置
18 トルク指令値演算部
19 トルク電流指令値演算部
20 速度PI制御器
21 トルクリミッタ
22 トルク指令値切替器
23 速度指令値変換器
24 速度指令値切替部
25 入力部
101 3相交流電源
102 ダイオード整流回路
103 平滑回路
104 インバータ回路
105 PWMゲート信号生成器
106 誘導電動機
107 パルスジェネレータ(PG)センサ
108 電流センサ
109 3相/2相座標変換器
110 2相/dq座標変換器
111 磁束推定器
112 速度推定器
113 フィードバック速度切替器
114 すべり演算器
115 積分器
116 磁束PI制御器
117 磁束電流PI制御器
119 トルク電流PI制御器
120 dq/2相座標変換器
121 2相/3相座標変換器
122 偏差演算部
123 偏差演算部
124 偏差演算部
125 偏差演算部
126 すべり周波数加算部

Claims (6)

  1. ドラムに巻かれている材料を一旦送り出し、再び巻き取る巻き取り装置において、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機に供給するインバータ回路の出力電圧を、d軸電圧指令値とq軸電圧指令値とに基づいて変換された3相電圧指令値V 、V 、V により、制御する誘導電動機制御装置であって、
    前記誘導電動機の回転速度を実速度として測定する速度測定部と、
    前記誘導電動機の巻き始め回転数、巻き始めトルク、巻き終わり回転数及び巻き終わりトルクの入力を受け付ける入力部と、
    前記実速度、前記巻き始め回転数、前記巻き始めトルク、前記巻き終わり回転数及び前記巻き終わりトルクに基づいてトルク指令値を演算するトルク指令値演算部と、
    前記トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を演算するトルク電流指令値演算部と、
    前記トルク電流指令値に基づいて前記q軸電圧指令値を演算するトルク電流PI制御器とを具備することを特徴とする誘導電動機制御装置。
  2. 前記トルク指令値演算部によって演算される前記トルク指令値は、前記実速度が前記巻き始め回転数で前記巻き始めトルクとなると共に、前記実速度が前記巻き終わり回転数で前記巻き終わりトルクとなり、前記実速度が前記巻き始め回転数から前記巻き終わり回転数に近づくにつれて前記巻き始めトルクから前記巻き終わりトルクに近づく値になることを特徴とする請求項1記載の誘導電動機制御装置。
  3. 前記トルク指令値演算部によって演算される前記トルク指令値は、前記実速度が速くなるにつれて低減することを特徴とする請求項1又は2記載の誘導電動機制御装置。
  4. 前記トルク指令値演算部によって演算される前記トルク指令値は、前記実速度が速くなるにつれて低減率が減少することを特徴とする請求項3記載の誘導電動機制御装置。
  5. 前記トルク指令値演算部は、前記トルク指令値をT 、前記実速度に基づく回転数をN、前記巻き始め回転数をN、前記巻き始めトルクをT、前記巻き終わり回転数をN、前記巻き終わりトルクをTとそれぞれすると、前記トルク指令値T を、
    ={(N−N)T・T}/{(T−T)N+(N−N)T−(T−T)N}
    によって演算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導電動機制御装置。
  6. ドラムに巻かれている材料を一旦送り出し、再び巻き取る巻き取り装置において、巻き取り側ドラムの回転駆動に用いる誘導電動機に供給するインバータ回路の出力電圧を、d軸電圧指令値とq軸電圧指令値とに基づいて変換された3相電圧指令値V 、V 、V により、制御する誘導電動機制御装置における誘導電動機制御方法であって、
    誘導電動機制御装置は、前記誘導電動機の回転速度を測定した実速度と、入力を受け付けた前記誘導電動機の巻き始め回転数、巻き始めトルク、巻き終わり回転数及び巻き終わりトルクとに基づいてトルク指令値を演算し、
    前記トルク指令値に基づいてトルク電流指令値を演算し、
    前記トルク電流指令値に基づいて前記q軸電圧指令値を演算することを特徴とする誘導電動機制御方法。
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