JP6181401B2 - 二元冷凍装置 - Google Patents
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Description
この冷媒組成物は、比熱比が高めのトリフルオロメタン(R23)を39重量%、比熱比が低めのヘキサフルオロエタン(R116)を61重量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)からなる冷媒組成物あるいは、この共沸混合物と、n−ペンタンまたはプロパンとの混合物からなり、このn−ペンタンまたはプロパンを、トリフルオロメタンとヘキサフルオロエタンの総重量に対して14%以下の割合で混合した冷媒組成物を組成したものであり、オゾン層を破壊する危険が少なく、−80℃という低温を達成でき、冷凍能力や他の性能面でもR503の代替冷媒として使用できるものである。
二酸化炭素(R744)はGWP1と小さいが、圧力の上昇、吐出温度の上昇によるオイルの劣化やスラッジ発生の問題があるため、二酸化炭素に、プロパン、シクロプロパン、イソブタン、ブタンなどの炭化水素類を全体の30から70%程度混合した混合冷媒およびそれを用いた冷凍サイクル装置(特許文献2参照)が提案されている。
また、イソブタン40〜60%、残部がトリフロロメタン(R23)である混合冷媒(特許文献3参照)、ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合物にプロパンを65%以上混合した混合冷媒(特許文献4参照)などが提案されている。
本発明の目的は、従来の問題を解決し、GWPが小さく地球に優しい冷媒組成物であって、かつCOPが高く、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、n−ペンタンまたはプロパンをオイルキャリアとして使用すればオイルセパレータを使用するまでもなく圧縮機にオイルを戻すことができ、爆発の危険性がなく、−80℃という低温を達成でき、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する冷媒として使用できる冷媒組成物を使用した、実際に低温を達成できる二元冷凍装置を提供することである。
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)とパーフロロエタン(R116)とを混合した共沸混合物を含有する冷媒組成物を使用し、
前記パーフロロエタン(R116)を前記冷媒組成物に対して50%以上60質量%以下を加えることを特徴とする二元冷凍装置である。
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)と二酸化炭素(R744)とを含有する冷媒組成物を使用し、
前記二酸化炭素(R744)を前記冷媒組成物に対して20質量%以下を加えることを特徴とする二元冷凍装置である。
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)とパーフロロエタン(R116)とを混合した共沸混合物と、二酸化炭素(R744)と、を含有する冷媒組成物を使用し、
前記パーフロロエタン(R116)を前記冷媒組成物に対して50質量%以上60質量%以下とし、
前記二酸化炭素(R744)を前記冷媒組成物に対して20質量%以下を加えることを特徴とする二元冷凍装置である。
高温側冷凍回路中の冷媒として、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群からなる非共沸混合物あるいは、それらの冷媒群に1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えることを特徴とする二元冷凍装置である。
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)とパーフロロエタン(R116)とを混合した共沸混合物を含有する冷媒組成物を使用し、
前記パーフロロエタン(R116)を前記冷媒組成物に対して50%以上60質量%以下を加えることを特徴とする二元冷凍装置であり、
地球温暖化係数(GWP)が3のエタン(R170)と地球温暖化係数(GWP)が12200のパーフロロエタン(R116)を混合した共沸混合物を用い、GWPが3のエタン(R170)の沸点は−88.6℃と低く、GWPが12200のパーフロロエタン(R116)の沸点は−78.1℃と低く、その共沸混合物の沸点は−88.8℃と低く、パーフロロエタン(R116)単独の場合よりGWPが半分以下と小さいので地球に優しく、−80℃という低温を達成でき、爆発の危険性がなく、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する、という顕著な効果を奏する。
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)と二酸化炭素(R744)とを含有する冷媒組成物を使用し、
前記二酸化炭素(R744)を前記冷媒組成物に対して20質量%以下を加えることを特徴とする二元冷凍装置であり、
GWPが3のエタン(R170)の沸点は−88.6℃と低く、GWPが12200のパーフロロエタン(R116)の沸点は−78.1℃と低く、その共沸混合物の沸点は−88.8℃と低く、パーフロロエタン(R116)単独の場合よりGWPが半分以下と小さいので地球に優しく、−80℃という低温を達成でき、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する上、二酸化炭素(R744)の添加量が20質量%以下と少ないので、吐出圧力や吐出温度が高くならず、したがってCOPが低下せず、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、爆発の危険性がない、という顕著な効果を奏する。
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)とパーフロロエタン(R116)とを混合した共沸混合物と、二酸化炭素(R744)と、を含有する冷媒組成物を使用し、
前記パーフロロエタン(R116)を前記冷媒組成物に対して50質量%以上60質量%以下とし、
前記二酸化炭素(R744)を前記冷媒組成物に対して20質量%以下を加えることを特徴とする二元冷凍装置であり、
地球温暖化係数(GWP)が3のエタン(R170)と地球温暖化係数(GWP)が12200のパーフロロエタン(R116)を混合した共沸混合物を用い、GWPが3のエタン(R170)の沸点は−88.6℃と低く、GWPが12200のパーフロロエタン(R116)の沸点は−78.1℃と低く、その共沸混合物の沸点は−88.8℃と低く、パーフロロエタン(R116)単独の場合よりGWPが半分以下と小さいので地球に優しく、−80℃という低温を達成でき、爆発の危険性がなく、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する上、二酸化炭素(R744)の添加量が20質量%以下と少ないので、吐出圧力や吐出温度が高くならず、したがってCOPが低下せず、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、爆発の危険性がない、という顕著な効果を奏する。
n−ペンタンまたはプロパンがオイルキャリアとして作用するためオイルセパレータを使用するまでもなく圧縮機にオイルを戻すことができ、n−ペンタンの添加量が14質量%以下と少ないので、爆発の危険性がない、という顕著な効果を奏する。
高温側冷凍回路中の冷媒として、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群からなる非共沸混合物あるいは、それらの冷媒群に1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えることを特徴とする二元冷凍装置であり、
地球温暖化係数(GWP)が6の1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)とジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)などのフッ化炭化水素を含む混合冷媒は、GWPが1500以下であるので、GWPが小さく地球に優しく、吐出圧力や吐出温度が高くならず、COPが低下せず、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、爆発の危険性がない、という顕著な効果を奏する。
HFO−1234zeの替わりにHFO−1234yfを用いても請求項5記載の冷媒組成物と同じ作用効果を得ることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
n−ペンタンがオイルキャリアとして作用するためオイルセパレータを使用するまでもなく圧縮機にオイルを戻すことができ、n−ペンタンの添加量が6質量%以下と少ないので、爆発の危険性がない、というさらなる顕著な効果を奏する。
図1は本発明の冷媒組成物を封入してなる二元冷凍装置の冷媒回路図である。S1は高温側冷媒サイクルを、また、S2は低温側冷媒サイクルを示している。
低温側冷媒サイクルS2には、GWPが3のエタン(R170)45質量%とGWPが12200のパーフロロエタン(R116)42質量%と二酸化炭素(R744)13質量%を混合した混合冷媒(GWP5119、沸点−85℃以下)とn−ペンタンを混合した冷媒組成物が封入される。ここで、n−ペンタンは、混合冷媒の総質量に対して14質量%以下(この例では、6.4質量%)の割合で混合して組成される。この結果、沸点が−85℃以下のかなり低温の冷媒組成物を封入することとなる。そして、圧縮機6から吐出された冷媒及び圧縮機オイルは、オイルセパレータ16に流入する。そこで、気相部分と液相部分とに分離され、オイルの大部分は液相であるため、リターン配管17より圧縮機6に戻れる。気相の冷媒とオイルは、配管18を通り吸込側熱交換器19と熱交換し、更に、カスケードコンデンサ11にて高温側冷媒サイクルS1内の冷媒の蒸発によって冷却されて凝縮する。その後、キャピラリーチューブ22にて減圧された後、蒸発器24に流入して蒸発する。この蒸発器24は、図示しない冷凍庫の壁面に熱交換関係に取り付けられて庫内を冷却する。ここで、蒸発器24での蒸発温度は−85℃以下に達する。
図1に示した二元冷凍装置の冷媒回路に本発明の下記の冷媒組成物を封入して運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価した。
低温側冷媒組成物:
エタン(R170)にパーフロロエタン(R116)60質量%(共沸混合物)と冷媒組成物全体に対してn−ペンタン6.0質量%を混合した冷媒組成物。
高温側冷媒組成物:
ジフロロメタン(R32)/ペンタフロロエタン(R125)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)共沸混合物(R407D)あるいはペンタフロロエタン(R125)/1,1,1−トリフロロエタン(R143a)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)共沸混合物(R404A)、あるいは、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群に、1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze(E)、GWP6、沸点−19℃)を含むフッ化炭化水素混合冷媒であり、または、1,1,1,2−テトラフロロペンテン(HFO−1234yf)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えた混合冷媒。
低温側冷媒組成物として下記の冷媒組成物を用いた以外は実施例1と同様にして運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価した。
低温側冷媒組成物:
エタン(R170)に二酸化炭素(R744)を20質量%以下と冷媒組成物全体に対してn−ペンタン8.7質量%を混合した冷媒組成物。
低温側冷媒組成物として下記の冷媒組成物を用いた以外は実施例1と同様にして運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価した。
低温側冷媒組成物:
パーフロロエタン(R116)に二酸化炭素(R744)を20質量%以下と冷媒組成物全体に対してn−ペンタン13.0質量%を混合した冷媒組成物。
低温側冷媒組成物として下記の冷媒組成物を用いた以外は実施例1と同様にして運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力およびCOPを評価した。
低温側冷媒組成物:
エタン(R170)にパーフロロエタン(R116)50質量%と二酸化炭素(R744)15.0質量%と冷媒組成物全体に対してn−ペンタン6.4質量%を混合した冷媒組成物。
低温側冷媒組成物としてエタン(R170)のみを使用し、冷媒組成物全体に対してn−ペンタン9.77質量%を混合した冷媒組成物を用いた以外は実施例1と同様にして運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価した。
低温側冷媒組成物としてパーフロロエタン(R116)のみを使用し、冷媒組成物全体に対してn−ペンタン14.0質量%を混合した冷媒組成物を用いた以外は実施例1と同様にして運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価した。
実施例2は、エタン(R170)に二酸化炭素(R744)を混合することで、その高い熱伝達効果によって冷却性能が向上した。その効果は、二酸化炭素(R744)の質量%が20%以下において、比較例1の結果と対比して、蒸発器24入口、また出口温度が低下し、二元冷凍装置の庫内温度が、−0.9℃程低下した。その時の最大低下温度は−1.0℃程となった。
実施例3は、パーフロロエタン(R116)に二酸化炭素(R744)を混合することで、その高い熱伝達効果と、共沸作用と推定される効果によって冷却性能が向上した。その効果は、二酸化炭素(R744)の質量%が20%以下において、比較例2の結果と対比して、蒸発器24入口、また出口温度が低下し、二元冷凍装置の庫内温度が、−4.4℃程低下した。その時の最大低下温度は−4.5℃程となった。
実施例4は、実施例1〜3で証明したように、共沸効果および二酸化炭素(R744)の高い熱伝達効果によって冷却性能がさらに向上した。その効果は、二酸化炭素(R744)の質量%が20%以下において、比較例1の結果と対比して、蒸発器24入口、また出口温度が低下し、二元冷凍装置の庫内温度が、−2.3℃程低下した。その時の最大低下温度は−2.5℃程となった。この実施例4の形態では、エタン(R170)の特性である可燃性を、パーフロロエタン(R116)、および二酸化炭素(R744)を混合することで、その可燃特性を抑えることができる。また、パーフロロエタン(R116)はGWP値が高いため、エタン(R170)および二酸化炭素(R744)を混合することで、GWP値を抑えることができる。また、パーフロロエタン(R116)は比熱比が低いため、二酸化炭素(R744)の高圧特性における吐出温度の上昇を抑えることができる。よって、実施例4の形態は、本発明の目的を満足すると考えられる。
地球温暖化係数(GWP)が3のエタン(R170)と地球温暖化係数(GWP)が12200のパーフロロエタン(R116)を混合した共沸混合物を用い、GWPが3のエタン(R170)の沸点は−88.6℃と低く、GWPが12200のパーフロロエタン(R116)の沸点は−78.1℃と低く、その共沸混合物の沸点は−88.8℃と低く、パーフロロエタン(R116)単独の場合よりGWPが半分以下と小さいので地球に優しく、−80℃という低温を達成でき、爆発の危険性がなく、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する、という顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
S2 低温側冷媒サイクル
1,6 圧縮機
11 カスケードコンデンサ
24 蒸発器
Claims (5)
- 高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置において、
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)と二酸化炭素(R744)とを含有する冷媒組成物を使用し、
前記二酸化炭素(R744)を前記冷媒組成物に対して20質量%以下を加えて、さらに、オイルキャリアとして、n−ペンタンまたはプロパンを前記冷媒組成物の総質量に対して14質量%以下の割合で含有することを特徴とする二元冷凍装置。 - 高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置において、
前記低温側冷凍回路中の冷媒として、エタン(R170)とパーフロロエタン(R116)とを混合した共沸混合物と、二酸化炭素(R744)と、を含有する冷媒組成物を使用し、
前記パーフロロエタン(R116)を前記冷媒組成物に対して50質量%以上60質量%以下とし、
前記二酸化炭素(R744)を前記冷媒組成物に対して20質量%以下を加えて、さらに、オイルキャリアとして、n−ペンタンまたはプロパンを前記冷媒組成物の総質量に対して14質量%以下の割合で含有することを特徴とする二元冷凍装置。 - 前記 高温側冷凍回路中の冷媒として、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群からなる非共沸混合物あるいは、それらの冷媒群に1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えることを特徴とする請求項1または2記載の二元冷凍装置。
- 前記高温側冷凍回路中の冷媒として、前記1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)の替わりに1,1,1,2−テトラフロロペンテン(HFO−1234yf)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えることを特徴とする請求項1または2記載の二元冷凍装置。
- 前記高温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンを前記フッ化炭化水素混合冷媒の総質量に対して6質量%以下の割合で含有する、
請求項3または4に記載の二元冷凍装置。
Priority Applications (1)
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JP2013072802A JP6181401B2 (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | 二元冷凍装置 |
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