JP6182749B1 - 船舶の舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速船に装備される舵装置を得る。【解決手段】 舵1の底面より舵クラウン2の頂面まで連続する構造の舵軸1aの下半部に舵翼1bを付加して成る舵1があって、舵軸1aの上半部を、外板50部より舵取機甲板51上に突出する高さの回転体と成る舵クラウン2に挿入結合し、舵クラウン2の底部に下部軸受5を、頂部に上部軸受6を配装し、舵1・舵クラウン2を、前記二組の軸受5・6を介し、舵クラウン2と係結した舵取機4を組み込んで成る舵ホルダー3によって、内包保持し回動する。【選択図】図1
Description
この発明は、主として高速船に装備される舵装置に関する。
今日、多くの中大型船にはマリナー型舵(日本海事協会 鋼船規則 C編 3章 舵 に記載のD・E型舵 参照)が装備されている。
この舵は、船底より垂下されたラダーホーン下端のピントルで、舵の中央部を支える半平衡型舵で、船の推進性能上において高い評価を得ている。
この舵は、船底より垂下されたラダーホーン下端のピントルで、舵の中央部を支える半平衡型舵で、船の推進性能上において高い評価を得ている。
しかしながら、この舵は、ピントルに舵圧を集中させ、加えて、ピントルより半部の舵圧がピントルに曲げモーメントを掛けて、ピントル軸受にしばしば障害をもたらす。
この問題により、特に高速船において、ピントル軸受を含むその回りの形状を肥大化させている。
この問題により、特に高速船において、ピントル軸受を含むその回りの形状を肥大化させている。
また、ラダーホーンは、片持ち梁の形式で、その水平断面が半月状を成す。この構造は、舵圧による曲げや捩じりに対して強度的に好ましくなく、この問題により、特に高速船において、ラダーホーンの形状を肥大化させている。
舵においても、その上半部は不平衡形で、下半部は平衡形とする不連続な形態を成し、構造上の弱点がある。この問題により、特に高速船において、舵厚を肥大化させている。
上述したこれらの肥大化は、船の推進性能の低減、プロペラキャビテイションによるラダーホーンや舵の侵食、舵装置の振動や騒音の増大、等の弊害を招ねいている。
また、出入港時の操船をよくするために、転舵角を大きくとりたいが、舵とラダーホーンとの相対的形状の制約から、転舵角はせいぜい40°くらいまでしかとれない。
上述したこれらの問題を解決するために、側面形状を逆台形に単純化し、舵軸を強化した舵を、回転体を成すクラウン(以下これを舵クラウンと言う。)に組み込み、この舵クラウンの上下部に軸受を配し、これ等を、外板と舵取機甲板間に設置した舵ホルダーで回動自在に保持し、舵軸の頂部に舵取機を係結した船舶の舵装置がある。
しかしながら、この舵装置の前記舵取機は、ラプソンスライド式であるために、設置のために広いスペースが必要となる。また、転舵角も35°が限度とされると言う問題が残されている。(非特許文献1参照)
しかしながら、この舵装置の前記舵取機は、ラプソンスライド式であるために、設置のために広いスペースが必要となる。また、転舵角も35°が限度とされると言う問題が残されている。(非特許文献1参照)
上述の問題を解決するために、前記舵取機をロータリーベーン式に変えて、これを前記舵ホルダー上に設置した船舶の舵装置がある。(特許文献1参照)
特開2012−111472号公報
しかしながら、0009項に記載の舵装置においては、舵軸の構造、舵と舵クラウンとの結合、軸受の役わり等が詳細に述べられていない。
また、舵圧は、舵軸を介して、舵クラウンの上下部の軸受にトルク配分され、舵ホルダーに伝搬されるが、高速船においては、外板と舵取機甲板の間隔、即ち、舵クラウンの上下部の軸受間隔が狭くなるケースが多く、夫々の軸受や舵ホルダーへの負荷が厳しくなると言う問題がある。
さらに、舵取機においては、圧力室を構成する内輪が、外輪に対しフリーな状態におかれるため、外輪と内輪との相対的な位置関係の不安定さがあり、圧力室の封密の不確かさと言う問題もある。
この発明は、上述のような問題を解決し、よりよい船舶の舵装置を得ることを目的とするものである。
この船舶の舵装置は、舵、舵クラウン、下部軸受、上部軸受、及びロータリーベーン式舵取機(以下これを単に舵取機と言う。)が組込まれた舵ホルダーによって構成される。
前記舵は、舵軸と舵翼によって構成される。
前記舵軸は、前記舵の底面より前記舵クラウンの頂面まで連続する構造とされ、その水平断面形状は、卵状とされる。
そして、卵状の長辺は、前記舵クラウンの底面内に構造上許容されるまで最大化され、これより下半部は、前記舵の底面に向かって絞り込まれ、上半部は、前記舵クラウンの頂面に向かって絞り込まれる。
一方、卵状の短辺は、考慮される位置において、舵圧に対して強度上許容されるまで最小化される。
そして、卵状の長辺は、前記舵クラウンの底面内に構造上許容されるまで最大化され、これより下半部は、前記舵の底面に向かって絞り込まれ、上半部は、前記舵クラウンの頂面に向かって絞り込まれる。
一方、卵状の短辺は、考慮される位置において、舵圧に対して強度上許容されるまで最小化される。
前記舵翼は、前記舵軸の下半部に、前部舵板と後部舵板が付加された構造とされ、その側面形状は、逆台形とされ、水平断面形状は、NACAゲッチンゲン形とされる。
前記舵クラウンは、外板部より舵取機甲板上に突出した高さとされ、大径とされた下部構造と、小径とされた頂部構造、及びこの両者をつなぐ載頭円錐筒による構造とされる。
そして、前記底部構造と前記頂部構造には、夫々に前記舵軸の上半部が挿入されるコーミング付き開口が設けられ、これ等の開口には防振ゴムが敷設される。
そして、前記底部構造と前記頂部構造には、夫々に前記舵軸の上半部が挿入されるコーミング付き開口が設けられ、これ等の開口には防振ゴムが敷設される。
前記舵と前記舵クラウンは、前記クラウンの底部構造と頂部構造のコーミング付き開口に前記舵軸の上半部が挿入結合され、一対の回転体に構成される。
前記舵クラウンの底部に前記下部軸受が、頂部に前記上部軸受が配装される。
前記舵ホルダーは、前記下部軸受と前記上部軸受を介して、前記舵クラウンが回動自在に内包保持されるように、底部構造、舵取機台、及びこの両者をつなぐ載頭円錐筒による構造と、これに加え、前記舵取機台に据付けられ、且つ、前記舵クラウンと係結した舵取機によって構成される。
前記舵取機は、特許文献1の舵装置の舵取機において、
頂板と底板に挟み込まれた外輪と内輪の夫々の頂面と底面は、水平とされる。そして、前記頂板と前記底板の両内郭は、前記舵クラウンとの間に間隙をもって形成され、これ等の内郭部には、複数の球体付き内輪支持ボルトが設けられる。
六角状の空環の封密のために、前記空環の上下端に位置する前記頂板と前記底板とに、四角円環溝が掘削され、これ等に、前記空環の中央に向かって突出するシール材を前記外輪と前記内輪に接するように収納し、且つ、内縁と外縁にO‐リングを巻埋設した四角円環シーリング材が嵌め込まれ、夫々の四角円環シーリング材の背面から、前記頂板と前記底板の外皮に通ずる複数の油孔が設けられ、且つ、前記外皮に逆止弁が取り付けられる。(下線部は、特許文献2の0015項に記載のシール法を引用したものである。)
前記頂板に圧力室の空気抜き兼油漏れ検知孔が設けられ、前記底板に油漏れ検知孔が設けられる。
固定翼と回転翼の夫々の翼端の全周に凸形溝が掘削され、ここに翼シール材が設けられ、この翼シール材の上下部から前記圧力室に通ずる油孔が設けられる。
前記固定翼の中央部(前記外輪の分割部)の全周に溝が掘削され、ここに副翼シール材が設けられる。
前記外輪の前記固定翼の両測に、別置きのポンプユニットから前記圧力室への圧油の給排孔が設けられる。
頂板と底板に挟み込まれた外輪と内輪の夫々の頂面と底面は、水平とされる。そして、前記頂板と前記底板の両内郭は、前記舵クラウンとの間に間隙をもって形成され、これ等の内郭部には、複数の球体付き内輪支持ボルトが設けられる。
六角状の空環の封密のために、前記空環の上下端に位置する前記頂板と前記底板とに、四角円環溝が掘削され、これ等に、前記空環の中央に向かって突出するシール材を前記外輪と前記内輪に接するように収納し、且つ、内縁と外縁にO‐リングを巻埋設した四角円環シーリング材が嵌め込まれ、夫々の四角円環シーリング材の背面から、前記頂板と前記底板の外皮に通ずる複数の油孔が設けられ、且つ、前記外皮に逆止弁が取り付けられる。(下線部は、特許文献2の0015項に記載のシール法を引用したものである。)
前記頂板に圧力室の空気抜き兼油漏れ検知孔が設けられ、前記底板に油漏れ検知孔が設けられる。
固定翼と回転翼の夫々の翼端の全周に凸形溝が掘削され、ここに翼シール材が設けられ、この翼シール材の上下部から前記圧力室に通ずる油孔が設けられる。
前記固定翼の中央部(前記外輪の分割部)の全周に溝が掘削され、ここに副翼シール材が設けられる。
前記外輪の前記固定翼の両測に、別置きのポンプユニットから前記圧力室への圧油の給排孔が設けられる。
前記下部軸受は、アキシアル荷重・ラジアル荷重・モーメント荷重を受けることができる旋回軸受とされ、前記舵クラウンの底部構造と前記舵ホルダーの底部構造との間に配装される。
この軸受の装着面、即ち、内輪・外輪と、これ等に対応する前記舵クラウンの底部構造・前記舵ホルダーの底部構造には、夫々下方に向ってオープンとなる勾配が付けられる。
この軸受の内輪と前記舵クラウンの底部構造との嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、外輪と前記舵ホルダーの底部構造との嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴムが挟設される。
この軸受は、この軸受の上方位置に設けられたリング板に、着脱自在にボルトで締結される。
この軸受の装着面、即ち、内輪・外輪と、これ等に対応する前記舵クラウンの底部構造・前記舵ホルダーの底部構造には、夫々下方に向ってオープンとなる勾配が付けられる。
この軸受の内輪と前記舵クラウンの底部構造との嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、外輪と前記舵ホルダーの底部構造との嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴムが挟設される。
この軸受は、この軸受の上方位置に設けられたリング板に、着脱自在にボルトで締結される。
前記下部軸受には、海水防止のための下部軸受シーリングが設けられる。
このシーリングは、前記舵クラウンと前記舵ホルダーの両底面間に平板が被せられ、舵クラウン側はシーリング材が設けられ、舵ホルダー側はパッキン付きボルトにより締結される。
このシーリングは、前記舵クラウンと前記舵ホルダーの両底面間に平板が被せられ、舵クラウン側はシーリング材が設けられ、舵ホルダー側はパッキン付きボルトにより締結される。
前記上部軸受は、前記下部軸受と同様に旋回軸受とされ、前記舵クラウンの頂部構造と前記舵取機の頂面に立てられたコーミングとの間に配装される。
この軸受の装着面、即ち、内輪・外輪と、これ等に対応する前記舵クラウンの頂部構造・前記コーミングには、夫々上方に向ってオープンとなる勾配が付けられる。
この軸受の前記内輪と前記舵クラウンの頂部構造との嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、前記外輪と前記コーミングとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴムが挟設される。
この軸受は、前記舵取機の頂面に、着脱自在にボルトで締結される。
この軸受の装着面、即ち、内輪・外輪と、これ等に対応する前記舵クラウンの頂部構造・前記コーミングには、夫々上方に向ってオープンとなる勾配が付けられる。
この軸受の前記内輪と前記舵クラウンの頂部構造との嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、前記外輪と前記コーミングとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴムが挟設される。
この軸受は、前記舵取機の頂面に、着脱自在にボルトで締結される。
以上の如く構築された舵装置は、外板と舵取機甲板間に設置され、別置きの油圧ポンプユニットから、前記舵取機へ圧油が給排されて、稼動される。
この舵装置は、2機2軸船おいて、前記舵ホルダーの底面を当該部の外板に添うように、舵装置全体を斜傾させて設置することができる。
舵軸は、舵の主柱とされる。舵軸の幅は、舵クラウンの底面内に構造上許容されるまで最大化し、これより上下に向かって絞り込み、舵軸の厚さは、考慮される位置において、舵圧に対し強度上許容されるまで最小化する。この結果、薄い舵翼の舵が得られ、舵の抗力やキャビテイションによる損耗は低減される。(0018項参照)
舵クラウンとこれを内包する舵ホルダーを、舵装置のアレンジを考慮しながら、できるだけ舵取機甲板上に突出させる。この結果、舵圧による舵装置への負荷は相応に低減される。(0020,0023項参照)
舵軸と舵クラウンの結合部をコーン形態とし、両者の結合部に防振ゴムを敷設すれば、両者は馴染み良く結合され、プロペラに起因する舵から舵クラウンへの振動は減衰され、舵装置の振動や騒音は低減される。(0020項参照)
舵取機において、圧力室を構成する外輪と内輪の夫々の頂面と底面を水平とすれば、当該部の機械加工は省力化され、頂板と底板の外輪と内輪の相対部位にシール材を施せば、当該部の封密は確かなものとされる。(0024項参照)
舵取機において、内輪を、頂板と底板の内郭部に設けた球体付き内輪支持ボルトで支持すれば、外輪に対する内輪の相対位置は、安定的に保たれる。(0024項参照)
舵取機の固定翼のシール材において、両翼端のシール材は主シール材とし、中央部の副シール材はバックアップシール材として機能する。
回転翼においては、両翼端のシール材のうち、片方は主シール材とし、他方はバックアップシール材として機能する。(0024項参照)
回転翼においては、両翼端のシール材のうち、片方は主シール材とし、他方はバックアップシール材として機能する。(0024項参照)
軸受の装着法において、軸受の内外輪と夫々の装着部が真円筒の場合、両者を精度よく嵌め合わすことは機械加工上難しい。もし装着部が少しでも狭くなれば、軸受の装着は不可能となり、広くなればガタツキが生まれる。この問題は、軸受とその装着部に勾配を付けて、軸受を軸受座に向かってボルトで押し込む方法により解決される。
上述の機構において、舵と舵クラウンは、下部軸受の内輪によりキャリーされ、上部軸受の内輪によりジャンピングストップされる。と同時に、舵クラウンは、上下の軸受に挟み込まれて、舵ホルダーに回動自在に内包保持されることとなる。
両軸受の外輪のスキマ嵌め部には耐圧ゴムが挟設されて、防振に役立てられる。
(0025、0027項参照)
上述の機構において、舵と舵クラウンは、下部軸受の内輪によりキャリーされ、上部軸受の内輪によりジャンピングストップされる。と同時に、舵クラウンは、上下の軸受に挟み込まれて、舵ホルダーに回動自在に内包保持されることとなる。
両軸受の外輪のスキマ嵌め部には耐圧ゴムが挟設されて、防振に役立てられる。
(0025、0027項参照)
2機2軸船の舵装置において、舵ホルダーの底面を当該部の外板に添うように、舵装置全体を斜傾させて設置すれば、当該部の水の流れはスムースになる。
図1は、この発明の実施の形態を示す船舶の舵装置の側面図である。図2は、図1の矢視A−Aに沿う縦断面図である。図3は、図1の矢視B−Bに沿う水平断面図である。図4は、図1の矢視C−Cに沿う水平断面図である。図5は、図1の矢視D−Dに沿う水平断面図である。図6は、図2に示すイ部の詳細図である。図7は、図2に示すロ部の詳細図である。図8は、図3に示すハ部の詳細図である。図9は、図3に示すニ部の詳細図である。図10は、図2に示すホ部の詳細図である。図11は、舵ホルダーの底面を当該部の外板に添うように、舵装置全体を斜傾さて設置した図である。
なお、図3は、舵取機4の圧力室4iを4区画に特記したもので、この舵装置はこれに限定されるものではない。
なお、図3は、舵取機4の圧力室4iを4区画に特記したもので、この舵装置はこれに限定されるものではない。
図において、船舶の舵装置100は、舵1が舵クラウン2に結合されて一対の回転体とされ、舵クラウン2に下部軸受5と上部軸受6が配装され、舵1・舵クラウン2が、軸受5・6を介して、舵クラウン2と係結した舵取機4を組み込んだ舵ホルダー3によって、回動自在に内包保持された構成とされ、外板50から舵取機甲板51間に設置されている。
舵1は、舵軸1aと舵翼1bによって構成されている。
舵軸1aは、舵1の底面より舵クラウン2の頂面まで連続する構造とされ、その水平断面形状は、卵状とされている。
そして、卵状の長辺、即ち、舵軸1aの幅は、舵クラウン2の底面内において構造的に許容されるまで拡大化され、これより下半部は、舵1の底面に向かって絞り込まれ、上半部は、舵クラウン2の頂面に向かって絞り込まれている。
一方、卵状の短辺、即ち、舵軸1aの厚さは、考慮される位置において、舵圧に対して強度上許容されるまで最小化されている。
そして、卵状の長辺、即ち、舵軸1aの幅は、舵クラウン2の底面内において構造的に許容されるまで拡大化され、これより下半部は、舵1の底面に向かって絞り込まれ、上半部は、舵クラウン2の頂面に向かって絞り込まれている。
一方、卵状の短辺、即ち、舵軸1aの厚さは、考慮される位置において、舵圧に対して強度上許容されるまで最小化されている。
舵翼1bは、舵軸1aの下半部に前部舵板1b1と後部舵板1b2が付加された構造とされ、その側面形状は、逆台形とされ、水平断面形状は、NACAゲッチンゲン形とされている。
舵クラウン2は、外板50部を底面とし、舵取機甲板51より上方に突出した任意の位置を頂面とし、大径とされた底部構造2aと、小径とされた頂部構造2c、及びこの両者2aと2cをつなぐ載頭円錐筒2bによる構造とされ、底部構造2aと頂部構造2cの夫々に、舵軸1aの上半部を挿入のためのコーミング付き開口2a1と2c1が設けられ、これ等の開口2a1と2c1に防振ゴム2a2と2c2が敷設されている。
舵1と舵クラウン2は、コーミング付き開口2a1と2c1に舵軸1aの上半部が挿入され、この舵軸1aの頂部に設けられたボルト1a1と、舵クラウン2の頂面を座とするナット1a2により着脱自在に結合されて、回転体に構成されている。
舵クラウン2の底部構造2aに下部軸受5が、頂部構造2cに上部軸受6が配装されている。
舵ホルダー3は、舵クラウン2が、下部軸受5と上部軸受6を介し、回動自在に内包保持されるように、底部構造3a、載頭円錐筒3b、及び舵取機台3cによる構造とされ、これに加え、舵取機台3cに据付けボルト4tで据付けられ、且つ、舵クラウン2の頂部構造2cとキー7で結合した舵取機4によって構成されている。
舵取機4は、外郭が凸形に形成され、2又は3分割された外輪4aと、内郭が舵クラウン2の頂部構造2cに接するように形成された内輪4bが、同一レベルにあって、この外輪4aと内輪4bの相対部が、舵1・舵クラウン2の回転軸線を含む切断面において算盤玉の鋭角部を削いだ六角状となる空環に形成され、この空環が、外輪4aの分割部に固定翼栓4jで固着された2又は3個の固定翼4eと、内輪4bに回転翼栓4kで固着された2又は3個の回転翼4fとで仕切られて、4又は6区画の圧力室4iに形成されている。
その上で、外輪4a、内輪4b、固定翼4e、及び回転翼4fは、外郭が凸形に形成された外輪4aに噛合うように凹型に形成され、内郭が舵クラウン2の頂部構造2cとの間に間隙をもつように形成された、頂板4cと底板4dとによって挟み込まれている。
そして、外輪4aは、頂板4cと底板4dとの三枚重ねの状態で複数の締結ボルト4gにより締結され、内輪4bは、頂板4cと底板4dに対して摺動自在に、且つ、頂板4cと底板4dの両内郭部に設けられた複数の球体付き内輪支持ボルト4hによって支持されている。
頂板4cと底板4dの前記空環の上下端部には、四角円環溝が掘削され、前記空環の中央に向かって突出するシール材を収納し、加えて、内縁と外縁にO‐リングを巻埋設した四角円環シール材4lが嵌め込まれ、四角円環シール材4lの背面から、頂板4cと底板4dの外皮に通ずる複数の油孔A4mが設けられ、前記外皮に逆止弁4n(例えばグリースニップル)が取り付けられている。
頂板4cには、圧力室の空気抜き兼油漏れ検知孔4oが、底板4dには、油漏れ検知孔4pが設けられている。(圧力室の空気抜きは、逆止弁を解放して圧力室に圧油を充満して行われる。)
固定翼4eと回転翼4fには、夫々の翼端の全周に凸形溝が掘削され、ここに翼シール材4qが設けられ、この翼シール材4qの上下部から圧力室4iに通ずる油孔B4sが設けられている。
固定翼4eには、その中央部(外輪4aの分割部)の全周に溝が掘削され、ここに副翼シール材4rが設けられている。
外輪4aの固定翼4eの両測には、別置きのポンプユニットから圧力室4iへの圧油の給排孔4vが設けられている。
その上で、外輪4a、内輪4b、固定翼4e、及び回転翼4fは、外郭が凸形に形成された外輪4aに噛合うように凹型に形成され、内郭が舵クラウン2の頂部構造2cとの間に間隙をもつように形成された、頂板4cと底板4dとによって挟み込まれている。
そして、外輪4aは、頂板4cと底板4dとの三枚重ねの状態で複数の締結ボルト4gにより締結され、内輪4bは、頂板4cと底板4dに対して摺動自在に、且つ、頂板4cと底板4dの両内郭部に設けられた複数の球体付き内輪支持ボルト4hによって支持されている。
頂板4cと底板4dの前記空環の上下端部には、四角円環溝が掘削され、前記空環の中央に向かって突出するシール材を収納し、加えて、内縁と外縁にO‐リングを巻埋設した四角円環シール材4lが嵌め込まれ、四角円環シール材4lの背面から、頂板4cと底板4dの外皮に通ずる複数の油孔A4mが設けられ、前記外皮に逆止弁4n(例えばグリースニップル)が取り付けられている。
頂板4cには、圧力室の空気抜き兼油漏れ検知孔4oが、底板4dには、油漏れ検知孔4pが設けられている。(圧力室の空気抜きは、逆止弁を解放して圧力室に圧油を充満して行われる。)
固定翼4eと回転翼4fには、夫々の翼端の全周に凸形溝が掘削され、ここに翼シール材4qが設けられ、この翼シール材4qの上下部から圧力室4iに通ずる油孔B4sが設けられている。
固定翼4eには、その中央部(外輪4aの分割部)の全周に溝が掘削され、ここに副翼シール材4rが設けられている。
外輪4aの固定翼4eの両測には、別置きのポンプユニットから圧力室4iへの圧油の給排孔4vが設けられている。
下部軸受5は、旋回軸受とされ、舵クラウン2の底部構造2aと舵ホルダー3の底部構造3aの間に配装されている。
この軸受5の装着面、即ち内輪・外輪と、これに対応する舵クラウン2の底部構造2a・舵ホルダー3の底部構造3aには、夫々下方に向ってオープンとなる勾配が付けられている。
この軸受5の内輪と舵クラウン2の底部構造2aとの嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、外輪と舵ホルダー3の底部構造3aとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴム5aが挟設されている。
この軸受5は,軸受5の上方位置に設けられたリング板5bに、着脱自在にボルト5cで締結されている。
この軸受5の装着面、即ち内輪・外輪と、これに対応する舵クラウン2の底部構造2a・舵ホルダー3の底部構造3aには、夫々下方に向ってオープンとなる勾配が付けられている。
この軸受5の内輪と舵クラウン2の底部構造2aとの嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、外輪と舵ホルダー3の底部構造3aとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴム5aが挟設されている。
この軸受5は,軸受5の上方位置に設けられたリング板5bに、着脱自在にボルト5cで締結されている。
下部軸受5の海水防止のための下部軸受シーリング8が設けられている。
このシーリング8は、舵クラウン2と舵ホルダー3の底面間に平板8aが被せられ、舵クラウン2側はシーリング材8bが設けられ、舵ホルダー3側はパッキン付きボルト8cにより締結されている。
このシーリング8は、舵クラウン2と舵ホルダー3の底面間に平板8aが被せられ、舵クラウン2側はシーリング材8bが設けられ、舵ホルダー3側はパッキン付きボルト8cにより締結されている。
上部軸受6は、旋回軸受とされ、舵クラウン2の頂部構造2cと舵取機頂部コーミング4uとの間に配装されている。
この軸受6の装着面、即ち、内輪・外輪と、これに対応する舵クラウン2の頂部構造2c・舵取機頂部コーミング4uには、夫々上方に向ってオープンとなる勾配が付けられている。
この軸受6の内輪と前記舵クラウン2の頂部構造2cとの嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、外輪と舵取機頂部コーミング4uとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴム6aが挟設されている。
この軸受6は、舵取機4の頂板4cに、着脱自在にボルト6bで締結されている。
この軸受6の装着面、即ち、内輪・外輪と、これに対応する舵クラウン2の頂部構造2c・舵取機頂部コーミング4uには、夫々上方に向ってオープンとなる勾配が付けられている。
この軸受6の内輪と前記舵クラウン2の頂部構造2cとの嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、外輪と舵取機頂部コーミング4uとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部には耐圧ゴム6aが挟設されている。
この軸受6は、舵取機4の頂板4cに、着脱自在にボルト6bで締結されている。
2機2軸船おいて、この舵装置100は、舵ホルダー3の底面を当該部の外板50に添わせるように、斜傾させて設置されている。
1 舵、1a 舵軸、1a1 ボルト、1a2 ナット、1b 舵翼、1b1 前部舵板、1b2 後部舵板、
2 舵クラウン、2a 底部構造、2a1 コーミング付き開口、2a2 防振ゴム、2b 載頭円錐筒、
2c 頂部構造、2c1 コーミング付き開口、2c2 防振ゴム、
3 舵ホルダー、3a 底部構造、3b 載頭円錐筒、3c 舵取機台、
4 舵取機、4a 外輪、4b 内輪、4c 頂板、4d 底板、4e 固定翼、4f 回転翼、
4g 締結ボルト、4h 球体付き内輪支持ボルト、4i 圧力室、4j 固定翼栓、4k 回転翼栓、
4l 四角円環シール材、4m 油孔A,4n 逆止弁、4o 空気抜き兼油漏れ検知孔、
4p 油漏れ検知孔、4q 翼シール材、4r 副翼シール材、4s 油孔B、4t 据付ボルト、
4u 舵取機頂部コーミング、4v 圧油の給排孔、
5 下部軸受、5a 耐圧ゴム、5b リング板、5c ボルト、
6 上部軸受、6a 耐圧ゴム、6b ボルト、
7 キー、
8 下部軸受シーリング、8a 平板、8b シーリング材、8c ボルト
50 外板、51 舵取機甲板、100 船舶の舵装置
2 舵クラウン、2a 底部構造、2a1 コーミング付き開口、2a2 防振ゴム、2b 載頭円錐筒、
2c 頂部構造、2c1 コーミング付き開口、2c2 防振ゴム、
3 舵ホルダー、3a 底部構造、3b 載頭円錐筒、3c 舵取機台、
4 舵取機、4a 外輪、4b 内輪、4c 頂板、4d 底板、4e 固定翼、4f 回転翼、
4g 締結ボルト、4h 球体付き内輪支持ボルト、4i 圧力室、4j 固定翼栓、4k 回転翼栓、
4l 四角円環シール材、4m 油孔A,4n 逆止弁、4o 空気抜き兼油漏れ検知孔、
4p 油漏れ検知孔、4q 翼シール材、4r 副翼シール材、4s 油孔B、4t 据付ボルト、
4u 舵取機頂部コーミング、4v 圧油の給排孔、
5 下部軸受、5a 耐圧ゴム、5b リング板、5c ボルト、
6 上部軸受、6a 耐圧ゴム、6b ボルト、
7 キー、
8 下部軸受シーリング、8a 平板、8b シーリング材、8c ボルト
50 外板、51 舵取機甲板、100 船舶の舵装置
Claims (5)
- 舵の底面より舵クラウンの頂面まで連続する構造とされ、水平断面形状が卵状とされ、その水平断面形状が、前記舵クラウンの底面においてその内面に収められ、これより下半部が前記舵の底面に向かって絞り込まれ、上半部が前記舵クラウンの頂面に向かって絞り込まれた舵軸と、前記舵軸の下半部に前部舵板と後部舵板が付加された舵翼とによって、舵が構成され、
外板部より舵取機甲板上に突出した高さとされ、大径とされた底部構造と、小径とされた頂部構造、及びこの両者をつなぐ載頭円錐筒による構造とされ、前記底部構造と前記頂部構造の夫々に、前記舵軸の上半部を挿入するためのコーミング付き開口が設けられ、これ等のコーミング付き開口に、夫々防振ゴムが敷設されて、舵クラウンが構成され、
前記の両コーミング付き開口へ前記舵軸の上半部が挿入結合されて、前記舵と前記舵クラウンが一対の回転体に構成され、
前記舵クラウンの底部に下部軸受が、頂部に上部軸受が配装され、
前記舵クラウンが、前記下部軸受と前記上部軸受を介して、回動自在に内包保持されるように、底部構造、載頭円錐筒、及び舵取機台による構造に、前記舵クラウンの頂部構造に係結した舵取機が据付けられて、舵ホルダーが構成され、
前記された舵、舵クラウン、下部軸受、上部軸受、及び舵ホルダーによって構成された舵装置が、外板と舵取機甲板間に設置されたことを特徴とする、船舶の舵装置。 - 前記舵取機は、2又は3分割して成る外輪と、内輪との相対部が、前記舵・クラウンの回転軸線を含む切断面において算盤玉の鋭角部を削いだ六角状となる空環に形成され、前記空環が、前記外輪の分割部に固着された2又は3個の固定翼と、前記内輪に固着された2又は3個の回転翼とで仕切られて、4又は6区画の圧力室に形成され、これ等、即ち、外輪、内輪、固定翼及び回転翼が、頂板と底板に挟み込まれ、前記外輪は、前記頂板と前記底板との三枚重ねの状態に結合され、前記内輪は、前記頂板と前記底板に対して摺動自在の状態とされ、前記外輪の外郭部が凸型に形成され、前記頂板と前記底板の外郭部が、前記外輪の外郭部の凸型にカミ合うように凹型に形成され、
前記空環の上下端に位置する前記頂板と前記底版とに、四角円環溝が掘削され、これ等の四角円環溝に、前記空環の中央に向かって突出するシール材を収納し、且つ、内縁と外縁にO‐リングを巻埋設した四角円環シーリング材が嵌め込まれ、夫々の四角円環シーリング材の背面から、前記頂板と前記底版の外皮に通ずる複数の油孔が設けられ、且つ、前記外皮に逆止弁が取り付けられた舵取機において、
前記頂板と前記底板の両内郭が、前記舵クラウンとの間に間隙をもって形成され、前記頂板と前記底板の両内郭部に複数の球体付き内輪支持ボルトが設けられ、
前記頂板に前記圧力室の空気抜き兼油漏れ検知孔が設けられ、前記底版に前記圧力室の油漏れ検知孔が設けられ、
前記固定翼と前記回転翼の夫々の翼端の全周に凸形溝が掘削され、ここに翼シール材が設けられ、この翼シール材の上下部から前記圧力室に通ずる油孔が設けられ、
前記固定翼の中央部の全周に溝が掘削され、ここに副翼シール材が設けられ、
前記外輪の前記固定翼の両測に、別置きのポンプユニットから前記圧力室への圧油の給排孔が設けられた舵取機、が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の船舶の舵装置。 - 前記下部軸受において、この軸受は、旋回軸受とされ、前記舵クラウンの底部構造と前記舵ホルダーの底部構造間に配装され、この軸受の装着面、即ち、軸受の内輪・外輪と、これ等に対応する前記舵クラウンの底部構造・前記舵ホルダーの底部構造には、夫々下方に向ってオープンとなる勾配が付けられ、この軸受の内輪と前記舵クラウンの底部構造との嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、この軸受の外輪と前記舵ホルダーの底部構造との嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部に耐圧ゴムが挟設され、この軸受の上方位置に設けられたリング板に着脱自在にボルト締結された下部軸受と、
前記舵クラウンと前記ホルダーの両底面間に平板が被せられ、前記舵クラウン側にはシーリング材が設けられ、前記舵ホルダー側はボルト締結された下部軸受シーリング、が備えられたことを特徴とする、請求項1に記載の船舶の舵装置。 - 前記上部軸受において、この軸受は、旋回軸受とされ、前記舵クラウンの頂部構造と舵取機頂部コーミング間に配装され、この軸受の装着面、即ち、軸受の内輪・外輪と、これ等に対応する前記舵クラウンの頂部構造・前記舵取機頂部コーミングには、夫々上方に向ってオープンとなる勾配が付けられ、この軸受の内輪と前記舵クラウンの頂部構造との嵌め合いは、シマリ嵌めとされ、この軸受の外輪と前記舵取機頂部コーミングとの嵌め合いは、スキマ嵌めとされ、このスキマ嵌め部に耐圧ゴムが挟設され、前記舵取機に着脱自在にボルト締結された上部軸受、が備えられたことを特徴とする、請求項1の船舶の舵装置。
- 2機2軸船において、前記舵ホルダーの底面が当該部の外板に添うように、舵装置全体を斜傾させて設置されたことを特徴とする、請求項1に記載の船舶の舵装置。
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---|---|---|---|---|
CN107697259A (zh) * | 2017-11-06 | 2018-02-16 | 钦州学院 | 一种基于船舶悬挂舵的止跳器 |
CN114475992A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-05-13 | 宜昌测试技术研究所 | 一种适应于水下航行器的操舵联接装置 |
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---|---|---|---|---|
JP2012111472A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-06-14 | Toshimori Enko | 船舶の舵装置 |
JP2014000939A (ja) * | 2012-06-18 | 2014-01-09 | Toshimori Enko | 船舶の舵装置 |
JP5934989B1 (ja) * | 2015-08-24 | 2016-06-15 | 俊盛 円光 | 船舶のロータリーベーン式舵取機 |
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2016
- 2016-10-11 JP JP2016211096A patent/JP6182749B1/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
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CN114475992A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-05-13 | 宜昌测试技术研究所 | 一种适应于水下航行器的操舵联接装置 |
CN114475992B (zh) * | 2021-12-24 | 2023-11-07 | 宜昌测试技术研究所 | 一种适应于水下航行器的操舵联接装置 |
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JP2018062327A (ja) | 2018-04-19 |
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