JP2014196869A - 二元冷凍装置 - Google Patents

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【課題】オゾン層破壊の問題がなく、電力値が低く、−80℃という低温を達成でき、消エネ運転が可能で、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する冷媒組成物を使用した二元冷凍装置の提供。【解決手段】高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、前記低温側冷凍回路中の冷媒が、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)又はトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)のいずれか1つと、前記R508A又は前記R508Bのいずれか1つの総質量に対して20質量%以下の二酸化炭素(R744)を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置によって課題を解決できる。【選択図】図1

Description

本発明は、二元冷凍装置に関するものであり、さらに、詳しくは、オゾン層破壊の問題がなく、電力値が低く、かつ−80℃という低温を達成でき、消エネ運転が可能で、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する冷媒として使用できる冷媒組成物を使用した、実際に低温を達成できる二元冷凍装置に関するものである。
従来、冷凍機の冷媒として用いられているものには−80℃以下というより低い温度帯を得るために、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)あるいはトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)が使用される。
しかし、地球温暖化係数(Global−warming potential:以下、GWPと称す)が大きいこと、冷凍能力や他の性能面で改良が求められている。
二酸化炭素に、プロパン、シクロプロパン、イソブタン、ブタンなどの炭化水素類を全体の30から70%程度混合した混合冷媒およびそれを用いた冷凍サイクル装置(特許文献1参照)が提案されている。
また、イソブタン40〜60%、残部がトリフロロメタン(R23)である混合冷媒(特許文献2参照)、ジフルオロメタンとペンタフルオロエタンとの混合物にプロパンを65%以上混合した混合冷媒(特許文献3参照)などが提案されている。
特開2005−15633号公報 特許第5009530号公報 特許第4085897号公報
前記従来技術は、プロパンなどの炭化水素類は可燃性であり、かつ冷媒全体の30から70%程度混合しているので、爆発の危険性がある。
本発明の目的は、従来の問題を解決し、オゾン層破壊の問題がなく、R508AやR508BよりGWPが低く、電力値が低く、かつ−80℃という低温を達成でき、消エネ運転が可能で、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有し、COPが高く、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、n−ペンタンまたはプロパンをオイルキャリアとして使用すればオイルセパレータを使用するまでもなく圧縮機にオイルを戻すことができ、爆発の危険性がなく、−80℃という低温を達成でき、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する冷媒として使用できる冷媒組成物を使用した、実際に低温を達成できる二元冷凍装置を提供することである。
前記課題を解決するために発明者は鋭意研究した結果、例えば、低温側冷媒回路に封入される冷媒として、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)あるいはトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)の総質量に対して二酸化炭素(R744)(GWPが1)を前記共沸混合物の総質量に対して20質量%以下混合した冷媒組成物と、所定量以下のn−ペンタンまたはプロパンとの混合物を使用し、高温側冷媒回路に封入される冷媒として、ジフロロメタン(R32)/ペンタフロロエタン(R125)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)混合物(R407D)あるいはペンタフロロエタン(R125)/1,1,1−トリフロロエタン(R143a)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)混合物(R404A)、あるいは、地球温暖化係数(Global−warming potential:GWP)が1500以下である冷媒組成物として、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群に、1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えた冷媒組成物を使用することにより課題を解決できることを見いだし、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための請求項1記載の発明は、高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
前記低温側冷凍回路中の冷媒が、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)又はトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)のいずれか1つと、前記R508A又は前記R508Bのいずれか1つの総質量に対して20質量%以下の二酸化炭素(R744)を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の二元冷凍装置において、前記低温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンまたはプロパンを前記冷媒組成物の総質量に対して14質量%以下の割合で加えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
前記高温側冷凍回路中の冷媒が、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群からなる非共沸混合物あるいは、それらの冷媒群に1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置である。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の二元冷凍装置において、高温側冷凍回路中の冷媒として、前記1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)の替わりに1,1,1,2−テトラフロロペンテン(HFO−1234yf)を含む前記フッ化炭化水素混合冷媒を使用し地球温暖化係数(Global−warming potential:GWP)が1500以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の二元冷凍装置において、前記高温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンを、前記冷媒組成物の総質量に対して6質量%以下の割合で加えることを特徴とする。
本発明の請求項1記載の発明は、高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
前記低温側冷凍回路中の冷媒が、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)又はトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)のいずれか1つと、前記R508A又は前記R508Bのいずれか1つの総質量に対して20質量%以下の二酸化炭素(R744)を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置であり、
トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)あるいはトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)の総質量に対してGWPが1の二酸化炭素(R744)を前記共沸混合物の総質量に対して15質量%以下混合した冷媒組成物を用いるので、R508AやR508BよりGWPが低く、オゾン層破壊の問題がなく、電力値が低く、かつ−80℃という低温を達成でき、消エネ運転が可能で、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有し、COPが高く、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、−80℃という低温を達成できる、という顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の二元冷凍装置において、前記低温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンまたはプロパンを前記冷媒組成物の総質量に対して14質量%以下の割合で加えることを特徴とするものであり、
オゾン層破壊の問題がなく、R508AやR508BよりGWPが低く、電力値が低く、かつ−80℃という低温を達成でき、消エネ運転が可能で、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有し、COPが高く、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有する上、n−ペンタンまたはプロパンがオイルキャリアとして作用するためオイルセパレータを使用するまでもなく圧縮機にオイルを戻すことができ、n−ペンタンまたはプロパンの添加量が14質量%以下と少ないので、爆発の危険性がない、というさらなる顕著な効果を奏する。
請求項3記載の発明は、高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
前記高温側冷凍回路中の冷媒が、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群からなる非共沸混合物あるいは、それらの冷媒群に1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置であり、
地球温暖化係数(GWP)が6の1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)とジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)などのフッ化炭化水素を含む混合冷媒は、GWPが1500以下であるので、GWPが小さく地球に優しく、吐出圧力や吐出温度が高くならず、COPが低下せず、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、爆発の危険性がない、という顕著な効果を奏する。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の二元冷凍装置において、高温側冷凍回路中の冷媒として、前記1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)の替わりに1,1,1,2−テトラフロロペンテン(HFO−1234yf)を含む前記フッ化炭化水素混合冷媒を使用し地球温暖化係数(Global−warming potential:GWP)が1500以下であることを特徴とするものであり、
HFO−1234zeの替わりにHFO−1234yfを用いても請求項3記載の冷媒組成物と同じ作用効果を得ることができる、というさらなる顕著な効果を奏する。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の二元冷凍装置において、前記高温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンを、前記冷媒組成物の総質量に対して6質量%以下の割合で加えることを特徴とするものであり、
n−ペンタンがオイルキャリアとして作用するためオイルセパレータを使用するまでもなく圧縮機にオイルを戻すことができ、n−ペンタンの添加量が6質量%以下と少ないので、爆発の危険性がない、というさらなる顕著な効果を奏する。
図1は本発明の冷媒組成物を封入してなる二元冷凍装置の冷媒回路図である。
以下、図面に基づき本発明の実施例を詳述する。
図1は本発明の冷媒組成物を封入してなる二元冷凍装置の冷媒回路図である。S1は高温側冷媒サイクルを、また、S2は低温側冷媒サイクルを示している。
高温側冷媒サイクルS1を構成する圧縮機1の吐出側配管2は補助凝縮器3に接続され、補助凝縮器3は圧縮機1のオイルクーラー4、補助凝縮器5、低温側冷媒サイクルS2を構成する圧縮機6のオイルクーラー7、凝縮機8、乾燥器9、キャピラリーチューブ10を順次経て、カスケードコンデンサ11に接続され、受液器12を経て吸込側配管13により圧縮機1に接続されている。14は各凝縮器3,5及び8の冷却用ファンである。
低温側冷媒サイクルS2の圧縮機6の吐出側配管15は、オイルセパレータ16に接続され、そこで分離された圧縮機オイルは、リターン配管17にて圧縮機6に戻される。一方、冷媒は、配管18に流入して吸込側熱交換器19と熱交換した後、カスケードコンデンサ11内の配管20内を通過して凝縮し、乾燥器21、キャピラリーチューブ22を経て入口管23より蒸発器24に流入し、出口管25より出て吸込側熱交換器19を経て圧縮機6の吸込側配管26より圧縮機6に戻る構成である。27は膨張タンクであり、キャピラリーチューブ28を介して吸込側配管26に接続されている。
高温側冷媒サイクルS1には、ジフロロメタン(R32)/ペンタフロロエタン(R125)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)共沸混合物(R407D)あるいはペンタフロロエタン(R125)/1,1,1−トリフロロエタン(R143a)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)共沸混合物(R404A)、あるいは、地球温暖化係数(Global−warming potential:GWP)が1500以下である冷媒組成物として、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群に、1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze、GWP6、沸点−19℃)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を含む混合冷媒が封入される。沸点は大気圧で−40℃であり、この混合冷媒が各凝縮器3,5及び8にて凝縮し、キャピラリーチューブ10にて減圧されてカスケードコンデンサ11に流入して蒸発する。ここで、カスケードコンデンサ11は−36℃となる。
低温側冷媒サイクルS2には、トリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)の総質量に対して二酸化炭素(R744)を前記共沸混合物の総質量に対して20質量%以下混合した冷媒組成物と、n−ペンタンを混合した冷媒組成物が封入される。ここで、n−ペンタンは、共沸混合物の総質量に対して14質量%以下(この例では、12.24質量%)の割合で混合して組成される。この結果、共沸点が−86.9℃というかなり低温の冷媒組成物を封入することとなる。そして、圧縮機6から吐出された冷媒及び圧縮機オイルは、オイルセパレータ16に流入する。そこで、気相部分と液相部分とに分離され、オイルの大部分は液相であるため、リターン配管17より圧縮機6に戻れる。気相の冷媒とオイルは、配管18を通り吸込側熱交換器19と熱交換し、更に、カスケードコンデンサ11にて高温側冷媒サイクルS1内の冷媒の蒸発によって冷却されて凝縮する。その後、キャピラリーチューブ22にて減圧された後、蒸発器24に流入して蒸発する。この蒸発器24は、図示しない冷凍庫の壁面に熱交換関係に取り付けられて庫内を冷却する。ここで、蒸発器24での蒸発温度は−86℃に達する。
このように構成された二元冷凍装置において、低温側冷媒サイクルS2に封入される前記冷媒組成物は、共沸点は−86.9℃程度となることから、R503の代替冷媒として十分に冷凍能力を発揮できる。
更に、前記冷媒組成物はオイルとの相溶性が悪いが、n−ペンタンを14質量%以下混合することにより解決できる。即ち、n−ペンタンは沸点が+36.07℃と高いが、圧縮機オイルとの相溶性が良好であり、n−ペンタンを14質量%の範囲で混合することにより、n−ペンタンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機まで帰還させることができ、圧縮機の油上がりによるロック等の弊害を防止できる。この結果、特にオイルセパレータ16にて完全にオイルを分離するまでもなく、圧縮機6にオイルを戻すことができる。ここで、n−ペンタンは沸点が高いため、あまり多量に混合すると蒸発温度が上昇して目的とする低温が得られないが、n−ペンタンを、14質量%以下の割合で混合することにより、蒸発温度を上昇させずしかもn−ペンタンが不燃域に維持しつつオイルを圧縮機へ帰還させることができる。
このように、本実施例の二元冷凍装置によれば、オイル戻りを良好とし、爆発等の危険を伴うことなく、蒸発器にて−85℃以下程度の低温を達成することができ、規制冷媒を使用せずに血液保冷等の医療用フリーザーとして実用化できる。
また、n−ペンタンは市販されており、フリーザー等で使用する場合には容易に入手でき、実用的である。
また、プロパンは、ガス状態として、封入の作業性やサービス性を工場できる利点がある。
尚、本実施例では二酸化炭素(R744)を20質量%以下混合した混合冷媒とn−ペンタンとの混合物にて説明したが、n−ペンタンの代わりにR290(プロパン、C38)を同様の割合で混合しても同様の効果が得られる。即ち、プロパンも圧縮機オイルとの相溶性が良好であり、プロパンを14質量%混合することにより、プロパンにオイルを溶け込ませた状態で圧縮機6まで帰還させることができ、圧縮機6の油上がりによるロック等の弊害を防止できる。ここで、プロパンは沸点が−42.75℃と低いため、蒸発温度に与える影響はそれ程ないが、可燃性であるため、爆発の危険があり取扱に難点がある。しかし、プロパンの混合割合を14質量%以下とすることにより、プロパンを不燃域に維持することができ、爆発等の心配は無くなる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示した本発明の二元冷凍装置の冷媒回路に下記の冷媒組成物を封入して運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価するとともに消費電力値を測定した。また、−80℃に達するまでの時間を測定した。
低温側冷媒組成物:
トリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)の総質量に対して二酸化炭素(R744)を前記共沸混合物の総質量に対して3.0から20質量%混合した冷媒組成物と、n−ペンタンを約12質量%混合した不燃性冷媒組成物。
高温側冷媒組成物:
ジフロロメタン(R32)/ペンタフロロエタン(R125)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)共沸混合物(R407D)あるいはペンタフロロエタン(R125)/1,1,1−トリフロロエタン(R143a)/1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)共沸混合物(R404A)、あるいは、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群に、1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze、GWP6、沸点−19℃)を含むフッ化炭化水素混合冷媒であり、または、1,1,1,2−テトラフロロペンテン(HFO−1234yf)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えることを特徴とした混合冷媒。
(比較例1)
二酸化炭素(R744)を使用しなかった以外は実施例1と同様にして運転し、二元冷凍装置の庫内温度および、蒸発器24入口、また出口温度を測定して冷却能力を評価するとともに消費電力値を測定した。また、−80℃に達するまでの時間を測定した。
前記冷媒組成物の総質量に対して二酸化炭素(R744)3.0から20.0質量%混合した冷媒組成物(実施例1)は、二酸化炭素(R744)0質量%の場合(比較例1)の状態における二元冷凍装置の庫内温度と比較すると、−0.9℃程低下した。その時の最大低下温度は-1.2℃程となった。例えば、二元冷凍装置の庫内温度が−85℃の場合、−85.9℃程となり、その時の最大低下温度は−86.2℃程となった。一方、使用電力値においては、実施例1の場合、二酸化炭素(R744)の混合量が20質量%以下であれば二酸化炭素(R744)の混合量に関わらず、電力値に大きな変動はなかった。そのため、実施例1の二酸化炭素(R744)混合量10質量%において、二酸化炭素(R744)0質量%の場合(比較例1)に対比して、二元冷凍装置の消費電力量は、およそ6%程度改善することが可能となった。さらに、実施例1および比較例1について、−80℃に達するまでの時間を測定したところ、二酸化炭素(R744)を加えた混合冷媒の方(実施例1)が、比較例1の場合よりも1時間程度早く到達した。
本発明は、高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
前記低温側冷凍回路中の冷媒が、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)又はトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)のいずれか1つと、前記R508A又は前記R508Bのいずれか1つの総質量に対して20質量%以下の二酸化炭素(R744)を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置であり、
トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)あるいはトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)の総質量に対して二酸化炭素(R744)を前記共沸混合物の総質量に対して15質量%以下混合した冷媒組成物を用いるので、R508AやR508BよりGWPが低く、オゾン層破壊の問題がなく、電力値が低く、かつ−80℃という低温を達成でき、消エネ運転が可能で、冷凍能力や他の性能面でも優れた性能を有し、COPが高く、オイルの劣化やスラッジを引き起こすことがなく、−80℃という低温を達成できる、という顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
S1 高温側冷媒サイクル
S2 低温側冷媒サイクル
1,6 圧縮機
11 カスケードコンデンサ
24 蒸発器

Claims (5)

  1. 高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
    前記低温側冷凍回路中の冷媒が、トリフルオロメタン(R23)を39質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を61質量%混合した共沸混合物(R508A、沸点−85.7℃)又はトリフルオロメタン(R23)を46質量%、ヘキサフルオロエタン(R116)を54質量%混合した共沸混合物(R508B、沸点−86.9℃)のいずれか1つと、前記R508A又は前記R508Bのいずれか1つの総質量に対して20質量%以下の二酸化炭素(R744)を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置。
  2. 前記低温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンまたはプロパンを前記冷媒組成物の総質量に対して14質量%以下の割合で加えることを特徴とする請求項1記載の二元冷凍装置。
  3. 高温側冷凍回路と低温側冷凍回路を備え、前記低温側冷凍回路中の冷媒の凝縮を前記高温側冷凍回路中のカスケードコンデンサを通過する冷媒により行う二元冷凍装置であって、
    前記高温側冷凍回路中の冷媒が、ジフロロメタン(R32)、ペンタフロロエタン(R125)、1,1,1,2−テトラフロロエタン(R134a)、1,1,3−トリフロロエタン(R143a)の冷媒群からなる非共沸混合物あるいは、それらの冷媒群に1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)を含むフッ化炭化水素混合冷媒を加えた冷媒組成物であることを特徴とする二元冷凍装置。
  4. 高温側冷凍回路中の冷媒として、前記1,1,1,2,3−ペンタフロロペンテン(HFO−1234ze)の替わりに1,1,1,2−テトラフロロペンテン(HFO−1234yf)を含む前記フッ化炭化水素混合冷媒を使用し地球温暖化係数(Global−warming potential:GWP)が1500以下であることを特徴とする請求項3記載の二元冷凍装置。
  5. 前記高温側冷凍回路中の冷媒に、オイルキャリアとしてn−ペンタンを、前記冷媒組成物の総質量に対して6質量%以下の割合で加えることを特徴とする請求項3又は4記載の二元冷凍装置。
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