JP2001072966A - 混合冷媒とそれを用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

混合冷媒とそれを用いた冷凍サイクル装置

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JP2001072966A
JP2001072966A JP25438099A JP25438099A JP2001072966A JP 2001072966 A JP2001072966 A JP 2001072966A JP 25438099 A JP25438099 A JP 25438099A JP 25438099 A JP25438099 A JP 25438099A JP 2001072966 A JP2001072966 A JP 2001072966A
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Yuji Yoshida
雄二 吉田
Noriho Okaza
典穂 岡座
Shozo Funakura
正三 船倉
Mitsuharu Matsuo
光晴 松尾
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プロピレンと、そのプロピレンと
共沸様混合物を作るフッ化炭化水素類を含む混合冷媒、
および、それを用いたエアコン、冷凍機等の冷凍サイク
ル装置を提案するものである。 【解決手段】 プロピレンと、50重量%以下の1,
1,1,2−テトラフルオロエタンまたは/かつ30重
量%以下の1,1−ジフルオロエタンを含み、またはさ
らに、ペンタフルオロエタンを添加した混合冷媒であ
り、R502代替冷媒として用いるときにより有用とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレンと、そ
のプロピレンと共沸様混合物を作るフッ化炭化水素類を
含む混合冷媒、および、それを用いたエアコン、冷凍機
等の冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エアコン、冷凍機等の冷凍サイク
ル装置は、圧縮機、必要に応じて四方弁、凝縮器、キャ
ピラリーチューブや膨張弁等の絞り装置、蒸発器、アキ
ュームレータ等を配管接続して冷凍サイクルを構成し、
その内部に冷媒を循環させることにより、冷却または加
熱作用を行っている。これらの冷凍サイクル装置におけ
る冷媒としては、フロン類(以下R○○またはR○○○
と記すことが、米国ASHRAE34規格により規定さ
れている)と呼ばれるメタンまたはエタンから誘導され
たハロゲン化炭化水素が知られている。
【0003】エアコン、空調機等においては、利用温度
としては凝縮温度は実質上50℃、蒸発温度は実質上0
℃の範囲において通常使用され、中でもR22(クロロ
ジフルオロメタン、CHClF2、沸点−40.8℃)が冷媒
として幅広く用いられている。また冷凍機等において
は、利用温度はやや低いが、中でもR502(R22と
R115:クロロペンタフルオロエタンの共沸冷媒、沸
点−45.6℃)が冷媒として幅広く用いられてきた。
このR22は塩素を含むフッ化炭化水素類(HCFC冷
媒)、R502の成分であるR115は水素を含まない
フッ化塩化炭素類(CFC冷媒)であり、成層圏オゾン
破壊能力があるため、すでにモントリオール議定書によ
って使用量及び生産量の規制が決定されている。成層圏
オゾン層に及ぼす影響をほとんどなくするためには、分
子構造中に塩素を含まないことが必要条件とされてお
り、この可能性のあるものとして別の塩素を含まないフ
ッ化炭化水素類(HFC冷媒)の代替冷媒や、フッ素も
含まない炭化水素類(HC冷媒)の代替冷媒が提案され
ている。
【0004】塩素を含まないフッ化炭化水素類(HFC
冷媒)としては、ジフルオロメタン(CH2F2、R32、
沸点−51.7℃)、ペンタフルオロエタン(CF3-CH
F2、R125、沸点−48.1℃)、1,1,1−トリ
フルオロエタン(CF3-CH3、R143a、沸点−47.
2℃)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(CF3-
CH2F、R134a、沸点−26.1℃)、1,1−ジフ
ルオロエタン(CHF2-CH3、R152a、沸点−24.0
℃)等からなる混合冷媒が、代替冷媒候補として考えら
れている。すなわち、R22の代替冷媒としては、R3
2、R125、R134a等からなる混合冷媒、R50
2の代替冷媒としては、R125、R143a、R13
4a等からなる混合冷媒が、採用されだしている。例え
ば、23重量%のR32、25重量%のR125、52
重量%のR134aからなる非共沸混合冷媒は、米国A
SHRAE34規格においてR407Cの番号が付与さ
れて、R22の代替冷媒としてパッケージエアコン等
に、50重量%のR32、50重量%のR125からな
る非共沸混合冷媒は、米国ASHRAE34規格におい
てR410Aの番号が付与されて、R22の代替冷媒と
してルームエアコン等に、採用されだしている。また、
44重量%のR125、52重量%のR143a、4重
量%のR134aからなる非共沸混合冷媒は、米国AS
HRAE34規格においてR404Aの番号が付与され
て、R502の代替冷媒として冷凍機等に採用されだし
ている。
【0005】HFC冷媒の欠点は、地球環境問題のもう
一つの課題である地球温暖化に対する影響を示す地球温
暖化係数(以下GWPと記す)が、従来のHCFC冷媒
のR22と同程度以上に大きいことである。1998年
のIPCC(Intergovernmental Panel on Climate
Change、気候変動政府間パネル)報告によれば、炭酸
ガス(CO2)のGWPを1としたときの積算時水平軸
100年の比較値は、R22のGWPは1900、HF
C冷媒の内、R32のGWPは880、R125のGW
Pは3800、R143aのGWPは5400、R13
4aのGWPは1600、R152aのGWPは190
とされている。従って、これらを混合したR407Cの
GWPは2000、R410AのGWPは2300、R
404AのGWPは4500と試算される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭化水素類
(HC冷媒)であるプロピレン(R1270)が、成層
圏オゾン層に及ぼす影響がほとんどないフッ化炭化水素
類(HFC冷媒)であるR134aやR152aと少量
の混合量で共沸様組成を作り、これらの混合冷媒が優れ
た特性をもつことが見いだされたものであり、R22や
R502の代替冷媒として用いることができる。
【0007】ここでプロピレン(CH3-CH=CH2、R127
0、沸点−47.7℃)は、フッ素も含まない炭化水素
類(HC冷媒)であり、分子構造に二重結合をもつ。従
来、プロピレン(R1270)は、特開平7−1501
34に見られるように、フッ化炭化水素類(HFC冷
媒)の内では、R125と共沸様組成を作ることが知ら
れていた。R1270(沸点−47.7℃)とR 12
5(沸点−48.1℃)は、沸点が近いこともあって、
R1270とR 125から2成分系混合冷媒はほとん
どの混合組成で共沸様組成となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明になる請求項1
は、プロピレン(R1270)と、50重量%以下の
1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)
または/かつ30重量%以下の1,1−ジフルオロエタ
ン(R152a)を含む冷凍サイクル装置に用いる混合
冷媒である。
【0009】本発明になる請求項2は、プロピレン(R
1270)と、50重量%以下の1,1,1,2−テト
ラフルオロエタン(R134a)または30重量%以下
の1,1−ジフルオロエタン(R152a)のいづれか
に、ペンタフルオロエタン(R125)を添加した冷凍
サイクル装置に用いる混合冷媒である。
【0010】本発明になる請求項3は、請求項1または
2記載の混合冷媒をR502代替冷媒として用いる冷凍
サイクル装置である。
【0011】本発明になる請求項4は、水分を除去する
ためのドライヤを備えることを特徴とする請求項3記載
の冷凍サイクル装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】第1の発明の混合冷媒は、R12
70と50重量%以下のR134a、またはR1270
と30重量%以下のR152a、またはR1270と5
0重量%以下のR134aと30重量%以下のR152
a、からなる混合冷媒であり、冷凍サイクル装置の凝縮
器や蒸発器の両方において、温度勾配をほとんどゼロに
近くすることができる共沸様混合組成として扱えること
がわかった。
【0013】また、第1の発明の混合冷媒は、R502
に比べ冷凍能力や成績係数が優れ、冷凍サイクル装置の
圧縮機吐出温度はR22よりも低減され、R502に近
くなる。さらに冷凍サイクル装置の冷媒として用いられ
る場合には、冷媒密度が小さいR1270を多く含むた
め、冷媒充填量をほぼ半減できる。
【0014】また、第1の発明の混合冷媒は、不燃性の
R134aや、R1270よりも可燃性の弱いR152
aを混合したものであり、共沸様混合組成として扱える
ため、ほとんど万一の漏洩においても、R1270単一
冷媒よりも可燃性の危険を低減することができる。
【0015】また、分子構造に二重結合をもつR127
0は、高温における熱分解に注意する必要があるが、第
1の発明の混合冷媒は、R134aやR152aを混合
するにつれて、R1270の混合比率が減少するため、
熱安定性に有利である。
【0016】また、第1の発明の混合冷媒は、R127
0を含む混合冷媒であるため、化学構造的に近い従来の
鉱油やアルキルベンゼン油からなる圧縮機用潤滑油と溶
解性があり、HFC冷媒のみからなる混合冷媒のよう
に、エステル油やエーテル油を用いる必要がない。さら
には、R134aやR152aのHFC冷媒よりも多く
R1270が潤滑油へ溶解するために、充填した混合組
成よりもR1270の少ない循環組成となるが、本発明
の組成範囲では、R1270とR134aやR152a
のHFC冷媒との共沸性は維持されるものである。
【0017】また、第1の発明の混合冷媒は、炭化水素
類(HC冷媒)であるR1270と、フッ化炭化水素類
(HFC冷媒)であるR134aまたは/かつR152
aのいづれかを含む混合物となすことにより、成層圏オ
ゾン層に及ぼす影響をなくすることを可能とするもので
ある。さらにかかる混合物は、GWPがほとんどない炭
化水素類のR1270と、50重量%以下のR134a
または/かつ30重量%以下のR152aを含むため、
例えば、R1270と50重量%以下のR134aを含
む混合冷媒のGWPは、最大で800以下、R1270
と30重量%以下のR152aを含む混合冷媒のGWP
は、最大で60以下と、地球温暖化に対する影響は、R
407CやR410AやR404AのようにHFC冷媒
のみからなる混合冷媒に比べ、大幅に低減できるもので
ある。
【0018】第2の発明の混合冷媒は、R1270と5
0重量%以下のR134aとR125、またはR127
0と30重量%以下のR152aとR125、からなる
混合冷媒であり、R1270とR 125から2成分系
混合冷媒がほとんどの混合組成で共沸様組成となる性質
を利用して、これらの3成分系混合冷媒も、冷凍サイク
ル装置の凝縮器や蒸発器の両方において、温度勾配をほ
とんどゼロに近くすることができる共沸様混合組成とし
て扱えるものである。
【0019】また、第2の発明の混合冷媒も、R502
に比べ冷凍能力や成績係数が優れ、R125が冷凍サイ
クル装置の圧縮機吐出温度の低減効果が大きい性質を利
用して、圧縮機吐出温度はR22よりもさらに低減さ
れ、R502にさらに近くなる。
【0020】また、第2の発明の混合冷媒は、不燃性の
R134aや、R1270よりも可燃性の弱いR152
aに、さらに不燃化効果の大きいR125を混合したも
のであり、共沸様混合組成として扱えるため、ほとんど
万一の漏洩においても、R1270単一冷媒よりも可燃
性の危険をさらに低減することができる。
【0021】本発明になる冷凍サイクル装置は、第1の
発明の混合冷媒または第2の発明の混合冷媒をR502
代替冷媒として用いる冷凍サイクル装置である。本発明
になる混合冷媒は、R502に比べ冷凍能力や成績係数
が優れるばかりでなく、利用温度の低い冷凍機等の用途
においては、圧縮機吐出温度が上昇しやすいのを防止す
ることができる。
【0022】また、本発明になる冷凍サイクル装置は、
水分を除去するためのドライヤを備えることを特徴とす
る冷凍サイクル装置である。本発明になる混合冷媒は、
R1270と、R134aまたはR152aを必須成分
として含み、さらにR125を必要に応じて添加したも
のであるが、これらの単一冷媒は、冷凍サイクル装置中
の水分と結合してクラスレートを生成することが知られ
ているため、こられからなる混合冷媒もクラスレートを
生成することが予想され、圧縮機に付設したアキューム
レータの潤滑油の戻し穴を氷結させる恐れがあり、水分
を除去するためのドライヤを備えることにより、信頼性
のある運転を行うことができる。
【0023】(実施の形態1)第1の実施の形態は、R
1270とR134a、R1270とR152a、から
なる2成分系混合冷媒の気液平衡を調べたものである。
【0024】(実施例1)図1のR1270/R134
a系においては、20℃一定温度において、各2成分系
の混合組成を変化させると、約60〜70重量%のR1
270において共沸組成が見出された。また50重量%
以上のR1270、すなわち60重量%以下のR134
aの混合組成においては、共沸組成ではないものの、気
相圧力と液相圧力がほとんど同一となる共沸様混合組成
として扱えることがわかった。
【0025】(実施例2)図2のR1270/R152
a系においては、20℃一定温度において、各2成分系
の混合組成を変化させても、明確な共沸組成は見出され
なかったが、70重量%以上のR1270、すなわち3
0重量%以下のR152aの混合組成においては、共沸
組成ではないものの、気相圧力と液相圧力がほとんど同
一となる共沸様混合組成として扱えることがわかった。
【0026】(実施の形態2)第2の実施の形態は、R
1270と50重量%以下のR134a、またはR12
70と30重量%以下のR152a、からなる2成分系
混合冷媒の冷凍性能を示し、冷凍サイクル装置の冷媒と
して用いる場合の優れた特性を示すものである。すなわ
ち、凝縮平均温度が50℃、蒸発平均温度が0℃となる
ようにして、2成分系混合冷媒の混合組成を変化させ
て、R502やHFC系代替冷媒であるR404Aの冷
凍性能と比較したものである。(表1)は、R1270
と50重量%以下のR134aの2成分系混合冷媒の冷
凍性能であり、(表2)は、R1270と30重量%以
下のR152aの2成分系混合冷媒の冷凍性能であり、
R1270単一冷媒とR404Aの冷凍性能は(表2)
に合わせて示した。なお、この温度条件における圧縮機
吐出温度は、R502では57.9℃、R404Aでは
56.3℃、R22では71.7℃である。
【0027】(実施例3)(表1)は、R1270と5
0重量%以下のR134aの2成分系混合冷媒の冷凍性
能である。(表1)の冷凍サイクル装置の冷凍能力と成
績係数は、両方ともに、R1270単一冷媒を含めて、
R502よりも大幅に上回る。(表2)のHFC系代替
冷媒であるR404Aの冷凍性能と比較すれば、さらに
大幅に上回る。冷凍能力は、R134aが50重量%以
下ではほとんど変わらない。成績係数は、R134aを
混合するにつれて除々に減少しているが、R1270/
R134aが50/50重量%においてもR502を上
回る。凝縮圧力および蒸発圧力は、約60〜70重量%
のR1270の共沸組成において最高となることがわか
る。(表2)のHFC系代替冷媒であるR404Aの凝
縮圧力および蒸発圧力と比較しては、両方共にすべての
組成範囲で低い。50重量%以下のR134aでは、冷
凍サイクル装置の凝縮器や蒸発器の温度勾配は、1de
g以下であり、ほとんど共沸様混合組成として扱えるこ
とがわかる。(表2)のHFC系代替冷媒であるR40
4Aの凝縮器や蒸発器の温度勾配と比較しても、両方共
にすべての組成範囲で小さい。R502とほぼ同一の冷
凍能力を得るのに、R1270/R134a系ではほぼ
半減の冷媒循環量でよく、冷媒充填量もほぼ半減できる
ものである。(表1)の吐出温度からは、R1270に
R134aを混合するにつれて、R1270単一冷媒よ
りも圧縮機吐出温度が減少できることがわかる。すなわ
ち、分子構造に二重結合をもつR1270は、高温にお
ける熱分解に注意する必要があるが、R134aを混合
するにつれて、吐出温度が低下し、R1270の混合比
率も減少するため、熱安定性に有利である。この効果
は、蒸発温度が0℃以下のより低い冷凍機等の用途にお
いて、さらに有利である。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例4)(表2)は、R1270と3
0重量%以下のR152aの2成分系混合冷媒とR40
4Aの冷凍性能である。(表2)の冷凍サイクル装置の
冷凍能力と成績係数は、両方ともに、R1270単一冷
媒を含めて、R502よりも大幅に上回る。(表2)の
HFC系代替冷媒であるR404Aの冷凍性能と比較す
れば、さらに大幅に上回る。冷凍能力は、R152aが
30重量%以下ではほとんど変わらない。成績係数も、
R1270/R152aが70/30重量%においても
R502を上回り、ほとんど変わらない。凝縮圧力およ
び蒸発圧力は、30重量%以下のR152aでは、ほと
んど変わらないことがわかる。(表2)のHFC系代替
冷媒であるR404Aの凝縮圧力および蒸発圧力と比較
しては、両方共にすべての組成範囲で低い。30重量%
以下のR152aでは、冷凍サイクル装置の凝縮器や蒸
発器の温度勾配は、1deg以下であり、ほとんど共沸
様混合組成として扱えることがわかる。(表2)のHF
C系代替冷媒であるR404Aの凝縮器や蒸発器の温度
勾配と比較しても、両方共にほとんどすべての組成範囲
で小さい。R502とほぼ同一の冷凍能力を得るのに、
R1270/R152a系ではほぼ半減の冷媒循環量で
よく、冷媒充填量もほぼ半減できるものである。(表
2)の吐出温度からは、R1270にR152aを混合
するにつれて、R1270単一冷媒よりも圧縮機吐出温
度が若干上昇しているが、R1270の混合比率が減少
するため、熱安定性に有利である。
【0030】
【表2】
【0031】(実施の形態3)第3の実施の形態は、R
1270と50重量%以下のR134aと30重量%以
下のR152a、R1270と50重量%以下のR13
4aとR125、R1270と30重量%以下のR15
2aとR125、からなる3成分系混合冷媒の冷凍性能
を示し、冷凍サイクル装置の冷媒として用いる場合の優
れた特性を示すものである。すなわち、凝縮平均温度が
50℃、蒸発平均温度が0℃となるようにして、3成分
系混合冷媒の混合組成を変化させて、R502やHFC
系代替冷媒であるR404Aの冷凍性能と比較したもの
である。
【0032】(実施例5)(表3)は、R1270と5
0重量%以下のR134aと30重量%以下のR152
aの3成分系混合冷媒の冷凍性能である。(表3)の組
成は、50重量%以下のR134aと30重量%以下の
R152aの範囲でランダムに選択した混合組成である
が、冷凍サイクル装置の冷凍能力と成績係数は、両方と
もにR502よりも上回る。(表2)のHFC系代替冷
媒であるR404Aの冷凍性能と比較すれば、さらに大
幅に上回る。R1270の混合比率が少なくなるにつれ
て、冷凍能力や成績係数は若干低くなるが、凝縮圧力お
よび蒸発圧力も低くなる。(表2)のHFC系代替冷媒
であるR404Aの凝縮圧力および蒸発圧力と比較して
は、両方共にすべての組成範囲で低い。50重量%以下
のR134aと30重量%以下のR152aの範囲の混
合組成では、冷凍サイクル装置の凝縮器や蒸発器の温度
勾配は、ほぼ1deg以下であり、ほとんど共沸様混合
組成として扱えることがわかる。(表2)のHFC系代
替冷媒であるR404Aの凝縮器や蒸発器の温度勾配と
比較しては、若干大きい組成範囲もあるが、実用上の問
題とはならない。(表3)の吐出温度からは、R134
aを混合するにつれて、圧縮機吐出温度が減少でき、R
152aを混合するにつれて、圧縮機吐出温度が若干上
昇することがわかる。すなわち、R1270とR134
aとR152aの3成分系混合冷媒においては、50重
量%以下のR134aと30重量%以下のR152aの
共沸様混合組成として扱える範囲において、用途や目的
に応じて任意の混合組成を選択することができる。
【0033】
【表3】
【0034】(実施例6)(表4)は、R1270と5
0重量%以下のR134aとR125の3成分系混合冷
媒の冷凍性能である。(表4)の組成は、50重量%以
下のR134aの範囲でランダムに選択した混合組成で
あるが、冷凍サイクル装置の冷凍能力と成績係数は、両
方ともにR502よりも上回る。(表2)のHFC系代
替冷媒であるR404Aの冷凍性能と比較すれば、さら
に大幅に上回る。R125の混合比率が多くなるにつれ
て、冷凍能力は増大し成績係数は若干低くなり、凝縮圧
力および蒸発圧力も高くなる。(表2)のHFC系代替
冷媒であるR404Aの凝縮圧力および蒸発圧力と比較
しては、特に凝縮圧力がすべての組成範囲で低い。50
重量%以下のR134aの範囲の混合組成では、冷凍サ
イクル装置の凝縮器や蒸発器の温度勾配は、ほぼ1de
g以下であり、ほとんど共沸様混合組成として扱えるこ
とがわかる。(表2)のHFC系代替冷媒であるR40
4Aの凝縮器や蒸発器の温度勾配と比較しては、ほとん
どの組成範囲で若干大きいが、実用上の問題とはならな
い。(表4)の吐出温度からは、R125を混合するに
つれて、圧縮機吐出温度が減少できることがわかる。す
なわち、R1270とR134aとR125の3成分系
混合冷媒においては、50重量%以下のR134aの共
沸様混合組成として扱える範囲において、用途や目的に
応じて任意の混合組成を選択することができる。
【0035】
【表4】
【0036】(実施例7)(表5)は、R1270と3
0重量%以下のR152aとR125の3成分系混合冷
媒の冷凍性能である。(表5)の組成は、30重量%以
下のR152aの範囲でランダムに選択した混合組成で
あるが、冷凍サイクル装置の冷凍能力と成績係数は、両
方ともにR502よりも上回る。(表2)のHFC系代
替冷媒であるR404Aの冷凍性能と比較すれば、さら
に大幅に上回る。R125の混合比率が多くなるにつれ
て、冷凍能力は増大し成績係数は若干低くなり、凝縮圧
力および蒸発圧力も高くなる。(表2)のHFC系代替
冷媒であるR404Aの凝縮圧力および蒸発圧力と比較
しては、特に凝縮圧力がすべての組成範囲で低い。30
重量%以下のR152aの範囲の混合組成では、冷凍サ
イクル装置の凝縮器や蒸発器の温度勾配は、ほぼ1de
g以下であり、ほとんど共沸様混合組成として扱えるこ
とがわかる。(表2)のHFC系代替冷媒であるR40
4Aの凝縮器や蒸発器の温度勾配と比較しては、ほとん
どの組成範囲で若干大きいが、実用上の問題とはならな
い。(表5)の吐出温度からは、R125を混合するに
つれて、圧縮機吐出温度が減少できることがわかる。す
なわち、R1270とR152aとR125の3成分系
混合冷媒においては、30重量%以下のR152aの共
沸様混合組成として扱える範囲において、用途や目的に
応じて任意の混合組成を選択することができる。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
においては以下の効果を有する。すなわち、 (1)冷凍サイクル装置の凝縮器や蒸発器の両方におい
て、温度勾配をほとんどゼロに近くすることができる共
沸様混合組成として扱える。 (2)R502やHFC系代替冷媒であるR404Aに
比べ冷凍能力や成績係数が優れ、冷凍サイクル装置の圧
縮機吐出温度はR22よりも低減され、R502に近く
なる。 (3)さらに冷凍サイクル装置の冷媒として用いられる
場合には、冷媒密度が小さいR1270を多く含むた
め、冷媒充填量をほぼ半減できる。 (4)不燃性のR134aや、R1270よりも可燃性
の弱いR152aを混合したものであり、ほとんど万一
の漏洩においても、R1270単一冷媒よりも可燃性の
危険を低減することができる。 (5)R134aやR152aを混合するにつれて、R
1270の混合比率が減少するため、熱安定性に有利で
ある。 (6)R1270を含む混合冷媒であるため、化学構造
的に近い従来の鉱油やアルキルベンゼン油からなる圧縮
機用潤滑油と溶解性がある。 (7)炭化水素類(HC冷媒)であるR1270と、フ
ッ化炭化水素類(HFC冷媒)であるR134aまたは
/かつR152aを含む混合物となすことにより、成層
圏オゾン層に及ぼす影響をなくすることを可能とする。 (8)R1270と50重量%以下のR134aを含む
混合冷媒のGWPは、最大で800以下、R1270と
30重量%以下のR152aを含む混合冷媒のGWP
は、最大で60以下と、地球温暖化に対する影響は、R
407CやR404AのようにHFC冷媒のみからなる
混合冷媒に比べ、大幅に低減できる。 (9)さらにR125を添加した混合冷媒も、共沸様混
合組成として扱える。 (10)R125を添加した混合冷媒も、R502に比
べ冷凍能力や成績係数が優れ、R125が冷凍サイクル
装置の圧縮機吐出温度の低減効果が大きい性質を利用し
て、圧縮機吐出温度はR22よりもさらに低減され、R
502にさらに近くなる。 (11)R125を添加した混合冷媒は、さらに不燃化
効果の大きいR125を混合したものであり、可燃性の
危険をさらに低減することができる。 (12)利用温度の低い冷凍機等の用途においては、圧
縮機吐出温度が上昇しやすいのを防止することができ
る。 (13)水分を除去するためのドライヤを備えることに
より、信頼性のある運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるR1270/R134aの2成分
系混合冷媒の気液平衡図
【図2】本発明になるR1270/R152aの2成分
系混合冷媒の気液平衡図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船倉 正三 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松尾 光晴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西脇 文俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンと、50重量%以下の1,
    1,1,2−テトラフルオロエタンまたは/かつ30重
    量%以下の1,1−ジフルオロエタンを含む冷凍サイク
    ル装置に用いる混合冷媒。
  2. 【請求項2】 プロピレンと、50重量%以下の1,
    1,1,2−テトラフルオロエタンまたは30重量%以
    下の1,1−ジフルオロエタンのいづれかに、ペンタフ
    ルオロエタンを添加した冷凍サイクル装置に用いる混合
    冷媒。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の混合冷媒をR5
    02代替冷媒として用いる冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 水分を除去するためのドライヤを備える
    ことを特徴とする請求項3記載の冷凍サイクル装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100669091B1 (ko) * 2006-07-04 2007-01-16 함윤식 근공비성 3원 혼합냉매
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US10591188B2 (en) 2014-05-12 2020-03-17 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Refrigeration cycle device using working fluid containing 1,1,2-trifluoroethylene (R1123) and difluoromethane (R32)

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