以下に添付図面を参照して、この発明に係る検査装置、画像形成装置、検査方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の検査装置は、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像の印刷品質を検査する。印刷画像は、有色色材に対応する画像データと透明色材に対応する画像データをそれぞれリッピング(ラスタライズ)することで得られるRIP画像に基づき、有色色材と透明色材とを用いて印刷用紙などの画像形成媒体に形成される画像である。印刷画像の検査は、印刷画像を光学的に読み取ることで得られる読取画像を検査画像とし、この検査画像を基準画像と比較することによって行う。基準画像は、印刷画像の形成に用いたRIP画像に対して、少なくとも平滑化処理と色変換処理を施すことで生成される。
ここで、本実施形態では、基準画像を生成する際に、特に、透明色材に対応するRIP画像である透明画像データに基づいて、印刷画像の各領域における透明色材の色材量を算出する。そして、算出した透明色材の色材量に応じて、有色色材に対応するRIP画像である有色画像データに対して適用する平滑化の強度を、領域ごとに切り替える。これにより、透明色材の影響による有色色材の広がりの違いを反映させた基準画像を生成することができ、印刷画像の印刷品質の検査をより高精度に行うことが可能となる。
電子写真方式の画像形成装置では、画像形成媒体上に転写された色材像を定着器で加熱・加圧することで定着させる。このとき、有色色材上に透明色材が重なる場合は、透明色材の影響により有色色材に定着器から与えられる熱量が減少する。また、定着器での加圧により上層の透明色材が下層に落ち込んでくるため、有色色材の広がりが阻害される。そのため、有色色材上に透明色材が重なる場合は、重ならない場合と比較して、ドットやラインの広がりが小さくなる傾向があることが分かった。この色材の広がりの程度の違いによる影響は、特許文献1に開示される従来技術のように透明色材の有無によって色変換処理を変更する処理では、基準画像に反映させることはできない。そのため、本来有色色材が存在する領域(画素)で色材が欠落していると判定されたり、逆に有色色材が存在していない領域(画素)で色材が余分に付着していると判定されたりする懸念があった。すなわち、従来技術では、透明色材の有無による有色色材の広がりの違いが考慮されていないため、印刷画像の印刷品質を精度よく検査できない場合があった。
これに対して、本実施形態では、透明色材に対応するRIP画像である透明画像データに基づき、印刷画像の各領域における透明色材の色材量を算出し、算出した透明色材の色材量に応じて、有色色材に対応するRIP画像である有色画像データに対して適用する平滑化の強度を、各領域で切り替える。さらに、前記の平滑化処理が施された有色画像データに対して色変換処理を施すことで基準画像を生成する。このように、本実施形態では、透明色材の色材量に応じて平滑化の強度を切り替えるため、透明色材の影響による有色色材の広がりの違いを反映させることができる。また、上記の平滑化処理を施した有色画像データに対して色変換処理を施すため、有色色材の広がりの違いによる色の変化を基準画像に反映させることができる。よって、本実施形態では、透明色材の影響によって有色色材の広がりに違いが生じた場合でも、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となるので、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像に対しても、印刷品質を精度よく検査することができる。以下、本実施形態についてさらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、物理的に分離した複数の装置を組み合わせて構成される検査システムに対して本発明を適用した例を、第1実施形態として説明する。
図1は、本実施形態の検査システムの概略構成を示す構成図である。本実施形態の検査システムは、図1に示すように、画像形成装置100と、画像入力装置200と、検査装置300と、を備える。
画像形成装置100は、入力画像データに基づき、有色色材と透明色材を用いて記録媒体上に印刷画像を形成する装置である。本実施形態では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色の有色トナーと、透明(CLR)トナーとを用いて画像形成を行う電子写真方式のカラープリンタを、画像形成装置100として用いる。
画像形成装置100は、有色トナーに対応する画像データと透明トナーに対応する画像データをそれぞれリッピング(ラスタライズ)することで、解像度1200dpi、各画素1bitの信号値で表されるRIP画像を生成する。そして、画像形成装置100は、生成したRIP画像に基づき、各色の色材像を画像形成媒体上に転写・定着することで、印刷画像を形成する。画像形成装置100が生成するRIP画像は、有色トナーに対応する画像データのリッピングにより得られるCMYK−RIP画像(有色画像データ)と、透明トナーに対応する画像データのリッピングにより得られるCLR−RIP画像(透明画像データ)とを含む。
画像入力装置200は、画像形成装置100によって形成された印刷画像の印刷面を光学的に読み取り、読取画像を取得する装置である。本実施形態では、印刷画像の読み取りによって、RGB形式、解像度600dpi、各画素8bitの信号値で表される読取画像を取得可能なスキャナを、画像入力装置200として用いる。
検査装置300は、画像形成装置100で生成されたRIP画像と、画像入力装置200で取得された読取画像とを取得し、印刷画像に欠陥が生じていないか検査する装置である。印刷画像の検査は、RIP画像に基づき生成した基準画像と、読取画像(検査画像)との画素値の差分を比較することにより行う。
図2は、検査装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、検査装置300は、入力装置301、表示装置302、ドライブ装置303、RAM(Random Access Memory)304、ROM(Read Only Memory)305、CPU(Central Processing Unit)306、インタフェース装置307、HDD(Hard Disk Drive)308などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
入力装置301は、例えば、キーボードやマウスなどを含み、検査装置300に各操作信号を入力するために用いられる。表示装置302は、ディスプレイなどを含み、検査装置300による処理結果を表示する。
インタフェース装置307は、画像形成装置100や画像入力装置200などの他の機器とのデータ通信を行うためのインタフェースの役割を持つ。
HDD308は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、検査装置300全体を制御する情報処理システム(例えば「Windows(登録商標)」や「UNIX(登録商標)」などの基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、およびシステム上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。またHDD308は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステムおよび/またはDB(Data Base)により管理している。
ドライブ装置303は、着脱可能な記録媒体303aとのインタフェースである。これにより、検査装置300は、ドライブ装置303を介して、記録媒体303aの読み取りおよび/または書き込みを行うことができる。記録媒体303aには、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、およびDVD(Digital Versatile Disk)、並びに、SDメモリカード(SD Memory Card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus Memory)などがある。
ROM305は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM305には、検査装置300の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、情報処理システム設定、およびネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。
RAM304は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記録装置)である。CPU306は、上記記憶装置(例えば、HDD308やROM305など)から、プログラムやデータをRAM304上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する演算装置である。
図3は、検査装置300に実現される機能的な構成例を示すブロック図である。検査装置300では、例えば、CPU306が上記記憶装置(例えば、HDD308やROM305など)から読み出したプログラムに従って処理を実行することにより、印刷画像の検査を実施するための機能的な構成として、図3に示すように、画像取得部320と、基準画像生成部340と、欠陥検査部350とが実現される。
画像取得部320は、画像形成装置100から有色トナーに対応するRIP画像であるCMYK−RIP画像(有色画像データ)と、透明トナーに対応するRIP画像であるCLR−RIP画像(透明画像データ)とを取得する。CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像は、上記のように、それぞれ各色のチャンネルが解像度1200dpi、各画素が1bitの信号値で構成された画像データである。
また、画像取得部320は、画像入力装置200から、印刷画像の読み取りにより得られた読取画像を検査画像として取得する。検査画像は、上記のように、RGB形式の解像度600dpi、各画素が8bitの信号値で構成された画像データである。
基準画像生成部340は、画像取得部320で取得されたCMYK−RIP画像とCLR−RIP画像とに基づき、基準画像を生成する。基準画像生成部340は、平滑化フィルタ判定部341と、平滑化部342と、解像度変換部343と、色変換部344とを備える。
平滑化フィルタ判定部341では、CMYK−RIP画像およびCLR−RIP画像の各画素に対して適用する平滑化フィルタの判定が行われる。平滑化部342では、平滑化フィルタ判定部341で判定された平滑化フィルタを用いて、CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像に対して平滑化処理が施される。さらに解像度変換部343で解像度変換処理、色変換部344で色変換処理が施されることによって、基準画像が生成される。生成された基準画像は、検査画像と同じRGB形式で、各チャンネルが解像度600dpi、各画素が8bitの信号値で構成された画像データである。
欠陥検査部350は、基準画像と検査画像とに基づき、印刷画像に欠陥が発生していないかどうか検査する機能を持つ。欠陥の検知は、基準画像と検査画像の同じ位置にあたる画素値の差分を算出し、算出した差分が予め設定した閾値を超過しているか否かを判定することで行う。
図4は、基準画像生成部340による基準画像の生成処理の手順を示すフローチャートである。
まず、平滑化フィルタ判定部341が、画像取得部320により取得されたCLR−RIP画像に基づき、印刷画像の各領域における透明色材の色材量を算出する(ステップS101)。透明色材の色材量は、例えば、予め決められた矩形領域(例えば5×5画素など)における透明色材の面積率から計算する。すなわち、矩形領域の全画素数に対する、透明色材が形成される画素数の割合を透明色材の色材量とする。CLR−RIP画像の各画素が3値以上で表現されている場合は、矩形領域における画素値の総和を算出し、総和の最大値に対する割合を透明色材の色材量としてもよい。
次に、平滑化フィルタ判定部341は、ステップS101で算出した透明色材の色材量に基づき、CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像に対して適用する平滑化フィルタを画素ごとに選択する(ステップS102)。平滑化フィルタは所定のサイズ(例えば5×5など)の配列で表され、透明色材の色材量および色材の色に応じた値を持つ平滑化フィルタが予め検査装置300に記憶されている。本実施形態では、5×5のサイズで各要素が0〜1の値で表された配列を平滑化フィルタとして使用している。ステップS102において適切な平滑化フィルタを選択することで、実際の印刷画像における透明色材による有色色材の広がりの程度の違いを基準画像に反映することが可能となる。
次に、平滑化部342が、ステップS102で選択された平滑化フィルタを用いて、CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像に対して平滑化処理を施し(ステップS103)、各画素の信号値を1bitから8bitの多値に変換する。ある画素における平滑化処理後の画素値(8bit)は、下記式(1)に示すように、前記画素を中心とする5×5の矩形領域におけるRIP画像の画素値(1bit)と、平滑化フィルタの同位置にあたる要素の値(フィルタ値)の積の総和から算出する。ただし、画素値(8bit)が最大値である255を超えた場合は255とする。
画素値(8bit)=Σ(画素値(1bit)×フィルタ値)×255 ・・・(1)
上記の平滑化処理をCMYK−RIP画像およびCLR−RIP画像の各画素にそれぞれ適用することで、平滑化後の多値画像を得ることができる。
次に、解像度変換部343が、ステップS103の平滑化処理後のCMYK−RIP画像とCLR−RIP画像に対して、解像度変換処理を行う(ステップS104)。本実施形態では、1200dpiのRIP画像を、600dpiの解像度に変換する。解像度の変換は、例えば、ニアレストネイバー法やバイリニア法、バイキュービック法など、既知の手法を用いて行えばよい。
次に、色変換部344が、ステップS103の平滑化処理とステップS104の解像度変換処理とが施されたCMYK−RIP画像およびCLR−RIP画像に基づき、CMYK−RIP画像の各画素のCMYK値をRGB値に変換する色変換処理を行う(ステップS105)。CMYK値からRGB値への変換は、既知の手法を用いればよい。例えば、特開2013−24564に記載されているように、C,M,Y,Kそれぞれにおける8点の離散的な格子点から4面体補完法を使用した補完演算によりRGBの値を算出し、その際に透明色材が重なる場合と重ならない場合とで異なる格子点パラメータを用いることで、透明色材による影響を考慮した色変換を行うことができる。
以上の処理により生成された基準画像は、透明色材の色材量に応じて、画像の各領域に適用する平滑化フィルタを切り替えているため、透明色材の影響による有色色材の広がりの違いが反映されている。そのため、この基準画像を用いて欠陥検査部350で検査画像との画素値の差分を比較して検査することで、透明色材が使用された印刷画像に対しても印刷品質を精度よく検査することが可能である。
ここで、上記ステップS102における平滑化フィルタの選択処理の具体例について、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の検査装置300において使用される平滑化フィルタの一覧を表形式で示す図である。
本実施形態では、図5に示すように、透明色材の色材量および有色色材の色に応じた平滑化フィルタであるフィルタ(K,光沢)〜フィルタ(Y,光沢),フィルタ(K,マット)〜フィルタ(Y,マット),フィルタ(K,非透明)〜フィルタ(Y,非透明)と、透明色材に対応する平滑化フィルタであるフィルタ(CLR)とを予め作成し、検査装置300に記憶させている。ここで、図5に示す「透明色材領域」とは、透明色材が形成される領域を表し、図5に示す「非透明色材領域」とは、透明色材が形成されない領域を表す。また、「透明色材領域」は、上記ステップS101で算出した透明色材の色材量に応じて、「光沢領域」と「マット領域」に分類される。「光沢領域」は、定着後の色材の表面状態を平滑にして高光沢を実現する目的で、透明色材が高面積率で形成される領域である。一方、「マット領域」は、定着後の色材の表面状態を不均一にして低光沢(マット調)を実現する目的で、透明色材が低面積率で形成される領域である。本実施形態では、透明色材の面積率が80%以上の領域を「光沢領域」と判定し、透明色材の面積率が80%より小さい領域を「マット領域」と判定する。
また、同じように透明色材が重なる場合でも、有色色材の色(色材の種類)によっても広がり程度が異なることがある。例えば、色材の粘弾性特性が異なると、同じ色材量の透明色材が上層に載っており、同じ定着条件で定着される場合でも、色材の広がりの程度が異なる。このため、本実施形態では、透明色材の色材量に加えて、有色色材の色によっても、適用する平滑化フィルタを切り替えるようにしている。例えば、CMYK−RIP画像のK色画像データの「透明色材領域」(光沢領域)についてはフィルタ(K,光沢)を選択し、「非透明色材領域」についてはフィルタ(K,非透明)を選択する。また、例えば、CMYK−RIP画像のC色画像データの「透明色材領域」(マット領域)についてはフィルタ(C,マット)を選択し、「非透明色材領域」についてはフィルタ(C,非透明)を選択するといったように、透明色材の色材量と色材の色に応じて対応する平滑化フィルタを選択する。
なお、平滑化フィルタの分類は、透明色材の色材量および色材の色に基づいていれば、他の分類でも構わない。例えば、色材の色が違っても色材の広がりの程度に差異がない場合は、複数の色で同じ平滑化フィルタを使用しても構わない。また透明色材の色材量に応じて、より細かく平滑化フィルタを切り替えてもよい。また、透明色材の色材量に応じて平滑化フィルタの強度を補正して適用する構成であってもよい。例えば、透明色材の色材量が最小(面積率が0%)のときの平滑化フィルタと、透明色材の色材量が最大(面積率が100%)のときの平滑化フィルタのみを予め作成して記憶しておき、透明色材の色材量(面積率)に応じて両平滑化フィルタの要素の値を補間した平滑化フィルタを作成し、適用するとしてもよい。
図6は、「透明色材領域」(光沢領域)に対して適用される平滑化フィルタの一例を示す図である。また、図7は、「非透明色材領域」に対して適用される平滑化フィルタの一例を示す図である。図6に示す平滑化フィルタと図7に示す平滑化フィルタは、どちらも5×5のサイズの配列であるが、色材の広がりの程度を表す各要素の値が異なる。具体的には、「透明色材領域」に対して適用される図6の平滑化フィルタの方が平滑化の程度が弱く、「非透明色材領域」に対して適用される図7の平滑化フィルタの方が平滑化の程度が強くなっている。これは透明色材の有無による有色色材の広がりの程度の違いに起因する。
上記のように、電子写真方式の画像形成装置100では、有色色材上に透明色材がある場合は、透明色材の影響により定着時の有色色材の広がりが阻害される。そのため、実際の印刷画像では、有色色材上に透明色材がある領域では、透明色材がない領域と比較して、ドットやラインの広がりが小さくなる。本実施形態の検査装置300では、この透明色材の有無による有色色材の広がりの違いを考慮して、透明色材の色材量に応じて上記のように平滑化の程度の異なる平滑化フィルタを適用する。そのため、平滑化処理後に解像度変換処理、色変換処理を施して生成される基準画像と、印刷画像を読み取って得られた検査画像との対応が良好なものとなり、透明色材を用いて形成される印刷画像であっても、印刷品質を精度よく検査することが可能になる。
図8は、本実施形態による平滑化処理の具体例を示す図である。図8の例は、45度の角度を持つ2本のライン(上のラインは一部のみ示している)で表されたK色のRIP画像に対して平滑化処理を行った場合の例である。図8(a)は、平滑化処理の対象となるK色のRIP画像を示している。図8(b)は、図8(a)のRIP画像が「透明色材領域」であった場合に、平滑度の程度の弱い平滑化フィルタ(弱平滑化フィルタ)を適用して平滑化処理を行うことで得られる多値画像を示している。また、図8(c)は、図8(a)のRIP画像が「非透明色材領域」であった場合に、平滑度の程度の強い平滑化フィルタ(強平滑化フィルタ)を適用して平滑化処理を行うことで得られる多値画像を示している。
図8(b)に示す多値画像と図8(c)に示す多値画像とを比較すると分かるように、強平滑化フィルタを適用した「非透明色材領域」の方が、弱平滑化フィルタを適用した「透明色材領域」よりも、ラインの広がりが大きく、ライン間の非画像部(画素値が0の領域)が狭くなっている。この傾向は、実際の印刷画像に表れる透明色材の有無による有色色材の広がりの違いと対応している。
比較のために、従来技術のように透明色材の有無に関わらず同じ強平滑化フィルタを用いて平滑化処理を行った場合を考える。その場合、「透明色材領域」と「非透明色材領域」が、共に図8(c)のように平滑化されることになる。このとき、「非透明色材領域」については検査画像との対応がとれているが、「透明色材領域」については実際には色材が付着されない領域(画素値が51で表された画素)でも色材が付着している状態が正しいと判断されてしまうため、検査画像との比較検査の際に、誤って欠陥が生じていると判定される懸念がある。また、ラインのエッジ部の濃度特性の誤差も大きくなるため、エッジ近傍に発生したトナー落ちやハロー現象(ベタ部周辺のハーフトーン部に発生する白抜け)などの欠陥を正しく認識できない懸念がある。
以上、具体的な例を挙げながら詳細に説明したように、本実施形態の検査装置300は、基準画像を生成するに際して、CLR−RIP画像(透明画像データ)に基づき、印刷画像の各領域における透明色材の色材量を算出し、算出した透明色材の色材量に応じて、CMYK−RIP画像(有色画像データ)に対して適用する平滑化の強度を、各領域で切り替える。そして、このような平滑化処理が施された有色画像データに対して色変換処理を施すことで基準画像を生成する。
したがって、本実施形態の検査装置300によれば、透明色材の影響による有色色材の広がりの違いを反映させた基準画像を生成して、この基準画像を検査画像と比較することで印刷画像の印刷品質を検査することができるので、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像に対しても、印刷品質を精度よく検査することができる。
また、本実施形態の検査装置300によれば、印刷画像の各領域における透明色材の色材量に加えて、さらに有色色材の色に基づいて、CMYK−RIP画像(有色画像データ)の各領域に適用する平滑化の強度を切り替えることにより、有色色材の色に応じて広がりの程度が異なる場合であっても、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となり、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像の印刷品質をさらに精度よく検査することができる。
また、本実施形態の検査装置300によれば、透明色材の色材量が少ない領域ほどCMYK−RIP画像(有色画像データ)に対して適用する平滑化の強度を強くすることで、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となる。つまり、有色色材の広がりの程度は、有色色材上の透明色材の色材量が少ないほど大きくなる傾向にあり、この傾向を踏まえた平滑化処理を行うことで、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となり、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像の印刷品質を精度よく検査することができる。
また、本実施形態の検査装置300によれば、平滑化の強度が異なる複数の平滑化フィルタを事前に作成して記憶しておき、これら複数の平滑化フィルタのうち、印刷画像の各領域における透明色材の色材量に応じた適切な平滑化フィルタを選択して、CMYK−RIP画像(有色画像データ)の各領域に適用することで、実際の印刷画像に即した基準画像を簡便に生成することが可能となる。
また、本実施形態の検査装置300によれば、基準となる少なくとも一つの平滑化フィルタを事前に作成して記憶しておき、印刷画像の各領域における透明色材の色材量に応じて基準となる平滑化フィルタの平滑化の強度を補正した上で、CMYK−RIP画像(有色画像データ)の各領域に適用することで、事前に記憶しておく平滑化フィルタの数を減らすことができ、そのための記憶領域を低減することができる。
また、本実施形態の検査装置300によれば、透明色材の色材量による有色色材の広がりの違いを考慮して平滑化処理を施したCMYK−RIP画像(有色画像データ)に対して、さらに透明色材による影響を考慮して色変換(画素値の変換)を行うことで、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となり、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像の印刷品質をさらに精度よく検査することができる。
(第2実施形態)
次に、上述した第1実施形態の検査システムにおける検査装置300の変形例を、第2実施形態として説明する。第2実施形態の検査装置300’は、第1実施形態の検査装置300の構成に加えて、印刷画像を形成する際の画像形成条件を取得する手段を備え、透明色材の色材量と色材の色および画像形成条件に基づき平滑化フィルタを選択し、平滑化処理を行う。その他の構成および処理については、第1実施形態と同様であるため、以下では、第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して重複した説明を省略し、第2実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
図9は、第2実施形態の検査装置300’に実現される機能的な構成例を示すブロック図である。第2実施形態の検査装置300’では、第1実施形態と同様に、例えば、上記CPU306が上記記憶装置(例えば、HDD308やROM305など)から読み出したプログラムに従って処理を実行することにより、印刷画像の検査を実施するための機能的な構成として、図9に示すように、画像取得部320と、画像形成条件取得部330と、基準画像生成部340aと、欠陥検査部350とが実現される。
画像形成条件取得部330は、検査対象の印刷画像を画像形成装置100が形成する際の画像形成条件に関する情報を取得する機能を持つ。これは、同じ画像形成装置100で形成された印刷画像であっても、画像形成条件が異なると画像形成時の色材の広がりの程度が変化し、異なる印刷画像となるためである。例えば、表面の平滑度が低い普通紙と表面の平滑度が高いコート紙に印刷した場合、一般にコート紙の方がRIP画像に対する色材の広がりが大きくなる。また高光沢モードで印刷するなどして、通常より高い定着温度で印刷された場合は、通常の定着温度で印刷された画像と比較してRIP画像に対する色材の広がりが大きくなる。
本実施形態では、検査対象の印刷画像を画像形成装置100が形成する際の画像形成条件として、印刷画像が形成される画像形成媒体の種類、画像形成装置100の定着速度に関する情報を取得する。なお、取得する画像形成条件はこれらに限らず、画像形成装置100で制御されるパラメータなどに応じて、例えば、画像形成装置100の定着温度や定着圧力など他の定着条件、転写電流などの転写条件、有色色材の色材量などを取得してもよい。
基準画像生成部340aは、画像取得部320で取得されたCMYK−RIP画像およびCLR−RIP画像と、画像形成条件取得部330で取得された画像形成条件とに基づき、基準画像を生成する。基準画像は、平滑化フィルタ判定部341aによる平滑化フィルタの選択、平滑化部342による平滑化処理、解像度変換部343による解像度変換処理、色変換部344による色変換処理を経て生成される。ただし、本実施形態の平滑化フィルタ判定部341aでは、CLR−RIP画像から算出する透明色材の色材量と、有色色材の色に加えて、画像形成条件取得部330で取得した画像形成条件に基づき、CMYK−RIP画像の各領域に適用する平滑化フィルタの選択を行う。その他の構成における処理は、第1実施形態の検査装置300と同様でよい。
図10は、基準画像生成部340aによる基準画像の生成処理の手順を示すフローチャートである。ここで、図10のステップS201は図4のステップS101と同様であり、図10のステップS204〜S206はそれぞれ図4のステップS103〜S105と同様である。このため、以下では、ステップS202の画像モードの判定と、ステップS203の平滑化フィルタの選択についてのみ説明する。
ステップS202では、平滑化フィルタ判定部341aが、画像形成条件取得部330により取得された画像形成条件である画像形成媒体の種類と定着速度に基づき、画像モードを判定する。本実施形態では、画像モードとして、普通紙かつ通常速度により画像形成を行う「画像モード1」、コート紙かつ通常速度により画像形成を行う「画像モード2」、コート紙かつ通常の半分の速度である半速により高光沢を狙った画像形成を行う「画像モード3」の3種類を備える。平滑化フィルタ判定部341aは、画像形成条件取得部330により取得された画像形成条件がどの画像モードに該当するかを判定する。なお、画像モードはこの例に限らず、印刷画像の形成に使用される画像形成媒体や画像形成装置100で制御されるパラメータに基づき、より多くの画像モードを採用しても構わない。
ステップS203では、平滑化フィルタ判定部341aが、ステップS201で算出した透明色材の色材量と、ステップS202で画像形成条件に基づいて判定した画像モードと、有色色材の色の情報とに基づき、CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像に対して適用する平滑化フィルタを画素ごとに選択する。第1実施形態と同様に、平滑化フィルタは所定のサイズ(例えば5×5など)の配列で表され、透明色材の色材量、画像形成条件、有色色材の色に応じた値を持つ平滑化フィルタが予め検査装置300’に記憶されている。ステップS203において対応する平滑化フィルタを選択することで、実際の印刷画像における色材の広がり状態をより忠実に反映した基準画像を生成することが可能となる。
以上の処理により、透明色材の色材量や画像形成条件の影響による有色色材の広がりの違いを基準画像に反映することができる。そのため、この基準画像を用いて欠陥検査部350で検査画像との画素値の差分を比較して検査することで、透明色材が使用された印刷画像に対しても印刷品質をさらに精度よく検査することが可能となる。
ここで、上記ステップS203における平滑化フィルタの選択処理の具体例について、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態の検査装置300’において使用される平滑化フィルタのうち、K色に対応する平滑化フィルタのみを表形式で示す図である。
本実施形態では、K色に対応する平滑化フィルタとして、図11に示すように、フィルタ(K,光沢,1)〜フィルタ(K,光沢,3),フィルタ(K,マット,1)〜フィルタ(K,マット,3),フィルタ(K,非透明,1)〜フィルタ(K,非透明,3)とを予め作成し、検査装置300’に記憶させている。したがって、平滑化フィルタ判定部341aは、透明色材の色材量と画像モード、および有色色材の色が決まれば、上記の複数のフィルタの中から、対応する平滑化フィルタを選択することができる。例えば、「透明色材領域」かつ「光沢領域」で「画像モード2」の場合は、フィルタ(K,光沢,2)を選択して用いればよい。
なお、本実施形態では、K色以外の色に対応する平滑化フィルタについても、上記のK色に対応する平滑化フィルタと同様に作成して、検査装置300’に記憶させている。したがって、K以外の色についても、同様の処理により適切な平滑化フィルタを選択することができる。
ここで、コート紙かつ通常速度により画像形成を行う「画像モード2」で使用する平滑化フィルタは、普通紙かつ通常速度により画像形成を行う「画像モード1」より平滑化の程度の強いフィルタを用いている。これは、表面の平滑度が高いコート紙の方がRIP画像に対する色材の広がりが大きくなるためである。また、コート紙かつ半速により画像形成を行う「画像モード3」で使用する平滑化フィルタは、「画像モード2」よりさらに平滑化の程度の強いフィルタを用いている。これは、定着速度が遅い方が色材に与えられる熱量が多くなり、RIP画像に対する色材の広がりが大きくなるためである。なお、上記の画像形成媒体の種類や定着速度による影響は、「透明色材領域」と「非透明色材領域」とで同じ傾向を示すが、その影響度は異なる。具体的には、「非透明色材領域」の方が画像形成媒体の種類や定着速度による影響が大きく、「透明色材領域」では影響が小さくなることが分かった。よって、画像モードによる平滑化フィルタの強度の変化は、「透明色材領域」より「非透明色材領域」の方が大きくなるように平滑化フィルタの値を設定している。
なお、平滑化フィルタの分類は、透明色材の色材量、画像モード(画像形成条件)、および有色色材の色に基づいていれば、他の分類でも構わない。例えば、有色色材の色が違っても色材の広がりの程度に差異がない場合は、複数の色で同じ平滑化フィルタを使用しても構わない。また、透明色材の色材量に応じて、より細かく平滑化フィルタを切り替えてもよい。また、透明色材の色材量や定着速度に応じて平滑化フィルタの強度を補正して適用する構成であってもよい。
以上のように、本実施形態の検査装置300’は、透明色材の色材量に加えて、印刷画像を形成する際の画像形成条件に基づいて、CMYK−RIP画像(有色画像データ)の各領域に適用する平滑化の強度を切り替えるようにしている。したがって、本実施形態の検査装置300’によれば、透明色材の色材量に加えて画像形成条件の影響による有色色材の広がりの違いを基準画像に反映することができ、透明色材が使用された印刷画像に対する印刷品質の検査をさらに精度よく行うことができる。
また、本実施形態の検査装置300’によれば、画像形成条件として、印刷画像が形成される画像形成媒体の種類、画像形成装置100の定着条件、画像形成装置100の転写条件、有色色材の色材量のうち、少なくとも一つを取得することにより、印刷画像の形成時にこれらの条件が変化した場合であっても、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となり、透明色材を使った印刷物の印刷品質を精度よく検査することができる。
(第3実施形態)
次に、上述した画像入力装置200の機能と、検査装置300(300’)の機能とを組み込んで一体の装置として構成された画像形成装置に対して本発明を適用した例を、第3実施形態として説明する。
図12は、本実施形態の画像形成装置100Aの概略構成を示す構成図である。本実施形態の画像形成装置100Aは、図12に示すように、画像処理装置110と、作像装置120(印刷部)と、画像入力装置200Aと、検査装置300Aと、操作/表示パネル400と、を備える。
画像処理装置110は、ホスト装置などの外部装置からネットワークなどを介して印刷画像データを取得する画像取得部と、取得した印刷画像データに対してRIP処理を施すことで、有色色材に対応するRIP画像であるCMYK−RIP画像(有色画像データ)と、透明色材に対応するRIP画像であるCLR−RIP画像(透明画像データ)とを生成するRIP部、作像装置120を制御する制御部などを備える。
作像装置120は、光書込ユニット130と、C,M,Y,K,CLR各色の色材に対応する感光体ユニット140−C,140−M,140−Y,140−K,140−CLRと、各色の感光体ユニットと対向して設置された一次転写ローラと、中間転写ベルト160と、2次転写ローラ170と、定着ユニット180と、給紙ユニット190と、を備えている。感光体ユニットは、画像形成プロセスの上流側から140−CLR、140−Y、140−M、140−C、140−Kの順に設置されている。各感光体ユニットは、潜像担持体である感光体ドラムと、感光体ドラムを所望の電位に帯電する帯電器と、感光体ドラムに形成された静電潜像を色材によって現像する現像器と、感光体ドラム上に残った転写残色材を回収するクリーナーと、を備える。感光体ユニットの順番は、CLRの感光体ユニット140−CLRが最上流(画像形成媒体上で再上層に形成される位置)に位置していれば、他の色の並びは特に限定されるものではない。
画像入力装置200Aは、作像装置120で形成された印刷画像の印刷面を光学的に読み取り、読取画像を取得する装置である。画像入力装置200Aは、光源やミラー、レンズ、CCDセンサなどで構成される。画像入力装置200Aは、第1実施形態の検査システムにおける画像入力装置200と同等の機能を持つ。
検査装置300Aは、画像処理装置110で生成されたCMYK−RIP画像およびCLR−RIP画像と、画像入力装置200Aで取得された読取画像とを取得し、印刷画像の印刷品質を検査する装置である。検査装置300Aは、第1実施形態の検査装置300、あるいは第2実施形態の検査装置300’と同等の機能を持つ。
図13は、本実施形態の画像形成装置100Aによる動作の手順を示すフローチャートである。
まず、画像処理装置110が、取得した印刷画像データに対してRIP処理を施し、CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像とを生成する(ステップS301)。これらCMYK−RIP画像およびCLR−RIP画像は、例えば、解像度1200dpi、各画素1bitの信号値で表される画像データである。
次に、作像装置120が、画像処理装置110で生成されたCMYK−RIP画像とCLR−RIP画像とに基づき、有色色材と透明色材とを用いて画像形成媒体に印刷画像を形成する(ステップS302)。具体的には、先ず、感光体ユニット140−C,140−M,140−Y,140−K,140−CLRにおける感光体ドラムが帯電器によって所望の電位に一様に帯電される。そして、光書込ユニット130が、入力されたCMYK−RIP画像とCLR−RIP画像とに基づき、帯電された各感光体ドラムを露光し、表面に静電潜像を形成する。この静電潜像に基づいて、現像器により各色の色材が現像され、上流の感光体ユニットから順に感光体ドラムと1次転写ローラとの間で中間転写ベルト160上に色材像が転写される。中間転写ベルト160上に転写された色材像は、2次転写ローラ170との間で給紙ユニット190から供給された画像形成媒体に転写される。その後、定着ユニット180において各色の色材が加熱・加圧されることで、画像形成媒体上に印刷画像が形成される。
次に、検査装置300Aが、CMYK−RIP画像とCLR−RIP画像、および必要に応じて第2実施形態と同様の画像形成条件を画像処理装置110から受け取り、透明色材の色材量と有色色材の色、および必要に応じて画像形成条件を考慮した平滑化処理、解像度変換処理、色変換処理を施すことで基準画像を生成する(ステップS303)。平滑化処理、解像度変換処理、色変換処理は、第1実施形態の検査装置300または第2実施形態の検査装置300’と同様の処理でよい。
次に、画像入力装置200Aが、作像装置120で形成され搬送されてきた印刷画像の印刷面を読み取って読取画像を取得する(ステップS304)。読取画像は、例えば、解像度が600dpi、各画素が8bitの信号値で表された画像データである。
次に、検査装置300Aが、画像入力装置200Aにより取得された読取画像を検査画像として取得する(ステップS305)。
次に、検査装置300Aが、ステップS303で生成した基準画像と、ステップS305で取得した検査画像との画素値の差分を比較することにより、印刷画像の印刷品質の検査を行う(ステップS306)。
次に、画像形成装置100Aが、ステップS306で検査装置300Aにより行われた検査の結果を、操作/表示パネル400、および/または画像形成装置100Aとネットワークなどを介して接続されているホスト装置に対して出力する(ステップS307)。
以上のように、本実施形態の画像形成装置100Aが備える検査装置300Aは、第1実施形態の検査装置300や第2実施形態の検査装置300’と同様に、透明色材の色材量と有色色材の色の情報、さらには必要に応じて印刷画像を形成する際の画像形成条件に基づいて、CMYK−RIP画像の各領域に適用する平滑化フィルタを切り替えて平滑化処理を行う。したがって、実際の印刷画像に即した基準画像を生成することが可能となり、有色色材に加えて透明色材を用いて形成された印刷画像の印刷品質を精度よく検査することができる。
また、本実施形態の画像形成装置100Aによれば、印刷画像の検査結果をリアルタイムに得ることができるため、検査結果に応じて画像形成装置100Aの調整を行ったり、欠陥が発生した印刷画像の再印刷を行ったりするなど、適切な処置を素早く取ることが可能となる。
なお、上述した各実施形態の検査装置の機能は、例えば、上記CPU306が上記RAM304をワークエリアとして利用して、上記記憶装置(例えば、HDD308やROM305など)から読み出したプログラムを実行することによって実現できる。また、CPU306が実行するプログラムを、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
また、CPU306実行するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。さらに、CPU306が実行するプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
CPU306が実行するプログラムは、上述した画像取得部320、基準画像生成部340(平滑化フィルタ判定部341、平滑化部342、解像度変換部343、色変換部344)、および欠陥検査部350を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えばCPU306がHDD308やROM305などからプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM304上にロードされ、RAM304上に生成されるようになっている。
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を加えながら具体化することができる。